JPH0575290A - 電磁波シールド基板の製造方法 - Google Patents

電磁波シールド基板の製造方法

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JPH0575290A
JPH0575290A JP23326291A JP23326291A JPH0575290A JP H0575290 A JPH0575290 A JP H0575290A JP 23326291 A JP23326291 A JP 23326291A JP 23326291 A JP23326291 A JP 23326291A JP H0575290 A JPH0575290 A JP H0575290A
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resin
electron beam
acid
resins
curing
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JP23326291A
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Masahiko Otsuka
雅彦 大塚
Isao Kosako
勲 小迫
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • H05K1/092Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks
    • H05K1/095Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks for polymer thick films, i.e. having a permanent organic polymeric binder

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板への熱の影響を低減し、初期の導電性に
優れ、高温度、高湿度の環境下でも長期の信頼性を保持
し、マイグレーションの問題がない電磁波シールド基板
を提供するものである。 【構成】 (A)(a)電子線硬化性樹脂10〜90重
量%と、(b)熱硬化性樹脂がアミノ樹脂、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂から選ば
れる一種以上の樹脂90〜10重量%、からなるペース
ト樹脂5〜85重量部と、(B)導電性微粉末95〜1
5重量部からなる導電性ペースト組成物を基板に塗布
し、該塗布物を熱硬化させて導電性層を形成させ、次に
該導電性層上に電子線硬化性樹脂を主成分とするオーバ
ーコート材を塗布し、電子線照射により硬化させること
を特徴とする電磁波シールド基板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気、電子分野に使用さ
れる電磁波シールド基板に関するものであり、さらに詳
しくは、プリント基板に特定の導電性ペーストを塗布・
短時間熱硬化させ、次にオーバーコートを塗布し電子線
を用いて硬化を行わせて製造する電磁波シールド基板の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年電気・電子機器に用いられるプリン
ト基板は、回路の高密度化に伴い電磁波の遮蔽が必要と
されてきている。その電磁波防止策の一つとして、導電
性ペーストをプリント配線回路上に塗布することが行わ
れている。これは、導電性ペーストが回路内部より発生
する電磁波を遮蔽すると共に、配線間のクロストークを
防止するものであり、次第に一般化しつつある。この電
磁波遮蔽を施した基板(以下電磁波シールド基板と略)
の信頼性に対する要求は苛酷なものがあり、例えば高度
の耐熱性、接着性、耐湿性、長期信頼性等が上げられて
いる。
【0003】従来開発されてきている電磁波シールド基
板は、一般に回路上に絶縁層、その上に導電性層、さら
にその導電性層を保護する目的でオーバーコート層から
なる。回路を保護する目的でソルダーレジスト等を塗布
・硬化することは通常のプリント基板で行われているこ
とであるが、電磁波シールド基板の場合さらに導電性ペ
ースト、オーバーコートを塗布・硬化させている。
【0004】導電性ペースト、オーバーコートの硬化に
熱エネルギーを用いる場合、多大のエネルギー、加
熱のための時間、加熱装置設置のための大きな床面積
などを必要として不経済である。そればかりでなく、
長時間の加熱は基材の劣化や変形を引き起こし、これが
原因となって長期信頼性を損なう事がある。この多大な
る熱エネルギーをすこしでも解消する目的で、導電性ペ
ーストは熱硬化で行わせ、オーバーコートは光エネルギ
ー(紫外線エネルギー)を用いて硬化させる場合があ
る。しかし、熱硬化・紫外線硬化の組み合わせは、導電
性層とオーバーコート層の密着性が不良であり、例えば
ハンダ耐熱試験においてその層間ではくりしてしまう問
題点を抱えている。従って、基板への熱の影響をできる
だけ少なくし、前述の厳しい環境試験を満足する電磁波
シールド基板が強く求められているが、未だ満足するも
のはない。
【0005】それゆえに、導電性ペーストは紫外線、電
子線などの活性エネルギー線の照射により室温、それに
近い温度、または基板の劣化などを起こさせない短時間
の加熱で硬化させ、オーバーコートも同様に紫外線、電
子線などの活性エネルギー線の照射により室温、それに
近い温度、または基板の劣化などを起こさせない短時間
の加熱で硬化させる手法に期待が集まっている。
【0006】しかしながら、高濃度導電性粉体含有の導
電性ペーストを紫外線により硬化させることは、紫外線
にフィラーの透過能力がないため、かかる塗膜に適用す
ることが難しいとともに、光開始剤や増感剤を多量に使
用するため、塗膜の劣化を生ずることがあり採用できな
い。一方、電子線による硬化は紫外線硬化におけるよう
なフィラーの制約や開始剤による塗膜の劣化という問題
はない。しかしながら初期導電性、あるいは高温度、高
湿度の環境下での導電性の低下が加熱硬化型に比べ著し
く劣る欠点を有している。さらに、電子線の透過能力の
点から塗布物の厚みに制約を受けるとともに、また被塗
物の形状にも制約を受ける。
【0007】これらの欠点に対して、たとえば特開昭5
6−90590号公報には銀フィラー含有電子線硬化型
塗料を塗布した塗膜を、電子線照射後加熱することが開
示されている。この方法による初期導電性の改良は著し
いものがある。また、特開昭62−200703号公報
には、炭素系フィラー含有電子線硬化型抵抗ペーストを
電子線の照射前、中または後に加熱することにより、様
々な抵抗値を有する抵抗回路を形成する方法が開示され
ている。この方法は加熱工程を補助的に導入して電子線
硬化物の性能を向上させようとして試みたものである。
【0008】しかしながら、これらの硬化システムを用
いても得られる塗膜の性能は、現在要求されている長期
信頼性という面では未だ満足のゆくレベルではない。特
に、容易に空気酸化される銅、ニッケルなどを導電性粉
体として使用した場合、先に示した2公報の硬化システ
ムでは全く充分な性能が得られない。また、電磁波シー
ルド基板の製造で、オーバーコートの硬化を電子線を用
いて基板への熱エネルギーの影響を低減しようとする技
術が特開平2−51297号公報に開示されている。特
開平2−51297号公報には導電性層を熱エネルギー
で硬化させ、そのうえに電子線照射で硬化する被覆組成
物を塗布・硬化させる技術と、導電性層を電子線照射で
硬化させ、そのうえに電子線照射により硬化する被覆組
成物を塗布・硬化させる技術記載されているが、導電性
層を熱エネルギーで硬化させていることから、基板への
熱の影響は長期信頼性を充分に得られるほど低減できて
いないとともに、オーバーコートを紫外線硬化させた場
合と同様に導電性層とオーバーコート層の密着性不良の
問題は未だ解決されていない。また、導電性層を電子線
を用いて硬化させる場合、基板への熱の影響は非常に少
なくなるが、導電性層そのものの性能が長期信頼性とい
う面では未だ満足されるレベルではなく、電磁波シール
ド基板として考えた場合充分な性能が得られない。導電
性層とオーバーコート層の密着性不良の問題も導電性層
を熱エネルギーで硬化させたものと同様に残されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、基板への熱
の影響を低減し、初期の導電性に優れ、高温度、高湿度
の環境下でも長期の信頼性を保持し、マイグレーション
の問題がない電磁波シールド基板を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)(a)
電子線硬化性樹脂10〜90重量%と、(b)熱硬化性
樹脂がアミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リイソシアネート樹脂から選ばれる一種以上の樹脂90
〜10重量%、からなるペースト樹脂5〜85重量部
と、(B)導電性微粉末95〜15重量部からなる導電
性ペースト組成物を基板に塗布し、該塗布物を熱硬化さ
せて導電性層を形成させ、次にこの導電性層上に電子線
硬化性樹脂を主成分とするオーバーコート材を塗布し、
電子線照射により硬化させ製造することを特徴とする電
磁波シールド基板の製造方法である。
【0011】本発明の電子線硬化性樹脂としては、例え
ば分子鎖内あるいは側鎖に不飽和基を有している樹脂が
挙げられる。具体的には、不飽和ポリエステル樹脂、ポ
リエステル(メタ)アクリレート樹脂、エポキシ(メ
タ)アクリレート樹脂、ポリウレタン(メタ)アクリレ
ート樹脂、ポリエーテル(メタ)アクリレート樹脂、ポ
リアリル化合物、ポリビニル化合物、ポリアクリレート
化シリコン樹脂およびポリブタジエンなどを挙げること
ができる。好ましくは、エポキシ(メタ)アクリレート
樹脂である。これらの樹脂は、単独あるいは混合して使
用できる。
【0012】また減粘を目的とした不飽和基を有するモ
ノマーやオリゴマー、例えば(メタ)アクリル酸エステ
ル、具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチル
ヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル、
ポリ(メチレングリコール)ポリ(メタ)アクリレー
ト、ポリ(エチレングリコール)ポリ(メタ)アクリレ
ート、ポリ(プロピレングリコール)ポリ(メタ)アク
リレート等、(メタ)アクリル酸、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、トリアリルトリメリテート、ト
リアリルイソシアヌレートなどを併用してもよい。
【0013】本発明の熱硬化性樹脂としては、アミノ樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネー
ト樹脂が挙げられる。アミノ樹脂としては、尿素、メラ
ミン、ベンゾグアナミン、ジシアンジアミドなど、アミ
ノ基を持つ化合物とホルムアルデヒドとを塩基性触媒の
存在下に付加縮合させて得られる樹脂や、これにメタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノー
ル、イソブタノールなどのアルコール類を反応させてエ
ーテル化した樹脂などが挙げられる。このアミノ樹脂に
は必要に応じて、通常使用される触媒を添加してもよ
い。触媒としては、スルホン酸化合物、カルボン酸化合
物等が挙げられ、スルホン酸化合物としてはP−トルエ
ンスルホン酸、P−トルエンスルホン酸アミン塩、ジノ
ニルナフタレンジスルホン酸、ジノニルナフタレンジス
ルホン酸アミン塩、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジ
ノニルナフタレンスルホン酸アミン塩等が挙げられ、カ
ルボン酸化合物としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸
等が挙げられる。
【0014】フェノール樹脂としては、例えばフェノー
ル、クレゾール類、その他のアルキルフェノール類、あ
るいはビスフェノール類などのフェノール類と、ホルム
アルデヒドやアセトアルデヒドなどのアルデヒド類とを
塩基性触媒の存在下に付加縮合させて得られるレーゾー
ル型樹脂や、これにメタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類を反応
させてエーテル化した樹脂などが挙げられる。フェノー
ル樹脂の場合も、必要に応じてアミノ樹脂と同様の触媒
を添加してもよい。場合によっては、ノボラック型の樹
脂も使用してもよい。
【0015】エポキシ樹脂としては1分子中に2個以上
のエポキシ基を有するものであって、例えばグリシジル
エーテル類、グリシジルエステル類、グリシジルアミン
類、線状脂肪族エポキシド類、脂環式エポキシド類など
が挙げられる。このエポキシ樹脂には硬化剤、あるいは
触媒を添加してもよい。ポリイソシアネート樹脂として
は1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するもの
であって、例えば脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポ
リイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートや、これ
にアルコール類、酸類、水などのアダクト化剤と反応さ
せて得られる多量体などが挙げられる。このポリイソシ
アネート樹脂にはイソシアネート基と反応する官能基を
有する化合物、または樹脂、あるいは触媒を添加しても
よい。
【0016】これら熱硬化性樹脂は1種で用いてもよ
く、また2種以上を組み合わせてもよい。好ましくは、
アミノ樹脂、フェノール樹脂から選ばれる一種以上の樹
脂である。さらに好ましくは、アミノ樹脂中のメラミン
樹脂である。本発明中の導電性ペースト組成物は(a)
電子線硬化性樹脂と(b)アミノ樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂から選ばれ
る1種以上の樹脂との配合比は、(a)が10〜90重
量%、(b)が90〜10重量%である。(a)が10
重量%未満では導電性ペーストの硬化反応に要する時間
が長く、また硬化温度が高くなるため、基板のそり、ね
じれなどが避けられない。また、90重量%を越えると
高温度、高湿度などで信頼性の高い導電層が得られな
い。好ましくは、(a)が25〜75重量%、(b)が
75〜25重量%である。
【0017】本発明中の導電性ペースト組成物に用いら
れる導電性微粉末としては、例えば金、銀、銅、銀メッ
キ銅粉、銀−銅複合粉、銀−銅合金、アモルファス銅、
ニッケル、クロム、パラジウム、アルミニウム、タング
ステン、モリブデン、白金などの金属粉、これらの金属
を被覆した無機物粉末、酸化銀、酸化インジウム、酸化
スズ、酸化亜鉛、酸化ルテニウムなどの金属酸化物の粉
末、これらの金属酸化物を被覆した粉末、またはカーボ
ンブラック、グラファイトなどが挙げられる。これらの
導電性微粉末は1種もしくは2種以上の組み合わせで用
いられる。また形状も粒状、球状、フレーク状、リンペ
ン状、板状、樹枝状、サイコロ状などが挙げられ、その
平均粒径も0.1〜100μmのものを用いることがで
きる。導電性微粉末で好ましくは、銅またはニッケルで
あり、さらに好ましくは樹枝状銅粉、リンペン状銅粉、
球状銅粉から選ばれる1種以上の銅粉で、平均粒径1〜
50μmである。なお、平均粒径は例えばレーザー回析
法で測定される体積平均粒径を指す。
【0018】本発明中の導電性ペースト組成物におい
て、(A)の(a)電子線硬化性樹脂と(b)アミノ樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネー
ト樹脂から選ばれる1種以上の樹脂からなるペースト樹
脂と、(B)の導電性微粉末との配合比は、(A)が5
〜85重量部で(B)が95〜15重量部である。
(A)が5重量部未満では導電性層が脆弱となるととも
に、導電性が低下する。また85重量部を越えると導電
性が得られない。好ましくは、(A)が50〜90重量
部、(B)が10〜50重量部である。
【0019】本発明中の導電性ペースト組成物には、導
電性を向上させるために有機脂肪酸を添加することがで
きる。ここでいう有機脂肪酸とは、1分子中に1個以上
のカルボキシル基を有する脂肪族化合物である。例え
ば、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、脂環式カルボ
ン酸等が挙げられる。具体的な例として、飽和カルボン
酸は酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が
挙げられ、不飽和カルボン酸はアクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられ、脂環式カルボ
ン酸はシクロヘキサンカルボン酸、ヘキサヒドロフタル
酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられる。これらは一
種または二種以上を組み合わせて用いることができ、ま
たこれらの誘導体も用いることができる。有機脂肪酸の
添加量は本発明中の導電性ペースト組成物100重量%
に対し0.05〜10重量%である。好ましくは、0.
1〜5重量%である。
【0020】本発明の導電性ペースト組成物には、導電
性を向上させるためにフェノール系化合物を添加するこ
とができる。ここでいうフェノール系化合物とは、フェ
ノール性水酸基を有する化合物を指す。具体的な例とし
ては、フェノール、カテコール、ピロカテコール、ハイ
ドロキノン、ピロガロール、フロログリシン、没食子
酸、没食子酸エステル(メチル、エチル、プロピル、ブ
チル、ペンチル、イソアミル、ラウリン、ミリスチル、
パルミチル、ステアリル)、ウルシオール等を挙げるこ
とができる。これらは一種または二種以上を組み合わせ
て用いることができ、またこれらの誘導体も用いること
ができる。フェノール系化合物の添加量は本発明中の導
電性ペースト組成物100重量%に対し0.1〜10重
量%である。好ましくは、1〜5重量%である。
【0021】本発明中の導電性ペースト組成物には、塗
膜性能を向上させるために1,3−ジカルボニル化合物
を添加することができる。ここでいう1,3−ジカルボ
ニル化合物とは、分子中の2個のカルボニル基が1,3
の位置にある化合物をさす。具体的な例として、アセチ
ルアセトン、プロピオニルアセトン、ブチリルアセト
ン、バレリルアセトン、アクタノイルアセトン、ラウロ
イルアセトン、アクリロイルアセトン、メタクリロイル
アセトン、リノリルアセトン、リノレイルアセトン、
2,4−ヘキサンジオン、3,5−ヘプタンジオン、
3,5−オクタンジオン等が挙げられる。これらは一種
または二種以上を組み合わせて用いることができ、また
これらの誘導体も用いることができる。1,3−ジカル
ボニル化合物の添加量は、本発明中の導電性ペースト組
成物100重量%に対し0.05〜10重量%である。
好ましくは、0.1〜5重量%である。
【0022】有機脂肪酸、フェノール系化合物、1,3
−ジカルボニル化合物は一種または二種以上組み合わせ
て用いてもよい。また本発明中の導電性ペースト組成物
に添加するだけでなく、あらかじめ導電性微粉末とのみ
混合し、その後導電性ペーストを作製してもよい。必要
に応じて、上記3種の化合物を一種または二種以上組み
合わせて溶剤に溶解し、その中に導電性微粉末を投入し
て表面処理を行い、その後溶剤を濾過または直接除去し
たのち、導電性微粉末を取り出し、それを用いて導電性
ペーストを作製してもよい。
【0023】本発明中の導電性ペーストの作業性を調整
するために、揮発性溶剤を添加することができる。揮発
性溶剤としては、たとえばケトン類、芳香族類、アルコ
ール類、セロソルブ類、エーテルアルコール類、エステ
ル類等を使用できる。ケトン類としては、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、3−ペンタノン、2
−ヘプタノン等が挙げられ、芳香族類としてはベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ジエチルベンゼン、トリメチ
ルベンゼン等が挙げられ、アルコール類としてはエタノ
ール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オク
タノール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ベンジルアルコール等が挙げられ、セロソルブ類と
してはメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブが挙げられ、エーテルアルコール類としてはプ
ロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコ
ールエチルエーテル、プロピレングリコールブチルエー
テル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブ
チルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピ
レングリコールプロピルエーテル、3−メチル3−メト
キシブタノール等が挙げられ、エステル類としては酢酸
エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ、酢酸フチルセロ
ソルブブチルカルビトールアセテート、プロピレングリ
コールジアセテート等が挙げられる。これらの溶剤は一
種または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】本発明中の導電性ペーストには必要に応じ
て、さらにフィラー、添加剤を配合することができる。
フィラーとしては、シリカ、カオリン、酸化チタン、バ
ライト、タルク、マイカ、クレー等が挙げられ、添加剤
としては流動調整剤、消泡剤、分散剤、染料、有機・無
機顔料、カップリング剤等が挙げられる。本発明中の導
電性ペーストを作製する方法は、通常の塗料・インキを
作製する方法を適用することができる。たとえば、三本
ロールによる混合、ニーダーによる混合、ボールミルに
よる混合等が挙げられる。これらにより均一に混練し、
作製することができる。
【0025】本発明中の導電性ペーストを基板に塗布す
る方法は、目的に応じて種々の手法が用いられる。たと
えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印
刷、凸版印刷、あるいはスプレー塗装、ローラ塗装、ハ
ケ塗装、キャスティング、スピンコーティング等の塗布
方法が挙げられる。塗布される基板については紙・フェ
ノール基板、紙・ポリエステル基板、ガラス・エポキシ
基板、ガラス・ポリイミド基板、セラミックス基板、絶
縁被覆した金属基板等が挙げられる。通常、電磁波シー
ルド用としてはこれらの基板に回路を形成後、回路上に
絶縁層を形成する。
【0026】本発明の電子線硬化性樹脂からなるオーバ
ーコート材の成分は、主に電子線硬化性樹脂、無機充填
剤である。無機充填剤としては、タルク、硫酸バリウム
炭酸カルシウム、微細シリカ、クレー、カオリン、ケイ
ソウ土等が挙げられる。これらの無機充填剤は一種また
は二種を組み合わせて用いてもよい。電子線硬化性樹
脂、無機充填剤の他に、必要に応じてシランカップリン
グ剤、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、有機・無機顔料、
染料、溶剤等を添加してもよい。有機・無機顔料として
は、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
チタン白、黄鉛等が挙げられる。
【0027】電子線硬化性樹脂からなるオーバーコート
材の作製方法は、先に記載した本発明中の導電性ペース
トの作製方法を適用できる。また、塗布方法も本発明中
の導電性ペーストの塗布方法を適用できる。本発明中の
導電性ペーストの硬化方法としては、基板に印刷・塗装
した後、熱硬化させることと、オーバーコート硬化時に
照射される電子線の照射により達成される。加熱の時間
および温度については使用する導電性ペースト組成物に
よって種々であり、導電性および導電性層の塗膜特性が
最大に発揮できる条件を選定すればよい。熱硬化性樹脂
単独系に比べ著しく低温短時間で十分な硬化を挙げるこ
とができる。例を挙げると、50℃/5分間や、270
℃/20秒であり、通常50〜250℃で数秒〜数時間
の加熱条件が選ばれる。加熱の方法としては、加熱空気
や温水等の媒体を利用したもの、赤外線や遠赤外線の照
射によるもの等を挙げることができ、特に限定するもの
ではない。
【0028】本発明のオーバーコートの硬化は電子線の
照射で達成される。電子線硬化は、塗布物を空気中また
は不活性ガス雰囲気中で電子線を照射することによって
達成される。電子線照射方式については、カーテンタイ
プ、ラミナータイプ、ブロードビームタイプ、エリアビ
ームタイプ、パルスタイプ等の非走査方式、および低エ
ネルギー、中エネルギーの走査方式等、いずれの方式も
使用できる。照射条件は特に限定はないが、電流1〜1
00mA、加速電圧150〜1000kV、照射線量1
〜30Mradの範囲が望ましい。
【0029】本発明において、電子線照射前、照射中、
または照射後に加熱を行うことができる。加熱を行う手
段としては特に制限されるものではなく、広く一般に行
われる方法、例えば熱風による加熱、誘電加熱によるも
のや、遠赤外線による加熱を用いることができる。加熱
の時間および温度については使用するペースト組成物に
よって様々であり、塗膜の特性が最大限発揮できる条件
を選定すればよい。例を挙げると、50℃/5分間や、
270℃/20秒間である。
【0030】本発明の用途は、電磁波シールド基板であ
るが、その他にたとえば導電性ペースト層を回路として
用い、その回路上にオーバーコート材を塗布し保護する
ということも挙げられる。
【0031】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが、これらの例に限定されるものではない。 (a)導電性ペースト、オーバーコートの調整方法 導電性ペースト、オーバーコートは、三本ロールを使用
して均一に分散させ調整した。その導電性ペースト、オ
ーバーコートに用いた成分の種類・割合は、表1及び表
2に示すとおりである。 (b)塗膜の作製方法 導電性ペーストを200メッシュのステンレススチール
製スクリーン版を用いて、あらかじめエッチング処理お
よび研磨処理によって銅箔電極部を作った片面銅張紙フ
ェノール積層板上に、縦1cm、横1cmの大きさに印
刷した。つぎに所定条件で加熱を行った。加熱は遠赤外
線装置を用いた。
【0032】この導電性層にオーバーコート材を塗布
し、その後加熱(必要に応じて)と電子線照射を行い硬
化させた。電子線照射はウシオ電気(株)製、ユニトロ
ン200/200(N2 ガス雰囲気中で加速電圧200
kV、吸収線量10Mradの条件下で電子線を照射。
この時の照射時間は約20秒)を用いた。硬化塗膜の評
価結果を表3、表4、表5に示す。尚、硬化塗膜の試験
方法は次のとおりである。 (硬化塗膜の試験方法) (i)密着性試験 ゴバン目密着性試験を行い、残数、ハガレ箇所を確
認した。 (ii)ハンダ浸漬試験 硬化塗膜を260℃の溶融ハンダ溶(Sn60/Pb4
0)に10秒間浸漬した。その後、塗膜外観の観察と、
外観に異常のないとき(i)の密着性試験を行った。 (iii)耐湿試験 硬化塗膜を60℃、相対湿度90〜95%の恒温恒湿中
500hr放置する。その後、塗膜外観の観察と、外観
異常がないとき(i)の密着性試験を行った。 (iv)体積固有抵抗値 次式により体積固有抵抗値を算出した。
【0033】 体積固有抵抗値(Ωcm)=銅箔電極間の抵抗(Ω)×
巾(1cm)×長さ(1cm)×104 /導電性層厚
(μ) また、(ii)、(iii)の試験前後の体積固有抵抗の変
化は変化率として算出した。 変化率(%)=(試験後−試験前)/試験前×100
【0034】
【比較例1】MFD2 80部、SP4010 20部、
ブチルセロソルブ 10部からなる電子線硬化性導電性
ペーストを実施例1と同様に、フェノール基板に塗布
し、160℃/5minの加熱を行い、その後電子線照
射を行い硬化させた。次にオーバーコート層として、
O.C.1を用い実施例1と同様に導電性層のうえに塗
布し、電子線照射を行い硬化させた。
【0035】常態での密着性は100/100で問題が
ないものの、ハンダ浸漬試験で、ペースト間でハクリが
みられた。また、耐湿試験では、外観変化はないもの
の、密着性試験でペースト間でハガレがあった。耐湿試
験後の変化率も100%であった。
【0036】
【比較例2】MFD2 80部、サイメル303 10
部、AER661(エポキシ樹脂 旭化成工業(株)
製)10部、P−トルエンスルホン酸 0.1部、ブチ
ルセロソルブ 10部からなる熱硬化性導電性ペースト
を、実施例1と同様にフェノール基板に塗布し、160
℃/30mmの加熱を行い硬化させた。次にオーバーコ
ート層として、O.C.1を用い実施例1と同様に導電
性層のうえに塗布し、電子線照射を行い硬化させた。
【0037】常態では密着性100/100であるもの
の、ハンダ浸漬試験、耐湿試験において、ペースト間の
ハクリがみられた。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【発明の効果】本発明の電磁波シールド基板は、オーバ
ーコートの硬化に電子線を用いているため加熱硬化に比
べ基板への熱の影響が大幅に低減し長期信頼性が向上す
る。導電性層は電子線硬化性樹脂と、熱硬化性樹脂が各
々に、または組み合わされて硬化に寄与したものである
ので、電子線硬化性樹脂単独の系の導電性層に比べ強度
は大幅に向上し、耐熱性、耐湿性などの性能が大きく向
上する。この導電性層の硬化は、加熱硬化と電子線照射
からなっているため、従来の熱硬化性樹脂単独の系の導
電性ペーストに比べ、著しく低温で短時間の加熱で充分
な効果をあげることができる。また、導電性層の電子線
硬化は本発明のオーバーコートの硬化と同時におこなう
ため、電磁波シールド基板の生産性を向上させる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)電子線硬化性樹脂10〜9
    0重量%と、 (b)熱硬化性樹脂がアミノ樹脂、フェノール樹脂、エ
    ポキシ樹脂、ポリイソシアネート樹脂から選ばれる一種
    以上の樹脂90〜10重量%、からなるペースト樹脂5
    〜85重量部と、 (B)導電性微粉末95〜15重量部 からなる導電性ペースト組成物を基板に塗布し、該塗布
    物を熱硬化させて導電性層を形成させ、次に該導電性層
    上に電子線硬化性樹脂を主成分とするオーバーコート材
    を塗布し、電子線照射により硬化させることを特徴とす
    る電磁波シールド基板の製造方法。
JP23326291A 1991-09-12 1991-09-12 電磁波シールド基板の製造方法 Pending JPH0575290A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8240035B2 (en) 2008-08-19 2012-08-14 Murata Manufacturing Co., Ltd. Circuit module and manufacturing method for the same

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