JPH0575263U - ボビンの搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボビンの搬送装置、特に搬送の際にボビンに
巻き緩みが生じないようにしたボビンの搬送装置を提供
する。 【構成】 巻装部３における巻き取り工程の後のボビン
１を搬送端８まで、スロープ４，７および中間コンベア
５を経由して搬送する装置において、搬送移動の際に前
記ボビン１に、その巻取り回転時の回転方向と反対方向
の転動を行わせるスロープ７の直ぐ上流側に、前記ボビ
ン１の軸線をそれを含む平面内において１８０°転回さ
せるターンテーブル装置６を設けたことを特徴とするボ
ビンの搬送装置である。ターンテーブル装置６はボビン
１をその軸線を含む平面内において１８０°転回する。
この操作によって搬送装置中の２個目のスロープ７にお
けるボビン１の転動方向をボビン１の巻き緩み方向から
巻き締まる方向に変換することになるから、搬送中のボ
ビン１の巻き終わり端のほどけや、全体的な巻き緩みが
解消する利点がある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はボビンの搬送装置、特に搬送の際に巻き緩みが生じないようにした ボビンの搬送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図４ないし図６を参照して従来のボビンの搬送装置を説明する。空ボビン供給 部２から供給を受けた空ボビンについて巻装部３において線条体の巻取り工程が 行われた後、線条体を巻き取ったボビン１は、適宜勾配のスロープ４を矢印の方 向に転動して中間コンベア５に乗り、この中間コンベア５を矢印に示す方向に運 ばれてスロープ（またはコンベア）７に達し、このスロープ７によってちょうど 先のスロープ４と逆方向に転動して搬送端８まで送られるボビンの搬送装置が配 備されているとする。図中、符号５１および７１はストップ板を示す。

【０００３】 スロープ４においてはボビン１の転動方向は、図５に示すようにボビンが巻き 緩むか、あるいは線条体の巻き終わり端１Ａがほどけぬように、巻取り回転の方 向と同一方向が選ばれる。線条体の巻き終わり端１Ａが止めてある場合はそれが ほどけることはないが、その場合はボビン１の巻装全体が緩むことになる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

スロープ４におけるボビン１の転動方向がこのように巻き緩みが起こらぬよう に選定されていても、中間コンベア５の後のスロープ７から搬送端８に送られる 際にはボビン１の転動方向が図６に示すように逆になるために、ボビン１に巻き 緩みが起きてしまう不都合がある。またこれを避けるためには搬送経路としてス ロープ７による転動方向がスロープ４と同一になるような経路しか配設できない 欠点があった。つまり図示のような「コ」字形でなくてクランク形の搬送経路し か配設できない欠点があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するためにこの考案がとる手段は、巻装部における巻き取り 工程の後のボビンを搬送端まで、スロープおよび中間コンベアを経由して搬送す る装置において、搬送移動の際に前記ボビンに、その巻取り回転時の回転方向と 反対方向の転動を行わせるスロープの直ぐ上流側に、前記ボビンの軸線をそれを 含む平面内において１８０°転回させるターンテーブル装置を設けたことを特徴 とするボビンの搬送装置である。

【０００６】

【作用】

ターンテーブル装置はボビンをその軸線を含む平面内において１８０°転回す る。この操作によって、二度目のスロープにおけるボビンの転動方向をボビンの 巻き緩み方向から巻き締まる方向に変換する。

【０００７】

【実施例】

図１にないし図３についてこの考案の一実施例を説明する。空ボビン供給部２ から供給を受けた空ボビンについて巻装部３において線条体の巻取り工程が行わ れた後、線条体を巻き取ったボビン１は、適宜勾配のスロープ４を矢印の方向に 転動して中間コンベア５に乗り、この中間コンベア５を矢印に示す方向に運ばれ るような搬送装置が設けられる。この中間コンベア５の終端部の、スロープ７の 始端部に当たる部分には図１および図２に示すようにターンテーブル装置６が設 けられる。

【０００８】 ターンテーブル装置６は図３に示されるように、回転軸６２の上端において回 動自在に設けられるテーブル６１が、偏心カム６３の回転によってヒンジ６４の まわりに傾斜回動するように構成されたものであって、回転軸６２の１８０°の 回転によってテーブル６１上に載置されたボビン１の軸線の方向が反対方向に転 換させられ、偏心カム６３の回転によってテーブル６１が傾斜してその上のボビ ン１がスロープ７上に転がされ、その後スロープ７上を転動して搬送端８に送ら れるのである。

【０００９】 このターンテーブル装置６の作動は、図示してはいないがテーブル６１上への ボビン１の載置による重量を感知して回転軸６２ごとテーブル６１が下方に沈下 する変位によって作動するスイッチによってこの回転軸６２の半回転がなされ、 その半回転後に偏心カム６３を駆動するパルスモータの１回転が励磁指令される という、簡単なシーケンス制御回路を設ければ容易に自動的になされるから、こ の考案のボビンの搬送装置の自動化か容易である。

【００１０】

【考案の効果】

この考案によれば、ターンテーブル装置はボビンをその軸線を含む平面内にお いて１８０°転回することになるから、搬送装置に含まれる２個目のスロープの 転動移動の方向がはじめのスロープのそれと逆方向の場合でも、その２個目のス ロープにおけるボビンの転動方向をボビンの巻き緩み方向から巻き締まる方向に 変換することが容易であって、ボビン搬送中にそのボビンの巻き緩みなどを防止 できる効果がある。 またこの考案に使用するターンテーブル装置の作動は、ボビンが載置されるテ ーブルを支える回転軸の１８０°の回転と、そのテーブルを傾斜させる偏心カム の回転という簡単なシーケンス制御によってなされるから、自動化が極めて容易 である利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例装置を示す簡略平面図であ
る。

【図２】図１のＡ矢視側面図である。

【図３】ターンテーブル装置の詳細側面図である。

【図４】従来のボビン搬送装置の一例を示す簡略平面図
である。

【図５】図４のボビン巻装部側から見た側面図である。

【図６】従来のボビンの巻き緩みの起こる理由を説明す
るための側面図である。

【符号の説明】

１ ボビン ３ ボビン巻装部 ４，７ スロープ ５ 中間コンベア ６ ターンテーブル装置 ６１ テーブル ６２ 回転軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 巻装部（３）における巻き取り工程の後
   のボビン（１）を搬送端（８）まで、スロープ（４，
   ７）および中間コンベア（５）を経由して搬送する装置
   において、搬送移動の際に前記ボビン（１）に、その巻
   取り回転時の回転方向と反対方向の転動を行わせるスロ
   ープ（７）の直ぐ上流側に、前記ボビン（１）の軸線を
   それを含む平面内において１８０°転回させるターンテ
   ーブル装置（６）を設けたことを特徴とするボビンの搬
   送装置。