JPH0574916U - 車両用トーションバー式サスペンション装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、車両用トーションバー式サスペン
ション装置に関し、車軸の上下振動で、アンカーアーム
が回動振動した場合に、アンカーボルトとアンカーアー
ムの相対的な角度が変わった場合でも、アンカーナット
が緩むのを防止することを目的とする。 【構成】 車体と、トーションバーに固定されたアンカ
ーアームとの間を、アンカーボルトと、そのアンカーボ
ルトにアンカーシートを介して取り付けたナットの締め
付け固定により連結した車両用トーションバー式サスペ
ンション装置において、上記アンカーシートのアンカー
ナット側、およびアンカーアーム側を球形にした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両懸架バネとして用いるトーションバーを、アンカーアームで支 持する車両用トーションバー式サスペンション装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の車両用トーションバー式サスペンション装置を図２に示し、このトーシ ョンバー式サスペンション装置は、車軸を支持するロアリンクを、サスペンショ ンメンバーにトーションバー１の一端を軸として取り付け、車軸の上下をトーシ ョンバー１の回転に変換する。

【０００３】 そして、トーションバー１の他端には、アンカーアーム２を固定して、このア ンカーアーム２と車体、例えばフレームのクロスメンバー３との間をアンカーボ ルト４で連結し、トーションバー１の他端を支持させ、前記トーションバー１の 一端が車軸の上下で回転して、トーシュンバー１が捩じられるようになって、そ の力がアンカーアーム２に伝達される。

【０００４】 このアンカーアーム２のクロスメンバー３への取付けは、球形凹面５ａが設け られていて、クロスメンバー３に溶接されている支持板５に、前記球形凹面５ａ と接触する球形凹面６ａを有するアンカーシート６を載置し、アンカーボルト４ を支持板５とアンカーシート６に挿通している。

【０００５】 このアンカーボルト４に螺合するアンカーナット７と、アンカーアーム２との 間にもアンカーシート８が介在されているが、このアンカーアーム２とアンカー シート８の接触面は球形面となっており、アンカーナット７の締め付けで、アン カーアーム２はクロスメンバー３に支持される。

【０００６】 そして、このアンカーシート８とアンカーナット７間は平面に構成され、平面 接触となっており、このような車両用トーションバーのアンカー装置は、実公昭 ６２−１２６４７号公報に記載されている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

前記のような車両用トーションバー式サスペンション装置においては、車軸の 上下振動に従って、図２の２点鎖線で示すように、アンカーアーム２が回転しよ うとするが、アンカーアーム２が回転する場合には、アンカーアーム２の角度に よって、アンカーシート８とアンカーボルト４との相対的な角度が違ってくる。

【０００８】 これに対して、アンカーシート８とアンカーアーム２とは、球面で接触してい るので、この面がスリップすることによって、アンカーシート８とアンカーナッ ト７間の接触面に傾きを生じないようになっている。

【０００９】 しかし、このスリップが行われない時には、アンカーシート８とアンカーナッ ト７との角度も違ってくるので、両者間には傾きによる隙間を生じ、この生じた 隙間によってアンカーナット７が緩む虞がある。

【００１０】 本考案は、従来の車両用トーションバー式サスペンション装置における前述の 問題点を解消するためのもので、車軸の上下で、アンカーアームが回動しても、 アンカーアームに対してアンカーシートがスリップせず、アンカーナットに対し アンカーシートが傾いた場合でも、常にアンカーシートとアンカーナットが全面 接触して、両者間に隙間を生じないようにして、アンカーナットの緩むのを防止 することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案は、車体と、トーションバーに固定されたアンカーアームとの間を、ア ンカーボルトと、そのアンカーボルトにアンカーシートを介して取り付けたナッ トの締め付け固定により連結した車両用トーションバー式サスペンション装置に おいて、上記アンカーシートのアンカーナット側、およびアンカーアーム側を球 形にしたことを特徴とする。

【００１２】

【作用】

本考案の車両用トーションバー式サスペンション装置は、アンカーシートのア ンカーナット側、およびアンカーナットのアンカーシート側が球面になっている ために、車体側、又は路面側からアンカーナットを緩めるような力が加わっても 、両者の接触面は変わらないので、アンカーシートとアンカーナット間に傾きに よる隙間を生ぜず、アンカーナットの緩みが防止できるものである。

【００１３】

【実施例】

次に、本考案の実施の一例を、図１について以下に説明する。 この実施例におけるトーションバー１、アンカーアーム２、クロスメンバー３ 、アンカーボルト４、支持板５、アンカーシート６は、従来の前述の車両用トー ションバー式サスペンション装置と変わるものではない。

【００１４】 そして、アンカーナット７とアンカーシート８の接触面が球面７ａと球形凹面 ８ａに形成されており、両者は球面接触しているもので、アンカーアーム２がト ーションバー１の回転で回動した場合に、アンカーアーム２とアンカーボルト４ の相対角度が変わった際に、アンカーアーム２の回動に従ってアンカーアーム２ とアンカーシート８間にスリップを生ぜず、アンカーシート８のアンカーナット ７との接触面の角度が変わった場合でも、両者の球面７ａ、球形凹面８ａがスリ ップして、その接触状態を変わらないようにしている。

【００１５】 このように、両者間の接触状態が変わらないため、従来の接触状態が斜めに変 わった場合のようなアンカーナット７の緩みを生じることがなく、常に正しい締 結状態に維持することができるものである。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、車体と、トーションバーに固定されたアンカー アームを車体に連結したアンカーボルトに締め付けられているアンカーナットと 、アンカーアームとの間に介在されたアンカーシートとを球面接触としたので、 アンカーナットとアンカーシート間の角度が変わっても、球面接触であることに は変わりはない。

【００１７】 そのため、車体側、又は路面側からアンカーナットを緩めようとする力がアン カーナットに加わっても、アンカーナットの緩む方向への摩擦による抵抗力は変 わらないので、その緩みが防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の位置実施例の側面図である。

【図２】従来の車両用トーションバー式サスペンション
装置の側面図である。

【符号の説明】

１ トーションバー ２ アンカーアーム ３ クロスメンバー ４ アンカーボルト ５ 支持板 ６ アンカーシート ７ アンカーナット ７ａ 球面 ８ アンカーシート ８ａ 球形凹面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体と、トーションバーに固定されたア
   ンカーアームとの間を、アンカーボルトと、そのアンカ
   ーボルトにアンカーシートを介して取り付けたナットの
   締め付け固定により連結した車両用トーションバー式サ
   スペンション装置において、上記アンカーシートのアン
   カーナット側、およびアンカーアーム側を球形にしたこ
   とを特徴とする車両用トーションバー式サスペンション
   装置。