JPH057490A - Dna断片の分取法 - Google Patents
Dna断片の分取法Info
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- JPH057490A JPH057490A JP14974891A JP14974891A JPH057490A JP H057490 A JPH057490 A JP H057490A JP 14974891 A JP14974891 A JP 14974891A JP 14974891 A JP14974891 A JP 14974891A JP H057490 A JPH057490 A JP H057490A
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- dna fragment
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 多種類の制限酵素によって切断されたDNA
断片混合物から、特定の切断末端を持つDNA断片を特
異的に分取する方法を提供すること。 【構成】 DNAの制限酵素による切断断片の末端の一
本鎖部分に特異的に結合するリガンドを固定化した支持
体を用いて、DNAの制限酵素による切断断片を特異的
に分離するDNA断片の分取法。
断片混合物から、特定の切断末端を持つDNA断片を特
異的に分取する方法を提供すること。 【構成】 DNAの制限酵素による切断断片の末端の一
本鎖部分に特異的に結合するリガンドを固定化した支持
体を用いて、DNAの制限酵素による切断断片を特異的
に分離するDNA断片の分取法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DNAを制限酵素で切
断して得られるDNA断片を含む溶液から、特定の切断
末端を有するDNA断片を分取する方法に関する。
断して得られるDNA断片を含む溶液から、特定の切断
末端を有するDNA断片を分取する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】核酸(二本鎖DNA)を特定の場所で切
断するためには、制限酵素が用いられる。制限酵素はD
NAを切断して5′リン酸と3′水酸基を新たに作る。
この切断は特異的であり、認識配列の内側に起こるが、
制限酵素の種類により切断場所が異なり、生ずる末端の
性質も異なる。制限酵素がDNAの対称中心を切断すれ
ば平滑末端を生じ、対称中心以外で切断すれば5′また
は3′に突出した一本鎖部分の末端(粘着末端または付
着端)ができる。
断するためには、制限酵素が用いられる。制限酵素はD
NAを切断して5′リン酸と3′水酸基を新たに作る。
この切断は特異的であり、認識配列の内側に起こるが、
制限酵素の種類により切断場所が異なり、生ずる末端の
性質も異なる。制限酵素がDNAの対称中心を切断すれ
ば平滑末端を生じ、対称中心以外で切断すれば5′また
は3′に突出した一本鎖部分の末端(粘着末端または付
着端)ができる。
【0003】DNA断片を分離、精製することは、バイ
オテクノロジーの分野において基礎的な技術である。従
来、このDNA断片の分離、精製法としては、主として
電気泳動法が用いられてきた。
オテクノロジーの分野において基礎的な技術である。従
来、このDNA断片の分離、精製法としては、主として
電気泳動法が用いられてきた。
【0004】DNA分子は電荷を持っているため、電気
的な場に置かれるとプラス極へ移動する。電気泳動法
は、アガロース、ポリアクリロアミド、あるいはこれら
の混合物で作られたゲル中でDNA断片に電圧をかけて
泳動させると、DNA分子が小さければ小さいほど、ゲ
ルを通ってより速く移動するため、DNA断片が大きさ
(長さ)によって分離するという原理に基づき、DNA
断片をゲル中で分離させる方法である。泳動ゲルから特
定のDNA断片を回収するには、目的とするバンド部分
を含むゲルを切り出して、DNA断片を抽出する(例え
ば、「ラボマニュアル遺伝子工学 増補版」丸善株式会
社、平成2年6月30日発行、第19〜28頁)。
的な場に置かれるとプラス極へ移動する。電気泳動法
は、アガロース、ポリアクリロアミド、あるいはこれら
の混合物で作られたゲル中でDNA断片に電圧をかけて
泳動させると、DNA分子が小さければ小さいほど、ゲ
ルを通ってより速く移動するため、DNA断片が大きさ
(長さ)によって分離するという原理に基づき、DNA
断片をゲル中で分離させる方法である。泳動ゲルから特
定のDNA断片を回収するには、目的とするバンド部分
を含むゲルを切り出して、DNA断片を抽出する(例え
ば、「ラボマニュアル遺伝子工学 増補版」丸善株式会
社、平成2年6月30日発行、第19〜28頁)。
【0005】電気泳動法では、DNA断片をその大きさ
によって分離するため、DNAの塩基配列に特異的に分
離することはできない。しかも、切り出した電気泳動ゲ
ルから、目的とするDNA断片を抽出する作業が煩雑で
時間がかかり、かつ不純物が多いという欠点があった。
によって分離するため、DNAの塩基配列に特異的に分
離することはできない。しかも、切り出した電気泳動ゲ
ルから、目的とするDNA断片を抽出する作業が煩雑で
時間がかかり、かつ不純物が多いという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多種
類の制限酵素によって切断されたDNA断片混合物か
ら、特定の切断末端を持つDNA断片を特異的に分取す
る方法を提供することにある。本発明者らは、鋭意研究
した結果、ある種の制限酵素(HindIII 、Ec
oRI等)によって切断されたDNA断片の末端が、一
本鎖部分を突出するような構造、すなわち粘着末端とな
ることに着目し、この一本鎖部分の塩基配列に相補的な
リガンド、例えば、相補的な塩基配列を持つオリゴヌク
レオチド(一本鎖DNA)を固定化した支持体を用い
て、DNA−DNAアフィニティーカラムクロマトグラ
フィーの原理によって、目的とする制限酵素切断末端を
持つDNA断片を分取できることを見出し、その知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
類の制限酵素によって切断されたDNA断片混合物か
ら、特定の切断末端を持つDNA断片を特異的に分取す
る方法を提供することにある。本発明者らは、鋭意研究
した結果、ある種の制限酵素(HindIII 、Ec
oRI等)によって切断されたDNA断片の末端が、一
本鎖部分を突出するような構造、すなわち粘着末端とな
ることに着目し、この一本鎖部分の塩基配列に相補的な
リガンド、例えば、相補的な塩基配列を持つオリゴヌク
レオチド(一本鎖DNA)を固定化した支持体を用い
て、DNA−DNAアフィニティーカラムクロマトグラ
フィーの原理によって、目的とする制限酵素切断末端を
持つDNA断片を分取できることを見出し、その知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、DNAの制限酵素による切断断片の末端の一本鎖部
分に特異的に結合するリガンドを固定化した支持体を用
いて、DNAの制限酵素による切断断片を特異的に分離
することを特徴とするDNA断片の分取法が提供され
る。
ば、DNAの制限酵素による切断断片の末端の一本鎖部
分に特異的に結合するリガンドを固定化した支持体を用
いて、DNAの制限酵素による切断断片を特異的に分離
することを特徴とするDNA断片の分取法が提供され
る。
【0008】以下、本発明について詳述する。本発明の
方法によれば、多種類の制限酵素によって切断されたD
NA断片混合物から、特定の切断末端を持つDNA断片
を特異的に分取することができる。
方法によれば、多種類の制限酵素によって切断されたD
NA断片混合物から、特定の切断末端を持つDNA断片
を特異的に分取することができる。
【0009】ある種の制限酵素、例えば、HindII
I 、EcoRI、BamHI、BglII、Pvu
I、HinfI、Sau3A、TaqI、PstI等に
よって切断されたDNA断片は、それぞれの末端に数塩
基の一本鎖部分を突出するような構造(粘着末端)を形
成する。本発明においては、この一本鎖部分を有するD
NA断片の該一本鎖部分に相補的なリガンドを固定化し
た支持体を用いて、DNA−DNAアフィニティーカラ
ムクロマトグラフィーによって、目的とする制限酵素切
断末端を持つDNA断片を分取する。
I 、EcoRI、BamHI、BglII、Pvu
I、HinfI、Sau3A、TaqI、PstI等に
よって切断されたDNA断片は、それぞれの末端に数塩
基の一本鎖部分を突出するような構造(粘着末端)を形
成する。本発明においては、この一本鎖部分を有するD
NA断片の該一本鎖部分に相補的なリガンドを固定化し
た支持体を用いて、DNA−DNAアフィニティーカラ
ムクロマトグラフィーによって、目的とする制限酵素切
断末端を持つDNA断片を分取する。
【0010】リガンドとしては、通常、DNA断片の末
端に突出した一本鎖部分と相補的な塩基配列を有するオ
リゴヌクレオチド(数個から十数個のヌクレオチドがリ
ン酸ジエステル結合で重合したもので、以下、一本鎖D
NAまたは単にDNAともいう。)を用いる。
端に突出した一本鎖部分と相補的な塩基配列を有するオ
リゴヌクレオチド(数個から十数個のヌクレオチドがリ
ン酸ジエステル結合で重合したもので、以下、一本鎖D
NAまたは単にDNAともいう。)を用いる。
【0011】分離方法としては、リガンドを固定化した
支持体(担体)をカラムに詰めるアフィニティーカラム
クロマトグラフィーを使用する。迅速な分離を行うため
に、好ましくは高速液体クロマトグラフィーを使用す
る。本発明におけるアフィニティーカラムクロマトグラ
フィーにおいては、例えば、オリゴヌクレオチドを不溶
性の支持体に結合(固定化)させたものをカラムに詰
め、該オリゴヌクレオチドと相補的な一本鎖部分を末端
に持つDNA断片を含む試料溶液を注入すると、固定化
オリゴヌクレオチドと該特定のDNA断片が特異的かつ
可逆的に結合し、他のDNA断片は素通りする。そし
て、特異的に結合した固定化オリゴヌクレオチドと特定
のDNA断片の結合力を適当な方法で弱めてやれば、目
的とする特定のDNA断片を分取することができる。
支持体(担体)をカラムに詰めるアフィニティーカラム
クロマトグラフィーを使用する。迅速な分離を行うため
に、好ましくは高速液体クロマトグラフィーを使用す
る。本発明におけるアフィニティーカラムクロマトグラ
フィーにおいては、例えば、オリゴヌクレオチドを不溶
性の支持体に結合(固定化)させたものをカラムに詰
め、該オリゴヌクレオチドと相補的な一本鎖部分を末端
に持つDNA断片を含む試料溶液を注入すると、固定化
オリゴヌクレオチドと該特定のDNA断片が特異的かつ
可逆的に結合し、他のDNA断片は素通りする。そし
て、特異的に結合した固定化オリゴヌクレオチドと特定
のDNA断片の結合力を適当な方法で弱めてやれば、目
的とする特定のDNA断片を分取することができる。
【0012】この場合、用いる制限酵素とアフィニティ
ーカラムの組み合わせを選択することによって、唯一種
類のDNA断片を分離することも可能である。すなわ
ち、DNA断片の一方の末端の一本鎖部分が特異的とな
るアフィニティーカラムと、他方の末端の一本鎖部分が
特異的となるアフィニティーカラムを順次組み合わせて
用いることにより、両端の構造が分かったDNA断片を
得ることができる。
ーカラムの組み合わせを選択することによって、唯一種
類のDNA断片を分離することも可能である。すなわ
ち、DNA断片の一方の末端の一本鎖部分が特異的とな
るアフィニティーカラムと、他方の末端の一本鎖部分が
特異的となるアフィニティーカラムを順次組み合わせて
用いることにより、両端の構造が分かったDNA断片を
得ることができる。
【0013】本発明で使用する支持体としては、高速液
体クロマトグラフィー用のゲル(シリカゲル等)、有機
高分子ビーズ(ポリスチレン系、ポリメタクリル酸メチ
ル系、ポリビニル系、ポリアクリルアミド系など)、ア
ガロース、セルロース等の高分子化合物、または各種メ
ンブラン(ニトロセルロース、ナイロンメンブラン、ポ
リテトラフルオロエチレンシート等)を挙げることがで
きる。これらの支持体は、そのままで、あるいはこれら
の表面にカルボキシル基、アミノ基、水酸基などの官能
基を導入した後に使用する。
体クロマトグラフィー用のゲル(シリカゲル等)、有機
高分子ビーズ(ポリスチレン系、ポリメタクリル酸メチ
ル系、ポリビニル系、ポリアクリルアミド系など)、ア
ガロース、セルロース等の高分子化合物、または各種メ
ンブラン(ニトロセルロース、ナイロンメンブラン、ポ
リテトラフルオロエチレンシート等)を挙げることがで
きる。これらの支持体は、そのままで、あるいはこれら
の表面にカルボキシル基、アミノ基、水酸基などの官能
基を導入した後に使用する。
【0014】支持体に固定化するリガンドは、前記した
とおり分離、分取の目的物質である特定の制限酵素切断
DNA断片の末端と特異的に結合するもの、例えば、末
端の一本鎖部分に相補的なオリゴヌクレオチドを選択し
て使用する。このようなオリゴヌクレオチドは、通常、
市販のDNA合成装置を用いて化学的に合成することが
できる。
とおり分離、分取の目的物質である特定の制限酵素切断
DNA断片の末端と特異的に結合するもの、例えば、末
端の一本鎖部分に相補的なオリゴヌクレオチドを選択し
て使用する。このようなオリゴヌクレオチドは、通常、
市販のDNA合成装置を用いて化学的に合成することが
できる。
【0015】リガンドと支持体の結合方法としては、支
持体に導入された各種の官能基(−COOH基、−NH
2基、−OH基等)をそのまま、あるいは縮合剤や活性
化剤で活性化処理(トレシルクロライド、水溶性カルボ
ジイミド等での処理)をしてから官能基(−NH2、−
COOH等)を持つオリゴヌクレオチドと反応させる方
法を用いる。
持体に導入された各種の官能基(−COOH基、−NH
2基、−OH基等)をそのまま、あるいは縮合剤や活性
化剤で活性化処理(トレシルクロライド、水溶性カルボ
ジイミド等での処理)をしてから官能基(−NH2、−
COOH等)を持つオリゴヌクレオチドと反応させる方
法を用いる。
【0016】
【実施例】以下、本発明について、実施例を挙げて具体
的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定
されるものではない。
的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定
されるものではない。
【0017】[実施例1] <pBR322からEcoRI−PstI切断断片の分
取>DNAとして大腸菌由来のプラスミドpBR322
を用い、目的のDNA断片がpBR322の一部である
EcoRI−PstI切断断片(以下、「断片A」と略
記)を抽出して分取する例を示す。
取>DNAとして大腸菌由来のプラスミドpBR322
を用い、目的のDNA断片がpBR322の一部である
EcoRI−PstI切断断片(以下、「断片A」と略
記)を抽出して分取する例を示す。
【0018】i)pBR322の制限酵素による切断と
制限酵素切断部位の決定 図1に示すように、pBR322の制限酵素地図(遺伝
生理学的地図)は公知である。図1中、各記号およびそ
の位置は、制限酵素とそれによる切断部位を示す。ただ
し、Ap′はアンピシリン耐性遺伝子、Tc′はテトラ
サイクリン耐性遺伝子、On′は複製開始点を、それぞ
れ示している。
制限酵素切断部位の決定 図1に示すように、pBR322の制限酵素地図(遺伝
生理学的地図)は公知である。図1中、各記号およびそ
の位置は、制限酵素とそれによる切断部位を示す。ただ
し、Ap′はアンピシリン耐性遺伝子、Tc′はテトラ
サイクリン耐性遺伝子、On′は複製開始点を、それぞ
れ示している。
【0019】図1において、斜線を施した部分が目的と
する切断断片Aであるが、断片Aの両端を制限酵素Ec
oRIおよびPstIで切断できること、断片Aには制
限酵素SalIおよびPvuIIによる切断部位が存在
しないことが分かる。そこで、以下に述べる操作によ
り、pBR322を制限酵素EcoRI、PstI、S
alI、およびPvuIIで処理して、断片Aを含むD
NA断片の混合物(DNA断片サンプル)を得た。使用
した制限酵素は、全て宝酒造社供給のものである。
する切断断片Aであるが、断片Aの両端を制限酵素Ec
oRIおよびPstIで切断できること、断片Aには制
限酵素SalIおよびPvuIIによる切断部位が存在
しないことが分かる。そこで、以下に述べる操作によ
り、pBR322を制限酵素EcoRI、PstI、S
alI、およびPvuIIで処理して、断片Aを含むD
NA断片の混合物(DNA断片サンプル)を得た。使用
した制限酵素は、全て宝酒造社供給のものである。
【0020】(1)以下の組成の反応液(反応液1)を
37℃で1時間反応させた後、60℃で5分間処理し
て、反応を停止させる。 (反応液1) pBR322 2μl(0.5μg/μl) EcoRI 2μl(5U/μl) PstI 2μl(5U/μl) SalI 2μl(5U/μl) 高温buffer 3μl(×10濃度) 水 19μl 合計 30μl
37℃で1時間反応させた後、60℃で5分間処理し
て、反応を停止させる。 (反応液1) pBR322 2μl(0.5μg/μl) EcoRI 2μl(5U/μl) PstI 2μl(5U/μl) SalI 2μl(5U/μl) 高温buffer 3μl(×10濃度) 水 19μl 合計 30μl
【0021】(2)フェノール抽出し、エタノール沈殿
に付した後、沈殿物を分離し、乾燥させる。
に付した後、沈殿物を分離し、乾燥させる。
【0022】(3)得られた乾燥DNAを水16μlに
溶かし、下記の組成の反応液(反応液2)中で37℃に
おいて1時間反応させた後、60℃で5分間処理して、
反応を停止する。 (反応液2) DNA水溶液 16μl 中塩buffer 2μl(×10濃度) PvuII 2μl(5U/μl) 合計 20μl
溶かし、下記の組成の反応液(反応液2)中で37℃に
おいて1時間反応させた後、60℃で5分間処理して、
反応を停止する。 (反応液2) DNA水溶液 16μl 中塩buffer 2μl(×10濃度) PvuII 2μl(5U/μl) 合計 20μl
【0023】(4)フェノール抽出し、エタノール沈殿
に付した後、沈殿物を分離し、乾燥させる。
に付した後、沈殿物を分離し、乾燥させる。
【0024】ii)DNA結合アフィニティーカラムの
作製 以下の塩基配列で示される2種のDNA(オリゴヌクレ
オチド)をDNA合成装置(Applied Bios
ystem社製、391 PCR−MATEEP型)を
用いて合成した。
作製 以下の塩基配列で示される2種のDNA(オリゴヌクレ
オチド)をDNA合成装置(Applied Bios
ystem社製、391 PCR−MATEEP型)を
用いて合成した。
【0025】各DNAの5′末端には、支持体に連結す
るためのアミノリンクII(DNAリンカ−)を組み込
んだ。 5′ XAATT 3′ 5′ XTGCA 3′ (ただし、XはアミノリンクIIを示す) DNAはEcoRI切断末端の一本鎖部分に相補的な
配列であり、DNAはPstI切断末端の一本鎖部分
に相補的な配列である。およびのDNAをそれぞれ
別個に支持体に固定化した。固定化は以下の操作により
行なった。
るためのアミノリンクII(DNAリンカ−)を組み込
んだ。 5′ XAATT 3′ 5′ XTGCA 3′ (ただし、XはアミノリンクIIを示す) DNAはEcoRI切断末端の一本鎖部分に相補的な
配列であり、DNAはPstI切断末端の一本鎖部分
に相補的な配列である。およびのDNAをそれぞれ
別個に支持体に固定化した。固定化は以下の操作により
行なった。
【0026】<ゲルの活性化>トレシルクロライド(K
&K社製)は、pH3以上では水により分解されるの
で、以下の操作はドライボックスまたは乾燥窒素を満た
した無菌パック等を用いて、水の混入を避けて行なっ
た。アセトンおよびピリジンは、あらかじめモレキュラ
ーシーブで3日間以上脱水してから使用した。
&K社製)は、pH3以上では水により分解されるの
で、以下の操作はドライボックスまたは乾燥窒素を満た
した無菌パック等を用いて、水の混入を避けて行なっ
た。アセトンおよびピリジンは、あらかじめモレキュラ
ーシーブで3日間以上脱水してから使用した。
【0027】(1)10mlの蓋付き丸底フラスコに、
アセトン1.5ml、ピリジン100ml、およびスタ
ーラーチップを入れる。
アセトン1.5ml、ピリジン100ml、およびスタ
ーラーチップを入れる。
【0028】(2)他方、ゲル(島津製作所製、Shi
mpack diol 300)1gを、#5ガラスフ
ィルター上で吸引しながら、アセトン50mlで素早く
洗浄し、すぐに上記丸底フラスコに入れる。
mpack diol 300)1gを、#5ガラスフ
ィルター上で吸引しながら、アセトン50mlで素早く
洗浄し、すぐに上記丸底フラスコに入れる。
【0029】(3)次いで、丸底フラスコを氷浴で冷却
し(約0℃)、乾燥窒素を送り込みながら、激しい攪拌
下にトレシルクロライド(ゲル1g当り200μl)を
ほぼ1分間で滴下する。
し(約0℃)、乾燥窒素を送り込みながら、激しい攪拌
下にトレシルクロライド(ゲル1g当り200μl)を
ほぼ1分間で滴下する。
【0030】(4)滴下終了後、丸底フラスコに蓋を
し、スターラーの速度を落としてゲルの破砕を避けつ
つ、約0℃で20分間反応を継続する。
し、スターラーの速度を落としてゲルの破砕を避けつ
つ、約0℃で20分間反応を継続する。
【0031】(5)反応後、ゲルをガラスフィルター上
に移し、アセトン、アセトン+5mM HCl(1:
1)、および5mM HClで順次洗浄する。さらに、
乾燥アセトン30mlで洗浄した後、乾燥窒素を満たし
たビニール袋をフィルターの口に当て、ほぼ1時間吸引
してゲルを完全に乾燥させる。
に移し、アセトン、アセトン+5mM HCl(1:
1)、および5mM HClで順次洗浄する。さらに、
乾燥アセトン30mlで洗浄した後、乾燥窒素を満たし
たビニール袋をフィルターの口に当て、ほぼ1時間吸引
してゲルを完全に乾燥させる。
【0032】<ゲルへのリガンドの固定化>リガンドと
して前記で合成したDNA(オリゴヌクレオチド)お
よびを用い、それぞれ別個に以下の操作を行なった。
して前記で合成したDNA(オリゴヌクレオチド)お
よびを用い、それぞれ別個に以下の操作を行なった。
【0033】(1)合成したDNAを濃アンモニア水で
切り出し、55℃で10時間保持した後、合成の際に官
能基保護のために用いた保護基を脱保護する。
切り出し、55℃で10時間保持した後、合成の際に官
能基保護のために用いた保護基を脱保護する。
【0034】(2)減圧下に濃縮乾固し、10mM T
EAA(酢酸トリエチルアミン)バッファー200μl
に溶かす。
EAA(酢酸トリエチルアミン)バッファー200μl
に溶かす。
【0035】(3)エーテル抽出により保護基を除去し
た後、再度濃縮乾固する。これを、カップリングバッフ
ァー(0.2M NaHCO3、0.5M NaCl、
pH7.5)180μlに溶かす。
た後、再度濃縮乾固する。これを、カップリングバッフ
ァー(0.2M NaHCO3、0.5M NaCl、
pH7.5)180μlに溶かす。
【0036】(4)前記で調製した活性化ゲル100m
gを、1.5mlエッペンドルフチューブに取り、上記
プローブDNAと混合する。穏やかに攪拌しながら25
℃で24時間保持すると、プローブDNAはゲルに固定
化される。
gを、1.5mlエッペンドルフチューブに取り、上記
プローブDNAと混合する。穏やかに攪拌しながら25
℃で24時間保持すると、プローブDNAはゲルに固定
化される。
【0037】(5)反応終了後、2000rpmで5分
間遠心した後、ゲルを上清から分離し、1M NaCl
で3回洗浄し、DNA固定化ゲルを得る。
間遠心した後、ゲルを上清から分離し、1M NaCl
で3回洗浄し、DNA固定化ゲルを得る。
【0038】(6)DNA固定化ゲルを緩衝液A(0.
5M NaCl、1mMEDTA、pH7.5)に懸濁
し、パッカーに入れ、緩衝液B(150mM NaC
l、10mM リン酸)で送液し、カラム(2.1mm
φ×10cm)に充填する。
5M NaCl、1mMEDTA、pH7.5)に懸濁
し、パッカーに入れ、緩衝液B(150mM NaC
l、10mM リン酸)で送液し、カラム(2.1mm
φ×10cm)に充填する。
【0039】(7)緩衝液C(40mM Tris−H
Cl、pH7.5、0.2M NaCl、5mM ED
TA、2mM DTT)を送液してカラムを洗浄し、D
NAアフィニティーカラムを得る。
Cl、pH7.5、0.2M NaCl、5mM ED
TA、2mM DTT)を送液してカラムを洗浄し、D
NAアフィニティーカラムを得る。
【0040】iii)EcoRI切断末端を持つDNA
断片の分取 以下の手順により、制限酵素EcoRIによる切断末端
を持つDNA断片を分取した。
断片の分取 以下の手順により、制限酵素EcoRIによる切断末端
を持つDNA断片を分取した。
【0041】(1)前記ii)で調製したDNA(E
coRI切断末端に相補的な配列)が固定化されたアフ
ィニティーカラムを高速液体クロマトグラフィー(TO
SOH社製)につなぐ。
coRI切断末端に相補的な配列)が固定化されたアフ
ィニティーカラムを高速液体クロマトグラフィー(TO
SOH社製)につなぐ。
【0042】(2)i)で得られたDNA断片サンプル
を、100μlの緩衝液Aに溶解し、インジェクション
し、緩衝液Aで溶出した(流速0.3ml/分)。
を、100μlの緩衝液Aに溶解し、インジェクション
し、緩衝液Aで溶出した(流速0.3ml/分)。
【0043】(3)DNA断片サンプルは2つのピーク
となって溶出されたため、それぞれのピークを分取し、
エタノール沈殿させた後、沈殿物を乾燥させた。
となって溶出されたため、それぞれのピークを分取し、
エタノール沈殿させた後、沈殿物を乾燥させた。
【0044】(4)1.5%アガロースゲル電気泳動に
よって、後ピークが、EcoRI切断末端を持つ断片で
あることを確認した。
よって、後ピークが、EcoRI切断末端を持つ断片で
あることを確認した。
【0045】iv)目的DNA断片の分取 (1)前記ii)で調製したDNA(PstI切断末
端に相補的な配列)を固定化したアフィニティーカラム
を高速液体クロマトグラフィーにつなぎ、iii)で得
られた後ピーク部分のサンプルを100μlの緩衝液A
に溶かし、インジェクションした。iii)と同様に、
溶出すると2つのピークに分かれて溶出したので、これ
らをそれぞれ分取し、エタノール沈殿させた後、沈殿物
を乾燥した。
端に相補的な配列)を固定化したアフィニティーカラム
を高速液体クロマトグラフィーにつなぎ、iii)で得
られた後ピーク部分のサンプルを100μlの緩衝液A
に溶かし、インジェクションした。iii)と同様に、
溶出すると2つのピークに分かれて溶出したので、これ
らをそれぞれ分取し、エタノール沈殿させた後、沈殿物
を乾燥した。
【0046】(2)1.5%アガロースゲル電気泳動に
付すと、前ピーク、後ピークともに一本のDNAバンド
となり、断片の大きさはそれぞれ約650bp、750
bpとなった。これにより、後ピーク部分は、目的とす
るEcoRIおよびPstI切断末端を両端に持つDN
A断片(断片A)であることを確認した。
付すと、前ピーク、後ピークともに一本のDNAバンド
となり、断片の大きさはそれぞれ約650bp、750
bpとなった。これにより、後ピーク部分は、目的とす
るEcoRIおよびPstI切断末端を両端に持つDN
A断片(断片A)であることを確認した。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、末端の構造が特異的な
DNA断片を分取することができる。また、本発明によ
れば、複数の制限酵素とアフィニティーカラムの組み合
わせによって、一種類のDNA断片を分取することがで
きる。
DNA断片を分取することができる。また、本発明によ
れば、複数の制限酵素とアフィニティーカラムの組み合
わせによって、一種類のDNA断片を分取することがで
きる。
【0048】したがって、本発明の方法は、分子生物
学、ゲノム解析などの分野で、制限酵素地図の分かって
いるDNAから目的のDNA断片のみを抽出するのに好
適である。また、未知のDNA断片混合物をその末端の
構造により分類することも可能である。
学、ゲノム解析などの分野で、制限酵素地図の分かって
いるDNAから目的のDNA断片のみを抽出するのに好
適である。また、未知のDNA断片混合物をその末端の
構造により分類することも可能である。
【0049】さらにまた、本発明の方法によれば、電気
泳動等の煩雑で時間のかかる手段を用いずに、容易にD
NA断片を抽出することができる。
泳動等の煩雑で時間のかかる手段を用いずに、容易にD
NA断片を抽出することができる。
【図1】pBR322の完全な制限酵素地図を示す説明
図である。
図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 DNAの制限酵素による切断断片の末端
の一本鎖部分に特異的に結合するリガンドを固定化した
支持体を用いて、DNAの制限酵素による切断断片を特
異的に分離することを特徴とするDNA断片の分取法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14974891A JPH057490A (ja) | 1991-05-25 | 1991-05-25 | Dna断片の分取法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14974891A JPH057490A (ja) | 1991-05-25 | 1991-05-25 | Dna断片の分取法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH057490A true JPH057490A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=15481907
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14974891A Pending JPH057490A (ja) | 1991-05-25 | 1991-05-25 | Dna断片の分取法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH057490A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008301806A (ja) * | 1994-10-13 | 2008-12-18 | Solexa Inc | 分子タグ化システム |
-
1991
- 1991-05-25 JP JP14974891A patent/JPH057490A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008301806A (ja) * | 1994-10-13 | 2008-12-18 | Solexa Inc | 分子タグ化システム |
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