JPH0574459U - 食器洗浄機の扉開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 食器洗浄機用の蓋開閉装置において、蓋の自
動化とともに手動による蓋の開閉をも可能とし、かつ装
置を小型化する。 【構成】 食器洗浄機の背面に固定されるフレーム２１
には電動モータ２２が固定され、この電動モータ２２の
駆動軸２３先端部には平歯車２４が駆動軸２３と同軸を
なすように取り付けられている。また、軸３ａには歯車
２７が、軸３ａと同軸をなし、かつ平歯車２４と連動可
能となるよう、取付部材２８を介して固定されている。
一方、フレーム２１の下面には、軸受部材２５が固定さ
れ、軸受部材２５の下面に形成された凹部２６には、軸
３ａがその軸線を中心として回転可能に当接している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は食器洗浄機の扉開閉装置に関し、更に詳しくは電動モータの回転を利 用して扉の開閉を自動的に行うとともに、手動による扉の開閉も可能な扉開閉装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

食器洗浄機は、その内部に洗浄室を形成し、この洗浄室内に設置された食器に 、ポンプにより加圧された洗浄液およびすすぎ液を上下方向より順次噴射して前 記食器を洗浄するものである。

【０００３】 洗浄作業者は、洗浄室の扉を手で開けて食器を洗浄室内に入れ、扉を閉めた後 、洗浄開始のスイッチを押して洗浄が完了するまで待機し、洗浄終了後再び洗浄 室の扉を手で開けて中の食器を取り出し、次の食器を洗浄室内に入れて扉を閉じ て洗浄を行う。洗浄作業者は洗浄する食器の数に応じて、この作業を繰り返す。

【０００４】 図５および図６は従来の食器洗浄機における扉１の開閉機構を示す図である。 図５は扉１が閉まった状態、図６は扉１が開いた状態を示す。

【０００５】 図５および図６に於いて、符号２は扉１を支持する基台部で、３は扉１および 基台部２の周囲に配された第一のアームである。第一のアーム３は扉１の両側面 中央部に回転自在に支持された第二のアーム４を介して扉１に連結されていると ともに、基台部２に結合された支柱５に回転軸６により回転自在に軸支されてい る。更に、基台部２の下端と第一のアーム３との間は、食器洗浄機の背面側にて 一対のバネ７により連結されている。また、第一のアーム３の食器洗浄機前面側 に位置する辺は、扉１を開閉する把手として使用される。

【０００６】 上記従来の食器洗浄機においては、図５の状態で第一のアーム３を人力により 上方向に持ち上げると、基台部２と第一のアーム３との間に取り付けられたバネ ７の弾性力と扉１の重量との間におけるモーメント差により扉１が上昇し、かつ 図６で示すように上昇端で保持され、解放状態を維持する。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような従来装置は、人力により第一のアーム３を上下す る為に、作業者の労力負担が大きく、この作業を繰り返すことにより作業者が疲 労するという問題があった。

【０００８】 上記問題を解決するために、考案者らは、先に実願昭６３−２９９６５号公報 に示すような食器洗浄機の扉開閉装置１９を考案した。図７はこの扉開閉装置１ ９の食器洗浄機への装着状態を示す図である。上記扉開閉装置１９は、その駆動 機構内に第一のアーム３を狭持した状態で食器洗浄機背面の基台部２に装着され る。

【０００９】 この扉開閉装置１９の駆動機構を図８に示す。図８において、符号８は駆動機 構を支持するフレームで、フレーム８には正転、逆転可能な電動モータ９が固定 され、電動モータ９の駆動軸には平歯車１０が結合している。平歯車１０は平歯 車１１と噛み合い、平歯車１１はスクリュー軸１２に固定され、スクリュー軸１ ２は軸受１３ａ，１３ｂにより回転可能に軸支されている。更に、スクリュー軸 １２はスクリューナット１４に挿入されており、スクリューナット１４にはアー ムキャリアー１５が締結されている。

【００１０】 符号１６は、スクリュー軸１２と平行してフレーム８に固定され、アームキャ リアー１５の運動方向を規制するスライドバーで、１７はアームキャリアー１５ に第一のアーム３を水平方向に滑動自在に狭持させる結合穴である。なお、符号 １８ａ，１８ｂはそれぞれ第一のアーム３の下降端および上昇端を検出するセン サである。

【００１１】 食器洗浄機の扉１が閉鎖されている場合、センサ１８ａは第一のアーム３を検 知し、ＯＮの状態である。この状態で電動モータ９を正転させると、この回転が 平歯車１０，１１を介してスクリュー軸１２を回転させ、その結果スクリューナ ット１４がアームキャリアー１５とともに下方向に移動する。

【００１２】 従って、アームキャリアー１５の結合穴１７に挿通された第一のアーム３は水 平方向に滑動しながら下方向に移動するが、第一のアーム３は回転軸６により食 器洗浄機の基台部２に軸支され、かつ第二のアーム４を介して扉１と連結されて いるので、扉１が上昇して開状態となる。扉１が十分開き、センサ１８ｂが第一 のアーム３の上昇端を検知すると、電動モータ９の回転が停止し、扉１は全開し た状態で停止する。

【００１３】 この状態で作業者が食器を洗浄室に入れ、電動モータ９を逆転させると、スク リューナット１４がアームキャリアー１５とともに上方向に移動する。そして、 第一のアーム３と連動する扉１が閉まった時点で、センサ１８ａの作用により電 動モータ９の逆転が停止し、食器洗浄機は洗浄行程に入る。洗浄行程終了後、作 業者は再度扉１を開け、洗浄済みの食器を洗浄室より取り出す。

【００１４】 しかしながら、図８に示す扉開閉装置１９を装着した場合には、第一のアーム ３を人力で上下し、扉１の開閉を手動で行うことは不可能で、扉１の開閉を手動 で行うことを可能とするためには、スクリュー軸１２と、これに係合するスクリ ューナット１４のリード角とを４５°とする必要がある。この場合の各部の動作 を説明する。

【００１５】 扉１を閉めた状態で、食器洗浄機前面部の第一のアーム３を手動により上方に 引き上げると、第一のアーム３は回転軸６を中心に回転運動を行う。その結果第 一のアーム３の食器洗浄機背面側の一辺は下降し、これと係合するアームキャリ アー１５も押し下げられる。この場合、前記のようにスクリュー軸１２と、これ に係合するスクリューナット１４のリード角が４５度であるので、スクリューナ ット１４はアームキャリアー１５とともにスクリュー軸１２を回転させながら斜 めに下降する。

【００１６】 一方、扉１を閉める場合には、食器洗浄機前面部の第一のアーム３を手動によ り上方より引き下げると、それに伴い第一のアーム３の食器洗浄機背面側の一辺 が上昇し、スクリューナット１４がアームキャリアー１５とともにスクリュー軸 １２を回転させながら斜めに上昇する。

【００１７】 しかしながら、上記扉開閉装置１９においては、駆動機構が大型化し、その結 果食器洗浄機に装着した場合の設置スペースが増大するという問題があった。特 に、スクリュー軸１２のリード角を４５°とした場合には、スクリュー軸１２を 保持するフレーム８の食器洗浄機前後方向の幅が増大し、上記駆動機構が更に大 型化した。また、結合穴１７への第一のアーム３の挿通を始め、前記食器洗浄機 に対する扉開閉装置の着脱が面倒で、しかも、スクリュー軸１２とスクリューナ ット１４間には高い機械精度が要求されていた。

【００１８】 本考案はこのような実状に鑑みてなされたもので、その目的とする所は、手動 により扉の開閉を行う従来の食器洗浄機に装着することによりこれを自動化する とともに、手動による扉の開閉も可能で、しかも小型かつ前記食器洗浄機への着 脱が容易な食器洗浄機の扉開閉装置を提供することにある。

【００１９】

【課題を解決するための手段】

本考案による扉開閉装置は、食器洗浄機本体の背面に、この面に対して平行か つ回転自在に支持された軸と、この軸を駆動する駆動手段とを具備し、この駆動 手段が、前記背面に固定されるとともに前記軸に支持されたフレームと、このフ レームに前記軸と平行に支持された電動モータと、この電動モータおよび前記軸 にそれぞれ取り付けられて互いに噛み合う歯車とから構成され、しかも、前記軸 側の歯車が前記電動モータ側の歯車より大きな径で、かつ前記軸から取り外し可 能な構造とされているものである。

【００２０】

【作用】

本考案の扉開閉装置においては、電動モータの電源を切り、軸を回転させると この回転が前記軸側の歯車および前記電動モータ側の歯車を介して前記電動モー タに伝達され、前記電動モータが容易に空転するため、食器洗浄機に装着した場 合、扉を容易に開閉することができる。また、装置を構成する部品がいずれも小 さいため装置が小型化され、しかも、前記軸側の歯車が円周方向に分割可能な構 造とされているため前記食器洗浄機への着脱も容易である。

【００２１】

【実施例】

以下、図面に基づき、本考案の実施例について、更に詳しく説明する。 図１は、本考案に係る扉開閉装置２０の食器洗浄機への装着状態を示す図であ る。なお、従来例と同一の構成を有する部分については、同一の符号を記してそ の説明を省略する。

【００２２】 図１において、食器洗浄機の第一のアーム３は第二のアーム４を介して扉１に 連結されるとともに、基台部２の後端に形成された一対の軸受４０，４０により 、その食器洗浄機背面側の一辺（以下、軸３ａと称する）を中心として回転自在 に軸支されている。また、扉開閉装置２０は、食器洗浄機背面の支柱５と軸３ａ との間に装着されている。

【００２３】 図２ないし図４は本考案に係る扉開閉装置２０の構造を示すものである。符号 ２１は前記自動開閉装置の駆動機構を支持するフレームで、フレーム２１は、そ の上端部側方に形成された取付部２１ａを介して前記基台部２に固定されている 。

【００２４】 また、フレーム２１には正転、逆転可能な電動モータ２２が固定されている。 電動モータ２２の駆動軸２３は前記食器洗浄機の背面と平行にフレーム２１から 突出し、その先端部には平歯車（電動モータ側の歯車）２４が駆動軸２３と同軸 をなすように取り付けられている。

【００２５】 一方、フレーム２１の下面には、図２および図４に示すように、軸受部材２５ ，２５がネジ止め等の方法で固定され、軸受部材２５，２５の下面にそれぞれ形 成された半円状の凹部２６には、軸３ａがその軸線を中心として回転可能に当接 している。その結果、フレーム２１は、前記取付部２１ａを介して基台部２に固 定されるとともに、軸３ａによっても支持される。ここで、軸受部材２５，２５ には、例えば真鍮等の摩擦係数の少ない金属が用いられる。

【００２６】 更に、軸３ａには、図２および図３に示すように、半円状をなす歯車（軸側の 歯車）２７が、軸３ａと同軸をなし、かつ平歯車２４と噛み合うよう、取付部材 ２８を介してネジ止め等の方法で取り外し可能に固定されている。この場合、軸 ３ａ上における歯車２７の位置は、軸３ａを回転させ、扉１が下降限界点および 上昇限界点に到達した場合に、歯車２７の幅方向の一端および他端（図３中符号 ＡおよびＢ）がそれぞれ平歯車２４と噛み合うような位置とする。また、歯車２ ７の径が平歯車２４より大径とされているため、平歯車２４の回転に対する歯車 ２７の回転弧は小さくなる。

【００２７】 なお、符号２９ａ，２９ｂはいずれもマイクロスイッチで、軸３ａの外周面に 取り付けられた円盤状部材３０との相互作用により扉１の下降限界点および上昇 限界点を検知し、電動モータ２２のＯＮ／ＯＦＦを行うものである。

【００２８】 食器洗浄機の扉１が閉鎖されている場合、歯車２７は図３中符号Ａの位置で平 歯車２４と噛み合い、かつマイクロスイッチ２９ａは円盤状部材３０により軸３ ａの径方向外方に押圧され、ＯＮの状態である。この状態で、作業者の判断ある いはシークエンスの終了等により電動モータ２２を正転させると、駆動軸２３お よび平歯車２４を介して歯車２７が図３中符号Ｂ方向に回転する。

【００２９】 従って、歯車２７が固定された軸３ａは図４中Ｘ方向に回転するが、第一のア ーム３は軸３ａにおいて軸受４０に軸支され、かつ第二のアーム４を介して扉１ と連結されているので、軸３ａの回転ともに扉１が上昇し、食器洗浄機の扉１が 開かれる。

【００３０】 扉１が十分開くと、今度はマイクロスイッチ２９ｂが円盤状部材３０により軸 ３ａの径方向外方に押圧されてＯＮとなり、第一のアーム３の上昇限界点が検知 されて電動モータ２２の回転が停止し、食器洗浄機の扉１は全開した状態で停止 する。

【００３１】 この状態で食器を洗浄室に入れ、更に、作業者の判断あるいはシークエンスの 終了等により電動モータ２２を逆転させると、駆動軸２３および平歯車２４を介 して、歯車２７が図３中符号Ａ方向に回転する。その結果、軸３ａが図４中Ｙ方 向に回転し、軸３ａの回転とともに扉１が下降し、食器洗浄機の扉１が閉鎖され る。扉１が閉鎖されると、マイクロスイッチ２９ａの作用により電動モータ２２ の逆転が停止し、食器洗浄機は洗浄行程に入る。洗浄行程終了後、作業者は再度 食器洗浄機の扉１を開け、洗浄済みの食器を洗浄室より取り出す。

【００３２】 一方、電動モータ２２の電源を切り、第一のアーム３を上下させると、軸３ａ が回転し、その回転が歯車２７および平歯車２４を経て駆動軸２３に伝達され、 駆動軸２３が空転するとともに、扉１が開閉する。すなわち、本考案の扉開閉装 置２０を装着した食器洗浄機においては、扉１の開閉を手動で行うことが可能で ある。なお、駆動軸２３と平歯車２４間にクラッチを介在させ、扉１の開閉を手 動で行う際には予めこのクラッチを切ることにより、駆動軸２３の空転に伴う負 荷を除去し、手動による扉１の開閉をより容易とすることもできる。

【００３３】 次に、手動により扉の開閉を行う食器洗浄機に本考案の扉開閉装置２０を装着 する場合の例について以下に説明する。

【００３４】 まず、食器洗浄機の扉１を閉鎖し、図３中符号Ａで示す端部が軸３ａの上方に 位置するよう取付部材２８により歯車２７を軸３ａに固定する。次いで、凹部２ ６を軸３ａの上面に当接させ、この状態で取付部２１ａを介してフレーム２１を 食器洗浄機背面の基台部２に固定するとともに、平歯車２４を第二の歯車２７の 前記符号Ａで示す端部と連動可能に噛み合わせる。

【００３５】 更に、マイクロスイッチ２９ａ，２９ｂを基台部２に固定するとともに、軸３ ａの外周面上において、扉１を閉鎖した場合にマイクロスイッチ２９ａがＯＮと なり、かつ扉１を全開とした場合にマイクロスイッチ２９ｂがＯＮとなるように 軸３ａに円盤状部材３０を取り付ける。

【００３６】 このように、上記実施例の扉開閉装置２０を用いれば、手動により扉の開閉を 行う食器洗浄機を、極めて簡単な装着操作で容易に自動化することが可能である 。なお、図１と図７を比較すればわかる通り、上記実施例の扉開閉装置２０は、 従来の扉開閉装置と比較して小型化が可能であるため、この扉開閉装置２０を装 着した場合には、扉開閉装置２０設置用のスペースを大幅に縮小することが可能 である。また、構造が簡単であるため、製造が容易で、かつ故障も少ないという 利点もある。

【００３７】

【考案の効果】

以上説明した通り、本考案の扉開閉装置にあっては、食器洗浄機に装着するこ とにより前記食器洗浄機の扉を自動的に開閉可能とするばかりではなく、手動に よる扉の開閉も可能である。しかも、小型であるため設置スペースが少なくて済 み、かつ前記食器洗浄機への着脱が容易であるという効果も有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の扉開閉装置の食器洗浄機の背面への装
着例を示す上方斜視図である。

【図２】本考案の扉開閉装置の構造の例を示す側面図で
ある。

【図３】本考案の扉開閉装置の構造の例を示すＩＩＩ方
向からの矢視図である。

【図４】本考案の扉開閉装置の構造の例を示すＩＶ方向
からの矢視図である。

【図５】従来の食器洗浄機の構造の例を示す扉を閉状態
とした場合の側面図である。

【図６】従来の食器洗浄機の構造の例を示す扉を開状態
とした場合の側面図である。

【図７】従来の扉開閉装置の食器洗浄機の背面への装着
例を示す上方斜視図である。

【図８】従来の扉開閉装置の構造の例を示す上方斜視図
である。

【符号の説明】 １ 扉 ２ 基台部 ３ 第一のアーム ３ａ 軸 ４ 第二のアーム ５ 支柱 ６ 回転軸 ７ バネ ８，２１ フレーム ９，２２ 電動モータ １０，１１ 平歯車 １２ スクリュー軸 １３ａ，１３ｂ，４０ 軸受 １４ スクリューナット １５ アームキャリアー １６ スライドバー １７ 結合穴 １８ａ，１８ｂ センサ １９，２０ 扉開閉装置 ２１ａ 取付部 ２３ 駆動軸 ２４ 平歯車（電動モータ側の歯車） ２５ 軸受部材 ２６ 凹部 ２７ 歯車（軸側の歯車） ２８ 取付部材 ２９ａ，２９ｂ マイクロスイッチ ３０ 円盤状部材 Ａ 歯車の一端部 Ｂ 歯車の他端部 Ｘ，Ｙ 軸の回転方向

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 食器洗浄機の開口部を開閉する扉を駆動
   すべく、前記食器洗浄機本体の背面に、この面に対して
   平行かつ回転自在に支持された軸と、この軸を駆動する
   駆動手段とからなり、 この駆動手段は、前記背面に固定されるとともに前記軸
   に支持されたフレームと、このフレームに、前記軸と平
   行に支持された電動モータと、この電動モータおよび前
   記軸にそれぞれ取り付けられて互いに噛み合う歯車とか
   ら構成され、しかも、前記軸側の歯車は、前記電動モー
   タ側の歯車より大きな径に設定されるとともに、前記軸
   から取り外し可能な構造とされたことを特徴とする食器
   洗浄機の扉開閉装置。