JPH0574392U - 背中洗浄器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 入浴者が容易に背中全面を洗い得ることを図
る。 【構成】 浴用いす１の背中側に揺動レバー２２基端部
を左右揺動自在に軸支し、該揺動レバー２２の上方正面
側には耐水性弾力部材よりなる洗浄用マット２６を取り
付け、上記揺動レバー５を揺動させるための揺動手段と
して操作レバー２を浴用いす１の側面側に設ける構造と
した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は浴室で容易に背中を洗うための背中洗浄器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

これまで入浴時に全体や背中を洗う道具としては、タオル、手拭い、ナイロン 製垢擦り、スポンジ等が用いられていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来、タオル状の洗浄具の場合、その両端を持ちこれを背中に回して背中を洗 う方法は多く用いられている。しかしかかる方法によっても、背中全体を洗う場 合、腕を斜め上方あるいは斜め下方に、あるいは高低をつけながら、繰り返し左 右方向に動かさなければならず、腕の各関節の捻りや筋力が要求される。このた め、体の硬くなった老人または腕を自由に動かすことのできない障害者あるいは 怪我人には、このような洗い方にも無理があり、特にこれらの人にとって従来の 洗浄具では容易かつ充分に背中を洗えないという問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記のような問題点を解決するための本考案は、浴用いす（１）の背面側に揺 動レバー（２２）の基端部を左右揺動自在に軸支し、該揺動レバー（２２）の上 方正面側には耐水性弾力部材よりなる洗浄用マット（２６）を取り付け、上記揺 動レバー（２２）を揺動させるための操作レバー（２）の基端部を浴用いす（１ ）の側面側に軸支してなることを特徴としている。

【０００５】

【作用】

本考案の背中洗浄器は、浴用いす１に正面向きに着座した入浴者が脇側に位置 する操作レバー２を握り、手動にて前後方向の揺動運動を繰り返すことで揺動レ バー２２がその基端部の支点軸８を中心に左右方向の揺動運動をして、併せてマ ット２６も左右方向の揺動運動を行うこととなる。このため浴用いす１に着座し マット２６の正面に背中を置く入浴者は、単に操作レバー２の揺動運動を行うの みで背中全面を洗浄することが可能となる。

【０００６】

【実施例】

以下、図示する実施例につき詳述すると、プラスチック材で形成された中空ボ ックス状の浴用いす１の側面壁１ｂ，１ｂに操作レバー２，２の基端部が軸３， ３により前後揺動自在に軸支され、軸３，３を介して操作レバー２，２は軸管４ と連結されており、軸管４にはギア６が軸管４と一体的に回転するように嵌合さ れている。ギア６にはギア６と噛み合い同時回転するギア７が支点軸８と一体的 に回転するように支点軸８の先端にて嵌合支持されており、支点軸８は軸受け１ ０を介していす背面壁１ａに回動自在に軸支されている。一方、いす背面壁１ａ には支点軸９が支点軸８と左右方向に並んで軸受け１１を介して回動自在に軸支 されている。支点軸８，９のいす内部側の周壁上方面にはアーム１４，１４が上 下方向に取り付けられアーム１４，１４上端側には左右方向のステー１５の両端 が軸１８とワッシャー、ナットとによって回動自在に軸支されアーム１４，１４ 、ステー１５は同調リンクを構成しながら揺動する構造となっている。

【０００７】 いす背面壁１ａから外部に突出している支点軸８，９には縦向きのレバーホル ダー２０，２０の基端部が左右揺動自在に軸支されている。レバーホルダー２０ ，２０の上端部には筒状に開口したレバー差し込み口２１，２１が設けられてお り、レバー差し込み口２１，２１に上方より揺動レバー２２，２２の下端をそれ ぞれ差込み嵌合して支持されている。 揺動レバー２２，２２の上端正面側には左右方向のステー２３の両端が軸２４ ，２４とワッシャー及びナットとによって回動自在に軸支され、レバーホルダー ２０，２０及び揺動レバー２２，２２は平行リンクを構成して共に左右に揺動す る。さらに、上記ステー２３の正面側には長方形の板状のマットベース２５が固 着され、該マットベース２５の正面側には、弾力性を有する耐水性の発泡材等か らなる一定厚みのマット２６が全面に取り付けられるとともに、該マット２６の 表面には、例えば表面に多数の球面状の突起２７を有するゴムラバー２８が貼着 され、マット２６の正面の略中央には、上下方向の円弧状断面の溝３０が凹設さ れるとともに該溝３０には周面がマット２６の正面より突出するように、スポン ジ等の含水性弾性材よりなる棒状の浸水材３１が挿脱自在に収容されている。

【０００８】 このような構成により操作レバー２，２の前後方向の揺動運動に伴い軸管４、 ギア６、ギア７、同調リンクを介して支点軸８，９、レバーホルダー２０，２０ 及び揺動レバー２２，２２の各部が連動することによりマット２６が左右揺動運 動を繰り返すこととなる。 そしてマット２６の表面は入浴者の背中に押接された状態で左右に動くので、 含浸材で形成された浸水材３１にあらかじめ水と洗剤を浸み込ませておけば、利 用者の背中と浸水材３１及びマット２６表面との摩擦を通じ、洗剤がマット２６ 全面に分散することとなる。マット２６表面に形成された球面状の突起物２７が マット２６表面を凹凸形状にするため、洗剤の泡立ちを良くし、またマット２６ 摺動時の洗浄能力を高め、かつ利用者の受ける刺激も心地よいものとなる。

【０００９】 本考案では操作レバー２，２の一定の速さの揺動に対し、マットの揺動速度に 変化を持たせるためギア６，７部分に変速機能を持たせることも可能である。ま た本実施例では操作レバー２、揺動レバー２２共に二本の場合につき説明したが 、操作レバー２の本数を一本にすることも揺動レバー２２の本数を一本にするこ とも可能である。なお揺動レバー２２の本数を一本にする場合はマットベース２ ５は二個所で揺動レバー２２に取り付けることが望ましい。また、浴用いす１に 底板３２を取り付けることもできる。さらにマット部分は上記のように揺動レバ ー２２を差込み式とすることにより、洗浄具として使用しない場合にはマット部 分を取り外しておけば通常の浴用いすとして利用できる。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は以上の如く構成されるので、浴用いすに着座した入浴者は着座した状 態で脇にある操作レバーを握りこれを前後に揺動させながら背後に位置するマッ トに背中を押接するのみで背中全体が容易確実に洗われるという利点がある。従 って、タオル、手拭い、ナイロン製垢擦り、スポンジ等を使用して背中を洗う場 合に比し、腕をねじ曲げたり捻ったりしなくて済むことは勿論、両腕を斜め上方 あるいは斜め下方に伸ばし折曲げする手間、あるいは高低をつけながら左右に動 かす手間をも省きながら、背中全面を一様にむら無く洗えるという効果を有する のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の背中洗浄器の正面を示す全体斜視図で
ある。

【図２】背中洗浄器の背面を示す全体斜視図である。

【図３】本考案の内部構造を示す断面図である。

【図４】本考案の内部構造を示す平面断面図である。

【図５】揺動レバーとステーの軸支状態を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 浴用いす ２ 操作レバー ２２ 揺動レバー ２６ 洗浄用マット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴用いす（１）の背面側に揺動レバー
   （２２）の基端部を左右揺動自在に軸支し、該揺動レバ
   ー（２２）の上方正面側には耐水性弾力部材よりなる洗
   浄用マット（２６）を取り付け、上記揺動レバー（２
   ２）を揺動させるための操作レバー（２）の基端部を浴
   用いす（１）の側面側に軸支してなる背中洗浄器。