JPH0574109U - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケーブルの上，下引き込みが同一構成品で簡
単に対応できるガス絶縁開閉装置を提供する。 【構成】 床面上にベース１を介して設置された盤２の
後側にＧＩＳ本体４を配設し、ＧＩＳ本体４の遮断器容
器６内に水平収納した消弧室５の中心から床面までの寸
法Ｌを消弧室５の中心から遮断器容器６上に連設した母
線容器７の上面までの寸法ｌとベース１の高さ寸法ｈと
の和より大きく設定すると共に、遮断器容器６を盤２の
後面に上下反転自在に取り付け、盤２内に消弧室５に連
結されたクランクケース９及び遮断器用操作器を収納
し、盤２内の消弧室５の中心の高さの位置に母線容器７
内の断路器ＤＳ及び接地開閉器ＥＳの操作器１１を配置
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、列盤形のガス絶縁開閉装置（以下ＧＩＳという）に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の列盤形ＧＩＳは、例えば図５に示すような回路構成の場合、図６の（Ａ ），（Ｂ）に示すようになっている。なお、図５において、ＢＵＳは母線、ＤＳ は断路器、ＥＳは接地開閉器、ＣＢは遮断器、ＣＨｄはケーブル接続部である。

【０００３】 図６において、床面に固定されたベース１上には、その前部に盤２が設置され ると共に、この後側に架台３を介してＧＩＳ本体４が設置されている。このＧＩ Ｓ本体４は、遮断器ＣＢの消弧室５を水平配置して収納した遮断器容器６と，こ の上面に連設され母線ＢＵＳ，断路器ＤＳ及び接地開閉器ＥＳを収納した母線容 器７と，遮断器容器６の下面に貫設され下方からのケーブル８が接続されるケー ブル接続部ＣＨｄとにより構成され、両容器６，７内にＳＦ₆ ガス等の絶縁性ガ スが封入されている。

【０００４】 前記消弧室５には、図７に示すようにその後端に上部端子５ａが，中腹部下面 に下部端子５ｂがそれぞれ設けられ、上部端子５ａに断路器ＤＳ及び接地開閉器 ＥＳが接続されると共に、下部端子５ｂがケーブル接続部ＣＨｄに接続されてい る。この消弧室５は盤２内に収納されたクランクケース９に連結され、クランク ケース９からの軸が遮断器用操作器１０に連結されている。断路器ＤＳ及び接地 開閉器ＥＳの操作器１１は母線容器７に対応して盤２内の上部に配置されている 。ＣＴは計器用変流器である。

【０００５】 そして、このような構成のＧＩＳが複数基左右方向に列盤設置され、それぞれ の母線容器７間を連結して母線管路を構成している。 ここで、前記ＧＩＳ本体４は、図６の（Ａ）に示すように、消弧室５の中心か ら床面までの寸法Ｌ₀ と消弧室５の中心から母線容器７の上面までの寸法ｌ₀ と がＬ₀ ＜ｌ₀ の関係になっている。

【０００６】 このため、前述したケーブル下引き込みをケーブル上引き込みに変更する場合 、別の盤を用意し、ＧＩＳ本体４を上下反転させてこれを盤に連結すると共に、 これに合わせて操作器１１も盤の下部に配置するようにしている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

前述した従来のＧＩＳにあっては、Ｌ₀ ＜ｌ₀ の関係を有することから、ケー ブル８の上，下引き込みに対応して別々の盤を準備する必要があり、盤側の製作 が煩雑になる上、高価になる欠点があり、しかも、ＧＩＳ本体４の反転に合わせ て操作器１１の取り付け位置も変える必要があり、変更点が非常に多くなる問題 がある。

【０００８】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に留意してなされたものであ り、その目的とするところは、ケーブルの上，下引き込みが同一構成品で容易に 対応できる列盤形のＧＩＳを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、本考案のＧＩＳにおいては、床面上にベースを介 して設置された盤の後側に、遮断器消弧室を水平配置して収納した遮断器容器と この容器の上面に連設され母線，断路器及び接地開閉器を収納した母線容器と遮 断器容器の下面に貫設されたケーブル接続部とを備えたＧＩＳ本体を配設し、消 弧室の中心から床面までの寸法を消弧室の中心から母線容器の上面までの寸法と ベースの高さ寸法との和より大きく設定すると共に、遮断器容器を盤の後面に上 下反転自在に取り付け、盤内に消弧室に連結されたクランクケース及び遮断器用 操作器を収納し、盤内の消弧室の中心の高さの位置に断路器及び接地開閉器の操 作器を配置したものである。

【００１０】

【作用】

前述した構成のＧＩＳはケーブル下引き込みであるが、ケーブル上引き込みに する場合、ＧＩＳ本体を消弧室の中心の位置で上下反転することにより対応でき 、断路器，接地開閉器を収納した母線容器がＧＩＳ本体の下部に位置するが、盤 内の消弧室の中心の高さの位置に配置された操作器と断路器，接地開閉器との相 対的な位置関係は変化せず、盤側は全く変更する必要がない。

【００１１】

【実施例】

実施例につき、図１ないし図４を用いて説明する。これらの図面に示す実施例 は前記図５の回路構成に適用した場合であり、従来と同一符号は同一もしくは相 当するものを示すものとする。 まず、第１実施例を図１ないし図３を用いて説明する。

【００１２】 図１に示すように、床面に固定されたベース１上の前部に盤２を，後部に架台 ３を介してＧＩＳ本体４をそれぞれ設置し、ＧＩＳ本体４の遮断器容器６に水平 配置して収納された消弧室５の中心から床面までの寸法Ｌと、消弧室５の中心か ら遮断器容器６の上面に連設された母線容器７の上面までの寸法ｌと、ベース１ の高さ寸法ｈとをＬ＞ｌ＋ｈの関係になるよう設定し、遮断器容器６を盤２の後 面にその取り合い部で上下反転自在に取り付けると共に、消弧室５を盤２内のク ランクケース９の取り合い部で上下反転自在とする。

【００１３】 さらに、母線管路７に収納された断路器ＤＳ及び接地開閉器ＥＳの操作器１１ を、図３に示すように、消弧室５の中心の高さの位置に遮断器用操作器１０と共 に配置する。

【００１４】 このような構成のＧＩＳにあっては、図１に示すような、遮断器容器６の下面 に貫設されたケーブル接続部ＣＨｄに下方からのケーブル８を接続したケーブル 下引き込みを、ケーブル上引き込みに変更する場合、図２に示すように、ＧＩＳ 本体４を遮断器容器６の盤２との取り合い部で上下反転すると同時に、消弧室５ をクランクケース９との取り合い部で上下反転する。

【００１５】 この場合、Ｌ＞ｌ＋ｈの関係から盤２側を変更することなくケーブル上引き込 みに対応でき、しかも、操作器１１が消弧室５の中心の高さの位置に配置されて いるため、これとＧＩＳ本体４の下部に位置する母線容器７内の断路器ＤＳ及び 接地開閉器ＥＳとの相対的な位置関係が変わらず、対応が可能となる。 なお、１２は盤２の後面上部に取り付けられたケーブルブラケットであり、計 器用変流器ＣＴの支持も兼ねている。

【００１６】 つぎに、第２実施例を図４を用いて説明する。 図４において、第１実施例と異なる点は遮断器容器６に水平配置して収納され た消弧室５であり、消弧室５の後端に上部端子５ａ，中腹部下面に下部端子５ｂ をそれぞれ設ける以外に、消弧室５の中腹部上面に下部端子５ｂと同電位の上側 下部端子５ｃを設けた点である。

【００１７】 そして、ケーブル下引き込み時は、前記図１と同様に、遮断器容器６の上部に 位置する母線容器７からの導体を消弧室５の上部端子５ａに接続すると共に、下 側の下部端子５ｂをケーブル接続部ＣＨｄに接続し、ケーブル上引き込み時に、 ＧＩＳ本体４を遮断器容器６の盤２との取り合い部で上下反転し、図４に示すよ うに、消弧室５の上側下部端子５ｃをケーブル接続部ＣＨｄに接続する。 したがって、この実施例では、ケーブルの上下引き込みに対応して遮断器容器 ６を上下反転させればよく、消弧室５自身は上下反転させる必要がない。

【００１８】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているため、つぎに記載する効果を奏 する。 ベース上の盤の後側に配設されたＧＩＳ本体において遮断器容器に水平配置し て収納された消弧室の中心から床面までの寸法を消弧室の中心から遮断器容器上 に連設した母線容器の上面までの寸法とベースの高さ寸法との和より大きく設定 したため、遮断器容器を盤との取り合い部で上下反転することにより盤を変更す ることなくケーブルの上，下引き込みに対応することができ、しかも、母線容器 に収納した断路器及び接地開閉器の操作器を盤内における消弧室の中心の高さの 位置に配置したため、この操作器の位置を変更することもなく対応でき、ケーブ ルの上，下引き込みが同一構成品で簡単に対応できるものであり、盤側及びＧＩ Ｓ本体とも標準化が可能となり、製作が容易になると同時に大きなコストメリッ トが得られるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるガス絶縁開閉装置の第１実施例を
示すケーブル下引き込み時の側面図である。

【図２】第１実施例のケーブル上引き込み時の側面図で
ある。

【図３】第１実施例の盤の一部の正面図である。

【図４】本考案の第２実施例を示すケーブル上引き込み
時の正面図である。

【図５】一般の列盤形ガス絶縁開閉装置の単位回路の単
線接続図である。

【図６】従来例を示し、（Ａ）は側面図、（Ｂ）は正面
図である。

【図７】消弧室の側面図である。

【符号の説明】

１ ベース ２ 盤 ４ ＧＩＳ本体 ５ 消弧室 ６ 遮断器容器 ７ 母線容器 ９ クランクケース １０ 遮断器用操作器 １１ 操作器 ＣＢ 遮断器 ＤＳ 断路器 ＥＳ 接地開閉器 ＣＨｄ ケーブル接続部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 床面上にベースを介して設置された盤の
   後側に、遮断器消弧室を水平配置して収納した遮断器容
   器と該遮断器容器の上面に連設され母線，断路器及び接
   地開閉器を収納した母線容器と前記遮断器容器の下面に
   貫設されたケーブル接続部とを備えたＧＩＳ本体を配設
   し、前記消弧室の中心から床面までの寸法を前記消弧室
   の中心から前記母線容器の上面までの寸法と前記ベース
   の高さ寸法との和より大きく設定すると共に、前記遮断
   器容器を前記盤の後面に上下反転自在に取り付け、前記
   盤内に前記消弧室に連結されたクランクケース及び遮断
   器用操作器を収納し、前記盤内の前記消弧室の中心の高
   さの位置に前記断路器及び前記接地開閉器の操作器を配
   置したガス絶縁開閉装置。