JPH0574018U - 音響用ディジタル信号処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成により容易に信号処理特性を変更
することが可能な音響用ディジタル信号処理装置を提供
する。 【構成】 目的とする信号処理に必要十分なアーキテク
チャと、目的に合わせた特定な信号処理プログラムを固
定化内蔵した音響用ディジタル信号処理装置において、
信号処理プログラムにより所望の特性を得るための係数
データが書き込まれた係数メモリ手段を用意し、信号処
理プログラムを変更することなしに所望の特性を実現す
るように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、音響用ディジタル信号処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般的な、いわゆるアクティブスピーカといわれるものは、ほとんどが周波数 特性をアナログ回路によるイコライザで実現している。

【０００３】 しかし、アナログ回路によるイコライザは、種々の欠点をも有している。例え ば、必要な周辺部品が多い，高精度な回路を実現しにくい，設計の自由度 が低い，市販のイコライザ専用ＩＣの音質が良好でない，といった問題が存在 している。

【０００４】 そこで、この問題をディジタル回路により解決しようと試みられている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、ディジタル信号処理にもいくつかの欠点がある。図３を参照して説明 する。まず、信号処理用のＬＳＩ（ディジタル信号処理装置（ＤＳＰ１））は同 一目的用に仕様を固定し、大量生産しないために高価である。そして、信号処理 用ＬＳＩを多機能化するためには、それを制御するマイコン２が必要になる。従 って、信号処理用のＬＳＩのプログラミングのほかに、マイコン２のプログラミ ングも必要になる。そして、信号処理用ＬＳＩとマイコンとの間のインターフェ ースも必要になる。

【０００６】 更に、外付けでＡ／Ｄコンバータ５，Ｄ／Ａコンバータ６が必要になる。また 、信号処理ＬＳＩの多くは、汎用性を持たせるために、イコライザ処理に直接必 要ない余分な機能（例えば、外部のＲＡＭ７にアクセスするための外部ＲＡＭア クセス回路等）が内蔵されている。図４に示す汎用ＤＳＰ８を用いた回路でも、 その汎用性ゆえに、余分な回路が多い欠点がある。

【０００７】 このように、イコライザ処理だけを目的とし、困難なプログラミングを必要と しないディジタル信号処理装置（ＤＳＰ）は存在しないため、無駄が多かった。

【０００８】 しかし、アクティブスピーカなどに内蔵されるイコライザは、周波数特性（中 心周波数，Ｑ等）が固定されている場合が多く、必要とされるイコライザの機能 も限定されている。このため、従来のＤＳＰの汎用性の高さが、かえって使い勝 手を悪くしていた。

【０００９】 以上のような理由により、汎用性の高いオーディオ用ＤＳＰや汎用ＤＳＰは、 本考案の実施例にある様な目的のイコライザとして使用するにはあまり適してい ない。

【００１０】 本考案はこのような点に着目してなされたものであり、その目的は、簡単な構 成により容易に信号処理特性を変更することが可能な音響用ディジタル信号処理 装置を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決する本考案は、目的とする信号処理に必要十分なアーキテクチ ャと、目的に合わせた特定な信号処理プログラムを固定化内蔵した音響用ディジ タル信号処理装置において、信号処理プログラムにより所望の特性を得るための 係数データが書き込まれた係数メモリ手段を用意し、信号処理プログラムを変更 することなしに所望の特性を実現するものである。

【００１２】 また、係数メモリ手段が音響用ディジタル信号処理装置本体に対して交換可能 に構成されたことを特徴とするものである。

【００１３】

【作用】 本考案において、ディジタル信号処理手段は、内蔵した信号処理プログラムに 基づいて特定の音響用ディジタル信号処理を行う。この音響用ディジタル信号処 理の際の係数は、係数メモリ手段より読み出される。従って、係数メモリの内容 を変更するのみで、信号処理プログラムを変更せずに、信号処理の仕様を変更す ることができる。このため、イコライザとして、余分な回路，機能を持つ必要が なくなる。また、係数メモリ手段を交換可能にすることで、信号処理の特性を容 易に変更できる。

【００１４】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の実施例を詳細に説明する。

【００１５】 図１は本考案の一実施例を示す構成図である。ディジタルシグナルプロセッサ （ＤＳＰ）１１は、外部より与えられるアナログ信号をＤ／Ａ変換するＤ／Ａコ ンバータ１２，信号処理を行う信号処理部１３，信号処理の際の命令プログラム （本実施例ではイコライザプログラム）をハードウエア，ソフトウエア若しくは ファームウエアで格納しているイコライザプログラム部１４，信号処理の際の係 数を格納している係数メモリ１５，信号処理結果をＤ／Ａ変換するＤ／Ａコンバ ータ１６を備えるように１チップで構成されている。尚、係数メモリ１５はマス クＲＯＭ等で構成されている。

【００１６】 このような構成において、信号処理部１３はイコライザプログラム部１４に格 納されているイコライザ処理用の命令プログラムに基づいて、イコライザ処理の みを実行する。このイコライザ処理の際の中心周波数，Ｑ，ゲイン，カットオフ 周波数などは、係数メモリに格納された係数データにより決定される。従って、 イコライザの仕様，特性を自由に設定することが可能になる。尚、係数メモリ１ ５内に複数の特性データを格納できる領域を確保しておくことにより、予め複数 組のデータを格納し、ハードウエアスイッチ等で任意の特性を選択して取り出す ことも可能である。

【００１７】 この結果、イコライザシステムの設計者は、困難なイコライザ処理のアルゴリ ズムの理解が不要になり、特性決定の係数データを算出するのみでよくなる。こ れにより、各種の特性，仕様のイコライザが極めて容易に実現できるようになる 。

【００１８】 この本実施例の装置を従来の装置と比較した場合、命令プログラムが固定化さ れているため、インストラクションを与えるためのマイコンが不要になる。また 、汎用ＤＳＰのような余分な機能がないため、極めて安価にシステムを構築する ことができる。このように、目的を限定し、その目的の範囲内で自由度を与える ことにより、その分野での使用量が増加し、チップの単価が低下するメリットも 期待できる。

【００１９】 図２は本考案の他の実施例の構成を示す構成図である。この図のＤＳＰ１１で は、係数メモリ１７が外付けになっている。

【００２０】 尚、係数メモリ１７は、書き換えが可能なメモリ（ＥＰＲＯＭ，ＥＥＰＲＯＭ など）で構成されている。

【００２１】 この構成では、所望の係数が格納された係数メモリ１７全体を交換可能にする ことで、特性の変更を瞬時に行えると共に、各種仕様を保存しておくことが可能 になる。この係数メモリ１７は、ＲＯＭカートリッジ，ＲＯＭカードなどで構成 しておくことが望ましい。

【００２２】 以上説明した音響用ディジタル信号処理装置は、車載（家庭）用オーディオシ ステムの音場補正用やパワード・スピーカの周波数特性の補正用に好適である。

【００２３】

【考案の効果】 以上詳細に説明したように、本考案によれば、簡単な構成 により容易に信号処理特性を変更することが可能な音響用ディジタル信号処理装 置を提供できる。また、係数メモリ手段を交換可能に構成することで、特性の変 更も容易になる。

【図面の簡単な説明】

【００２４】

【図１】 本考案の一実施例の構成を示す構成図であ
る。

【００２５】

【図２】 本考案の第二の実施例の構成を示す構成図で
ある。

【００２６】

【図３】 従来の装置の構成を示す構成図である。

【００２７】

【図４】 従来の他の構成を示す構成図である。

【００２８】

【符号の説明】

１１ ＤＳＰ １２ Ａ／Ｄコンバータ １３ 信号処理部 １４ イコライザプログラム部 １５ 係数メモリ １６ Ｄ／Ａコンバータ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 目的とする信号処理に必要十分なアーキ
   テクチャと、目的に合わせた特定な信号処理プログラム
   を固定化内蔵した音響用ディジタル信号処理装置におい
   て、 信号処理プログラムにより所望の特性を得るための係数
   データが書き込まれた係数メモリ手段を用意し、信号処
   理プログラムを変更することなしに所望の特性を実現す
   る音響用ディジタル信号処理装置。
2. 【請求項２】 係数メモリ手段がディジタル信号処理装
   置本体に対して交換可能に構成された請求項１記載の音
   響用ディジタル信号処理装置。