JPH0573966B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は暖房器等に用いられる燃焼器に関する
ものである。

従来の技術 一般にこの種の燃焼器はノズルより供給した液
体燃料を気化筒内で気化するとともに空気供給管
から供給された燃焼用の空気と混合し、この空気
と燃料との予混合ガスを気化筒上部の第３図に示
すようなバーナヘツド１の周壁に設けた縦長の炎
孔２より噴出させ燃焼させていた。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記燃焼器の炎孔２は微小な燃焼
量で燃焼を行なう場合、炎孔２とバーナヘツド１
にわたつてその内外に設けた金網等の多孔筒３と
の間隙に炎が形成され燃焼が持続するため、多孔
筒３が高温に赤熱し耐久性上不安がある。そのた
めに高価なハイグレードの耐熱材料を用いるが長
期的に見た場合完璧とはいえない。

そこで多孔筒３の温度を下げるべく炎口２より
噴出される混合ガスの流速を高め多孔筒３より外
に炎を形成させ温度低下を図ることを考えた。し
かしながら、この手段を用いると、空燃比の少し
の乱れでリフテイング燃焼を導き、燃焼検知用の
フレームロツドの火炎電流が急激に低下し燃焼が
停止する非常に燃焼巾の狭いものとなる。これは
燃焼を停止する火炎電流値を従来より低く設定す
れば燃焼巾を広いままに保持することができる
が、炎孔を小さくしたことで、火炎の安定性が悪
いため火炎電流の設定値を下げるとリフテイング
燃焼に伴う燃焼音、不完全燃焼による一酸化炭
素、臭気の発生を導き実際上は使用不可能であつ
た。

本発明は上記の点を鑑みてなしたもので、燃焼
巾を広いままに維持しつつ耐久性の向上を図り信
頼性の高い燃焼器を提供することを目的としたも
のである。

問題点を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するため複数個の小さ
な炎孔のあいた炎孔板と、この炎孔板の内面に逆
火防止ネツトを密着させ、その逆火防止ネツトと
ともに炎孔板の炎孔の部分を混合部側に向つて湾
曲させたものである。

作 用 本発明は上記した構成より、従来まで保炎力を
増強するため用いた金網等の多孔体を取りのぞ
き、炎口板に微細な小孔（直径φ1.0以下）の炎孔
を設け、さらに総炎孔面積を従来より1/2にし、
そして炎孔より噴出する燃焼ガスの流速を高める
ことを基本とし、そのままでは従来と同等の保炎
力が得られないためその炎孔の部分を混合部側へ
湾曲することで、この部分の小孔から形成された
燃焼炎が互いに向い合い炎の干渉効果により保炎
力が高まり炎孔に形成された個々の炎が安定して
保持され、従来よりも高い火炎電流値を示すほど
の燃焼炎を形成する。

また保炎する部分が従来までのような細い線材
で構成された多孔体でなく、板材に小孔を設けて
いるので熱の拡散が良く温度上昇も従来と比べか
なり低くおさえられ、高温時の強度も高く、耐久
性上耐高温酸化性、耐クリープ特性に優れた炎孔
部を形成する。

実施例 以下本発明の一実施例を第１図、第２図を用い
て説明する。１１は有底状の気化筒兼混合筒で、
その周壁一部に燃焼供給用ノズル１２と燃焼空気
供給用の空気供給管１３が臨ませてある。１４は
上記気化兼混合筒１１に埋設したヒータ、１５は
気化筒兼混合筒１１の上部開口に覆着した整流板
で、その上方にバーナボデイ１６を覆着し、バー
ナボデイ１６の上方開口部の内側に炎孔板１７が
覆着し、炎孔板１７の内面には密着して設けた金
網で形成された逆火防止ネツト１８を装着させて
おる。炎孔板１７の中央には複数個のφ1.0以下の
小さな炎孔１９が複数列あけられ、その炎孔１９
の部分１９ａを逆火防止ネツト１８とともに気化
筒兼混合筒１１の方向（内方向）に向つてＵ状、
Ｖ状、半円状等に湾曲させている。またバーナボ
デイ１６に均圧板２０を炎孔板１７の下部に炎孔
板１７と略同様に湾曲させて設けてある。２１は
気化筒兼混合筒１１およびバーナボデイ１６を囲
むバーナケースである。バーナケース２１の一部
に取り付けられた２２は二次空気供給管である。

上記構成において、ポンプ等によつて気化筒兼
混合筒１１内に噴出された燃料は、ジーズヒータ
１４によつて高温に加熱されている気化筒兼混合
筒１１内で気化し、送風機等により気化筒兼混合
筒１１内に送られてくる燃焼用空気と予混合す
る。この予混合ガスは整流板１５の狭隘部２３及
び均圧板２０の孔２０ａを介して炎孔板１７に設
けた炎孔１９より噴出する。そして適当な点火手
段で点火してやると燃焼を開始し炎孔１９にほぼ
密着し火炎を形成する。ここで上記小さな炎孔１
９は複数列の複数個で配列され、その炎孔総面積
は従来に比べ1/2程度に設定し、穴径がφ1以下で
あるため、穴個数は従来の炎孔より何十倍の無数
の小孔となり、炎孔と炎孔の間隙が狭くなる。そ
して、炎孔面積を小さくしたことで個々の炎孔か
ら噴出する混合ガス流速は速いが、前記、炎孔間
隙が非常に狭いことからお互いの炎孔に形成され
た炎の干渉効果著しく高く安定した炎孔を形成す
る。さらにその小さな炎孔１９の設けてある部分
１９ａ混合筒１１の方へ湾曲させることにより、
その炎の干渉効果はさらに高まり従来にない安定
した炎を形成し、その結果、高火炎電流を示すリ
フテイング燃焼が得られる。また炎孔面積をここ
まで小さくすることを可能としたことで、圧損が
高まり、混合筒１１での気化ガスの空気との混合
効率が高まり、特に炎は鮮明な輝く青い火炎とな
るとともに空気不足時もススが発生しにくい白色
火炎を形成する。

また実施例の炎孔板１７は板に小孔にあけてい
るため、従来のような金網でないことから、熱容
量も大きく熱拡散も非常に良好なことから炎孔部
分１９ａの温度上昇も従来に比べて低い。また高
温時の強度も強く、耐久性上（耐高温酸化性、耐
クリープ特性）信頼性の高いものとなる。したが
つて従来の保炎強化を目的とした外壁に設けた金
網上の多孔体を廃止し、燃料と空気との比が多少
変化しても燃焼炎の状態は安定し、さらに燃焼巾
の広いものとすることができる。

発明の効果 以上実施例の説明で明らかなように本発明によ
れば従来の金網等の多孔体を廃止することを可能
とし、燃焼巾をさらに広めるとともに耐久性の向
上を図り信頼性の高いものとなり、その効果は大
なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における燃焼器の縦
断面図、第２図は本発明の火炎形成状態を示す要
部拡大断面図、第３図は従来の火炎形成状態を示
す要部拡大断面図である。 １１……混合筒（混合部）、１９……小さな炎
孔、１７……火孔板、１８……逆火防止ネツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 空気と燃料とを混合する混合部と、この混合
   部からの混合ガスを燃焼させる複数個の小さな炎
   孔を有する炎孔板と、この炎孔板の内面に密着さ
   せた逆火防止ネツトとを備え、前記逆火防止ネツ
   トとともに炎孔板の炎孔の部分を混合部側に向つ
   て湾曲させた燃焼器。