JPH0711324B2 - 燃焼器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は暖房器等に用いられる燃焼器に関するものであ
る。

従来の技術 一般にこの種の燃焼器はノズルより供給した液体燃料を
気化筒内で気化するとともに空気供給官から供給された
燃焼用の空気と混合し、この空気と燃料との予混合ガス
を気化筒上部の第４図に示すようなバーナヘッド１、周
壁に設けた縦長の主炎口２と丸穴の補助炎口３より噴出
させ燃焼させていた。そして、予混合ガスの混合を良化
し、主炎口２や補助炎口３の保炎力を強くするためにバ
ーナボディ１の周壁外周に外多孔筒４、周壁内周に内多
孔筒５が設けられていた。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記燃焼器の主炎口２は微少燃焼量で燃
焼を行う場合、主炎口２に形成させる火炎の安定性と火
炎の主炎口への定着性（以下このことを保炎力と称す）
を良くするため設けてある補助炎口３の予熱の影響で、
主炎口下部の外多孔筒４が特に高温になる恐れがあり、
そのため外多孔筒４が異常に加熱され、耐久性上不安が
あった。

また予混合ガスの混合を良くするために内多孔筒５を設
けているが、それでも混合が不充分な面があり、空気不
足ぎみの条件下では火炎に混合不充分のために生じるフ
ラッシュ状の黄火が発生しやすかった。

さらに主炎口２は縦長であるために、火炎は細長いもの
となり、特に空気過剰な条件下ではリフティングしやす
い性格を有し、フレームロッドの火炎電流値が急激に低
下して燃焼が停止する等、非常に燃焼巾の狭いものとな
っていた。これは燃焼を停止する火炎電流値を従来より
低く設定すれば燃焼巾を広いままに保持することができ
るが、火炎の安定性が悪いため火炎電流設定値を下げる
とリフティング燃焼に伴う燃焼音、不完全燃焼による一
酸化炭素、臭気等の発生を導き実際上は採用不可であっ
た。

以上のように燃焼巾として見れば、空気不足の際の黄火
側も、空気過剰の際のリフティング側も狭く、燃焼に余
裕の少ないものであった。

本発明は上記の点に鑑みてなしたもので、燃焼巾を広い
ままに維持しつつ耐久性の向上を図り信頼性の高い燃焼
器を提供することを目的としたものである。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するため、本発明の燃焼器はバーナボデ
ィ周壁内周に一定の間隙をおいて内多孔筒を設け、この
内多孔筒と、バーナボディとの間の間隙には、バーナボ
ディの縦長主炎口の下部と対向させて密着した炎口リン
グを配設し、かつ上記炎口リングの補助炎口と対向する
部分に補助炎口より小さな補助炎口を設けるとともに、
前記内多孔筒の内周には整流筒を設けた構成としてあ
る。

作用 本発明は上記した構成により、整流筒の多孔部により予
混合ガスが均一に分散され、かつバーナボディと内多孔
筒の間隙にて混合が促進され、空気不足ぎみの際にフラ
ッシュ状の黄火が生じにくくなる。また、リフティング
しやすい主炎口の下部に炎口リングがオーバーラップし
ているので、この部分の混合ガス噴出速度が弱くなって
保炎力が強化されリフティングしにくいものとなる。つ
まり、燃料と空気の比が多少変化しても黄火が発生した
り、リフティングするようなことは生じにくくなり、燃
焼巾を広くすることができる。

また、バーナボディの補助炎口と主炎口下部には炎口リ
ングが密着されているので、その部分の熱容量は大きな
ものとなり、さらに放熱効果も加わるので主炎口下部の
外多孔筒が高温になることを防ぐことができ、耐久性を
向上することができる。

実施例 以下本発明の一実施例を第１図、第２図を用いて説明す
ると、11は有底筒状の気化兼混合筒で、その周壁一部の
偏心位置に燃料供給用のノズル12と燃焼用空気供給用の
空気供給官13が臨ませてある。14は上記気化兼混合筒11
に埋設したヒータ、15は同気化兼混合筒11の上部開口に
覆着したバーナボディで、気化兼混合筒11内に突出する
狭隘部16を底部に有する。17は上記バーナボディ15の周
壁に形成した縦長の主炎口、17aはこの主炎口17同志間
の下部に形成した丸穴の補助炎口、18は前記バーナボデ
ィ15の周壁外方に装着した外多孔筒であり、金網等で構
成してあり、各炎口間をスポット溶接18aしてバーナボ
ディ15に固着してある。19はバーナボディ15内方に配設
した整流筒で、複数の小孔19aを有している。20は整流
筒19に密着し、バーナボディ15と一定の間隙20aを有す
るように配設した内多孔筒で、金網等で構成してある。
21はバーナボディ15の内面に密着する如く間隙21に配設
した炎口リングであり、その上端は主炎口17の下方から
１〜2mm程度対向（オーバーラップ）するように設けて
あり、補助炎口17aと対向する部分にはこれよりも小さ
な補助開口21aが設けてある。22は上記バーナボディ15
内に設けた均圧板、23は同バーナボディ15の上部開口に
覆設した二重バーナキャップ、24は二重バーナキャップ
23を固定するためのナット、25は主炎口17の一つに対向
させて設けたフレームロッド、26は気化兼混合筒11を囲
むバーナケースである。

上記構成において、ポンプ等によって気化兼混合筒11内
に噴出された燃料は、シーズヒータ14によって高温に加
熱されている気化兼混合筒11内で気化し、送風機等によ
り気化兼混合筒11内に送られてくる燃焼用空気と予混合
する。この予混合気化ガスは、気化兼混合筒11内を旋回
しながらバーナボディ15の狭隘部16及び均圧板22の小孔
22aを介してバーナボディ15内に噴流し外周壁の主炎口1
7、補助炎口17aより噴出する。そして適当な点火手段で
点火してやると燃焼を開始し主炎口17、補助炎口17a周
辺の外多孔筒18にほぼ密着した火炎を形成する。

この際、予混合気化ガスは均圧板22の小孔22aにて整流
され、次に整流筒19の小孔19aで整流されるとともに、
均一に分散される。そして整流筒19と密着した内多孔筒
20を通過し、バーナボディ15を内多孔筒20の間にある間
隙20aの干渉作用により混合が促進される。そのため、
主炎口17、補助炎口17aに生じる火炎は上下方向でバラ
ンスのとれた安定性のあるものとなり、燃焼と空気の比
がくずれ、空気不足となってもフラッシュ状の黄火が発
生しにくいものとなる。

また、縦長であるために、火炎が細長くなり空気過剰な
条件ではリフティングしやすくなる主炎口17の下方から
１〜2mm程度対向するように設けられた炎口リング21に
より火炎がひっかかりやすくなり、リフティングしにく
く保炎力の非常に強いものとなる。

さらに、補助炎口17aと対向する炎口リング21の補助開
口21aの大きさを補助炎口17aの大きさよりも小さくして
いるので、混合ガスの流速が著しく低下し、補助炎口17
aについても保炎力が強くなり、リフティングしにくい
ものとなる。

したがって燃料と空気との比が多少変化しても黄火が発
生したり、リフティングしたりするようなことはなくな
り、黄火が発生することによりススが発生する等の課題
を解消するとともに、リフティングによるバタバタ音や
一酸化炭素発生等の課題が解決されるとともに、従来で
はリフティングしていたところまで安定燃焼域となるか
ら結果的に燃焼巾をさらに広いものとすることができ
る。

また前記した如く主炎口17に形成される火炎は保炎性の
高い安定したものとなるから当然の如くフレームロッド
23の検知出力も安定したものとなり、例えば酸欠時や空
気不足あるいは空気過剰時における検知もバラツキの少
ない正確なものとなる。しかも着火時には各主炎口17か
ら噴出しした予混合ガスは均一に分散しているので着火
火移りも早くなる。

一方、上記バーナボディ15の主炎口17の下部と補助炎口
17aには炎口リング21を密着させ、さらにその内側に内
多孔筒20、整流筒19を密着させているので、その部分の
熱容量はかなり大きなものとなる。さらに上記部品によ
る放熱効果も加わることになるので、主炎口17下部の外
多孔筒18の異常加熱は防止されることになり、耐久性が
大きく向上する。また、炎口リング21の補助開口21aを
補助炎口17aよりも小さくしているので、補助炎口17aへ
向かう混合ガスの流速・流量が著しく低下して補助炎口
17aに形成される火炎は小さくなり、その分主炎口17に
対する熱的影響が低下し、ひいては多孔筒18の温度上昇
が低減される。

発明の効果 以上実施例の説明で明らかなように本発明によれば、燃
料と空気の比が変化し、黄火が発生したり、リフティン
グしたりすることを広い範囲で防ぐ、すなわち燃焼巾を
広く維持しつつ多孔体の温度を大きく低下させることが
でき、長期使用下に於ける安定した燃焼性能の保証が可
能で、信頼性の高いものとなり、しかも簡単な構成であ
るから低コストで提供できる等、燃焼性能、耐久性、コ
ストに優れた燃焼器を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における燃焼器の要部断面
図、第２図は同全体の断面図、第３図は本発明の火炎形
成状態を示す断面図、第４図は従来の火炎形成状態を示
す断面図である。 11……混合部、15……バーナボディ、17……主炎口、17
a……補助炎口、18……外多孔筒、19……整流筒、20…
…内多孔筒、20a……間隙、21……炎口リング、21a……
補助開口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】空気と燃料を混合する混合部と、混合部か
   らの混合ガスをその外周壁に設けた複数の縦長の主炎口
   とその主炎口間下部に設けた丸穴の補助炎口で燃焼させ
   るバーナボディと、バーナボディの周壁の外周に密着さ
   せて配設した外多孔筒と、前記バーナボディの周壁内周
   に一定の間隙をおいて配設した内多孔筒とを備え、前記
   バーナボディと内多孔筒の間隙には縦長主炎口の下部と
   対向させて密着した炎口リングを設け、この炎口リング
   の前記補助炎口と対向する部分には補助炎口より小さな
   補助開口を形成するとともに、前記内多孔筒の内周には
   多孔部を有する整流筒を配設した燃焼器。