JPH0573857U - 速結端子装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハウジングに形成された電線挿入孔から挿入
された電線を先端で係止固定する鎖錠ばねを具備すると
ともに、解除孔から差し込まれる解除具による鎖錠ばね
の押圧で上記係止固定を解除するものにおいて、解除具
を用いた電線の接続解除をきわめて容易に行うことがで
きるものとする。 【構成】 解除孔１２に解除具５を鎖錠ばね３の先端部
とほぼ平行に差し込むためのガイド面１４を設けて、解
除具５を鎖錠ばね３の先端部と略平行に差し込むことが
できるものとするとともに、解除具５をてことして作用
させる支点Ｓを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電線の接続を簡便に行えるようにした速結端子装置、殊にその接続解 除構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

電線の被覆を剥いだ先端を差し込むだけで電気的接続と電線の機械的固定とを 行えるようにした速結端子装置として、従来より図６に示すものがある。これは ハウジング１における端子室内に電線９の被覆を剥いだ先端部を差し込むための 電線挿入孔１１をハウジング１に形成するとともに、端子室内に通電金具２を配 したもので、この通電金具２は、電線９の差し込み方向と斜交する方向に突出し て先端縁が差し込まれた電線９の先端部に係止する鎖錠ばね３を一体に備えてい る。電線挿入孔１１から電線９の先端部を差し込めば、電線９は鎖錠ばね３を撓 ませつつ端子室の奥方へと侵入する。そして、鎖錠ばね３の先端が電線９に係止 することで電線９が機械的に固定されるとともに通電金具２との接触で電気的接 続がなされる。

【０００３】 このものにおける電線９の接続解除は、ハウジング１に電線挿入孔１１と平行 に穿たれた解除孔１２からピンのような解除具５を端子室内に差し込み、鎖錠ば ね３を図中右方へ押圧することで鎖錠ばね３と電線９との係止を解除し、この状 態で電線９を引き抜くことで行う。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このものでは解除具５が鎖錠ばね３の根元を押圧するために、電線の 接続解除にあたり、鎖錠ばね３を撓ませて上記係止を外すには解除具５を強く押 し込まねばならず、解除操作に大きい力を必要とする。また解除孔１２が電線挿 入孔１１と平行である上に、鎖錠ばね３の長さが短いために、解除孔１２と電線 挿入孔１１とが近接した位置にあることから、接続解除に際して電線９が邪魔に なって解除具５の差し込みが困難となるとともに上記係止解除状態で電線９を引 き抜くことが困難となっている。

【０００５】 本考案はこのような点に鑑み為されたものであり、その目的とするところは解 除具を用いた電線の接続解除をきわめて容易に行うことができる速結端子装置を 提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

しかして本考案は、ハウジングに形成された電線挿入孔から挿入された電線を 先端で係止固定する鎖錠ばねを具備するとともに、ハウジングに形成された解除 孔から差し込まれる解除具による鎖錠ばねの押圧で上記係止固定を解除する速結 端子装置において、解除孔は解除具を鎖錠ばねの先端部とほぼ平行に差し込むた めのガイド面を備えるとともに、解除具をてことして作用させる支点を備えてい ることに特徴を有している。

【０００７】

【作用】

本考案によれば、解除具を鎖錠ばねの先端部と略平行に差し込むことができる ために差し込み時に鎖錠ばねから抵抗を受けることが殆どなく、そして差し込ん だ後に解除具を傾けるだけで、解除孔における支点を利用したてこの原理で鎖錠 ばねの先端を撓ませることができるために、係止解除に必要な力も少なくてすむ ものである。

【０００８】

【実施例】

以下本考案を図示の実施例に基づいて詳述すると、図２において、１は絶縁物 にて形成されたハウジングであって、内部の端子室には通電金具２と鎖錠ばね３ とが配設されており、一側壁には電線挿入孔１１と解除孔１２とが形成されてい る。電線挿入孔１１は通電金具２と平行に形成され、鎖錠ばね３はその先端部が 電線挿入孔１１から見て端子室の奥方に向けて且つ通電金具２に向かう方向に、 つまり電線挿入孔１１からの電線９の差し込み方向と斜交する方向に延びており 、電線挿入孔１１から電線９の被覆を剥いだ先端部を差し込めば、電線９は鎖錠 ばね３を撓ませつつ奥方に向かい、鎖錠ばね３の先端で係止されるとともに通電 金具２に押し付けられる。

【０００９】 そして、この速結端子装置における電線９の接続解除は、解除孔１２からピン 状の解除具５を差し込んで鎖錠ばね３を撓ませた状態で電線９を引き抜くことで 行うわけであるが、ここにおける解除孔１２は、図２(a)(b)に示すように、ハウ ジング１の外面側が端子室に面する内面側よりも長くて、ハウジング１外面から 見た時に長孔状となっているとともに、その長手方向が電線挿入孔１１とを結ぶ 方向と鎖錠ばね３の先端部の長手方向とに一致し、更に端子室に面する部分での 開口径が解除具５の径よりわずかに大きいだけのものとなっている。また解除孔 １２における電線挿入孔１１から遠い側の内壁面が、電線９に係止している状態 にある鎖錠ばね３の先端部の傾斜角度θとほぼ等しい角度を持つガイド面１４と なっている。

【００１０】 しかしてこのものにおいては、図１(a) に示すように、解除孔１２からピン状 の解除具５を差し込む時、係止状態にある鎖錠ばね３の先端部と略平行に差し込 むことができるものであり、この時、解除具５の先端が鎖錠ばね３の先端付近に 位置するまで差し込む動作に対して鎖錠ばね３は殆ど抵抗を与えることがない。 この後、解除具５を図１(b) に示すように解除孔１２の長手方向で電線９に向か う方向に動かすことで解除具５を傾ければ、解除孔１２の電線挿入孔１１に近い 側の内壁面が解除具５をてことして作用させるための支点Ｓとなるものであって 、解除具５の先端縁は鎖錠ばね３の先端を撓ませて鎖錠ばね３の電線９に対する 係止を解除する。この時もてこの原理を利用する上に解除具５が押すのは鎖錠ば ね３の先端であることから、必要とする力はきわめて小さくてすむ。そして上記 係止解除状態で電線９を引き抜けば、電線９の接続を解除できるものであり、ま た解除具５が電線９から離れたところに位置するために、解除具５が電線９の引 き抜き操作の邪魔になることもない。図中１６は解除具５を用いた接続解除時に 鎖錠ばね３を過度に撓ませて変形させてしまうことを防止するためのストッパー である。図２(c) に示すように、解除孔１２に解除具５が鎖錠ばね３を撓ませて いる状態を保持するための係止溝１３を連接させておけば、電線９を引き抜く時 に解除具５から手を離しておくことができるために、更に接続解除操作が容易と なる。

【００１１】 図３に示す実施例は、解除孔１２における電線挿入孔１１側の内壁面を電線挿 入孔１１と平行な面とすることで、電線挿入孔１１及び解除孔１２を有するハウ ジング１の成形による製造が簡単になるようにしたものを示している。この場合 の支点Ｓは、解除孔１２の電線挿入孔１１側の内壁面の端子室側の角に位置する ことになる。図４は解除孔１２における電線挿入孔１１側の内壁面が解除具５を 鎖錠ばね３の先端部と略平行となるように差し込む時のガイド面１４とするとと もに、支点Ｓが解除孔１２の外面側の角に位置するようにしたものを示している 。尚、本実施例における鎖錠ばね３は、通電金具２と一体に形成されるとともに 、その先端が断面コ字形で電線９の横ずれ防止機能を持つものとなっている。

【００１２】 図５に示すように、ハウジング１における電線挿入孔１１が位置する壁面とは 異なる壁面に解除孔１２を配置することもできる。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように本考案においては、鎖錠ばねによる電線の係止固定の解除にあた り、解除具を鎖錠ばねの先端部と略平行に差し込むことができるために差し込み 時に鎖錠ばねから抵抗を受けることが殆どなく、しかも差し込んだ後に解除具を 傾けるだけで、解除孔における支点を利用したてこの原理で鎖錠ばねの先端を撓 ませることができるために、係止解除に必要な力も少なくてすむものであって、 解除具を用いた電線の接続解除をきわめて容易に行うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例における解除操作時を示すもので、
(a) は解除具を鎖錠ばね先端部とほぼ平行に差し込んだ
状態を示す断面図、(b) は解除具で鎖錠ばねによる係止
を解除した状態を示す断面図である。

【図２】(a) は同上の断面図、(b) は側面図、(c) は他
例における側面図である。

【図３】他の実施例の断面図である。

【図４】別の実施例の断面図である。

【図５】更に他の実施例の断面図である。

【図６】従来例の断面図である。

【符号の説明】

１ ハウジング ３ 鎖錠ばね ５ 解除具 ９ 電線 １１ 電線挿入孔 １２ 解除孔 １４ ガイド面 Ｓ 支点

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジングに形成された電線挿入孔から
   挿入された電線を先端で係止固定する鎖錠ばねを具備す
   るとともに、ハウジングに形成された解除孔から差し込
   まれる解除具による鎖錠ばねの押圧で上記係止固定を解
   除する速結端子装置において、解除孔は解除具を鎖錠ば
   ねの先端部とほぼ平行に差し込むためのガイド面を備え
   るとともに、解除具をてことして作用させる支点を備え
   ていることを特徴とする速結端子装置。