JPH0573540U - 差動型熱天秤装置 - Google Patents

差動型熱天秤装置

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JPH0573540U
JPH0573540U JP1187992U JP1187992U JPH0573540U JP H0573540 U JPH0573540 U JP H0573540U JP 1187992 U JP1187992 U JP 1187992U JP 1187992 U JP1187992 U JP 1187992U JP H0573540 U JPH0573540 U JP H0573540U
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毅 杉山
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株式会社マックサイエンス
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 差動型の熱天秤装置においてバランスの位置
ズレを高感度に検出することを可能とする。 【構成】 差動的に上下動する両天秤ビームのそれぞれ
に、遮光板17,27を互いに相対向させて天秤ビーム
の変移と共に相対移動するように設け、両遮光板の一方
27には開口28を、他方の遮光板17には前記開口2
8を横方向に交叉するが上下幅が開口28よりも狭い帯
体18を形成し、バランス時においては、投光器41か
らの光が、開口28の上側隙間部分及び下側隙間部分を
通して上下の受光器43,44で同一光量で受光される
ように定め、僅かな変移も受光量が差動的に拡大されて
検出されるように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、試料を昇温降温し、試料の重量変化を測定することにより熱分析を 行うための差動型の熱天秤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、熱天秤装置には縦形バランス式と水平バランス式とがあり、後者の水 平バランス式のものにあっては、従来、図5に示すような、差動型の熱天秤装置 が知られている(実公昭61−42110号公報)。
【0003】 即ち、一端に試料ホルダ83を有する試料側ビーム85と、一端にリファレン ス82を有するリファレンス側ビーム86とを、支持部92により各ビームの長 さ方向のほぼ中央にて同一方向に水平かつ平行に支持し、試料ホルダ83とリフ ァレンス82は温度制御される加熱炉81内に置き、支持部92に対し試料ホル ダ83及びリファレンス82から反対方向にほぼ等距離離れた位置において、各 ビーム85,86間を第1ビーム連結部材91a及び第2ビーム連結部材91b 並びにバランス手段を介して連結した構成のものである。このバランス手段は、 回転機能を備えた電磁駆動コイル89からなり、また、両ビーム85,86の一 方の水平位置からの傾き状態,バランスのズレを検出するため、試料側ビーム8 5の反対側の他端に設けたスリット付遮光部材84と、そのスリット84aを通 して投光器87からの光を受光する受光器88とにより位置検出手段を構成し、 該位置検出手段からのバランスのズレの信号により、電磁駆動コイル89が第1 ビーム連結部材91aと第2ビーム連結部材91bとを介して前記各ビーム85 ,86を水平位置の状態にするようになっている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記位置検出手段は、試料側ビーム85の遮光部材84に幅1mm程 度の単一スリット84aを設け、そのスリット84aが変移した際、スリット8 4aを通して受光される受光量が、上下2段に配置された2つの受光器88で相 違することを利用してバランスのズレを検出する構成である。従って、バランス のズレの検出感度は、スリット84aの設けられている遮光部材84の変移量に 等しく、比較的検出感度が小さいという問題があった。
【0005】 本考案は、上記問題点に鑑みなされたもので、水平バランス式又は縦形バラン ス式のいずれであるかを問わず、差動型の熱天秤装置における位置検出手段のバ ランスのズレ検出感度を高め、高精度の熱天秤とすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の差動型熱天秤装置は、試料用天秤ビーム 及びリファレンス用天秤ビームを互いに差動的に変移するように支承し、両天秤 ビームのバランスの位置ズレを位置検出手段で検出し、該手段からの位置ズレ信 号に応じてバランスを回復するように電磁駆動コイルで試料用天秤ビームを上下 に変移させる構成とした差動型熱天秤装置において、上記位置検出手段を構成す るため、両天秤ビームの試料又はリファレンス物質の設けられない端側に、互い に相対向させて天秤ビームの変移と共に相対移動するように遮光板を設け、両遮 光板の一方には開口を、他方の遮光板には前記開口を横方向に交叉するが上下幅 が開口よりも狭い帯体を形成し、バランス時において帯体で覆われなかった開口 の上側隙間部分及び下側隙間部分が同一面積となるように定め、更に上記両遮光 板を照射する投光器と、上側隙間部分からの透過光を受光する第1受光器と、下 側隙間部分からの透過光を受光する第2受光器とを設けた構成のものである。
【0007】
【作用】
水平バランス式熱天秤装置の場合、試料用天秤ビーム及びリファレンス用天秤 ビームは上述した試料側ビーム(85)及びリファレンス側ビーム(86)であ り、位置検出手段は両ビームの支持部(92)に対し試料又はリファレンスと反 対側に設けられる。
【0008】 縦形バランス式熱天秤装置の場合、試料用天秤ビームは上端に試料ホルダを有 し下端に重りを設けた試料用縦ロッドとして、またリファレンス用天秤ビームは 上端にリファレンスを有し下端に重りを設けたリファレンス用縦ロッドとして構 成される。これらを差動的に揺動する機構は、例えば両縦ロッドを、他端をそれ ぞれ固定支点に取り付けた独立した水平ビームの先端部にて枢支し、両水平ビー ムを連結ビームでシーソ的に揺動可能に支持することで構成できる。そして、こ の両天秤ビームのバランスの位置ズレを検出する位置検出手段は、両天秤ビーム の試料又はリファレンス物質の設けられない端側、つまり縦形バランス式熱天秤 装置の場合は両縦ロッドの下方の側に設けられる。
【0009】 いずれにしても、両天秤ビームは差動的に上下動可能である。両天秤ビームに 設けてある相対向する遮光板も、天秤ビームの変移と共に上下方向に差動的に相 対移動可能である。バランス時においては開口の上側隙間部分及び下側隙間部分 の面積が同一であり、上下の受光器で受光される光量は同一である。しかし、バ ランスがくずれ、試料用天秤ビームが僅かでも上下に変移すると、両天秤ビーム は必ず差動的に動くため、両遮光板も差動的に動き、開口の上側隙間部分及び下 側隙間部分の面積は一方が増大し他方が減少する。従って、この上側隙間部分及 び下側隙間部分を通して上下の受光器でそれぞれ受光される光量の差は、従来の 開口だけが位置移動する場合に比べ非常に顕著となる。即ち、僅かな位置ずれ変 化も受光量の差として拡大され、高感度に検出される。
【0010】
【実施例】
以下、本考案を図示の一実施例に基づいて説明する。
【0011】 図1において、加熱炉9は試料ホルダ10とリファレンス20を同時に加熱す る電気炉であり、図示してない温度コントローラにより所定温度に制御される。 リファレンス20は試料ホルダ10に搭載される試料(図示せず)の重量変化を 見るための比較となるもので、熱により重量変化しない材質でできている。
【0012】 2本平行に配置された天秤ビームとしての縦ロッド1,2のうち、一方の縦ロ ッド1は試料用であり、上端に試料ホルダ10を有する上側ロッド11と、下端 に重り13を有する下側ロッド12とを、枢支部3により上下に一直線状に連結 したものから成る。他方の縦ロッド2はリファレンス用であり、上端にリファレ ンス20を有する上側ロッド21と、下端に重り23を有する下側ロッド22と を、枢支部4により上下に一直線状に連結したものから成る。
【0013】 これら2本の縦ロッド1,2は、その途中の枢支部3,4において、水平ビー ム5,6の先端部に揺動可能に枢支される。枢支部3,4は、本実施例では、縦 ロッドと直交する方向の貫通穴15,25を有するに枢支枠14,24と、この 貫通穴15,25内に差し込まれた水平ビーム5,6の先端部を、縦ロッド1, 2及び貫通穴15,25のいずれにも直交する方向に枢支枠14,24側部から 支持するピン16,26とで構成されている。従って、縦ロッド1,2は、枢支 部3,4を中心として、縦ロッド1,2及び水平ビーム5,6を含む平面内で揺 動可能となっている。しかし、水平ビーム5,6の先端部両側からピンを突出さ せ枢支枠14,24内側の受けに支持させることもできる。
【0014】 上記水平ビーム5,6は、その他端がそれぞれ独立に固定支点7,8に取り付 けられ、上下回転1自由度の水平ビームとなるように支持されている。また、両 水平ビーム5,6の途中は差動支持手段30により互いに平行に且つ差動的に上 下変移可能に支持されている。この差動支持手段30は、本実施例では、両水平 ビームの途次の上方で両水平ビームに対し直交するように設けられた連結ビーム 31と、該連結ビーム31を両水平ビーム間の中央で回動可能に支持する固定支 点32を有する支持部材33と、この連結ビーム31の一側先端と水平ビーム3 とを結ぶ第1の連結部材たるワイヤ34と、連結ビーム31の他側先端と水平ビ ーム4とを結ぶ第2の連結部材たるワイヤ35とから構成されている。即ち、水 平ビーム5,6は固定支点32を中心として両水平ビーム側に差動的に揺動可能 な連結ビーム31により吊下げられ、互いに差動的に上下変移可能となっている 。しかし、必要によっては、ワイヤ等で吊下支持する代わりに、両水平ビームの 下方において両水平ビームに対し直交するように設けられた差動的に揺動する連 結ビームにより、下側から支持する構成とすることもできる。
【0015】 上記試料用縦ロッド1及びリファレンス用縦ロッド2の上下の相対的な位置ズ レを検出する位置検出手段40を構成するため、両縦ロッド1,2には、枢支部 3,4より下方の領域において、縦ロッド1,2の変移と共に相対移動する遮光 板17,27が設けてある。本実施例の場合、図2に示すように、リファレンス 用縦ロッド2には開口28を有する遮光板27が取り付けられ、試料用縦ロッド 1には、この遮光板27の開口28を横方向に交叉するが上下幅が開口28より も狭い開口面積調節用の帯体18を有する遮光板17が設けられている。両遮光 板17,27の取付け位置は、試料ホルダ10の試料及びリファレンス20の上 下位置が一致したバランス状態を保っている時には、丁度遮光板27の開口28 の上下幅中央に遮光板17の帯体18が位置し、これによって開口28の上下に 帯体18で覆われない透過領域が同一面積で形成されるようにしてある。
【0016】 更に、位置検出手段40の構成要素として、上記遮光板17,27に光を照射 する投光器41と、遮光板17,27における帯体18及び開口28間の隙間部 分を透過して出射する光を検出する光検出器42とが設けられている。光検出器 42は、上下に位置を異ならせて設けた第1受光器43と第2受光器44とから 成り、上側の受光器43は、帯体18で覆われなかった遮光板開口28の上側隙 間部分を透過して出射する光を受光し、また、下側の受光器44は、帯体18で 覆われなかった遮光板開口28の下側隙間部分を透過して出射する光を受光する ようになっている。即ち、上記したバランス状態、つまり開口28の上下中央に 帯体18が位置して、上下の隙間部分の透過面積が同一のときには、投光器41 より出た光が同一光量づつ上下隙間部分を通過して、それぞれの受光器42で受 光される構成になっている。そして、僅かでもバランス状態がくずれたとき、つ まり縦ロッド1,2が相対移動したときには、上記開口28の上下隙間部分の透 過面積のうち、一方が減少し、他方が増加するように変化する。しかも、縦ロッ ド1,2は差動支持手段30の働きにより水平ビーム5,6を介して必ず上下逆 方向に差動的に変移するため、上記開口28の上下隙間部分における透過面積の 減少及び増加の程度が、縦ロッド1,2の一方だけが変移する場合に比べ大きく 拡大される。この結果、バランス状態がくずれたことが、縦ロッド1,2の位置 ズレに基づく受光器43,44の出力信号の差から顕著に検出される。
【0017】 上記縦ロッド1,2の位置ズレが検出された場合、この位置ズレをなくしバラ ンスを回復すように試料用縦ロッド1を上下に変移させる電磁的ロッド駆動手段 50として、試料用縦ロッド1には、上記位置検出手段40より下方において永 久磁石19が固定され、更にこの永久磁石19を囲繞して電磁駆動コイル45が 設けてある。尚、縦ロッド1,2のバランスをとるため、縦ロッド2にも同一箇 所に同じようにダミー用永久磁石29が設けてある。
【0018】 60は上記位置検出手段40からの位置ズレ信号に応じて上記電磁駆動コイル 45を励磁する制御回路であり、上記電磁的ロッド駆動手段50の一部を構成し 、電磁駆動コイル45の励磁方向及び励磁強さによって、上記永久磁石19との 間に縦ロッド1の軸方向の電磁力を発生させ、縦ロッド1を、縦ロッド2との間 の上下の位置ズレがなくなる位置まで移動させる。
【0019】 以上の構成からなる本考案の実施例においては、先端部に試料用縦ロッド1又 はリファレンス用縦ロッド2を有する水平ビーム5,6の後端を、固定支点7, 8により上下回転1自由度の水平ビームとなるように支持しているため、その水 平ビーム5,6の途中をシーソ式に揺動する連結ビーム31は捩じり的な力を受 けることなく、初期の差動的な揺動動作を果たす。また、縦ロッド1,2は枢支 部3,4により水平ビーム5,6の先端部に支持されているため、水平ビーム5 ,6の回動変移に対しても、重り13,23により垂直状態に保たれる。従って 、試料用縦ロッド1及びリファレンス用縦ロッド2は上下にのみ変移し、試料ホ ルダ10に対する試料の載置位置が若干ずれても、その影響は水平バランス式ほ どには大きく現れない。
【0020】 図3に、上記制御回路60を含む電気的な構成を示す。この制御回路60にお いては、電磁駆動コイル45を駆動する励磁電流の大きさによってバランス状態 の崩れの程度、つまり縦ロッド1,2の位置ズレ量を検出し、所望の形の検出出 力信号TGとして取り出す検出回路61も内蔵されている。
【0021】 受光器43,44からの信号は制御回路60の差動増幅器51に入力されて両 信号の差が取り出される。PID回路52はこの差信号を受けて、比例,積分, 微分(PID)演算処理を行い、コイル45を駆動するための電流を出力する。
【0022】 検出回路61は電磁駆動コイル45に直列に挿入した抵抗62を有しており、 電流検出回路63はこの抵抗62の端子電圧からコイル45の電流値の変化すな わち試料の重量変化を検出し、検出信号を出力する。この検出信号はゲイン調整 回路64を通してA/Dコンバータ65を介してCPU66に入力する。
【0023】 CPU66では、フィルタ回路により信号中の高周波成分を除去され、ノイズ を低減されてから、バッファにより出力インピーダンスを低インピーダンスに変 換されて、出力信号TGとして出力される。また、オートパーセント回路でコイ ルの電流値を検出記憶し、試料の重量変化の初期重量に対する割合を算出し、算 出値に対応する信号(重量信号)を出力する。微分回路ではバッファの出力信号 TGを受け、時間微分処理をし、時間微分値(重量微分信号)を出力する。パネ ルメータはバッファの出力信号TGを受け、信号値のデジタル化処理をし、デジ タル値を出力する。
【0024】 次に動作について説明する。
【0025】 加熱炉9は、図示してないプログラム温度コントローラにより、入力された昇 温温度パターンに従い、温度の上昇及び下降が行われる。サンプル側試料ホルダ 10に乗せられた試料S(図示せず)は、昇降温に伴い試料中に含まれる特定物 質の離脱又は吸着等により、重量が変化する。ところがリファレンス20は、ア ルミナ又は白金等からなり重量変化は全くない。従って、試料用縦ロッド1とリ ファレンス用縦ロッド2とのバランスが崩れ、差動支持手段30の連結ビーム3 1が固定支点32を境にシーソ的にいずれか一方の側に傾き、これにワイヤ34 ,35によって連結された両水平ビーム5,6が固定支点7,8を中心として回 動し、試料用縦ロッド1とリファレンス用縦ロッド2が上下逆方向に変移する。 この僅かな動きは位置検出手段40により検出され、この検出信号を受けて電磁 的ロッド駆動手段50によりビーム1,2のバランスが瞬時に保たれるため、2 本の縦ロッド1,2は視覚的には、事実上止まって見える。 詳述するに、例えば、試料の重量が軽い方に変化した場合、試料用縦ロッド1 が上方向に変移するが、これに伴いリファレンス用縦ロッド2も反対の下方向に 変移する。これは、両縦ロッド1,2が水平ビーム5,6及びワイヤ34,35 を介して連結ビーム31に連結されており、この連結ビーム31の働きで常に差 動的に揺動するためである。
【0026】 位置検出手段40においては、試料用縦ロッド1の遮光板17が上方向に変移 し、リファレンス用縦ロッド2の遮光板27は下方向に変移することになり、そ れまで図4(a)のように開口28の中央にあった帯体18が、図4(b)のよ うに開口28の上方に変移し、また開口28自体も下方に変移する。従って、帯 体18と開口28で形成される上下の隙間部分のうち、上側隙間部分S1は透過 面積が減少し、逆に下側隙間部分S2は透過面積が増加する。この結果、上側受 光器43で受光される光量が減少しかつ下側受光器44で受光される光量が増大 する。仮に縦ロッド1,2の一方だけが変移する場合には、図4(c)に示すよ うに、上下の隙間部分S1,S2における透過面積の変化は余り顕著でないが、 本装置では上記図4(b)のように受光量の減少及び増加の程度が互いに差動的 に現れるので、上下の方向の微量な差動も、図4(c)の場合に比べ大きく拡大 され、差動増幅器51の出力として顕著に検出される。
【0027】 上記差動増幅器51の出力信号はPID回路52に入力され、そのPID出力 に従ってコイル45が駆動され、その電磁力で試料用縦ロッド1が下方に変移し 初期状態にバランスする。このとき、遮光板17,27の帯体18及び開口28 は図4(b)から図4(a)の位置に戻り、各水平ビーム5,6も連結ビーム3 1の働きで、ワイヤ34,35を介し差動的に揺動して初期状態に戻る。
【0028】 上記作用は、水平ビームの熱膨張によりビーム長さが増えたときや、温度の上 昇に伴う空気の浮力の減少がみかけの重量増加となるような場合でも同様であり 、位置検出手段40及び電磁的ロッド駆動手段50の働きにより、それらの誤差 が吸収され、試料の重量変化測定に誤差を生じない。また縦形バランス式熱天秤 装置であり、縦ロッド1,2は枢支部3,4により水平ビーム5,6の先端部に 支持され、水平ビーム5,6の回動変移に対しても、重り13,23により常に 垂直状態に保たれる。つまり、試料用縦ロッド1及びリファレンス用縦ロッド2 は上下にのみ変移するから、試料ホルダ10に対する試料Sの載置位置が若干ず れても、その影響は水平バランス式ほどには大きく現れない。
【0029】 また、ワイヤー34,35が室温変化で伸縮してその伸縮量に差異が生じた場 合にも、位置検出手段40及び電磁的ロッド駆動手段50の働きによりそれらの 誤差が吸収され、試料用縦ロッド1及びリファレンス用縦ロッド2の高さ位置は 同一レベルに保たれ、試料の重量変化測定に誤差を生じない。
【0030】 電磁駆動コイル45に流れる電流は、試料ホルダ10上の試料に重量変化と比 例関係にあるため、電流検出回路63を介して試料の重量変化を知ることができ 、出力信号70,71を用いて記録することも可能である。
【0031】 上記は、縦形バランス式熱天秤装置の実施例について説明したが、図5におけ る水平バランス式熱天秤装置においても、同様の位置検出手段40を支持部92 に対してバランス良く設けることにより、高感度の位置ずれ検出を行うことがで きる。
【0032】
【考案の効果】 以上述べた通り本考案によれば、水平バランス式又は縦形バランス式のいずれ であるかを問わず、差動型の熱天秤装置における位置検出手段のバランスのズレ 検出感度を高め、高精度の熱天秤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の構成を示す透視図である。
【図2】図1における位置検出手段を構成する遮光板の
斜視図である。
【図3】図1の電気的構成を示す図である。
【図4】図1における位置検出手段の動作説明に供する
図である。
【図5】従来の水平バランス式熱天秤装置の構成図であ
る。
【符号の説明】
1 試料用縦ロッド(試料用天秤ビーム) 2 リファレンス用縦ロッド(リファレンス用天秤ビー
ム) 3 枢支部 4 枢支部 5,6 水平ビーム 7,8 固定支点 9 加熱炉 10 試料ホルダ 11,21 上側ロッド 12,22 下側ロッド 13,23 重り 14,24 枢支枠 15,25 貫通穴 16,26 ピン 17,27 遮光板 18 開口面積調節用の帯体 19 永久磁石 20 リファレンス 28 開口 29 ダミー用永久磁石 30 差動支持手段 31 連結ビーム 32 固定支点 33 支持部材 34 ワイヤ(第1の連結部材) 35 ワイヤ(第2の連結部材) 40 位置検出手段 41 投光器 42 光検出器 43 第1受光器 44 第2受光器 45 電磁駆動コイル 50 電磁的ロッド駆動手段 51 差動増幅器 52 PID回路 60 制御回路 61 検出回路 62 抵抗 63 電流検出回路 64 ゲイン調整回路 65 A/Dコンバータ 66 CPU

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料用天秤ビーム及びリファレンス用天
    秤ビームを互いに差動的に変移するように支承し、両天
    秤ビームのバランスの位置ズレを位置検出手段で検出
    し、該手段からの位置ズレ信号に応じてバランスを回復
    するように電磁駆動コイルで試料用天秤ビームを上下に
    変移させる構成とした差動型熱天秤装置において、上記
    位置検出手段を構成するため、両天秤ビームの試料又は
    リファレンス物質の設けられない端側に、互いに相対向
    させて天秤ビームの変移と共に相対移動するように遮光
    板を設け、両遮光板の一方には開口を、他方の遮光板に
    は前記開口を横方向に交叉するが上下幅が開口よりも狭
    い帯体を形成し、バランス時において帯体で覆われなか
    った開口の上側隙間部分及び下側隙間部分が同一面積と
    なるように定め、更に上記両遮光板を照射する投光器
    と、上側隙間部分からの透過光を受光する第1受光器
    と、下側隙間部分からの透過光を受光する第2受光器と
    を設けたことを特徴とする差動型熱天秤装置。
JP1187992U 1992-03-10 1992-03-10 差動型熱天秤装置 Pending JPH0573540U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001289805A (ja) * 2000-04-03 2001-10-19 Rigaku Corp 熱天秤装置の回動量検出装置

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