JPH06221982A - 熱重量測定装置 - Google Patents
熱重量測定装置Info
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- JPH06221982A JPH06221982A JP1243393A JP1243393A JPH06221982A JP H06221982 A JPH06221982 A JP H06221982A JP 1243393 A JP1243393 A JP 1243393A JP 1243393 A JP1243393 A JP 1243393A JP H06221982 A JPH06221982 A JP H06221982A
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- levers
- lever
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡単な構造で設置面積を大きくすることな
く、高感度で高精度の測定を行うことのできる熱重量測
定装置を提供する。 【構成】 同一の加熱炉10内に置かれた被測定試料と
参照試料の各試料負荷部21,31を、一端に支点2
2,32を持つ各レバー20,30の他端に装着し、各
レバーの中間部分に力点23,33を設けて天びん機構
のビーム41に連結する。天びん機構には、ビームの下
方にシャッタ機構を含むビーム位置検知用光学系42を
設け、また、ビーム41を平衡位置に戻すための力発生
手段43を設けた構造とする。
く、高感度で高精度の測定を行うことのできる熱重量測
定装置を提供する。 【構成】 同一の加熱炉10内に置かれた被測定試料と
参照試料の各試料負荷部21,31を、一端に支点2
2,32を持つ各レバー20,30の他端に装着し、各
レバーの中間部分に力点23,33を設けて天びん機構
のビーム41に連結する。天びん機構には、ビームの下
方にシャッタ機構を含むビーム位置検知用光学系42を
設け、また、ビーム41を平衡位置に戻すための力発生
手段43を設けた構造とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被測定試料を加熱しつ
つ、温度による試料重量の変化を測定する熱重量測定装
置に関し、更に詳しくは、被測定試料と参照試料とを同
一の加熱炉内により加熱し、両試料間の重量差を測定す
る方式の熱重量測定装置に関する。
つ、温度による試料重量の変化を測定する熱重量測定装
置に関し、更に詳しくは、被測定試料と参照試料とを同
一の加熱炉内により加熱し、両試料間の重量差を測定す
る方式の熱重量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱重量測定装置においては、一般に、加
熱炉内に試料を設置するための負荷点を配置するととも
に、その負荷点を天びん機構等に連結した構造を採り、
被測定試料を負荷点に載せた状態で加熱し、温度上昇に
伴う試料の重量変化を測定するようになっている。
熱炉内に試料を設置するための負荷点を配置するととも
に、その負荷点を天びん機構等に連結した構造を採り、
被測定試料を負荷点に載せた状態で加熱し、温度上昇に
伴う試料の重量変化を測定するようになっている。
【0003】ところで、加熱炉内では温度上昇に伴って
空気密度が減少するため、試料が受ける浮力の変化を避
けることはできない。そこで、従来、参照試料を負荷す
るための負荷点を同一の加熱炉内に設け、そこに被測定
試料と同じ形態をした参照試料を載せてその重量を測定
し、その測定結果を被測定試料の重量測定結果から差し
引くことにより、温度上昇に伴う浮力の変化をキャンセ
ルする対策が採られている。
空気密度が減少するため、試料が受ける浮力の変化を避
けることはできない。そこで、従来、参照試料を負荷す
るための負荷点を同一の加熱炉内に設け、そこに被測定
試料と同じ形態をした参照試料を載せてその重量を測定
し、その測定結果を被測定試料の重量測定結果から差し
引くことにより、温度上昇に伴う浮力の変化をキャンセ
ルする対策が採られている。
【0004】例えば実開平1−51853号では、中央
部分に支点を有する互いに平行な2本のレバーの一端部
にそれぞれ被測定試料と参照試料の負荷点を設け、これ
らの負荷点を同一の加熱炉内に配置するとともに、各レ
バーの他端を天びん機構のビームの両端に連結した構造
としている。そして、天びん機構にはビームの平衡状態
からの傾斜を検出するための光学系をその側方に設ける
とともに、その検出結果に基づいてビームを平衡状態に
戻すための力発生手段を設け、ビームを平衡状態に保つ
ために要する力の大きさから、両試料間の重量差を測定
するようになっている。また、この提案では、装置をコ
ンパクト化するため、天びん機構のビームの傾斜を検出
するための光学系に反射鏡等を採用してその光学距離を
稼ぐ等の対策が採られている。
部分に支点を有する互いに平行な2本のレバーの一端部
にそれぞれ被測定試料と参照試料の負荷点を設け、これ
らの負荷点を同一の加熱炉内に配置するとともに、各レ
バーの他端を天びん機構のビームの両端に連結した構造
としている。そして、天びん機構にはビームの平衡状態
からの傾斜を検出するための光学系をその側方に設ける
とともに、その検出結果に基づいてビームを平衡状態に
戻すための力発生手段を設け、ビームを平衡状態に保つ
ために要する力の大きさから、両試料間の重量差を測定
するようになっている。また、この提案では、装置をコ
ンパクト化するため、天びん機構のビームの傾斜を検出
するための光学系に反射鏡等を採用してその光学距離を
稼ぐ等の対策が採られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上の提案によると、
コンパクトな光学系によりビームの傾斜を高精度に測定
することはできるものの、このビームに作用する両試料
の重量差に基づくトルクは小さく、感度は鈍いものとな
る。そして、この提案の構成において、感度を向上させ
るべく、ビームの両端に作用する力を大きくするために
は各レバーを長くする必要が生じ、レバーの長手方向の
寸法が大となって装置が大型となり、広い設置面積が必
要となるという問題がある。また、ビームの傾斜を測定
するための光学系に反射鏡等を用いているため、その構
成が複雑となるという問題もある。
コンパクトな光学系によりビームの傾斜を高精度に測定
することはできるものの、このビームに作用する両試料
の重量差に基づくトルクは小さく、感度は鈍いものとな
る。そして、この提案の構成において、感度を向上させ
るべく、ビームの両端に作用する力を大きくするために
は各レバーを長くする必要が生じ、レバーの長手方向の
寸法が大となって装置が大型となり、広い設置面積が必
要となるという問題がある。また、ビームの傾斜を測定
するための光学系に反射鏡等を用いているため、その構
成が複雑となるという問題もある。
【0006】本発明の目的は、簡単な構造で、しかも設
置面積を要することなく、高感度の熱重量測定を行うこ
とのできる装置を提供することにある。
置面積を要することなく、高感度の熱重量測定を行うこ
とのできる装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの構成を、実施例図面である図1を参照しつつ説明す
ると、本発明の熱重量測定装置は、被測定試料Sおよび
参照試料Rの2種の試料をそれぞれ負荷するため各試料
負荷部21,31が同一の加熱炉10内に設けられた熱
重量測定装置において、上記各試料負荷部21,31
が、それぞれ一端部に支点22,32を有する各レバー
20,30の他端部に設けられているとともに、その各
レバー20,30の試料負荷部21,31と支点22,
32との間に設けられた力点23,33が天びん機構4
0のビーム41の両端に連結され、この天びん機構40
は、ビーム41の平衡位置からの傾斜を検知するための
発光・受光素子42a,42bおよびその光路を遮るシ
ャッタ42cからなるビーム位置検知手段42をその下
方に備え、かつ、その検知結果に基づいてビーム41を
平衡位置に戻す力を発生する力発生手段43を有し、そ
の発生力から上記両試料S,Rの重量差を測定するよう
構成されていることによって特徴づけられる。
めの構成を、実施例図面である図1を参照しつつ説明す
ると、本発明の熱重量測定装置は、被測定試料Sおよび
参照試料Rの2種の試料をそれぞれ負荷するため各試料
負荷部21,31が同一の加熱炉10内に設けられた熱
重量測定装置において、上記各試料負荷部21,31
が、それぞれ一端部に支点22,32を有する各レバー
20,30の他端部に設けられているとともに、その各
レバー20,30の試料負荷部21,31と支点22,
32との間に設けられた力点23,33が天びん機構4
0のビーム41の両端に連結され、この天びん機構40
は、ビーム41の平衡位置からの傾斜を検知するための
発光・受光素子42a,42bおよびその光路を遮るシ
ャッタ42cからなるビーム位置検知手段42をその下
方に備え、かつ、その検知結果に基づいてビーム41を
平衡位置に戻す力を発生する力発生手段43を有し、そ
の発生力から上記両試料S,Rの重量差を測定するよう
構成されていることによって特徴づけられる。
【0008】
【作用】レバー20および30は、それぞれ支点と試料
負荷部(作用点)の間に力点を有しているため、各レバ
ー20,30を長くすることなく、力点の位置を適宜に
選択することによって、それぞれの試料負荷部21,3
1に作用する荷重が拡大されてビーム41に伝達され
る。すなわち、レバー20および30を長くすることな
く、被測定試料Sと参照試料Rの重量差に基づいてビー
ム41を傾斜させるためのトルクを大きくすることが可
能となり、高感度の重量差測定を行うことができる。
負荷部(作用点)の間に力点を有しているため、各レバ
ー20,30を長くすることなく、力点の位置を適宜に
選択することによって、それぞれの試料負荷部21,3
1に作用する荷重が拡大されてビーム41に伝達され
る。すなわち、レバー20および30を長くすることな
く、被測定試料Sと参照試料Rの重量差に基づいてビー
ム41を傾斜させるためのトルクを大きくすることが可
能となり、高感度の重量差測定を行うことができる。
【0009】また、ビーム41の傾斜を検出するための
光学系を、天びん機構40の下方に設けることにより、
特に反射鏡等を含む複雑な光学系を用いることなく、か
つ、設置面積を大きくすることなく、ビーム41の傾斜
を拡大して検知することが可能となる。
光学系を、天びん機構40の下方に設けることにより、
特に反射鏡等を含む複雑な光学系を用いることなく、か
つ、設置面積を大きくすることなく、ビーム41の傾斜
を拡大して検知することが可能となる。
【0010】
【実施例】図1は本発明実施例の機構を示す斜視図と電
気回路を示すブロック図とを併記した構成図である。
気回路を示すブロック図とを併記した構成図である。
【0011】1個の加熱炉10内に、被測定試料Sおよ
び参照試料Rをそれぞれ個別に載せるための皿状の試料
負荷部21および31が互いに隣接して設けられてお
り、各試料SおよびRはそれぞれ試料容器CS ないしは
CR に収容された状態で各試料負荷部21ないし31に
載せられる。この各試料負荷部21,31は、それぞれ
個別のレバー20,30に連結される。
び参照試料Rをそれぞれ個別に載せるための皿状の試料
負荷部21および31が互いに隣接して設けられてお
り、各試料SおよびRはそれぞれ試料容器CS ないしは
CR に収容された状態で各試料負荷部21ないし31に
載せられる。この各試料負荷部21,31は、それぞれ
個別のレバー20,30に連結される。
【0012】すなわち、レバー20および30は互いに
同じ長さを持ち、かつ、それぞれの一端部に支点22お
よび32を有し、各試料負荷部21,31は、それぞれ
鉛直の支持棒21a,31aを介してそれぞれのレバー
20,30の他端部に支持されている。なお、各支点2
2,32は、摩擦抵抗が極めて少なく、また、レバー2
0,30がその軸心を中心として回動しないように、実
際には例えば図2に示すように2本のワイヤないしはト
ーションバンド等で構成する。
同じ長さを持ち、かつ、それぞれの一端部に支点22お
よび32を有し、各試料負荷部21,31は、それぞれ
鉛直の支持棒21a,31aを介してそれぞれのレバー
20,30の他端部に支持されている。なお、各支点2
2,32は、摩擦抵抗が極めて少なく、また、レバー2
0,30がその軸心を中心として回動しないように、実
際には例えば図2に示すように2本のワイヤないしはト
ーションバンド等で構成する。
【0013】各レバー20,30の試料負荷部21,3
1と支点22,32との間には、互いに同一のレバー比
の位置に力点23,33が設けられ、その各力点23,
33は鉛直方向に延びる細いワイヤ23a,33aを介
して天びん機構40のビーム41の両端に接続されてい
る。また、レバー20と30は互いに平行ではなく、支
点側に向かうほど両者間の距離が長くなっており、力点
23と33間の距離は試料負荷部21と31間の距離よ
りも長い。
1と支点22,32との間には、互いに同一のレバー比
の位置に力点23,33が設けられ、その各力点23,
33は鉛直方向に延びる細いワイヤ23a,33aを介
して天びん機構40のビーム41の両端に接続されてい
る。また、レバー20と30は互いに平行ではなく、支
点側に向かうほど両者間の距離が長くなっており、力点
23と33間の距離は試料負荷部21と31間の距離よ
りも長い。
【0014】天びん機構40は、ビーム41、そのビー
ム41の傾斜を測定するためのビーム位置検知用光学系
42、およびビーム41を平衡位置に戻すための力を発
生する電磁力発生装置43によって構成されている。ビ
ーム41は、例えばトーションバンド等の摩擦抵抗の小
さい支点41aによってその中央部が回動自在に支承さ
れている。
ム41の傾斜を測定するためのビーム位置検知用光学系
42、およびビーム41を平衡位置に戻すための力を発
生する電磁力発生装置43によって構成されている。ビ
ーム41は、例えばトーションバンド等の摩擦抵抗の小
さい支点41aによってその中央部が回動自在に支承さ
れている。
【0015】ビーム位置検知用光学系42は、ビーム4
1の鉛直下方に配置された発光素子42aと、その発光
素子42aに対向配置されたフォトセンサ42b、およ
びこれらの間に介在するシャッタ機構42cによって構
成されている。シャッタ機構42cはビーム41の下面
部に固着されて鉛直下方に延びるアーム421cおよび
その先端部に固着されたシャッタ本体422cによって
構成されており、ビーム41の平衡位置(水平状態)か
らの回動の向きおよび量に応じて、発光素子42aから
の出力光のフォトセンサ42bへの入射位置並びに量を
変化させるようになっている。これにより、フォトセン
サ42bの出力信号はビーム41の傾斜の向き並びに大
きさを表す信号、つまりビーム位置検知信号となる。
1の鉛直下方に配置された発光素子42aと、その発光
素子42aに対向配置されたフォトセンサ42b、およ
びこれらの間に介在するシャッタ機構42cによって構
成されている。シャッタ機構42cはビーム41の下面
部に固着されて鉛直下方に延びるアーム421cおよび
その先端部に固着されたシャッタ本体422cによって
構成されており、ビーム41の平衡位置(水平状態)か
らの回動の向きおよび量に応じて、発光素子42aから
の出力光のフォトセンサ42bへの入射位置並びに量を
変化させるようになっている。これにより、フォトセン
サ42bの出力信号はビーム41の傾斜の向き並びに大
きさを表す信号、つまりビーム位置検知信号となる。
【0016】電磁力発生装置43は、永久磁石を主体と
する静磁場回路中に可動コイルを配置した公知の電磁力
発生機構43aと、ビーム位置検知用光学系42からの
ビーム位置検知信号を取り込んで可動コイルに流す電流
を決定するフィードバック制御回路43bとを含んでい
る。電磁力発生機構43aは可動コイルに流れる電流の
大きさに応じた電磁力を発生し、その電磁力によりビー
ム41を支点41aの回りに回動させることができるよ
うになっており、この可動コイルに流れる電流はビーム
位置検知信号に応じて定まり、これにより、ビーム41
は常に水平の平衡位置に位置するように制御される。そ
して、この電磁力発生装置43の可動コイルに流れる電
流値は計測回路50によって測定される。
する静磁場回路中に可動コイルを配置した公知の電磁力
発生機構43aと、ビーム位置検知用光学系42からの
ビーム位置検知信号を取り込んで可動コイルに流す電流
を決定するフィードバック制御回路43bとを含んでい
る。電磁力発生機構43aは可動コイルに流れる電流の
大きさに応じた電磁力を発生し、その電磁力によりビー
ム41を支点41aの回りに回動させることができるよ
うになっており、この可動コイルに流れる電流はビーム
位置検知信号に応じて定まり、これにより、ビーム41
は常に水平の平衡位置に位置するように制御される。そ
して、この電磁力発生装置43の可動コイルに流れる電
流値は計測回路50によって測定される。
【0017】なお、前記した加熱炉10による加熱温度
は、温調用の熱伝対11の出力を導入する温度制御回路
12によって制御され、例えばあらかじめ設定された速
度のもとに昇温するようなっている。また、各試料負荷
部21,31には、被測定試料S,参照試料Rのそれぞ
れの実際の温度を測定するための温度センサが配置され
ており、その出力は試料温度として計測回路50に取り
込まれ、試料温度−重量変化曲線を形成するためのデー
タとなるが、この発明には直接的には関係がないのでそ
の図示および詳細な説明は省略する。
は、温調用の熱伝対11の出力を導入する温度制御回路
12によって制御され、例えばあらかじめ設定された速
度のもとに昇温するようなっている。また、各試料負荷
部21,31には、被測定試料S,参照試料Rのそれぞ
れの実際の温度を測定するための温度センサが配置され
ており、その出力は試料温度として計測回路50に取り
込まれ、試料温度−重量変化曲線を形成するためのデー
タとなるが、この発明には直接的には関係がないのでそ
の図示および詳細な説明は省略する。
【0018】次に、以上の本発明実施例の使用方法並び
に作用を述べる。まず、加熱炉10を加熱する前に、被
測定試料Sおよび参照試料Rをそれぞれの容器CS およ
びCR に収容した状態で互いに同一の重量とし、それぞ
れの試料負荷部21および31に載せる。この状態では
天びん機構40のビーム41の両端には等しい荷重が作
用し、ビーム41は傾斜しない。なお、参照試料Rとし
ては、温度変化による重量変化の生じない公知の材質が
選ばれる。
に作用を述べる。まず、加熱炉10を加熱する前に、被
測定試料Sおよび参照試料Rをそれぞれの容器CS およ
びCR に収容した状態で互いに同一の重量とし、それぞ
れの試料負荷部21および31に載せる。この状態では
天びん機構40のビーム41の両端には等しい荷重が作
用し、ビーム41は傾斜しない。なお、参照試料Rとし
ては、温度変化による重量変化の生じない公知の材質が
選ばれる。
【0019】この状態で加熱炉10を所定の速度で昇温
させていく。これに伴って被測定試料Sおよび参照試料
Rの温度も上昇していく。このとき、被測定試料Sおよ
び参照試料Rのそれぞれに働く浮力は、加熱炉10内の
雰囲気温度の変化にも係わらず、それぞれの加熱炉10
内での容積が等しければ互いに等しく、従って各試料に
重量変化が生じるまでは、ビーム41は平衡状態に保た
れる。
させていく。これに伴って被測定試料Sおよび参照試料
Rの温度も上昇していく。このとき、被測定試料Sおよ
び参照試料Rのそれぞれに働く浮力は、加熱炉10内の
雰囲気温度の変化にも係わらず、それぞれの加熱炉10
内での容積が等しければ互いに等しく、従って各試料に
重量変化が生じるまでは、ビーム41は平衡状態に保た
れる。
【0020】やがて被測定試料Sが減量すると、ビーム
41はレバー20の力点23に連結されている側の端部
側が上昇する向きに傾こうとする。これによりシャッタ
機構42cが動作してフォトセンサ42bに入射する光
量ないしは位置が変化し、フィードバック制御回路43
bは、ビーム41が平衡状態を維持するように電磁力発
生機構43aの可動コイルに流れる電流を制御する。こ
の可動コイルに流れる電流は計測回路50によって測定
される。この電流値と電磁力発生機構43aが発生する
力との関係をあらかじめ求めておけば、レバー20,3
0による試料重量の拡大率並びにビーム41aの長さか
ら、上記の電流値から直ちに被測定試料Sの重量減少量
を知ることができる。
41はレバー20の力点23に連結されている側の端部
側が上昇する向きに傾こうとする。これによりシャッタ
機構42cが動作してフォトセンサ42bに入射する光
量ないしは位置が変化し、フィードバック制御回路43
bは、ビーム41が平衡状態を維持するように電磁力発
生機構43aの可動コイルに流れる電流を制御する。こ
の可動コイルに流れる電流は計測回路50によって測定
される。この電流値と電磁力発生機構43aが発生する
力との関係をあらかじめ求めておけば、レバー20,3
0による試料重量の拡大率並びにビーム41aの長さか
ら、上記の電流値から直ちに被測定試料Sの重量減少量
を知ることができる。
【0021】以上の本発明実施例において特に注目すべ
き点は、レバー20および30がそれぞれ試料負荷部2
1,31〜力点23,33〜支点22,32の順に配置
されている点と、レバー20と30を互いに平行に配置
せず、支点側に向かうほど両者間の距離を長くしてビー
ム41への荷重伝達点間距離(ビームスパン)を両試料
負荷部間距離よりも長くしている点、および、天びん機
構40のビーム41の傾斜(回動)を検出するためのビ
ーム位置検知用光学系42がビーム41の下方に設けら
れている点である。
き点は、レバー20および30がそれぞれ試料負荷部2
1,31〜力点23,33〜支点22,32の順に配置
されている点と、レバー20と30を互いに平行に配置
せず、支点側に向かうほど両者間の距離を長くしてビー
ム41への荷重伝達点間距離(ビームスパン)を両試料
負荷部間距離よりも長くしている点、および、天びん機
構40のビーム41の傾斜(回動)を検出するためのビ
ーム位置検知用光学系42がビーム41の下方に設けら
れている点である。
【0022】すなわち、レバー20,30の支点と試料
負荷部(作用点)との間に設けられた力点をビーム41
に連結することにより、レバー20,30を長くするこ
となく、力点の位置を適宜に選定することにより、試料
負荷部に作用する試料重量が拡大されてビーム41に伝
達され、また、この伝達された力は、両試料負荷部間距
離よりも長いビーム41の両端に伝達されてビーム41
にトルクを与えることになり、装置を大型化することな
く測定感度を向上させることができる。
負荷部(作用点)との間に設けられた力点をビーム41
に連結することにより、レバー20,30を長くするこ
となく、力点の位置を適宜に選定することにより、試料
負荷部に作用する試料重量が拡大されてビーム41に伝
達され、また、この伝達された力は、両試料負荷部間距
離よりも長いビーム41の両端に伝達されてビーム41
にトルクを与えることになり、装置を大型化することな
く測定感度を向上させることができる。
【0023】また、ビーム位置検知用光学系42による
位置測定精度を向上させるためにはシャッタ機構42c
のアーム421cを長くする必要があるが、これをビー
ム41の下方に設けていることで、設置面積を大きくす
ることなく位置検出精度を向上させることが可能とな
る。
位置測定精度を向上させるためにはシャッタ機構42c
のアーム421cを長くする必要があるが、これをビー
ム41の下方に設けていることで、設置面積を大きくす
ることなく位置検出精度を向上させることが可能とな
る。
【0024】なお、以上の実施例では、被測定試料負荷
部21と参照試料負荷部31を支持棒21aないしは3
1aを介して直線状のレバー20と30に支持した構造
としており、レバー20,30が傾斜したときには各試
料負荷部21,31が前後方向に大きく振れることにな
るが、これを解消するためには、図3に要部を例示する
ように、レバー20および30を屈曲させ、支点22,
32と試料負荷部21,31との鉛直方向になす距離を
短くするとよい。
部21と参照試料負荷部31を支持棒21aないしは3
1aを介して直線状のレバー20と30に支持した構造
としており、レバー20,30が傾斜したときには各試
料負荷部21,31が前後方向に大きく振れることにな
るが、これを解消するためには、図3に要部を例示する
ように、レバー20および30を屈曲させ、支点22,
32と試料負荷部21,31との鉛直方向になす距離を
短くするとよい。
【0025】また、各試料負荷部21および31は必ず
しも支持棒21aないし31aを介してレバー20,3
0に装着する必要はなく、図4に例示するように試料負
荷部21,31を直接レバー20,30の先端に装着し
てもよい。ただし、この場合には加熱炉を横型のものと
する必要がある。
しも支持棒21aないし31aを介してレバー20,3
0に装着する必要はなく、図4に例示するように試料負
荷部21,31を直接レバー20,30の先端に装着し
てもよい。ただし、この場合には加熱炉を横型のものと
する必要がある。
【0026】更に、レバー20と30との角度を、図5
に例示するようにより大きくすることにより、ビームス
パンをより大きくすることが可能となり、更に高感度化
を図ることができる。
に例示するようにより大きくすることにより、ビームス
パンをより大きくすることが可能となり、更に高感度化
を図ることができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
同一の加熱炉内に置かれる被測定試料および参照試料の
負荷部を、それぞれレバーを介して天びん機構のビーム
に伝達するとともに、各レバーはその両端に試料負荷部
と支点を持ち、これらの間に設けられた力点を介して天
びんビームに接続した構造としているから、レバーを長
くすることなく力点の位置を考慮するだけで、各試料重
量が拡大されて天びんのビームに伝達されることにな
り、装置を大型化することなく、浮力の影響を受けない
高感度の熱重量測定を行うことが可能となった。
同一の加熱炉内に置かれる被測定試料および参照試料の
負荷部を、それぞれレバーを介して天びん機構のビーム
に伝達するとともに、各レバーはその両端に試料負荷部
と支点を持ち、これらの間に設けられた力点を介して天
びんビームに接続した構造としているから、レバーを長
くすることなく力点の位置を考慮するだけで、各試料重
量が拡大されて天びんのビームに伝達されることにな
り、装置を大型化することなく、浮力の影響を受けない
高感度の熱重量測定を行うことが可能となった。
【0028】また、天びん機構のビームの位置を検出す
るためのシャッタ機構を含む光学系をビームの下方に設
けた構造としているから、光学系に複雑な構造を採用す
ることなく、かつ、設置面積を大きくすることなくシャ
ッタ長さを大きくすることによって高精度のビーム位置
検出が可能となり、上記のことと併せて、高精度、高感
度でしかも設置面積の小さい熱重量測定装置を得ること
ができる。
るためのシャッタ機構を含む光学系をビームの下方に設
けた構造としているから、光学系に複雑な構造を採用す
ることなく、かつ、設置面積を大きくすることなくシャ
ッタ長さを大きくすることによって高精度のビーム位置
検出が可能となり、上記のことと併せて、高精度、高感
度でしかも設置面積の小さい熱重量測定装置を得ること
ができる。
【図1】本発明実施例の構成図
【図2】その各レバー20,30の支点22,32の詳
細を示す斜視図
細を示す斜視図
【図3】本発明の他の実施例の要部構造を示す斜視図
【図4】本発明の更に他の実施例の要部構造を示す斜視
図
図
【図5】本発明の更にまた他の実施例の要部構造を示す
斜視図
斜視図
10 加熱炉 20,30 レバー 21,31 試料負荷部 22,32 支点 23,33 力点 40 天びん機構 41 ビーム 42 ビーム位置検知用光学系 42a 発光素子 42b フォトセンサ 42c シャッタ機構 43 電磁力発生装置
Claims (1)
- 【請求項1】 被測定試料および参照試料の2種の試料
をそれぞれ負荷するための各試料負荷部が同一の加熱炉
内に設けられた熱重量測定装置において、上記各試料負
荷部が、それぞれ一端部に支点を有する各レバーの他端
部に設けられているとともに、その各レバーの試料負荷
部と支点との間に設けられた力点が天びん機構のビーム
の両端に連結され、この天びん機構は、上記ビームの平
衡位置からの傾きを検知するための発光・受光素子およ
びその光路を遮るシャッタ機構からなるビーム位置検知
手段をその下方に備え、かつ、その検知結果に基づいて
上記ビームを平衡位置に戻す力を発生する力発生手段を
有し、その発生力から上記両試料の重量差を測定するよ
う構成されていることを特徴とする熱重量測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1243393A JPH06221982A (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | 熱重量測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1243393A JPH06221982A (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | 熱重量測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06221982A true JPH06221982A (ja) | 1994-08-12 |
Family
ID=11805159
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1243393A Pending JPH06221982A (ja) | 1993-01-28 | 1993-01-28 | 熱重量測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06221982A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6057516A (en) * | 1996-07-29 | 2000-05-02 | Seiko Instruments, Inc. | Thermogravimetric instrument |
US6709153B2 (en) * | 2001-10-23 | 2004-03-23 | Sii Nanotechnology Inc. | Thermogravimetry apparatus |
-
1993
- 1993-01-28 JP JP1243393A patent/JPH06221982A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6057516A (en) * | 1996-07-29 | 2000-05-02 | Seiko Instruments, Inc. | Thermogravimetric instrument |
US6709153B2 (en) * | 2001-10-23 | 2004-03-23 | Sii Nanotechnology Inc. | Thermogravimetry apparatus |
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