JPH0573469U - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気調和機の冷媒配管の長さが設置条件の違
いで長くなっても、冷媒の封入量を増加せずに所定の空
調能力を得る。 【構成】 図１は空気調和機の冷媒回路を示す。１は圧
縮機、２は冷房運転および暖房運転に対応して冷媒の流
れを切り替えるための四方弁、３は室外側熱交換機、４
は絞り手段、５は室内側熱交換器である。絞り手段４は
キャピラリチューブ４ａ，４ｂと電磁弁４ｃとで構成す
る。冷媒配管の長さが標準状態の場合には、冷房運転時
に電磁弁４ｃを開放し、暖房運転時に電磁弁４ｃを閉塞
する。冷媒配管の長さが標準状態よりも長い場合には冷
房運転および暖房運転に関係なく、電磁弁４ｃを開放す
る。制御ユニットに冷媒配管の長さに対応して電磁弁４
ｃ等の制御方法を切り替えることのできる切り換え手段
を設けておく。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は空気調和機に係わり、さらに詳しくは、室内機と室外機間を結合する 冷媒配管の長さが長くなっても所定の空調能力を得るための手段に関する。

【０００２】

【従来の技術】

空気調和機の冷媒回路は例えば図３に示されるように、圧縮機11と、四方弁12 と、室外側熱交換器13と、絞り手段14と、室内側熱交換器15とを冷媒配管等を用 いて順次接続してできている。絞り手段14は図示のように第１のキャピラリチュ ーブ14ａと第２のキャピラリチューブ14ｂとを直列に接続するとともに、第１の キャピラリチューブ14ａと並列に設けた逆止弁14ｃとから成っている。この逆止 弁14ｃは冷房運転時の冷媒の流れに対しては開放状態にあるので冷媒の流れは第 ２のキャピラリチューブ14ｂだけで絞られるが、暖房運転時の冷媒の流れに対し ては閉塞状態にあるので冷媒の流れは第２のキャピラリチューブ14ｂと第１のキ ャピラリチューブ14ａの両方で絞られることになる。これによって冷房運転時お よび暖房運転時に冷媒回路を流れる冷媒量が適正な値になっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、空気調和機の設置条件は常に一定ではなく、室内機と室外機とを結 合する冷媒配管の長さが標準のものでは足りず、長くなることがある。冷媒配管 が長くなると、冷房運転時の冷媒は室内側熱交換器15の入り口側17および出口側 16においてガス状態になっているため冷媒を追加する必要性は大してないが、暖 房運転時には室内側熱交換器15の出口側17が液冷媒となるため、冷媒配管が長く なればその分でけ冷媒を追加しなければならないという問題が発生する。しかし ながら、設置工事の際、冷媒配管の長さに応じた冷媒量になるように、冷媒を一 々追加封入することは面倒、且つ、困難である。したがって、本考案においては 、これらの課題を容易に解決することのできる空気調和機を提供することを目的 としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の課題を解決するためになされたものであり、圧縮機、四方弁、 室外側熱交換器、絞り手段、室内側熱交換器を順次接続して成る空気調和機の冷 媒回路において、前記室外側熱交換器と室内側熱交換器間に接続する前記絞り手 段が、直列結合の第１および第２のキャピラリチューブと、これら第１および第 ２のキャピラリチューブの何れかに並列接続された電磁弁とから成り、前記空気 調和機の室内機と室外機とを結合する冷媒配管の長さが標準状態の場合には、前 記電磁弁を冷房運転時に開放し、暖房運転時に閉塞し、前記冷媒配管の長さが標 準状態よりも長い場合には、前記電磁弁を冷房運転および暖房運転に関係なく開 放するように制御することにした。

【０００５】

【作用】

上記の構成であれば、室外側熱交換器と室内側熱交換器間に接続する絞り手段 が、直列結合の第１および第２のキャピラリチューブと、これら第１および第２ のキャピラリチューブの何れかに並列接続された電磁弁とから成り、室内機と室 外機とを結合する冷媒配管の長さが標準状態の場合には、電磁弁を冷房運転時に 開放し、暖房運転時に閉塞し、また、冷媒配管の長さが標準状態よりも長い場合 には、電磁弁を冷房運転および暖房運転に関係なく開放するよう制御するので、 冷媒配管の長さが標準状態より長くなっても冷媒を追加することなく運転するこ とができる。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１〜図２に基づいて説明する。図１は空気調和機 の冷媒回路の一例で、実線の矢印は冷房時の、また破線の矢印は暖房時の冷媒の 流れを表している。図において、１は圧縮機で、この圧縮機１の突出側は冷媒流 路を冷房運転・暖房運転に対応して選択的に切り替える四方弁２の接続口ａに接 続し、接続口ｂには室外側熱交換器３の一端を、同室外側熱交換器３の他端には 絞り手段４の一端を接続し、同絞り手段４の他端は室内側熱交換器５の一端に、 同室内側熱交換器５の他端は前記四方弁２の接続口ｃに、接続口ｄは前記圧縮機 １の吸入側（アキュームレータ１ａ）に接続して冷媒回路を形成している。

【０００７】 ところで、本実施例の特徴とするところは絞り手段４に有り、この絞り手段４ は室外側熱交換器３と室内側熱交換器５との間に直列に設けたキャピラリチュー ブ４ａ，４ｂと、キャピラリチューブ４ａに並列に設けた電磁弁４ｃとで構成さ れている。この電磁弁４ｃは図示しない制御ユニットのマイクロコンピュータに より開閉制御されるが、その電磁弁４ｃを開放状態にするか閉塞状態にするかは 空気調和機の運転状況および室内機と室外機間を結ぶ冷媒配管の長さにより異な る。もう少し具体的に言うと、室内機と室外機とを結ぶ冷媒配管の長さが標準状 態の場合には、冷房運転時に開放し、暖房運転時に閉塞し、前記冷媒配管の長さ が標準状態よりも長い場合には冷房運転および暖房運転に関係なく開放するよう になっている。

【０００８】 図２の（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）はそれぞれ上述の運転状況の違いおよび冷媒配 管の長さの違いによって変化する冷媒の流れを表したもので、（Ａ）は冷媒配管 の長さが標準状態での冷房運転時、（Ｂ）は冷媒配管の長さが標準状態での暖房 運転時、（Ｃ）は冷媒配管の長さが標準状態よりも長い場合の冷房運転時および 暖房運転時である。冷媒配管の長さが標準状態で良いかどうかの判断は設置場所 を見なければ分からないので、本実施例では図示しない制御ユニットに冷媒配管 の長さに対応して切り替えるスイッチを設けておき、このスイッチを切り替える ことにより、上述の電磁弁４ｃの制御ができるようになっている。

【０００９】

【考案の効果】

以上、説明したような空気調和機であるならば、冷媒配管の長さが標準のもの よりも長くなっても絞り手段の制御方法を切り替えるだけで冷媒回路に流れる冷 媒の量を加減できるので、冷媒を追加封入する手間が省け、設置工事が簡単にな る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す空気調和機の冷媒回路
図である。

【図２】本考案の絞り手段の動作説明図である。

【図３】従来例を示す空気調和機の冷媒回路図である。

【符号の説明】

１ 圧縮機 ２ 四方弁 ３ 室外側熱交換器 ４ 絞り手段 ４ａ キャピラリチューブ ４ｂ キャピラリチューブ ４ｃ 電磁弁 ５ 室内側熱交換器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧縮機、四方弁、室外側熱交換器、絞り
   手段、室内側熱交換器を順次接続して成る空気調和機の
   冷媒回路において、前記室外側熱交換器と室内側熱交換
   器間に接続する前記絞り手段が、直列結合の第１および
   第２のキャピラリチューブと、これら第１および第２の
   キャピラリチューブの何れかに並列接続された電磁弁と
   から成り、前記空気調和機の室内機と室外機とを結合す
   る冷媒配管の長さが標準状態の場合には、前記電磁弁を
   冷房運転時に開放し、暖房運転時に閉塞し、前記冷媒配
   管の長さが標準状態よりも長い場合には、前記電磁弁を
   冷房運転および暖房運転に関係なく開放するように制御
   してなることを特徴とする空気調和機。