JPH035826Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はヒートポンプ式多室形空気調和機にお
ける冷媒回路に関するものである。

従来例の構成とその問題点 最近、インバータを搭載したヒートポンプ式多
室形空気調和機は、広い制御範囲が必要とされる
為、可逆冷媒制御が可能な電動膨張弁が使用され
る。詳細を第１図に示して説明する。１は室外機
で、１号室内機２と２号室内機３を配管して使用
する。４は圧縮機、５は圧縮機４に接続した四方
弁、６は四方弁５に接続した室外熱交換器、７，
８は冷房時、及び、暖房時、減圧装置となる電動
膨張弁で室外熱交換器６の出口に接続している。
９，１０は各電動膨張弁７，８に接続した三方
弁、１１，１２は各三方弁９，１０に入口を接続
した室内熱交換器、１３，１４は各室内熱交換器
１１，１２の出口に接続した三方弁、１５，１６
は各三方弁１３，１４に接続した電磁弁、１７，
１８は各電磁弁１５，１６と並列接続した冷房時
通となる逆止弁、１９はアキユウムレータ、２０
は直列接続した逆止弁２１、キヤピラリチユーブ
２２からなる冷房インジエクシヨン管で一端の逆
止弁２１を室外熱交換器６の出口に、キヤピラリ
チユーブ２２を圧縮機４にそれぞれ接続してい
る。２３は、直列接続した暖房用逆止弁２４，２
５を有した暖房インジエクシヨン管で、各暖房用
逆止弁２４，２５を各電動膨張弁７，８の出口
に、他端を逆止弁２１とキヤピラリチユーブ２２
の間に接続してある。

上記構成において実線矢印の如く冷媒を循環さ
せて冷房運転を行ない、また点線矢印の如く冷媒
を循環させて暖房を行なう。そして冷房時、暖房
時共に、電動膨張弁７，８で冷媒制御するのであ
るが、室外機１内に設けて、室内機側の騒音防止
を行なつている。また、電動膨張弁７，８は、冷
房時蒸発器として働らく室内熱交換器１１，１２
の過熱度を制御するから、この過熱度を検出する
為に、温度感知部２６，２７を室内熱交換器１
１，１２の入口に設け、一方、吸入管２８の温度
感知部２９とによつて過熱度を制御するのであ
る。ところが温度感知部２６，２７で検出した信
号を、室外機１の電動膨張弁７，８に送る必要が
あり、その為の信号線が、どおしても、不可欠と
なつてくる。又、吸入管２８の圧力と、温度を検
出することによつて過熱度を制御することも出来
るが、前記圧力をとる場合には圧力センサーが必
要となり、この圧力センサーは高価である為にコ
ストが高くなり、不利であるなどの欠点を有して
いた。

考案の目的 本考案は上記従来の欠点を解消するもので、余
分な配線工事等を不要とし、安価な冷媒回路を得
ることを目的とする。

考案の構成 本考案は室外機に設けた圧縮機、冷房時および
暖房時の冷媒流路を切替える四方弁、室外熱交換
器、冷房回路となる一次キヤピラリチユーブおよ
び逆止弁および各室内熱交換器に対応した二次キ
ヤピラリチユーブおよび液側電磁弁をサービスポ
ート付三方弁を介して前記室内熱交換器に接続す
るとともに、暖房時は、前記液側電磁弁とサービ
スポート付三方弁との間より導出し、前記室内熱
交換器にそれぞれ対応した電動膨張弁を介して前
記一次キヤピラリチユーブと前記室外熱交換器の
暖房時入口側との間に接続して構成された暖房回
路と、前記室外熱交換器の前記暖房時入口側に温
度感知部と、吸込管に吸込温度を感知する温度感
知部とを備え、前記両感知部によつて過熱度を制
御する回路構成としたものである。

実施例の説明 本考案による一実施例を第２図にもとづいて説
明する。３２は室外機、３３は１号室内機で３４
は２号室内機で、これらは室外機３２と接続され
る、３５は圧縮機、３６は圧縮機３５に接続した
四方弁、３７は四方弁３６に接続した室外熱交換
器、３８は室外熱交換器３７の出口に接続した一
次キヤピラリチユーブ、４０は一次キヤピラリチ
ユーブ３８に接続した逆止弁、４１は逆止弁４０
に接続し、室内機３３に対応して設けられた二次
キヤピラリチユーブ、４２は二次キヤピラリチユ
ーブ４１に接続した液側電磁弁、４３は逆止弁４
０に接続し、室内機３４に対応して設けられた二
次キヤピラリチユーブ、４４は二次キヤピラリチ
ユーブ４３に接続した液側電磁弁、４５は１号室
内機３３に対応した電動膨張弁で、冷房時は全
閉、暖房停止時は全開となり、室外熱交換器３７
と一次キヤピラリチユーブ３８との間と、液側電
磁弁４２と室内機３３との間に接続され、暖房回
路４７を形成している。４８は２号室内機３４に
対応した電動膨張弁で、冷房時は全閉、暖房停止
時は全開となり、室外熱交換器３７と一次キヤピ
ラリチユーブ３８との間と、液側電磁弁４４と室
内機３４との間に接続され、２号室内機３４の暖
房回路５０を形成している。５１，５２はサービ
スポート付の三方弁で、各液側電磁弁４２，４４
と各室内機の室内熱交換器５３，５４の間に介在
し、室外機３２側に設けている。５５，５６は各
室内熱交換器５３，５４に接続した三方弁、５７
は三方弁５５に接続し、１号室内機３３に対応し
たガス側電磁弁、５８は三方弁５６に接続し、２
号室内機３４に対応したガス側電磁弁、５９，６
０は各ガス側電磁弁５７，５８に並列接続した逆
止弁、６１はアキユウムレータ、６２はインジエ
クシヨン回路で、キヤピラリチユーブ６３を有
し、一端を逆止弁４０の出口に、他端を圧縮機３
５のインジエクシヨンポート６５にそれぞれ接続
されている。

上記構成において、冷房時は実線矢示の如く冷
媒が循環され、また暖房時は点線矢示の如く冷媒
が循環される。そして、冷房時は、室外熱交換器
３７で凝縮した液冷媒は、一次キヤピラリチユー
ブ３８、逆止弁４０、二次キヤピラリチユーブ４
１，４３、液側電磁弁４２，４４、三方弁５１，
５２と流れ、減圧された冷媒が、各々室内機の室
内熱交換器５３，５４を循環し蒸発する。次に、
暖房時は室内熱交換器５３，５４で、凝縮潜熱で
暖房し、凝縮した液冷媒は、三方弁５１，５２、
電動膨張弁４５，４８、室外熱交換器３７と流
れ、電動膨張弁４５，４８で減圧された冷媒が、
室外熱交換器３７が循環し、蒸発する。この時、
電動膨張弁４５，４８は、蒸発器となる室外熱交
換器３７の入口側に設けられた温度感知部６６の
温度と、吸入管６７に装着された温度感知部６８
とによつて過熱度制御を行なうのである。

考案の効果 このように本考案は、室外熱交換器と各室内熱
交換器の間を接続する回路を冷房回路と暖房回路
とに分離し、冷房回路は一次キヤピラリチユー
ブ、各室内熱交換器に対応した各二次キヤピラリ
チユーブおよび各液側電磁弁で構成し、各暖房回
路は冷房時閉成で暖房時開く電動膨張弁で構成し
たから、暖房時に比べはるかに制御範囲及び周囲
温度変化の小さいことを利用して冷房時はキヤピ
ラリチユーブで減圧することができ、室内機から
室外機の電動膨張弁への温度検知用の信号線は不
要となり、余分な配設工事は必要なく、工事が簡
略化され、且、工事費が安価に出来、しかも室外
側の吸込管と、室外熱交換器の暖房時入口側に温
度感知部を設けたことで簡易に過熱度制御も行な
えるなどの実用的効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のヒートポンプ式多室形空気調和
機の冷媒回路図、第２図は、本考案一実施例によ
るヒートポンプ式多室形空気調和機の冷媒回路図
である。 ３５……圧縮機、３６……四方弁、３７……室
外熱交換器、３８……一次キヤピラリチユーブ、
４１，４３……二次キヤピラリチユーブ、４２，
４４……液側電磁弁、４５，４８……電動膨張
弁、４７，５０……暖房回路、５３，５４……室
内熱交換器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 室外機３２に設けた圧縮機３５、冷房時および
   暖房時の冷媒流路を切替える四方弁３６、室外熱
   交換器３７、冷房回路となる一次キヤピラリチユ
   ーブ３８および逆止弁４０および各室内熱交換器
   ５３，５４に対応した二次キヤピラリチユーブ４
   １，４３および液側電磁弁４２，４４をサービス
   ポート付三方弁５１，５２を介して前記室内熱交
   換器５３，５４に接続するとともに、暖房時は、
   前記液側電磁弁４２，４４とサービスポート付三
   方弁５１，５２との間より導出し、前記室内熱交
   換器５３，５４にそれぞれ対応した電動膨張弁４
   ５，４８を介して前記一次キヤピラリチユーブ３
   ８と前記室外熱交換器３７の暖房時入口側との間
   に接続して構成された暖房回路４７，５０と、前
   記室外熱交換器３７の前記暖房時入口側に温度感
   知部６６と、吸込管６７に吸込温度を感知する温
   度感知部６８とを備え、前記両感知部６６，６８
   によつて過熱度を制御する回路構成としたヒート
   ポンプ式多室形空気調和機。