JPH057335Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、湯と水とを適宜な割合で混合して
吐水する湯水混合栓に関し、さらに詳しくは同管
における吐水管の接続装置に関する。

従来技術およびその問題点 従来の湯水混合栓においては、第３図に示すよ
うに、管取り付け用の口部５１が湯水混合室５２
の頂壁５３に設けられ、この口部５１に雄ねじ部
が設けられ、この雄ねじ部に逆Ｕ形屈曲状の吐水
管５４がナツト５５で螺着されている。また他の
例では、管取り付け用の口部は湯水混合室の底壁
に設けられ、この口部の雄ねじ部にクランク状ま
たはスワン状の吐水管が螺着されている。

しかし、このような構造の吐水管接続装置で
は、湯水混合室は管取り付け用の口部を頂壁に有
するものと同口部を底壁に有するものとの２種類
必要であり、そのため湯水混合室の成形金型も必
然的に２種類必要である。

また、口部が湯水混合室の底壁に設けられてい
る場合、この口部にクランク状またはスワン状の
吐水管の取り付け下降部を接続すると、吐水管の
下降部下端が低すぎてシンクの底壁に当たつた
り、使い勝手が悪いことがある。このような不都
合を解消するため、吐水管の取り付け位置を湯水
混合栓の底壁から頂壁に替えるには、湯水混合栓
全体を取り替えざるを得ない。しかし、湯水混合
栓をシンクや浴室に一旦取り付けてしまうと、湯
水混合栓の付け替えは素人にははなはだ困難な作
業となる。

この考案は、上記の如き実情に鑑み、湯水混合
室の成形金型が１種の製品につき１つあればよ
く、かつ水栓工事の専門外の者でも湯水混合室に
対する吐水管の向きを上下いずれかの方向に適宜
設定することができる新規構成の湯水混合栓を提
供することを目的とする。

問題点の解決手段 この考案は、添付図面に示すように、湯水混合
室１の後壁３に管取り付け用の口部４が設けら
れ、Ｌ形屈曲状の接続管５の水平部１５が、同管
５の垂直部１６を上方または下方に向けた状態
で、上記口部に嵌め止められ、上記垂直部１６に
吐水管６が接続されている、湯水混合栓における
吐水管の接続装置である。

上記口部４への水平部１５の止着手段として
は、ビス１４を用いた手段が一般的である。

実施例 つぎに、この考案の実施例について、添付図面
を基に具体的に説明する。

第１図および第２図において、湯水混合室１は
大略箱型であつて、前壁２は横断面Ｕ形の凸弧面
になされ、後壁３は垂直壁になされている。湯水
混合室１の後壁３の両端部にはそれぞれ湯導入管
７と水導入管８とが接続されている。また、湯水
混合室１の頂壁９の両端部には上記導入管７，８
に対応してそれぞれ湯用ハンドル１０と水用ハン
ドル１１が設けられている。

湯水混合室１の後壁３の長さの中央部には、部
分的に内径の異なる円筒状であつて、管取り付け
用の口部４が設けられている。この口部４は室内
側の小径部４ａと室外側の大径部４ｂとこれらの
間の段部４ｃとからなる。大径部４ｂの下端には
ラジアル方向にねじ孔１２が開けてある。

管取り付け用の口部４にはＬ形屈曲状の接続管
５の水平部１５が、同管５の垂直部１６を上方に
向けた状態で、嵌め込まれている。この水平部１
５は部分的に外径の異なる円管であつて、口部４
の小径部４ａと大径部４ｂと段部４ｃとにそれぞ
れ合致する小径部１５ａと大径部１５ｂと段部１
５ｃとからなる。口部４の小径部４ａと水平部１
５の小径部１５ａとの間には一対のＯリング１３
が介在され、水平部１５の大径部１５ｂにはその
外周面の上下部にそれぞれ凹所１７，１８が設け
られている。そして、管取り付け用の口部４のね
じ孔１２に水平部１５の下部凹所１８が合致させ
られ、ねじ孔１２にビス１４がねじ込まれ、その
先端部が下部凹所１８に嵌め込まれている。こう
して、接続管５の水平部１５が、同管５の垂直部
１６を上方に向けた状態で、上記口部４に嵌め止
められている。

接続管５の垂直部１６の上端部には、ナツト１
９によつて逆Ｕ形屈曲状の吐水管６の基端部が接
続されている。

接続管５の垂直部１６を下方に向けるには、第
２図に鎖線で示すように、まず、ねじ孔１２から
ビス１４をはずし、上方に向いている垂直部１６
を下方に向ける。ついで、ねじ孔１２に水平部１
５の他のもう一つの凹所１７を合致させ、ねじ孔
１２に再度ビス１４をねじ込み、その先端部を凹
所１７に嵌め込む。こうして下向きになされた垂
直部１６にクランク状またはスワン状の吐水管を
接続する。

考案の効果 この考案によれば、湯水混合室１の後壁３に管
取り付け用の口部４が設けられ、Ｌ形屈曲状の接
続管５の水平部１５が、同管５の垂直部１６を上
方または下方に向けた状態で、上記口部４に嵌め
止められ、上記垂直部１６に吐水管６が接続され
ているので、本書冒頭で述べた従来技術の場合の
ように成形金型を２つも用意する必要がなく、湯
水混合室の成形金型は１種の製品につき１つあれ
ばよい。また水栓工事の専門外の者でも湯水混合
室に対する吐水管の向きを上下いずれかの方向に
適宜設定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す湯水混合栓の
斜視図、第２図は第１図中の−線に沿う断面
図、第３図は従来品を示す第２図相当の断面図で
ある。 １……湯水混合室、３……後壁、４……口部、
５……接続管、６……吐水管、１５……水平部、
１６……垂直部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 湯水混合室１の後壁３に管取り付け用の口部４
   が設けられ、Ｌ形屈曲状の接続管５の水平部１５
   が、同管５の垂直部１６を上方または下方に向け
   た状態で、上記口部４に嵌め止められ、上記垂直
   部１６に吐水管６が接続されている、湯水混合栓
   における吐水管の接続装置。