JPH057312A - 伝送歪み除去装置 - Google Patents

伝送歪み除去装置

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JPH057312A
JPH057312A JP3216889A JP21688991A JPH057312A JP H057312 A JPH057312 A JP H057312A JP 3216889 A JP3216889 A JP 3216889A JP 21688991 A JP21688991 A JP 21688991A JP H057312 A JPH057312 A JP H057312A
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distortion
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input
fuzzy
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Application number
JP3216889A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Sakamoto
敏幸 坂本
Tsutomu Noda
勉 野田
Takao Shinkawa
敬郎 新川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Picture Signal Circuits (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は逐次修正法におけるゴーストなどの伝
送歪みを除去する除去装置に関し、収束が早く、かつ柔
軟で安定な除去動作を実現可能な伝送歪み除去装置を提
供することにある。 【構成】ゴーストなどの伝送歪みを抑圧するためのフィ
ルタ部2と、フィルタ部の出力を少なくとも入力とし、
フィルタ部2のタップ係数を制御する制御器4と、制御
器4において求めた歪み情報を少なくとも入力とするフ
ァジィ推論部5とを設け、ファジィ推論部5においてフ
ィルタ部2に与えるタップ係数の修正量をファジィ演算
により求める。 【効果】ファジィ推論によりタップ係数の修正量を導き
だすので、制御系を不安定にする外乱要素に対応した制
御方法をファジィラベルによるIF−THEN形式のル
ールで記述できるので、制御アルゴリズムの構築が容易
である。また、これらのルールから連続的に可変可能な
修正量が導きだされるので、収束が早く、かつ安定で柔
軟な伝送歪み除去動作を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビジョン信号に重
畳されるゴーストなどの伝送路の歪みを除去するための
伝送歪み除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】放送局から送信されるテレビジョン信号
を受信する際、高層建築物や山などの障害物による反射
波が直接波に重畳されることにより発生する伝送路の歪
みはゴーストと呼ばれ、地上テレビジョン放送における
画質劣化の最大の原因となっている。
【0003】このゴーストを除去するゴースト除去装置
の一例としては、テレビ学技報VOL.13,NO.3
2(1989年6月)第31頁から第36頁において論
じられているように、トランスバーサルフィルタを用い
て入力する信号に重畳されたゴーストと逆極性のゴース
トを発生させ、もとの信号に加えることでゴーストを抑
圧するフィルタ部と、このフィルタ部を構成するトラン
スバーサルフィルタのタップ係数を制御する制御器から
構成されるものが知られている。
【0004】この制御器におけるタップ係数の制御法の
一例としては、同文献にて論じられているように、フィ
ルタ部の出力に得られる信号からゴーストなどの伝送歪
み検出の基準信号(GCR信号)を取り込み、これと理
想伝送路の特性を示す基準波形との誤差を求めることに
より歪みを検出し、この誤差が最小になるようにトラン
スバーサルフィルタのタップ係数を逐次的に修正制御す
る逐次修正法がある。
【0005】この逐次修正法における代表的なアルゴリ
ズムとして、MSE(Mean Square Err
or)法、ZF(Zero Forcing)法が知ら
れており、そのタップ係数の修正式は、
【0006】
【数1】
【0007】となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術によれ
ば、歪みの量に比例した形でタップ係数が逐次修正さ
れ、その結果、歪みが最小化されるようなタップ係数が
トランスバーサルフィルタに設定されるので、フィルタ
部の出力にはゴーストなどの伝送歪みが除去されたテレ
ビジョン信号を得ることができる。しかし、逐次的に行
なわれるタップ係数の設定動作において、タップ係数を
修正する際の帰還量(定数a)を大きくすると、収束を
早くできる反面、制御動作が不安定になったり、突発的
なノイズなどの外乱要素の影響を受けやすくなり発散方
向に向かってしまうという問題が、また帰還量を小さく
すると収束に要する繰り返しの回数が増加し、収束時間
が長くなるといった問題があった。
【0009】本発明の目的は、逐次修正法におけるゴー
ストなどの伝送歪み除去の制御動作の収束を早く、かつ
安定性を確保することが可能な伝送歪み除去装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、少なくとも
ゴーストなどの伝送歪みを抑圧するためのフィルタ部
と、フィルタ部の出力を少なくとも入力とし、フィルタ
部のタップ係数を制御する制御器と、制御器において求
めた歪み情報を少なくとも入力とし、これからタップ係
数の修正量をファジィ演算により求めるファジィ推論部
とを設けることにより達成できる。
【0011】
【作用】制御器では、フィルタ部の出力に得られる信号
から歪み検出の基準信号を取り込み、これと理想伝送路
の特性を示す基準波形との誤差を求めることにより伝送
路で重畳された歪み成分が検出される。ファジィ推論部
では、制御器で求めた歪み情報から残留歪みの量などを
求め、あらかじめ設定しておいたIF−THEN形式で
経験則などを記述したルールにしたがってタップ係数の
修正量を推論する。この推論結果は、修正係数として制
御器へ出力する。制御器は、ファジィ推論部から出力さ
れた修正係数をZF法やMSE法で求めたタップ係数修
正信号に乗じ、現在トランスバーサルフィルタに与えて
いるタップ係数に加えてタップ係数を更新する。
【0012】よって、検出した歪みの状況に対するタッ
プ係数の修正量をファジィ推論により導きだすので、設
計者の経験則にもとずく対処方法などを制御アルゴリズ
ムの中に組み込むことが可能になり、収束が早く、安定
で柔軟な伝送歪み除去動作を実現できる。
【0013】
【実施例】以下本発明の一実施例を図1を用いて説明す
る。図1において、1はテレビジョン信号の入力端子、
2はフィルタ部、3はテレビジョン信号の出力端子、4
は制御器、5はファジィ推論部である。
【0014】入力端子1から入力するテレビジョン信号
は、フィルタ部2の入力へ与えられる。フィルタ部2
は、例えば(数2)式の伝達関数G1(Z)で表わされ
る非巡回型フィルタと、例えば(数3)式の伝達関数G
2(Z)で表わされる巡回型フィルタと、から構成され
るフィルタであり、その合成伝達関数G(Z)は(数
5)式となる。
【0015】
【数2】
【0016】
【数3】
【0017】
【数4】
【0018】
【数5】
【0019】非巡回型フィルタの伝達関数G1(Z)で
示されるフィルタはトランスバーサルフィルタであり、
タップ係数kを操作することにより主信号の利得制御
が、タップ係数k0からkN−1を操作することにより主
信号より前に位置する前ゴーストの除去が行なわれる。
また、巡回型フィルタの伝達関数G3(Z)で示される
フィルタもトランスバーサルフィルタであり、タップ係
数kN+1からkN+Mを操作することにより主信号より後に
位置するゴーストなどの伝送歪みの除去が行なわれる。
【0020】以上のように構成されたフィルタ部2のタ
ップ係数k0 からkN+M は、伝送路の歪みを打ち消すた
めの信号を作成するように制御器4により制御される。
【0021】このフィルタ部2の出力は、出力端子3、
および制御器4の入力に導かれる。
【0022】制御器4では、フィルタ部2から出力され
るテレビジョン信号中に多重されている歪み除去の基準
信号列{Yn}から理想伝送路との誤差信号列{ei}を
求め、ファジィ推論部5に与える。
【0023】ファジィ推論部5は、例えば入力する誤差
信号列{ei}から歪みの大きさ、変化量などのパラメ
ータを求めるパラメータ抽出部と、これらのパラメータ
に対する「大きい」とか「小さい」といったあいまいな
言葉で経験則を記述したIF−THEN形式のファジィ
ルールと、このあいまいな言葉の意味をファジィ集合で
定量的に表現したメンバーシップ値と、ファジィ演算部
とを備えるものである。ファジィ演算部においては、パ
ラメータ抽出部で求めたパラメータの各ルールに対する
適合度を求め、タップ係数の修正量を推論し、推論結果
を非ファジィ化する。非ファジィ化された値は、例えば
1から0の範囲の数値で表わされる修正係数として出力
される。
【0024】このようなファジィ演算による修正係数の
導出は、坂和氏著「ファジィ理論の基礎と応用」(19
89年、森北出版)において開示されているように、推
論方式としてマックスミニ合成法など、非ファジィ化の
手段として重心法などを適用することにより可能であ
る。このようにして求められた修正係数は、ファジィ推
論部5から出力され、制御器4に入力する。
【0025】一方、先に求めた誤差信号列{ei}は、
逐次修正法のアルゴリズムにしたがって相関演算が行な
われる。例えば、MSE法の場合には、フィルタ部2に
入力するテレビジョン信号中に多重された歪み除去の基
準信号列{Xn}を取り込み、この信号と誤差信号列
{ei}との相関演算からタップ係数の修正するための
タップ修正信号列{Ei}を求める。
【0026】また、ZF法によれば、この誤差信号列
{ei}がそのままタップ修正信号列{Ei}として用い
られ、この場合には基準信号列{Xn}は不要である。
【0027】ファジィ推論部5より出力された修正係数
は、このタップ修正信号列の振幅値に乗じられる。この
乗算結果を、現在フィルタ部2のトランスバーサルフィ
ルタに与えているタップ係数に加えることにより、タッ
プ係数が修正される。この処理を数式で表わすと、
【0028】
【数6】
【0029】となる。
【0030】本実施例によれば、ファジィ推論部5を設
けることにより、例えば「歪みの量が大きく、変化量が
負方向に大きい場合には、(残留歪みは多く、その量は
減少傾向にあるので)修正係数を少し大きく」、「歪み
の量が小さく、変化量がほとんどない場合には、(これ
以上の歪みの抑圧は望めそうになく、系の安定性を優先
すべきなので)修正係数をほとんどゼロに」、「歪みの
大きさに関わらず変化量が正方向に大きい場合には、
(外乱の可能性が大きいので)修正係数をほとんどゼロ
に」、というような設計者の定めたルールとメンバーシ
ップ値により、制御状況に応じたタップ係数の修正量の
調整が可能になり、これによって収束が早く、安定かつ
柔軟な伝送歪みの除去動作が実現可能になる。
【0031】なお、制御器4およびファジィ推論部5に
おける演算処理は、四則演算や論理演算などで実現でき
るので、マイクロプロセッサを用いたソフトウェア処
理、ディジタル回路を用いたハードウェア処理、または
その組み合わせによる処理などで実現可能である。
【0032】次に、図1の伝送歪み除去装置を構成する
制御器4とファジィ推論部5の一具体例を図2、図3、
図4を用いて説明する。図2は、図1の制御器4とファ
ジィ推論部5の構成の一例を示す図であり、4aは制御
器、5aはファジィ推論部、401はフィルタ部2の出
力信号が制御器4aに入力する入力端子、402、41
1は波形取り込み部、403は減算器、404は基準波
形メモリ、405は乗算器、406はタップ係数更新
部、407はタップ係数をフィルタ部2に出力する出力
端子、408はファジィ推論部5aから入力する修正係
数の入力端子、409はファジィ推論部5aへデータを
出力する出力端子、410は相関器、412はフィルタ
部2の入力信号が制御器4aに入力する入力端子、50
1は制御器4aから出力されたデータの入力端子、50
2はパラメータ抽出のための歪み量検出回路、503は
ファジィ演算部、504はメンバーシップ値メモリ、5
05はファジィルールメモリ、506は制御器4aへ出
力する修正係数の出力端子である。
【0033】また、図3はメンバーシップ値メモリ50
4に格納されるメンバーシップ関数の一例を示す図であ
り、図4はファジィ推論部5aの動作の一例を示す図で
ある。
【0034】制御器4aの入力端子401には、フィル
タ部2の出力信号が導かれ、波形取り込み部402の入
力に与えられる。一方、入力端子412には、フィルタ
部2の入力信号が導かれ、波形取り込み部411の入力
に与えられる。
【0035】波形取り込み部402は、フィルタ部2か
ら出力される信号から歪み除去の基準信号列{Yn}を
取り込み、波形取り込み部412は、フィルタ部2に入
力する信号から歪み除去の基準信号列{Xn}を取り込
む。
【0036】基準信号として、前記テレビ学技報VO
L.13,NO.32(1989年6月)にて述べられ
ているGCR信号が適用される場合、波形取り込み部4
02、412では、例えば取り込んだGCR信号の伝送
シーケンス(8フィールドシーケンス)をデコードする
ための演算を行ない、演算の結果得られた信号を微分
(差分)することによりsinX/Xパルスを得る。
【0037】このようにして得られた信号中には、伝送
系で重畳された歪み成分の他にノイズ成分も含まれてお
り、このノイズが充分に抑圧されていない場合には、歪
みの誤検出を招くことになる。そこで、次には、前記処
理を施した信号を加算平均することによりノイズの抑圧
を行なう。
【0038】以上の処理から得られた基準信号列{Y´
i}tは、波形取り込み部402から出力され、減算器4
03の一方の入力へ与えられる。また、減算器403の
他方の入力には、基準波形メモリ404から出力される
基準波形{Ri}が与えられており、これとフィルタ部
2の出力から取り出した基準信号列{Y´i}tとを減算
し、誤差信号列{ei}tを得る。
【0039】この減算器403の出力{ei}tは、相関
器410の一方の入力と出力端子409に与えられる。
また、相関器410の他方の入力には、波形取り込み部
412から出力される基準信号列{X´j}が与えら
れ、この相関演算部410では、例えば(数7)式のよ
うな基準信号列{X´j}と誤差信号列{ei}tとの相
関演算が行なわれ、タップ係数を修正するタップ修正信
号列{Ei}tが出力される。
【0040】
【数7】
【0041】このタップ修正信号列{Ei}tは、乗算器
405の一方の入力に与えられる。また、制御器4aの
出力端子409から出力される誤差信号列{ei}tは、
ファジィ推論部5aの入力端子501を介して、パラメ
ータ抽出のための歪み量検出回路502の入力に与えら
れる。
【0042】歪み量検出回路502では、例えばフィル
タ部2を構成するトランスバーサルフィルタのタップが
存在する範囲の歪みの振幅値の2乗和を計算し歪みの電
力を求め、伝送系で重畳された歪みの量を測るパラメー
タとしてファジィ演算部503にその結果を出力する。
【0043】ファジィ演算部503は、歪み量検出回路
502で求めた歪み量からタップ係数の修正量を推論す
るための演算を行なう。この演算には、メンバーシップ
値メモリ504に格納されたメンバーシップ関数と、フ
ァジィルールメモリ505に格納された制御ルールが用
いられる。
【0044】ファジィルールメモリ505は、入力する
歪み量の大きさに対してどのように修正量を決定するか
をIF−THEN形式で記述したルールが格納されてい
る。本具体例の検出した歪み量に応じた修正係数の制御
のためのルールの一例を以下に示す。
【0045】ルール1 … もし歪みの量が大きいなら
ば、修正係数を大きく ルール2 … もし歪みの量が中くらいならば、修正係数
を中くらいに ルール3 … もし歪みの量が小さいならば、修正係数を
小さく メンバーシップ値メモリ504には、IF(前件部)の
部分とTHEN(後件部)の部分で用いられている「大
きい」、「小さい」などのあいまいな言葉(ファジィラ
ベル)に対して、実際の数値が適合する度合いをファジ
ィ集合で表したメンバーシップ関数が格納されている。
図3はこのメンバーシップ関数の一例で、図3(a)は
前件部を5つのファジィラベルで表した場合の各ファジ
ィラベルの適合度を示すメンバーシップ関数で、図3
(b)は後件部を3つのファジィラベルで表した場合の
各ファジィラベルの適合度を示すメンバーシップ関数で
ある。これらの図の横軸には具体的な数値が、縦軸には
適合度が割り当てられる。
【0046】ファジィ演算部503は、ファジィルール
メモリ505に格納されているこのIF−THEN形式
のルールを呼び出し、そのルールに記述されている「大
きい」などのファジィラベルで表されたメンバーシップ
関数をルール毎にメンバーシップ値メモリ504から取
り込み、各ルールの前件部のメンバーシップ値と検出し
た歪み量との適合度を求め、この適合度から後件部を採
用する度合いを決定する。
【0047】例えば、前述のルール1の場合には、図4
(a)に示すように「小さい」というファジィラベルを
示すメンバーシップ関数と、歪み量検出回路502で求
めた歪み量との交点の値を求め、この交点の値で後件部
の「小さい」というファジィラベルのメンバーシップ関
数を切り取り(斜線部分)、後件部を採用する度合いが
決定される。また、ルール2、ルール3についても同様
に処理され、この場合には図4(b)、図4(c)に示
すような結果が得られる。
【0048】このようにして求めた各ルールごとの推論
結果を図4(d)のように重ね合わせて一つに合成する
ことにより、最終的な結論が得られる。この結果は、フ
ァジィ集合の形で表わされており、このままではタップ
係数の修正量を確定することができないので、非ファジ
ィ化を行ない修正量を確定する。非ファジィ化は、例え
ば得られた結論を表わすメンバーシップ値の面積を半分
にする点(重心)を求めることにより行なわれる。
【0049】確定されたタップ係数の修正量は、修正係
数αtとしてファジィ演算部503から出力され、ファ
ジィ推論部5aの出力端子506から制御器4aの入力
端子408を介して乗算器405の他方の入力に与えら
れる。よって、乗算器405の出力には、相関器410
で求めたタップ修正信号列{Ei}tの振幅値に修正係数
αtが乗じられたものが得られ、この乗算結果はタップ
係数更新部406の入力に与えられる。
【0050】タップ係数更新部406には、修正回数t
−1回目のタップ係数{Ki}t−1が保存されており、乗
算器406の出力αt・{Ei}tがこれに加えられるこ
とによりt回目のタップ係数の更新が行なわれる。更新
されたタップ係数{Ki}tは制御器4aの出力端子40
7を介してフィルタ部2を構成するトランスバーサルフ
ィルタに与えられる。
【0051】本具体例によれば、伝送系で重畳された歪
みの量や除去過程における残留歪みの量に対する制御ル
ールの構築と、これによるゴースト除去動作の制御が可
能になる。例えば、前述のようなルール設定により、歪
みが大きいような場合には1回の修正量を大きくし収束
に要する繰り返しの回数を少なくして収束までの時間短
縮を図り、歪みが小さくなった場合には安定性の観点か
ら修正量を小さくすると言った制御を実現できる。
【0052】なお、本具体例の中では前件部を5つのフ
ァジィラベル、後件部を3つのファジィラベルで表し、
3つの制御ルールでその動作を説明したが、これらの
数、メンバーシップ関数の形などは、これに限定される
ものではない。また、推論法においてはマックスミニ合
成法、非ファジィ化については重心法で説明を行なった
が、これ以外の代数積加算法などの推論法や、高さ法な
どの非ファジィ化法の適用も可能である。
【0053】また、本具体例をソフトウェアで実施する
ことも可能であり、その場合の処理フローは、例えば図
14のようになる。
【0054】次に、図1の伝送歪み除去装置を構成する
制御器4とファジィ推論部5の他の一具体例を図5を用
いて説明する。図5において、5bはファジィ推論部、
507はパラメータ抽出のための変化量検出回路で、そ
の他は先の具体例と同様である。
【0055】先の具体例と同様に、制御器4aの入力端
子401から入力するフィルタ部2の出力信号に多重さ
れた基準信号列{Yn}は、波形取り込み部402で取
り込まれ、減算器403で誤差信号列{ei}tが検出さ
れる。
【0056】減算器403で求められた誤差信号列{e
i}tは、相関器410の一方の入力と、出力端子409
に与えられる。
【0057】制御器4aの出力端子409から出力され
る誤差信号列{ei}tは、ファジィ推論部5bの入力端
子501を介して、パラメータ抽出のための歪み量検出
回路502の入力に与えられる。
【0058】歪み量検出回路502では、例えばフィル
タ部2を構成するトランスバーサルフィルタのタップが
存在する範囲の歪みの振幅値の2乗和を計算し歪みの量
が求められる。この計算結果は、ファジィ演算部503
とパラメータ抽出のための変化量検出回路507のそれ
ぞれの入力に与えられる。
【0059】変化量検出回路507は、先回の修正時に
算出した歪み量との今回算出した歪み量との差を求め、
ファジィ演算部503にその結果を出力する。
【0060】本具体例の場合、ルールの前件部のパラメ
ータが2つ(歪みの量とその変化量)あり、ルールの記
述においては、これらはANDの論理で結合された形
(例えば、「もしAが大きく、かつBが大きいならば、
Cは小さく」)になる。このようなルールの設定に対し
てファジィ演算部503は、検出したパラメータとメン
バーシップ値との適合度をそれぞれに求め、得られた適
合度の数値の小さい方を、後件部の適合の度合として採
用するように動作する(マックスミニ合成法)。
【0061】このようにして求めた適合度から先の具体
例と同様に、各ルールごとの推論結果を求め、これらを
合成することにより最終的な結論を得、非ファジィ化を
行ないタップ係数の修正量の確定が行なわれる。
【0062】確定されたタップ係数の修正量は、修正係
数αtとしてファジィ演算部503から出力され、乗算
器405でタップ修正信号列{Ei}tの振幅値に乗じら
れる。この乗算結果は、タップ係数更新部406に入力
し、タップ係数の更新が行なわれる。
【0063】本具体例によれば、伝送系で重畳された歪
みの量や除去過程における残留歪みの量とその変化量に
対する制御ルールの構築と、これによるゴースト除去動
作の制御が可能になる。例えば、この場合には「歪みの
量が大きく、かつ変化量が負方向に大きい場合には、
(残留歪みは多く、その量は減少傾向にあるので)修正
係数を少し大きく」、「歪みの量が小さく、かつ変化量
がほとんどない場合には、(これ以上の歪みの抑圧は望
めそうになく、系の安定性を優先すべきなので)修正係
数をほとんどゼロに」、「歪みの大きさに関わらず変化
量が正方向に大きい場合には、(外乱の可能性が大きい
ので)修正係数をほとんどゼロに」などの歪みの変化量
から外乱条件などに対応するためのルールの設定が可能
になる。
【0064】次に、本具体例において、ファジィ推論部
5bでの推論結果の確定値を(修正係数αt)を−1か
ら1の範囲の数値とする場合のタップ係数の修正手段に
ついて図6を用いて説明する。
【0065】図6において、4bは制御器、413はス
イッチ回路、414は遅延回路であり、その他は先の具
体例と同様である。
【0066】相関器410の出力は、スイッチ回路41
3の一方の入力に与えられる。スイッチ回路413の出
力は、乗算器405の一方の入力には、スイッチ回路4
13の出力が、他方の入力には入力端子408から入力
する−1から1の範囲の数値で表わされる修正係数αt
が与えられ、その出力はタップ係数更新部408、及び
遅延回路414それぞれの入力に与えられる。遅延回路
414は1回前のタップ係数の修正量αt−1・{Ei}t
−1をスイッチ回路413の他方の入力に与えるように
動作する。また、スイッチ回路の制御端子には修正係数
αtの符号が与えられ、例えば符号が負の場合に遅延回
路414からの出力を、符号が正の場合にはゴースト検
出部403の出力を乗算器405に導くように制御され
る。
【0067】本具体例によれば、修正結果として歪みが
増加したような場合に、推論結果を負方向の数値に確定
するようにルールやメンバーシップ値を設定することに
より、先回の修正量を再度調整することが可能になる。
例えば、「歪みの量が大きく、かつ変化量が負方向に大
きい場合には、(残留歪みは多く、その量は減少傾向に
あるので)修正係数を少し正方向に大きく」、「歪みの
量が小さく、かつ変化量がほとんどない場合には、(こ
れ以上の歪みの抑圧は望めそうになく、系の安定性を優
先すべきなので)修正係数をほとんどゼロに」、「歪み
の大きさに関わらず変化量が正方向に大きい場合には、
(外乱の可能性が大きいので)修正係数を負方向に大き
く」といったルールを設定することにより、t−1回目の
修正が外乱によって誤った可能性を歪みの変化量から判
断でき、さらにt回目の修正時にその補正が可能にな
る。
【0068】次に、図1の伝送歪み除去装置を構成する
制御器4とファジィ推論部5の他の一具体例を図7を用
いて説明する。図7において、5cはファジィ推論部、
508はパラメータ抽出のための最大値検出回路で、そ
の他は先の具体例と同様である。
【0069】先の具体例と同様に、制御器4aで検出さ
れた誤差信号列{ei}tは、ファジィ推論部5cの入力
端子501を介して、パラメータ抽出のための歪み量検
出回路502と、最大値検出回路508それぞれの入力
に与えられる。
【0070】最大値検出回路508は、フィルタ部2を
構成するトランスバーサルフィルタのタップが存在する
範囲の歪みの振幅値の最大値を求め、検出結果をファジ
ィ演算部503へ出力する。
【0071】歪み量検出回路502の出力は、ファジィ
演算部503の入力に与えられる。
【0072】ファジィ演算部503は、先の具体例と同
様にファジィルールメモリ505に格納されている制御
ルールを呼び出し、そのルールに記述されている「大き
い」などのあいまいな言葉の意味をファジィ集合で表わ
したメンバーシップ値をルール毎にメンバーシップ値メ
モリ504から取り込み、例えばマックスミニ合成法に
よる推論、重心法による非ファジィ化を行なう。
【0073】非ファジィ化により確定されたタップ係数
の修正量は、修正係数αtとしてファジィ演算部503
から出力され、乗算器405でタップ修正信号列{E
i}tの振幅値に乗じられる。この乗算結果は、タップ係
数更新部406に入力し、タップ係数の更新が行なわれ
る。
【0074】本具体例によれば、伝送系で重畳された歪
みの量や除去過程における残留歪みの量と歪みの最大値
に対する制御ルールの構築と、これによるゴースト除去
動作の制御が可能になる。例えば、この場合には「歪み
の量が大きく、かつ最大値が大きい場合には、(歪みの
ピークが大きいので歪みの検出感度も高いので)修正係
数を少し大きく」、「歪みの量が大きく、かつ最大値が
小さい場合には、(歪みの量は大きいが、歪みのピーク
が小さいので検出感度が低くなって、求めた歪み量には
ノイズなどが多く含まれている可能性が高いので)修正
係数を小さく」、などの最大値の大きさに応じて歪み量
の検出感度を補正するようなルールの設定ができる。
【0075】次に、図1の伝送歪み除去装置を構成する
制御器4とファジィ推論部5の他の一具体例を図8を用
いて説明する。図8において、5dはファジィ推論部、
509は歪み量の最小値選択回路、510は減算器であ
り、その他は先の具体例と同様である。
【0076】先の具体例と同様に、制御器4aで検出さ
れた誤差信号列{ei}tは、ファジィ推論部5dの入力
端子501を介して、パラメータ抽出のための歪み量検
出回路502に与えられ、その出力は、最小値選択回路
509の入力、減算器510の一方の入力、およびファ
ジィ演算部503の入力に与えられる。
【0077】最小値選択回路509では、入力する歪み
量と過去の歪み量の最小値とを比較し、歪み量の小さい
方を選択し減算器510の他方の入力に出力するととも
に、その値を歪みの最小値として記憶する。
【0078】減算器510では、歪み量検出回路502
で求めた歪み量と、最小値選択回路509から出力され
る歪みの最小値との差を求め、その結果をファジィ演算
部503に出力する。
【0079】ファジィ演算部503は、先の具体例と同
様にファジィルールメモリ505に格納されている制御
ルールを呼び出し、そのルールに記述されている「大き
い」などのあいまいな言葉の意味をファジィ集合で表わ
したメンバーシップ値をルール毎にメンバーシップ値メ
モリ504から取り込み、例えばマックスミニ合成法に
よる推論、重心法による非ファジィ化を行なう。
【0080】非ファジィ化により確定されたタップ係数
の修正量は、修正係数αtとしてファジィ演算部503
から出力され、乗算器405でタップ修正信号列{E
i}tの振幅値に乗じられる。この乗算結果は、タップ係
数更新部406に入力し、タップ係数の更新が行なわれ
る。
【0081】本具体例によれば、伝送系で重畳された歪
みの量や除去過程における残留歪みの量、ゴースト除去
動作の過程で歪みが最小になった時の値と現在の歪み量
との差分に対する制御ルールの構築と、これによるゴー
スト除去動作の制御が可能になる。例えば、この場合に
は「歪みの量が大きく、歪みの最小値との差がほとんど
ゼロならば、修正係数を正方向に大きく」、「歪みの量
が小さく、歪みの最小値との差がほとんどゼロならば、
修正係数をほとんどゼロに」、「歪みの量に関わらず、
歪みの最小値との差が大きいならば、(発散、もしくは
歪みの誤検出の可能性が高いので)修正係数をほとんど
ゼロに」、などの制御系の安定性を推測するようなルー
ルの設定ができる。
【0082】また、減算器510の出力の代わりに、最
小値選択回路509の出力をファジィ演算部503に与
え、ルールを構築することも可能であり、この場合に
は、例えば「歪み量が大きく、かつ歪みの最小値が小さ
いならば、修正係数をほとんどゼロに」、といったルー
ルで同様な制御が可能である。
【0083】また、本具体例においても、修正係数αt
を−1から1の範囲の数値となるようにルールやメンバ
ーシップ値を設定し、図6のタップ係数修正手段を適用
することにより、図6の具体例と同様な制御を実現する
ことが可能である。例えば、「歪みの量が大きく、歪み
の最小値との差がほとんどゼロならば、修正係数を正方
向に大きく」、「歪みの量が小さく、歪みの最小値との
差がほとんどゼロならば、修正係数をほとんどゼロ
に」、「歪みの量に関わらず、歪みの最小値との差が大
きいならば、(発散、もしくは歪みの誤検出の可能性が
高いので)修正係数を負方向に大きく」、といったルー
ルを設定することにより、t−1回目の修正が外乱によ
って誤った可能性を歪みの量の最小値と現在の歪みの量
とからから判断でき、さらにt回目の修正時にその補正
が可能になる。
【0084】次に、図1の伝送歪み除去装置を構成する
制御器4とファジィ推論部5の他の一具体例を図9を用
いて説明する。図9において、5eはファジィ推論部、
511はパラメータ抽出のためのノイズ検出回路で、そ
の他は先の具体例と同様である。
【0085】先の具体例と同様に、制御器4aで検出さ
れた誤差信号列{ei}tは、ファジィ推論部5eの入力
端子501を介して、パラメータ抽出のための歪み量検
出回路502とノイズ検出回路511に与えられ、それ
ぞれの出力は、ファジィ演算部503の入力に与えられ
る。
【0086】ノイズ検出回路511は、誤差信号列{e
i}t中に含まれるノイズ成分を求める。これは、誤差信
号列{ei}t中の歪みには相関があり、ノイズには相関
がないことから、誤差信号列{ei}を2度取り込み、
この2つの信号列の差を求めることによりノイズの検出
が行なえる。検出したノイズ成分は、例えば歪み量を求
める区間での2乗和、もしくは絶対値和を求め、誤差信
号列{ei}tに重畳されたノイズ量としてファジィ演算
部503に出力される。
【0087】ファジィ演算部503は、先の具体例と同
様にファジィルールメモリ505に格納されている制御
ルールを呼び出し、そのルールに記述されている「大き
い」などのあいまいな言葉の意味をファジィ集合で表わ
したメンバーシップ値をルール毎にメンバーシップ値メ
モリ504から取り込み、例えばマックスミニ合成法に
よる推論、重心法による非ファジィ化を行なう。
【0088】非ファジィ化により確定されたタップ係数
の修正量は、修正係数αtとしてファジィ演算部503
から出力され、乗算器405でタップ修正信号列{E
i}tの振幅値に乗じられる。この乗算結果は、タップ係
数更新部406に入力し、タップ係数の更新が行なわれ
る。
【0089】非ファジィ化により確定されたタップ係数
の修正量は、修正係数αtとしてファジィ演算部503
から出力され、乗算器405でタップ修正信号列{E
i}tの振幅値に乗じられる。この乗算結果は、タップ係
数更新部406に入力し、タップ係数の更新が行なわれ
る。
【0090】本具体例によれば、伝送系で重畳された歪
みの量や除去過程における残留歪みの量、およびノイズ
量に対する制御ルールの構築と、これによるゴースト除
去動作の制御が可能になる。例えば、この場合には「歪
みの量が大きく、かつノイズが少ない場合には、(ノイ
ズが少ないから求めた歪み量の信頼性は高いので)修正
係数を少し大きく」、「歪みの量が大きく、かつノイズ
も多い場合には、(ノイズが多いから求めた歪みの量の
量の信頼性が低いので、)修正係数を小さく」、などの
ノイズの量に応じて歪み量の検出感度を補正するような
ルールの設定ができる。
【0091】次に、図1の伝送歪み除去装置を構成する
制御器4とファジィ推論部5の他の一具体例を図10を
用いて説明する。図10において、5fはファジィ推論
部、512、513は除算器で、その他は先の具体例と
同様である。
【0092】先の具体例と同様に、制御器4aで検出さ
れた誤差信号列{ei}tは、ファジィ推論部5fの入力
端子501を介して、パラメータ抽出のための歪み量検
出回路502、ノイズ検出回路511と最大値検出回路
508に与えられる。
【0093】除算器512は、歪み量検出回路502の
出力と最大値検出回路508の出力とを入力とし、例え
ば歪みの最大値を歪みの実効値で割り、比を求める。歪
みが単一である場合には、歪みの最大値と歪みの実効値
はほぼ等しく、複数の歪みが混在する場合には、歪みの
最大値に対して歪みの実効値が大きい値をとるので、こ
の比を求めることにより、歪みの状態を知るパラメータ
として利用することができる。
【0094】除算器513は、ノイズ検出回路511の
出力と最大値検出回路508の出力とを入力とし、例え
ばノイズの実効値を歪みの最大値で割り、比を求める。
歪みとノイズの区別が明確な場合には、歪みの最大値が
ノイズの実効値より大きく、歪みとノイズの区別がしに
くいような場合には、歪みの最大値とノイズの実効値が
ほぼ等しい値になるので、この比を求めることにより制
御の容易さを知るパラメータとして利用することができ
る。
【0095】この除算器512、513の出力は、ファ
ジィ演算部503の入力に与えられる。
【0096】ファジィ演算部503は、先の具体例と同
様にファジィルールメモリ505に格納されている制御
ルールを呼び出し、そのルールに記述されている「大き
い」などのあいまいな言葉の意味をファジィ集合で表わ
したメンバーシップ値をルール毎にメンバーシップ値メ
モリ504から取り込み、例えばマックスミニ合成法に
よる推論、重心法による非ファジィ化を行なう。
【0097】非ファジィ化により確定されたタップ係数
の修正量は、修正係数αtとしてファジィ演算部503
から出力され、乗算器405でタップ修正信号列{E
i}tの振幅値に乗じられる。この乗算結果は、タップ係
数更新部406に入力し、タップ係数の更新が行なわれ
る。
【0098】本具体例によれば、伝送系で重畳された歪
みの状態、および制御の容易さを考慮した制御ルールの
構築と、これによるゴースト除去動作の制御が可能にな
る。例えば、この場合には「歪みが単一で、制御が容易
な状況にある場合には、修正係数を大きく」、「歪みが
複数で、制御が容易な状況にある場合には、修正係数を
少し大きく」、「歪み状態に関係なく、制御が困難な状
況にある場合には、修正係数をほとんどゼロに」、など
の歪みの状態や制御しやすさに応じたルールの設定がで
きる。
【0099】さらに、本具体例によれば、比を求めるこ
とによりファジィ演算部503に入力するパラメータを
3つから2つにでき、設定するルール数を減らせ、推論
に要する処理時間を短縮できる効果もある。
【0100】また、推論時間が問題にならないような場
合には、歪み量検出回路502、最大値検出回路50
8、ノイズ検出回路511の出力を直接ファジィ演算部
503に供給し、設定するルールで同様な処理を実現す
ることも可能であり、この場合には比を求めるための除
算器512、513を不要にできる。
【0101】次に、図1の伝送歪み除去装置を構成する
制御器4とファジィ推論部5の他の一具体例を図11を
用いて説明する。図11において、4cは制御器、5g
はファジィ推論部、415はスイッチ回路、416は比
較器、514は最小値選択回路、515は減算器であ
る。また、417、418、419はタップ係数更新部
406を構成する構成要素の一例で、417は減算器、
418は遅延回路、419はベースクリップ回路で、そ
の他は先の具体例と同様である。
【0102】先の具体例と同様に、制御器4cで検出さ
れた誤差信号列{ei}tは、相関器410の一方の入力
と、制御器4cの出力端子409を介して、ファジィ推
論部5gの入力端子501に与えられる。
【0103】相関器410は、先の具体例と同様に動作
し、タップ修正信号列{Ei}tを乗算器405の一方の
入力に出力する。乗算器405の他方の入力には、スイ
ッチ回路415の出力が接続され、その出力はタップ係
数更新部406を構成する減算器417の一方の入力と
接続される。減算器417の出力は、制御器の出力端子
407と、遅延回路418の入力に接続される。遅延回
路418の出力は、制御端子付きのベースクリップ回路
419の入力と接続される。
【0104】ベースクリップ回路419は、例えば(数
8)式の関数f(x)ような特性を持つもので、遅延回
路418から出力されるタップ係数{Ki}t−1 (−1
<Ki<1)のゼロ近傍の値をゼロにクリップするもの
で、制御端子に与えられる信号βt(0≦βt≦1)の大
きさによりベースクリップの幅が可変する。
【0105】
【数8】
【0106】このベースクリップ回路419の出力は、
減算器417の他方の入力と接続され、また、制御端子
は制御器4cの入力端子408に接続され制御信号βt
が供給される。また、この入力端子408より入力する
制御信号βtは、比較器416の一方の入力にも供給さ
れる。比較器416の他方の入力には定数S(0≦S≦
1)が与えられ、その出力はスイッチ回路415の制御
端子と接続される。スイッチ回路415の入力には定数
a(0<a<1)と0(ゼロ)とが与えられる。
【0107】比較器416は、定数Sと制御信号βtと
を比較し、制御信号βtが定数Sより大きい場合にスイ
ッチ回路415に入力する定数0(ゼロ)を、それ以外
は定数aをその出力に導くように制御する。
【0108】一方、制御器4cの出力端子409から出
力された誤差信号列{ei}tは、ファジィ推論部5gの
入力端子501を介して、パラメータ抽出のための歪み
量検出回路502、ノイズ検出回路511に与えられ
る。
【0109】歪み量検出回路502の出力は、最小値選
択回路509の入力、減算器510の一方の入力に与え
られる。
【0110】最小値選択回路509では、入力する歪み
量と過去の歪み量の最小値とを比較し、歪み量の小さい
方を選択し減算器510の他方の入力に出力するととも
に、その値を歪みの最小値として記憶する。
【0111】減算器510では、歪み量検出回路502
で求めた歪み量と、最小値選択回路509から出力され
る歪みの最小値との差を求め、その結果をファジィ演算
部503に出力する。
【0112】ノイズ検出回路511の出力は、最小値選
択回路514の入力、減算器515の一方の入力に与え
られる。
【0113】最小値選択回路514では、入力するノイ
ズ量と過去のノイズ量の最小値とを比較し、ノイズ量の
小さい方を選択し減算器515の他方の入力に出力する
とともに、その値をノイズ量の最小値として記憶する。
【0114】減算器515では、ノイズ検出回路511
で求めたノイズ量と、最小値選択回路514から出力さ
れるノイズ量の最小値との差を求め、その結果をファジ
ィ演算部503に出力する。
【0115】ファジィ演算部503は、先の具体例と同
様にファジィルールメモリ505に格納されている制御
ルールを呼び出し、そのルールに記述されている「大き
い」などのあいまいな言葉の意味をファジィ集合で表わ
したメンバーシップ値をルール毎にメンバーシップ値メ
モリ504から取り込み、例えばマックスミニ合成法に
よる推論、重心法による非ファジィ化を行なう。
【0116】非ファジィ化により確定された制御信号β
tは、ファジィ演算部503から出力され、制御器4c
の入力端子408と接続される。
【0117】本具体例は、歪み除去の制御動作が不安定
になり、発散の方向に向かった場合にそれを防止するも
のである。発散の方向に向かった場合、信号が発振状態
になるので、誤差信号列中{ei}tには発振によって生
じた信号が混入することになり、その結果歪み量、ノイ
ズ量として検出される値は、その最小値よりも大きな値
となる。また、このような発散の傾向にある場合のタッ
プ係数中には、ノイズなどによって生成された比較的小
さな値で、ランダムなタップパターンの係数が存在して
いる。
【0118】本具体例によれば、例えば「歪み量の最小
値に対する増分が大きく、かつノイズの最小値に対する
増分が大きいならば、制御信号βtを大きく」、「歪み
量の最小値に対する増分が中くらい、かつノイズの最小
値に対する増分が中くらい、制御信号βtを中くらい
に」、「歪み量の最小値に対する増分がほとんどゼロ、
かつノイズの最小値に対する増分がほとんどゼロ、制御
信号βtをほとんどゼロに」などのルールを設定するこ
とにより、ファジィ推論部5gではランダムなタップを
打ち消すのに必要な制御信号βtの大きさが決定され、
この制御信号βtによりベースクリップ回路419を制
御してランダムなタップを打ち消すことができるので、
発散の防止が実現できる。
【0119】また、制御信号βtは、比較器416で2
値化されスイッチ回路415を制御し、乗算器405に
与える係数をゼロにしてタップの更新を行なわないよう
にしている。これによれば、ベースクリップが動作する
場合(βt>0)に、タップ修正信号列{Ei}tに発振
によって重畳された歪み以外の成分が、タップ係数に設
定されるのを防止できる。
【0120】この比較器415に与えている定数Sは、
制御信号βtを2値化するためのしきい値であり、この
値の設定により、ベースクリップの幅が小さいような場
合には、定数aを乗算器405に与えるようにし歪みの
除去を優先させるような制御を行なうことも可能であ
る。
【0121】また、ベースクリップ回路419を乗算器
に置き換え、制御信号βtをタップ係数{Ki}tに乗じ
るようにし、例えば「歪み量の最小値に対する増分が大
きく、かつノイズの最小値に対する増分が大きいなら
ば、制御信号βtを小さく」、「歪み量の最小値に対す
る増分が中くらい、かつノイズの最小値に対する増分が
中くらい、制御信号βtを中くらいに」、「歪み量の最
小値に対する増分がほとんどゼロ、かつノイズの最小値
に対する増分がほとんどゼロ、制御信号βtをほとんど
1に」などの制御ルールにより、系が不安定になった場
合にタップ係数を減衰させて、ランダムなタップの成長
を抑えると言った制御も可能である。
【0122】なお、以上述べてきた具体例のパラメータ
を組み合わせたルールを構築し、ゴースト除去動作の制
御を行なせることが可能なことは自明であり、この場合
には、制御状況を判断するパラメータが増えるので、さ
らに柔軟な制御ルールが実現可能になる。
【0123】次に、図1の伝送歪み除去装置を構成する
制御器4とファジィ推論部5の他の一具体例を図12を
用いて説明する。図12において、4dは制御器、5i
はファジィ推論部、420、421は乗算器、422、
423はファジィ推論部5iから入力する修正係数の入
力端子、409はファジィ推論部5iへデータを出力す
る出力端子、516、521はパラメータ抽出のための
歪み量検出回路、517、522はファジィ演算部、5
18、523はメンバーシップ値メモリ、519、52
4はファジィルールメモリ、520、525は制御器4
dへ出力する修正係数の出力端子で、その他は先の具体
例と同様である。
【0124】先の具体例と同様に、制御器4dで検出さ
れた誤差信号列{ei}tは、相関器410の一方の入力
と、制御器4dの出力端子409を介して、ファジィ推
論部5iの入力端子501に与えられる。
【0125】相関器410は、先の具体例と同様に動作
し、タップ修正信号列{Ei}tを求め、非巡回型フィル
タのタップが配置される区間のタップ修正信号列{E
l}tと巡回型フィルタのタップが配置される区間のタッ
プ修正信号列{Em}tとに分けられて出力される。非巡
回型フィルタのタップが配置される区間のタップ修正信
号列{Ej}tは乗算器411の一方の入力に、巡回型フ
ィルタのタップが配置される区間のタップ修正信号列
{El}tは乗算器412の一方の入力に与えられる。
【0126】一方、制御器4dの出力端子409から出
力された誤差信号列{ei}tは、ファジィ推論部5iの
入力端子501を介して、パラメータ抽出のための歪み
量検出回路516、521に与えられる。
【0127】歪み量検出回路516では、入力する誤差
信号列{ei}tからフィルタ部2を構成する非巡回型フ
ィルタのタップが配置される区間の誤差信号列{el}t
を取り込み、この区間の誤差の振幅値の2乗和を計算し
て歪み量を求め、ファジィ演算部517に出力する。
【0128】歪み量検出回路521では、入力する誤差
信号列{ei}tからフィルタ部2を構成する巡回型フィ
ルタのタップが配置される区間の誤差信号列{em}tを
取り込み、この区間の誤差の振幅値の2乗和を計算して
歪み量を求め、ファジィ演算部522に出力する。
【0129】ファジィ演算部517は、先の具体例と同
様にファジィルールメモリ519に格納されている制御
ルールを呼び出し、そのルールに記述されている「大き
い」などのあいまいな言葉の意味をファジィ集合で表わ
したメンバーシップ値をルール毎にメンバーシップ値メ
モリ518から取り込み、例えばマックスミニ合成法に
よる推論、重心法による非ファジィ化を行なう。
【0130】非ファジィ化により 非ファジィ化により
確定されたタップ係数の修正量は、修正係数α2tとして
ファジィ演算部517から出力され、ファジィ演算部5
の出力端子520、制御器4dの入力端子422を介し
て乗算器420の他方の入力に与えられる。
【0131】ファジィ演算部522は、先の具体例と同
様にファジィルールメモリ524に格納されている制御
ルールを呼び出し、そのルールに記述されている「大き
い」などのあいまいな言葉の意味をファジィ集合で表わ
したメンバーシップ値をルール毎にメンバーシップ値メ
モリ523から取り込み、例えばマックスミニ合成法に
よる推論、重心法による非ファジィ化を行なう。
【0132】非ファジィ化により 非ファジィ化により
確定されたタップ係数の修正量は、修正係数α1tとして
ファジィ演算部522から出力され、ファジィ演算部5
の出力端子525、制御器4dの入力端子423を介し
て乗算器421の他方の入力に与えられる。
【0133】よって、乗算器420の出力には、非巡回
型フィルタのタップが配置される区間のタップ修正信号
列{El}tの振幅値に修正係数α2tが乗じられたものが
得られ、乗算器421の出力には、巡回型フィルタのタ
ップが配置される区間のタップ修正信号列{Em}tの振
幅値に修正係数α1tが乗じられたものが得られ、それぞ
れの乗算結果はタップ係数更新部406の入力に与えら
れる。
【0134】タップ係数更新部406には、修正回数t
−1回目のタップ係数{ki}t−1が保存されており、こ
の内の非巡回型フィルタに与えるタップ係数には乗算器
420の出力α2t・{El}tが、巡回型フィルタに与え
るタップ係数には乗算器421の出力α1t・{Em}tが
加えられ、t回目のタップ係数の更新が行なわれる。更
新されたタップ係数{Ki}tは制御器4dの出力端子4
07を介してフィルタ部2に与えられる。
【0135】本具体例によれば、非巡回型フィルタ部と
巡回型フィルタ部それぞれのタップ係数の修正量を独立
して制御することができるので、タップ係数の修正量を
それぞれの領域で最適化するような動作が可能になり、
例えば、非巡回型フィルタが除去する範囲の歪みが多
く、巡回型フィルタが除去する範囲の歪みがほとんどな
いような場合に、非巡回型フィルタのタップ係数の修正
量を大きく、巡回型フィルタのタップ係数の修正量を小
さく設定するなどの制御が可能になり、歪みの少ない領
域においては不要なタップの発生を抑圧できるなどの効
果が得られる。
【0136】また、非巡回型フィルタ部と巡回型フィル
タ部とで、制御ルールやメンバーシップ値を独立に設定
可能なので制御の自由度をさらに高められる利点もあ
る。
【0137】本具体例では、制御パラメータとして歪み
量を例に説明したが、先の具体例の制御パラメータ、及
びそれらの組み合わせを用いた制御も可能であり、ま
た、修正係数を−1から1の範囲の数値とした場合の修
正量の制御手段の適用も可能であり、その場合にはさら
に柔軟な制御ルールの設定が可能になる。
【0138】また、非巡回型フィルタ部の制御に用いる
制御パラメータと、巡回型フィルタの制御に用いる制御
パラメータとを異ならせることも可能である。
【0139】次に、図1の伝送歪み除去装置を構成する
制御器4とファジィ推論部5の他の一具体例を図13を
用いて説明する。
【0140】本具体例は、先の図12の具体例におい
て、ファジィ演算部を共通化したものであり、歪み量検
出回路516、521それぞれで求めた歪み量は、ファ
ジィ演算部503に出力される。
【0141】ファジィ演算部503は、先の具体例と同
様にファジィルールメモリ505に格納されている制御
ルールを呼び出し、そのルールに記述されている「大き
い」などのあいまいな言葉の意味をファジィ集合で表わ
したメンバーシップ値をルール毎にメンバーシップ値メ
モリ504から取り込み、非巡回型フィルタ、及び巡回
型フィルタに与えるタップ係数の修正量を推論し、非フ
ァジィ化された推論結果を修正係数α1t、α2tとして
出力端子520、525から制御器4dに出力する。
【0142】以上の処理から得られた修正係数α1t、
α2tにより、図12の具体例と同様にしてタップ係数
の修正量が非巡回型フィルタ部、巡回型フィルタ部それ
ぞれにて決定され、タップ係数の更新が行なわれる。
【0143】本具体例によれば、非巡回型フィルタ部の
歪み量と巡回型フィルタ部の歪み量は、同一のファジィ
演算部で処理されるので、これらの歪み量を関連付けた
制御ルールの構築が可能になる。例えば、「非巡回型フ
ィルタ部の歪み量が大きく、かつ巡回型フィルタの歪み
量が小さいならば、非巡回型フィルタ部の修正量を大き
く、巡回型フィルタ部の修正量を小さく」、「非巡回型
フィルタ部の歪み量が大きく、かつ巡回型フィルタの歪
み量が大さいならば(遅延時間の短い歪みを早く除去す
るために)、非巡回型フィルタ部の修正量を大きく、巡
回型フィルタ部の修正量を小さく」、などのルールの設
定が可能になり、互いの領域の歪みの状況を加味しなが
らタップ係数の修正量を最適化するような動作が可能に
なる。
【0144】本具体例では、制御パラメータとして歪み
量を例に説明したが、先の具体例の制御パラメータ、及
びそれらの組み合わせを用いた制御も可能であり、ま
た、修正係数を−1から1の範囲の数値とした場合の修
正量の制御手段の適用も可能であり、その場合にはさら
に柔軟な制御ルールの設定が可能になる。
【0145】以上述べてきた具体例をソフトウェアでも
実施可能なことは、図2の具体例の処理フローの一例
(図14)から明らかである。
【0146】また、タップ修正信号列{Ei}tとして
は、基準信号列{X´j}tと誤差信号列{ei}tとの相
関演算によって求める場合を例に説明を行なったが、タ
ップ修正信号列{Ei}tがZF法から求められたもので
あっても問題はない。この場合には、{Ei}t={e
i}tでよいので波形取り込み部411、相関器410を
不要にでき、ハードウェアで実現する場合にはその回路
規模削減が、ソフトウェアで実現する場合にはその処理
の高速化が図れる。
【0147】修正係数αtの推論を行なうためのパラメ
ータ抽出の信号としては、誤差信号列{ei}tについて
説明したが、タップ修正信号列{Ei}tを用いて修正係
数の推論を行なうことも可能である。これは、タップ修
正信号列{Ei}tも歪みの遅延時間や大きさの情報を持
ったものであることから利用可能なことは明らかであ
る。
【0148】推論法においてはマックスミニ合成法、非
ファジィ化については重心法で説明を行なったが、これ
以外の代数積加算法などの推論法や、高さ法などの非フ
ァジィ化法の適用も可能である。
【0149】以上の具体例に適用される基準信号は、8
フィールドシーケンスで伝送されるGCR信号に限るこ
となく、伝送シーケンス、信号波形が異なる基準信号に
も有効に適用することができることは自明である。
【0150】以上の説明では、地上放送におけるゴース
ト障害を解消するゴースト除去装置を例に説明してきた
が、送信側でテレビジョン信号中に基準信号を多重し、
それを基準として伝送特性の改善を行なう、いわゆる自
動波形等化装置などにおいても同様に本発明を適用可能
である。また、この場合の基準信号波形も特に限定され
ることはない。
【0151】
【発明の効果】以上のように、本発明の伝送歪み除去装
置によれば、検出した伝送系の歪みの量、除去過程にお
ける歪みの変化量、ノイズ量などをパラメータとして、
ファジィ推論により、連続的に可変可能なタップ係数の
修正量が導きだされるので、収束が早く、かつ安定で柔
軟な伝送歪み除去動作を実現できる。また、制御系を不
安定にする外乱要素に対応した制御方法をファジィラベ
ルによるIF−THEN形式のルールで記述できるの
で、制御アルゴリズムの構築が容易である。
【0152】また、−1から1の範囲の数値で修正係数
を推論するファジィ推論部と、これに対応したタップ係
数の修正手段を設けることにより、歪みの変化量などを
制御パラメータとして採用した際の伝送歪み除去動作
を、さらに安定で柔軟なものにすることができる。
【0153】また、t回目の修正量の決定だけでなく、t
−1回目のタップ係数に対してもベースクリップなどの
修正手段を用いることにより、ファジィ推論による制御
を適用可能なので、安定性をさらに向上させた制御が実
現できる。
【0154】さらに、タップの修正量を非巡回型フィル
タ部、巡回型フィルタ部に分けて制御することも可能な
ので、制御の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伝送歪み除去装置の一実施例を示すブ
ロック図。
【図2】本発明の伝送歪み除去装置の制御器とファジィ
推論部の一具体例を示す図。
【図3】図2の具体例のメンバーシップ関数の一例を示
す図。
【図4】図2の具体例の推論動作を説明する図。
【図5】本発明の伝送歪み除去装置の制御器とファジィ
推論部の他の一具体例を示す図。
【図6】本発明の伝送歪み除去装置の制御器の他の一具
体例を示す図。
【図7】本発明の伝送歪み除去装置の制御器とファジィ
推論部の他の一具体例を示す図。
【図8】本発明の伝送歪み除去装置の制御器とファジィ
推論部の他の一具体例を示す図。
【図9】本発明の伝送歪み除去装置の制御器とファジィ
推論部の他の一具体例を示す図。
【図10】本発明の伝送歪み除去装置の制御器とファジ
ィ推論部の他の一具体例を示す図。
【図11】本発明の伝送歪み除去装置の制御器とファジ
ィ推論部の他の一具体例を示す図。
【図12】本発明の伝送歪み除去装置の制御器とファジ
ィ推論部の他の一具体例を示す図。
【図13】本発明の伝送歪み除去装置の制御器とファジ
ィ推論部の他の一具体例を示す図。
【図14】図2の具体例をソフトウェアで実施する場合
のフローチャートの一例を示す図。
【符号の説明】
1…テレビジョン信号の入力端子、 2…フィルタ部、 3…テレビジョン信号の出力端子、 4…制御器、 5…ファジィ推論部。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレビジョン信号に重畳されたゴーストな
    どの伝送系の歪みを除去する伝送歪み除去装置におい
    て、伝送歪み除去動作を制御するファジィ制御器を具備
    することを特徴とする伝送歪み除去装置。
  2. 【請求項2】テレビジョン信号に重畳されたゴーストな
    どの伝送系の歪みを除去する伝送歪み除去装置におい
    て、少なくとも、ゴーストなどの伝送歪みを抑圧するた
    めのトランスバーサルフィルタを具備するフィルタ部
    と、フィルタ部の出力を少なくとも入力とし、前記トラ
    ンスバーサルフィルタのタップ係数を制御する制御器
    と、前記トランスバーサルフィルタに与えるタップ係数
    を修正するための修正量を前記制御器に指示するファジ
    ィ推論部とを具備することを特徴とする伝送歪み除去装
    置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の伝送歪み除去装置におい
    て、少なくとも、前記フィルタ部は、ゴーストなどの伝
    送歪みを抑圧するためのトランスバーサルフィルタから
    なる非巡回型フィルタと、巡回型フィルタとを具備し、
    前記非巡回型フィルタと、前記巡回型フィルタのタップ
    係数を制御する制御器と、前記非巡回型フィルタのタッ
    プ係数を修正するための修正量と、前記巡回型フィルタ
    のタップ係数を修正するための修正量とを前記制御器に
    指示する少なくとも1つ以上のファジィ推論部とを具備
    すること特徴とする伝送歪み除去装置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の伝送歪み除去装置におい
    て、前記制御器は、少なくとも、前記フィルタ部の出力
    に得られるテレビジョン信号中に多重されている伝送歪
    み除去のための基準信号を取り込む波形取り込み手段
    と、理想伝送路の特性を示す基準波形を格納する基準波
    形メモリと、前記波形取り込み手段から得られる基準信
    号と、前記基準波形メモリの出力との誤差を求める誤差
    信号検出手段と、前記誤差信号検出手段の出力を一方の
    入力とする乗算器と、前記乗算器の出力を入力としてタ
    ップ係数の更新を行なうタップ係数更新手段とを具備
    し、前記誤差信号検出手段の出力を前記ファジィ推論部
    に入力するようにし、前記ファジィ推論部からの出力を
    前記乗算器の他方に与えるようにしたことを特徴とする
    伝送歪み除去装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の前記制御器において、前
    記フィルタ部に入力するテレビジョン信号中に多重され
    ている伝送歪み除去のための基準信号を取り込む第2の
    波形取り込み手段と、前記誤差信号検出手段の出力と、
    第2の波形取り込み手段の出力とを入力とし、タップ係
    数を修正するための修正信号を生成する相関演算手段と
    を追加具備し、前記相関演算手段の出力を前記乗算器の
    一方の入力とし、前記誤差信号検出手段または相関演算
    手段の出力を前記ファジィ推論部に入力するようにし、
    前記ファジィ推論部からの出力を前記乗算器の他方に与
    えるようにしたことを特徴とする伝送歪み除去装置。
  6. 【請求項6】請求項2に記載の伝送歪み除去装置におい
    て、前記ファジィ推論部は、少なくとも、タップ係数の
    修正量を推論するための制御パラメータ抽出手段と、制
    御ルールを格納したファジィルールメモリと、メンバー
    シップ関数を格納したメンバーシップ値メモリと、前記
    制御パラメータ抽出手段から得られる制御パラメータ
    と、前記ファジィルールメモリの出力と、前記メンバー
    シップ値メモリの出力とを入力とし、タップ係数の修正
    量を推論するファジィ演算部とを具備することを特徴と
    する伝送歪み除去装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の前記パラメータ抽出手段
    は、少なくとも、前記非巡回型フィルタのタップ係数の
    修正量を推論するための第1の制御パラメータ抽出手段
    と、前記巡回型フィルタのタップ係数の修正量を推論す
    るための第2の制御パラメータ抽出手段とを具備し、前
    記第1および第2の制御パラメータ抽出手段から得られ
    る制御パラメータと、前記ファジィルールメモリの出力
    と、前記メンバーシップ値メモリの出力とを入力とし、
    前記非巡回型フィルタのタップ係数の修正量と、巡回型
    フィルタのタップ係数の修正量とを推論することを特徴
    とする伝送歪み除去装置。
  8. 【請求項8】請求項6に記載の前記制御パラメータ抽出
    手段は、少なくとも、前記誤差信号検出手段、または相
    関演算手段の出力に得られる信号の振幅値の2乗和、ま
    たは絶対値和を算出する歪み量検出手段を具備すること
    を特徴とする伝送歪み除去装置。
  9. 【請求項9】請求項6に記載の制御パラメータ抽出手段
    は、少なくとも、前記誤差信号検出手段、または相関演
    算手段の出力に得られる信号の振幅値の最大値を検出す
    る最大値検出手段を具備することを特徴とする伝送歪み
    除去装置。
  10. 【請求項10】請求項6に記載の前記制御パラメータ抽
    出手段は、少なくとも、前記誤差信号検出手段、または
    相関演算手段の出力に含まれるノイズの量を検出するノ
    イズ量検出手段を具備することを特徴とする伝送歪み除
    去装置。
  11. 【請求項11】請求項6に記載の前記制御パラメータ抽
    出手段において、前記歪み量検出手段の出力を入力と
    し、t回目の修正時の歪み量とt−1回目の修正時の歪
    み量との差を求め、その変化量を求める変化量検出手段
    を追加具備することを特徴とする伝送歪み除去装置。
  12. 【請求項12】請求項6に記載の前記制御パラメータ抽
    出手段において、前記歪み量検出手段の出力を入力とし
    歪み量の最小値を選択する最小値選択手段とを追加具備
    することを特徴とする伝送歪み除去装置。
  13. 【請求項13】請求項6に記載の前記制御パラメータ抽
    出手段において、前記誤差信号検出手段、または相関演
    算手段の出力に得られる信号の振幅値の最大値を検出す
    る最大値検出手段と、前記誤差信号検出手段、または相
    関演算手段の出力に含まれるノイズの量を検出するノイ
    ズ量検出手段と、前記歪み量検出手段の出力と、前記最
    大値検出手段の出力との比を求める第1の除算器と、前
    記ノイズ量検出手段の出力と、前記最大値検出手段の出
    力との比を求める第2の除算器とを追加具備し、少なく
    とも前記第1、第2の除算器の出力を前記ファジィ演算
    部に与えることを特徴とする伝送歪み除去装置。
  14. 【請求項14】請求項6に記載の前記制御パラメータ抽
    出手段において、前記歪み量検出手段の出力を入力とし
    歪み量の最小値を選択する第1の最小値選択手段と、前
    記歪み量検出手段の出力と、前記第1の最小値選択手段
    の出力との差を求める第1の減算器と、前記誤差信号検
    出手段、または相関演算手段の出力に含まれるノイズの
    量を検出するノイズ量検出手段と、前記ノイズ量検出手
    段の出力を入力としノイズ量の最小値を選択する最小値
    選択手段と、前記ノイズ量検出手段の出力と、前記第2
    の最小値選択手段の出力との差を求める第2の減算器と
    を追加具備し、少なくとも前記第1、第2の減算器の出
    力を前記ファジィ演算部に与えることを特徴とする伝送
    歪み除去装置。
  15. 【請求項15】請求項4に記載の前記制御器において、
    前記乗算器、あるいは相関演算手段の出力を一方の入力
    とし、出力を前記乗算器に与えるスイッチ回路と、前記
    乗算器の出力を入力とする遅延回路とを追加具備し、前
    記誤差信号検出手段または相関演算手段の出力を前記フ
    ァジィ推論部に入力するようにし、前記ファジィ推論部
    からの出力を前記乗算器の他方に与えるようにし、前記
    遅延回路の出力を前記スイッチ回路の他方の入力に与
    え、前記ファジィ推論部からの出力の符号にて前記スイ
    ッチ回路を制御することを特徴とする伝送歪み除去装
    置。
  16. 【請求項16】請求項4記載の前記制御器において、前
    記乗算器の出力を一方の入力とする減算器と、前記減算
    器の出力を入力とするタップ係数遅延手段と、前記タッ
    プ係数遅延手段の出力を入力とし、その出力が前記減算
    器の他方の入力に接続され、ベースクリップの幅を制御
    する制御端子を具備するベースクリップ手段と、前記ベ
    ースクリップ手段の制御端子と前記乗算器の他方に入力
    端子に供給する信号を制御する制御手段とを具備し、前
    記減算器の出力で前記フィルタ部のタップ係数を定める
    ことを特徴とする伝送歪み除去装置。
  17. 【請求項17】請求項16に記載の前記制御器におい
    て、前記ベースクリップ手段として、前記タップ係数遅
    延手段の出力を一方の入力とし、その出力が前記減算器
    の他方の入力に接続される第2の乗算器で構成したこと
    を特徴とする伝送歪み除去装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0680044A2 (de) * 1994-04-30 1995-11-02 Deutsche Thomson-Brandt Gmbh Verfahren zur Analyse und Entzerrung von Signalen
DE112020000722T5 (de) 2019-02-08 2021-11-18 Soshin Electric Co., Ltd. Resonator und Filter

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EP0680044A2 (de) * 1994-04-30 1995-11-02 Deutsche Thomson-Brandt Gmbh Verfahren zur Analyse und Entzerrung von Signalen
DE4415208A1 (de) * 1994-04-30 1995-11-02 Thomson Brandt Gmbh Verfahren zur Analyse und Entzerrung von Signalen
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