JPH0573028U - バー回転式スクリーンのバケット構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 受棚部への塵芥自然圧着の促進により積荷を
確実にし，バケット間等への塵芥巻込みを防止する。 【構成】 バケットフレーム１７の背面側にスクリーン
バー１８を固着した多数のバケット８を，左右一対の無
端状キヤリングチエン３に取付け，該キヤリングチエン
３を上下部チエンホイル４，５間に巻掛けて水路２等に
配設し，駆動手段により回送して水中の塵芥をすくい上
げて除去するようにしたバー回転式スクリーン１であ
る。前記バケットフレーム１７の塵芥受棚部１７Ｃを，
底板部から背面のスクリーンバー１８側の塵芥捕促高さ
Ｈまで延長し，該受棚部１７Ｃに通水スリット２２，２
３を設けてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，取水路等に設置され塵芥を除去するためのバー回転式スクリーンの バケット構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に，浄水場，発電所等では，河川水や海水を大量に取水しており，水中の 塵芥はバー回転式スクリーンによって除去されている。この種バー回転式スクリ ーンは，取水路の水中に沈設された下部チエンホイルと，その水面上方に配設さ れた上部チエンホイルとの間に無端状のキヤリングチエンが巻き掛けられ，キヤ リングチエンにはスクリーンバーにより形成された縦長スリット状のスクリーン 体を有するバケットを適宜間隔で配設し，上部スプロケットをモーターで駆動す るようになっている（例えば実開昭６１−１４１３３５号公報参照）。

【０００３】 そして，バケットは取水路中の塵芥を捕促して上昇し，上部チエンホイルによ り反転する際，バケットにより捕促された塵芥は自然落下し，固定シュートを経 てトラフに集められて回収されるようになっている。

【０００４】 そして，上部チエンホイル間で反転するバケットのスクリーンバー裏面に対応 しながら同期的に回動し，上部チエンホイル軸に同軸的に配設される断面が正多 角形状の塵芥落下防止回転板を具備している。

【０００５】

【考案が解決しょうとする課題】

ところで，上記従来技術におけるバケットは，四周の壁が板体からなるバケッ トフレームの背面にスクリーンバーを備えているため，水面下から水面上に至る 部分で捕促した塵芥が，排水が悪いため塵芥受棚であるフレーム底板に圧着せず ，十分に捕促できないという問題があり，また塵芥がスクリーンバー間からスク リーン内側に落下し易く，さらに，バケット間にかみ込み詰まるなどの問題があ る。

【０００６】 本考案は，上述のような実状に鑑みてなされたもので，その目的とするところ は，水面下から水面上に至る部分でバケットの受棚部への塵芥自然圧着を促進し かつ積荷を確実にし，バケット間に塵芥が詰まることのないバー回転式スクリー ンのバケット構造を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案では，上記目的を達成するために，次の技術的手段を講じた。 即ち，本考案は，バケットフレームの背面にスクリーンバーを固着した多数の バケットを，左右一対の無端状キヤリングチエンに取付け，該キヤリングチエン を上下部チエンホイル間に巻掛けて水路等に配設し，駆動手段により回送して水 中の塵芥をすくい上げて除去するようにしたバー回転式スクリーンにおいて，前 記バケットフレームの塵芥受棚部を，底板部から背面のスクリーンバー側の塵芥 捕促高さまで延長し，該受棚部に通水スリット又は孔を設けた点に特徴がある。 また，本考案は，前記バケットフレームの上側板開口端縁を，キヤリングチエ ンのローラよりも外側に延出させた点に特徴がある。

【０００８】

【作用】

本考案によれば，バケットが水中の塵芥を捕促して上昇し，水面上に至ると， バケットフレームの受棚部の通水スリット又は孔からバケット内の水がスムーズ に排出され，塵芥が受棚部に自然に圧着して確実に捕促され，受棚部が背面側ま で延長されているので，塵芥がスクリーン内側に落下せず詰まることもない。ま た，このとき，上段バケットから落ちる水や小さいごみ類はバケットフレーム上 側板の延出部によって下段バケット内に落ち込むのが非常に少なくなり，排水効 率がよいうえ，スムーズな運転を行なうことができる。

【０００９】

【実施例】

以下，本考案の実施例を図面に基づき説明する。 図面は本考案の実施例を示し，バー回転式スクリーン（１）は，水路（２）の 幅方向（左右）両側に設けられた一対の無端状キヤリングチエン（３）と，該チ エン（３）を巻掛けた左右一対の上部チエンホイル（４）及び下部チエンホイル （５）と，上下チエンホイル軸（６），（７）と，前記チエン（３）間に取付け た多数のスクリーンバケット（８）と，チエン駆動手段（図示省略）と，上部チ エンホイル軸（６）に左右一対のチエンホイル（４），（４） の夫々の内側に 固着された左右一対の正六角形バケット支持ホイル（９），（９）と，左右一対 の該支持ホイル（９），（９）の外周面間に固着された板状の塵芥落下防止体（ １０）とから成っている。

【００１０】 前記バケット支持ホイル（９）は，ボス（１１）と，アーム（１２）と，各ア ーム（１２）の外端を連結するリム（１３）とからなり，リム（１３）の外周面 が六面体を形成している。 該ホイル（９）の最大多径はチエンホイル（４）のピッチ円直径よりも相当小 さくされ，各バケット（８）の上端部とが干渉しないようになっている。

【００１１】 そして，左右一対の前記バケット支持ホイル（９）のリム（１３）の外周面間 には，ホイル軸（６）と平行に塵芥落下防止体（１０）が架設状に固着されてお り，該落下防止体（１０）の周方向幅はバケット（８）の裏面全体を支持する長 さ，即ちスクリーンバー（８Ｂ）間の隙間を全部塞ぎうる長さとされると共に， 該落下防止体（１０）の回転方向後方端（１０Ａ）がバケット支持ホイル（９） から相当長さ延出されて，各落下防止体（１０）の周方向ピッチが前記キヤリン グチエン（３）のピッチと略同一とされている。

【００１２】 なお，図１において，（１４）はシュート，（１５）はトラフ，（１６）はス ラブであり，前記バー回転式スクリーン（１）はスラブ（１６）上に支持フレー ム等（図示省略）により立設されている。 また，前記バケット支持ホイル（９）は，図２に示すように一体的に成形し， リム（１３）を固着することなく外周全面を覆う塵芥落下防止板（１０）により 塞ぐことができる。

【００１３】 前記スクリーンバケット（８）は，四周の金属板製バケットフレーム（１７） と，該フレーム（１７）の背面側に幅方向に一定の間隔で平行に多数配設された スクリーンバー（１８）と，スクリーンバー兼用底板補強材（１９）とから成り ，左右両側板（１７Ｂ）が前記キヤリングチエン（３）に連結部材（２０）によ り着脱可能に連結一体化されている（図２参照）。

【００１４】 そして，前記バケットフレーム（１７）の上側板（１７Ａ）は，図３に示すよ うに，その開口端縁（２１）がキヤリングチエン（３）のローラ（３Ａ）よりも 相当長外側に延出されて，上段側バケット（８）から落下した水や小さなごみ類 を，下段側バケット（８）内に流入させることなく外側に導びくようにして，下 段側バケット（８）からの排水を効率よく行なうようになっている。

【００１５】 バケットフレーム（１７）の底板部は塵芥受棚部（１７Ｃ）とされ，底板から 背面のスクリーンバー（１８）外側の塵芥捕促高さ（Ｈ）（即ち塵芥堆積高さ） まで延長されており，前記補強材（１９）が前記スクリーンバー（１８）と同ピ ッチでかつ一致するように平行状に底板内側に固着され，これら受棚部（１７Ｃ ）には，各補強材（１９）及びスクリーンバー（１８）間に互に平行に通水スリ ット（２２），（２３）が開設され，排水効率の向上と塵芥類の自然圧着による 塵芥捕促の確実化を図っている。

【００１６】 なお，前記塵芥受棚部（１７Ｃ）は，図５に示すように抜孔（２４）を設けた 板例えばパンチングメタルを利用することができる。また，図６に示すように， 前記受棚部（１７Ｃ）の背面側は，バーピッチ（ｐ）の半分の幅をもち，かつ塵 芥堆積高さ（Ｈ）に相当する長さを有するフラットバー（２５）をスクリーンバ ー（１８）に固着した構成とすることができ，この場合，前記塵芥落下防止体（ １０）の上面に塵芥押出し羽根を設けて，スクリーンバー（１８）及びフラット バー（２５）間に詰っている塵芥をバケット（８）内に押出すことができる。

【００１７】 上記実施例によれば，バケット（８）が水中の塵芥を捕促して上昇し，水面上 に至ると，バケットフレーム（１７）の塵芥受棚部（１７Ｃ）の通水スリット（ ２２），（２３）又は抜孔（２４）から，バケット（８）内の水がスムーズに排 出され，塵芥が受棚部（１７Ｃ）に自然に圧着して確実に捕促され，受棚部（１ ７Ｃ）が背面側まで延長されているので，塵芥がスクリーン（１）内側に落下す ることがなく，又バケット（８）相互間にまき込むことはない。

【００１８】 本考案は，上記実施例に限定されるものではなく，適宜設計変更することがで きる。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は，上述のように，前記バケットフレームの塵芥受棚部を，底板部から 背面のスクリーンバー側の塵芥捕促高さまで延長し，該受棚部に通水スリット又 は孔を設けたことを特徴とするものであるから，水面下から水面上に至る部分で バケットの塵芥受棚部への塵芥自然圧着を促進して積荷を確実に行なうことがで き，また，各バケット間及びバケット支持ホイル等との間に塵芥を巻き込んだり 詰まったりすることがなく，能率的に除塵作業を行なうことが可能である。

【００２０】 また，本考案は，バケットフレームの上側板開口端縁を，キヤリッジチエンの ローラよりも相当量外側に延出させたことを特徴とするものであるから，上段側 バケットから落ちる水や小さいごみ類が，バケット上側板延出部によって下段側 バケット内に落ちるのが非常に少なくなり，排水効率を高めうると共に円滑な運 転を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を採用したバー回転式スクリーンの全体
概略側面図である。

【図２】本考案の実施例の要部を示す背面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図４】図３のＢ矢視図である。

【図５】塵芥受棚部の他の実施例の要部を示す底面図で
ある。

【図６】塵芥受棚部のさらに他の実施例の要部を示す底
面図である。

【符号の説明】

１ バー回転式スクリーン ２ 水路 ３ キヤリングチエン ３Ａ ローラ ４ 上部チエンホイル ５ 下部チエンホイル ８ スクリーンバケット １７ バケットフレーム １７Ａ 上側板 １７Ｃ 塵芥受棚部 １８ スクリーンバー ２１ 上側板開口端縁 ２２，２３ 通水スリット ２４ 抜孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バケットフレームの背面側にスクリーン
   バーを固着した多数のバケットを，左右一対の無端状キ
   ヤリングチエンに取付け，該キヤリングチエンを上下部
   チエンホイル間に巻掛けて水路等に配設し，駆動手段に
   より回送して水中の塵芥をすくい上げて除去するように
   したバー回転式スクリーンにおいて，前記バケットフレ
   ームの塵芥受棚部を，底板部から背面のスクリーンバー
   側の塵芥捕促高さまで延長し，該受棚部に通水スリット
   又は孔を設けたことを特徴とするバー回転式スクリーン
   のバケット構造。
2. 【請求項２】 前記バケットフレームの上側板開口端縁
   は，キヤリングチエンのローラよりも外側に延出してい
   ることを特徴とする請求項１のバー回転式スクリーンの
   バケット構造。