JPH0572750U - 包装容器の封緘構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 開封しやすい、包装容器の封緘構造を提供す
る。 【構成】 容器本体１の口縁６が内側に絞られている。
この口縁６には、インナーシール材５が貼着されてい
る。インナーシール材５は、蓋２の内壁の直径と略同一
の外径を持つものであるため、内側に絞られている口縁
６の外径よりも大きい。この結果、インナーシール材５
の外周部が、口縁６の外周縁よりも外側に張り出してい
ることになる。この包装容器の封緘構造を開封するに
は、まず蓋２を容器本体１から取り外す。この際、イン
ナーシール材５は、パッキング１０とメンブレン１１と
に剥離し、メンブレン１１は口縁６に貼着されたままで
ある。メンブレン１１の外径は、インナーシール材５の
外径と略同一であるので、メンブレン１１の外周部は、
口縁６の外周縁よりも外側に張り出している。この外周
部を手指で把持してメンブレン１１を除去する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、インナーシール材を容器本体の口縁に貼着してなる包装容器の封緘 構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、インナーシール材を使用した包装容器の封緘構造は、図１に示す如 き態様になっている。即ち、容器本体１に蓋２が嵌合されており、この蓋２の頭 ３と爪４の間に装入されたインナーシール材５が容器本体１の口縁６に貼着され ている。容器本体１の口部７の所定箇所には凸条８が設けられており、且つ蓋２ の所定箇所にも凸条９が設けられている。この凸条８と凸条９とが係合すること により、容器本体１と蓋２とが密着して嵌合されているのである。また、インナ ーシール材５は、パッキング１０とメンブレン１１とが積層接着されてなるもの である。

【０００３】 以上の如き、包装容器の封緘構造を開封するには、凸条８と凸条９との係合を 離脱させ、容器本体１から蓋２を取り外す。この際、蓋２の頭３と爪４の間に装 入されているインナーシール材５は、爪４に引っ掛かり、パッキング１０とメン ブレン１１とが剥離する。そして、パッキング１０は、蓋２の頭３と爪４との間 に装入されたままであり、一方メンブレン１１は容器本体１の口縁６に貼着され たままである。その後、このメンブレン１１を口縁６から除去することによって 、容器本体１に封入されている内容物を取り出すことができるのである。

【０００４】 しかしながら、従来の包装容器の封緘構造においては、メンブレン１１を口縁 ６から除去することが困難であるという欠点があった。これは、メンブレン１１ の外径（即ち、インナーシール材５の外径）と、容器本体１の口縁６の外径とが 略同一（外径差1mm未満、具体的には0.5mm程度）であるため、メンブレン１１の 外周部を手指で把持することが困難だからである。このため、メンブレン１１の 外周部が口縁６に貼着されたままの状態で、メンブレン１１の中央部を破って、 内容物を取り出すことも行なわれている。しかし、この場合、口縁６の周囲に残 っているメンブレン１１に内容物が付着し、衛生的でないという欠点や、内容物 が取り出すにくいという欠点があった。また、口縁６の周囲に不均一にメンブレ ン１１が残っているので、再封時に、パッキング１０による締め付けが不十分に なり、内容物に対する防湿性に欠けるという欠点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記の如き従来技術の欠点の根本的原因は、容器本体１と蓋２の形状にある。 即ち、容器本体１の口部７は、全体に亙って、蓋２の内壁と近接している。従っ て、口部７の先端である口縁６の外径と、蓋２の所定箇所に装入されるインナー シール材５の外径（即ち、メンブレン１１の外径）とは、略同一になって、上記 の如き欠点が惹起されるのである。そこで、本考案は、メンブレン１１を口縁６ から除去しやすいようにするため、容器本体１の口部７或いは口縁６の外形、及 び蓋２の内形を工夫することにより、口縁６の外径よりもメンブレン１１の外径 を1mm以上大きくし、メンブレン１１の外周部を手指で把持しやすくしたもので ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

即ち、本考案は、容器本体１の口部７の外方に設けられた凸条８と、蓋２の内 壁に設けられた凸条９とが係合することによって、容器本体１の口部７に蓋２が 嵌合されてなり、且つ容器本体１の口縁６には、蓋２の頭３と爪４の間に装入さ れたインナーシール材５が貼着されてなる包装容器の封緘構造において、口縁６ の外径は、容器本体１の口部７に設けられた凸条８の基底部１２の外径よりも小 さく、且つインナーシール材５の外径は、容器本体１の口部７に設けられた凸条 ８の基底部１２の外径よりも大きく、これにより、インナーシール材５の外周部 は、口縁６の外周縁よりも外側に張り出していることを特徴とする包装容器の封 緘構造に関するものである。

【０００７】

【実施例】

以下、図面に基づいて、本考案を説明する。 図２は、本考案の一例に係る包装容器の封緘構造の縦断面図である。容器本体 １の口部７に設けられた凸条８と、蓋２の内壁に設けられた凸条９とを係合する ことによって、容器本体１の口部７には蓋２が嵌合されている。凸条８と凸条９ とは、単に両者を噛合することによって係合してもよいし、両者を螺合すること によって係合してもよい。また、その他の任意の手段で係合してもよい。蓋２の 頭３と爪４の間には、インナーシール材５が装入されている。そして、このイン ナーシール材５は、容器本体１の口縁６に貼着されている。インナーシール材５ は、パッキング１０とメンブレン１１とが積層接着されてなるものであり、パッ キング１０とメンブレン１１の外径は略同一である。また、容器本体１の口縁６ に貼着されるのは、インナーシール材５のメンブレン１１が貼着されるのである 。

【０００８】 本考案において、重要なことは、容器本体１の口縁６の外径が小さくなるよう に、内側に絞られていることである。これを、容器本体１の口部７の形状及び蓋 の形状に基づいて説明すると、以下のとおりになる。即ち、口縁６の外径は、口 部７に設けられた凸条８の基底部１２の外径よりも小さくなっている。蓋２に設 けられた凸条９の基底部１３の内径は、凸部８の先端部の外径と略同一になって いる。これによって、凸部８と凸部９とが係合し、蓋２が容器本体１の口部７に 密着嵌合されるのである。蓋２の頭３と爪４の間、即ちインナーシール材５が装 入される箇所における、蓋２の内壁の直径は、蓋２に設けられた凸条９の基底部 １３の内径と略同一である。従って、蓋２の内壁の直径は、容器本体１の口部７ に設けられた凸条８の先端部の外径と略同一ということになる。インナーシール 材５の外径は、蓋２の頭３と爪４の間の箇所における、蓋２の内壁の直径と略同 一であるから、結局インナーシール材５の外径は、容器本体１の口部７に設けら れた凸条８の先端部の外径と略同一になるのである。従って、インナーシール材 ５の外径は、容器本体１の口縁６の外径よりも大きくなり、インナーシール材５ の外周部は口縁６の外周縁よりも外側に張り出していることになるのである。

【０００９】 以上の如き、インナーシール材５と容器本体１の口縁６との関係を、結果とし て見れば、インナーシール材５の外径は、容器本体１の口縁６の外径よりも大き いということである。この外径差は、1〜8mmである。外径差が1mm未満であると 、インナーシール材５の外周部が、口縁６の外周縁から外側へ十分に張り出さず 、手指でメンブレン１１を把持しにくくなるため、好ましくない。また、外径差 は8mm以下で十分であり、8mmを超えて外径差を設ける必要はあまりない。本考案 においては、特に外径差を2〜4mm程度に設定するのが、好ましい。

【００１０】 図２に示した例においては、口縁６がテーパ状に内側に絞られているが、例え ば図３に示したように、階段状に口縁６が内側に絞られていても良い。本考案に 係る包装容器に収納しうる内容物としては、主として食料品や医薬品である。ま た、湿気や酸化を嫌う半導体チップ等の工業材料の部品等を内容物とすることも 可能である。

【００１１】

【作用及び考案の効果】

以上説明したように、本考案に係る包装容器の封緘構造は、容器本体の形状、 特に口部の形状を工夫して、インナーシール材の外径を容器本体の口縁の外径よ りも十分に大きくした。従って、包装容器の蓋を取り外した際、口縁に貼着され たまま残る、インナーシール材のメンブレンの外周部は、口縁の外周縁よりも外 側に張り出しているので、この外周部を手指で把持することが容易に行なえる。 依って、メンブレンを手指で把持して口縁への貼着を剥離させれば、容易にメン ブレンを除去することができるのである。

【００１２】 即ち、本考案に係る包装容器の封緘構造は、開封時においてメンブレンの外周 部を手指で把持して、容易に口縁からメンブレンを剥離除去することができるの で、開封後においてメンブレンを口縁に貼着した状態で残存させることを防止で きる。従って、内容物を取り出す際に、メンブレンに内容物が付着するのを防止 でき、衛生的であるという効果を奏する。また、内容物を取り出す際に、メンブ レンが障害になることを防止でき、内容物を取り出しやすいという効果を奏する ものである。また、メンブレンが口縁に不均一に残存することが少ないので、再 封時において、パッキングによって口縁が十分に締め付けられ、内容物に対する 防湿性が向上するという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の包装容器の封緘構造の一例を示した縦断
面図である。

【図２】本考案の一例に係る包装容器の封緘構造を示し
た縦断面図である。

【図３】本考案の他の例に係る包装容器の封緘構造に用
いる容器本体の口部の形状を示した縦断面図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ 蓋 ３ 蓋の頭 ４ 爪 ５ インナーシール材 ６ 容器本体の口縁 ７ 容器本体の口部 ８ 容器本体に設けられた凸条 ９ 蓋に設けられた凸条 １０ パッキング １１ メンブレン １２ 容器本体に設けられた凸条の基底部 １３ 蓋に設けられた凸条の基底部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体の口部の外方に設けられた凸条
   と、蓋の内壁に設けられた凸条とが係合することによっ
   て、該容器本体の口部に該蓋が嵌合されてなり、且つ該
   容器本体の口縁には、該蓋の頭と爪の間に装入されたイ
   ンナーシール材が貼着されてなる包装容器の封緘構造に
   おいて、該口縁の外径は、該容器本体の口部に設けられ
   た凸条の基底部の外径よりも小さく、且つ該インナーシ
   ール材の外径は、該容器本体の口部に設けられた凸条の
   基底部の外径よりも大きく、これにより、該インナーシ
   ール材の外周部は、該口縁の外周縁よりも外側に張り出
   していることを特徴とする包装容器の封緘構造。
2. 【請求項２】 容器本体の口部の外周に設けられた凸条
   と、蓋の内周に設けられた凸条とが係合することによっ
   て、該容器本体の口部に該蓋が嵌合されてなり、且つ該
   容器本体の口縁には、該蓋の頭と爪の間に装入されたイ
   ンナーシール材が貼着されてなる包装容器の封緘構造に
   おいて、該インナーシール材の外径は、該容器本体の口
   縁の外径よりも1〜8mm大きいことを特徴とする包装容器
   の封緘構造。