JPS6137642Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は酒類等飲料用瓶の封緘蓋の改良に関す
るものである。

（従来技術） 周知の如く、酒類やその他飲料の封緘蓋として
はアルミニウム等の薄金属板でコツプ状に形成
し、これの下部に造り出された摘持片部分を立て
起して円周方向に引張ることで、予め胴周部分に
刻設しておいた斜め切線と摘持片形成部との間に
設けられている連接部を引き裂いて開封するよう
になつており、そのためにこの摘持片を摘んで引
き裂く際注意深く操作しないと指先を切傷するこ
とがあり、また切開用切線が充分に形成されてい
ないか、摘持片に対する力の加え方が適切でなか
つた場合には、しばしば開封されずに摘持片が胴
部から千切れて役立たなくなり、開封が困難にな
る等の問題点がある。

また従来金属薄板製のコツプ状封緘蓋だけでは
密封できないので、必ずいわゆる中栓と組合せて
使用しなければならないので、近時この封緘蓋と
中栓とを組合せ構造にしたものも種々提案されて
いるが、構造的に複雑化して、しかも冠筒側の破
封部における前記した問題点については未だ解決
されるに到つていない。勿論、摘持片部での指先
切傷などの危険性を解消するにはプルリングのよ
うなものを付設して処理し易くすることも考えら
れるけれど、このようなものを付設するには手数
を多く必要とするのみならず、自動封緘装置によ
つて瓶口に対し封緘する工程で封緘蓋同士が摘持
片部分で引掛り合い整列配分して瓶口に対し供給
する操作の円滑化を欠き、瓶封作業が中断する
等、製作上の価格の上昇のみならず取扱い上にお
いても問題点がある。

（考案の目的） 本考案は斯かる従来の問題点を解決して、瓶封
緘蓋としての製作が容易で、しかも封緘作業や瓶
封後の一般市場における取扱い、即ち開封に際し
てもその操作が安全確実に行い得るようにした中
栓と封緘蓋とを一体に組合せてなる瓶封緘蓋を提
供することにある。

（考案の構成） 本考案は、合成樹脂材による瓶栓体の鍔部外周
から適宜長さで薄肉の封緘筒部を一体に形成し、
該合成樹脂材製瓶栓の鍔部から封緘筒の打栓絞縮
位置までの外面を薄金属板にて被覆し、かつ前記
瓶栓鍔部の外周に設けた溝に沿い薄金属板天蓋部
と封緘絞縮環とを巻絞め分離して一体に取付け、
前記封緘筒の胴部適所には下端部を残して逆Ｕ字
状に切線を入れて摘持片を設け、該摘持片の両側
には適宜間隔をおいて封緘蓋軸線方向にそれぞれ
下端部を残して封緘筒と封緘絞縮環の下半部とに
切線を刻設し、瓶の封緘を行つた後の開封時には
摘持片を引張ることにより、封緘筒部を介して封
緘絞縮環を破断し、開封できるように構成したも
のである。

（実施例） 以下本考案封緘蓋を一実施例について図面によ
り詳述すれば、第１図及び第２図において、封緘
蓋１はポリエチレン樹脂のように軟質の合成樹脂
材にて瓶栓体２及び封緘筒３を一体に成形したも
のと、瓶栓体２の上面を覆つて鍔部５外周で巻締
め定着した薄金属板（たとえばアルミニウム板）
製の天蓋１０と連接して打栓時の瓶首外周に絞縮
する位置まで封緘筒３に被嵌定着する薄金属板製
の封緘絞縮環１１とからなる。

而して瓶栓体２は図示の如く栓体４部分を上側
（天板側）が開放されて適宜肉厚で弾性を所有す
る形状になつており、鍔部５外周にはその下寄り
位置に溝６を刻設してあり、かつ鍔部５下面に瓶
２０口端部にほぼ沿うような凹曲面部７を栓体４
基部の周囲に形成し、この凹曲面部７の外側延長
部における内周面には細紐状の突条８を形成し、
この凹曲面部７外側を下方に延長して前記突条８
部分より下方を所要長薄肉の封緘筒３として一体
に成形してなる。なお前記鍔部５外周に設けた天
蓋１０端部の巻込み取付けのための溝６よりやや
下部にはもう一条封緘用の絞縮環１１固着用溝９
を刻設してある。そして天蓋１０及び絞縮環１１
はアルミニウム板の如き展延性の大なる薄金属板
（これに限定されるものではない）にて図示の如
く、天蓋１０と絞縮環１１とは当初一体に形成し
たものを瓶栓体２に被嵌して鍔部５の溝６部分で
巻込み切断して、天蓋１０は瓶栓体２の溝部に端
縁を巻込み固着し、絞縮環１１は鍔部５下部の固
着用溝６と前記溝９部とに絞縮係合せしめて固着
してなる。

このようにして金属板構造の部分と合成樹脂製
の部分とを一体に組合せた状態のもとで、第２図
で示すように合成樹脂にてなる封緘筒３の金属板
が被嵌していない胴部に、裾拡がりの逆Ｕ字状に
該筒下端から適宜寸法ｈだけ残して切線１４を入
れ、この切線１４によつて囲まれた部分が摘持片
１５となるようにし、この摘持片１５形成部の両
側にそれぞれ適宜寸法離れて封緘蓋の軸線方向に
平行して筒３下端３′から摘持片１５の切線１４
端よりも残留寸法h′が少ない状態で破断用の切線
１６，１６を刻設し、この切線１６，１６は途中
を一部中断して、かつ封緘絞縮環１１の部分にも
通ずるよう刻設したのである。

斯くの如く構成した本考案封緘蓋は従来の中栓
を備えた所謂栓付き瓶蓋と同様に取扱い、瓶首部
２０に被嵌して栓体４を瓶口内嵌挿し、装着する
と、丁度瓶首部２０の外周に設けられた絞縮固着
のための瓶首外周溝部２１位置に封緘蓋１の絞縮
環１１下端部が対向するようになつているので、
周知の封緘機によつてこの絞縮環１１を絞緘して
その内部にある合成樹脂製の封緘筒３諸共に絞縮
し封緘される。この状態では金属板製の絞縮環１
１が絞られて変形しているから内側の合成樹脂製
封緘筒３はそれらにつられて変形し、復元するこ
となしに封緘状態を保持する。この状態では絞縮
によつて封緘筒３は一部が延伸し、絞縮部分に隣
接する摘持片１５の上端が筒３部からやや浮出し
たようになつている。

次に開封するに際しては、第３図に示すように
瓶首部２０に対して絞縮封緘してある封緘蓋１の
やや上端部が浮出した摘持片１５の上端を前方に
引き出して摘み、そのまま該摘持片１５を手前に
引張るようにすれば、摘持片１５の下部は適宜寸
法ｈ封緘筒３下端との間を繋がれているのに対し
て、この摘持片１５の両側に配した切線１６，１
６の各下端と封緘筒３下端３′との寸法h′の方が
短かくなつているので、この切線１６，１６と筒
下端３′との繋ぎ部が引き裂かれ、これと同時に
該切線１６，１６の途中の繋ぎ部１６′，１６′も
切断し、この両切線１６，１６間の封緘筒胴部分
が全面的に手前に引張られることで切線１６，１
６に連結する封緘絞縮環１１に付した切線１７，
１７にまで引裂き力を付加し、筒３側の摘持片１
５を有して切線１６，１６によつて引き裂かれた
部分をそのまま上向きに引き上げるようにするこ
とで、該絞縮環１１が切線１７，１７の延長部分
を引き裂かれ、その結果金属板にてなる絞縮環１
１が破断して絞縮力が解消し、この絞縮環１１の
封緘蓋１瓶栓体２に対する固着が外れて取り除か
れるから、封緘が完全に破られる（第４図参
照）。従つて瓶栓体２の鍔５部を持つて引き上げ
ることにより栓体４を瓶口２２が取り外すことが
できるのである。

なお、予め封緘筒３の上部外周で丁度絞縮環１
１にてかくれる部分に切り込み線を円周方向に付
しておくようにすれば、開封後、この切込み線に
沿つて封緘筒を切り取ることで天蓋１０を備えた
栓体のみが残り瓶栓としてそのまま使用できるこ
とになり、好都合である。

（考案の効果） 本考案は斯くの如く構成されているので、瓶に
対する封緘作業に際して従来の単一封緘蓋や栓付
封緘蓋と同様に取扱うことができて全く支障な
く、封緘時には塑性変形容易な薄金属板にてなる
絞縮環部において封緘を確実に行うことができ、
しかも開封時には薄肉の合成樹脂製筒部に設けて
ある摘持片を摘んで引張ることにより金属板にて
なる封緘絞縮環を封緘筒部と共に引き裂いて破断
し開封でき、軟質の合成樹脂部を摘持できるので
指先を傷めることもなく安全に開封できる等従来
の問題点を解決して、その上従来のものと同様に
低廉で提供できる等実用的効果大なるものであ
る。

なお、本考案の趣旨に則すれば上記実施例に限
定されるものではなく、部分的に改変することも
本願考案に属することはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例拡大縦断面図、第２
図は外形正面図、第３図は封緘状態を示す図、第
４図は開封状態を示す図である。 １……瓶封緘蓋、２……瓶栓体、３……封緘
筒、４……栓体、５……鍔、６，９……溝、１０
……天蓋、１１……封緘絞縮環、１４，１６，１
７……切線、１５……摘持片、２０……瓶首部、
２１……瓶首外周溝部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂材による瓶栓体の鍔部外周から適宜長
   さで薄肉の封緘筒部を一体に形成し、該合成樹脂
   製瓶栓の鍔部から封緘筒の打栓絞縮位置までの外
   面を薄金属板にて被覆し、かつ前記瓶栓鍔部の外
   周に設けた溝に沿い薄金属板天蓋部と封緘絞縮環
   とを巻絞め分離して一体に取付け、前記封緘筒の
   胴部適所には下端部を適宜残して逆Ｕ字状に切線
   を入れて摘持片を設け、該摘持片の両側には適宜
   間隔をおいて軸線方向にそれぞれ前記摘持片形成
   切線の残余部より短かい寸法で下端部を残して封
   緘筒と前記封緘絞縮環の下半部とに切線を刻設し
   たことを特徴とする瓶封緘蓋。