JPH0572692A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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Publication number
JPH0572692A
JPH0572692A JP26318091A JP26318091A JPH0572692A JP H0572692 A JPH0572692 A JP H0572692A JP 26318091 A JP26318091 A JP 26318091A JP 26318091 A JP26318091 A JP 26318091A JP H0572692 A JPH0572692 A JP H0572692A
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JP
Japan
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silver halide
substituent
chemical
represented
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Pending
Application number
JP26318091A
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English (en)
Inventor
Shigeto Hirabayashi
茂人 平林
Shuichi Sugita
修一 杉田
Chikamasa Yamazaki
力正 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高画質で露光量に対するラチチュードが広
く、処理変動性に優れ、色再現性の良好なハロゲン化銀
カラー写真感光材料を提供すること。 【構成】 緑感性ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層
に、化1で表されるマゼンタカプラーと、化2で表され
る化合物を含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化1】 Zは含窒素複素環を形成する非金属原子群を、Xは水素
原子又は離脱基を、Rは水素原子又は置換基を表す。 【化2】 1はアルキル基を表し、R 2はアルキル基、アリール基
を、R 3はオキシカルボニル基、スルホンアミド基、カ
ルバモイル基、アシルアミノ基、ウレイド基、オキシカ
ルボニルアミノ基、スルホニルオキシ基、カルボニルオ
キシ基、スルファモイル基を、R 4は置換基を、nは0
〜3の整数を、Xは発色現像主薬の酸化体とカップリン
グして離脱した際、オルトーキノンメチド又はパラーキ
ノンメチドを形成して、現像抑制剤又はその前駆体を放
出する基を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー写真
感光材料に関し、詳しくは、高画質で露光量に対するラ
チチュードが広く、かつ、処理変動性に優れ、さらに色
再現性の良好なハロゲン化銀カラー写真感光材料に関す
る。
【0002】
【発明の背景】撮影用ネガ型カラー写真感光材料には種
々の点でその性能向上が要請されており、とりわけ近年
のスモールフォーマット化に伴い、色再現性、粒状性、
鮮鋭性等に高度な画質向上が要望されている。
【0003】又、現在カラー写真は、カラーネガフイル
ムで撮影し、カラープリント用写真感光材料に引き伸ば
しカラープリントとするいわゆるネガ−ポジ方式が広く
普及している。この1つの理由は、カラーネガフイルム
が非常に大きな露光寛容度(ラチチュード)を有し、撮
影時に失敗する確率が非常に低く、専門知識のない一般
ユーザーでも気軽にカラー写真が撮れるということであ
る。これはリバーサルフイルム等とは違ってネガ−ポジ
方式の大きな特徴であって、カラーネガフイルムにおい
ては上述の粒状性、鮮鋭性の向上とともに、巾広いラチ
チュードを有するということが重要である。
【0004】例えば色再現性については、米国特許3,
725,067号、特開昭58−42045号、同59
−171956号、同60−43659号、同60−1
90779号等には二次吸収のないマゼンタカプラーを
用いて色再現性を改良する技術が開示されている。
【0005】上記特許群に示されるピラゾロアゾール環
を有するマゼンタカプラーは、特に赤色再現の鮮やかさ
において比類のない改良をもたらしたが、現像処理変
動、特に現像液のpH変動に対して発色濃度変化が大きい
という欠点を有し、これの改良が望まれていた。
【0006】この問題に対して本発明者らは、特願平1
−263938号に記載の如き、いわゆる処理変動改良
剤が有効であることを見いだしたが、その効果はまだ充
分とはいい難いものであった。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、高画質で露光量に対す
るラチチュードが広く、かつ、処理変動性に優れ、さら
に色再現性の良好なハロゲン化銀カラー写真感光材料を
提供することにある。
【0008】
【発明の構成】本発明の目的は、支持体上に青感性ハロ
ゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層及び赤感性
ハロゲン化銀乳剤層を含む写真構成層を有するハロゲン
化銀カラー写真感光材料において、緑感性ハロゲン化銀
乳剤層の少なくとも一層に、下記一般式[M−I]で表
されるマゼンタカプラーの少なくとも一種と、下記一般
式[D−I]で表される発色現像主薬の酸化体との反応
により現像抑制剤もしくは現像抑制剤の前駆体を放出し
得る化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とす
るハロゲン化銀カラー写真感光材料によって達成され
る。
【0009】
【化3】 [式中、Zは含窒素複素環を形成するのに必要な非金属
原子群を表し、該Zにより形成される環は置換基を有し
てもよい。Xは水素原子又は発色現像主薬の酸化体との
反応により離脱しうる基を表し、Rは水素原子又は置換
基を表す。]
【0010】
【化4】 [式中、R 1はアルキル基を表し、R 2はアルキル基又は
アリール基を表し、R 3はオキシカルボニル基、スルホ
ンアミド基、カルバモイル基、アシルアミノ基、ウレイ
ド基、オキシカルボニルアミノ基、スルホニルオキシ
基、カルボニルオキシ基又はスルファモイル基を表す。
4は置換基を表し、nは0、1、2、3を表す。Xは
発色現像主薬の酸化体とカップリングして離脱した際、
オルト−キノンメチド又はパラ−キノンメチドを形成し
て、現像抑制剤又はその前駆体を放出する基を表す。] 以下、本発明について詳述する。
【0011】まず、本発明の一般式[M−I]で表され
るマゼンタカプラーについて説明する。
【0012】
【化5】 式中、Zは含窒素複素環を形成するのに必要な非金属原
子群を表し、該Zにより形成される環は置換基を有して
もよい。Xは水素原子又は発色現像主薬の酸化体との反
応により離脱そうる基を表し、Rは水素原子又は置換基
を表す。
【0013】Rの表す置換基としては特に制限はない
が、代表的には、アルキル、アリール、アニリノ、アシ
ルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチ
オ、アルケニル、シクロアルキル等の各基が挙げられる
が、この他にハロゲン原子及びシクロアルケニル、アル
キニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニ
ル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、
アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、シロキ
シ、アシルオキシ、カルバモイルオキシ、アミノ、アル
キルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミ
ノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカル
ボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシ
カルボニル、複素環チオの各基、ならびにスピロ化合物
残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙げられる。
【0014】Rで表されるアルキル基としては、炭素数
1〜32のものが好ましく、直鎖でも分岐でもよい。
【0015】Rで表されるアリール基としては、フェニ
ル基が好ましい。
【0016】Rで表されるアシルアミノ基としては、ア
ルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ
基等が挙げられる。
【0017】Rで表されるスルホンアミド基としては、
アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミ
ノ基等が挙げられる。
【0018】Rで表されるアルキルチオ基、アリールチ
オ基におけるアルキル成分、アリール成分は上記Rで表
されるアルキル基、アリール基が挙げられる。
【0019】Rで表されるアルケニル基としては、炭素
数2〜32のもの、シクロアルキル基としては、炭素数
3〜12、特に5〜7のものが好ましく、アルケニル基
は直鎖でも分岐でもよい。
【0020】Rで表されるシクロアルケニル基として
は、炭素数3〜12、特に5〜7のものが好ましい。
【0021】Rで表されるスルホニル基としては、アル
キルスルホニル基、アリールスルホニル基等;スルフィ
ニル基としては、アルキルスルフィニル基、アリールス
ルフィニル基等;ホスホニル基としては、アルキルホス
ホニル基、アルコキシホスホニル基、アリールオキシホ
スホニル基、アリールホスホニル基等;アシル基として
は、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基等;
カルバモイル基としては、アルキルカルバモイル基、ア
リールカルバモイル基等;スルファモイル基としては、
アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基
等;アシルオキシ基としては、アルキルカルボニルオキ
シ基、アリールカルボニルオキシ基等;カルバモイルオ
キシ基としては、アルキルカルバモイルオキシ基、アリ
ールカルバモイルオキシ基等;ウレイド基としては、ア
ルキルウレイド基、アリールウレイド基等;スルファモ
イルアミノ基としては、アルキルスルファモイルアミノ
基、アリールスルファモイルアミノ基等;複素環基とし
ては、5〜7員のものが好ましく、具体的には2−フリ
ル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベン
ゾチアゾリル基等;複素環オキシ基としては、5〜7員
の複素環を有するものが好ましく、例えば3,4,5,
6−テトラヒドロピラニル−2−オキシ基、1−フェニ
ルテトラゾール−5−オキシ基等;複素環チオ基として
は、5〜7員の複素環チオ基が好ましく、例えば2−ピ
リジルチオ基、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2,4−
ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ基
等;シロキシ基としては、トリメチルシロキシ基、トリ
エチルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等;イミ
ド基としては、コハク酸イミド基、3−ヘプタデシルコ
ハク酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイミド基
等;スピロ化合物残基としては、スピロ[3.3]ヘプ
タン−1−イル等;有橋炭化水素化合物残基としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル、トリシク
ロ[3.3.1.13,7]デカン−1−イル、7,7−
ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル
等が挙げられる。
【0022】Xの表す発色現像主薬の酸化体との反応に
より離脱しうる基としては、例えばハロゲン原子(塩素
原子、臭素原子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリー
ルオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオ
キシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカ
ルボニル、アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキ
ザリルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チ
オ、アルキルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミ
ノ、スルホンアミド、N原子で結合した含窒素複素環、
アルキルオキシカルボニルアミノ、アリールオキシカル
ボニルアミノ、カルボキシル、
【0023】
【化6】 (R1′は前記Rと同義であり、Z′は前記Zと同義で
あり、R2′及びR3′は水素原子、アリール基、アルキ
ル基又は複素環基を表す。)等の各基が挙げられるが、
好ましくはハロゲン原子、特に塩素原子である。
【0024】また、Z又はZ′により形成される含窒素
複素環としては、ピラゾール環、イミダゾール環、トリ
アゾール環又はテトラゾール環等が挙げられ、前記環が
有してもよい置換基としては前記Rについて述べたもの
が挙げられる。
【0025】一般式[M−I]で表されるものは更に具
体的には例えば下記一般式[M−II]〜[M−VII]に
より表される。
【0026】
【化7】 前記一般式[M−II]〜[M−VII]においてR1〜R8
及びXは前記R及びXと同義である。また、一般式[M
−I]の中でも好ましいのは、下記一般式[M−XIII]
で表されるものである。
【0027】
【化8】 式中、R1、X及びZ1は一般式[M−I]におけるR、
X及びZと同義である。
【0028】前記一般式[M−II]〜[M−VII]で表
されるマゼンタカプラーの中で特に好ましいものは一般
式[M−II]で表されるマゼンタカプラーである。
【0029】前記複素環上の置換基R及びR1として最
も好ましいものは、下記一般式[M−IX]により表され
るものである。 一般式[M−IX] R9−CH2− 式中、R9は前記Rと同義である。R9として好ましいの
は、水素原子又はアルキル基である。
【0030】又、一般式[M−I]におけるZにより形
成される環及び一般式[M−VIII]におけるZ1により
形成される環が有してもよい置換基、並びに一般式[M
−II]〜[M−VI]におけるR2〜R8としては下記一般
式[M−X]で表されるものが好ましい。 一般式[M−X] −R1 −SO2−R2 式中、R1はアルキレン基を、R2はアルキル基、シクロ
アルキル基又はアリール基を表す。
【0031】R1で示されるアルキレン基は好ましくは
直鎖部分の炭素数が2以上、より好ましくは3ないし6
であり、直鎖、分岐を問わない。
【0032】R2 で示されるシクロアルキル基としては
5〜6員のものが好ましい。
【0033】以下に本発明に係る化合物の代表的具体例
を示す。
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】
【0046】
【化21】 以上の本発明に係る化合物の代表的具体例の他に、本発
明に係る化合物の具体例としては、特開昭62−166
339号公報の(18)頁〜(32)頁に記載されてい
る化合物の中で、No.1〜4、6、8〜17、19〜4
3、45〜59、61〜104、106〜121、12
3〜162、164〜223で示される化合物を挙げる
ことができる。
【0047】又、前記カプラーはジャーナル・オブ・ザ
・ケミカル・ソサイアティ( Journal of the Chemica
l Society ),パーキン( Perkin )I(1977),
2047〜2052、米国特許3,725,067号、
特開昭59−99437号、同58−42045号、同
59−162548号、同59−171956号、同6
0−33552号、同60−43659号、同60−1
72982号、同60−190779号、同62−20
9457号及び同63−307453号等を参考にして
合成することができる。
【0048】本発明のカプラーは、通常ハロゲン化銀1
モル当り1×10-3モル〜1モル、好ましくは1×10
-2モル〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
【0049】又、本発明のカプラーは、他の種類のマゼ
ンタカプラーと併用することもできる。
【0050】次に、本発明の一般式[D−I]で表され
る発色現像主薬の酸化体との反応により現像抑制剤もし
くは現像抑制剤の前駆体を放出し得る化合物(以下本発
明のDIRカプラーと称する。)について更に詳しく説
明する。
【0051】一般式[D−I]において、R 1で表され
るアルキル基は直鎖状、分岐状又は環状のいずれでもよ
く、直鎖アルキル基としては、例えばメチル基、エチル
基、ドデシル基等が挙げられ、分岐状のアルキル基とし
ては、例えばイソプロピル基、t−ブチル基、t−オク
チル基等が挙げられ、環状のアルキル基としては、例え
ばシクロプロピル基、シクロヘキシル基、アダマンチル
基等が挙げられる。これらR1で表されるアルキル基に
は更に置換基を有するものも含まれ、置換基としては、
例えばハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アルキルスルホニル基、アシルアミノ
基、ヒドロキシル基等が挙げられる。R1としては分岐
状又は環状のアルキル基が好ましく、特に分岐のアルキ
ル基、例えばt−ブチル基が最も好ましい。
【0052】一般式[D−I]において、R 2で表され
るアルキル基としては、前記R1と同様の基が挙げられ
る。これらR2で表されるアルキル基にはR1と同様の置
換基を有するものも含まれる。R2で表されるアルキル
基として好ましいものは直鎖もしくは分岐のアルキル基
である。
【0053】又、一般式[D−I]において、R 2で表
されるアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチ
ル基等が挙げられる。これらR2で表されるアリール基
は更に置換基を有していてもよく、置換基の例として
は、、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基及びア
シルアミノ基等が挙げられる。R2で表されるアリール
基としては置換もしくは無置換のフェニル基が好まし
い。R2としては、特に直鎖状アルキル基が好ましく、
メチル基が最も好ましい。
【0054】前記一般式[D−I]において、R 3はそ
れぞれ置換基を有してもよいオキシカルボニル基、スル
ホンアミド基、カルバモイル基、アシルアミノ基、ウレ
イド基、オキシカルボニルアミノ基、スルホニルオキシ
基、カルボニルオキシ基又はスルファモイル基であり、
好ましくは下記の一般式A〜H、J〜Lで表される基で
ある。
【0055】
【化22】 一般式A〜H、J〜Lの中で、R11はアルキル基、シク
ロアルキル基又はアリール基を表し、R12及びR13は互
いに独立して水素原子、アルキル基、シクロアルキル基
又はアリール基を表す。
【0056】R11、R12及びR13で表されるアルキル基
及びシクロアルキル基としては、例えば炭素原子数1〜
30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基及びシクロアルキル
基(例えばメチル基、n−ブチル基、シクロヘキシル
基、2−エチルヘキシル基、n−ドデシル基及びn−ヘ
キサデシル基)が挙げられる。又、R11、R12及びR13
で表されるアリール基としては、例えば炭素原子数6〜
22のアリール基(例えばフェニル基及び1−ナフチル
基)が挙げられる。
【0057】これらのR11、R12及びR13で表されるア
ルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は更に置換
基を有するものも包含しており、この置換基としては、
例えば、ハロゲン原子(例えば塩素原子及び臭素原
子)、ヒドロキシル基、アリール基(例えばフェニル基
及び4−t−ブチルフェニル基)、アリールオキシ基
(例えばフェノキシ基、p−メチルフェノキシ基及び
2,4−ジ−t−アミルフェノキシ基)、アルコキシ基
(例えばメトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基及
びn−ドデシルオキシ基)、シクロアルキルオキシ基
(例えばシクロヘキシルオキシ基)、アルキルチオ基
(例えばメチルチオ基)、アルキルスルホニルアミノ基
(例えばメタンスルホニルアミノ基及びn−ブタンスル
ホニルアミノ基)及びアルキルカルボニルアミノ基(例
えばアセチルアミノ基及び3−(2,4−ジ−t−アミ
ルフェノキシ)ブタノイルアミノ基)等が挙げられる。
【0058】又、R11、R12及びR13で表されるアリー
ル基は、以上の置換基の他にアルキル基を置換基として
有するものも包含している。
【0059】前記一般式E及びKにおいて、Jはアルキ
レン基及びアリーレン基から選ばれた2価の有機連結基
を表し、このアルキレン基としては、例えば炭素原子数
1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基(例えばメチ
レン基、エチレン基、メチルエチレン基、プロピレン
基、ジメチルメチレン基、ブチレン基及びヘキシレン
基)が挙げられ、また上記アリーレン基としては、例え
ば炭素原子数6〜14のアリーレン基(例えば1,2−
フェニレン基、1,4−フェニレン基及び1,4−ナフ
チレン基)が挙げられる。
【0060】一般式[D−I]において、R4で表され
る置換基は、ベンゼン環に置換可能な基であれば何でも
よく、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、イミド基、ア
シルアミノ基、スルホンアミド基、オキシカルボニル
基、カルバモイル基、スルファモイル基、カルボニルオ
キシ基、オキシカルボニルアミノ基、ウレイド基及びス
ルホニルオキシ基が挙げられる。
【0061】又、一般式[D−I]において、nは0、
1、2、又は3を表すが、nが2又は3を表すとき、そ
れぞれのR4は同じであっても異なってもよい。好まし
くはnは0又は1である。
【0062】一般式[D−I]において、Xで表される
基は発色現像主薬の酸化体とカップリングして離脱した
際、オルト−キノンメチド又はパラ−キノンメチドを形
成して、現像抑制剤又はその前駆体を放出する基であ
り、好ましくは一般式[D−II]及び[D−III]で表
される基が挙げられる。
【0063】
【化23】 一般式[D−II]及び[D−III]において、R21はベ
ンゼン環に置換可能な基を表し、例えばハロゲン原子、
アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ
基、アルコキシカルボニル基、アニリノ基、アシルアミ
ノ基、ウレイド基、シアノ基、ニトロ基、スルホンアミ
ド基、スルファモイル基、カルバモイル基、アリール
基、カルボキシル基、スルホ基、シクロアルキル基、ア
ルカンスルホニル基、アリールスルホニル基又はアシル
基が挙げられる。
【0064】R21としては、ニトロ基、アシルアミノ
基、スルホンアミド基、スルファモイル基、シアノ基、
アルコキシカルボニル基等が好ましい。
【0065】kは0〜4の整数を表し、好ましくは、
0、1、2、を表す。特に好ましいkは1である。
【0066】一般式[D−II]及び[D−III]におい
て、R22及びR23で表される基は各々独立に水素原子、
アルキル基又はアリール基を表す。R22及びR23で表さ
れるアルキル基としては例えばメチル基、エチル基、i
−プロピル基、トリフルオロメチル基、シクロヘキシル
基、ドデシル基が挙げられる。R22及びR23で表される
アリール基としては、例えばフェニル基、p−トリル
基、p−オクチルフェニル基、ナフチル基が挙げられ
る。
【0067】一般式[D−II]及び[D−III]におい
て、Tで表される連結基としては、例えば、米国特許
4,146,396号、同4,652,516号若しく
は同4,698,297号に記載されたヘミアセタール
の開裂反応を利用する基、米国特許4,248,962
号に記載された分子内求核反応を利用して開裂反応を起
こさせるタイミング基、米国特許4,409,323号
若しくは同4,421,845号に記載されたタイミン
グ基、米国特許4,546,073号に記載されたイミ
ノケタールの加水分解を利用して開裂反応を起こさせる
基又は西独公開特許2,626,317号に記載された
エステル加水分解を利用して開裂反応を起こさせる基が
挙げられる。
【0068】又、一般式[D−II]及び[D−III]に
おいて、mは0又は1を表す。
【0069】一般式[D−II]及び[D−III]におい
て、DIは開裂して現像抑制剤となる基を表し、好まし
い現像抑制剤としては、例えば、5−メルカプトテトラ
ゾール系化合物(例えば1−フェニル−5−メルカプト
テトラゾール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−5−
メルカプトテトラゾール、1−(2−メトキシカルボニ
ルフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−エチ
ル−5−メルカプトテトラゾール及び1−プロピルオキ
シカルボニルメチル−5−メルカプトテトラゾール)、
ベンゾトリアゾール系化合物(例えば5−(あるいは6
−)ニトロベンゾトリアゾール、5−(あるいは6−)
フェノキシカルボニルベンゾトリアゾール)、1,3,
4−チアジアゾール系化合物(例えば5−メチル−2−
メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、5−(2−
メトキシカルボニルエチルチオ)−2−メルカプト−
1,3,4−チアジアゾール)、1,3,4−オキサジ
アゾール系化合物(例えば5−メチル−2−メルカプト
−1,3,4−オキサジアゾール)、ベンゾチアゾール
系化合物(例えば2−メルカプトベンゾチアゾール)、
ベンゾイミダゾール系化合物(例えば2−メルカプトベ
ンゾイミダゾール)、ベンゾオキサゾール系化合物(例
えば2−メルカプトベンゾオキサゾール)、1,2,4
−トリアゾール系化合物(例えば3−(2−フリル)−
5−ヘキシルチオ−1,2,4−トリアゾール)が挙げ
られる。DIとして好ましいのは、1,3,4−オキサ
ジアゾール系化合物、5−メルカプトテトラゾール系化
合物を形成する基である。
【0070】現像抑制剤としては、現像処理中に開裂反
応を起こしうる結合(例えばエステル結合、ウレタン結
合、スルホン酸エステル結合及び炭酸エステル結合)を
含む置換基を有する化合物が好ましい。
【0071】以下に、本発明の化合物の代表例を示す
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0072】
【化24】
【0073】
【化25】
【0074】
【化26】
【0075】
【化27】
【0076】
【化28】
【0077】
【化29】 これら本発明のDIRカプラーの使用量は特に制限はな
いが、ハロゲン化銀1モル当り0.0001〜0.1モ
ル使用することが好ましく、特に0.001〜0.05
モル使用することが好ましい。
【0078】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られるハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀としては、臭化
銀、沃臭化銀、沃塩化銀、塩臭化銀及び塩化銀等を用い
た通常のハロゲン化銀乳剤に使用される任意のものを用
いることができる。
【0079】ハロゲン化銀乳剤に用いられるハロゲン化
銀粒子は、粒子内において均一なハロゲン化銀組成分布
を有するものでも、粒子の内部と表面層とでハロゲン化
銀組成が異なる層状構造をした粒子であってもよい。
【0080】ハロゲン化銀粒子は、潜像が主として表面
に形成されるような粒子であってもよく、また主として
粒子内部に形成されるような粒子でもよい。
【0081】ハロゲン化銀乳剤は、いかなる粒子サイズ
分布を持つものを用いても構わない。粒子サイズ分布の
広い乳剤(多分散乳剤と称する。)を用いてもよいし、
粒子サイズ分布の狭い乳剤(単分散乳剤と称する。)を
単独又は数種類混合してもよい。又、多分散乳剤と単分
散乳剤を混合して用いてもよい。
【0082】ハロゲン化銀乳剤は、別々に形成した2種
以上のハロゲン化銀乳剤を混合して用いてもよい。
【0083】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
硫黄増感法、セレン増感法、還元増感法、貴金属増感法
などにより化学増感できる。
【0084】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
写真業界において、増感色素として知られている色素を
用いて、所望の波長域に分光増感できる。
【0085】ハロゲン化銀乳剤には、カブリ防止剤、安
定剤等を加えることができる。
【0086】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳
剤、その他に用いられるバインダー(または保護コロイ
ド)としては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、そ
れ以外にゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラ
フトポリマー、蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導体、
単一あるいは共重合体の如き合成親水性高分子物質等の
親水性コロイドも用いることができる。
【0087】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の写真
乳剤層、その他の親水性コロイド層は、バインダー(ま
たは保護コロイド)分子を架橋させ、膜強度を高める硬
膜剤を単独または併用することにより硬膜される。
【0088】また、ハロゲン化銀乳剤には、可塑剤、水
不溶性又は難溶性合成ポリマーの分散物(ラテックス)
を含有させることができる。
【0089】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
カプラーを用いることができる。更に色補正の効果を有
している競合カプラー及び現像主薬の酸化体とのカップ
リングによって現像促進剤、漂白促進剤、現像剤、ハロ
ゲン化銀溶剤、調色剤、硬膜剤、カブリ剤、カブリ防止
剤、化学増感剤、分光増感剤及び減感剤のような写真的
に有用なフラグメントを放出する化合物を用いることが
できる。
【0090】イエロー色素形成カプラーとしては、公知
のアシルアセトアニリド系カプラーを好ましく用いるこ
とができる。これらのうち、ベンゾイルアセトアニリド
系及びピバロイルアセトアニリド系化合物は有利であ
る。
【0091】マゼンタ色素形成カプラーとしては、5−
ピラゾロン系カプラー、ピラゾロアゾール系カプラー、
ピラゾロベンツイミダゾール系カプラー、開鎖アシルア
セトニトリル系カプラー、インダゾール系カプラー等を
用いることができる。
【0092】シアン色素形成カプラーとしては、フェノ
ール又はナフトール系カプラーが一般的に用いられる。
カプラーを感光材料に含有せしめるには、通常のカプラ
ーにおいて用いられる公知の技術が適用できる。カプラ
ーを高沸点溶媒に、必要に応じて低沸点溶媒を併用して
溶解し、微粒子状に分散して本発明に係るハロゲン化銀
乳剤に添加するのが好ましい。このとき必要に応じてハ
イドロキノン誘導体、紫外線吸収剤、褪色防止剤等を併
用してもさしつかえない。
【0093】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
フィルター層、ハレーション防止層、イラジエーション
防止層等の補助層を設けることができる。これらの層中
及び/又は乳剤層中には現像処理中に感光材料から流出
するか、もしくは漂白される染料が含有されてもよい。
【0094】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
マット剤、滑剤、画像安定剤、紫外線吸収剤、蛍光増白
剤、界面活性剤、現像促進剤、現像遅延剤や漂白促進剤
を添加できる。
【0095】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の写真
乳剤層、その他の層はバライタ紙またはα−オレフィン
ポリマー等をラミネートした紙および紙支持体とα−オ
レフィン層が容易に剥離できる紙支持体、合成紙等の可
撓性反射支持体、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリカーボネイト、ポリアミド等の半合成または
合成高分子からなるフィルムおよび白色顔料が塗布され
た反射支持体や、ガラス、金属、陶器などの剛体等に設
けることができる。または、120〜160μmの薄手
型反射支持体に設けることもできる。
【0096】本発明のハロゲン化銀写真感光材料がカプ
ラーを含有する場合、色素画像を得るには、露光後、通
常知られているカラー写真処理が行われる。
【0097】本発明においては、発色現像した後、直ち
に漂白能を有する処理液及び定着能を有する処理液で処
理してもよいが、漂白能を有するとともに定着能を有す
る処理液(いわゆる漂白定着液)で処理してもよい。該
漂白に用いる漂白剤としては有機酸の金属錯塩が用いら
れる。
【0098】定着処理の後は、通常は水洗処理が行われ
る。また水洗処理の代替として、安定化処理を行っても
よいし、両者を併用してもよい。
【0099】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を述べるが、本
発明の実施の態様はこれらに限定されない。 実施例1 トリアセチルセルロースフィルム支持体上に、下記に示
すような組成の各層を順次支持体側から形成して、多層
カラー写真感光材料試料No.1〜20を作成した。
【0100】なお、多層カラー写真感光材料中の添加量
は特に記載のない限り1m2当りのグラム数を示す。又、
ハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換算して示した。増感
色素は銀1モル当りのモル数で示した。 第1層;ハレーション防止層(HC) 黒色コロイド銀 0.15 紫外線吸収剤(UV−1) 0.20 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.02 高沸点溶媒(Oil−1) 0.20 高沸点溶媒(Oil−2) 0.20 ゼラチン 1.6 第2層;中間層(IL−1) ゼラチン 1.3 第3層;低感度赤感性乳剤層(RL) 沃臭化銀乳剤(Em−1) 0.4 沃臭化銀乳剤(Em−2) 0.3 増感色素(S−1) 3.2×10-4 増感色素(S−2) 3.2×10-4 増感色素(S−3) 0.2×10-4 シアンカプラー(C−1) 0.50 シアンカプラー(C−2) 0.13 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.07 DIR化合物(DD−1) 0.01 高沸点溶媒(Oil−1) 0.55 ゼラチン 1.0 第4層;高感度赤感性乳剤層(RH) 沃臭化銀乳剤(Em−3) 0.9 増感色素(S−1) 1.7×10-4 増感色素(S−2) 1.6×10-4 増感色素(S−3) 0.1×10-4 シアンカプラー(C−2) 0.23 カラードシアンカプラー(CC−1) 0.03 DIR化合物(DD−1) 0.02 高沸点溶媒(Oil−1) 0.25 ゼラチン 1.0 第5層;中間層(IL−2) ゼラチン 0.8 第6層;低感度緑感性乳剤層(GL) 沃臭化銀乳剤(Em−1) 0.6 沃臭化銀乳剤(Em−2) 0.2 増感色素(S−4) 6.7×10-4 増感色素(S−5) 0.8×10-4 マゼンタカプラー(表1に記載) 0.47 カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.10 DIR化合物(表1に記載) 高沸点溶媒(Oil−2) 0.70 ゼラチン 1.0 第7層;高感度緑感性乳剤層(GH) 沃臭化銀乳剤(Em−3) 0.9 増感色素(S−6) 1.1×10-4 増感色素(S−7) 2.0×10-4 増感色素(S−8) 0.3×10-4 マゼンタカプラー(表1に記載) 0.20 カラードマゼンタカプラー(CM−1 ) 0.04 DIR化合物(表1に記載) 高沸点溶媒(Oil−2) 0.35 ゼラチン 1.0 第8層;イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 0.1 添加剤(SC−1) 0.12 高沸点溶媒(Oil−2) 0.15 ゼラチン 1.0 第9層;低感度青感性乳剤層(BL) 沃臭化銀乳剤(Em−1) 0.25 沃臭化銀乳剤(Em−2) 0.25 増感色素(S−9) 5.8×10-4 イエローカプラー(Y−1) 0.60 イエローカプラー(Y−2) 0.32 DIR化合物(DD−2) 0.01 高沸点溶媒(Oil−2) 0.18 ゼラチン 1.3 第10層;高感度青感性乳剤層(BH) 沃臭化銀乳剤(Em−4) 0.5 増感色素(S−10) 3.0×10-4 増感色素(S−11) 1.2×10-4 イエローカプラー(Y−1) 0.18 イエローカプラー(Y−2) 0.10 高沸点溶媒(Oil−2) 0.05 ゼラチン 1.0 第11層;第1保護層(PRO−1) 沃臭化銀乳剤(Em−5) 0.3 紫外線吸収剤(UV−1) 0.07 紫外線吸収剤(UV−2) 0.1 高沸点溶媒(Oil−1) 0.07 高沸点溶媒(Oil−3) 0.07 ゼラチン 0.8 第12層;第2保護層(PRO−2) アルカリ可溶性のマット化剤 (平均粒径2μm) 0.13 ポリメチルメタクリレート (平均粒径3μm) 0.02 ゼラチン 0.5 尚、各層には、上記組成物の他に塗布助剤SU−2、分
散助剤SU−1、硬膜剤H−1、染料AI−1,AI−
2を適宜添加した。
【0101】又、上記試料中に使用した乳剤は以下の通
りで、いずれも内部高沃度型の単分散乳剤である。
【0102】Em−1:平均沃化銀含有率 7.5モル
% 平均粒径 0.55μm 粒子形状 8面体 Em−2:平均沃化銀含有率 2.5モル% 平均粒
径 0.36μm 粒子形状 8面体 Em−3:平均沃化銀含有率 8.0モル% 平均粒
径 0.84μm 粒子形状 8面体 Em−4:平均沃化銀含有率 8.5モル% 平均粒
径 1.02μm 粒子形状 8面体 Em−5:平均沃化銀含有率 2.0モル% 平均粒
径 0.08μm
【0103】
【化30】
【0104】
【化31】
【0105】
【化32】
【0106】
【化33】
【0107】
【化34】
【0108】
【化35】
【0109】
【化36】 得られた試料No.1〜20についてセンシトメトリー用
ステップウェッジを介して白色光により露光後、下記の
処理工程Aにより処理した。 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通りで
ある。 〈発色現像液〉 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・3ナトリウム塩(1水塩) 2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1リットルとする。(pH=10.05) 〈漂白液〉 エチレンジアミン四酢酸鉄(III) アンモニウム塩 100.0g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0ml 水を加えて1リットルとし、アンモニア水を用いてpH=
6.0に調整する。 〈定着液〉 チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1リットルとし、酢酸を用いてpH=6.0に
調整する。 〈安定化液〉 水 900ml 化37 2.0g
【0110】
【化37】 ジメチロール尿素 0.5g ヘキサメチレンテトラミン 0.2g 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1g シロキサン(UCC製L−77) 0.1g アンモニア水 0.5ml 水を加えて1リットルとし後、アンモニア水又は50%
硫酸を用いてpH8.5に調整する。
【0111】処理後の各試料について、粒状性をRMS
値により評価した。RMS値は、緑色濃度が1.50の
部分をコニカマイクロデシントメーターPDM−5タイ
プAR(コニカ株式会社製)によって250μm2 を走査
測定した時の濃度値の変動の標準偏差から求め、試料N
o.1を100とする相対RMS値で示した。ここで、相
対RMS値が小さいほど画像の粒状性が優れていること
を表している。
【0112】又、処理後の各試料について、X−rit
e社製濃度計310型でステータスMフイルターを用い
て透過濃度を測定し、D−logE特性曲線を作成し
た。
【0113】次に、各試料の緑色測定濃度(G)の各特
性曲線について、濃度1.0の点からΔlogE=1.
0高露光域側の濃度点に対する傾き(γ1)及び濃度
2.0の点からΔlogE=1.0高露光域側の濃度点
に対する傾き(γ2)を求め、さらに下記式よりΔγを
求めた。ここでΔγが小さいことは、ラチチュードが広
いことを表している。
【0114】Δγ=γ1−γ2 さらに、各試料について、上記と同様にセンシトメトリ
ー用ステップウェッジを介して白色光により露光後、前
記処理工程Aに於ける発色現像液のpHを10.20とし
た以外は前記処理工程Aと全く同様の処理(以下、処理
工程Bと称する。)を行い、前記と同様に特性曲線の傾
き(γ1′)及び(γ2′)を求め、さらに下記式より処
理工程Aとの差Δγ1及びΔγ2を求めた。ここでΔγ1
及びΔγ2が小さいことは処理変動が少ないことを表し
ている。
【0115】Δγ1=γ1′−γ1 Δγ2=γ2′−γ2 又、上記試料No.1〜20について、以下の方法によっ
て色再現性を評価した。
【0116】先ず、各試料とカメラ(コニカ株式会社F
T−1 MOTOR:コニカ株式会社製)を用いてマク
ベス社製カラーチェッカーを撮影した。続いて、カラー
ネガ現像処理(CNK−4:コニカ株式会社製)を行
い、得られたネガ像をコニカカラープリンターCL−P
2000(コニカ株式会社製)を用いてコニカカラーペ
ーパー・タイプQAA5に82mm×117mmの大きさに
プリントし、実技プリントを得た。プリントの際のプリ
ンター条件は、カラーチェッカー上の灰色がプリント上
で灰色になるように各試料毎に設定を行った。
【0117】得られた実技プリントについて、10人の
パネルにより色再現性を目視により評価した。
【0118】次に、試料No.1〜20を白色光を用いて
1/100秒の正弦波ウェッジ露光をした後、前記の処
理工程Aにより現像処理を行い鮮鋭性を求めた。
【0119】鮮鋭性は色素画像のMTF( Modulation
Transfer Function )値によって評価し、20本/mmで
のMTFの相対値(試料No.1を100とする)で示し
た。結果をまとめて表1及び表2に示した。
【0120】
【表1】
【0121】
【表2】 表1及び表2からも明らかなように、本発明外の5−ピ
ラゾロンマゼンタカプラーを使用した試料No.1は、ラ
チチュード、処理変動性に優れているが、色再現性に劣
り、鮮鋭性、粒状性も充分とはいい難い。一方、本発明
のマゼンタカプラーと従来知られている各種のDIRカ
プラーを使用した試料No.2〜No.4は、色再現性に改善
が認められるが、ラチチュード、処理変動性の大幅な劣
化が認められる。これに対し、本発明のマゼンタカプラ
ーと本発明のDIRカプラーを使用した試料No.5〜No.
20は、何れも色再現性が非常に良好であり、ラチチュ
ード、鮮鋭性、粒状性、処理変動性の全ての項目に対し
て大幅な改善が認められる。
【0122】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材
料は、高画質で露光量に対するラチチュードが広く、処
理変動性に優れ、しかも、色再現性に優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、
    緑感性ハロゲン化銀乳剤層及び赤感性ハロゲン化銀乳剤
    層を含む写真構成層を有するハロゲン化銀カラー写真感
    光材料において、緑感性ハロゲン化銀乳剤層の少なくと
    も一層に、下記一般式[M−I]で表されるマゼンタカ
    プラーの少なくとも一種と、下記一般式[D−I]で表
    される発色現像主薬の酸化体との反応により現像抑制剤
    もしくは現像抑制剤の前駆体を放出し得る化合物の少な
    くとも一種を含有することを特徴とするハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料。 【化1】 [式中、Zは含窒素複素環を形成するのに必要な非金属
    原子群を表し、該Zにより形成される環は置換基を有し
    てもよい。Xは水素原子又は発色現像主薬の酸化体との
    反応により離脱しうる基を表し、Rは水素原子又は置換
    基を表す。] 【化2】 [式中、R 1はアルキル基を表し、R 2はアルキル基又は
    アリール基を表し、R 3はオキシカルボニル基、スルホ
    ンアミド基、カルバモイル基、アシルアミノ基、ウレイ
    ド基、オキシカルボニルアミノ基、スルホニルオキシ
    基、カルボニルオキシ基又はスルファモイル基を表す。
    4は置換基を表し、nは0、1、2、3を表す。Xは
    発色現像主薬の酸化体とカップリングして離脱した際、
    オルト−キノンメチド又はパラ−キノンメチドを形成し
    て、現像抑制剤又はその前駆体を放出する基を表す。]
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