JPH0572591A - 光ループメモリ - Google Patents

光ループメモリ

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JPH0572591A
JPH0572591A JP3236427A JP23642791A JPH0572591A JP H0572591 A JPH0572591 A JP H0572591A JP 3236427 A JP3236427 A JP 3236427A JP 23642791 A JP23642791 A JP 23642791A JP H0572591 A JPH0572591 A JP H0572591A
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JP
Japan
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optical
signal light
loop
light
signal
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Pending
Application number
JP3236427A
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English (en)
Inventor
Koji Nonaka
弘二 野中
Hiroyuki Tsuda
裕之 津田
Takashi Kurokawa
隆志 黒川
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記憶される信号光の光強度が一定で、十分な
メモリ保持時間をもち、応答特性にすぐれ、かつ信号光
消去待ち時間のない光ループメモリを提供する。 【構成】 光結合器2を介してファイバ1からの信号光
を共振器ループ3に結合する。このループ3に閾値素子
5、アイソレータ6、光増幅器4、波長フィルタ7を配
置する。閾値素子5によりノイズが除去された光が光増
幅器4により増幅されるので信号光強度が一定でS/N
比良く記憶された信号光が保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光情報処理や光交換シ
ステムに用いられる光信号の一時記憶および読み出しの
機能を有する光ループメモリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の代表的な光制御光メモリ素子とし
ては光磁気ディスクがあるが、これは記憶容量が大きい
反面、相変化を用いるため書き込み読み出し速度がミリ
秒程度と遅く、高い光入射パワーが必要なため、高速の
記憶、再生を必要とする一時記憶光メモリとしては不向
きであった。
【0003】そこでHeuring(OSC Tec
n.Report 88−01,Jan.1988)ら
は、光導波路やファイバ内を進む光信号がほとんど減衰
なしに時間遅延を持つことを利用してリング共振器型の
光遅延メモリ素子を提唱した。
【0004】図11にかかる光遅延メモリ素子の一例の
構成を示す。ここで、ファイバ光導波路1に光結合器2
を介して光遅延用ファイバ帰還ループ3を結合する。入
力信号光をファイバ光導波路1に導く。
【0005】ファイバ光導波路1より入射した入力信号
光は光結合器2によりその光強度を分割され一部はその
まま出力側端子に向けて出力するが、残りは一定の長さ
を持ったファイバ帰還ループ3を通って再び光結合器2
に到達する。ここで再び一部が出力側端子に出力信号光
として出力されるが、この信号光は、ファイバ帰還ルー
プ3の光路長にわたって光が通過するのにかかる時間分
だけ遅延してから光結合器2よりファイバ光導波路1に
結合されて、信号光の情報を再現して出力される。この
一周目の遅延の後もファイバ光導波路1に出力されなか
った残りの光信号は再びループ3中を周回してから光結
合器2に達する。
【0006】この繰り返しにより、ループ3の長さで定
められた時間周期で入力信号光が多数回繰り返し再現さ
れて出力する。この繰り返しの周期はファイバ帰還ルー
プ3の長さにより決まり、時間周期をたとえば100ナ
ノ秒に設定するためには、光路長20mのループ3を用
いればよい。ここで、毎秒1ギガビットの信号ならば1
00ビットの情報を記憶し、繰り返し読み出すことがで
きる。
【0007】この信号を100ナノ秒の繰り返し時間に
同期させてゲートスイッチを開閉させて取り出すことに
よって、任意所望の時間に書き込み読み出し可能なメモ
リとして機能させることができる。
【0008】このメモリ素子における記憶容量は周回す
るファイバループの光路長で決定され、書き込み、読み
出しを、光磁気ディスク等とは異なり、短時間でできる
ので、一時記憶メモリとして有用である。
【0009】さらにまた、図12に示すように、信号出
力強度の低下を防ぐために、ループ3中に光増幅器4を
挿入して、ループ3中を周回する光の強度を増幅するよ
うに構成したものも提案されている(たとえば、199
0/3/27 Topical Meeting fo
r Optical Computing1991Ko
be)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の光記憶素
子においては、以下のような重要な問題点があった。
【0011】(1)ファイバ光結合器を用いるので光信
号は2分割され、その一部が常に出力側に通過し残余の
光が多数回ループを回るため、遅延した信号ほど信号強
度が弱くなる。この点を考慮して、途中で光増幅するこ
とも考えられるが、たとえ光増幅しても雑音も同時に増
幅されるから、オン/オフの状態比は改善されず、S/
N比の劣化につながる。
【0012】(2)ループ中に光増幅素子を挿入した場
合、利得が大きい場合には信号光強度は周回を重ねるに
つれ大きくなり、他方、利得が不十分な場合は信号強度
は小さくなる。
【0013】いずれにしても、周回数、つまり、記憶保
持時間の長短によって信号光強度が変化して一定の信号
光強度が得られないという問題が起こる。
【0014】(3)一旦ループ内に入射した信号は信号
強度は微弱になりながらも長く共振器内を回遊すること
になるので、次の信号を入射させるためには、以前の信
号の回遊の影響がなくなるまで充分な待ち時間をとる必
要があった。
【0015】そこで、本発明の目的は、ループ共振器内
の光信号を常に良い信号状態に維持、制御して、充分な
メモリ保持時間と応答速度、安定した一定の信号強度と
高い消光比を実現できるように適切に構成配置した光ル
ープメモリを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明は、デジタル化された
入力信号光を記憶し、任意所望の時間に再び読み出す光
ループメモリにおいて、前記入力信号光を導く光導波路
と、該光導波路に結合された光結合手段と、該光結合手
段に結合され、伝搬する信号光を遅延させるループ状光
導波路を有する光遅延ループ手段と、前記信号光の光強
度が予め定めた閾値を越えたときに出力光を発生する閾
値手段と、該閾値手段からの出力光の光強度を光増幅す
る光増幅手段とを具えたことを特徴とする。
【0017】請求項2に記載の発明は、前記ループ状光
導波路を伝搬する信号光の方向を整えて反射戻り光を防
止する方向規定手段をさらに具えたことを特徴とする。
【0018】請求項6に記載の発明は、前記方向規定手
段、前記閾値手段および前記光増幅手段を直交レーザで
構成したことを特徴とする。
【0019】
【作用】本発明によれば、デジタル化された入力信号光
を記憶し、任意所望の時間に再び読み出す光ループメモ
リにおいて、入力信号光を導く光導波路と、この光導波
路に結合された光結合手段と、この光接合手段に結合さ
れ、伝搬する信号光を遅延させるリング状光導波路を有
するリング共振手段と、前記信号光の光強度が予め定め
た閾値を越えたときに出力光を発生する閾値手段と、こ
の閾値手段からの出力光との光強度を光増幅する光増幅
手段とを具えることにより、リング共振器内の信号光を
常に良い信号状態に保持して、十分なメモリ保持時間を
実現し、信号光強度を記憶保持時間に関係なく一定にで
き、記憶の消去に待ち時間を必要とせず、従ってビット
レートすなわち応答速度を高め、消光比を高めて再生信
号の品質を改善することができる。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0021】本発明の第1の実施例の構成配置を図1に
示す。
【0022】図1において、図12と同様の個所には同
一符号を付す。ここで、光遅延ループ手段としてのファ
イバ帰還ループ3には、閾値素子5、伝搬光の方向を整
えて反射戻り光を防止する方向規定手段としてのアイソ
レータ6、光増幅器4および波長フィルタ7を、光入力
側よりこの順序に配置する。光結合器2と帰還ループ3
とによりループ状の光遅延リングを構成する。8はファ
イバ光導波路1の出射側に配置した光ゲートシャッタす
なわち光スイッチである。
【0023】ここで、ファイバ光導波路1に10ギガヘ
ルツ,1キロビットのデジタル信号光を入射させるとす
る。この信号光の一部(光結合器2として例えば3dB
ファイバカプラを用いる場合には半分)はそのまま出射
側の光導波路1に通過し、残りの半分は全長20メート
ルのリング共振器を構成するループ3へと導入され、閾
値素子5からアイソレータ6を通して消光比良く成形さ
れて光増幅器4により光増幅され、さらに波長フィルタ
7を介してループ3に導かれる。光増幅器2の光増幅率
は、外部から適切に制御することにより、信号光が再び
光結合器2に達してその半分が出力側にでるときに、そ
れ以前すでに出力された信号と等しい出力光強度が得ら
れるようにループ3全体の損失も含めて増幅率2倍以上
に設定する。
【0024】従来の素子においては、ループ3内で遅延
を繰り返す出力側に光が常に漏れているため、信号強度
は低下して行く。この解決の手段として、ループ3の出
力端またはループ3内に光増幅素子をおくことが考えら
れるが、その場合でも遅延の回数により減衰量が異なる
ため、一定光強度の出力光は得られない。しかもまた、
光増幅を繰り返すことにより、光増幅素子の自然放出光
などの雑音成分も同時に光増幅されてしまうため、S/
N比が劣化する。
【0025】一方、本発明メモリ素子においては、光増
幅器を出た信号光は波長フィルタ7を通過するので、光
増幅器4の雑音成分は取り除かれ、その雑音成分のない
信号光がループ導波路3を通って再び光結合器2に到達
する。ここで、光増幅された信号光の半分は再びループ
3中に結合し、閾値素子5で消光比を高めてから光増幅
を繰り返し、信号光強度を維持したまま、ループ3内を
周回して遅延を繰り返す。残りの半分の信号光は光結合
器2から出力側に分配され、したがって光がループ3を
1周期にわたって通過するのにかかった時間だけ遅延し
てから入力信号光と同じ形態の信号光が繰り返し出力さ
れることになる。
【0026】この周期中、光増幅される光信号は、閾値
素子5を通るときに信号光強度が閾値以下の強度のとき
は信号無しと判断され、したがって、その信号光は通過
せず、増幅雑音は除去される。一方、必要以上に光増幅
された信号光の光強度は閾値素子5のリミッタ機能によ
り一定に制限される。このようにして、メモリ動作の周
回数により信号光強度がどんどん肥大したり、あるいは
雑音成分が増幅されたりという従来の問題点も解決され
る。
【0027】このように、本発明では、入射したパルス
信号光の光強度は、閾値を越えた信号光強度さえあれ
ば、一定値に集束し、増幅率を大きくしても雑音成分は
閾値特性におさえられる。入力信号光より大きい出力信
号光を得ることもできる。
【0028】図2にこの実施例の光ループメモリの1周
期の周回における入出力特性の模式図を示す。例えば信
号光強度Aの光信号は光強度A2に増幅される。その光
強度A2の信号光がループを周回して次に光強度A3に
増幅される。この繰り返しで信号光強度はX点に収束す
る。
【0029】一方、Xより大きな入力信号光Bは光強度
B2に抑圧されていきXに収束する。
【0030】また、閾値以下の信号光Cは抑圧されて0
点に収束する。
【0031】図3に従来のメモリ素子と本発明によるメ
モリ素子とのループ遅延回数による出力強度の変動を対
比して示す。従来素子では、信号光強度が周回数を重ね
るにつれ変化して一定せず、オフ時の雑音も増幅されて
いるのに対し、本発明の素子では出力信号光強度が一定
し、オフ時の雑音もよく抑えられていることがわかる。
【0032】このように、本発明の光ループメモリ素子
においては、入力信号光は閾値を境にしてオンとオフの
2値に収束する。そのため、記憶した信号光は入力強度
および増幅率によらず安定した光強度を保つので、増幅
率を大きく取ることができる。
【0033】図4にこの実施例1におけるゲートスイッ
チ8の動作特性を示す。ここで、半導体レーザからの制
御された入力信号光をループ3に入力して周回させると
共に、ループ3からメモリ出力光を取り出す。その読み
出し時間に同期させたゲート信号でゲートスイッチ8を
制御して、出力信号光を取り出すと、同期された一定時
間周期で常に同じ10ギガヘルツ、1キロビットの光情
報を観測することができる。
【0034】なお、光増幅器4の動作を止めれば、ルー
プ中の信号光は激しく減衰し、いつでも任意所望のとき
にメモリ動作を止めることができ、再び次の光信号列を
記憶することができる。これにより、任意書き込み読み
出し、消去可能な光メモリとして光信号の順序書換え、
分配等の複雑な光信号処理が可能になる。
【0035】これにより、遅延した信号光は読み出し時
間にかかわらず信号光強度はほぼ同じで、しかも信号光
がループ中を周回する度毎に信号光を閾値処理するため
S/N比の劣化や信号強度の変動が起こりにくい。しか
も、閾値素子、または増幅素子の動作を停止させること
によりループ内の信号光は急速に減衰し、メモリは速や
かにリセットされ、すなわち記憶されている信号光が速
やかに消去されて、次の信号光に備えることができる。
【0036】本発明の第2の実施例の構成配置を図5に
示す。
【0037】図5において、図1と同様の個所には同一
符号を付す。ここで、ファイバ帰還ループ3には閾値素
子および波長フィルタとして用いることのできるMQW
エタロン型光スイッチ9、アイソレータ6およびエルビ
ウム添加ファイバ型光増幅素子10を、光入力側よりこ
の順序に配置する。11は光増幅素子10に励起光を供
給するための半導体レーザである。
【0038】ここで、ファイバ光導波路1に10ギガヘ
ルツ,1キロビットのデジタル信号光を入射させるとす
る。この信号光の一部(光結合器2として例えば3dB
ファイバカプラを用いる場合には半分)はそのまま出射
側の光導波路1に通過し、残りの半分は全長20メート
ルのリング共振器を構成するループ3へと導入され、ア
イソレータ6から閾値素子5でありかつ波長フィルタと
してのエタロン型光スイッチ9を通して消光比良く成形
され、かつ増幅される。
【0039】かかるエタロン型光スイッチ9の透過特性
の概念図を図6に示す。エタロン型光スイッチは鋭い透
過波長特性をもち、単一の波長しか透過しない狭帯域波
長フィルタであるが、その透過波長が入射光強度の変化
(オン/オフ)に対し閾値的変化するため一定波長の信
号光に対しては閾値素子としても働く。
【0040】この実施例2では、エタロン型光スイッチ
9を閾値素子および波長フィルタとして用いることによ
り、光を狭い空間で信号処理することができ、しかも透
過率も大きく、かつ光の消光比も大きく取れる。
【0041】さらに加えて、光増幅素子としてファイバ
帰還ループ3の一部にエルビウム添加ファイバ型光増幅
素子10を配置することによって、結合効率のよい増幅
器を兼ねた遅延ループを構成することができる。ここ
で、出力信号光強度および光増幅率はこの光増幅素子1
0のファイバの長さと半導体レーザ11からの励起レー
ザー光の強度の制御により設定できる。
【0042】本発明の第3の実施例の構成配置を図7に
示す。
【0043】図7において、図1と同様の個所は同一符
号を付す。ここで、ファイバ帰還ループ3には、アイソ
レータ6、双安定半導体レーザ12および波長フィルタ
7を、光入力側よりこの順序に配置する。
【0044】ここで、ファイバ光導波路1に10ギガヘ
ルツ,1キロビットのデジタル信号光を入射させるとす
る。この信号光の一部(光結合器2として例えば3dB
ファイバカプラを用いる場合には半分)はそのまま出射
側の光導波路1に通過し、残りの半分は全長20メート
ルのリング共振器を構成するループ3へと導入され、閾
値素子5からアイソレータ6としての双安定レーザ12
を通して消光比良く成形され、かつ増幅される。
【0045】かかる双安定レーザ12は過飽和吸収領域
などの光非線形媒質を含む半導体レーザであって、光の
入射強度が強ければ高い光増幅率を示し、逆に弱ければ
損失で抑圧されるという閾値増幅の特性を示す。レーザ
により増幅された信号は自然放出光に起因する広い周波
数にまたがる雑音を含むが、干渉波長フィルタ7により
信号波長だけが取り出される。波長フィルタ7等により
信号光の波長を限定させると、信号光に含まれる自然放
出光などの雑音が抑圧されて出力が安定化する。
【0046】このようにして光増幅された信号光の半分
は再びファイバ帰還ループ3の中に結合し、双安定レー
ザ12で閾値増幅を繰り返し、信号強度を維持したま
ま、ループ3内で遅延を繰り返す。かかるループ内を伝
搬する信号光の半分は、ループ1周期を光信号が通過す
るのかかった時間だけ遅れて入力信号光と同じ信号を繰
り返す。
【0047】本発明第4の実施例の構成配置を図8に示
す。
【0048】図8において、21は半導体基板であり、
この基板21上に光導波路22,23,24および25
を形成する。光導波路22と23との間に方向性光結合
器型光スイッチ26を配置し、この光スイッチ26にフ
ァイバ27と光結合される光導波路24および25を結
合する。光導波路24および25とファイバ27とによ
り帰還ループを構成する。光導波路24には、閾値素子
としての可飽和吸収領域28および光増幅素子としての
非線形光増幅器29を光入力側からこの順序に配置す
る。光ファイバ27にはアイソレータ30を配置する。
光導波路25には、波長選択手段として、モノリシック
に形成した分布反射グレーティング31を配置する。
【0049】光導波路22により半導体基板21上にデ
ジタル信号光が入射するものとする。この信号光は帰還
ループ部との光結合部を兼ねた光スイッチ26を通って
半導体基板21上の光導波路24へと導入され、閾値素
子としての可飽和吸収領域28を通過して信号強度が閾
値化される。その後光増幅領域29により光増幅され
る。その後、外部のファイバ27による光遅延回路およ
びアイソレータ30を通って再び光スイッチ26にもど
る。この光スイッチ26がオフ状態の場合、再び帰還ル
ープの遅延回路に信号光は戻る。
【0050】可飽和吸収領域28は入射光強度に応じて
変化するため、一定波長の信号光に対しては閾値素子と
して働く。この増幅閾値処理された信号光は半導体光ス
イッチ26がオン状態の時に出力端子側に導かれる。
【0051】このように方向性結合器などで代表的に構
成できる半導体光スイッチ26により任意所望のタイミ
ングで信号の記憶、読み出しが可能である。この例で
は、光ゲートシャッタを設ける必要はない。
【0052】ここで、モノリシックな半導体基板21上
に閾値増幅器、ループ共振器、光スイッチを配置するこ
とにより、光を狭い空間で信号処理することができ、以
て高速に応答し、結合損失も小さく、光の消光比も大き
く取れる光メモリ素子を構成できる。
【0053】本発明の第5の実施例の構成配置を図9に
示す。
【0054】図9において、図1と同様の個所には同一
符号を付す。ここで、ファイバ光導波路1には、非線形
光カプラ32を介してファイバ帰還ループ3を結合す
る。ループ3には、アイソレータ6、閾値増幅素子とし
ての直交レーザ33および液晶波長フィルタ34を、光
入力側からこの順序に配置する。この実施例5では、非
線形カプラ32は光ゲートシャッタの作用をもなすの
で、光ゲートシャッタを別個に設ける必要はない。
【0055】ここで、閾値増幅素子としての直交レーザ
33の構造の一例を図10に示す。直交レーザ33は、
通常の1導波路の双安定レーザと異なり、可飽和吸収領
域40を励起するための導波路41がメインのレーザの
導波路42と直交するように配置されている。入力信号
光を可飽和吸収領域40まで導く導波路41は励起光強
度を十分に得るために利得を持った光増幅導波路になっ
ている。通常の可飽和吸収領域を持つレーザではレーザ
共振器に沿って可飽和吸収領域への制御光が入射するの
に対し、直交レーザでは励起光導波路41とメインレー
ザ共振器の導波路42とが異なる。メインレーザ42か
らの出力信号光はメインのレーザキャビティと直交した
可飽和領域励起導波路41に再び導入される。そのため
メインレーザのキャビティと遅延ループのキャビティが
複合し競合するなどの複雑な振舞いを避けることがで
き、しかも光の進行方向も一方に規定される。そのため
戻り光防止素子を省略することも可能である。なお、図
10において、43はメインレーザの利得領域、44は
位相調整領域、45はARコートである。
【0056】このような構成のリング共振器の一部を構
成するループ3に導入された信号光は直交レーザ33の
光増幅導波路41に入射する。ここで増幅された信号光
はメインレーザの可飽和吸収領域40を励起する。励起
された吸収領域は損失が低下し、光導波路42により構
成されているメインレーザが発振する。このレーザ発振
により信号は閾値増幅され、リング共振器中を通り光結
合部31に達する。非線形カプラ32にゲート信号を送
り、出力側を開いた場合に遅延した信号光が読み出され
る。ゲート信号がない場合、信号光は再びリング共振器
に戻る。この信号光はアイソレータ6を通って再び直交
レーザ33の光増幅導波路41に達する。
【0057】直交レーザ33からの出力信号光は液晶波
長フィルタ34を通ってこれにより増幅器の雑音成分を
取り除かれ、ループ導波路3を通って再び光結合器32
に到達する。液晶の波長フィルタ34等により信号光の
波長を安定させると信号光の雑音が抑圧されて出力が安
定化する。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
デジタル化された入力信号光を記憶し、任意所望の時間
に再び読み出す光ループメモリにおいて、入力信号光を
導く光導波路と、この光導波路に結合された光結合手段
と、この光接合手段に結合され、伝搬する信号光を遅延
させるリング状光導波路を有するリング共振手段と、前
記信号光の光強度が予め定めた閾値を越えたときに出力
光を発生する閾値手段と、この閾値手段からの出力光と
の光強度を光増幅する光増幅手段とを具えることによ
り、リング共振器内の信号光を常に良い信号状態に保持
して、十分なメモリ保持時間を実現し、信号光強度を記
憶保持時間に関係なく一定にでき、記憶の消去に待ち時
間を必要とせず、従ってビットレートすなわち応答速度
を高め、消光比を高めて再生信号の品質を改善すること
ができる。
【0059】本発明光メモリは光交換、光情報処理のメ
モリゲート動作素子、基本演算素子に有効に応用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の構成図である。
【図2】本発明実施例1の信号周回特性の説明図であ
る。
【図3】本発明実施例1と従来例について周回数と信号
光のオン/オフ強度との関係を示す説明図である。
【図4】本発明実施例1の動作特性図である。
【図5】本発明実施例2の構成図である。
【図6】エタロン型光スイッチの透過特性概念図であ
る。
【図7】本発明実施例3の構成図である。
【図8】本発明実施例4の構成図である。
【図9】本発明実施例5の構成図である。
【図10】直交レーザの構成を示す構成図である。
【図11】光ループメモリの従来例の構成図である。
【図12】光ループメモリの他の従来例の構成図であ
る。
【符号の説明】
1 ファイバ光導波路 2 光結合器 3 ファイバ帰還ループ 4 光増幅器 5 閾値素子 6 アイソレータ 7 波長フィルタ 8 光ゲートシャッタ 9 エタロン型光スイッチ 10 光増幅素子 11 半導体レーザ 12 双安定半導体レーザ 21 半導体基板 22,23,24,25 光導波路 26 光スイッチ 27 ファイバ 28 可飽和吸収領域 29 非線形光増幅器 30 アイソレータ 31 分布反射グレーティング 32 非線形光カプラ 33 直交レーザ 34 周波数フィルタ 40 可飽和吸収領域 41,42 導波路 43 メインレーザの利得領域 44 位相調整領域 45 ARコート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル化された入力信号光を記憶し、
    任意所望の時間に再び読み出す光ループメモリにおい
    て、 前記入力信号光を導く光導波路と、 該光導波路に結合された光結合手段と、 該光結合手段に結合され、伝搬する信号光を遅延させる
    ループ状光導波路を有する光遅延ループ手段と、 前記信号光の光強度が予め定めた閾値を越えたときに出
    力光を発生する閾値手段と、 該閾値手段からの出力光の光強度を光増幅する光増幅手
    段とを具えたことを特徴とする光ループメモリ。
  2. 【請求項2】 前記ループ状光導波路を伝搬する信号光
    の方向を整えて反射戻り光を防止する方向規定手段をさ
    らに具えたことを特徴とする請求項1記載の光ループメ
    モリ。
  3. 【請求項3】 前記光遅延ループ手段から前記光結合手
    段に結合される信号光の波長を制限する波長フィルタ手
    段をさらに具えたことを特徴とする請求項1または2記
    載の光ループメモリ。
  4. 【請求項4】 前記閾値手段および前記波長フィルタ手
    段をエタロン型光スイッチで構成したことを特徴とする
    請求項3記載の光ループメモリ。
  5. 【請求項5】 前記閾値手段および前記光増幅手段を双
    安定半導体レーザで構成したことを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれかの項に記載の光ループメモリ。
  6. 【請求項6】 前記方向規定手段、前記閾値手段および
    前記光増幅手段を直交レーザで構成したことを特徴とす
    る請求項3記載の光ループメモリ。
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