JP3488671B2 - 波長可変レーザ光源 - Google Patents

波長可変レーザ光源

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JP3488671B2
JP3488671B2 JP2000038791A JP2000038791A JP3488671B2 JP 3488671 B2 JP3488671 B2 JP 3488671B2 JP 2000038791 A JP2000038791 A JP 2000038791A JP 2000038791 A JP2000038791 A JP 2000038791A JP 3488671 B2 JP3488671 B2 JP 3488671B2
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謙一 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光伝送システムに
用いられる波長可変レーザ光源に関し、特に波長を任意
に設定できる低強度雑音のレーザ光源を提供する技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】波長可変光源は、多数の信号光を波長軸
上で多重化して一括伝送する波長多重(WDM)方式の
要素技術の一つである。この波長可変光源への要求条件
のひとつは、光伝送システムの要求に応じて自由に波長
設定できる光源である。
【0003】このような波長可変光源として、従来か
ら、単一発振周波数の波長可変レーザ光源と単純スペク
トルスライス光源とが提供されている。代表的な単一発
振周波数の波長可変レーザ光源は、リングまたはファブ
リペロー形の光共振器内に光増幅媒体と波長可変光フィ
ルタを含む構成のレーザ発振装置である。このレーザ発
振装置は、波長可変光フィルタの中心透過波長でレーザ
発振をさせるため、共振器の軸モードよりも光フィルタ
の選択幅(半値全幅等のパラメータで評価している)を
狭くする必要があるほか、共振器の光学長が発振波長の
整数倍になるように、共振器長を厳密に制御してレーザ
発振状態を安定化している。その波長可変性は波長可変
光フィルタの可変範囲とレーザ媒質の利得波長帯域とで
決まるが、現在利用されているレーザ装置では100n
m程度に渡る可変性が実現されている。但し、共振器長
が最適状態から僅かにずれると、発振が急速に不安定と
なり、大きな強度雑音が発生する。このような発振不安
定性は、僅かな機械的・熱的擾乱がレーザ共振器系に加
えられるだけで生じるため、安定発振状態を得るために
これらの擾乱を防止する安定化機構を必要としていた。
しかし、これら安定化機構はレーザ装置を大型にするた
め、通信システムへの適用の障害となっている。
【0004】一方、以上述べた従来の波長可変レーザ光
源の課題を克服するため、簡易な構成の単純スペクトル
スライス光源が検討されてきている。この光源は、広い
波長帯域に渡る白色光源を波長可変光フィルタで切り出
す波長可変光源であって、任意の波長設定が可能となる
ほか、中心波長が受動部品である波長可変光フィルタで
決まるので、長期的な性能保証も可能であるという特徴
がある。
【0005】しかし、単純スペクトルスライス光源は、
波長可変光フィルタの透過幅によりスペクトル線幅の最
小値が制限されること、及び、フィルタにより多くの光
を除去しているのでスライス光の強度自体が弱いこと、
及び、フィルタリングにより検出する光子数の時間的揺
らぎが発現されるために光強度を減衰させると強度雑音
が急速に増大すること、が問題となっていた。
【0006】単純スペクトルスライス光源についてのこ
れらの課題を解決するため、図5に示すように、リング
形の共振器の構成を有するスペクトルスライス光源が本
願発明者らにより提案されている(参考文献[1]:片
桐、鈴木、相田「安定化単色雑音光の発生」pp.531,1
999年電子情報通信学会総合大会 B-10-170)。
【0007】図5に示す光源は、利得飽和特性が小さい
線形光増幅器5と、アイソレータ3と、波長可変光フィ
ルタ2と、利得飽和特性を有する半導体光増幅媒体1
と、分岐器4と、可変減衰器20と、偏波制御器6とが
リング状に配置された構成を有している。外部からの波
長指定9を受けてフィルタの透過中心波長を制御するフ
ィルタ制御回路10により、波長可変光フィルタ2の透
過中心波長を制御することで、分岐器4の一方の第1分
岐出力8から中心波長が指定波長に一致した光を発生さ
せるように動作する。そして、線形光増幅器5または半
導体光増幅媒体1で発生した光がリングを多数回周回す
ることにより、単純スペクトルスライス光よりもスペク
トル幅が狭く、かつ光出力が大きい光を発生することが
可能である。その周回数を増大させるため、偏波依存性
が必至の半導体光増幅媒体1に対して偏波制御器6によ
り偏波状態の最適化が行われる。
【0008】さらに、前述の単純スペクトルスライスの
持つ光子数揺らぎによる強度雑音を抑圧するため、半導
体光増幅媒体1の利得飽和特性が利用されている。これ
は、過大な光入力に対して利得飽和を利用して光出力を
抑圧しようというもので、光リミッタとしての作用から
強度安定化が図られる仕組みとなっている。強い利得飽
和作用を得るため、線形光増幅器5の利得をできるかぎ
り上げて半導体光増幅媒体1への光入力レベルを高める
必要があるが、その一方で、可変減衰器20によりルー
プの実効利得を下げて不必要なリング共振器のレーザ発
振を抑圧している。
【0009】図6は、このように改善されたスペクトル
スライス光源の波長スペクトルの典型を示し、線形光増
幅器5の持つ自然放出光の累積22をよく抑圧して、ス
ペクトル幅が狭く高強度のスペクトルスライス光21が
発生する特性を示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示すような従来のリング形の共振器構成を有するスペク
トルスライス光源は、従来の単純スペクトルスライス光
源と比較して、スペクトル幅の低減と高光強度化を達成
した光源であるが、以下に説明するように、光子数揺ら
ぎに基づく強度雑音の特有の影響により、高品質の光伝
送用光源としての利用が制限されるという解決すべき課
題がある。
【0011】図7は、観測時間のスロットをTとしたと
き、スロットT内で検出する光子数nに対する事象の頻
度を規格化したもの、すなわち、確率密度の分布を種々
の光に対して示したものである。
【0012】まず、単純スペクトルスライス光25の場
合には、カオス的な振る舞いから、頻度が光子数nに対
して単調減少するボーズアインシュタイン分布となる。
これは、検出光子数の平均値がたとえ<n>と有限値で
あっても、全く光子を検出しない確率が最も高いことを
示しており、光子数の数で1,0の符号を識別する直接
変調・直接検波方式では大きなエラーを発生させる要因
となり、許容できない。
【0013】一方、リング形の共振器の構成を有するス
ペクトルスライス光源は、強度安定化により、光子分布
がコヒーレント光に対応したポアソン分布23と比較し
て、幅は広いもののこれと同様の分布形状を有するスー
パーポアソン分布24となることが示されている。
【0014】光の強度を減衰していった場合、コヒーレ
ント光に対応したポアソン分布23の広がりは変化しな
いが、他のスーパーポアソン分布24やボーズアインシ
ュタイン分布25の分布範囲は広がる。このような分布
の広がりは、限定された観測時間Tでは光強度雑音とな
って反映される。
【0015】このため、図8に示すように、波長可変光
源を強度変調器によりデータコーディングしてその誤り
率(BER:ビットエラーレート)を測定する場合に
は、受信光強度を増大しても誤り率が抑圧できないフロ
アーを生じる。(なお、確率統計では、一般に、母集団
(ここでは光子数)が多い場合には、集団の分布はガウ
ス分布となるが、母集団を構成する要素数を絞っていく
と、各々に固有の確率分布が現れる。ここでは、光の性
質により、光子数が極端に少ないときに、ボーズアイン
シュタインからスーパーポアソン、さらにはポアソン分
布が発現される。このような分布はカオス光やコヒーレ
ント光により特徴化されるので、分布形状の測定を利用
した光の状態の判定に用いられている。)受信光強度と
誤り率との間の関係で、図8に示すようなフロアーが生
じるのは、レーザ場を形成しないスペクトルスライス光
の特徴である。このようなフロアーは、時間スロットT
の減少とともに顕著となり、さらに、極めて誤り率の小
さい高品質データ転送の場合に、必要な光強度が指数関
数的に増大するという理由から、長スパン、高ビットレ
ート光伝送を行うことへの障害となっていた。
【0016】本発明の目的は、上述のような従来技術の
課題を解決するため、光子数分布がコヒーレント光に対
応したポアソン分布に近づく程に安定化した光を発生さ
せることができる波長可変レーザ光源を提供することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の波長可変レーザ光源の発明は、光
強度に対して負帰還作用を持つ高利得飽和特性を有する
半導体光増幅媒体と、不用な戻り光を防止するアイソレ
ータと、波長可変光フィルタと、光を取り出すための分
岐器と、低利得飽和特性を有する線形光増幅器と、偏波
制御器とをループ状に配置したリング形光共振器を有す
る波長可変レーザ光源であって、前記リング形光共振器
における実効周回利得が最大となるように前記偏波制御
器を調整し、前記波長可変光フィルタは、その中心透過
波長近傍で相互相関を持った複数の軸モードでレーザ発
する波長選択幅を有し、かつ、前記低利得飽和特性を
有する線形光増幅器の利得を調整することで前記高利得
飽和特性を有する半導体光増幅媒体を利得飽和状態に
し、これにより複数の前記軸モードが相関して前記分岐
器からの光出力を一定に保持する。
【0018】 ここで、前記リング形光共振器の長
、波長可変レーザ光源の前記軸モード間の光周波数間
隔が前記高利得飽和特性を有する半導体光増幅媒体にお
けるキャリア回復時間の逆数を越えないように設定した
ことを特徴とすることができる。
【0019】 また、前記リング形光共振器の長さの設
定は、各光素子間を光学的に結合している単一モード光
ファイバ、または偏波を保持する復屈折光ファイバの長
さを調整することを特徴とすることができる。
【0020】また、前記線形光増幅器に半導体光増幅器
を用い、該半導体光増幅器の入力側に第2の偏波制御器
を配置したことを特徴とすることができる。
【0021】また、前記波長可変光フィルタは連続可変
の波長制御を行う可変帯域通過フィルタであり、該可変
帯域通過フィルタの透過ピーク波長を外部クロックに同
期して掃引することを特徴とすることができる。
【0022】
【発明の実施形態】以下、図面を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。 (実施形態の基本構成)まず、本発明を適用した波長可
変レーザ光源の基本構成とその作用原理を説明する。
【0023】本発明では、光増幅媒体と波長可変光フィ
ルタを用いた波長可変のリング共振器レーザに対して、
波長可変光フィルタの中心透過波長近傍で相互相関を持
った複数の軸モードを発振させることにより、光子数分
布がコヒーレント光に対応したポアソン分布に近づく程
に安定化した光を発生させることの可能な波長可変レー
ザ光源を実現する。
【0024】詳細には、まず、少なくとも2つの軸モー
ドで発振するように、波長可変光フィルタの波長選択幅
(半値全幅で数値的に特徴付けられている)を調整す
る。このような多モード発振を前提として、さらに、複
数のモードが負の相互相関を持つことにより全光子数を
一定に保持するように、強い利得飽和特性を有する半導
体光増幅媒体をリング共振器の光の経路上に配置する。
ここで、利得飽和は、光子数の揺らぎを抑圧するランジ
ュバン力を与えることが知られている。
【0025】図2は、このような利得飽和特性を有する
半導体光増幅媒体の機能をブロックで示す。図2では、
簡単のため、電流注入により発生する飽和のない線形利
得部分(係数=Go)12と、飽和をフィードバック系
により行う利得飽和部分13とに分けて、その機能構成
を示している。従って、半導体光増幅媒体の正味の利得
係数G(G=Pout/Pin:Pin=入力光強度、Pout=
出力光強度)は、入射光強度P及び飽和光強度Ps を用
いて
【0026】
【数1】
【0027】と書ける。この(1)式は光強度に対して
半導体光増幅媒体が負帰還作用を持つことを意味してい
る。負帰還作用については、参考文献[2]の中ですで
に指摘されているが、その対象は純粋な単一モードのレ
ーザの量子揺らぎを抑圧して、光子数スクイーズド状態
を発生させることにあり、本発明に係わる下記の多モー
ドレーザのモード間相関については言及されていない。
(参考文献[2]: Y.Yamamoto, N. Imoto, and S. M
achida, "Amplitude squeezing in a semiconductor la
ser using quantum nondemolition measurement and ne
gative feedback, "Phys. Rev. A, 33, pp.3243-3260(1
986) 。)
【0028】このような利得飽和特性を有する半導体光
増幅媒体を利用した波長可変レーザでは、図3に示すよ
うに、波長可変光フィルタの透過中心波長16を中心
に、多数の軸モードが同時に発振している。これらの軸
モードは負の相関を持っていて、それらの総和はコヒー
レントな干渉作用を無視して考えると、それらの総和、
すなわち、全光出力は一定となる。
【0029】図4は、このようなモード間相関による光
出力一定化の機構を、3つの軸モードのモデルを用いて
説明した図であり、異なる発振状態A、BおよびCが同
一の総和を持つことが示されている。
【0030】このような多モードのレーザ光は、スペク
トルの広がりがスペクトルスライス光に類似している
が、個々の光子はコヒーレンス性が高く、スペクトルス
ライス光よりも大幅に光子数密度が高く、従って、高出
力である。さらに、このような光は本質的にレーザ場を
形成するので、光子数分布はスーパーポアソン分布から
ポアソン分布に近づく。このため、このような多モード
のレーザ光は、従来のスペクトルスライスのような光子
数揺らぎによる強度雑音の発生が除去され、単一発振周
波数レーザ並の低強度雑音特性が実現される。
【0031】以上述べたことを定量化して考える。利得
飽和に基づくランジュバン力による光子数揺らぎの抑圧
力をH、リング内を周回するレーザ光の強度揺らぎを
Γ、利得媒質により印加される光強度雑音をΓc 、バイ
アス電流の揺らぎに伴う光強度雑音及び増強因子をそれ
ぞれΓi ,ξとすると、リング共振器では、次式
【0032】
【数2】 が成り立つ。
【0033】半導体光増幅媒体への注入電流を大きくと
って、上記抑圧力Hと増強因子ξを同時に増大した場
合、強度雑音(強度揺らぎ)ΓはΓi /Hに漸近する。
通常、秩序化力(抑圧力)Hは光強度雑音Γi に比べて
十分大きいので、Γi /Hは0とみなせる。従って、ラ
ンジュバン力による光子数揺らぎの抑圧力Hが有効な帯
域で、強度雑音Γを抑圧できる。このHが有効な帯域と
は、キャリア回復時間の逆数として近似的に与えられ
る。従って、キャリア回復時間を短くするほど、抑圧で
きる周波数帯域は上昇し、高ビットレートのデータ伝送
まで適用可能となる。半導体光増幅媒体(半導体光増幅
器)ではキャリア回復時間は数psまで短縮可能であ
り、理論的には、100Gbps以上の高速光信号で特
徴づけられる時間スロット(10ps以下)の尺度で、
光子数揺らぎの低減効果が期待できる。
【0034】以上述べた理由から、本発明の基本態様で
は、リング形光共振器における実効周回利得が最大とな
るように偏波制御器を調整し、リング形光共振器の少な
くとも2つの軸モードでレーザ発振するように波長可変
光フィルタの波長選択幅を設定し、かつ、低利得飽和特
性を有する線形光増幅器の利得を調整して半導体光増幅
媒体を利得飽和状態とすることで、複数の軸モードが相
関して分岐器からの光出力を一定に保持するようにして
いる。
【0035】また、以上述べた基本的なリングレーザの
作用に加え、高ビットレートに対応するため、キャリア
回復時間が極めて短い半導体光増幅媒体を用いた場合に
は、別の検討が必要である。
【0036】すなわち、キャリア回復時間が短い程、高
速の変動に対応できるが、リング形光共振器レーザで光
子数揺らぎをすばやく抑圧するためには、ループ長を短
くしてループ応答速度を高める必要がある。しかし、過
度にループ応答速度を速くすると、半導体光増幅媒体の
キャリア緩和時間よりも短くなるので、変動が累積して
十分な抑圧効果を得ることができない。このため、キャ
リア回復時間よりもループ応答速度を遅くすることが必
要となる。したがって、使用する半導体光増幅媒体のキ
ャリア回復時間に最適なループ長を与えることが必要と
なる。
【0037】そこで、本発明の更なる態様では、波長可
変レーザ光源を構成するリング形光共振器の長さを調整
することで、波長可変レーザ光源の軸モード間の光周波
数間隔が利得飽和特性を有する半導体光増幅媒体におけ
るキャリア回復時間の逆数を越えないように設定してい
る。
【0038】(第1の実施形態)図1は、本発明の好ま
しい一実施形態の波長可変レーザ光源の構成を示す。同
図に示す波長可変レーザ光源は、高利得飽和特性を有す
る半導体光増幅器1、アイソレータ3、波長可変光フィ
ルタ2、分岐器4、線形光増幅器5、および偏波制御器
6−1がリング状(ループ状)に配置されたリング形光
共振器を構成している。このような配置構成を実現する
ためには、通常、各光素子間を単一モード光ファイバを
用いて光学的に結合してゆくが、偏波を保持する復屈折
ファイバを用いることもできる。
【0039】ここで、ループ内の半導体光増幅器1の光
出力ポートに配置されたアイソレータ3は、リングを周
回する光の方向を定めるほか、不用な戻り光による光増
幅媒体1の発振を防止する役割を果たしている。波長可
変光フィルタ2には、誘電体多層膜光フィルタ、音響光
学光フィルタ等の様々な波長選択フィルタが利用でき、
それぞれ、フィルタ制御回路10を介して、ビームの入
射角度や透過位置、印加RF信号周波数で波長を選択す
るようになっている。
【0040】分岐器4は、ループから光(第2の分岐出
力8)を取り出すのに使用する。分岐器4から出力する
他の第1の分岐出力7は、利得飽和作用の弱い線形光増
幅器5を経て、偏波制御器6−1を通過して、半導体光
増幅媒体1に帰還する。線形光増幅器5には、通常は、
希土類元素添加ファイバ形光増幅器が利用できるが、飽
和光強度が極めて高い半導体光増幅器も代用可能であ
る。但し、後者の半導体光増幅器を線形光増幅器5とし
て用いる場合には、偏波面を制御して最大利得を得るた
めに、その入射側に第2の偏波制御器6−2を配置する
ことが必要となる。半導体光増幅媒体1の入射側(光入
力ポート)に偏波制御器6−1が配置されているのは同
様の理由による。
【0041】そして、リング共振器における実効周回利
得が最大となるように偏波制御器6−1を調整し、リン
グ形光共振器の少なくとも2つの軸モードでレーザ発振
するように波長可変光フィルタ2の波長選択幅を設定
し、かつ、低利得飽和特性を有する線形光増幅器5の利
得を調整して半導体光増幅媒体1を利得飽和状態とする
ことで、複数の軸モードが相関して分岐器4からの光出
力8を一定に保持するようにする。また、波長可変レー
ザ光源を構成するリング形光共振器のループ長を調整す
ることで、波長可変レーザ光源の軸モード間の光周波数
間隔が、利得飽和特性を有する半導体光増幅媒体1にお
けるキャリア回復時間の逆数を越えないように設定す
る。
【0042】このように構成したリングレーザにおい
て、外部から波長指定9があると、その信号を受けてフ
ィルタの制御回路10が指定波長に従って波長可変光フ
ィルタ2の透過中心波長を制御し、その結果、波長指定
に一致した中心波長を有するレーザ光を分岐器4の第2
の分岐出力8から得ることができる。この出力8はコヒ
ーレント光並に強度が安定なレーザ光である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光増幅体と波長可変フィルタを用いた波長可変のリング
共振器レーザおいて、波長可変光フィルタは、その中心
透過波長近傍で相互相関を持った複数の軸モードでレー
ザ発振する波長選択幅を有しているので、任意の波長を
設定してコヒーレント光並みに強度が安定なレーザを発
生することが可能となり、光子数分布がコヒーレント光
に対応したポアソン分布に近づく程に安定化した光を発
生させることができる波長可変レーザ光源を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一実施形態の波長可変レーザ
光源(リングレーザ)の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の構成要素である利得飽和特性を有する
半導体光増幅媒体の機能を示すブロック図である。
【図3】本発明の波長可変レーザ光源において、多数の
軸モードが波長可変光フィルタの透過中心波長近傍で同
時に発振した場合の光スペクトルを波長と強度の関係で
表す特性図である。
【図4】本発明の波長可変レーザ光源において、負の相
関を有する3つの軸モードの総和(全光強度)が一定と
なることを波長と強度の関係で示す概念図である。
【図5】従来のリング状の構成を有する高出力・狭スペ
クトル幅のスペクトルスライス光源の構成例を示すブロ
ック図である。
【図6】図5のリング状のスペクトルスライス光源から
出力される光のスペクトルの典型を波長と強度の関係で
示す特性図である。
【図7】種々の光(カオス光、安定化されたカオス光、
コヒーレント光)に対する光子分布を示す特性図であ
る。
【図8】安定化されたカオス光を用いたデータ転送の受
信光強度と誤り率(BER)との関係を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
1 半導体光増幅媒体 2 波長可変光フィルタ 3 アイソレータ 4 分岐器 5 線形光増幅器 6 偏波制御器 6−1 偏波制御器 6−2 第2の偏波制御器 7 第1の分岐出力 8 第2の分岐出力(光出力) 9 波長指定 10 フィルタ制御回路 12 線形利得部分(線形増幅部分) 13 利得飽和部分 14 光出力 15 注入電流 16 波長可変光フィルタの透過中心波長 17 透過波長特性 18 軸モード 19 発振波長領域 20 可変減衰器 21 スペクトルスライス光 22 累積された自然放出光 23 コヒーレント光(ポアソン分布) 24 安定化スペクトルスライス光(スーパーポアソン
分布) 25 単純スペクトルスライス光(ボーズアインシュタ
イン分布)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 正満 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 高知尾 昇 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−121845(JP,A) K. I. Suzuki et a l.,SUPPRESSION OF FOUR WAVE MIXING N EAR ZERO DISPERSIO N WAVELENGTH...,25t h EUROPEAN CONFERE NCE ON OPTICAL COM MUNICATION (ECOC’ 99),Vol.I,pp.202−203. (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光強度に対して負帰還作用を持つ高利得
    飽和特性を有する半導体光増幅媒体と、 不用な戻り光を防止するアイソレータと、 波長可変光フィルタと、 光を取り出すための分岐器と、 低利得飽和特性を有する線形光増幅器と、 偏波制御器とをループ状に配置したリング形光共振器を
    有する波長可変レーザ光源であって、 前記リング形光共振器における実効周回利得が最大とな
    るように前記偏波制御器を調整し、 前記波長可変光フィルタは、その中心透過波長近傍で相
    互相関を持った複数の軸モードでレーザ発振する波長
    択幅を有し、 かつ、前記低利得飽和特性を有する線形光増幅器の利得
    を調整することで前記高利得飽和特性を有する半導体光
    増幅媒体を利得飽和状態にし、 これにより複数の前記軸モードが相関して前記分岐器か
    らの光出力を一定に保持することを特徴とする波長可変
    レーザ光源。
  2. 【請求項2】 前記リング形光共振器の長さは、波長可
    変レーザ光源の前記軸モード間の光周波数間隔が前記高
    利得飽和特性を有する半導体光増幅媒体におけるキャリ
    ア回復時間の逆数を越えないように設定したことを特徴
    とする請求項1に記載の波長可変レーザ光源。
  3. 【請求項3】 前記リング形光共振器の長さの設定は、
    各光素子間を光学的に結合している単一モード光ファイ
    バ、または偏波を保持する復屈折光ファイバの長さを調
    整することを特徴とする請求項2に記載の波長可変レー
    ザ光源。
  4. 【請求項4】 前記線形光増幅器に半導体光増幅器を用
    い、該半導体光増幅器の入力側に第2の偏波制御器を配
    置したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の波長可変レーザ光源。
  5. 【請求項5】 前記波長可変光フィルタは連続可変の波
    長制御を行う可変帯域通過フィルタであり、該可変帯域
    通過フィルタの透過ピーク波長を外部クロックに同期し
    て掃引することを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    かに記載の波長可変レーザ光源。
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