JP3206618B2 - 偏波利用光論理素子 - Google Patents

偏波利用光論理素子

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JP3206618B2
JP3206618B2 JP10857293A JP10857293A JP3206618B2 JP 3206618 B2 JP3206618 B2 JP 3206618B2 JP 10857293 A JP10857293 A JP 10857293A JP 10857293 A JP10857293 A JP 10857293A JP 3206618 B2 JP3206618 B2 JP 3206618B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入力光信号によって出
力光の偏波面を切り替えることにより信号光の論理演算
を行う偏波利用光論理素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光半導体素子の一種である光論理素子
は、将来実現が期待される全光システムにおいて、光信
号の制御のために必要不可欠なものである。図11は従
来の光論理素子の一例を示す側面図である。この光論理
素子1は、基板2、クラッド層3、活性層4、クラッド
層5、電極6,7から構成される半導体レーザの上部電
極7を2つの電極7a,7bに分割したもので、電極7
a,7bそれぞれに注入する電流を調整することにより
図12に示すような光入出力特性を得ることができる。
【0003】例えば、図12(a)の点Aの位置に系を
保持し、この系にパルス状の入力光p1を入射すると出
力光p2は点Bとなり、この状態が保持される。すなわ
ちメモリ動作が可能である(図13(a)参照)。ま
た、図12(b)の点Aの位置に系を保持し、この系に
2つの入力光p3,p4を入射すると、出力光p2は図1
3(b)のようになる。すなわちAND動作が可能であ
る。また、図12(c)の点Aの位置に系を保持し、こ
の系に2つの入力光p5,p6を入射すると、出力光p2
は図13(c)のようになる。すなわちOR動作が可能
である。以上のように、この光論理素子1は注入する電
流を調整することでメモリ、AND、ORという論理動
作が可能である。
【0004】また、一般に半導体レーザの出力光p
2は,図14に示すように、この半導体素子に対して水
平方向のTE波と垂直方向のTM波の2つがある。この
2つの光はお互いに競合しあうので、TE波が出力され
るとTM波が抑制され、逆にTM波が出力されるとTE
波が抑制されるという特徴があり、この偏波間のモード
競合は光強度一定のままで行われるので、注入電流が光
出力に変換される必要がなく、したがって、デバイス内
部のキャリア寿命に動作速度が律速されることがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光論理素子1には、出力光p2のオン/オフの動作速度
がデバイス内部のキャリア寿命に律速されてしまうこ
と、また、メモリのリセットを光信号で行うことができ
ず、電気パルスで行わなければならないこと、等の欠点
があり、また、NOT、NAND、NORというような
負論理の演算を行なうことが不可能であるという問題点
もある。また、従来の光論理素子1に用いられる半導体
レーザにおいては、端面における反射率や導波路でのゲ
インはTE波の方がTM波に比べて大きく、したがっ
て、TM波によるレーザ発振が起こりにくいという問題
点があった。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、動作速度がキャリア寿命に律速されないTE
モードとTMモード間のモード競合を利用し、メモリの
リセットも光信号で行うことができ、かつ負論理を容易
に得ることができる偏波利用光論理素子を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な偏波利用光論理素子を採用した。
すなわち、請求項1記載の偏波利用光論理素子は、光信
号を増幅する半導体光増幅器と、該半導体光増幅器から
出力される光信号をTE偏波光とTM偏波光に分離する
偏波スプリッタと、該偏波スプリッタの少なくともTE
偏波光を出力する側のポートに接続され該TE偏波光を
減衰させる光アッテネータと、該光アッテネータから出
力されるTE偏波光と前記TM偏波光とを合波する光合
波器と、光信号の入出力を行う光合波分波器と、光の進
路方向を一方向に限定する光アイソレータとをループ状
に結合し、前記半導体光増幅器と光合波分波器と光アイ
ソレータとは任意の順に配置されていることを特徴とし
ている。
【0008】また、請求項2記載の偏波利用光論理素子
は、光信号を増幅する第1の半導体光増幅器と、該半導
体光増幅器から出力される光信号をTE偏波光とTM偏
波光に分離する偏波スプリッタと、該偏波スプリッタの
少なくともTM偏波光を出力する側のポートに接続され
た第2の半導体光増幅器と、前記TE偏波光と該第2の
半導体光増幅器から出力されるTM偏波光とを合波する
光合波器と、光信号の入出力を行う光合波分波器と、光
の進路方向を一方向に限定する光アイソレータとをルー
プ状に結合し、前記半導体光増幅器と光合波分波器と光
アイソレータとは任意の順に配置されていることを特徴
としている。
【0009】また、請求項3記載の偏波利用光論理素子
は、光信号を増幅する第1の半導体光増幅器と、該半導
体光増幅器から出力される光信号をTE偏波光とTM偏
波光に分離する偏波スプリッタと、該偏波スプリッタの
少なくともTM偏波光を出力する側のポートに接続され
た第2の半導体光増幅器と、前記偏波スプリッタのTE
偏波光を出力する側のポート及び該第2の半導体光増幅
器の出力側のポート各々に設けられ、出力される光信号
の一部または全部を反射する反射器とを備えたことを特
徴としている。
【0010】また、請求項4記載の偏波利用光論理素子
は、光信号を増幅する第1の半導体光増幅器と、該半導
体光増幅器から出力される光信号をTE偏波光とTM偏
波光に分離する偏波スプリッタと、該偏波スプリッタの
TE偏波光を出力する側のポートに接続され該TE偏波
光を増幅させる第2の半導体光増幅器と、前記偏波スプ
リッタのTM偏波光を出力する側のポートに接続され該
TM偏波光を増幅させる第3の半導体光増幅器とを備
え、前記第2及び第3の半導体光増幅器の前記偏波スプ
リッタから離れている側の面各々に、該半導体光増幅器
から出力される光信号の一部または全部を反射する反射
部材を設けたことを特徴としている。
【0011】また、請求項5記載の偏波利用光論理素子
は、請求項1,2,3または4記載の偏波利用光論理素
子において、前記偏波スプリッタの出力側のポート各々
に可変波長フィルタを設けてなることを特徴としてい
る。
【0012】また、請求項6記載の偏波利用光論理素子
は、請求項1,2,3,4または5記載の偏波利用光論
理素子において、前記半導体光増幅器の少なくとも1つ
は、光ファイバ増幅器と、該光ファイバ増幅器にポンプ
光を入力する光合波器とからなることを特徴としてい
る。
【0013】
【作用】本発明の請求項1記載の偏波利用光論理素子で
は、偏波スプリッタにより前記半導体光増幅器から出力
される光信号をTE偏波光とTM偏波光に分離し、光ア
ッテネータにより前記偏波スプリッタから出力されるT
E偏波光を減衰させることにより、一つ以上の入力光に
対する論理演算を行うように出力光の偏波面を切り替
え、NOT、NAND、NORというような負論理の光
論理演算を行う。
【0014】また、請求項2記載の偏波利用光論理素子
では、偏波スプリッタにより前記第1の半導体光増幅器
から出力される光信号をTE偏波光とTM偏波光に分離
し、前記第2の半導体光増幅器により前記偏波スプリッ
タから出力されるTM偏波光を増幅させることにより、
一つ以上の入力光に対する論理演算を行うように出力光
の偏波面を切り替え、NOT、NAND、NORという
ような負論理の光論理演算を行う。
【0015】また、請求項3記載の偏波利用光論理素子
では、偏波スプリッタにより前記第1の半導体光増幅器
から出力される光信号をTE偏波光とTM偏波光に分離
し、前記第2の半導体光増幅器により前記偏波スプリッ
タから出力されたTM偏波光を増幅させることにより、
一つ以上の入力光に対する論理演算を行うように出力光
の偏波面を切り替え、NOT、NAND、NORという
ような負論理の光論理演算を行う。
【0016】また、請求項4記載の偏波利用光論理素子
では、偏波スプリッタにより前記第1の半導体光増幅器
から出力される光信号をTE偏波光とTM偏波光に分離
し、前記第3の半導体光増幅器により前記偏波スプリッ
タから出力されたTM偏波光を増幅させることにより、
一つ以上の入力光に対する論理演算を行うように出力光
の偏波面を切り替え、NOT、NAND、NORという
ような負論理の光論理演算を行う。
【0017】また、請求項5記載の偏波利用光論理素子
では、前記偏波スプリッタの出力側のポート各々に可変
波長フィルタを設けたことにより、TE波及びTM波各
々の波長を互いに等しくまたは異なる波長に調整し、光
入出力間の波長を変換する。
【0018】また、請求項6記載の偏波利用光論理素子
では、前記半導体光増幅器の少なくとも1つを、光ファ
イバ増幅器と、該光ファイバ増幅器にポンプ光を入力す
る光合波器により構成したことにより、TE波及びTM
波各々の波長を互いに等しくまたは異なる任意の波長に
調整し、光入出力間の波長を変換する。
【0019】
【実施例】以下、本発明の各実施例について説明する。 (実施例1)図1は本発明の実施例1の偏波利用光論理
素子(以下、単に光論理素子と略称する)11を示す構
成図である。図において、12は端面発光型の半導体レ
ーザの両端面に無反射コーティングを施した半導体光増
幅器、13は半導体光増幅器12から出力される光信号
をTE波21とTM波22に分離する偏波スプリッタ、
14は偏波スプリッタ13のTE波21を出力する側の
ポートに接続された可変アッテネータ、15は同TM波
22を出力する側のポートに接続された可変アッテネー
タ、16はTE波21とTM波22とを合波する2×1
光カプラ(光合波器)、17は光入出力用の2×2光カ
プラ(光合波分波器)、18は光の進路方向を一方向に
限定する光アイソレータであり、これら各光部品は光フ
ァイバ19によりループ状に結合されている。該光論理
素子11は、光ファイバ19を用いることにより安定な
系を構成することができ、また、TE波21及びTM波
22各々に対してループ状の共振器となる。
【0020】前記2×1光カプラ16は偏波スプリッタ
に置き換えてもよく、また、光ファイバ19は光導波路
に置き換えてもよい。また、前記半導体光増幅器12と
2×2光カプラ17と光アイソレータ18の配置の順序
は任意であり、この実施例の配置の順序に限定されな
い。
【0021】前記半導体光増幅器12のゲインはTE波
21の方がTM波22に比べて大きく、そのためにTM
波22の発振がなかなか起こらない傾向にあるが、TE
波21のゲインを可変アッテネータ14で減衰させるこ
とにより、TM波22を発振させるように調節すること
ができる。したがって、図2に示すような光論理素子を
得ることができる。なお、可変アッテネータ15はTM
波22を調整するためのものであるが、半導体光増幅器
12のTE波21に対するゲインがTM波22に対する
ゲインよりも十分に大きい場合には省略することも可能
である。
【0022】次に、この光論理素子11の動作について
図2及び図3に基づき説明する。ここでは、該光論理素
子11に2×2光カプラ17から入力光p11を入射させ
た場合について説明する。例えば、図2(a)の点Aの
位置に光論理素子11を保持し、この光論理素子11に
パルス状のTE入力光p13を入射するとTE波21が発
振し、TE出力光は点Bとなり、この状態が保持され
る。すなわちメモリ動作が可能である。ここでは、TE
波とTM波は互いに競合しあうために、TM波を入力す
るとTE波の発振が停止することとなるので、リセット
にはTM入力光を用いればよい(図3(a)参照)。
【0023】また、図2(b)の点Aの位置に光論理素
子11を保持し、この光論理素子11に2つのTE入力
光p14,p15を入射すると、TE出力光は図3(b)の
ようになる。すなわちAND動作が可能である。この
時、TM出力光はNANDとなる。また、図2(c)の
位置に光論理素子11を保持し、この光論理素子11に
2つのTE入力光p16,p17を入射すると、TE出力光
は図3(c)のようになる。すなわちOR動作が可能で
ある。この時、TM出力光はNOR動作となる。但し、
TE入力光が単一入力の時にはNOT動作となる。
【0024】以上説明したように、実施例1の光論理素
子11によれば、半導体光増幅器12と、偏波スプリッ
タ13と、可変アッテネータ14,15と、2×1光カ
プラ16と、2×2光カプラ17と、光アイソレータ1
8とを光ファイバ19によりループ状に結合したので、
一つ以上の入力光に対する論理演算を行うように出力光
の偏波面を切り替えることができ、この偏波面を利用し
てNOT、NAND、NORというような負論理の光論
理演算を行うことができる。
【0025】(実施例2)図4は本発明の実施例2の光
論理素子31を示す構成図である。この光論理素子31
は、半導体光増幅器12と、偏波スプリッタ13と、該
偏波スプリッタ13のTM波22を出力する側のポート
に接続された第2半導体光増幅器32と、同TE波21
を出力する側のポートに接続された第3半導体光増幅器
33と、2×1光カプラ16と、2×2光カプラ17
と、光アイソレータ18とを光ファイバ19によりルー
プ状に結合した構成である。該光論理素子31は、光フ
ァイバ19を用いることにより安定な系を構成すること
ができ、また、TE波21及びTM波22各々に対して
ループ状の共振器となる。
【0026】前記2×1光カプラ16は偏波スプリッタ
に置き換えてもよく、また、光ファイバ19は光導波路
に置き換えてもよい。また、前記半導体光増幅器12と
2×2光カプラ17と光アイソレータ18の配置の順序
は任意に変えることができ、この実施例の配置の順序に
限定されない。
【0027】前記半導体光増幅器12のゲインはTM波
22の方がTE波21に比べて小さく、そのためにTM
波22の発振がなかなか起こらない傾向にあるが、TM
波22のゲインを第2半導体光増幅器32で増幅させる
ことにより、TM波22を発振させるように調節するこ
とができる。したがって、図2に示すような光論理素子
を得ることができる。なお、第3半導体光増幅器33は
TE波21を調整するためのものであるが、半導体光増
幅器12のTE波21に対するゲインがTM波22に対
するゲインよりも十分に大きい場合には省略することも
可能である。
【0028】次に、この光論理素子31の動作について
図2及び図3に基づき説明する。ここでは、該光論理素
子31に2×2光カプラ17から入力光p11を入射させ
た場合について説明する。例えば、図2(a)の点Aの
位置に光論理素子31を保持し、この光論理素子31に
パルス状のTE入力光p13を入射するとTE波21が発
振し、TE出力光は点Bとなり、この状態が保持され
る。すなわちメモリ動作が可能である。ここでは、TE
波とTM波は互いに競合しあうために、リセットにはT
M入力光を用いればよい(図3(a)参照)。
【0029】また、図2(b)の点Aの位置に光論理素
子31を保持し、この光論理素子31に2つのTE入力
光p14,p15を入射すると、TE出力光は図3(b)の
ようになる。すなわちAND動作が可能である。この
時、TM出力光はNANDとなる。また、図2(c)の
位置に光論理素子31を保持し、この光論理素子31に
2つのTE入力光p16,p17を入射すると、TE出力光
は図3(c)のようになる。すなわちOR動作が可能で
ある。この時、TM出力光はNOR動作となる。但し、
TE入力光が単一入力の時にはNOT動作となる。
【0030】以上説明したように、実施例2の光論理素
子31によれば、半導体光増幅器12と、偏波スプリッ
タ13と、第2半導体光増幅器32と、第3半導体光増
幅器33と、2×1光カプラ16と、2×2光カプラ1
7と、光アイソレータ18とを光ファイバ19によりル
ープ状に結合したので、一つ以上の入力光に対する論理
演算を行うように出力光の偏波面を切り替えることがで
き、この偏波面を利用してNOT、NAND、NORと
いうような負論理の光論理演算を行うことができる。
【0031】(実施例3)図5は本発明の実施例3の光
論理素子41を示す構成図である。この光論理素子41
は、上述した実施例1の光論理素子11において、偏波
スプリッタ13と可変アッテネータ14との間に可変波
長フィルタ42を、また、偏波スプリッタ13と可変ア
ッテネータ15との間に可変波長フィルタ43をそれぞ
れ設けたものである。
【0032】前記2×1光カプラ16は偏波スプリッタ
に置き換えてもよく、また、可変アッテネータ14,1
5は、実施例2の半導体光増幅器32,33に置き換え
てもよく、光ファイバ19は光導波路に置き換えてもよ
い。また、前記半導体光増幅器12と2×2光カプラ1
7と光アイソレータ18の配置の順序、可変波長フィル
タ42と可変アッテネータ14の配置の順序、可変波長
フィルタ43と可変アッテネータ15の配置の順序は任
意に変えることができ、この実施例の配置の順序に限定
されない。
【0033】前記半導体光増幅器12のゲインはTE波
21の方が大きくTM波22の方が小さいために、TM
波22の発振はなかなか起こらない傾向にある。しかし
TE波21のゲインを可変アッテネータ14で減衰させ
ることにより、TM波22を発振させるように調節する
ことができる。したがって、図2に示すような光論理素
子を得ることができる。さらに、可変波長フィルタ4
2,43を用いてTE波21とTM波22各々の波長を
変えることにより、TE波21及びTM波22各々の波
長を互いに等しくまたは異なる波長に調整することがで
きる。
【0034】なお、可変アッテネータ15はTM波22
を調整するためのものであるが、半導体光増幅器12の
TE波21に対するゲインがTM波22に対するゲイン
よりも十分に大きい場合には省略することも可能であ
る。
【0035】この光論理素子41の動作は、上述した実
施例1の光論理素子11と同様である。例えば、図2
(a)の点Aの位置に光論理素子41を保持し、この光
論理素子41にパルス状のTE入力光p13を入射すると
TE波21が発振し、TE出力光は点Bとなり、この状
態が保持される。すなわちメモリ動作が可能である。こ
こでは、TE波とTM波は互いに競合しあうため、リセ
ットにはTM入力光を用いればよい(図3(a)参
照)。
【0036】また、図2(b)の点Aの位置に光論理素
子41を保持し、この光論理素子41に2つのTE入力
光p14,p15を入射すると、TE出力光は図3(b)の
ようになる。すなわちAND動作が可能である。この
時、TM出力光はNANDとなる。また、図2(c)の
位置に光論理素子41を保持し、この光論理素子41に
2つのTE入力光p16,p17を入射すると、TE出力光
は図3(c)のようになる。すなわちOR動作が可能で
ある。この時、TM出力光はNOR動作となる。但し、
TE入力光が単一入力の時にはNOT動作となる。
【0037】また、可変波長フイルタ42,43により
TE波21とTM波22の波長を調整することで、上記
の光論理素子41は波長変換素子として利用することが
できる。例えば、図3の(b)及び(c)から明らかな
ように、上記の光論理素子41は1つまたは複数のTE
光入力から、TM光出力を得ることができる。また、T
E波21とTM波22は異なる波長に調整されているの
で、これにより光入出力間で波長を変換することができ
る。
【0038】以上説明したように、この実施例3の光論
理素子41においても、上述した実施例1の光論理素子
11と同様に、一つ以上の入力光に対する論理演算を行
うように出力光の偏波面を切り替えることができ、この
偏波面を利用してNOT、NAND、NORというよう
な負論理の光論理演算を行うことができる。また、可変
波長フィルタ42,43を用いているので、TE波21
とTM波22各々の波長を変えることができ、したがっ
て、TE波21及びTM波22各々の波長を互いに等し
くまたは異なる波長に調整することで最適な条件に合わ
せることができる。
【0039】(実施例4)図6は本発明の実施例4の光
論理素子51を示す構成図である。この光論理素子51
は、上述した実施例3の光論理素子41の半導体光増幅
器12を、光ファイバ増幅器52と、該光ファイバ増幅
器52にポンプ光p18を入力する2×1光カプラ(光合
波器)53により構成したものである。
【0040】前記光ファイバ増幅器52のゲインを可変
アッテネータ14,15で調整することにより、TE波
21とTM波22各々のゲインを調節することが可能で
ある。したがって、図2に示すような光論理素子を得る
ことができる。さらに、可変波長フィルタ42,43を
用いてTE波21とTM波22各々の波長を変えること
により、TE波21及びTM波22各々の波長を互いに
等しくまたは異なる波長に調整することができる。
【0041】この光論理素子51の動作は、上述した実
施例3の光論理素子41と同様である。例えば、図2
(a)の点Aの位置に光論理素子51を保持し、この光
論理素子51にパルス状のTE入力光p13を入射すると
TE波21が発振し、TE出力光は点Bとなり、この状
態が保持される。すなわちメモリ動作が可能である。こ
こでは、TE波とTM波は互いに競合しあうため、リセ
ットにはTM入力光を用いればよい(図3(a)参
照)。
【0042】また、図2(b)の点Aの位置に光論理素
子51を保持し、この光論理素子51に2つのTE入力
光p14,p15を入射すると、TE出力光は図3(b)の
ようになる。すなわちAND動作が可能である。この
時、TM出力光はNANDとなる。また、図2(c)の
位置に光論理素子51を保持し、この光論理素子51に
2つのTE入力光p16,p17を入射すると、TE出力光
は図3(c)のようになる。すなわちOR動作が可能で
ある。この時、TM出力光はNOR動作となる。但し、
TE入力光が単一入力の時にはNOT動作となる。
【0043】また、可変波長フイルタ42,43により
TE波21とTM波22の波長を調整することで、上記
の光論理素子51は波長変換素子として利用することが
できる。例えば、図3の(b)及び(c)から明らかな
ように、上記の光論理素子51は1つまたは複数のTE
光入力から、TM光出力を得ることができる。また、T
E波21とTM波22は異なる波長に調整されているの
で、これにより光入出力間で波長を変換することができ
る。
【0044】以上説明したように、この実施例4の光論
理素子51においても、上述した実施例3の光論理素子
41と同様に、一つ以上の入力光に対する論理演算を行
うように出力光の偏波面を切り替えることができ、この
偏波面を利用してNOT、NAND、NORというよう
な負論理の光論理演算を行うことができる。また、TE
波21及びTM波22各々の波長を互いに等しくまたは
異なる波長に調整することで最適な条件に合わせること
ができる。
【0045】(実施例5)図7は本発明の実施例5の光
論理素子61を示す構成図である。この光論理素子61
は、端面発光型の半導体レーザの片端面に無反射コーテ
ィング62aを施した半導体光増幅器62と、偏波スプ
リッタ13と、第2半導体光増幅器32と、第3半導体
光増幅器33と、第2半導体光増幅器32の出力側に設
けられ、出力される光信号の一部または全部を反射する
反射ミラー(反射器)63と、第3半導体光増幅器33
の出力側に設けられ、出力される光信号の一部または全
部を反射する反射ミラー(反射器)64とから構成され
ている。
【0046】該光論理素子61は、TE波21について
は半導体光増幅器62と反射ミラー64との間で共振器
となり、TM波22については半導体光増幅器62と反
射ミラー63との間で共振器となる。
【0047】前記半導体光増幅器62のゲインはTM波
22の方がTE波21に比べて小さく、そのためにTM
波22の発振がなかなか起こらない傾向にあるが、TM
波22のゲインを第2半導体光増幅器32で増幅させる
ことにより、TM波22を発振させるように調整するこ
とができる。したがって、図2に示すような光論理素子
を得ることができる。なお、第3半導体光増幅器33は
TE波21を調整するためのものであるが、半導体光増
幅器62のTE波21に対するゲインがTM波22に対
するゲインよりも十分に大きい場合には省略することも
可能である。
【0048】次に、この光論理素子61の動作について
図2及び図3に基づき説明する。例えば、図2(a)の
点Aの位置に光論理素子61を保持し、この光論理素子
61にパルス状のTE入力光p13を入射すると、光共振
器によりTE波21が発振し、TE出力光は点Bとな
り、この状態が保持される。すなわちメモリ動作が可能
である。ここでは、TE波とTM波は互いに競合しあう
ために、TM波を入力するとTE波の光発振は停止しT
M波が発振することとなり、したがって、リセットには
TM入力光を用いればよい(図3(a)参照)。
【0049】また、図2(b)の点Aの位置に光論理素
子61を保持し、この光論理素子61に2つのTE入力
光p14,p15を入射すると、TE出力光は図3(b)の
ようになる。すなわちAND動作が可能である。この
時、TM出力光はNANDとなる。また、図2(c)の
位置に光論理素子61を保持し、この光論理素子61に
2つのTE入力光p16,p17を入射すると、TE出力光
は図3(c)のようになる。すなわちOR動作が可能で
ある。この時、TM出力光はNOR動作となる。但し、
TE入力光が単一入力の時にはNOT動作となる。
【0050】以上説明したように、実施例5の光論理素
子61によれば、半導体光増幅器62と、偏波スプリッ
タ13と、第2半導体光増幅器32と、第3半導体光増
幅器33と、反射ミラー63,64とを共振器となるよ
うに結合したので、一つ以上の入力光に対する論理演算
を行うように出力光の偏波面を切り替えることができ、
この偏波面を利用してNOT、NAND、NORという
ような負論理の光論理演算を行うことができる。
【0051】なお、該光論理素子61は、各光部品を光
ファイバを用いて結合することにより安定な系を構成す
ることができる。
【0052】(実施例6)図8は本発明の実施例6の光
論理素子71を示す構成図である。この光論理素子71
は、半導体光増幅器62と、偏波スプリッタ13と、該
偏波スプリッタ13のTE波21を出力する側のポート
に接続され、片端面(偏波スプリッタ13側)に無反射
コーティング72a、反対側に高反射コーティング(反
射部材)72bが施された第2半導体光増幅器72と、
同TM波22を出力する側のポートに接続され、片端面
(偏波スプリッタ13側)に無反射コーティング73
a、反対側に高反射コーティング73bが施された第3
半導体光増幅器73とから構成されている。
【0053】前記半導体光増幅器62のゲインはTM波
22の方がTE波21に比べて小さく、そのためにTM
波22の発振はなかなか起こらない傾向にあるが、TM
波22のゲインを第3半導体光増幅器73で増幅させる
ことにより、TM波22を発振させるように調整するこ
とができる。したがって、図2に示すような光論理素子
を得ることができる。なお、第2半導体光増幅器72は
TE波21を調整するためのものであるが、半導体光増
幅器62のTE波21に対するゲインがTM波22に対
するゲインよりも十分に大きい場合には、反射ミラー6
4を代用することが可能である。
【0054】次に、この光論理素子71の動作について
説明する。例えば、図2(a)の点Aの位置に光論理素
子71を保持し、この光論理素子71にパルス状のTE
入力光p13を入射すると、TE出力光は点Bとなり、こ
の状態が保持される。すなわちメモリ動作が可能であ
る。ここでは、TE波とTM波は互いに競合しあうため
に、リセットにはTM入力光を用いればよい(図3
(a)参照)。
【0055】また、図2(b)の点Aの位置に光論理素
子71を保持し、この光論理素子71に2つのTE入力
光p14,p15を入射すると、TE出力光は図3(b)の
ようになる。すなわちAND動作が可能である。この
時、TM出力光はNANDとなる。また、図2(c)の
位置に光論理素子71を保持し、この光論理素子71に
2つのTE入力光p16,p17を入射すると、TE出力光
は図3(c)のようになる。すなわちOR動作が可能で
ある。この時、TM出力光はNOR動作となる。但し、
TE入力光が単一入力の時にはNOT動作となる。
【0056】以上説明したように、実施例6の光論理素
子71によれば、半導体光増幅器62と、偏波スプリッ
タ13と、第2半導体光増幅器72と、第3半導体光増
幅器73とを共振器となるように結合したので、一つ以
上の入力光に対する論理演算を行うように出力光の偏波
面を切り替えることができ、この偏波面を利用してNO
T、NAND、NORというような負論理の光論理演算
を行うことができる。
【0057】なお、該光論理素子71は、各光部品を光
ファイバを用いて結合することにより安定な系を構成す
ることができる。
【0058】(実施例7)図9は本発明の実施例7の光
論理素子81を示す構成図である。この光論理素子81
は、上述した実施例5の光論理素子61において、偏波
スプリッタ13と第2半導体光増幅器32との間に可変
波長フィルタ43を、また、偏波スプリッタ13と第3
半導体光増幅器33との間に可変波長フィルタ42をそ
れぞれ設けたものである。
【0059】前記第3半導体光増幅器33はTE波21
を調整するためのものであるが、半導体光増幅器62の
TE波21に対するゲインがTM波22に対するゲイン
よりも十分に大きい場合には省略することも可能であ
る。さらに、可変波長フィルタ42,43を用いてTE
波21とTM波22各々の波長を変えることにより、T
E波21及びTM波22各々の波長を互いに等しくまた
は異なる波長に調整することができる。
【0060】前記半導体光増幅器62のゲインはTM波
22の方がTE波21に比べて小さく、そのためにTM
波22の発振がなかなか起こらない傾向にあるが、TM
波22のゲインを第2半導体光増幅器32で増幅させる
ことにより、TM波22を発振させるように調整するこ
とができる。したがって、図2に示すような光論理素子
を得ることができる。
【0061】この光論理素子81の動作は、上述した実
施例5の光論理素子61と同様である。例えば、図2
(a)の点Aの位置に光論理素子81を保持し、この光
論理素子81にパルス状のTE入力光p13を入射する
と、TE出力光は点Bとなり、この状態が保持される。
すなわちメモリ動作が可能である。ここでは、TE波と
TM波は互いに競合しあうために、リセットにはTM入
力光を用いればよい(図3(a)参照)。
【0062】また、図2(b)の点Aの位置に光論理素
子81を保持し、この光論理素子81に2つのTE入力
光p14,p15を入射すると、TE出力光は図3(b)の
ようになる。すなわちAND動作が可能である。この
時、TM出力光はNANDとなる。また、図2(c)の
位置に光論理素子81を保持し、この光論理素子81に
2つのTE入力光p16,p17を入射すると、TE出力光
は図3(c)のようになる。すなわちOR動作が可能で
ある。この時、TM出力光はNOR動作となる。但し、
TE入力光が単一入力の時にはNOT動作となる。
【0063】また、可変波長フイルタ42,43により
TE波21とTM波22の波長を調整することで、上記
の光論理素子81は波長変換素子として利用することが
できる。例えば、図3の(b)及び(c)から明らかな
ように、上記の光論理素子81は1つまたは複数のTE
光入力から、TM光出力を得ることができる。また、T
E波21とTM波22は異なる波長に調整されているの
で、これにより光入出力間で波長を変換することができ
る。
【0064】以上説明したように、この実施例7の光論
理素子81においても、上述した実施例5の光論理素子
61と同様に、一つ以上の入力光に対する論理演算を行
うように出力光の偏波面を切り替えることができ、この
偏波面を利用してNOT、NAND、NORというよう
な負論理の光論理演算を行うことができる。また、TE
波21及びTM波22各々の波長を互いに等しくまたは
異なる波長に調整することで最適な条件に合わせること
ができる。
【0065】なお、該光論理素子81は、各光部品を光
ファイバを用いて結合することにより安定な系を構成す
ることができる。また、反射ミラー63(64)は第2
半導体光増幅器32(第3半導体光増幅器33)の偏波
スプリッタ13から遠い側に高反射コーティングを施す
ことで省略することができる。
【0066】(実施例8)図10は本発明の実施例8の
光論理素子91を示す構成図である。この光論理素子9
1は、上述した実施例7の光論理素子81において、半
導体光増幅器62を、光ファイバ増幅器52と、該光フ
ァイバ増幅器52にポンプ光p18を入力する2×1光カ
プラ(光合波器)53により構成し、第2半導体光増幅
器32を光ファイバ増幅器93と2×1光カプラ94に
より構成し、第3半導体光増幅器33を光ファイバ増幅
器95と2×1光カプラ96により構成し、さらに前記
光ファイバ増幅器52の出力側に光信号の一部または全
部を反射する反射ミラー97を設けたものである。
【0067】前記光ファイバ増幅器52のTE・TM波
に対するゲインを光ファイバ増幅器93,95で補償す
ることにより、TE波21とTM波22各々のゲインを
任意に調整することが可能である。したがって、図2に
示すような光論理素子を得ることができる。なお、光フ
ァイバ増幅器52のTE波21及びTM波22に対する
ゲインに大きな差がある場合には、光ファイバ増幅器9
3,95のうち、ゲインの大きい光路にある方の光ファ
イバ増幅器を省略することも可能である。
【0068】この光論理素子91の動作は、上述した実
施例7の光論理素子81と同様である。例えば、図2
(a)の点Aの位置に光論理素子91を保持し、この光
論理素子91にパルス状のTE入力光p13を入射する
と、TE出力光は点Bとなり、この状態が保持される。
すなわちメモリ動作が可能である。ここでは、TE波と
TM波は互いに競合しあうために、リセットにはTM入
力光を用いればよい(図3(a)参照)。
【0069】また、図2(b)の点Aの位置に光論理素
子91を保持し、この光論理素子91に2つのTE入力
光p14,p15を入射すると、TE出力光は図3(b)の
ようになる。すなわちAND動作が可能である。この
時、TM出力光はNANDとなる。また、図2(c)の
位置に光論理素子91を保持し、この光論理素子91に
2つのTE入力光p16,p17を入射すると、TE出力光
は図3(c)のようになる。すなわちOR動作が可能で
ある。この時、TM出力光はNOR動作となる。但し、
TE入力光が単一入力の時にはNOT動作となる。
【0070】また、可変波長フイルタ42,43により
TE波21とTM波22の波長を調整することで、上記
の光論理素子91は波長変換素子として利用することが
できる。例えば、図3の(b)及び(c)から明らかな
ように、上記の光論理素子91は1つまたは複数のTE
光入力から、TM光出力を得ることができる。また、T
E波21とTM波22は異なる波長に調整されているの
で、これにより光入出力間で波長を変換することができ
る。
【0071】以上説明したように、この実施例8の光論
理素子91においても、上述した実施例7の光論理素子
81と同様に、一つ以上の入力光に対する論理演算を行
うように出力光の偏波面を切り替えることができ、この
偏波面を利用してNOT、NAND、NORというよう
な負論理の光論理演算を行うことができる。また、TE
波21及びTM波22各々の波長を互いに等しくまたは
異なる波長に調整することで最適な条件に合わせること
ができる。
【0072】なお、該光論理素子91は、各光部品を光
ファイバを用いて結合することにより安定な系を構成す
ることができる。
【0073】なお、上記各実施例では、入力をTE波、
出力をTE/TM波としたが、逆に入力をTM波とし、
出力をTM/TE波としても同様の効果を奏することが
できる。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
記載の偏波利用光論理素子によれば、光信号を増幅する
半導体光増幅器と、該半導体光増幅器から出力される光
信号をTE偏波光とTM偏波光に分離する偏波スプリッ
タと、該偏波スプリッタの少なくともTE偏波光を出力
する側のポートに接続され該TE偏波光を減衰させる光
アッテネータと、該光アッテネータから出力されるTE
偏波光と前記TM偏波光とを合波する光合波器と、光信
号の入出力を行う光合波分波器と、光の進路方向を一方
向に限定する光アイソレータとをループ状に結合したの
で、一つ以上の入力光に対する論理演算を行うように出
力光の偏波面を切り替えることができ、NOT、NAN
D、NORというような負論理の光論理演算を行うこと
ができる。
【0075】また、請求項2記載の偏波利用光論理素子
によれば、光信号を増幅する第1の半導体光増幅器と、
該半導体光増幅器から出力される光信号をTE偏波光と
TM偏波光に分離する偏波スプリッタと、該偏波スプリ
ッタの少なくともTM偏波光を出力する側のポートに接
続された第2の半導体光増幅器と、前記TE偏波光と該
第2の半導体光増幅器から出力されるTM偏波光とを合
波する光合波器と、光信号の入出力を行う光合波分波器
と、光の進路方向を一方向に限定する光アイソレータと
をループ状に結合したので、一つ以上の入力光に対する
論理演算を行うように出力光の偏波面を切り替えること
ができ、NOT、NAND、NORというような負論理
の光論理演算を行うことができる。
【0076】また、請求項3記載の偏波利用光論理素子
によれば、光信号を増幅する第1の半導体光増幅器と、
該半導体光増幅器から出力される光信号をTE偏波光と
TM偏波光に分離する偏波スプリッタと、該偏波スプリ
ッタの少なくともTM偏波光を出力する側のポートに接
続された第2の半導体光増幅器と、前記偏波スプリッタ
のTE偏波光を出力する側のポート及び該第2の半導体
光増幅器の出力側のポート各々に設けられ、出力される
光信号の一部または全部を反射する反射器とを備えたの
で、一つ以上の入力光に対する論理演算を行うように出
力光の偏波面を切り替えることができ、NOT、NAN
D、NORというような負論理の光論理演算を行うこと
ができる。
【0077】また、請求項4記載の偏波利用光論理素子
によれば、光信号を増幅する第1の半導体光増幅器と、
該半導体光増幅器から出力される光信号をTE偏波光と
TM偏波光に分離する偏波スプリッタと、該偏波スプリ
ッタのTE偏波光を出力する側のポートに接続され該T
E偏波光を増幅させる第2の半導体光増幅器と、前記偏
波スプリッタのTM偏波光を出力する側のポートに接続
され該TM偏波光を増幅させる第3の半導体光増幅器と
を備え、前記第2及び第3の半導体光増幅器の前記偏波
スプリッタから離れている側の面各々に、該半導体光増
幅器から出力される光信号の一部または全部を反射する
反射部材を設けたので、一つ以上の入力光に対する論理
演算を行うように出力光の偏波面を切り替えることがで
き、NOT、NAND、NORというような負論理の光
論理演算を行うことができる。
【0078】また、請求項5記載の偏波利用光論理素子
によれば、前記偏波スプリッタの出力側のポート各々に
可変波長フィルタを設けたので、TE波及びTM波各々
の波長を互いに等しくまたは異なる波長に調整すること
ができ、光入出力間の波長を変換することができる。
【0079】また、請求項6記載の偏波利用光論理素子
によれば、前記半導体光増幅器の少なくとも1つは、光
ファイバ増幅器と、該光ファイバ増幅器にポンプ光を入
力する光合波器とからなることとしたので、TE波及び
TM波各々の波長を互いに等しくまたは異なる任意の波
長に調整することができ、光入出力間の波長を変換する
ことができる。
【0080】以上により、動作速度がキャリア寿命に律
速されない偏波間のモード競合を利用し、メモリのリセ
ットも光信号で行うことができ、かつ負論理を容易に得
ることができる偏波利用光論理素子を実現することがで
きる。また、TE波とTM波の波長を調整することで、
光入出力間で波長を変換することが可能な偏波利用光論
理素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の偏波利用光論理素子を示す
構成図である。
【図2】本発明の実施例1の偏波利用光論理素子の特性
を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例1の偏波利用光論理素子の特性
を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例2の偏波利用光論理素子を示す
構成図である。
【図5】本発明の実施例3の偏波利用光論理素子を示す
構成図である。
【図6】本発明の実施例4の偏波利用光論理素子を示す
構成図である。
【図7】本発明の実施例5の偏波利用光論理素子を示す
構成図である。
【図8】本発明の実施例6の偏波利用光論理素子を示す
構成図である。
【図9】本発明の実施例7の偏波利用光論理素子を示す
構成図である。
【図10】本発明の実施例8の偏波利用光論理素子を示
す構成図である。
【図11】従来の光論理素子を示す構成図である。
【図12】従来の光論理素子の特性を示す説明図であ
る。
【図13】従来の光論理素子の特性を示す説明図であ
る。
【図14】従来の半導体レーザを示す構成図である。
【符号の説明】
11 偏波利用光論理素子 12 半導体光増幅器 13 偏波スプリッタ 14 可変アッテネータ 15 可変アッテネータ 16 2×1光カプラ(光合波器) 17 2×2光カプラ(光合波分波器) 18 光アイソレータ 19 光ファイバ 21 TE波 22 TM波 31 光論理素子 32 第2半導体光増幅器 33 第3半導体光増幅器 41 光論理素子 42,43 可変波長フィルタ 51 光論理素子 52 光ファイバ増幅器 53 2×1光カプラ(光合波器) 61 光論理素子 62a 無反射コーティング 63,64 反射ミラー(反射器) 71 光論理素子 72 第2半導体光増幅器 72a 無反射コーティング 72b 高反射コーティング(反射部材) 73 第3半導体光増幅器 73a 無反射コーティング 73b 高反射コーティング 81 光論理素子 91 光論理素子 93 光ファイバ増幅器 94 2×1光カプラ 95 光ファイバ増幅器 96 2×1光カプラ 97 反射ミラー p11 入力光 p12 出力光 p13 TE入力光 p14 TE入力光 p15 TE入力光 p16 TE入力光 p17 TE入力光 p18 ポンプ光
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 3/00 H01S 3/00 - 5/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光信号を増幅する半導体光増幅器と、 該半導体光増幅器から出力される光信号をTE偏波光と
    TM偏波光に分離する偏波スプリッタと、 該偏波スプリッタの少なくともTE偏波光を出力する側
    のポートに接続され該TE偏波光を減衰させる光アッテ
    ネータと、 該光アッテネータから出力されるTE偏波光と前記TM
    偏波光とを合波する光合波器と、 光信号の入出力を行う光合波分波器と、 光の進路方向を一方向に限定する光アイソレータとをル
    ープ状に結合し、 前記半導体光増幅器と光合波分波器と光アイソレータと
    は任意の順に配置されていることを特徴とする偏波利用
    光論理素子。
  2. 【請求項2】 光信号を増幅する第1の半導体光増幅器
    と、 該半導体光増幅器から出力される光信号をTE偏波光と
    TM偏波光に分離する偏波スプリッタと、 該偏波スプリッタの少なくともTM偏波光を出力する側
    のポートに接続された第2の半導体光増幅器と、 前記TE偏波光と該第2の半導体光増幅器から出力され
    るTM偏波光とを合波する光合波器と、 光信号の入出力を行う光合波分波器と、 光の進路方向を一方向に限定する光アイソレータとをル
    ープ状に結合し、 前記半導体光増幅器と光合波分波器と光アイソレータと
    は任意の順に配置されていることを特徴とする偏波利用
    光論理素子。
  3. 【請求項3】 光信号を増幅する第1の半導体光増幅器
    と、 該半導体光増幅器から出力される光信号をTE偏波光と
    TM偏波光に分離する偏波スプリッタと、 該偏波スプリッタの少なくともTM偏波光を出力する側
    のポートに接続された第2の半導体光増幅器と、 前記偏波スプリッタのTE偏波光を出力する側のポート
    及び該第2の半導体光増幅器の出力側のポート各々に設
    けられ、出力される光信号の一部または全部を反射する
    反射器と、を備えたことを特徴とする偏波利用光論理素
    子。
  4. 【請求項4】 光信号を増幅する第1の半導体光増幅器
    と、 該半導体光増幅器から出力される光信号をTE偏波光と
    TM偏波光に分離する偏波スプリッタと、 該偏波スプリッタのTE偏波光を出力する側のポートに
    接続され該TE偏波光を増幅させる第2の半導体光増幅
    器と、 前記偏波スプリッタのTM偏波光を出力する側のポート
    に接続され該TM偏波光を増幅させる第3の半導体光増
    幅器と、を備え、 前記第2及び第3の半導体光増幅器の前記偏波スプリッ
    タから離れている側の面各々に、該半導体光増幅器から
    出力される光信号の一部または全部を反射する反射部材
    を設けたことを特徴とする偏波利用光論理素子。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の偏波利
    用光論理素子において、 前記偏波スプリッタの出力側のポート各々に可変波長フ
    ィルタを設けてなることを特徴とする偏波利用光論理素
    子。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4または5記載の偏
    波利用光論理素子において、 前記半導体光増幅器の少なくとも1つは、光ファイバ増
    幅器と、該光ファイバ増幅器にポンプ光を入力する光合
    波器とからなることを特徴とする偏波利用光論理素子。
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