JPH0571687A - 配管の補修方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 直線部分だけでなく曲線部分にも適用でき、
シール性が十分でない場合はやり直しが効き、施工が簡
便容易であり、しかも十分な締結力が得られ信頼性が高
い配管の補修方法を提供する。 【構成】 シール面７を有するシール部品２を配管１の
欠陥部１ａに上記シール面７が欠陥部１ａを覆うように
配置し、押圧用ボルト９を有する押圧部品３を上記配管
１の上記欠陥部１ａ側に上記ボルト９が上記シール部品
２に対向するように配置する。次に上記配管１の上記欠
陥部１ａと反対側に保持板４を配置するとともに、該保
持板４の両端４ａを上記押圧部品３に係止させる。そし
て上記押圧用ボルト９をシール部品２に当接させた状態
で締め込むことにより、上記シール部品２のシール面７
を上記欠陥部１ａに圧着させる。また上記保持板４を形
状記憶合金製で平坦状の記憶形状を有するものとし、上
記押圧用ボルト９を締め込んだ後、上記保持板４を形状
回復温度まで加熱する。これによりシール力をさらに付
加する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、配管の欠陥部を補修す
る方法に関し、詳細には欠陥部を切断することなく容易
に実施でき、かつ曲管部にも適用できるようにした補修
方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】配管の漏れ等を生じる欠陥部の補修方法
として、従来、上記欠陥部を切断し、該部分を新しい配
管と交換するのが一般的である。しかしこの方法では、
内部のガスや液体を排除した上で上記切断作業を行う必
要があり、また切断した部分と略同じ長さの配管を用意
する必要がある。また継手を用いる場合は端部にねじ切
り加工やフレア加工を施す必要があり、何れの場合も非
常に手間がかかる問題がある。そこで従来から、欠陥部
を切断することなく補修する方法が提案されている。例
えば形状記憶合金の管継手への利用はその簡便さから古
くから行われており、しかも優れたシール性能を示し、
米国の軍用機の油圧配管において非常に高い信頼性を誇
っている。形状記憶効果を利用した配管用補修部品も特
開平2-168005号公報や実開昭63-195198 号公報に提案さ
れており、これらによれば配管を切断せずに欠陥部を補
修することが可能である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記特開
平2-168005号公報の補修方法では、板を圧延後、配管に
巻き付ける方法であることから、板厚が制限され、締め
付け力が大きくとれないこと、及び板が平面状に形状回
復しようとするため締結部が外れる場合があること、等
の問題がある。また実開昭63-195198 号公報の補修方法
では、直線部分のみしか適用できないこと、及び一度接
合してしまえば取り外しが効かないため施工の失敗が許
されないこと等の問題がある。

【０００４】本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、直線部分だけでなく曲線部分にも適用でき、
シール性が十分でない場合はやり直しが効き、施工が簡
便容易であり、しかも十分な締結力が得られ信頼性が高
い配管の補修方法を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本願の請求項１の発明
は、シール面を有するシール部品を配管の欠陥部に上記
シール面が欠陥部を覆うように配置し、押圧用ボルトを
有する押圧部品を上記配管の上記欠陥部側に上記ボルト
が上記シール部品に対向するように配置し、上記配管の
上記欠陥部と反対側に保持板を配置するとともに、該保
持板の両端を上記押圧部品に係止させ、上記押圧用ボル
トをシール部品に当接させた状態で締め込むことによ
り、上記シール部品のシール面を上記欠陥部に圧着させ
るようにしたことを特徴とする配管の補修方法である。
また請求項２の発明は、上記保持板を形状記憶合金製で
平坦状の記憶形状を有するものとし、上記押圧用ボルト
を締め込んだ後、上記保持板を形状回復温度まで加熱す
ることによりさらにシール力を付加したことを特徴とし
ている。

【０００６】

【実施例】以下本発明の実施例を図について説明する。
図１ないし図４は本発明の一実施例による配管の補修方
法を説明するための図であり、図１は補修状態を示す模
式図、図２，図３はそれぞれ補修方法に用いるシール部
品，保持板を示す図、図４は配管の欠陥部を示す斜視図
である。

【０００７】図において、１は欠陥部１ａを有するベン
ド状の配管、２は上記欠陥部１ａを覆うことによりシー
ルするシール部品、３はこのシール部品２を上記欠陥部
１ａに押圧するための押圧部品、４は該押圧部品３を管
の反対側から保持する保持板、５は保持板４を加熱する
加熱装置である。

【０００８】上記シール部品２は、矩形状の基板６の内
面に対象とする配管の呼び径に対応した曲率を有するシ
ール面７を形成してなるものであり、このシール面７は
例えば熱硬化樹脂で形成されている。なお上記基板６に
は押圧ボルトが挿入される凹部６ａが形成されている。

【０００９】上記押圧部品３は、対象配管の呼び径より
大きい内径を有する半円筒状のベース板８に押圧用ボル
ト９を螺挿してなるものである。また上記ベース板８の
半径方向端部には一対のキー溝８ａが軸方向に延びるよ
う形成されている。

【００１０】上記保持板４は、例えば予めマルテンサイ
ト相を有する温度域で２〜７％圧延して引き延ばした形
状記憶合金製のものであり、その左，右縁部には該部分
を折り返すことにより係止部４ａが形成されている。そ
してこの保持板４は形状回復温度まで加熱することによ
り、図３に示す平坦状に形状回復するようになってい
る。

【００１１】上記加熱装置５は、上記保持板４を上述の
形状回復温度に加熱するためのものであり、上記保持板
４の下方に配設された発熱体１０と、これに電力を供給
する電源１１とで構成されている。

【００１２】上記各補修部品を用いて、配管１の欠陥部
１ａを補修するには、まずこの欠陥部１ａにシール部品
２のシール面７を当接させ、押圧部品３をこのシール部
品２の上側に配置し、保持板４を上記欠陥部１ａの反対
側に配置し、該保持板４の係止部４ａをベース板８のキ
ー溝８ａに軸方向にスライドさせて嵌め込み、この状態
で押圧用ボルト９を締め上げる。この後、加熱装置５に
より、保持板４を加熱し、形状回復温度まで昇温させ
る。これにより上記シール部品２のシール面７部分が上
記欠陥部１ａを強固に押圧し、該欠陥部１ａが確実にシ
ールされる。

【００１３】このように本実施例では、シール部品２を
押圧部品３及び保持板４によって欠陥部１ａ部分に押し
付けるようにしたので、配管を切断することなく欠陥部
の補修が可能である。また上記保持板４の長さを適当に
設定することにより、配管の曲がり部にも適用できる。
またシール部品２を押圧用ボルト９で押圧するととも
に、保持板４を形状回復させるようにしたので、それだ
けシール性を向上でき、またシール性に不安がある場合
等は何度でもやり直しが可能である。さらに各部品を上
記状態にセットした後、押圧用ボルト９を締め上げるだ
けで良く、作業が簡単である。

【００１４】

【発明の効果】以上のように本発明に係る配管の補修方
法によれば、シール部品を欠陥部に当てるとともに、こ
れを押圧部品，及び保持部品で押圧するようにしたの
で、配管を切断することなく欠陥部を補修でき、配管の
曲がり部にも適用でき、さらに作業が簡便容易であり、
しかもシール性が高いという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による配管の補修方法を説明
するための断面図である。

【図２】上記実施例方法に用いるシール部品を示す図で
ある。

【図３】上記実施例方法に用いる保持板を示す斜視図で
ある。

【図４】補修対象配管を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 配管 １ａ 欠陥部 ２ シール部品 ３ 押圧部品 ４ 保持板 ５ 加熱装置 ７ シール面 ９ 押圧用ボルト

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シール面を有するシール部品を配管の欠
   陥部に上記シール面が欠陥部を覆うように配置し、押圧
   用ボルトを有する押圧部品を上記配管の上記欠陥部側に
   上記ボルトが上記シール部品に対向するように配置し、
   上記配管の上記欠陥部と反対側に保持板を配置するとと
   もに、該保持板の両端を上記押圧部品に係止させ、上記
   押圧用ボルトを上記シール部品に当接させた状態で締め
   込むことにより、上記シール部品のシール面を上記欠陥
   部に圧着させるようにしたことを特徴とする配管の補修
   方法。
2. 【請求項２】 請求項１において、上記保持板を形状記
   憶合金製で平坦状の記憶形状を有するものとし、上記押
   圧用ボルトを締め込んだ後、上記保持板を形状回復温度
   まで加熱することによりさらにシール力を付加したこと
   を特徴とする配管の補修方法。