JPH0570181U - 扁平型ブラシレス回転機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気抵抗を大きくすることなく、渦電流損失
を低減させる扁平型ブラシレス回転機を提供する。 【構成】 回転軸に固定された円板に放射状に円周方向
に偶数個の界磁マグネットが取り付けられ、前記マグネ
ットに対向するコイルを有するア−マチュア組立体を積
層コアを介して回転機のカバ−に取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は一般に回転電機、特に扁平型ブラシレス回転機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図２は、従来技術の典型的な扁平型ブラシレスモ−タの半体断面側面図であっ て、以下の説明はブラシレスモ−タについて述べる。 回転軸１を軸方向両端において支持する軸受２と３は、それぞれ、円板状の右 端面カバ−４、カップ状の側面兼左端面カバ−５に固定され、カバ−４とカバ− ５との中間には、さらに両カバ−を連結するカップ状の中間カバ−６が設けられ て、カバ−４とカバ−６の底面とで囲まれる空間には、回転軸１に垂直に固定さ れ断面がＬ字形の円板７の表面上に、偶数個の界磁マグネット８が、Ｎ極とＳ極 が交互になるように隣接して放射状に配置され、さらに、これらの界磁マグネッ ト８に対向して軸方向外側（図で右側）に、コイル９を有するア−マチュア組立 体１０が前記の端面カバ−４に固定された環状の円板１１に取付けられて収容さ れている。また、図で左側の端面カバ−５の内部は、図示しないコントロ−ラを 収納する収納部１２になっている。 上記の構造において、環状円板１１は、例えば鉄板などの磁性材料で作られ磁 路を形成するコアの役目を果し、界磁マグネット８による磁束はア−マチュア組 立体１０を通過し、円板１１に案内されて回転軸の軸線方向から軸線に直角な平 面内を円周方向に折れ曲がり、円周方向に隣接して反対の極性を有する界磁マグ ネット８に対応する位置に至り、更に前記と逆方向の軸線方向に折れ曲がって、 隣接して反対の極性を有する界磁マグネット８に戻るようになっている。 そこでリ−ド線１３を介してコイル９に通電すると、コイル９と界磁マグネッ ト８との電磁相互作用により界磁マグネット８は回転し回転軸を回転させる。

【０００３】 次に、図３に示すブラシレスモ−タは、前記のブラシレスモ−タの磁気抵抗を 低減し改良する目的で、図２の場合と逆に界磁マグネット８を軸方向の外側（図 で右）にして、円板２７により回転軸２１の外周に固定し、この界磁マグネット ８の軸方向の内側（図で左）に所定の間隙を保って対面するア−マチュア組立体 ３０を、カップ形の第１の内側カバ−２６の底板に直接取り付け、さらに別に設 けた第２の内側カバ−１２の側壁を通してリ−ド線１３を導き、前記図２のブラ シレスモ−タで別に設けた円板１１を省略し磁気抵抗を低減するようにしている が、回転軸端部の速度検出器１４と上記の点以外は図２と同様の構成である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

図２に示した扁平型ブラシレスモ−タの構造では、界磁マグネット８と磁路を 形成する円板１１との間にア−マチュア組立体１０が挟まれているので、磁気抵 抗が大きく十分な磁束が得られない。また図３に示したブラシレスモ−タではカ バ−２６の部分で渦電流損失が生ずる欠点がある。 本考案は、磁気抵抗を増大させることなく、しかも渦電流損失を低減させる扁 平型ブラシレス回転機、特にブラシレスモ−タを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案では、回転軸に固定された円板の表面に放射状に、偶数個の界磁マグネ ットを円周方向に配置し、隣接する界磁マグネットは、Ｎ極とＳ極が交互になる ように取り付けられ、前記界磁マグネットに対向してコイルを有するア−マチュ ア組立体を、回転軸の軸線方向に、けい素鋼板などの磁性材料の板を界磁マグネ ットから発生する磁束の向きと同一方向に積層したコアを介して、モ−タのカバ −に取り付けた構造の扁平型ブラシレスモ−タとして上記の目的を達成した。

【０００６】

【作用】

界磁マグネット８から軸線方向内方に向う磁束は、ア−マチュア組立体３０を 通って積層コア１５に案内されてカバ−２６の半径方向に延在する底板内を通過 するように折れ曲がり、更に前記と逆に軸線方向に曲がった磁路を経て円周方向 に隣接する界磁マグネットに戻る。 コア１５は磁性材料の板を積層して形成されているため磁気抵抗も少なく、渦 電流損失も低減されて磁束量が多く、高出力を発生する。

【０００７】

【実施例】

図１は、本考案による扁平型ブラシレスモ−タの一実施例を示す半体断面側面 図であり、図２または図３に示した従来技術によるブラシレスモ−タと同一の部 品には同一符号を、類似の部品には２０を加えた符号を付し、重複を避けるため に、特に図３に示した従来技術のブラシレスモ−タと異る点のみを述べる。 ア−マチュア組立体３０は、回転軸２１の軸線方向に積層された円板状又は環 状のけい素鋼板等のコア１５を介し、半径方向に延在してカバ−２６の底板を形 成している部分に取り付けられ、それ以外は図３と同様なので説明を省略する。

【０００８】

【考案の効果】

本考案による偏平型ブラシレス回転機は、積層コアを介してア−マチュア組立 体をカバ−に取り付けたので、磁気抵抗が少なく渦電流損失も低減され磁束量が 向上するため高出力が得られ、しかも従来と同一外形で済む利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の扁平型ブラシレスモ−タの実施例を示
す半体断面側面図である。

【図２】従来の扁平型ブラシレスモ−タの半体断面側面
図である。

【図３】従来技術による別の扁平型ブラシレスモ−タの
半体断面側面図である。

【符号の説明】

２、３ 軸受 ４、５、２６、 カバ− ８ 界磁マグネット ９ コイル １５ 積層コア ２１ 回転軸 ２７ 円板 ３０ ア−マチュア組立体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転軸（２１）の所定位置に垂直に固定
   された円板（２７）の表面に、Ｎ極とＳ極が円周方向に
   交互に隣接し放射状に配置された偶数個の界磁マグネッ
   ト（８）と、コイル（９）を有し前記界磁マグネットに
   対向し配置されたア−マチュア組立体（３０）と、前記
   界磁マグネット（８）とア−マチュア組立体（３０）と
   を内部に収容し軸方向両端において軸受（２、３）を介
   し前記回転軸（２１）を軸支する複数のカバ−部材
   （４、５、２６）と、 前記ア−マチュア組立体（３０）の前記界磁マグネット
   と反対側の面に装着され、前記界磁マグネット中の前記
   ア−マチュア組立体に対向するＮ極からの磁束を、軸方
   向に前記ア−マチュア組立体を通過させ、隣接する界磁
   マグネットのＳ極に対応する位置まで円周方向に方向を
   変え、さらに軸方向逆向きに変え再び前記ア−マチュア
   組立体を通過して前記隣接する界磁マグネットのＳ極に
   向かって流れる磁路を形成させる磁性材料製のコア部材
   （１５）と、を含んで成る扁平型ブラシレス回転機にお
   いて：前記界磁マグネット（８）は前記回転軸（２１）
   の軸方向の一方の外側端側に配置され、前記ア−マチュ
   ア組立体（３０）は前記界磁マグネットの軸方向の内方
   に所定の隙間を保って配置され、前記磁性材料製のコア
   部材（１５）は、けい素鋼板などが界磁マグネットから
   発生する磁束の向きと同一方向に積層され、前記ア−マ
   チュア組立体（３０）とカバ−（２６）とに密着されて
   いることを特徴とする扁平型ブラシレス回転機。
2. 【請求項２】 前記磁性材料製のコア部材（１５）は、
   前記複数のカバ−部材中で側壁を形成するカップ形カバ
   −部材（２６）の半径方向に延在する底部に装着されて
   前記ア−マチュア組立体を強固に保持していることを特
   徴とする請求項１記載の扁平型ブラシレス回転機。