JP2005237191A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁気エネルギーをより有効に活用し、より容易で低コストで製造できるモータを提供する。
【解決手段】 モータの回転軸14と同心に配置されたステータユニット20及び回転軸14と同心に配置されたロータユニット30を備えるモータ40であって、ステータユニット20は、コア内周側支持環部3及びコア外周側支持環部4によって、回転軸14の周囲に、環状に複数個が配置された独立したステータコア部材5を含み、且つ、各ステータコア部材5は、ラジアル方向に磁界を発生するよう構成された相巻線13を担持し、且つ、ロータユニット30は、永久磁石7a、7b及び保磁子部8a、8b及びロータ支持機構部9から構成され、ステータユニット20を、外周側間隙18b及び/又は内周側間隙18aを形成しつつ、同心に囲繞する。
【選択図】 図1



Description

本発明は、モータの構造に関し、特に、モータの回転軸と同心に配置されたステータユニット及びロータユニットを備えるモータに関する。
モータのステータユニットにおいて、複数の独立したステータコア部材を、ステータ支持機構部によって、回転軸の周囲に環状に配置させたモータが従来から知られている。その場合の各々のステータコア部材には、ラジアル方向に磁界を発生させる構成となるように相巻線が巻回される。一方、そのモータのロータユニットには、そのステータユニットを囲繞するような配置で永久磁石が設けられる。そのロータユニットに設けられた永久磁石は、ステータユニットに属して静止している相巻線の周囲を回転する。
しかしながら、従来のモータでは、例えば、ロータユニットに設けられる永久磁石が、相巻線を備えるステータユニットの内周側面あるいは外周側面の何れか一方のみに配置されていたため、相巻線で発生した磁気エネルギーを有効に活用しているとは言えず、モータの効率の向上が要望されていた。
また、従来のモータでは、ステータユニットに磁極となるステータポール及びその間にスロット開口部が形成され、ステータポールと相巻線が、回転軸からラジアル方向に延伸、あるいは、巻き回されて形成されるので、ステータユニットがその分だけ大径化し、ロータユニットとの間隙も大きくなり、モータの外形寸法が大きくなりがちであった。
また、従来のモータでは、上記したようにステータポール及びスロット開口部を備えることから、それらの配置によりモータ回転時の所定位置では比較的大きなディテントトルクが発生し、回転トルクの変動も比較的大きくなっていた。また、従来のモータでは、ステータポール及びスロット開口部等の構成あるいは形状によっては、ステータポール等を板材を複数枚積層して形成することが困難である場合があり、製造コストが高くなる場合があった。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたもので、磁気エネルギーをより有効に活用し、より容易で低コストで製造できるモータを提供することを目的とする。
上記した課題を解決するため、本発明のモータは、モータの回転軸と同心に配置されたステータユニット及び回転軸と同心に配置されたロータユニットを備えるモータであって、ステータユニットは、コア内周側支持環部及びコア外周側支持環部によって、回転軸の周囲に、環状に複数個が配置された独立したステータコア部材を含み、且つ、各ステータコア部材は、ラジアル方向に磁界を発生するよう構成された相巻線を担持し、且つ、ロータユニットは、永久磁石及び保磁子部及びロータ支持機構部から構成され、ステータユニットを、外周側間隙及び/又は内周側間隙を形成しつつ、同心に囲繞する。
本発明では、ステータユニットにスロット開口部を設けないようにしたので、モータのディテントトルクを抑制でき、回転トルクの変動を低く抑制でき、また、ロータユニットをロータ内周側支持環部とロータ外周側支持環部で形成し、各々に永久磁石を同心配置で設けたので、モータの効率を向上させることができる。
以下に、図面を参照して、本発明によるモータの実施形態の有利な点及び特徴を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のモータの主要部を分解した状態を示す斜視図である。図2は、図1のモータのシャフトに対して垂直方向となる横断面図である。図3は、図1の相巻線が巻回されていない状態のステータコア部材を示す斜視図である。図4は、図2のモータ内の磁束の流れの好適な実施形態を示した図である。
図1及び図2に示される本実施形態によるモータ40は、モータ40の回転軸14となる位置に配置される静止するシャフト2を備える。シャフト2の上下両方の端部には、そのシャフト2をロータユニット30のロータ支持機構部9に対して回転自在に軸支する軸受6及び軸受10が取り付けられる。シャフト2は、ベースプレート1と回転不能に結合される。ロータ支持機構部9は、好適には環形状(あるいは円筒形状)であり、モータ40の回転軸14と同心であるロータ内周側支持環部9a(内周側壁)及びロータ外周側支持環部9b(外周側壁)を備える。
ロータ支持機構部9のロータ内周側支持環部9a及びロータ外周側支持環部9bとの間に形成される空間15には、ロータ内周側支持環部9a側に内周側保磁子部8aが設けられ、ロータ外周側支持環部9b側に外周側保磁子部8bが設けられる。又、ロータ内周側支持環部9aに設けられる内周側保磁子部8aには、ロータ支持機構部9の円周に沿う方向に、ロータユニット30に属する複数の内周側永久磁石7aが配列され、ロータ外周側支持環部9bに設けられた外周側保磁子部8bには、ロータ支持機構部9の円周に沿う方向に、ロータユニット30に属する複数の外周側永久磁石7bが配列されて設けられる。その場合の各永久磁石7a、7bは、好適には、上記したロータ支持機構部9の円周に沿う方向に交互に磁化される。
図2に示された本実施形態では、ロータ支持機構部9のロータ内周側支持環部9aに、交互に磁化された4個の内周側永久磁石7aが配列されて設けられ、ロータ外周側支持環部9bに、交互に磁化された4個の外周側永久磁石7bが配列されて設けられる。但し、本実施形態は一例であり、永久磁石7a、7bの配列数は他の数に変更しても良い。更に、ロータ外周側支持環部9bに設けられる外周側永久磁石7bの数と、ロータ内周側支持環部9aに設けられる内周側永久磁石7aの数は、異なるように構成しても良い。
ロータ内周側支持環部9aに配列された内周側永久磁石7aと、ロータ外周側支持環部9bに配列された外周側永久磁石7bとの間には、回転軸14に対して同心である空間15が形成される。その空間15には、コア内周側支持環部3とコア外周側支持環部4から構成されるステータ支持機構部16(ステータユニットの環形状の支持部)が挿入される。本実施形態のステータユニットの環形状の支持部は、磁気短絡が発生する以前に磁気飽和となる磁性材料で形成される。
図1に示されたように、コア内周側支持環部3とコア外周側支持環部4には、回転軸14の方向に延伸されて形成される突起17が等間隔に設けられる。コア内周側支持環部3とコア外周側支持環部4は、それらの突起17によってベースプレート1に固定される。コア内周側支持環部3とコア外周側支持環部4との間には、相巻線13が巻回されたステータコア部材5aが挿入される。その場合、好適には、ステータコア部材5が、コア内周側支持環部3及びコア外周側支持環部4との間で連続して透磁可能であるように接触するように挿入される。
ステータコア部材5をステータ支持機構部16の円周に沿う方向に配列させるために、コア内周側支持環部3には、ステータコア部材5と対向するその外周面に内周側スロット11aが、そして、コア外周側支持環部4には、ステータコア部材5と対向するその内周面に外周側スロット11bが、回転軸14と平行方向で望ましくは等間隔に形成される。
図3に示すように、ステータコア部材5のコア内周側面19aには、内周側スロット11aに対応する内周側ガイド12aが設けられ、コア外周側面19bには、外周側スロット11bに対応する外周側ガイド12bが設けられる。従って、各々の内周側ガイド12aと内周側スロット11a、及び、外周側ガイド12bと外周側スロット11bを嵌合させれば良い。
図1には、ステータコア部材5の構成を具体的に説明するため、モータ円周方向に向けて各巻線が巻回された相巻線13を備えた状態のステータコア部材5aと、相巻線13が全く巻回されていない状態のステータコア部材5の両方が示される。ステータコア部材5の対称軸は、モータ40の回転軸14に対してラジアル方向に延伸される方向である。
図3には、上記したように、ステータコア部材5を具体的に説明するために、相巻線13が巻回されていない状態で示されている。その図3に示されるように、そのステータコア部材5のコア内周側面19a及びコア外周側面19bは円弧形状の断面を有している。その各円弧形状面の半径寸法は、コア外周側支持環部4の内周側面4b、又は、コア内周側支持環部3の外周側面3aの半径寸法に対応する。従って、ステータコア部材5をステータ支持機構部16に挿入した状態では、ステータコア部材5とコア外周側支持環部4との間、あるいは、ステータコア部材5とコア内周側支持環部3との間において、透磁可能である良好な接触が得られる。
図2には6個のステータコア部材5が示される。但し、相巻線13の数、及び、その相巻線13により形成される磁極の数は他の数に変更しても良い。又、ステータコア部材5及びコア内周側支持環部3とコア外周側支持環部4は、磁性材料、特に強磁性材料により形成される。上記ステータ支持機構部16及び/又はステータコア部材5は、好適には、積層された複数の板材、型抜き材、プレス材、あるいは、鋳造材(何れも磁性材料)により形成される。特に、ステータ支持機構部16及び/又はステータコア部材5は、強磁性材料の積層板材を一括型抜きして形成することが好適である。又、ステータ支持機構部16及び/又はステータコア部材5は、良好な磁気飽和特性を示す強磁性板材により形成されると特に好適である。
上記のように構成されたステータユニット20の場合、ステータコア部材5が、ステータ支持機構部16に属するコア内周側支持環部3あるいはコア外周側支持環部4と直接に接触するため、各々のステータコア部材5が、ステータポール毎に物理的に分割されないという利点を有する。それは、コア内周側支持環部3及びコア外周側支持環部4が磁性材料から作られているため、磁界を平行に透磁させるからである。
一方、コア内周側支持環部3及びコア外周側支持環部4を形成する際には、磁気飽和特性が小さい(磁気飽和になりやすい)材料が用いられるため、ステータコア部材5間の磁気回路で磁気短絡が発生する事態を回避することができる。従って、本実施形態では、ステータの磁極は、図4に示したように隣接する2つのステータコア部材5の間を接続するステータ支持機構部16(コア内周側支持環部3及びコア外周側支持環部4)の中継領域において、磁気飽和が発生した部分に形成される。コア内周側支持環部3及びコア外周側支持環部4の材質としては、コア内周側支持環部3とコア外周側支持環部4における隣接する2個の相巻線13(あるいは磁気コイル)の間を接続するように配置される中継領域において、各相巻線13から発生される磁束が重なって磁気短絡が発生する以前に磁気飽和となる材質を選択することが望ましい。
本実施形態では、上記したように物理的なステータポールとスロット開口部が存在しないこと、又、各相巻線13から発生する磁界がほぼ連続的に移行するように互いに入り混じることから、モータ40のディテントトルク及び回転トルク変動を非常に低く抑えることができる。
特に、図2(図2中「矢印⇒:磁化極性方向」を参照)に示されるように、ロータ内周側支持環部9aに属する内周側永久磁石7aとロータ外周側支持環部9bに属する外周側永久磁石7bは同一の極性方向に磁化される。それに加えて、図2に示される実施形態の場合、ロータ内周側支持環部9aに属する内周側永久磁石7aと、ロータ外周側支持環部9bに属する外周側永久磁石7bは、同一のラジアル方向の角度区分(図2では90°)の中に配置される。言い換えるならば、ロータ内周側支持環部9aに属する内周側永久磁石7aと、ロータ外周側支持環部9bに属する外周側永久磁石7bは、互いにラジアル方向の角度が同一となるように、各取り付け周面上で互いに変位しない(シフトしない)ように配置されて取り付けられている。
本実施形態によるモータ40は、モータの回転軸14と同心に配置されたステータユニット20及び回転軸14と同心に配置されたロータユニット30を備える。ロータユニット30は、永久磁石7a、7b及び保磁子部8a、8b及びロータ支持機構部9から構成される。ロータ支持機構部9は、ロータ内周側支持環部9aとロータ外周側支持環部9bを備える。そのロータ内周側支持環部9aとロータ外周側支持環部9bは、ステータユニット20を、外周側間隙18bあるいは内周側間隙18aを形成しつつ同心に囲繞している。ステータユニット20は、コア内周側支持環部3及びコア外周側支持環部4によって、回転軸14の周囲に、環状に複数個が配置された独立したステータコア部材5を含み、且つ、各ステータコア部材5は、ラジアル方向に磁界を発生するよう構成された相巻線13を担持する。
ロータユニット30をロータ内周側支持環部9aとロータ外周側支持環部9bから形成することで、相巻線13で発生した磁界を両側の永久磁石7a、7bに相互に作用させることができる。それに伴ってモータ40全体の効率が向上する。
本実施形態では、ステータユニット20は複数のステータコア部材5に分割されており、各々のステータコア部材5には、ラジアル方向に磁界を発生させるよう構成された相巻線13が巻回される。特に、本実施形態によれば、それらの相巻線13は、ステータコア部材5における周囲(モータ円周方向側面)の外側方向に向けて各巻線が巻回されることにより、芯方向がロータユニット30の回転軸14からラジアル方向に延伸される方向である巻線部が形成される。
この場合、磁界発生方向に延伸されるようにコア外周の各巻線が巻回されて相巻線が形成される場合と比べて、ステータユニット20とロータユニット30と間の間隙18a、18bをより小さくすることができる。この場合、その小さな間隙18a、18b中の磁界の強度をより高くできることから、モータ40の効率を一段と向上させることができ、モータ40に必要となるスペースも減少させることができる。
本実施形態によれば、ステータ支持機構部16は、コア内周側支持環部3とコア外周側支持環部4から構成される。ステータコア部材5は、コア内周側支持環部3及びコア外周側支持環部4の間に支持される。又、コア内周側支持環部3及びコア外周側支持環部4は、磁性材料から形成され、各相巻線13によりほぼ連続的に移行するように互いに入り混じる磁界の一部を誘導して透磁させる。
本実施形態によるモータ40の場合は、ステータの端部にスロットの開口部を有していないことから、好都合なことに、スロット開口部により発生するディテントトルクを特に低くできる。言い換えると、本実施形態によるモータ40では、回転トルクの変動を特に低く抑制することができる。
本実施形態によれば、ステータの磁極は、隣接する2つのステータコア部材5の間を接続するステータ支持機構部16の中継領域において、磁気飽和が発生した部分に形成される。
その場合、コア内周側支持環部3及びコア外周側支持環部4は、好適には、鉄スクラップを主原料とする電炉鋼の板材を積層してまとめた部品として構成される。本実施形態では、ステータコア部材5は、各々円弧形の断面形状を有する。それによって、ステータユニット20を一段と省スペースで製造できると同時に、相巻線13の巻回方向を本実施形態のようにすることにより、ステータユニット20とロータユニット30の間に生じる間隙18a、18bの寸法を非常に小さくすることができる。
本実施形態では、ステータコア部材5は、磁性材料を含む型抜き材、プレス材、及び、鋳造材の何れかを複数枚積層させて構成される。そうすることで、ステータコア部材5を低コストで製造できる。
本実施形態では、ステータ支持機構部16は、磁性材料で形成される。そうすることで、ステータ支持機構部16の中に磁界が誘導され、スロット開口部が設けられないステータユニット20を得ることができる。そうすることで、モータ40のディテントトルクを抑制することができる。
本実施形態では、ステータ支持機構部16及び/又は上記ステータコア部材5は、薄い板材により形成される。その場合、様々な厚さの板材を用意したり、磁気の飽和条件を多様に変更することで、ステータ支持機構部16の磁気回路における相巻線13間の短絡を防ぐことができる。
本実施形態では、ステータ支持機構部16及び/又はステータコア部材5は、強磁性材料の積層板材を一括型抜きさせて形成させる。それによって、磁界が、ステータ支持機構部16及び/又はステータコア部材5に誘導されて透磁されることで、ステータユニット20の効率を向上させると共に、モータ40の製造コストも低減させることができる。
本実施形態では、ロータ支持機構部9には、ロータ内周側支持環部9aとロータ外周側支持環部9bとを有してその間に空間15が形成され、ロータ内周側支持環部9aとロータ外周側支持環部9bの各々には、互いに同心に各1個づつ配置される保磁子部8a、8bと、少なくとも各1個づつ配置される永久磁石7a、7bが設けられる。ロータ内周側支持環部9a、及び、ロータ外周側支持環部9bに少なくとも1個の永久磁石7a、7bを配置することで、モータ40が電磁力を発生したときのモータ40の効率を引き上げることができる。
本実施形態では、ロータ内周側支持環部9aには、環形状である1個の内周側保磁子部8aが設けられる。ロータ外周側支持環部9bには、環形状である1個の外周側保磁子部8bが設けられる。内周側保磁子部8aには、ステータユニット20と対向するように内周側保磁子部8aの周面に沿う方向に取り付けられ、磁化方向が交互となる複数の内周側永久磁石7aが備えられる。外周側保磁子部8bには、ステータユニット20と対向するように外周側保磁子部8bの周面に沿う方向に取り付けられ、磁化方向が交互となる複数の外周側永久磁石7bが備えられる。
本実施形態では、ロータ内周側支持環部9aの内周側永久磁石7aと、ロータ外周側支持環部9bの外周側永久磁石7bとは、同一の極性方向に磁化される。
このように本実施形態では、ロータユニット30をロータ内周側支持環部3とロータ外周側支持環部4を用いて形成し、ロータ内周側支持環部3とロータ外周側支持環部4の各々に少なくとも1個の永久磁石7a、7bが互いに同心配置で設けられるので、相巻線13で発生した磁界を両側の永久磁石7a、7bに相互に作用させることができ、それに伴ってモータ電磁力を発生させる効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、ステータコア部材5の断面形状を円弧形にしてステータユニット20に必要なスペースを減少させ、相巻線13の各巻線をステータコア部材5における周囲(モータ円周方向側面)の外側方向に向けて巻回したので、ステータユニット20の配置とロータユニット30の配置との間隙18a、18bを小さくでき、間隙が小さくなることで磁界強度を強くできるので、モータ40の効率を向上させ、モータ40に必要なスペースを減少させることができる。
また、本実施形態では、ステータ支持機構部16(コア内周側支持環部3及びコア外周側支持環部4)を磁性材料で形成し、ステータ支持機構部16の中に磁界の一部を誘導させて透磁させて、ステータユニット20にスロット開口部が設けられないので、モータ40のディテントトルクを抑制でき、回転トルクの変動を低く抑制できる。
また、本実施形態では、ステータ支持機構部16及び/又はステータコア部材5を板材により形成し、板材の厚み及び磁気の飽和条件を変更させることにより、ステータ支持機構部16の磁気回路における相巻線13間の短絡を防ぐことができる。さらに、ステータコア部材5を、磁性材料の板材、型抜き材、プレス材、及び、鋳造材の何れかを複数枚積層させて構成させることにより低コストで製造できる。あるいは、ステータ支持機構部16及び/又はステータコア部材5を強磁性材料の積層板材を一括型抜きさせて形成させることで、磁界を誘導できるようにして、ステータユニット20の効率を向上させることができると共にモータ40の製造コストも低減させることができる。
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態のモータのシャフトに対して垂直方向となる部分横断面図である。
上記した第1実施形態のモータ40では、ロータ内周側支持環部9aに属する内周側永久磁石7aと、ロータ外周側支持環部9bに属する外周側永久磁石7bとを、同一のラジアル方向の角度区分の中に全て配置させていた。しかし、例えば、図5に示される本実施形態のモータ41のように、ロータ内周側支持環部9aに属する内周側永久磁石7aと、ロータ外周側支持環部9bに属する外周側永久磁石7bを、角度α分変位させ(シフトさせ)て配置させることが有益である場合がある。これは、そのように構成させることで、ディテントトルクを更に抑制できる場合があるからである。
本発明の第2の実施形態では、ロータ内周側支持環部9aが備える内周側永久磁石7aと、ロータ外周側支持環部9bが備える外周側永久磁石7bは、ラジアル方向の所定角度αの変化分だけ、各取り付け周面上で互いに変位する(シフトする)配置となるよう取り付けられている。つまり、ロータ内周側支持環部9aの内周側永久磁石7aと、ロータ外周側支持環部9bの外周側永久磁石7bを互いに変位させ(シフトさせ)て配置させることで、同一のラジアル方向の角度区分の中に同一極性の内周側永久磁石7aと外周側永久磁石7bとが全て配置されなくなることから、ディテントトルクが抑えられて回転トルク変動を減らすことができることになる。
また、このディテントトルク及び回転トルク変動に関連する別の実施例として、例えば、ロータ内周側支持環部9aに属する内周側永久磁石7aの数とロータ外周側支持環部9bに属する外周側永久磁石7bの数を異なるようにすることにより、同一のラジアル方向の角度区分の中に同一極性の内周側永久磁石7aと外周側永久磁石7bとが全て配置されなくなる比率が増加することから、ディテントトルクを更に抑えるようにする場合が考えられる。
このように本実施形態では、ロータ内周側支持環部9aに属する内周側永久磁石7aと、ロータ外周側支持環部9bに属する外周側永久磁石7bを、角度α分変位させる(シフトさせる)か、あるいは、ロータ内周側支持環部9aに属する内周側永久磁石7aの数とロータ外周側支持環部9bに属する外周側永久磁石7bの数を異なるようにすることで、第1実施形態よりも、さらにモータ40のディテントトルクを抑制でき、回転トルクの変動を低く抑制できる。
本発明は上記した各実施形態に限られるものではなく、例えば、モータの回転軸と同心に配置されたステータユニット及びロータユニットを備えるモータであって、環状に複数個が配置される独立したステータコア部材と、そのステータコアの内周側あるいは外周側の少なくとも一方にステータコア部材を支持する環形状の支持部を有するステータユニットと、そのステータユニットの環形状の支持部の配置に対向させて内周側あるいは外周側の少なくとも一方に環形状のロータ支持機構部を有するロータユニットと、ロータ支持機構部に配置される少なくとも1個の永久磁石とを備えていれば、本発明のディテントトルクを抑制でき、回転トルクの変動を低く抑制できる効果を得ることができる。
本発明の第1実施形態のモータの主要部を分解した状態を示す斜視図である。 図1のモータのシャフトに対して垂直方向となる横断面図である。 図1の相巻線が巻回されていないステータコア部材を示す斜視図である。 図2のモータ内の磁束の流れの好適な実施形態を示した図である。 本発明の第2実施形態のモータのシャフトに対して垂直方向となる部分横断面図である。
符号の説明
1 ベースプレート、
2 シャフト、
3 コア内周側支持環部、
4 コア外周側支持環部、
5 ステータコア部材、
6、10 軸受、
7a 内周側永久磁石、
7b 外周側永久磁石、
8a 内周側保磁子部、
8b 外周側保磁子部、
9 ロータ支持機構部、
9a ロータ内周側支持環部、
9b ロータ外周側支持環部、
11a 内周側スロット、
11b 外周側スロット、
12a 内周側ガイド、
12b 外周側ガイド、
13 相巻線、
14 回転軸、
15 空間、
16 ステータ支持機構部、
17 突起、
18a 内周側間隙、
18b 外周側間隙、
19a コア内周側面、
19b コア外周側面、
20 ステータユニット、
30 ロータユニット、
40、41 モータ。

Claims (15)

  1. モータの回転軸と同心に配置されたステータユニット及び該回転軸と同心に配置されたロータユニットを備えるモータであって、
    前記ステータユニットは、コア内周側支持環部及びコア外周側支持環部によって、回転軸の周囲に、環状に複数個が配置された独立したステータコア部材を含み、且つ、
    前記各ステータコア部材は、ラジアル方向に磁界を発生するよう構成された相巻線を担持し、且つ、
    前記ロータユニットは、永久磁石及び保磁子部及びロータ支持機構部から構成され、前記ステータユニットを、外周側間隙及び/又は内周側間隙を形成しつつ、同心に囲繞する
    ことを特徴とするモータ。
  2. 前記相巻線は、前記ステータコア部材における周囲(モータ円周方向側面)の外側方向に向けて各巻線が巻回されることにより、芯方向がロータユニットの回転軸からラジアル方向に延伸される方向である巻線部が形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 前記ステータ支持機構部は、前記コア内周側支持環部及び前記コア外周側支持環部から構成され、且つ、
    前記ステータコア部材は、前記コア内周側支持環部及び前記コア外周側支持環部の間に支持される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ。
  4. ステータの磁極は、隣接する2つのステータコア部材の間を接続する前記ステータ支持機構部の中継領域において、磁気飽和が発生した部分に形成される
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のモータ。
  5. 前記ステータコア部材は、各々略円弧形の断面形状を有する
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のモータ。
  6. 前記ステータコア部材は、磁性材料を含む型抜き材、プレス材、及び、鋳造材の何れかを複数積層させて構成される
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のモータ。
  7. 前記ステータ支持機構部は、磁性材料で形成される
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のモータ。
  8. 前記ステータ支持機構部及び/又は前記ステータコア部材は、板材により形成される
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のモータ。
  9. 前記ステータ支持機構部及び/又は前記ステータコア部材は、強磁性材料の積層板材を一括型抜きされることで形成させる
    ことを特徴とする請求項8に記載のモータ。
  10. 前記ロータ支持機構部は、ロータ内周側支持環部とロータ外周側支持環部とを有してその間に空間が形成され、
    前記ロータ支持機構部のロータ内周側支持環部とロータ外周側支持環部の各々には、互いに同心に各1個ずつ配置される保磁子部と、少なくとも各1個ずつ配置される前記永久磁石が設けられる
    ことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のモータ。
  11. 前記ロータ内周側支持環部と前記ロータ外周側支持環部の各々には、環形状である各1個の前記保磁子部、及び、前記保磁子部に前記ステータユニットと対向するように取り付けられる複数の磁化方向が交互となる前記永久磁石が備えられる
    ことを特徴とする請求項10に記載のモータ。
  12. 前記ロータ内周側支持環部の前記永久磁石と、前記ロータ外周側支持環部の前記永久磁石とは、同一の極性方向に磁化される
    ことを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のモータ。
  13. 前記ロータ内周側支持環部が備える前記永久磁石と、前記ロータ外周側支持環部が備える前記永久磁石は、ラジアル方向の所定角度の変化分だけ、各取り付け周面上で互いに変位する配置となるよう取り付けられている
    ことを特徴とする請求項11に記載のモータ。
  14. 前記ロータ内周側支持環部が備える前記永久磁石の数と、前記ロータ外周側支持環部が備える前記永久磁石の数が異なる
    ことを特徴とする請求項11に記載のモータ。
  15. モータの回転軸と同心に配置されたステータユニット及びロータユニットを備えるモータであって、
    環状に複数個が配置される独立したステータコア部材と、
    前記ステータコア部材の内周側あるいは外周側の少なくとも一方に前記ステータコア部材を支持する環形状の支持部を有するステータユニットと、
    ステータユニットの前記環形状の支持部の配置に対向させて内周側あるいは外周側の少なくとも一方に環形状のロータ支持機構部を有するロータユニットと、
    前記ロータ支持機構部に配置される少なくとも1個の永久磁石と
    を備え
    前記ステータユニットの環形状の支持部は、磁気短絡が発生する以前に磁気飽和となる磁性材料である
    ことを特徴とするモータ。
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