JPH0570132A - 導電性製品 - Google Patents

導電性製品

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JPH0570132A
JPH0570132A JP91216691A JP21669191A JPH0570132A JP H0570132 A JPH0570132 A JP H0570132A JP 91216691 A JP91216691 A JP 91216691A JP 21669191 A JP21669191 A JP 21669191A JP H0570132 A JPH0570132 A JP H0570132A
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layer
oxide
conductive
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JP91216691A
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English (en)
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Liang-Sun Hung
リヤン−スン・フン
Dilip K Chatterjee
デイリツプ・クマー・チヤタージー
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Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
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Publication date
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    • H10N60/01Manufacture or treatment
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    • H10N60/0576Processes for depositing or forming superconductor layers characterised by the substrate
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性製品を提供する。 【構成】 支持体、バリヤーおよびヘビープニクチド混
合アルカリ土類金属銅酸化物結晶質被覆とから製品を構
成する。支持体はクロムと1種類以上の第VIII族4
周期金属とからのオーステナイト金属合金であり、バリ
ヤー層は高密度酸化ハフニウム層から形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性製品に関する。さ
らに詳しくは、本発明は比較的高い超伝導開始転移温度
を有する導電性製品に関する。さらに詳しくは、本発明
は比較的高温において超伝導を示す製品に関する。
【0002】
【従来の技術】アゴステネリ(Agostenell
i)等のヨーロッパ特許出願第0,334,093A号
(1989年9月27日出願)は、結晶性導電性ヘビー
プニクチド混合アルカリ土類金属銅酸化物を支持体上
に形成した導電性製品を開示している。この製品は支持
体が被覆表面としてプロブスキー結晶構造(provs
kite crystal structure)(例
えば、チタン酸ストロンチウム被覆表面)またはマグネ
シアもしくはアルミナ被覆表面を有する場合に高い臨界
温度と超伝導とを示す。適合性の低い支持体によるTc
の低下を避けるために、アゴスチネリ等は結晶性超伝導
性酸化物層と支持体との間のバリヤー層の使用を提案し
ている。提案されたバリヤーはマグネシア、グループ4
金属の酸化物またはケイ化物(特にジルコニア)、銀、
金または白金金属を含む。
【0003】
【発明が解決するための課題】超伝導性銅酸化物被覆が
非貴金属、特に4周期金属の支持体上に存在する製品を
提供することが本発明の目的である。
【0004】
【課題を解決するための手段】1態様では、本発明は支
持体、バリヤーおよび導電性ヘビー プニクチド混合ア
ルカリ土類金属銅酸化物結晶性被覆から成る製品であっ
て、支持体がクロムまたは1種類以上のVIII族4周
期金属のオーステナイト合金であること、およびバリヤ
ーが高密度酸化ハフニウム層から成ることを特徴とする
製品に関する。結晶性被覆、支持体およびバリヤー材料
を選択することによって、比較的高いTc レベルを有す
る製品および超伝導性を有する製品を含めた導電性製品
が、経済的に魅力的であり、多様な構造形での製造を可
能にする非貴金属の合金を用いて得られる。例えば、特
定の支持体材料が特に、導電性テープおよびワイヤーの
ような、フレキシブルな製品の製造を可能にする。下記
で詳細に述べる理由から、支持体、バリヤーおよび導電
性キュプレート(cuprate)層の選択がこれらの
併用に独特に適し、多様な材料の選択によって得られな
いような高い超伝導開始温度を得ることを可能にするこ
とが判明した。
【0005】「超伝導」成る用語は、材料が測定不能に
低い電気抵抗を示す現象に適用される。最近まで、超伝
導は絶対零に近い温度においてのみ再現可能に示されて
いた。超伝導を示しうる物質を冷却すると、温度低下の
関数として抵抗が著しく低下する(導電性は上昇する)
温度に達する。この温度は超伝導開始温度と呼ばれる、
また超伝導研究に関連して、単に臨界温度(Tc )と呼
ばれる。Tc は超伝導の開始を表示し、種々な物質の超
伝導の温度ランキングを示すための便利に確認され、一
般に受容される基準点である。物質中で超伝導(すなわ
ち、零抵抗)が測定される最高温度はT0 と呼ばれる。
【0006】ここで用いる用語、高い超伝導開始温度、
高い臨界温度および高いTc は80℃より高い超伝導開
始温度を有する物質を表示するために相互交換可能に用
いられる。
【0007】図1には、本発明の要件を満たす製品10
0を示す。この製品はオーステナイト金属合金支持体1
00、高密度酸化ハフニウムバリヤー層103および導
電性ヘビー プニクチド混合アルカリ土類金属銅酸化物
結晶性被覆105から成る。本発明の他の実施態様は図
2に示す。製品200は、薄い酸化物層201aと、導
電性ヘビー プニクチド混合アルカリ土類金属銅酸化物
結晶性被覆205の結晶化に必要な温度への加熱中にそ
の反対面に形成された201bとを有するオーステナイ
ト金属合金支持体201から成る。導電性被覆と支持体
との間には層203aと203bとが挿入される。層2
03aは高密度酸化ハフニウムバリヤー層である。層2
03bは補助バリヤー層または導電性層の結晶化の促進
をその目的として有する層である。外側被覆207は支
持体と協同作用して、導電性層を囲み、これを周囲汚染
物、例えば水分から保護する。
【0008】本発明の導電性製品はクロムと1種類以上
のVIII族4周期金属とのオーステナイト合金から成
る支持体を含む。オーステナイト合金は面心立法結晶格
子構造を有し、この構造はこれらの合金の他の結晶形よ
りもこれらの合金を高温において高度に耐酸化性にす
る。製品製造を促進するために、空気中で少なくとも8
00℃の温度に10分間まで暴露された場合に耐酸化性
であるような合金を用いることが特に考えられる。実際
に、これらの合金はこれより高温(例えば、850℃以
上)にも、通常は幾らか短い期間暴露されることができ
る。
【0009】オーステナイト合金は周囲空気からの酸素
と、反応するとしても、緩慢に反応するので耐酸化性で
ある。ある場合には、耐酸化性は元素状金属の低い開始
および連続酸化速度に直接起因する。他の場合には、厚
さが約1000Åより大きいことが稀な、薄い表面酸化
物層の形成が酸化を遅延させるまたは防止する保護膜
(passivant)として作用する。この場合に
は、支持体は上記の層201aと201bに相当する薄
い表面酸化物層を有する。
【0010】耐酸化性オーステナイト合金は1種類以上
のVIII族4周期金属すなわち鉄、ニッケルおよびコ
バルトの1種類以上と共にクロムを含むという一般的特
徴を有する。クロム濃度は約5〜30%の範囲内であ
る。(他に指定しないかぎり、%は全て総重量を基準と
した重量%であると理解すべきである。)オーステナイ
トステンレス鋼は約16〜25%のクロム、約20%ま
でのニッケルを含み、残部は主に鉄であり、少量の任意
の改質用金属もしばしば存在する。鉄の全てまたは一部
をニッケル、コバルトまたは両者の混合物で置換するこ
とによって、超合金として知られたオーステナイト合金
が形成される。鉄の全てまたは一部がニッケル置換さ
れ、コバルトは存在するとしても20%までに限定され
た超合金は典型的に、5〜25%のクロムを含み、22
%までのニッケルを含み、残部のVIII族金属がコバ
ルトである超合金は典型的に、約19〜30%のクロム
を含む。種々な性質を強化するためにオーステナイト合
金に共通に含まれる、他の任意の金属には、しばしば炭
化物として含まれる、12%までの濃度のモリブデンと
タングステンの一方または両方;しばしば炭化物として
含まれる、6%までの濃度のアルミニウムとチタンの一
方または両方、5%までの濃度のニオブ;およびしばし
ば炭化物として含まれる、12%までの濃度のタンタル
がある。オーステナイトステンレス鋼中のマンガンとケ
イ素の濃度は20%までの範囲内であるが、最も一般的
には1〜5%の範囲内である。超合金では、マンガンと
ケイ素は存在するとしても、合金の2%程度に成ること
は稀である。窒素、炭素、リン、硫黄、ジルコニウム、
ホウ素および稀土類元素も通常は1%よりかなり低い濃
度での一般的な成分である。
【0011】適当なオーステナイトステンレス鋼の特定
の零は「メタルス ハンドブック(Metals Ha
ndbook)」、アメリカン ソシエティ フォア
メタルス(American Society for
Metals),1985,15−2頁、表3と16
−2頁、表1に記載されている。適当なオーステナイト
超合金の特定の例は上記「メタルス ハンドブック」、
61−7頁、表2に記載されている。
【0012】オーステナイト合金は、導電性酸化物層の
結晶化に必要な高温および周囲温度における耐酸化性の
他に、白金金属、銀および金に比べて非常に経済的に使
用できるという利点を提供する。さらに、オーステナイ
ト合金はフレキシブルであり、かつ丈夫である支持体の
製造を可能にする。製品の支持体は例えばテープまたは
ワイヤーの形状で容易に製造され、例えば製品製造の前
後での巻き取りまたはスプールへの巻き取りに必要な形
状のような湾曲した形状を可能にする。オーステナイト
合金支持体はそれらの予定用途のために、例えばテープ
のようなフレキシブルな形状での使用のために便利な厚
さを取り得るが、約5〜500μm、好ましくは50〜
300μmの範囲の支持体厚さが考えられる。
【0013】支持体のオーステナイト合金表面に直接接
触させながら導電性結晶性酸化物層の被覆と結晶化とを
試みるならば、導電性の劣化が生ずる。例えば、酸化物
層を支持体のオーステナイト合金と直接接触させなが
ら、酸化物層をその結晶化温度に加熱するならば、高い
c または超伝導性結晶質酸化物層を得ることは不可能
である。
【0014】それ故、オーステナイト合金支持体と導電
性結晶性酸化物層との間にバリヤー層を挿入することが
考えられる。高密度酸化ハフニウムが導電性結晶性酸化
物層のオーステナイト合金汚染を防止するための有効な
バリヤーを形成し得ることは本発明の意外な発見であ
る、一方では一般に用いられるバリヤー物質である酸化
ジルコニウムは無効である。有用性のこの相違は、ジル
コニウムとハフニウムとが周期律表の同じ族の要素であ
り、実際に同じ原子直径を有し、実際に同じ化学反応特
性を有することを考えるならば、非常に意外である。
【0015】酸化ハフニウムと酸化ジルコニウムが密接
な化学的、物理的類似性を有するために、少量の酸化ジ
ルコニウムが酸化ハフニウム中に常に存在することが考
えられる。商業的に入手可能な最も純粋な形の酸化ハフ
ニウムである光学等級の酸化ハフニウムは酸化ハフニウ
ム1モルにつき3×10-4モルの酸化ジルコニウムを含
み、酸化ハフニウムを必要とする用途の圧倒的に多数に
おいて受容される試薬等級酸化ハフニウムは通常、酸化
ハフニウム1モルにつき2×10-2モルよりやや少ない
酸化ジルコニウムを含む。ここで用いる「酸化ハフニウ
ム」なる用語は微量の酸化ジルコニウムの存在を考慮す
るものである。酸化ハフニウムは酸化ジルコニウムより
も比較的高価であるので、酸化ハフニウムの代わりに少
量の酸化ジルコニウムを用いることが特に考えられる。
酸化ハフニウムの組成は次の関係式(I)を満たすと考
えられる: ★
【化1】式中、zは上記不純物レベルから0.3まで、
好ましくは0.2まで、最適には0.1までの範囲であ
る。
【0016】酸化ジルコニウムとは異なり、酸化ハフニ
ウムバリヤー層は高密度を有する。高密度とは、酸化ハ
フニウムがその理論密度の少なくとも90%、好ましく
は少なくとも99%の密度を有することを意味する。酸
化ハフニウム層の理論密度は、層の全排除量(層の長さ
と幅と厚さのサイズの積)が酸化ハフニウムによって占
められた場合の密度である。酸化ハフニウム層における
穴、ひび割れ、その他の不連続は排除量(displa
cement volume)に基づく、その見かけの
密度(observed density)を著しく減
ずる。バリヤー層に高い酸化ハフニウム密度を得るため
には、穴、ひび割れ、その他の不連続を避けるような被
覆方法を用いることが必要である。それ故、後に加熱時
の揮発によって除去される水分を含むハフニウム化合物
の付着によってその場で酸化ハフニウムを生ずる被覆方
法は、高密度酸化ハフニウム被覆に適さない。さらに詳
しくは、例えば上記ヨーロッパ特許出願第0,334,
093号に開示されているような、金属組織的な(me
talorganic)付着方法は高密度酸化ハフニウ
ム被覆の形成に適さない。
【0017】高密度酸化ハフニウムの最初の付着に成功
した被覆方法も、局在内部応力が高密度酸化ハフニウム
層から層の形成時にアニール(anneal)されない
かぎり、導電性酸化物層をその結晶化温度に加熱する時
に失敗する。下記の実施例で実証されるように、導電性
酸化物層の結晶化に必要な温度に耐え得る高密度酸化ハ
フニウム層を形成する電子ビーム付着方法が用いられて
いる。実施例がさらに実証するように、この方法は高密
度酸化ジルコニウムバリヤー層の形成には有効ではな
い。さらに、同被覆方法によって生じた酸化ジルコニウ
ム層は結晶化温度への加熱によって生ずる応力破壊に起
因すると考えられる機械的欠陥を有することが観察され
ている。
【0018】高密度酸化ハフニウムバリヤー層は連続被
覆を形成しうる便利な厚さで付着される。理想的に滑ら
かな支持体被覆面に対して、連続層を得るには、少なく
とも約2000Åの厚さが必要である。実際に、支持体
の表面粗さは支持体と導電性結晶性酸化物被覆との分離
を保証するために必要な高密度酸化ハフニウム層の厚さ
を有意に高める。研磨されていないオーステナイト合金
支持体面に対しては、支持体と導電性結晶性酸化物被覆
との確実な分離を保証するために約1μmの厚さが好ま
しい。
【0019】理論的な最大バリヤー層厚さはもちろん存
在しない。使用時に曲げられることのない製品に対して
は、バリヤー層は好都合な厚さを取りうる。スプールに
巻き取られるまたは巻き取りされる予定の製品のような
フレキシブルな製品の製造では、バリヤー層の厚さを必
要なフレキシビリティを維持するように限定することが
好ましい。本発明の要件を満たすフレキシブル製品に組
み入れるためには1〜3μm、好ましくは約1〜2μm
の範囲内の高密度酸化ハフニウム層厚さが特に考えられ
る。製品が使用中に曲げられることがない場合にも、高
密度酸化ハフニウム層厚さを高めることは通常好ましく
ない。
【0020】バリヤー層上にヘビープニクチド混合アル
カリ土類金属銅酸化物(以下では頭字語PAA’C酸化
物とも呼ぶ)を被覆する、この層は被覆後に加熱するこ
とによって結晶質導電性層に転化される。PAA’C酸
化物は高いTc と超伝導特性とを有することが観察され
る多様なキュプレート酸化物の1種類であり、稀土類金
属アルカリ土類金属銅(RAC)酸化物、例えばK2
iF4 、1−2−3(すなわち、R123 )および
1−2−4(すなわち、R124 )結晶構造を示す
もの、ならびにこれまでに報告されている最も高い再現
可能なTc である125℃のTc を有すると報告されて
いる2−2−2−3タリウムカルシウムバリウム銅酸化
物のようなタリウム混合アルカリ土類金属銅(TAA’
C)酸化物を含む。
【0021】PAA’C酸化物の2−2−1−2および
2−2−2−3結晶形における比較的高い超伝導開始転
移温度を考えると、本発明の製品の結晶質導電性層の形
成にPAA’C酸化物を選択することが有利である。し
かし、Tcのみに基づいて導電性結晶性酸化物被覆を選
択するとPAA’C酸化物が選択されないことになる、
キュープレートの少なくともタリウム クラスがこれよ
りも高いTc 特性を有することが知られているからであ
る。
【0022】PAA’C酸化物は約800℃からの温度
において空気中で導電性形に結晶化しうるために、本発
明の要件を満たす。これは支持体を形成するオーステナ
イト合金を酸化してそのフレキシビリティと延性とを減
ずる危険性を避けるまたは最小にし、支持体と結晶性酸
化物層との好ましくない相互作用の危険性も最小にす
る。対称的に、RAC酸化物の結晶化は典型的に約90
0〜1100℃の範囲内で生ずる。TAA’C酸化物は
典型的に850〜900℃の温度範囲内での加熱を必要
とする。
【0023】PAA’C酸化物は望ましい高Tc と超伝
導特性とを得るために特別な再結晶化アニーリングまた
は酸素富化を必要としないことからも有利である。一般
に、特別な温度勾配または冷却時の雰囲気制御を必要と
しない空気中での結晶化は満足な導電特性を得るために
受容される。
【0024】PAA’C酸化物の中で2−2−1−2お
よび2−2−2−3結晶構造を有するものを形成するこ
とが好ましい。後者は高い超伝導開始転移温度という技
術上認められた利点を有するが、前者は2−2−1−2
結晶構造が安定であり、広い範囲の条件にわたって多様
な支持体材料上に製造可能であるので、実際にしばしば
好ましい。本出願のためには、結晶化が幾らか低い温度
に表される、低熱エネルギー、短い加熱時間または両方
の組み合わせによって行われるので、PAA’Cの2−
2−1−2結晶構造がより重要に好ましい。
【0025】結晶性PAA’C酸化物2−2−1−2お
よび2−2−2−3結晶構造の製造には、技術上公知の
全ての被覆組成物と方法を用いることができ、結晶化温
度を支持体損傷レベル未満に維持することのみが必要で
ある。結晶化温度を約850℃以下に10分間以内維持
することがこの要件を満たすが、比較的安定なオーステ
ナイト合金の幾つかはさらに幾らか厳しい結晶化条件下
での酸化に耐えると期待される。
【0026】PAA’C酸化物において、Pはヘビープ
ニクチドの原子、典型的にはビスマスと、任意に、10
モル%未満(好ましくは5モル%未満)のアンチモンを
表す。鉛は少量のビスマスまたはアンチモンの可能な代
用品として提案されている。PAA’C酸化物のA頭字
語は典型的にストロンチウムを表し、A’は典型的にカ
ルシウムを表す。マグネシウムがカルシウムの代わりに
用いられているが、これは超伝導開始転移温度を減ずる
ので好ましくない。少なくとも少量のストロンチウムの
代わりにバリウムを用いることもある。アルカリ土類金
属は、導電性または超伝導性に不利な影響を与えること
なく、結晶格子内で限られた程度で相互交換可能であ
る。従って、ストロンチウムとカルシウムが例えば2:
1または1:1のモル比を満たさないとしても、2−2
−1−2および2−2−2−3結晶格子はそれぞれ完全
である。PAA’C酸化物中のC頭字語は銅である。リ
チウムが結晶構造中のアルカリ土類金属および/または
銅の少量の代わりに用いられることが、最近認められて
いる。
【0027】特に好ましいPAA’C酸化物は超伝導性
の2−2−1−2バリウムストロンチウムカルシウム銅
酸化物に相当する結晶構造を有するものである。2−2
−1−2結晶構造を形成しうる酸化物組成物の好ましい
モル金属比は次式(II)によって定義される: ★
【化2】式中、yは0.5〜1.5であり、P,A,
A’,Cは上記で定義した通りである。
【0028】これらの酸化物被覆を形成するために有用
なPAA’C酸化物と製造方法は上記ヨーロッパ特許出
願第0,334,098号〔これは主として5μm以下
(好ましくは1.0μm以下)の厚さの薄い超伝導性フ
ィルムの形成に関する〕;ストローム(Strom)の
ヨーロッパ特許出願第0,376,863A号(199
0年9月12日発行)〔少なくとも5μmの厚さの厚い
超伝導性フィルムに関する〕;西ドイツ公開特許出願第
3,803,530号;ヨーロッパ公開出願第0,33
0,305A号;第0,331,292A号;第0,3
30,324A号;日本公開第1,192,759A号
(1988年1月26日出願);およびアール.ダガニ
(R.Dagani),「超伝導体特性の改良、テクノ
ロジーが応用を近いものにする(Improved S
uperconductor Properties,
Technology Bring Applicat
ions Closer)」C&EN,1990年1月
1日、24〜27頁に開示されている。
【0029】結晶性PAA’C酸化物層の厚さは少なく
とも約0.3μm、好ましくは少なくとも約0.5μm
であると考えられる。フレキシブルな製品では、導電性
結晶性酸化物被覆を約10μm未満厚さ、好ましくは約
5μm未満厚さ、最適には約1μm未満厚さに限定する
ことが好ましい。
【0030】高密度酸化ハフニウムは、オーステナイト
合金支持体と導電性結晶性酸化物被覆とを分離する唯一
の層として用いる場合に、有効であるが、高密度酸化ハ
フニウムと組み合わせて補助バリヤー層が使用可能であ
ることが認められている。補助バリヤー層は他の公知の
バリヤー材料の薄層の形状を取り得る。補助バリヤー層
は高密度酸化ハフニウム層のランダムな穴、ひび割れま
たは他の不連続に対するフィラーとして役立つ。補助バ
リヤー層が高密度酸化ハフニウム層上にある場合には、
これは必然的にその上で導電性酸化物被覆が結晶化する
ような表面を形成する。それ故、補助バリヤー層材料を
上部のPAA’C酸化物被覆の予定の結晶化を促進させ
るように選択することが好ましい。例えば、マグネシア
(MgO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO
2 )、アルミン酸ランタン(LaAlO3 )、ジルコニ
ア(ZrO3 )、タンタル酸カリウム(KTaO3 )お
よび同様な酸化物被覆のような補助バリヤー材料が特に
考えられる。これらの補助バリヤー層材料は便利な通常
の方法によって被覆することができる。出来る限り少な
い不連続を有する補助バリヤー層被覆が好ましい。しか
し、補助層の不連続が高密度酸化ハフニウム層の不連続
に比べて比較的多いとしても、両層の不連続が正確に同
じ位置に生ずる確率は非常に低い。
【0031】フレキシブルな導電性製品を製造する場合
には、高密度酸化ハフニウム層と補助バリヤー層との合
わせた厚さは3μm、好ましくは2μm以下であるべき
である。フレキシブルな製品を製造する場合に、補助バ
リヤー層の厚さは連続被覆の形成に最小に適合し得る程
度に、典型的には約1000〜3000Åの範囲内に維
持することが好ましい。
【0032】本発明の製品の製造に利用される他の、任
意の特徴は結晶成長促進剤である。リチウムとナトリウ
ムは両方とも結晶成長促進剤として役立つことが認めら
れている。好ましくは、例えばカルボン酸塩、ハロゲン
化物、硝酸塩等のような、結晶化温度未満で揮発しうる
陰イオン部分を含む熱分解性塩としてのこれらの金属が
考えられる。結晶成長促進剤はPAA’C酸化物層にこ
の層の最初の被覆時に含めることができる、またはPA
A’C酸化物被覆の形成前の高密度酸化ハフニウムに塗
布することができる。分離層として最初に塗布する場合
にも、結晶化温度への加熱後の製品中に結晶成長促進剤
層が残留することはない。
【0033】結晶成長促進剤としてアルカリ金属塩を用
いる代わりに、PAA’C酸化物層の被覆前に高密度酸
化ハフニウム層を銀で上塗りすることが特に考えられ
る。銀は結晶成長を促進する。銀が加熱時に結晶形成の
ための核形成部位を与えることが考えられる。薄い10
0Åのような銀被覆による結晶成長促進が観察される。
しかし、約0.1〜1μm厚さの範囲内の厚さの銀被覆
を用いることが一般に好ましい。結晶化の完了時に、高
密度酸化ハフニウム層と結晶化導電性PAA’C酸化物
層との界面に連続銀層は検出されない。
【0034】結晶成長促進剤の使用の利点は、少ない熱
エネルギーの供給によって大きい結晶サイズが得られる
ことである。これはオーステナイト合金支持体の酸化の
危険性と、支持体と形成される結晶質導電性酸化物被覆
との好ましくない相互作用の危険性とを減ずる。
【0035】PAA’C酸化物導電性層は周囲空気中で
の保持時にRAC酸化物超伝導性被覆よりも分解されに
くいが、それにも拘わらず本発明の製品のために結晶質
PAA’C酸化物導電性被覆を汚染物、特に空気中の水
分との接触から保護することが有利である。好ましく保
護するための一つの方法は、密封シールされたハウジン
グ内に製品を入れることである。他の方法は、例えば図
2の外部被覆207によって説明されるように、製品の
周囲にプラスチック封入剤を塗布または成形することに
よって結晶質PAA’C酸化物層を封入することであ
る。
【0036】チャッタジー(Chatterjee)等
のヨーロッパ特許出願第0,376,862A号(19
90年8月29日発行)名称「超伝導性セラミックオキ
シド複合体(A Superconductivc C
eramic OxideCombination)」
は、アルキルセルロースポリマーとポリエステルイオノ
マーポリマーが超伝導性セラミックオキシドの安定化に
有効であり、他のポリマーは無効であることを報告して
いる。
【0037】ポリエステルイオノマーは、少なくとも一
つのイオン部分を含むポリエステルである。
【0038】このようなイオン部分はイオン ジオール
反復単位またはイオン ジカルボン酸反復単位によって
形成されるが、後者によって形成されるのが好ましい。
このようなイオン部分は陰イオン性または陽イオン性で
ありうるが、陰イオン性であることが望ましい。代表的
なイオン基はカルボン酸、スルホン酸、第4アンモニウ
ム、ジスルホニルイミノ基およびこれらの塩である。
【0039】好ましい態様では、非晶質ポリエステルは
ジカルボン酸反復単位の総モルを基準にして、約2〜約
25モル%のイオン ジカルボン酸反復単位を含む。
【0040】特に有用であると判明しているイオン ジ
カルボン酸は次式(III)によって表される単位を有
するものである: ★
【化3】式中、mとnはそれぞれ0または1であり、m
とnの合計は1である;各Xはカルボニルである;Qは
式(IV)を有する: ★
【化4】Q’は式(V)を有する: ★
【化5】Yは二価の芳香族ラジカル、例えばアリーレン
(例、フェニレン、ナフタレン、キシリレン等)または
アリーリジン(例、フェネニル、ナフチリジン等)であ
り;Y’は一価の芳香族ラジカル、例えばアリール、ア
ラルキルまたはアルカリール(例、フェニル、p−メチ
ルフェニル、ナフチル等)であるか、または炭素数1〜
12、好ましくは炭素数1〜6のアルキル、例えばメチ
ル、エチル、イソプロピル、n−ペンチル、ネオペンチ
ル、2−クロロヘキシル等であり;Mは可溶化性陽イオ
ン、好ましくは例えばアルカリ金属またはアンモニウム
陽イオンである。
【0041】このようなイオン反復単位を誘導する典型
的に好ましいジカルボン酸と官能性等価物は3,3−
〔(ソジオイミノ)ジスルホニル〕二安息香酸、3,3
−〔(ポタシオイミノ)ジスルホニル〕二安息香酸、
3,3−〔(リチオイミノ)ジスルホニル〕二安息香
酸、4,4−〔(リチオイミノ)ジスルホニル〕二安息
香酸、4,4−〔(ソジオイミノ)ジスルホニル〕二安
息香酸、4,4−〔(ポタシオイミノ)ジスルホニル〕
二安息香酸、3,4−〔(リチオイミノ)ジスルホニ
ル〕二安息香酸、3,4−〔(ソジオイミノ)ジスルホ
ニル〕二安息香酸、5−〔4−クロロナフト−1−イル
スルホニル(ソジオイミノ)スルホニル〕イソフタル
酸、4,4−〔(ポタシオイミノ)ジスルホニル〕ジナ
フトエ酸、5−〔p−トリルスルホニル(ポタシオイミ
ノ)スルホニル〕イソフタル酸、4−〔p−トリルスル
ホニル(ソジオイミノ)スルホニル〕−1,5−ナフタ
レンジカルボン酸、5−〔n−ヘキシルスルホニル(リ
チオイミノ)スルホニル〕イソフタル酸、2−〔フェニ
ルスルホニル(ポタシオイミノ)スルホニル〕テレフタ
ル酸およびこれらの官能性等価物である。好ましいイオ
ン反復単位の形成に有用な上記その他のジカルボン酸
は、カルドウエル(Caldwell)等の米国特許第
3,546,180号に述べられている。
【0042】イオン ジカルボン酸反復単位は5−ソジ
オスルホベンゼン−1,3−ジカルボン酸、5−ソジオ
スルホシクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、5−
(4−ソジオスルホフェノキシ)ベンゼン−1,3−ジ
カルボン酸、5−(4−ソジオスルホフェノキシ)シク
ロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、どうような化合物
およびこれらの官能性等価物ならびに英国特許第1,4
70,059号(1977年4月14日発行)に記載の
他の化合物からも誘導される。
【0043】非晶質ポリエステルはジカルボン酸反復単
位の総モルを基準にして約75〜約98モル%の非イオ
ン性ジカルボン酸反復単位を含むことが好ましい。この
ような非イオン性単位は、生成するポリエステルが実質
的に非晶質であるかぎり、ジオールと縮合する適当なジ
カルボン酸または官能性等価物から誘導される。このよ
うな単位は式(VI)を有することが好ましい: ★
【化6】式中、Rは飽和または不飽和の二価炭化水素で
ある。好ましくは、Rは炭素数2〜20のアルキレン
(例えば、エチレン、プロピレン、ネオペンチレン、2
−クロロブチレン等)、炭素数5〜10のシクロアルキ
レン(例えば、シクロペンチレン、1,3−シクロヘキ
シレン、1,4−シクロヘキシレン、1,4−ジメチル
シクロヘキシレン等)、または炭素数6〜12のアリー
レン(例えば、フェニレン、キシリレン等)である。さ
らに好ましくは、Rは炭素数2〜20のアルキレンであ
る。
【0043】このような反復単位は例えばフタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、スベリン酸および1,3−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、およびこれらの官能性等価物か
ら誘導される。化学線に感受性である部分を有するジカ
ルボン酸も有用である。代表的な化学線感受性ジカルボ
ン酸またはそれらの官能性等価物はアルセシ(Arce
si)等の米国特許第3,929,489号に述べられ
ている。
【0044】ジカルボン酸反復単位はポリエステル中で
ジカルボン酸またはそれらの官能性等価物と縮合しうる
二官能性化合物から誘導された反復単位と連結する。こ
のような二官能性化合物には式:HO−R1 −OH〔R
1 は炭素数2〜12の脂肪族、脂環式または芳香族ラジ
カルであり、水素、炭素、任意にエーテル酸素原子を含
む〕で示されるジオールがある。
【0045】このような脂肪族、脂環式または芳香族ラ
ジカルには、アルキレン、シクロアルキレン、アリーレ
ン、アルキレンアリーレン、アルキレンシクロアルキレ
ン、アルキレンビスアルキレン、シクロアルキレンビス
アルキレン、アリーレンビスアルキレン、アルキレン−
オキシアルキレン、アルキレン−オキシ−アリーレン−
オキシ−アルキレン、アリーレン−オキシ−アルキレ
ン、アルキレン−オキシ−シクロアルキレン−オキシ−
アルキレン等がある。R1 が例えばシクロアルキレンオ
キシ−アルキレンまたはアルキレン−オキシ−アルキレ
ンにおけるようなエーテル結合を含むことが好ましい。
【0046】代表的なジオールには、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)−シクロヘキ
サン、キニトール、ノルカンファンジオール、2,2,
4,4−テトラアルキルシクロブタン−1,3−ジオー
ル、p−キシレンジオールおよびビスフェノールAがあ
る。
【0047】好ましい実施態様では、ここに述べた実質
的に非晶質なポリエステルは式(VII)または(VI
II)のジオール反復単位を含む: ★
【化7】または ★
【化8】式中、Pは1〜4の整数である。このような反
復単位はポリエステル中に、ジオール反復単位の総モル
を基準にして、少なくとも50モル%、好ましくは50
〜100モル%の量で存在する。
【0048】特に有用な非晶質ポリエステルを次に挙げ
る:ポリ〔1,4−シクロヘキシレンジ(オキシエチレ
ン)−3,3′〔(ソジオイミノ)ジスルホニル〕ジベ
ンゾエート−コ−スクシネート(5:95モル比)〕、
ポリ〔1,4−シクロヘキシレンジ(オキシエチレン)
−コ−エチレン(75:25モル比)〕、ポリ{3,
3′−〔(ポタシオイミノ)ジスルホニル〕ジベンゾエ
ート−コ−アゼレート(10:90モル比)}、ポリ
{1,4−シクロヘキシレンジ(オキシエチレン)−
3,3’−〔(ソジオイミノ)ジスルホニル〕ジベンゾ
エート−コ−アジベート(95:5モル比)}、ポリ
{1,4−シクロヘキシレンジ(オキシエチレン)−
3,3’−〔(ソジオイミノ)ジスルホニル〕ジベンゾ
エート−コ−3,3’−(1,4−フェニレン)ジプロ
ピオネート(20:80モル比)}、ポリ〔p−フェニ
レンビス(オキシエチレン)−5−(4−ソジオスルホ
フェノキシ) 1,3−ベンゼンジカルボキシレート−
コ−テレフタレート(30:70モル比)〕。他の有用
なポリエステルイオノマーは、ノーナン(Noona
n)等の米国特許第4,097,282号、第4,29
1,153号、第4,395,475号および第4,4
19,437号ならびにメリル(Merrill)等の
米国特許第4,252,921号に開示されている。
【0049】結晶質PAA’C酸化物は水分によって分
解されるので、これらのポリエステルイオノマーの水溶
液が本発明の超伝導性セラミックオキシドの安定化に有
効であることは特に意外である。
【0050】ポリエステルイオノマーの他に、アルキル
セルロースポリマーも超伝導性セラミックオキシドの安
定化に有効であることが、観察されている。一般に、溶
解性アルキルセルロースを用いることができる。好まし
いアルキルセルロースポリマーは、アルキル部分が炭素
数1〜10、最適には炭素数約1〜6であるようなもの
である。これらのポリマーは大抵の一般的有機溶媒に溶
解することが一般に認められている。有用なアルキルセ
ルロースの特定の好ましい例はメチルセルロース、エチ
ルセルロース、n−プロピルセルロース、イソブチルセ
ルロースおよびn−ヘキシルセルロースである。
【0051】
【実施例】下記の詳細な実施例を参照するならば、本発
明はさらに良く理解されるであろう。
【0052】
【例1】オーステナイトステンレス鋼UNS NO.S
30100(一般に、301と呼ばれる)を製品の支持
体製造の出発物質として用いた。301ステンレス鋼は
炭素0.15%、マンガン2.00%、ケイ素1.00
%、クロム16〜18%、ニッケル6.0〜8.0%、
リン0.045%、硫黄0.03%を含み、組成の残部
は鉄である。約50μm厚さの301ステンレス鋼のフ
レキシブルホイルを出発物質の冷間圧延によって形成し
た。フレキシブルホイルの表面不規則性は1μm未満の
高さに実質的に限定された。
【0053】フレキシブルホイルをアセトンによって脱
脂し、次に脱イオン水によってすすぎ洗いし、乾燥して
から、約1〜2×10-6torrの圧力に維持された、
排気された酸化ハフニウム被覆室に入れた。清潔な付着
面を保証するために、フレキシブルホイルをイオンビー
ムによって軽くエッチングした。用いる被覆方法は、ジ
ェイ.ジェイ.クオモ(J.J.Cuomo)とエス.
エス.ロスナゾール(S.S.Rossnazol)の
ヌクル.インストル.アンド メト.(Nucl.In
str.and Meth.)B19/20,903
(1987)に一般的に説明されている。1.5〜1.
8μmの範囲内の厚さの高密度酸化ハフニウムバリヤー
層を240〜260℃の温度において0.2〜0.4n
m/秒の一定速度での酸化ハフニウム(99%純度)の
電子ビーム蒸発によって清潔なフレキシブルホイル上に
付着させた。空間電荷誘導酸素欠乏を防止するために、
Ar95%およびO2 5%からなるガス流を1×10-4
torrから供給した。ソース(Source)B電流
によって加熱したタングステン電荷ノイトライザーフィ
ラメントを通し、付着しつつある酸化ハフニウム層に接
触させた。これは酸化ハフニウムのフレキシブルホイル
への接着を改良し、酸化ハフニウム層から局在化応力を
アニールした。
【0053】最初に付着した酸化ハフニウム層は正方晶
形結晶構造であり、600℃において1時間アニールす
ることによって単斜品結晶構造に変化した。走査電子顕
微鏡検査は微細ひび割れ、その他の目視可能な不連続を
含まない高密度酸化ハフニウム層を示した。2−2−1
−2結晶構造Bi2 Sr2 CaCu28 +(8+は酸
素原子が9個より少ないが8個よりやや多い。すなわち
やや化学量論的に過剰であることを示す)導電性層を次
の方法で製造した:
【0054】必要な割合で導電性酸化物被覆金属を含む
先駆体組成物を有機先駆体化合物2−エチルヘキサン酸
ビスマス、シクロヘキサン酪酸ストロンチウム、2−エ
チルヘキサン酸カルシウムおよび2−エチルヘキサン酸
銅を混合することによって製造した。ビスマス先駆体は
上記ヨーロッパ特許第0,334,093号に述べられ
ているように製造したが、回転蒸発器処理を幾らか変更
して、重量分析によって20.8%のビスマス濃度を生
ずるようにした。シクロヘキサン酪酸ストロンチウムと
2−エチルヘキサン酸カルシウムは商業的ソースから購
入し、それぞれ金属濃度19.4%と5%を示す分析に
よって受容された。銅濃度6.31%の先駆体を、酢酸
銅2.0gを2−エチルヘキサン酸8.0gと混合する
ことによって製造した。各先駆体を6:7:2.4:
6.04の重量比で混合し、2−エチルヘキサン酸中に
固体が残留しなくなるまで沸とう加熱することによって
溶解した。この先駆体組成物は銅濃度3.8×10-4
ル/溶液gを有した。結晶化時の結晶成長を強化するた
めに、溶解性ナトリウム塩を先駆体組成物に加えて、最
終ナトリウム濃度2.3〜3.4×10-5モル/溶液g
にした。フィルム形成剤としてロジン(コダック231
TM)を加え、先駆体組成物を徐々に加熱して、ロジン
を溶解させた。
【0055】先駆体組成物を支持体上の高密度酸化ハフ
ニウム層上に4000rpmで20秒間スピン塗装し
た、次に10分間に室温から550℃までの温度勾配で
処理した。550℃で10分間アニールした後に、サン
プルを室温に冷却した。このプロセスを6回くり返し
て、各層が約0.4μmの厚さを有する全体で7層を形
成した。
【0056】全ての層が形成された後に、サンプルを8
45℃において、5〜10分間さらに熱処理して、層を
目的の超伝導性2−2−1−2結晶構造に転化させた。
X線回析は結晶のC軸が支持体に垂直に配向した高配向
結晶フィルムを示した。導電性酸化物被覆のシート抵抗
(sheet resistance)は室温において
約4ohm/squareであった。周温温度未満での
抵抗測定値は良好な電気的特性を示した。超伝導開始転
移温度Tc は85°K付近であり、T0 は70〜73°
Kであった。4°Kでの臨界電流密度は約1×103
/cm2 であった。
【0057】
【例2】これはジルコニアが酸化ハフニウムの代りに用
いた場合に無効であることを示す比較例である。
【0058】酸化ハフニウムの代りにジルコニアを用い
て、例1をくり返した。形成された結晶質酸化物被覆は
非導電性であった。超伝導開始転移温度も超伝導性を認
められなかった。この失敗は結晶質酸化物フィルムの形
成に必要な高温におけるジルコニア層のひび割れに起因
するものであった。
【0059】
【例3】これはマグネシアが酸化ハフニウムの代りに用
いた場合に、無効であることを示す比較例である。
【0060】酸化ハフニウムの代りに、マグネシアを用
いて、例1をくり返した。有用な被覆製品を製造するこ
とはできなかった。ビスマスストロンチウムカルシウム
銅酸化物被覆は結晶化温度への加熱時に、支持体からは
く離した。これはマグネシアとキュプレート層との間の
熱膨張不適合に起因するものであった。
【0061】
【例4】これはバリヤー層の必要性を実証する比較例で
ある。
【0062】酸化ハフニウムバリヤー層形成工程を省略
して、例1をくり返した。形成された結晶質酸化物被覆
は非導電性であった。超伝導開始転移温度も超伝導性も
認められなかった。この失敗は結晶質酸化物被覆のオー
ステナイト合金支持体による汚染に起因した。
【0063】
【発明の効果】実施例はクロムと1種類以上の第VII
I族4周期金属とのオーステナイト合金から成る支持体
上の導電性ヘビープニクチド混合アルカリ土類金属銅酸
化物結晶質被覆を有する製品が、高密度酸化ハフニウム
バリヤー層を支持体と銅酸化物との間に挿入した場合
に、良好な結果を示すことを実証した。他の酸化金属を
酸化ハフニウムの代りに用いた場合には、これと同じ結
果は得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要件を満たす製品の略図である。
【図2】他の実施態様の略図である。種々な特徴のサイ
ズは目視を容易にするために拡大してある。 参照数字 100 製品 101 支持体 103 バリヤー層 105 結晶質被覆 200 製品 201 支持体 201a 薄い酸化物層 201b 薄い酸化物層 203a バリヤー層 203b 補助バリヤー層 205 銅酸化物被覆 207 外部被覆
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 29/22 J 7821−4G K 7821−4G H01B 12/00 8936−5G 13/00 565 D 8936−5G

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体、バリヤー、および導電性ヘビー
    プニクチド(heavy pnictide)混合ア
    ルカリ土類金属銅酸化物結晶性被覆から成る製品(ar
    ticle)であって、支持体がクロムまたは1種類以
    上のVIII族4周期金属のオーステナイト合金である
    こと、およびバリヤーが高密度酸化ハフニウム層から成
    ることを特徴とする製品。
JP91216691A 1990-02-06 1991-02-06 導電性製品 Pending JPH0570132A (ja)

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