JPH05109329A - 金属基体上の配向誘電体薄膜形成方法およびそれによる製品 - Google Patents

金属基体上の配向誘電体薄膜形成方法およびそれによる製品

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JPH05109329A
JPH05109329A JP4074829A JP7482992A JPH05109329A JP H05109329 A JPH05109329 A JP H05109329A JP 4074829 A JP4074829 A JP 4074829A JP 7482992 A JP7482992 A JP 7482992A JP H05109329 A JPH05109329 A JP H05109329A
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JP
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substrate
layer
buffer layer
strontium titanate
vapor deposition
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JP4074829A
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English (en)
Inventor
Sudhir Dattatraya Savkar
スドヒア・ダタトラヤ・サブカー
Keith Milton Borst
キース・ミルトン・ボースト
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General Electric Co
Original Assignee
General Electric Co
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Publication date
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/01Manufacture or treatment
    • H10N60/0268Manufacture or treatment of devices comprising copper oxide
    • H10N60/0296Processes for depositing or forming copper oxide superconductor layers
    • H10N60/0576Processes for depositing or forming copper oxide superconductor layers characterised by the substrate
    • H10N60/0632Intermediate layers, e.g. for growth control
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/01Manufacture or treatment
    • H10N60/0268Manufacture or treatment of devices comprising copper oxide
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】基体を清浄にし9、基体を研磨10し、基体に
エッチングを施し18、高周波スパッタリング法に従っ
て基体上にチタン酸ストロンチウムターゲットの一部を
蒸着する24ことによって基体上に蒸着層32を形成す
る。 【効果】かかる蒸着層はそのままで高密度コンデンサと
して利用することができ、またかかる蒸着層32のレー
ザ処理に続いてその上に超伝導体層を蒸着することによ
って導電性の良い超伝導製品を製造することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、薄膜の(100)面が基体の
表面と平行になるように配向したチタン酸ストロンチウ
ム(SrTiO3 )薄膜に関するものである。かかる構
造物においては、後記に一層詳しく説明されるごとく、
蒸着したSrTiO3 薄膜を利用して高密度コンデンサ
または超伝導体用の緩衝層を得ることができる。詳しく
述べれば、高周波スパッタリング法によって金属基体上
にSrTiO3 が蒸着される。実施の一態様において
は、基体上へのSrTiO3 の蒸着によって高密度コン
デンサを形成することができる。また、別の実施の態様
においては、超伝導体用の緩衝層を形成することができ
る。すなわち、最初に蒸着された薄膜にCO 2 レーザビ
ームを照射して再結晶させれば、正確に整列した分子構
造を有する緩衝層が得られる結果、引続いて蒸着される
超伝導体層を正しく配向させることが可能となる。本発
明はまた、ある種の特異なコンデンサおよび緩衝層並び
にそれらに関連した製造手段にも関する。
【0002】転移温度(すなわち、特に超伝導体中にセ
ラミックを使用した場合において超伝導体が超伝導状態
になる温度)の高い超伝導材料(以後は「高Tc材料」
と呼ぶ)には実際的な用途が存在する。変成ペロブスカ
イトは優れた超伝導特性を示すが、それらは脆く、その
ためにいかなる引張ひずみにも耐えられないことがあ
る。かかる引張ひずみは、たとえば、超伝導体を巻枠の
回りに巻いて超伝導巻線を形成する場合に発生する。そ
れ故、引張ひずみに耐え得るような金属支持体上に高T
c材料を固定することが望ましい。そうすれば、超伝導
巻線のごとき用途において、実質的にひずみの無い中立
軸上に高Tc材料を保ちながら超伝導体を巻くことがで
きるのである。
【0003】
【関連技術の説明】本発明以前においては、上記に概述
されかつ下記に詳述されるごとく、超伝導体用基体の製
造に際してSrTiO3 のごときペロブスカイト材料の
単結晶を使用することが知られていた。かかる単結晶は
最大4インチの直径にも達するように形成することが可
能である。しかしながら、かかる単結晶基体は超伝導巻
線用途においては実用的でない。なぜなら、かかる単結
晶は磁石を製造するのに十分な長さにまで成長させるこ
とができないし、また巻枠上に連続的に巻くこともでき
ないからである。更にまた、かかる単結晶を一列に並べ
て電気的に連続した巻線を形成することも容易でない。
【0004】超伝導巻線上への緩衝層の形成に関する別
の分野においては、金属基体と超伝導体層との間の緩衝
層としてフッ化バリウム(BaF2 )の薄膜が使用され
てきた。BaF2 緩衝層はYBa2 Cu3 7-x 超伝導
体(以後は「YBCO」と呼ぶ)の超伝導特性を向上さ
せたが、変成ペロブスカイトとして分類することのでき
るYBCOに対してより良好な適合性を有する材料(好
ましくはペロブスカイト)から成る緩衝層を使用すれば
YBCOの超伝導特性は一層向上するはずである。
【0005】最後に、基体上に蒸着された材料が超伝導
体用の緩衝層および高密度コンデンサとして役立つよう
な高周波スパッタリング法を使用することはこれまで試
みられていなかった。それ故、超伝導体に対して一層良
好な適合性を有する材料を高周波スパッタリング法にお
いて使用することにより、超伝導体用の緩衝層および高
密度コンデンサとして役立つ蒸着層を形成することがで
きれば有利なはずである。
【0006】上記の説明から明らかなごとく、超伝導巻
線の超伝導性を高めると共に、少なくとも公知の高周波
スパッタリング可能な材料と同じ蒸着速度で蒸着するこ
とができ、しかも超伝導体用の緩衝層または高密度コン
デンサを形成することのできる高周波スパッタリング可
能な材料が当業界において要望されているのである。本
発明の目的は、以下の説明から明らかとなるようなやり
方で当業界における上記およびその他の要望を満たすこ
とにある。
【0007】
【発明の概要】本発明に従って一般的に述べれば、テー
プ状の基体上に緩衝層を形成するための方法を提供する
ことによって上記のごとき要望が満たされる。かかる方
法は、(a) 基体を清浄にし、(b) 基体を研磨し、(c) 基
体にエッチングを施し、(d) 高周波スパッタリング法に
従って基体上にチタン酸ストロンチウムターゲットの一
部を蒸着することによって基体上に蒸着層を形成し、
(e) 蒸着層および基体を冷却し、次いで(f) 蒸着層にレ
ーザビームを照射して緩衝層を得る諸工程から成ってい
る。更にまた、かかる緩衝層上に超伝導材料を蒸着する
ことによって超伝導製品が製造される。
【0008】特定の好適な実施の態様においては、基体
はモリブデンのごとき金属から成り、かつターゲット材
料はSrTiO3 から成る。当業者にとっては自明のご
とく、本発明の原理はタンタル酸カリウム(KTa
3 )のごとき他のターゲット材料に対しても適用する
ことができるが、そのような場合には個々の工程を変更
してもよい。使用するレーザビームはCO2レーザから
得られるものである。高密度コンデンサを形成すること
が所望される場合には、緩衝層にレーザビームを照射す
る工程および緩衝層上に超伝導体を蒸着する工程を省く
ことができる。
【0009】一層好適な実施の態様においては、高周波
スパッタリング法に従ってSrTiO3 が基体上に蒸着
されるが、その場合にはSrTiO3 分子の(100)
面が基体の表面に対して平行になる。その結果、引続い
て緩衝層上に蒸着される超伝導体層のc軸が正しく配向
するようになると共に、蒸着されたSrTiO3 分子が
正しく整列することによって高密度コンデンサが得られ
ることにもなる。
【0010】特に好適な実施の態様においては、本発明
の超伝導体用緩衝層形成方法は、(a) テープ状の金属基
体を清浄にしてからそれにエッチングを施し、(b) 高周
波スパッタリング法に従って基体上にSrTiO3 を蒸
着することによって緩衝層を形成し、(c) 緩衝層を冷却
し、次いで(d) CO2 レーザからのレーザビームを緩衝
層に照射する諸工程から成っている。レーザビームの照
射は、緩衝層の(100)面を基体の表面に対して一層
正確に整列させ、それによって超伝導体層のc軸を正し
く配向させるために役立つ。なお、高密度コンデンサが
所望される場合には、緩衝層にレーザビームを照射する
工程は省くことができる。
【0011】本発明に基づく好適な高周波スパッタリン
グ法は、緩衝層に対する超伝導性ペロブスカイトの適合
性の向上を示し、コンデンサに良好な容量特性を与え、
経済性に優れ、安全特性が良好であり、かつ操作が容易
であるという利点を有している。実際、多くの好適な実
施の態様においては、超伝導体の適合性および経済性は
従来公知の蒸着方法に比べてかなり高いレベルにまで向
上している。
【0012】本発明の上記およびその他の特徴は、添付
の図面を参照しながら以下の詳細な説明を考察すること
によって最も良く理解されよう。なお、図面全体を通じ
て同じ構成要素は同じ参照番号によって表わされてい
る。
【0013】
【発明の詳しい説明】先ず図1を見ると、基体4上に蒸
着されたSrTiO3 の緩衝層32およびその上に蒸着
されたYBCO層33が略示されている。緩衝層32に
ついて述べれば、(100)面の意味は図から明らかで
あろう。また、基体4に対する(100)面の配向状態
も図から理解されよう。すなわち、緩衝層32の(10
0)面はそれが蒸着された基体表面の平面に平行であ
る。高周波スパッタリング法によって基体4の表面にS
rTiO3 を蒸着した場合には、SrTiO3 の分子構
造に固有の性質に基づいて(100)面はこのように配
向するのである。
【0014】YBCO超伝導体について述べれば、かか
る超伝導体のc軸は基体表面から上方に向かって伸びて
いる。このようなc軸の配置は、適当な緩衝層上にYB
CO超伝導体を蒸着した場合、それに固有の性質に基づ
いて得られるものである。YBCO超伝導体が適正な超
伝導性を示すためには、互いに隣接したYBCO結晶格
子中に含まれる銅(Cu)原子の平面35がYBCO層
の長さ方向に沿って整列していなければならないことを
認識すべきである。SrTiO3 の(100)面が正し
く整列していれば、緩衝層上にYBCO超伝導体を蒸着
した場合にCu原子の平面35を整列させるような緩衝
層が得られることになる。YBCO超伝導体の蒸着に先
立ってCu原子の平面35の整列精度をなお一層高める
ため、緩衝層がCO2 レーザからのレーザビームで処理
され、それによって緩衝層の(100)面のより正確な
配向が達成される。とは言え、高容量のコンデンサを形
成することが所望される場合には、レーザ処理およびY
BCO超伝導体の蒸着は省くことができる。かかるコン
デンサおよび緩衝層のレーザ処理に関しては、後記にお
いて一層詳しい説明が行われる。
【0015】最後にYBCO超伝導体について述べれ
ば、SrTiO3 が実質的にペロブスカイトとして分類
されるのに対し、YBCOは変成ペロブスカイトとして
分類することができる。それ故、SrTiO3 上にYB
COを蒸着した場合、両化合物間の界面は比較的安定に
保たれる。その結果、YBCO中のCu原子の平面は超
伝導体の長さ方向に沿って正しく整列した状態に保たれ
るのである。
【0016】次に図2を見ると、基体4上にSrTiO
3 を蒸着するための高周波スパッタリング装置2が示さ
れている。先ず最初に、好ましくは任意適宜の金属(た
とえばモリブデン)から成るテープ状の基体4がコイル
6を成して巻かれている。基体4を清浄にするため、基
体4がコイル6から繰出され、そして常法に従って脱脂
浴8内の任意適宜のフレオン溶剤で脱脂される。次い
で、基体4は電解研磨浴10内に導入され、そこにおい
て基体4の金属材料に適した電解液により電解研磨され
る。その際には、基体4中に45オングストローム以上
の引っかき傷が存在しないようにすることが好ましい。
次に、基体4が超音波洗浄浴12内に導入され、そこに
おいて好ましくは脱イオン水により超音波洗浄される。
超音波洗浄浴12内における超音波洗浄に続き、もう1
つの超音波洗浄浴14内において基体4が好ましくはア
セトンにより更に超音波洗浄される。超音波洗浄浴14
内における超音波洗浄は約20分間にわたって行うこと
が好ましい。最後に、基体4はもう1つの超音波洗浄浴
16内に導入され、そこにおいて好ましくはメタノール
により約10分間にわたって超音波洗浄される。
【0017】このようにして基体4を清浄にした後、基
体4は通常の真空シール20を通して通常のスパッタエ
ッチング室18内に導入される。スパッタエッチング室
18内においては、圧力を常圧から2×10-6Torrにま
で低下させかつ40分間にわたってそのレベルに保つこ
とにより、基体4から実質的に全ての残留ガスを放出さ
せることが好ましい。かかるガス抜きが必要であるの
は、基体4が一般に微細な気孔を含んでいて、その中に
気泡が捕捉されることがあるからである。かかる気泡を
除去しないと、それらは基体と緩衝層またはコンデンサ
との間の界面に影響を及ぼすことがある。スパッタエッ
チング室18を排気した後、通常の再充填装置(図示せ
ず)によってスパッタエッチング室18内に好ましくは
10ミクロンの研究用アルゴン(Ar)が再充填され
る。かかる再充填の後、基体4の表面を陰極22から約
1.75インチの距離に保ちながら、好ましくは150
ワットで20分間にわたりスパッタエッチングが施され
る。
【0018】スパッタエッチング室18内において基体
4にスパッタエッチングを施した後、基体4は通常の高
真空シール26を通して通常の蒸着室24内に導入され
る。スパッタリングを開始すれば、励起されたAr分子
がターゲット28を衝撃してSrTiO3 の煙霧30を
発生させ、そしてこのSrTiO3 が基体4上に付着し
て蒸着層32を形成する。詳しく述べれば、ターゲット
28からのスパッタリングは好ましくは約5時間にわた
って実施され、その結果として約2ミクロンの厚さを有
する蒸着層32が形成される。最後に、蒸着層32を有
する基体4が通常の高真空シール38を通して通常の真
空冷却室34内に導入され、そこにおいて約5時間にわ
たり冷却される。冷却後、通常の巻取り技術に従って基
体4を巻取ることによってロール36が形成される。こ
うして得られた蒸着層32は多結晶質のものである。か
かる蒸着層32が十分な厚さ(概して1ミクロン以上の
厚さ)を有する場合には、蒸着層32の上部は(基体4
に近接した部分の結晶構造にかかわりなく)柱状の結晶
構造を示し、そして(100)面は基体表面に対して平
行になる。換言すれば、金属基体上に形成された十分な
厚さのSrTiO3 の薄膜は(100)面が基体表面に
対して平行になるように成長する強い傾向を示すのであ
る。(100)面が基体の平坦な表面に対して平行にな
るようにして柱状の結晶粒が堆積するというこのような
傾向は、基体表面上における他のいかなる配向状態より
も好適なものである。このようにしてモリブデン基体上
に蒸着されたSrTiO3 層の代表例が図6に示されて
いる。
【0019】基体4上に蒸着層32を形成するための方
法は、若干の軽微な変更を加えることによってバッチ生
産にも適用し得ることを理解すべきである。その場合に
は、基体4を適当な長さおよび幅を有する断片に切断す
ることが必要である。また、かかる断片を処理浴8、1
0、12、14および16並びに処理室18、24およ
び34内に順次に配置することも必要である。更にま
た、断片にスパッタエッチングを施した後、ターゲット
28の表面付近に高周波プラズマを発生させることによ
ってターゲット28を清浄にすることも必要である。こ
れはターゲット28を定常状態にするために行われるも
のであって、このような状態は常法に従って真空度およ
びスパッタリング電力が安定化するまで監視することに
よって確かめることができる。最後に、蒸着室24を気
密状態に保つ必要がないため、真空シール26および3
8は必要でない場合もある。
【0020】次に図3について説明すれば、蒸着層32
から緩衝層を形成することが所望される場合には、好ま
しくは通常の1000W型CO2 レーザ(図示せず)か
らのレーザビーム40を蒸着層32に照射しなければな
らない。詳しく述べれば、蒸着層32を有する基体4が
通常のヒータブロック42上に固定される。なお、ヒー
タブロック42は通常のX−Y送り台44上に取付けら
れている。次いで、好ましくは10μmの波長を有する
レーザビーム40を蒸着層32に照射すれば、蒸着層3
2中に含まれる全てのSrTiO3 分子の(100)面
は基体4に対してより正確に配向する。すなわち、(1
00)面は蒸着層32が蒸着された基体4の表面に対し
てより正確に平行となる。かかるレーザ処理によって蒸
着層32の(100)面の配向精度が向上することは、
次の図4Aおよび4Bからもわかる。
【0021】図4は、(200)ピーク付近におけるS
rTiO3 層の標準的なロッキングカーブを示してい
る。このロッキングカーブは強い(200)ピークの付
近において測定されたものであるが、(100)ピーク
の挙動もほとんど同じである。図からわかる通り、レー
ザ処理前においては、SrTiO3 層の大部分は基体表
面に対する配向角(θ)が22°付近にピークを成して
分布するような格子構造を有している。その結果、蒸着
層32上にYBCOを蒸着した場合には、SrTiO3
層の(100)面の配向状態がランダムであるためにY
BCO層のc軸が整列しないことがある。これは最終的
にYBCO層の超伝導特性に影響を及ぼすことがある。
【0022】レーザ処理によって蒸着層32を再結晶さ
せれば、図5に示されるごとく、(100)面のランダ
ムな配向状態は実質的に消失する。なお、再結晶後の測
定はたまたま(100)ピーク付近において行ったが、
(200)ピークの挙動も同じである。詳しく述べれ
ば、図5からわかる通り、レーザ処理後のSrTiO3
層に関する(100)ピーク付近のロッキングカーブは
12°の近傍に集中し、そして非常に狭い分布を示して
いる。このような配向状態の改善の結果、超伝導体層中
のYBCO分子はYBCO層の長さ方向に沿ってかなり
正確に整列し、従ってYBCO層の超伝導特性が向上す
るのである。
【0023】他方、高密度コンデンサを形成するために
は、蒸着層32にレーザ処理を施す必要はない。レーザ
処理前に得られたままの蒸着層32の容量特性は、高密
度コンデンサを形成するために十分なものである。実
際、SrTiO3 分子の(100)面に対して垂直な軸
(本明細書中では簡単にc軸と呼ばれる)に平行な方向
の誘電率(26°Kおよび100KHz の条件下で19
0)は、他の軸に沿った方向の誘電率(c軸に加えたの
と同じ条件下において85)の約2倍である。
【0024】以上、特定の実施の態様に関連して本発明
を説明したが、KTaO3 のごとき他のペロブスカイト
の使用をはじめとして数多くの変更態様が可能であるこ
とは当業者にとって自明であろう。それ故、かかる変更
態様もまた本発明の範囲内に含まれるのであって、本発
明の範囲はもっぱら前記特許請求の範囲によって規定さ
れるものと解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(100)面が基体の表面に対して平行になる
ように蒸着された緩衝層およびc軸が基体の表面に対し
て垂直になるように蒸着されたYBCO層を示す略図で
ある。
【図2】本発明に基づく高周波スパッタリング法を示す
略図である。
【図3】本発明に基づく緩衝層のレーザ処理を示す略図
である。
【図4】レーザ処理の前におけるSrTiO3 蒸着層の
(100)面の配向状態を示すグラフである。
【図5】レーザ処理の後におけるSrTiO3 蒸着層の
(100)面の配向状態を示すグラフである。
【図6】基体上に蒸着されたSrTiO3 層の顕微鏡に
よる拡大図である。
【符号の説明】
2 高周波スパッタリング装置 4 基体 6 コイル 8 脱脂浴 10 電解研磨浴 12 超音波洗浄浴 14 超音波洗浄浴 16 超音波洗浄浴 18 スパッタエッチング室 22 陰極 24 蒸着室 28 ターゲット 30 煙霧 32 蒸着層または緩衝層 33 YBCO層 34 真空冷却室 35 銅原子の平面 36 ロール

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に超伝導体用の緩衝層を形成する
    ための方法において、(a) 前記基体を清浄にし、(b) 前
    記基体を研磨し、(c) 前記基体にエッチングを施し、
    (d) 高周波スパッタリング法に従って前記基体上にチタ
    ン酸ストロンチウムターゲットの一部を蒸着することに
    よって前記基体上に蒸着層を形成し、(e) 前記蒸着層お
    よび前記基体を冷却し、次いで(f) 前記蒸着層にレーザ
    ビームを照射する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記基体を清浄にする前記工程が、前記
    基体に脱脂および超音波洗浄を施すことから成る請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記基体を研磨する前記工程が、前記基
    体に電解研磨を施すことから成る請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記基体にエッチングを施す前記工程
    が、前記基体にスパッタエッチングを施すことから成る
    請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記基体上にチタン酸ストロンチウムタ
    ーゲットの一部を蒸着する前記工程が、前記チタン酸ス
    トロンチウムターゲットを励起されたアルゴン分子で衝
    撃し、チタン酸ストロンチウム粒子の煙霧を発生させ、
    そして前記基体上に前記チタン酸ストロンチウム粒子を
    付着させることから成る請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記蒸着層にレーザビームを照射する前
    記工程が、コヒーレントCO2 レーザ光源からのレーザ
    ビームを前記蒸着層の一部分に導き、前記蒸着層の前記
    一部分を前記レーザビームで衝撃し、そして前記蒸着層
    の分子面を配向させることから成る請求項1記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 (a) 第1および第2の表面を有する金属
    基体、(b)チタン酸ストロンチウムから成りかつ第1お
    よび第2の表面並びに(100)面を有する緩衝層であ
    って、前記緩衝層の前記第1の表面が前記基体の前記第
    2の表面に接触し、かつ前記緩衝層の前記(100)面
    が前記基体の前記第2の表面にほぼ平行であるような緩
    衝層、並びに(c) 互いに隣接したYBa2 Cu3 7-x
    分子から成りかつ第1および第2の表面を有する超伝導
    体層であって、前記超伝導体層の前記第1の表面が前記
    緩衝層の前記第2の表面に接触し、かつ前記YBa2
    3 7-x 分子中の銅原子が前記超伝導体層の一部分に
    沿って実質的に水平に整列しているような超伝導体層の
    諸要素から構成されることを特徴とする超伝導製品。
  8. 【請求項8】 基体上に高密度コンデンサを形成するた
    めの方法において、(a) 前記基体を清浄にし、(b) 前記
    基体を研磨し、(c) 前記基体にエッチングを施し、(d)
    高周波スパッタリング法に従って前記基体上にチタン酸
    ストロンチウムターゲットの一部を蒸着することによっ
    て前記基体上に蒸着層を形成し、次いで(e) 前記蒸着層
    を冷却する工程を含むことを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 前記基体を清浄にする前記工程が、前記
    基体に脱脂および超音波洗浄を施すことから成る請求項
    8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記基体を研磨する前記工程が、前記
    基体に電解研磨を施すことから成る請求項8記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 前記基体にエッチングを施す前記工程
    が、前記基体にスパッタエッチングを施すことから成る
    請求項8記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記基体上にチタン酸ストロンチウム
    ターゲットの一部を蒸着する前記工程が、前記チタン酸
    ストロンチウムターゲットを励起されたアルゴン分子で
    衝撃し、チタン酸ストロンチウム粒子の煙霧を発生さ
    せ、そして前記基体上に前記チタン酸ストロンチウム粒
    子を付着させることから成る請求項8記載の方法。
  13. 【請求項13】 (a) 第1および第2の表面を有する金
    属基体、並びに(b)チタン酸ストロンチウムから成りか
    つ第1および第2の表面並びに(100)面を有する容
    量層であって、前記容量層の前記第1の表面が前記基体
    の前記第2の表面に接触し、かつ前記容量層の前記(1
    00)面が前記基体の前記第2の表面にほぼ平行である
    ような容量層を含むことを特徴とする高密度コンデン
    サ。
  14. 【請求項14】 第1および第2の表面を有する金属基
    体、チタン酸ストロンチウムから成りかつ第1および第
    2の表面を有する緩衝層、並びにYBa2 Cu3 7-x
    から成りかつ第1および第2の表面を有する超伝導体層
    から構成される超伝導製品の製造方法において、(a) 前
    記基体を清浄にし、(b) 前記基体を研磨し、(c) 前記基
    体にエッチングを施し、(d) 前記基体の前記第2の表面
    上にチタン酸ストロンチウムターゲットの一部を蒸着す
    ることによって前記緩衝層を形成し、(e) 前記緩衝層お
    よび前記基体を冷却し、(f) 前記緩衝層の前記第2の表
    面にレーザビームを照射し、次いで(g) 前記緩衝層の前
    記第2の表面上に前記超伝導体層を蒸着する工程を含む
    ことを特徴とする方法。
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