JPH0569918B2 - - Google Patents
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- JPH0569918B2 JPH0569918B2 JP61067934A JP6793486A JPH0569918B2 JP H0569918 B2 JPH0569918 B2 JP H0569918B2 JP 61067934 A JP61067934 A JP 61067934A JP 6793486 A JP6793486 A JP 6793486A JP H0569918 B2 JPH0569918 B2 JP H0569918B2
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Description
(技術分野)
本発明は、テルビウム−鉄合金、テルビウム−
コバルト合金等のテルビウム合金の連続的製造方
法に係り、特に希土類系光磁気デイスク用合金等
へ添加するのに適した、テルビウムの含有量が高
く、不純物や介在物の含有量の低い母合金を、消
耗電極式溶融塩電解法を用いて、連続的に製造す
ることの出来る方法に関するものである。 (背景技術) テルビウムの採取には、従来、テルビウムの純
金属として採取する方法として、活性金属(Ca)
による還元法〔刊行物1(Handbook on the
Physics and Chemistry of Rare Earths Vol.1
−Metals 1978年(North−Holland publishing
Company)p.188〜193)、刊行物2(Science and
Technology of Rare Earth Materials 1980年
(Academic press)p.25〜47)〕が、工業的には
用いられている。そして、テルビウム−鉄合金や
テルビウム−コバルト合金とする場合は、鉄やコ
バルトと混合し、溶解することによる方法が採用
されている。 ここで、一般的に希土類金属を採取する方法に
ついて、簡単に説明する。 希土類金属元素は17種類あり、化学的性質がよ
く似ているので、総称的に呼称されている。しか
し、それぞれの元素は、物理的性質が異なつてい
るので、その製錬方法を異ならせている。例え
ば、低融点、低蒸気圧のLa、Ce、Pr、Nd及びこ
れらの混合物のミツシユメタルでは、その工業的
量産には、塩化物電解法、フツ化物溶融塩の溶媒
を用いた酸化物電解法、或いはCa還元法が、主
に用いられ、一方高融点のGd、Tb、Dy、Ho、
Er等では、専らCa還元法で製造される。 また、従来から、希土類金属を製造する方法に
は、大別して純金属として採取するものと、合金
として採取するものとがある。 (1) 先ず、純金属として採取する方法には、 (a) 溶融塩電解法(酸化物電解、塩化物電解)
〔刊行物1、刊行物2、刊行物3(U.S.Bur
of Mines Report Investigation 6957、E.
Morrice他 1967年p.1〜11)、刊行物6(U.
S.Bur. of Mines Report Investigation
7398、E.Morrice他 1970年p.1〜11)、刊行
物7(米国特許第3383294号明細書)〕 (b) 活性金属(Ca)による還元法(刊行物1、
刊行物2) の2種類があり、本発明で対象とするTb金属
では、活性金属による還元法が用いられてい
る。 (2) また、合金として採取する方法には、 (a) 希土類金属の酸化物(例えばSm2O3)を
合金化する金属(例えばCo)や金属の酸化
物(例えばCo3O4)とを混合し、還元剤(例
えば水素化Ca)で還元する方法〔刊行物1、
R.E.Cech:Cobalt−rare earth
intermetallic compounds produced by
calcium hydride reduction of oxide,J.of
Met.vol.26、No.2(1974)p.32)〕 (b) 希土類金属の化合物と希土類金属と合金化
すべき金属の化合物とを、溶媒浴中に原料と
して溶解せしめ、これらを同時に電解還元し
て陰極上に合金として析出させる方法(刊行
物1、米国特許第3298935号) (c) 合金化すべき金属を固体の陰極(消耗電
極)とし、希土類金属の酸化物を原料として
溶融塩の溶媒浴中に溶解させて電解還元し、
陰極上に析出させ、陰極電極と合金化させる
方法(消耗電極法)〔刊行物4(U.S.Bur. of
Mines Report Investigation 7146、E.
Morrice他 1968年)、日本特許第837401号、
日本特許第967389号〕 がある。 (解決課題) しかし、上記消耗電極式溶融塩電解法で、テル
ビウム−鉄合金を採取する方法は、原料化合物と
しての希土類金属の酸化物を、フツ化物溶融塩の
電解浴中に溶解させて、電解還元するものであ
り、電解浴への原料の溶解度が高々2%程度と小
さいために、酸化物の濃度コントロールが難し
く、陽極効果と呼ばれる異常現象が発生して、電
解の継続が困難になることや、浴中に未溶解酸化
物のスラツジが生成し、長期的な操業が困難にな
る等の問題がある。これを回避するためには、高
温操業が必要となり、得られた合金は、炉材等か
らの不純物の混入が多くなつて、本発明の希土類
金属−鉄−ホウ素磁石用合金には適しないものと
なるという欠点がある。また、活性金属(Ca)
による還元法は、バツチ式で、生産性が悪く、更
に不純物、特に酸素やCaの不純物が多くなると
いう欠点がある。 また、希土類金属を採取する一般的な方法の場
合の上記(1)(a)の方法は、塩化物を原料とする塩化
物電解や、酸化物原料をフツ化物溶媒浴中で電解
還元することにより、 RECl3→RE+3Cl2/2 RE2O3+3C/2→2RE+3CO2/2 の反応により、純金属を採取するもので、本発明
が目的とするフツ化物原料をフツ化物溶媒浴で、
次式、 TbF3+3C→Tb+3(CF) (化学量論無視) の反応の電解を行ない、合金化して採取するもの
とは異なるものである。 本発明が目的とするテルビウム合金の採取法と
しては、テルビウムが高融点の元素であるため、
上記(1)(b)のCa(熱)還元法が用いられていた。し
かし、この方法では、CaやO、並びに反応容器
のTaの汚染の問題がある。 また、上記合金として採取する方法において、
(2)(a)の方法には、熱還元法と同様に不純物が多い
こと、還元剤が高価なことと、操業がバツチ式と
なり、連続的な工業生産には適していないという
欠点がある。また、上記(2)(b)、(2)(c)の方法をテル
ビウム合金製造に適用した例は、未だ提案されて
いない。 そこで、本発明の目的は、希土類系光磁気デイ
スク用合金等に好適に使用されるテルビウム合金
を、高純度で、連続的に製造する方法を提供する
ことにある。 (解決手段) 上記課題を解決するため、本発明者らは、最も
連続操業が可能な固体電極を用いる消耗電極式電
解法の改良を試み、電流密度を高めた状態でも、
追加原料として酸化テルビウムを添加せずとも、
フツ化物電解浴(フツ化テルビウム−フツ化リチ
ウムを少なくとも含有する浴)のみで、テルビウ
ム合金が得られることを見い出し、酸化テルビウ
ムに替えて、フツ化テルビウムを追加原料とする
本発明を完成するに至つたのである。 すなわち、本発明の要旨とするところは、テル
ビウムと合金化し得る鉄またはコバルトからなる
固体の陰極と黒鉛陽極とを用いて、テルビウム化
合物を溶融塩電解浴中において電解還元せしめ、
生成するテルビウムを前記陰極上に析出させると
共に、該陰極を構成する金属と合金化せしめて、
目的とするテルビウム合金を形成させるに際し
て、前記テルビウム化合物としてフツ化テルビウ
ムを用い、電解還元操作の進行に応じて前記溶融
塩電解浴中に供給するようにすると共に、かかる
フツ化テルビウムを含む溶融塩電解浴が、実質的
に、20〜95重量%のフツ化テルビウム、5〜80重
量%のフツ化リチウム、0〜40重量%のフツ化バ
リウム及び0〜20重量%のフツ化カルシウムにて
構成されるように調整し、且つ陽極電流密度:
0.05〜10.0A/cm2、陰極電流密度:0.50〜80A/cm2
の条件下において、更に、前記陰極が鉄から構成
されるときは、溶融塩電解浴温度を860〜1000℃
として、また、前記陰極がコバルトから構成され
るときは、溶融塩電解浴温度を710〜1000℃とし
て、前記電解還元操作を進行せしめることによ
り、前記テルビウム合金を前記陰極上に液体状態
で生成せしめ、そして該液体状態のテルビウム合
金を、液滴として該陰極下方の電解浴中に開口部
を有する受器内に滴下せしめて、液層として溜
め、更にこの受器内の液層より、テルビウム合金
を液体状態で取り出すようにしたのである。 (作用・効果) かくの如く、本発明に従えば、テルビウム−鉄
合金、テルビウム−コバルト合金などのテルビウ
ム合金が電解還元操作の一段階で製造でき、そし
て光磁気デイスク材料などの材料特性に悪影響を
与える酸素等不純物や介在物等の含有量が低く、
且つテルビウム含有量の高いテルビウム合金が一
段階で経済的に且つ、連続的に製造することがで
きることとなつたのである。より具体的には、固
体の陰極を使用するため、陰極の取扱が容易であ
ることは勿論、生成合金を電解時の液体合金のま
まで取り出すために、実質上、電解を中断するこ
となく、連続操業が可能であり、そして、消耗陰
極法の利点である低温操業が連続的に行ない得る
結果、電解成績並びに酸素等不純物の低減等生成
合金品位が効果的に改善されるのである。 また、かかる本発明に従えば、前述したカルシ
ウム等の活性金属による還元法では困難な、操業
の連続化が達成され、且つ活性金属等の不純物の
混入が抑制され、更に酸化テルビウムを原料とす
るフツ化物−酸化物混合溶融塩の電解による製造
方法における連続操業上の困難を悉く回避するこ
とができることとなつたのである。 さらに、本発明に従えば、酸化テルビウムを原
料とする電解より、低い温度での操業が可能であ
り、これによつて炉材等からの生成合金への不純
物、介在物の混入を効果的に抑制することがで
き、また同一温度でアノード電流密度を大きくと
ることができるところから、同一寸法のアノード
を用いた場合に、前記酸化物を原料とする電解法
に比して、電流を増すことができ、生産性を向上
せしめることができる利点がある。 なお、かかる本発明において、陰極としては、
目的とするテルビウム合金を構成する金属、例え
ば鉄、コバルト、更には銅、ニツケル、マンガ
ン、クロム、チタン等の容易に合金化し得る金属
からなるものが用いられることとなる。 また、かくの如き本発明手法にあつては、前記
溶融塩電解浴は、例えばテルビウム−鉄合金電解
の場合には860〜1000℃の温度に、またテルビウ
ム−コバルト合金電解の場合には710〜1000℃の
温度に保持され、この温度下において前記電解還
元操作が進行せしめられることが望ましい。 さらに、前記電解還元操作の実施される前記フ
ツ化物原料を含む溶融塩電解浴は、それが実質的
にフツ化テルビウムとフツ化リチウムの二元系に
て構成される場合にあつては、該フツ化テルビウ
ムが少なくとも25重量%以上、且つ該フツ化リチ
ウムが少なくとも15重量%以上の割合で電解浴中
に存在するように調整せしめられることが望まし
いのである。 (具体的構成) ここにおいて、かかる本発明を実施するに際し
ては、(a)実質的に、フツ化テルビウム及びフツ化
リチウム、並びに必要に応じて添加されたフツ化
バリウム、フツ化カルシウムからなる溶融塩電解
浴を収容する、耐火性材料から構成された電解槽
と、(b)該電解槽の内面の接浴部に施されたライニ
ングと、(c)該電解槽の溶融塩電解浴中に挿入、浸
漬される、実質的に長さ方向に形状の変化のない
長手の黒鉛陽極と、(d)該電解槽の溶融塩電解浴中
に挿入、浸漬される、実質的に長さ方向に形状の
変化のない、テルビウムと合金化し得る鉄または
コバルトからなる長手の陰極と、(e)開口部が、該
陰極の下方に位置するように、前記電解槽の溶融
塩電解浴中に配置せしめられて、前記黒鉛陽極と
陰極との間に印加される直流電流によるフツ化テ
ルビウムの電解還元によつて該陰極上に生じるテ
ルビウム合金の液滴が滴下せしめられる、生成合
金液滴を集めるための合金受器と、(f)該合金受器
内の液体状態のテルビウム合金を電解槽外に取り
出すための液状合金取出手段と、(g)前記陰極を、
前記テルビウム合金の生成に伴なうその消耗に従
つて、前記電解槽の溶融塩電解浴中に所定の電流
密度が得られるように挿入するための陰極挿入手
段とを、含む装置が好適に用いられる。 光も、このようなテルビウム合金の製造装置
は、更に、前記黒鉛陽極を前記電解槽の溶融塩電
解浴中に所定の電流密度が得られるように挿入す
るための陽極挿入手段や、原料としてのフツ化テ
ルビウムを前記電解槽内に供給するための原料供
給手段を備えていることが望ましく、また前記電
解槽の内面に施されるライニングとしては、モリ
ブデン、ダングステン等の難融金属材料に代え
て、安価な鉄材料が好適に用いられることとな
る。 また、本発明にあつては、電解槽内に配置され
た合金受器中に集められた液体状態のテルビウム
合金を、液体状態のままにおいて電解槽外に効果
的に取り出すために、前記液状合金取出手段が該
合金受器内の液状の生成合金中に挿入されるパイ
プ状ノズルを有するように構成され、該ノズルを
通じて、真空吸引作用により該生成合金を吸い上
げて、電解槽外に取り出すようにすることが、工
業的な実施の観点から有利に採用されることとな
る。 ところで、第1図には、本発明を実施するため
の電解システムの模式図が示されているが、そこ
において、その電解システムの主要部をなす電解
槽2へは、溶融塩電解浴を構成する溶剤4が装入
せしめられるようになつている。そして、この溶
剤4としては、フツ化テルビウム(TbF3)とフ
ツ化リチウム(LiF)が用いられるが、これらに
加えて、フツ化バリウム(BaF2)並びにフツ化
カルシウム(CaF2)を単独で或いは両者同時に
添加して用いることも可能である。一方、電解原
料は、原料供給装置6より電解槽2内の電解浴中
に供給されることとなるが、本発明では、この原
料として、酸化テルビウム(Tb4O7)ではなく
て、電解浴の構成成分の一つでもあるフツ化テル
ビウムが使用されるのである。 また、電解槽2内の電解浴中へは、黒鉛陽極8
と鉄、コバルト等の合金化金属からなる陰極10
とがそれぞれ浸漬せしめられて、それら陽極8と
陰極10の間に直流の電力12(直流電流)が印
加せしめられることにより、電解浴中のフツ化テ
ルビウムの電解還元が行なわれる。そして、この
電解還元によつて陰極10上に析出した金属テル
ビウムは、直ちに陰極10を構成する鉄或いはコ
バルト等の金属と液体状態の合金を生成せしめ、
陰極10表面より滴下して、電解槽2内の電解浴
中に設置した受器に溜るようになる。なお、上記
所定の溶剤組成のものが溶融する温度では、陰極
10上に生成する合金は液体状態となるものであ
り、またそのような溶融塩からなる電解浴の比重
は、生成合金のそれよりも小さくされているとこ
ろから、かかる液体状の合金が陰極10上に生成
されるに従つて、それは陰極10表面より下方に
落下するようになる。 従つて、陰極10から落下する液体合金を受け
る、該陰極10の下方に位置する開口部を有する
受器内に溜められた液体合金は、更に適当な合金
取出手段14によつて電解槽2外へ取り出され、
回収されることとなるのである。 なお、電解槽2へは、電解浴、生成合金、電極
(陽極8と陰極10)、電解槽の構成材料等の変質
を防ぎ、生成合金への有害不純物や介在物の混入
を避けること等のために、保護ガス16が導入さ
れる。また、電解還元操作にて電解槽2内に発生
したガスは、導入された保護ガスと共に廃ガス処
理装置18に導かれ、所定の処理が施されるよう
になつている。 ところで、かくの如き本発明に従う電解システ
ムにおいては、上述のように、電解原料として、
酸化テルビウムとは異なり、フツ化テルビウムが
使用される。このフツ化テルビウムを原料とする
場合においては、フツ化テルビウム自体が電解浴
の主要構成成分でもあるところから、電解によつ
てそれが消費される分を供給によつて補うことが
容易であり、且つ酸化物電解の場合に比較して電
解浴の遥かに広い原料濃度範囲で電解を継続する
ことができるのである。 なお、この原料フツ化テルビウムの供給方法と
しては、粉末の状態で電解浴の表面に添加するの
が一般的であり、電解浴への溶解速度も速く、好
ましいが、電解浴内にガスと共に導入する方法、
或いは粉末の成形体を電解浴中に浸漬する方法で
も、行なうことが可能である。 また、酸化テルビウムの電解の場合と比べて、
フツ化テルビウムの電解操作においては、電極間
の電解領域における電解原料濃度の許容範囲が遥
かに大きく、それ故に供給した原料のかかる領域
への移動に多少の遅れがあつても、電解の継続に
支障を来すことが少なく、従つて原料フツ化テル
ビウムの供給位置並びに電解電気量当たりの供給
量に関して、酸化テルビウムを原料とする場合の
ような細かい制約を受けず、より任意に選択を行
なうことができる利点を有する。 そして、本発明において、不純物の少ないテル
ビウム合金を製造するためには、電解温度の低下
が必要であり、このために、実質的に、20〜95%
(重量基準。以下同じ)のフツ化テルビウム、5
〜80%のフツ化リチウム、40%までのフツ化バリ
ウム、及び20%までのフツ化カルシウムにて構成
される、実質的にフツ化物のみよりなる混合溶融
塩が電解浴として選ばれ、そしてそのような電解
浴に、上記した原料フツ化テルビウムが添加され
た場合にあつても、電解中は、常にかかる組成範
囲の電解浴となるように調整されることとなる。 なお、かかる本発明に従う電解浴組成における
フツ化テルビウム濃度が下限未満、即ち20%に満
たない場合には、電解成績が悪化し、またその上
限濃度(95%)を越えるようになると、電解浴の
融点が上がり過ぎる等の問題を惹起する。また、
フツ化リチウムは、その濃度が余りにも低い場合
には電解浴の融点が上がり過ぎ、一方その濃度が
余りにも高い場合には生成合金との反応が激しく
なつて、電解成績が悪化する等の問題を惹起する
ため、その濃度としては5〜80%に調節する必要
がある。 さらに、フツ化バリウムやフツ化カルシウム
は、高価なフツ化リチウムの使用量を減少させ、
また形成される混合溶融塩の溶融温度を調節する
等の目的をもつて加えられるものであり、それら
の添加量があまりにも多い場合には、電解浴の融
点が上がり過ぎるところから、前者のフツ化バリ
ウムは40%までの割合で、また後者のフツ化カル
シウムは20%までの割合で、それぞれ単独に或い
は共に用いられることとなる。そして、これら4
成分、即ちフツ化テルビウム、フツ化リチウム、
フツ化バリウム及びフツ化カルシウムの合計量が
実質的に100%となるようにして、電解浴が形成
されるのである。 尤も、このような電解浴組成に関して、かかる
電解浴がフツ化テルビウムとフツ化リチウムの二
つの成分のみにて構成される二元系の場合におい
ては、フツ化テルビウムは電解浴中において少な
くとも25%以上、フツ化リチウムは少なくとも15
%以上、それぞれ存在するように調整されること
が望ましい。なお、電解浴の組成は、生成せしめ
られるテルビウム−鉄合金、テルビウム−コバル
ト合金等の生成合金の比重より小さな比重を電解
浴が有するように選ばれるものであるところか
ら、電解時には、生成されたテルビウム−鉄合
金、テルビウム−コバルト合金等のテルビウム合
金が、陰極より比重差によつて電解浴中を落下
し、陰極の下方に位置する開口部を有する生成合
金の受器に容易に到達し得るのである。 また、本発明にあつては、かくの如き組成の電
解浴の電解時の温度は、生成するテルビウム合金
の種類によつて適宜に選択され、例えばテルビウ
ム−鉄合金電解では860℃〜1000℃、テルビウム
−コバルト合金電解では710℃〜1000℃の範囲に
調節せしめられることとなる。前述したように、
電解浴温度が余りにも高くなり過ぎると、生成合
金への不純物、介在物の混入がみられ、一方余り
にも低い電解浴温度の場合にあつては、例えばテ
ルビウム−鉄合金電解では、テルビウム−鉄二元
系合金の共晶温度が約850℃と推定されるところ
から、析出する金属テルビウムと陰極の鉄が充分
に合金化せず、高融点の固体状の金属テルビウム
の析出により、陰極−陽極間の短絡現象が生起し
て、電解を継続することが困難となるからであ
る。一方、テルビウム−コバルト合金電解では、
余りにも低い電解浴温度の場合にあつては、均質
な溶融塩電解浴を形成することが困難となり、電
解浴の性状が悪化し、電解を継続することが困難
となるからである。この温度の範囲内で、出来る
だけ低温の方が、炉材等からの不純物の混入の少
ないテルビウム−鉄、テルビウム−コバルト等の
母合金の製造が可能であることは言うまでもな
い。 そして、かかる温度範囲では、テルビウムを80
重量%以上含む、高テルビウム濃度のテルビウム
−鉄合金、テルビウム−コバルト合金等のテルビ
ウム合金が有利に生成せしめられ得るのであり、
またその生成合金はこの温度範囲において受器内
で液層を形成し、液体状態での取出しに適してい
るのである。そして、この受器内の液状合金は、
電解槽上部より、真空吸引方式によつて効果的に
取り出すことができる他、下方より流し出し方式
によつて取り出すことも可能である。しかも、こ
の取出に際しては、受器内の合金を特別に加熱す
る必要もなく、極めて容易に液状合金として電解
槽外に取り出すことができるのである。 また、本発明にあつては、電解用電極として、
陰極には鉄或いはコバルト等の容易に合金化し得
る金属、陽極には黒鉛が用いられる。陰極の鉄、
コバルト等の金属は、不純物を含むと、そのまま
生成合金中に不純物を持ち込むこととなるところ
から、該陰極の金属材料としては、必要に応じて
不純物の少ないものを用いることが好ましい。ま
た、本発明に従えば、電解操作の進行につれて、
陰極を構成する鉄、コバルト等の合金化金属は、
テルビウムー鉄合金、テルビウム−コバルト合金
等の、目的とするテルビウム合金を生成して、消
費されることとなるが、かかる電解によつて消耗
する部分の鉄、コバルト等の金属を補つて、順
次、陰極を電解浴中に浸漬するようにすれば、電
解操作を中断することなく、目的とするテルビウ
ム合金を連続的に製造することができるのであ
る。その際、陰極の金属部材の端部にネジ切り加
工等を行なつておいて、ネジ結合等によつて陰極
を構成する金属部材を順次接続せしめ、消耗した
陰極分を補うことは、勿論可能である。 このように、固体の合金化金属が陰極として使
用できることは、溶融金属を陰極として使用する
場合に比して、取扱が容易であり、且つ電解炉を
装置的にみて簡略化し得る点で大きな利点となる
ものである。 さらに、かかる本発明に従う黒鉛陽極を用いる
フツ化テルビウムの電解にあつては、陽極全表面
にわたつての電流密度を、0.05〜10.0A/cm2の範
囲内に、電解操作中常に維持していることが必要
である。けだし、この電流密度が低過ぎる場合に
は、陽極表面積が大き過ぎるか、陽極単位表面積
当たりの電流が小さ過ぎることとなり、このため
に生産性が悪化し、工業的に有利ではなくなるか
らであり、またかかる電流密度が高くなり過ぎる
と、酸化テルビウムを原料とした場合の陽極効果
乃至はこれと類似の異常現象が発生し易くなるか
らである。従つて、本発明にあつては、電解条件
の一つとしての陽極電流密度を上記の範囲に保つ
ことによつて、そのような異常現象の発生を効果
的に回避することが、推奨されるのである。な
お、陽極表面における局部的な変動を考慮に入れ
ると、上記陽極全表面にわたつての電流密度は、
0.1〜8.0A/cm2の間に保持することがより好まし
い。さらに、フツ化テルビウムを原料とした場合
は酸化テルビウムを原料にした時よりも、同一温
度では、アノード電流密度を大きくとることがで
き、実操業の点から好ましい。 一方、陰極の電流密度は、陰極全表面にわたつ
ての電流密度として0.50〜80A/cm2の広い範囲に
わたつて許容される。しかし、陰極電流密度が余
りにも低過ぎると、陰極単位表面積当たりの電流
が小さ過ぎて、生産性が悪化し、工業的ではなく
なる。また、この陰極電流密度が高くなり過ぎる
と、電解電圧の上昇が甚だしくなり、電解成績を
悪化させる。なお、実際の電解操業の継続に当た
つては、更に1.0〜30A/cm2のより狭い陰極電流
密度の範囲に保つことが、電解電圧の変動幅を狭
く維持し、電解操業を容易にする上において、よ
り好ましいと言える。 さらに、本発明に従えば、電解浴の耐浴材とは
別の黒鉛を、陽極として使用するものであるとこ
ろから、電解浴の耐浴容器(耐浴材)と陽極を兼
用する場合とは異なり、陽極の消耗によつて電解
を終了せしめる必要はなく、ただその消耗分を補
つて、更に陽極を電解浴中に浸漬するか、或いは
複数の陽極を使用するので、順次新しい陽極に交
換するだけで良い。また、陰極も同様に、その消
耗分を補つて電解浴中に浸漬するか、或いは新し
い陰極に交換するだけで良いのである。本発明で
は、好適に採用される陽極と陰極の表面電流密度
の比の大きな違いにより、各陰極の周りに複数本
の陽極を配置して、陽極が陰極と対向するように
した電極配列が好適に採用されることとなるが、
そのような場合において、陽極の交換を順次行な
うようにすれば、実質上、電解操業を中断するこ
となく、テルビウム合金を連続的に製造すること
ができ、電解法の利点を充分に生かすことができ
る。しかも、陽極形状、陰極形状とも、外形上は
実質的に長さ方向には変化がないものを用いるこ
とができるところから、それらの連続的な使用に
おいて何等の不都合が惹起されることもないので
ある。 また、本発明を実施する電解槽の構造の好適な
一例が、第2図に模式的に示されている。 かかる第2図において、電解槽20は、下部槽
22とその開口部を覆蓋する蓋体24にて構成さ
れている。また、これら下部槽22及び蓋体24
の外側は、通常、鋼等の金属よりなる槽外枠2
6,28より構成されている。さらに、下部槽2
2及び蓋体24は、それぞれ外側にレンガやキヤ
スタブル・アルミナ等によりなる耐火断熱材層3
0,32、及び内側に黒鉛、炭素質スタンプ材等
からなる耐浴材層34,36を配置して、構成さ
れている。 そして、下部槽22の内側耐浴材層34の内面
の接浴面には、ライニング材38が設けられて、
かかる接浴面を被覆している。このライニング材
38は、耐浴材層34からの不純物の混入を防ぐ
他、それがタングステンやモリブデン等の難融金
属にて形成されている場合には、生成する液状テ
ルビウム−鉄合金、テルビウム−コバルト合金等
のテルビウム合金の受器を兼ねることもできる。
尤も、本発明にあつては、かかるライニング材3
8として、難融金属より安価な鉄材料を用いるこ
とが推奨される。また、耐浴材層34は、必ずし
も必要ではなく、耐火断熱材層30上に直接にラ
イニング材38を適用しても何等差支えない。 また、蓋体24を貫通するように、1本若しく
は複数本の、鉄、コバルト、銅、ニツケル、マン
ガン、クロム、チタン等の容易に合金化し得る金
属からなる陰極40と、この陰極40に対向して
配置された複数本の黒鉛陽極42が設けられてお
り、またそれら両電極40,42は、下部槽22
内に収容される前記所定の溶融塩からなる電解浴
44中に、所定電流密度となる長さにわたつて浸
漬されるようになつている。なお、ここでは、黒
鉛陽極42,42は、陰極40と向かい合つて配
置される陽極のうちの2本が示されており、それ
らの材質として黒鉛が好適に用いられているので
ある。この陽極材質としての黒鉛の採用は、ま
た、生成合金の純度等の特性を向上させる上にお
いて有利である。 さらに、これら黒鉛陽極42,42は、棒状、
板状、管状等の形態で用いられ、電解浴44への
浸漬部分の陽極表面積を大きくして陽極電流密度
を下げるために、公知のように溝付きとすること
もできる。なお、第2図では、黒鉛陽極42に
は、電解による陽極消耗の跡を示して、陽極浸漬
部に僅かに傾斜が付けられている。この陽極42
には、給電のために金属等の適当な導電体の電気
リードが取り付けられていても、何等差支えな
い。また、陽極42は、陽極挿入手段としての陽
極昇降機構46によつて上下動せしめられ得るよ
うになつており、これにより電解継続のための適
切な陽極電解密度が確保されるように、間欠的に
或いは連続的に、その浸漬部の表面積を浸漬深さ
で調整し得るようになつている。なお、陽極昇降
機構46,46は、陽極への電気接続機能を兼ね
備えることも出来る。 一方、陰極40は、電解還元作用にて析出せし
められる金属テルビウムと合金化させるべき鉄、
コバルト等の金属にて構成されており、ここでは
その1本が示されている。また、第2図では、テ
ルビウム合金の液滴生成による陰極消耗の跡を示
して、陰極浸漬部分が円錐形状で示してある。な
お、電解温度は、陰極40の金属材料の融点以下
に選ばれるところから、この陰極40は固体であ
り、線状、棒状、板状、管状等の形態で用いられ
る。この陰極40は、また、陰極挿入手段として
の陰極昇降機構48によつて、合金生成による消
耗分を補つて、電解浴44中へ連続的或いは間欠
的に送り込まれるようになつている。そして、こ
の陰極昇降機構48は、陰極への電気接続機能を
兼ね備えることもできる。さらに、かかる陰極4
0の浸漬部以外の表面が、防食のために適当な保
護スリーブ等で保護せしめられるようにしても、
何等差支えない。 また、かかる陰極40の下方に受器開口部が位
置するように、電解浴44内において、下部槽2
2の底部上に生成合金受器50が配置せしめられ
ており、電解還元操作によつて陰極40上に生成
された液状のテルビウム−鉄合金、テルビウム−
コバルト合金等のテルビウム合金52は、陰極表
面より滴下して、その直下において開口する生成
合金受器50内に溜められる。なお、この生成合
金受器50は、生成合金52との反応性の小さな
難融金属、例えばタングステン、タンタル、モリ
ブテン、ニオブ、或いはそれらの合金等を用いて
形成される他、窒化ホウ素等のホウ化物や酸化物
等のセラミツクス、或いはサーメツト等の材料を
用いて形成することもできる。 なお、電解浴44は、前記した本発明に従う組
成に調整された、フツ化テルビウムを含有するフ
ツ化物混合溶融塩よりなるものであり、その組成
は、その比重が生成されるテルビウム合金の比重
以下となるように選ばれる。そして、電解によつ
て消費される電解原料は、原料供給装置54から
蓋体24に設けられた原料供給孔56を通じて供
給され、所定組成の電解浴44が維持せしめられ
るようになつている。 また、陰極40から滴下して受器50内に溜め
られた生成合金52は、それが所定量溜まつた時
に、液体状態のままで所定の合金回収機構(取出
手段)によつて電解槽20外に取り出されること
となるが、本発明にあつては、第2図に示される
如く、パイプ状の真空吸引ノズル58を、蓋体2
4に設けられた生成合金吸引孔60を通じて電解
浴44内に差し入れ、該ノズル58の先端を生成
合金受器50内の生成合金52中に浸漬せしめ、
図示されていない真空装置の真空吸引作用を利用
して吸引することにより生成合金52を吸い上げ
て電解槽20外に取り出す手段が、有利に採用さ
れることとなる。 尤も、このような真空吸引による生成合金52
の吸引取出し方式に代えて、電解槽20(下部槽
22)の下部を貫通する取出パイプを設け、この
取出パイプの先端を更に生成合金受器50を貫通
させて、該受器50内に開口せしめることによ
り、かかる取出パイプを通じて、生成合金52を
炉外下方に流し出す合金回収機構を採用すること
も可能である。 なお、図示はされていないが、かかる電解炉2
0内には、保護ガスが供給されるようになつてお
り、また電解操作によつて発生するガスは、かか
る保護ガスと共に、廃ガス出口62を通じて外部
に排出されるようになつている。また、このよう
な電解槽20には、前記した電解温度に保持する
ための特別な加熱装置は設けられていないが、所
定の温度に維持するために、必要に応じて、この
電解槽20内に或いはその外部に適当な加熱装置
を設けてもよいことは、言うまでもないところで
ある。 (実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするため
に、本発明に従う幾つかの実施例を示すが、本発
明がそのような実施例の記載によつて何等制限的
に解釈されるものではないことは、言うまでもな
いところである。 なお、本発明は、上述した本発明の具体的な説
明並びに以下の実施例の他にも、各種の態様にお
いて実施され得るものであり、本発明の趣旨を逸
脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて
種々なる態様において実施され得るものは、何れ
も本発明の範疇に属するものであることが、理解
されるべきである。 実施例 1 テルビウムを主とする希土類金属89%(重量基
準。以下同じ)及び鉄11%の組成を有する希土類
金属−鉄(RE−Fe)合金0.49Kgが、次のように
して得られた。 すなわち、第2図に示される電解槽と同様な構
成と装置において、電解槽の耐浴材として鉄をラ
イニングした黒鉛るつぼを用い、生成合金受器と
して該黒鉛るつぼの底部中央に設置した窒素ホウ
素(BN)製容器を用いて、実質上フツ化テルビ
ウムとフツ化リチウムのみの二元系フツ化物混合
溶融塩よりなる電解浴を、平均900℃の電解温度
にて不活性ガス雰囲気中で電解した。陰極として
は、黒鉛るつぼ中央部の電解浴中に浸漬した1本
の6mmφの鉄線を用い、陽極としては、かかる陰
極の周りに同心円状に配列して(平面形態におい
て)電解浴中に浸漬した、4本の40mmφの黒鉛棒
を用いた。 そして、フツ化テルビウムを原料として、その
粉末を電解浴に連続的に供給しつつ、下記第1表
に示される範囲内の電解条件を保持して、8時間
電解を行なつた。この間、電解操業は極めて良好
に継続することができ、液体状の希土類金属(テ
ルビウム)−鉄合金が順次滴下して、電解浴内に
配置された窒化ホウ素(BN)の受器内に溜めら
れた。この溜められた合金は、真空吸引ノズルを
有する真空吸引式合金回収装置にて電解炉の外部
に取り出された。 かかる電解操作により得られた電解成績並びに
生成合金の分析結果を、下記第1表及び第2表に
示す。なお、電流効率は、回収した希土類金属重
量(すべてテルビウムと仮定)に基づいて求めら
れた。 実施例 2 実質的にテルビウムからなる希土類金属80%及
びコバルト20%の組成を有する希土類金属(テル
ビウム)−コバルト合金の0.58Kgが、次のような
電解操作により得られた。 まず、耐浴材としての黒鉛るつぼの内面に鉄を
ライニングしたものを、電解浴の容器として用
い、更にこの底部中央に設置したモリブデン製容
器を生成合金の受器として用いて、実質上フツ化
テルビウムとフツ化リチウムのみの二元系フツ化
物混合溶融塩よりなる電解浴を、平均790℃の電
解温度にて不活性ガス雰囲気中で電解した。そし
て、陰極としては、実施例1と同様に配置した1
本の6mmφのコバルト棒を用い、また陽極として
は、実施例1と同様の4本の40mmφの黒鉛棒を用
いた。 そして、フツ化テルビウムを原料として、電解
浴に連続的にその供給を行ないつつ、下記第1表
に示される範囲内に電解条件を保持したところ、
8時間にわたり、良好な電解操業が継続された。
また、液体状の希土類金属(テルビウム)−コバ
ルト合金が順次滴下して、モリブデン製受器内に
集められた。さらに、この集められた受器内の生
成合金は、実施例1と同様に液体状態で取り出す
ことができた。 かかる電解操作によつて得られた電解成績並び
に生成合金の分析結果を、それぞれ下記第1表及
び第2表に示す。
コバルト合金等のテルビウム合金の連続的製造方
法に係り、特に希土類系光磁気デイスク用合金等
へ添加するのに適した、テルビウムの含有量が高
く、不純物や介在物の含有量の低い母合金を、消
耗電極式溶融塩電解法を用いて、連続的に製造す
ることの出来る方法に関するものである。 (背景技術) テルビウムの採取には、従来、テルビウムの純
金属として採取する方法として、活性金属(Ca)
による還元法〔刊行物1(Handbook on the
Physics and Chemistry of Rare Earths Vol.1
−Metals 1978年(North−Holland publishing
Company)p.188〜193)、刊行物2(Science and
Technology of Rare Earth Materials 1980年
(Academic press)p.25〜47)〕が、工業的には
用いられている。そして、テルビウム−鉄合金や
テルビウム−コバルト合金とする場合は、鉄やコ
バルトと混合し、溶解することによる方法が採用
されている。 ここで、一般的に希土類金属を採取する方法に
ついて、簡単に説明する。 希土類金属元素は17種類あり、化学的性質がよ
く似ているので、総称的に呼称されている。しか
し、それぞれの元素は、物理的性質が異なつてい
るので、その製錬方法を異ならせている。例え
ば、低融点、低蒸気圧のLa、Ce、Pr、Nd及びこ
れらの混合物のミツシユメタルでは、その工業的
量産には、塩化物電解法、フツ化物溶融塩の溶媒
を用いた酸化物電解法、或いはCa還元法が、主
に用いられ、一方高融点のGd、Tb、Dy、Ho、
Er等では、専らCa還元法で製造される。 また、従来から、希土類金属を製造する方法に
は、大別して純金属として採取するものと、合金
として採取するものとがある。 (1) 先ず、純金属として採取する方法には、 (a) 溶融塩電解法(酸化物電解、塩化物電解)
〔刊行物1、刊行物2、刊行物3(U.S.Bur
of Mines Report Investigation 6957、E.
Morrice他 1967年p.1〜11)、刊行物6(U.
S.Bur. of Mines Report Investigation
7398、E.Morrice他 1970年p.1〜11)、刊行
物7(米国特許第3383294号明細書)〕 (b) 活性金属(Ca)による還元法(刊行物1、
刊行物2) の2種類があり、本発明で対象とするTb金属
では、活性金属による還元法が用いられてい
る。 (2) また、合金として採取する方法には、 (a) 希土類金属の酸化物(例えばSm2O3)を
合金化する金属(例えばCo)や金属の酸化
物(例えばCo3O4)とを混合し、還元剤(例
えば水素化Ca)で還元する方法〔刊行物1、
R.E.Cech:Cobalt−rare earth
intermetallic compounds produced by
calcium hydride reduction of oxide,J.of
Met.vol.26、No.2(1974)p.32)〕 (b) 希土類金属の化合物と希土類金属と合金化
すべき金属の化合物とを、溶媒浴中に原料と
して溶解せしめ、これらを同時に電解還元し
て陰極上に合金として析出させる方法(刊行
物1、米国特許第3298935号) (c) 合金化すべき金属を固体の陰極(消耗電
極)とし、希土類金属の酸化物を原料として
溶融塩の溶媒浴中に溶解させて電解還元し、
陰極上に析出させ、陰極電極と合金化させる
方法(消耗電極法)〔刊行物4(U.S.Bur. of
Mines Report Investigation 7146、E.
Morrice他 1968年)、日本特許第837401号、
日本特許第967389号〕 がある。 (解決課題) しかし、上記消耗電極式溶融塩電解法で、テル
ビウム−鉄合金を採取する方法は、原料化合物と
しての希土類金属の酸化物を、フツ化物溶融塩の
電解浴中に溶解させて、電解還元するものであ
り、電解浴への原料の溶解度が高々2%程度と小
さいために、酸化物の濃度コントロールが難し
く、陽極効果と呼ばれる異常現象が発生して、電
解の継続が困難になることや、浴中に未溶解酸化
物のスラツジが生成し、長期的な操業が困難にな
る等の問題がある。これを回避するためには、高
温操業が必要となり、得られた合金は、炉材等か
らの不純物の混入が多くなつて、本発明の希土類
金属−鉄−ホウ素磁石用合金には適しないものと
なるという欠点がある。また、活性金属(Ca)
による還元法は、バツチ式で、生産性が悪く、更
に不純物、特に酸素やCaの不純物が多くなると
いう欠点がある。 また、希土類金属を採取する一般的な方法の場
合の上記(1)(a)の方法は、塩化物を原料とする塩化
物電解や、酸化物原料をフツ化物溶媒浴中で電解
還元することにより、 RECl3→RE+3Cl2/2 RE2O3+3C/2→2RE+3CO2/2 の反応により、純金属を採取するもので、本発明
が目的とするフツ化物原料をフツ化物溶媒浴で、
次式、 TbF3+3C→Tb+3(CF) (化学量論無視) の反応の電解を行ない、合金化して採取するもの
とは異なるものである。 本発明が目的とするテルビウム合金の採取法と
しては、テルビウムが高融点の元素であるため、
上記(1)(b)のCa(熱)還元法が用いられていた。し
かし、この方法では、CaやO、並びに反応容器
のTaの汚染の問題がある。 また、上記合金として採取する方法において、
(2)(a)の方法には、熱還元法と同様に不純物が多い
こと、還元剤が高価なことと、操業がバツチ式と
なり、連続的な工業生産には適していないという
欠点がある。また、上記(2)(b)、(2)(c)の方法をテル
ビウム合金製造に適用した例は、未だ提案されて
いない。 そこで、本発明の目的は、希土類系光磁気デイ
スク用合金等に好適に使用されるテルビウム合金
を、高純度で、連続的に製造する方法を提供する
ことにある。 (解決手段) 上記課題を解決するため、本発明者らは、最も
連続操業が可能な固体電極を用いる消耗電極式電
解法の改良を試み、電流密度を高めた状態でも、
追加原料として酸化テルビウムを添加せずとも、
フツ化物電解浴(フツ化テルビウム−フツ化リチ
ウムを少なくとも含有する浴)のみで、テルビウ
ム合金が得られることを見い出し、酸化テルビウ
ムに替えて、フツ化テルビウムを追加原料とする
本発明を完成するに至つたのである。 すなわち、本発明の要旨とするところは、テル
ビウムと合金化し得る鉄またはコバルトからなる
固体の陰極と黒鉛陽極とを用いて、テルビウム化
合物を溶融塩電解浴中において電解還元せしめ、
生成するテルビウムを前記陰極上に析出させると
共に、該陰極を構成する金属と合金化せしめて、
目的とするテルビウム合金を形成させるに際し
て、前記テルビウム化合物としてフツ化テルビウ
ムを用い、電解還元操作の進行に応じて前記溶融
塩電解浴中に供給するようにすると共に、かかる
フツ化テルビウムを含む溶融塩電解浴が、実質的
に、20〜95重量%のフツ化テルビウム、5〜80重
量%のフツ化リチウム、0〜40重量%のフツ化バ
リウム及び0〜20重量%のフツ化カルシウムにて
構成されるように調整し、且つ陽極電流密度:
0.05〜10.0A/cm2、陰極電流密度:0.50〜80A/cm2
の条件下において、更に、前記陰極が鉄から構成
されるときは、溶融塩電解浴温度を860〜1000℃
として、また、前記陰極がコバルトから構成され
るときは、溶融塩電解浴温度を710〜1000℃とし
て、前記電解還元操作を進行せしめることによ
り、前記テルビウム合金を前記陰極上に液体状態
で生成せしめ、そして該液体状態のテルビウム合
金を、液滴として該陰極下方の電解浴中に開口部
を有する受器内に滴下せしめて、液層として溜
め、更にこの受器内の液層より、テルビウム合金
を液体状態で取り出すようにしたのである。 (作用・効果) かくの如く、本発明に従えば、テルビウム−鉄
合金、テルビウム−コバルト合金などのテルビウ
ム合金が電解還元操作の一段階で製造でき、そし
て光磁気デイスク材料などの材料特性に悪影響を
与える酸素等不純物や介在物等の含有量が低く、
且つテルビウム含有量の高いテルビウム合金が一
段階で経済的に且つ、連続的に製造することがで
きることとなつたのである。より具体的には、固
体の陰極を使用するため、陰極の取扱が容易であ
ることは勿論、生成合金を電解時の液体合金のま
まで取り出すために、実質上、電解を中断するこ
となく、連続操業が可能であり、そして、消耗陰
極法の利点である低温操業が連続的に行ない得る
結果、電解成績並びに酸素等不純物の低減等生成
合金品位が効果的に改善されるのである。 また、かかる本発明に従えば、前述したカルシ
ウム等の活性金属による還元法では困難な、操業
の連続化が達成され、且つ活性金属等の不純物の
混入が抑制され、更に酸化テルビウムを原料とす
るフツ化物−酸化物混合溶融塩の電解による製造
方法における連続操業上の困難を悉く回避するこ
とができることとなつたのである。 さらに、本発明に従えば、酸化テルビウムを原
料とする電解より、低い温度での操業が可能であ
り、これによつて炉材等からの生成合金への不純
物、介在物の混入を効果的に抑制することがで
き、また同一温度でアノード電流密度を大きくと
ることができるところから、同一寸法のアノード
を用いた場合に、前記酸化物を原料とする電解法
に比して、電流を増すことができ、生産性を向上
せしめることができる利点がある。 なお、かかる本発明において、陰極としては、
目的とするテルビウム合金を構成する金属、例え
ば鉄、コバルト、更には銅、ニツケル、マンガ
ン、クロム、チタン等の容易に合金化し得る金属
からなるものが用いられることとなる。 また、かくの如き本発明手法にあつては、前記
溶融塩電解浴は、例えばテルビウム−鉄合金電解
の場合には860〜1000℃の温度に、またテルビウ
ム−コバルト合金電解の場合には710〜1000℃の
温度に保持され、この温度下において前記電解還
元操作が進行せしめられることが望ましい。 さらに、前記電解還元操作の実施される前記フ
ツ化物原料を含む溶融塩電解浴は、それが実質的
にフツ化テルビウムとフツ化リチウムの二元系に
て構成される場合にあつては、該フツ化テルビウ
ムが少なくとも25重量%以上、且つ該フツ化リチ
ウムが少なくとも15重量%以上の割合で電解浴中
に存在するように調整せしめられることが望まし
いのである。 (具体的構成) ここにおいて、かかる本発明を実施するに際し
ては、(a)実質的に、フツ化テルビウム及びフツ化
リチウム、並びに必要に応じて添加されたフツ化
バリウム、フツ化カルシウムからなる溶融塩電解
浴を収容する、耐火性材料から構成された電解槽
と、(b)該電解槽の内面の接浴部に施されたライニ
ングと、(c)該電解槽の溶融塩電解浴中に挿入、浸
漬される、実質的に長さ方向に形状の変化のない
長手の黒鉛陽極と、(d)該電解槽の溶融塩電解浴中
に挿入、浸漬される、実質的に長さ方向に形状の
変化のない、テルビウムと合金化し得る鉄または
コバルトからなる長手の陰極と、(e)開口部が、該
陰極の下方に位置するように、前記電解槽の溶融
塩電解浴中に配置せしめられて、前記黒鉛陽極と
陰極との間に印加される直流電流によるフツ化テ
ルビウムの電解還元によつて該陰極上に生じるテ
ルビウム合金の液滴が滴下せしめられる、生成合
金液滴を集めるための合金受器と、(f)該合金受器
内の液体状態のテルビウム合金を電解槽外に取り
出すための液状合金取出手段と、(g)前記陰極を、
前記テルビウム合金の生成に伴なうその消耗に従
つて、前記電解槽の溶融塩電解浴中に所定の電流
密度が得られるように挿入するための陰極挿入手
段とを、含む装置が好適に用いられる。 光も、このようなテルビウム合金の製造装置
は、更に、前記黒鉛陽極を前記電解槽の溶融塩電
解浴中に所定の電流密度が得られるように挿入す
るための陽極挿入手段や、原料としてのフツ化テ
ルビウムを前記電解槽内に供給するための原料供
給手段を備えていることが望ましく、また前記電
解槽の内面に施されるライニングとしては、モリ
ブデン、ダングステン等の難融金属材料に代え
て、安価な鉄材料が好適に用いられることとな
る。 また、本発明にあつては、電解槽内に配置され
た合金受器中に集められた液体状態のテルビウム
合金を、液体状態のままにおいて電解槽外に効果
的に取り出すために、前記液状合金取出手段が該
合金受器内の液状の生成合金中に挿入されるパイ
プ状ノズルを有するように構成され、該ノズルを
通じて、真空吸引作用により該生成合金を吸い上
げて、電解槽外に取り出すようにすることが、工
業的な実施の観点から有利に採用されることとな
る。 ところで、第1図には、本発明を実施するため
の電解システムの模式図が示されているが、そこ
において、その電解システムの主要部をなす電解
槽2へは、溶融塩電解浴を構成する溶剤4が装入
せしめられるようになつている。そして、この溶
剤4としては、フツ化テルビウム(TbF3)とフ
ツ化リチウム(LiF)が用いられるが、これらに
加えて、フツ化バリウム(BaF2)並びにフツ化
カルシウム(CaF2)を単独で或いは両者同時に
添加して用いることも可能である。一方、電解原
料は、原料供給装置6より電解槽2内の電解浴中
に供給されることとなるが、本発明では、この原
料として、酸化テルビウム(Tb4O7)ではなく
て、電解浴の構成成分の一つでもあるフツ化テル
ビウムが使用されるのである。 また、電解槽2内の電解浴中へは、黒鉛陽極8
と鉄、コバルト等の合金化金属からなる陰極10
とがそれぞれ浸漬せしめられて、それら陽極8と
陰極10の間に直流の電力12(直流電流)が印
加せしめられることにより、電解浴中のフツ化テ
ルビウムの電解還元が行なわれる。そして、この
電解還元によつて陰極10上に析出した金属テル
ビウムは、直ちに陰極10を構成する鉄或いはコ
バルト等の金属と液体状態の合金を生成せしめ、
陰極10表面より滴下して、電解槽2内の電解浴
中に設置した受器に溜るようになる。なお、上記
所定の溶剤組成のものが溶融する温度では、陰極
10上に生成する合金は液体状態となるものであ
り、またそのような溶融塩からなる電解浴の比重
は、生成合金のそれよりも小さくされているとこ
ろから、かかる液体状の合金が陰極10上に生成
されるに従つて、それは陰極10表面より下方に
落下するようになる。 従つて、陰極10から落下する液体合金を受け
る、該陰極10の下方に位置する開口部を有する
受器内に溜められた液体合金は、更に適当な合金
取出手段14によつて電解槽2外へ取り出され、
回収されることとなるのである。 なお、電解槽2へは、電解浴、生成合金、電極
(陽極8と陰極10)、電解槽の構成材料等の変質
を防ぎ、生成合金への有害不純物や介在物の混入
を避けること等のために、保護ガス16が導入さ
れる。また、電解還元操作にて電解槽2内に発生
したガスは、導入された保護ガスと共に廃ガス処
理装置18に導かれ、所定の処理が施されるよう
になつている。 ところで、かくの如き本発明に従う電解システ
ムにおいては、上述のように、電解原料として、
酸化テルビウムとは異なり、フツ化テルビウムが
使用される。このフツ化テルビウムを原料とする
場合においては、フツ化テルビウム自体が電解浴
の主要構成成分でもあるところから、電解によつ
てそれが消費される分を供給によつて補うことが
容易であり、且つ酸化物電解の場合に比較して電
解浴の遥かに広い原料濃度範囲で電解を継続する
ことができるのである。 なお、この原料フツ化テルビウムの供給方法と
しては、粉末の状態で電解浴の表面に添加するの
が一般的であり、電解浴への溶解速度も速く、好
ましいが、電解浴内にガスと共に導入する方法、
或いは粉末の成形体を電解浴中に浸漬する方法で
も、行なうことが可能である。 また、酸化テルビウムの電解の場合と比べて、
フツ化テルビウムの電解操作においては、電極間
の電解領域における電解原料濃度の許容範囲が遥
かに大きく、それ故に供給した原料のかかる領域
への移動に多少の遅れがあつても、電解の継続に
支障を来すことが少なく、従つて原料フツ化テル
ビウムの供給位置並びに電解電気量当たりの供給
量に関して、酸化テルビウムを原料とする場合の
ような細かい制約を受けず、より任意に選択を行
なうことができる利点を有する。 そして、本発明において、不純物の少ないテル
ビウム合金を製造するためには、電解温度の低下
が必要であり、このために、実質的に、20〜95%
(重量基準。以下同じ)のフツ化テルビウム、5
〜80%のフツ化リチウム、40%までのフツ化バリ
ウム、及び20%までのフツ化カルシウムにて構成
される、実質的にフツ化物のみよりなる混合溶融
塩が電解浴として選ばれ、そしてそのような電解
浴に、上記した原料フツ化テルビウムが添加され
た場合にあつても、電解中は、常にかかる組成範
囲の電解浴となるように調整されることとなる。 なお、かかる本発明に従う電解浴組成における
フツ化テルビウム濃度が下限未満、即ち20%に満
たない場合には、電解成績が悪化し、またその上
限濃度(95%)を越えるようになると、電解浴の
融点が上がり過ぎる等の問題を惹起する。また、
フツ化リチウムは、その濃度が余りにも低い場合
には電解浴の融点が上がり過ぎ、一方その濃度が
余りにも高い場合には生成合金との反応が激しく
なつて、電解成績が悪化する等の問題を惹起する
ため、その濃度としては5〜80%に調節する必要
がある。 さらに、フツ化バリウムやフツ化カルシウム
は、高価なフツ化リチウムの使用量を減少させ、
また形成される混合溶融塩の溶融温度を調節する
等の目的をもつて加えられるものであり、それら
の添加量があまりにも多い場合には、電解浴の融
点が上がり過ぎるところから、前者のフツ化バリ
ウムは40%までの割合で、また後者のフツ化カル
シウムは20%までの割合で、それぞれ単独に或い
は共に用いられることとなる。そして、これら4
成分、即ちフツ化テルビウム、フツ化リチウム、
フツ化バリウム及びフツ化カルシウムの合計量が
実質的に100%となるようにして、電解浴が形成
されるのである。 尤も、このような電解浴組成に関して、かかる
電解浴がフツ化テルビウムとフツ化リチウムの二
つの成分のみにて構成される二元系の場合におい
ては、フツ化テルビウムは電解浴中において少な
くとも25%以上、フツ化リチウムは少なくとも15
%以上、それぞれ存在するように調整されること
が望ましい。なお、電解浴の組成は、生成せしめ
られるテルビウム−鉄合金、テルビウム−コバル
ト合金等の生成合金の比重より小さな比重を電解
浴が有するように選ばれるものであるところか
ら、電解時には、生成されたテルビウム−鉄合
金、テルビウム−コバルト合金等のテルビウム合
金が、陰極より比重差によつて電解浴中を落下
し、陰極の下方に位置する開口部を有する生成合
金の受器に容易に到達し得るのである。 また、本発明にあつては、かくの如き組成の電
解浴の電解時の温度は、生成するテルビウム合金
の種類によつて適宜に選択され、例えばテルビウ
ム−鉄合金電解では860℃〜1000℃、テルビウム
−コバルト合金電解では710℃〜1000℃の範囲に
調節せしめられることとなる。前述したように、
電解浴温度が余りにも高くなり過ぎると、生成合
金への不純物、介在物の混入がみられ、一方余り
にも低い電解浴温度の場合にあつては、例えばテ
ルビウム−鉄合金電解では、テルビウム−鉄二元
系合金の共晶温度が約850℃と推定されるところ
から、析出する金属テルビウムと陰極の鉄が充分
に合金化せず、高融点の固体状の金属テルビウム
の析出により、陰極−陽極間の短絡現象が生起し
て、電解を継続することが困難となるからであ
る。一方、テルビウム−コバルト合金電解では、
余りにも低い電解浴温度の場合にあつては、均質
な溶融塩電解浴を形成することが困難となり、電
解浴の性状が悪化し、電解を継続することが困難
となるからである。この温度の範囲内で、出来る
だけ低温の方が、炉材等からの不純物の混入の少
ないテルビウム−鉄、テルビウム−コバルト等の
母合金の製造が可能であることは言うまでもな
い。 そして、かかる温度範囲では、テルビウムを80
重量%以上含む、高テルビウム濃度のテルビウム
−鉄合金、テルビウム−コバルト合金等のテルビ
ウム合金が有利に生成せしめられ得るのであり、
またその生成合金はこの温度範囲において受器内
で液層を形成し、液体状態での取出しに適してい
るのである。そして、この受器内の液状合金は、
電解槽上部より、真空吸引方式によつて効果的に
取り出すことができる他、下方より流し出し方式
によつて取り出すことも可能である。しかも、こ
の取出に際しては、受器内の合金を特別に加熱す
る必要もなく、極めて容易に液状合金として電解
槽外に取り出すことができるのである。 また、本発明にあつては、電解用電極として、
陰極には鉄或いはコバルト等の容易に合金化し得
る金属、陽極には黒鉛が用いられる。陰極の鉄、
コバルト等の金属は、不純物を含むと、そのまま
生成合金中に不純物を持ち込むこととなるところ
から、該陰極の金属材料としては、必要に応じて
不純物の少ないものを用いることが好ましい。ま
た、本発明に従えば、電解操作の進行につれて、
陰極を構成する鉄、コバルト等の合金化金属は、
テルビウムー鉄合金、テルビウム−コバルト合金
等の、目的とするテルビウム合金を生成して、消
費されることとなるが、かかる電解によつて消耗
する部分の鉄、コバルト等の金属を補つて、順
次、陰極を電解浴中に浸漬するようにすれば、電
解操作を中断することなく、目的とするテルビウ
ム合金を連続的に製造することができるのであ
る。その際、陰極の金属部材の端部にネジ切り加
工等を行なつておいて、ネジ結合等によつて陰極
を構成する金属部材を順次接続せしめ、消耗した
陰極分を補うことは、勿論可能である。 このように、固体の合金化金属が陰極として使
用できることは、溶融金属を陰極として使用する
場合に比して、取扱が容易であり、且つ電解炉を
装置的にみて簡略化し得る点で大きな利点となる
ものである。 さらに、かかる本発明に従う黒鉛陽極を用いる
フツ化テルビウムの電解にあつては、陽極全表面
にわたつての電流密度を、0.05〜10.0A/cm2の範
囲内に、電解操作中常に維持していることが必要
である。けだし、この電流密度が低過ぎる場合に
は、陽極表面積が大き過ぎるか、陽極単位表面積
当たりの電流が小さ過ぎることとなり、このため
に生産性が悪化し、工業的に有利ではなくなるか
らであり、またかかる電流密度が高くなり過ぎる
と、酸化テルビウムを原料とした場合の陽極効果
乃至はこれと類似の異常現象が発生し易くなるか
らである。従つて、本発明にあつては、電解条件
の一つとしての陽極電流密度を上記の範囲に保つ
ことによつて、そのような異常現象の発生を効果
的に回避することが、推奨されるのである。な
お、陽極表面における局部的な変動を考慮に入れ
ると、上記陽極全表面にわたつての電流密度は、
0.1〜8.0A/cm2の間に保持することがより好まし
い。さらに、フツ化テルビウムを原料とした場合
は酸化テルビウムを原料にした時よりも、同一温
度では、アノード電流密度を大きくとることがで
き、実操業の点から好ましい。 一方、陰極の電流密度は、陰極全表面にわたつ
ての電流密度として0.50〜80A/cm2の広い範囲に
わたつて許容される。しかし、陰極電流密度が余
りにも低過ぎると、陰極単位表面積当たりの電流
が小さ過ぎて、生産性が悪化し、工業的ではなく
なる。また、この陰極電流密度が高くなり過ぎる
と、電解電圧の上昇が甚だしくなり、電解成績を
悪化させる。なお、実際の電解操業の継続に当た
つては、更に1.0〜30A/cm2のより狭い陰極電流
密度の範囲に保つことが、電解電圧の変動幅を狭
く維持し、電解操業を容易にする上において、よ
り好ましいと言える。 さらに、本発明に従えば、電解浴の耐浴材とは
別の黒鉛を、陽極として使用するものであるとこ
ろから、電解浴の耐浴容器(耐浴材)と陽極を兼
用する場合とは異なり、陽極の消耗によつて電解
を終了せしめる必要はなく、ただその消耗分を補
つて、更に陽極を電解浴中に浸漬するか、或いは
複数の陽極を使用するので、順次新しい陽極に交
換するだけで良い。また、陰極も同様に、その消
耗分を補つて電解浴中に浸漬するか、或いは新し
い陰極に交換するだけで良いのである。本発明で
は、好適に採用される陽極と陰極の表面電流密度
の比の大きな違いにより、各陰極の周りに複数本
の陽極を配置して、陽極が陰極と対向するように
した電極配列が好適に採用されることとなるが、
そのような場合において、陽極の交換を順次行な
うようにすれば、実質上、電解操業を中断するこ
となく、テルビウム合金を連続的に製造すること
ができ、電解法の利点を充分に生かすことができ
る。しかも、陽極形状、陰極形状とも、外形上は
実質的に長さ方向には変化がないものを用いるこ
とができるところから、それらの連続的な使用に
おいて何等の不都合が惹起されることもないので
ある。 また、本発明を実施する電解槽の構造の好適な
一例が、第2図に模式的に示されている。 かかる第2図において、電解槽20は、下部槽
22とその開口部を覆蓋する蓋体24にて構成さ
れている。また、これら下部槽22及び蓋体24
の外側は、通常、鋼等の金属よりなる槽外枠2
6,28より構成されている。さらに、下部槽2
2及び蓋体24は、それぞれ外側にレンガやキヤ
スタブル・アルミナ等によりなる耐火断熱材層3
0,32、及び内側に黒鉛、炭素質スタンプ材等
からなる耐浴材層34,36を配置して、構成さ
れている。 そして、下部槽22の内側耐浴材層34の内面
の接浴面には、ライニング材38が設けられて、
かかる接浴面を被覆している。このライニング材
38は、耐浴材層34からの不純物の混入を防ぐ
他、それがタングステンやモリブデン等の難融金
属にて形成されている場合には、生成する液状テ
ルビウム−鉄合金、テルビウム−コバルト合金等
のテルビウム合金の受器を兼ねることもできる。
尤も、本発明にあつては、かかるライニング材3
8として、難融金属より安価な鉄材料を用いるこ
とが推奨される。また、耐浴材層34は、必ずし
も必要ではなく、耐火断熱材層30上に直接にラ
イニング材38を適用しても何等差支えない。 また、蓋体24を貫通するように、1本若しく
は複数本の、鉄、コバルト、銅、ニツケル、マン
ガン、クロム、チタン等の容易に合金化し得る金
属からなる陰極40と、この陰極40に対向して
配置された複数本の黒鉛陽極42が設けられてお
り、またそれら両電極40,42は、下部槽22
内に収容される前記所定の溶融塩からなる電解浴
44中に、所定電流密度となる長さにわたつて浸
漬されるようになつている。なお、ここでは、黒
鉛陽極42,42は、陰極40と向かい合つて配
置される陽極のうちの2本が示されており、それ
らの材質として黒鉛が好適に用いられているので
ある。この陽極材質としての黒鉛の採用は、ま
た、生成合金の純度等の特性を向上させる上にお
いて有利である。 さらに、これら黒鉛陽極42,42は、棒状、
板状、管状等の形態で用いられ、電解浴44への
浸漬部分の陽極表面積を大きくして陽極電流密度
を下げるために、公知のように溝付きとすること
もできる。なお、第2図では、黒鉛陽極42に
は、電解による陽極消耗の跡を示して、陽極浸漬
部に僅かに傾斜が付けられている。この陽極42
には、給電のために金属等の適当な導電体の電気
リードが取り付けられていても、何等差支えな
い。また、陽極42は、陽極挿入手段としての陽
極昇降機構46によつて上下動せしめられ得るよ
うになつており、これにより電解継続のための適
切な陽極電解密度が確保されるように、間欠的に
或いは連続的に、その浸漬部の表面積を浸漬深さ
で調整し得るようになつている。なお、陽極昇降
機構46,46は、陽極への電気接続機能を兼ね
備えることも出来る。 一方、陰極40は、電解還元作用にて析出せし
められる金属テルビウムと合金化させるべき鉄、
コバルト等の金属にて構成されており、ここでは
その1本が示されている。また、第2図では、テ
ルビウム合金の液滴生成による陰極消耗の跡を示
して、陰極浸漬部分が円錐形状で示してある。な
お、電解温度は、陰極40の金属材料の融点以下
に選ばれるところから、この陰極40は固体であ
り、線状、棒状、板状、管状等の形態で用いられ
る。この陰極40は、また、陰極挿入手段として
の陰極昇降機構48によつて、合金生成による消
耗分を補つて、電解浴44中へ連続的或いは間欠
的に送り込まれるようになつている。そして、こ
の陰極昇降機構48は、陰極への電気接続機能を
兼ね備えることもできる。さらに、かかる陰極4
0の浸漬部以外の表面が、防食のために適当な保
護スリーブ等で保護せしめられるようにしても、
何等差支えない。 また、かかる陰極40の下方に受器開口部が位
置するように、電解浴44内において、下部槽2
2の底部上に生成合金受器50が配置せしめられ
ており、電解還元操作によつて陰極40上に生成
された液状のテルビウム−鉄合金、テルビウム−
コバルト合金等のテルビウム合金52は、陰極表
面より滴下して、その直下において開口する生成
合金受器50内に溜められる。なお、この生成合
金受器50は、生成合金52との反応性の小さな
難融金属、例えばタングステン、タンタル、モリ
ブテン、ニオブ、或いはそれらの合金等を用いて
形成される他、窒化ホウ素等のホウ化物や酸化物
等のセラミツクス、或いはサーメツト等の材料を
用いて形成することもできる。 なお、電解浴44は、前記した本発明に従う組
成に調整された、フツ化テルビウムを含有するフ
ツ化物混合溶融塩よりなるものであり、その組成
は、その比重が生成されるテルビウム合金の比重
以下となるように選ばれる。そして、電解によつ
て消費される電解原料は、原料供給装置54から
蓋体24に設けられた原料供給孔56を通じて供
給され、所定組成の電解浴44が維持せしめられ
るようになつている。 また、陰極40から滴下して受器50内に溜め
られた生成合金52は、それが所定量溜まつた時
に、液体状態のままで所定の合金回収機構(取出
手段)によつて電解槽20外に取り出されること
となるが、本発明にあつては、第2図に示される
如く、パイプ状の真空吸引ノズル58を、蓋体2
4に設けられた生成合金吸引孔60を通じて電解
浴44内に差し入れ、該ノズル58の先端を生成
合金受器50内の生成合金52中に浸漬せしめ、
図示されていない真空装置の真空吸引作用を利用
して吸引することにより生成合金52を吸い上げ
て電解槽20外に取り出す手段が、有利に採用さ
れることとなる。 尤も、このような真空吸引による生成合金52
の吸引取出し方式に代えて、電解槽20(下部槽
22)の下部を貫通する取出パイプを設け、この
取出パイプの先端を更に生成合金受器50を貫通
させて、該受器50内に開口せしめることによ
り、かかる取出パイプを通じて、生成合金52を
炉外下方に流し出す合金回収機構を採用すること
も可能である。 なお、図示はされていないが、かかる電解炉2
0内には、保護ガスが供給されるようになつてお
り、また電解操作によつて発生するガスは、かか
る保護ガスと共に、廃ガス出口62を通じて外部
に排出されるようになつている。また、このよう
な電解槽20には、前記した電解温度に保持する
ための特別な加熱装置は設けられていないが、所
定の温度に維持するために、必要に応じて、この
電解槽20内に或いはその外部に適当な加熱装置
を設けてもよいことは、言うまでもないところで
ある。 (実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするため
に、本発明に従う幾つかの実施例を示すが、本発
明がそのような実施例の記載によつて何等制限的
に解釈されるものではないことは、言うまでもな
いところである。 なお、本発明は、上述した本発明の具体的な説
明並びに以下の実施例の他にも、各種の態様にお
いて実施され得るものであり、本発明の趣旨を逸
脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて
種々なる態様において実施され得るものは、何れ
も本発明の範疇に属するものであることが、理解
されるべきである。 実施例 1 テルビウムを主とする希土類金属89%(重量基
準。以下同じ)及び鉄11%の組成を有する希土類
金属−鉄(RE−Fe)合金0.49Kgが、次のように
して得られた。 すなわち、第2図に示される電解槽と同様な構
成と装置において、電解槽の耐浴材として鉄をラ
イニングした黒鉛るつぼを用い、生成合金受器と
して該黒鉛るつぼの底部中央に設置した窒素ホウ
素(BN)製容器を用いて、実質上フツ化テルビ
ウムとフツ化リチウムのみの二元系フツ化物混合
溶融塩よりなる電解浴を、平均900℃の電解温度
にて不活性ガス雰囲気中で電解した。陰極として
は、黒鉛るつぼ中央部の電解浴中に浸漬した1本
の6mmφの鉄線を用い、陽極としては、かかる陰
極の周りに同心円状に配列して(平面形態におい
て)電解浴中に浸漬した、4本の40mmφの黒鉛棒
を用いた。 そして、フツ化テルビウムを原料として、その
粉末を電解浴に連続的に供給しつつ、下記第1表
に示される範囲内の電解条件を保持して、8時間
電解を行なつた。この間、電解操業は極めて良好
に継続することができ、液体状の希土類金属(テ
ルビウム)−鉄合金が順次滴下して、電解浴内に
配置された窒化ホウ素(BN)の受器内に溜めら
れた。この溜められた合金は、真空吸引ノズルを
有する真空吸引式合金回収装置にて電解炉の外部
に取り出された。 かかる電解操作により得られた電解成績並びに
生成合金の分析結果を、下記第1表及び第2表に
示す。なお、電流効率は、回収した希土類金属重
量(すべてテルビウムと仮定)に基づいて求めら
れた。 実施例 2 実質的にテルビウムからなる希土類金属80%及
びコバルト20%の組成を有する希土類金属(テル
ビウム)−コバルト合金の0.58Kgが、次のような
電解操作により得られた。 まず、耐浴材としての黒鉛るつぼの内面に鉄を
ライニングしたものを、電解浴の容器として用
い、更にこの底部中央に設置したモリブデン製容
器を生成合金の受器として用いて、実質上フツ化
テルビウムとフツ化リチウムのみの二元系フツ化
物混合溶融塩よりなる電解浴を、平均790℃の電
解温度にて不活性ガス雰囲気中で電解した。そし
て、陰極としては、実施例1と同様に配置した1
本の6mmφのコバルト棒を用い、また陽極として
は、実施例1と同様の4本の40mmφの黒鉛棒を用
いた。 そして、フツ化テルビウムを原料として、電解
浴に連続的にその供給を行ないつつ、下記第1表
に示される範囲内に電解条件を保持したところ、
8時間にわたり、良好な電解操業が継続された。
また、液体状の希土類金属(テルビウム)−コバ
ルト合金が順次滴下して、モリブデン製受器内に
集められた。さらに、この集められた受器内の生
成合金は、実施例1と同様に液体状態で取り出す
ことができた。 かかる電解操作によつて得られた電解成績並び
に生成合金の分析結果を、それぞれ下記第1表及
び第2表に示す。
【表】
【表】
【表】
かかる第1表及び第2表の結果から明らかなよ
うに、本発明に従つてフツ化テルビウムを電解す
ることにより、テルビウム含有量の高いテルビウ
ム−鉄合金或いはテルビウム−コバルト合金が一
挙に製造され得るのであり、またそのような生成
合金は、合金特性を悪化させるカルシウム、酸素
等不純物の含有量の低いテルビウム−鉄合金或い
はテルビウム−コバルト合金であることが認めら
れる。 また、以上の実施例では、更に長時間にわたつ
て継続して電解を行なうことが容易であり、その
ような場合にあつても、それぞれの実施例と同様
な結果が得られることが確認されている。 実施例3および比較例1〜2 陰極として、直径20mmφ中の鉄線、陽極とし
て、4本の直径70mmφの黒鉛棒を用いること以外
は、実施例1と同様にして、フツ化テルビウム
(TbF3)または酸化テルビウム(Tb4O7)の電解
還元操作を、下記第3表に示される電解条件下に
おいて実施し、下記第4表の如き電解成績を得
た。 かかる第3〜4表より明らかなように、Ca、
Mg、Al、C、O 不純物含有量に関して、実施
例3で得られたTb−Fe合金は、先の実施例1、
2と同様に、極めて少ない含有量となり、良好な
品質であることを認めた。 なお、比較例1は、酸化テルビウムを原料に用
いた場合であり、不純物のO含有量が0.05%と高
く、光磁気デイスク用には問題となる。また、陽
極効果の発生により、電解の継続が困難で、スラ
ツジの形成があり、好ましくない。 比較例2は、フツ化テルビウムの含有量が7〜
18%と低く、電解が不可能になり、テルビウム−
鉄合金が採取出来なかつた。
うに、本発明に従つてフツ化テルビウムを電解す
ることにより、テルビウム含有量の高いテルビウ
ム−鉄合金或いはテルビウム−コバルト合金が一
挙に製造され得るのであり、またそのような生成
合金は、合金特性を悪化させるカルシウム、酸素
等不純物の含有量の低いテルビウム−鉄合金或い
はテルビウム−コバルト合金であることが認めら
れる。 また、以上の実施例では、更に長時間にわたつ
て継続して電解を行なうことが容易であり、その
ような場合にあつても、それぞれの実施例と同様
な結果が得られることが確認されている。 実施例3および比較例1〜2 陰極として、直径20mmφ中の鉄線、陽極とし
て、4本の直径70mmφの黒鉛棒を用いること以外
は、実施例1と同様にして、フツ化テルビウム
(TbF3)または酸化テルビウム(Tb4O7)の電解
還元操作を、下記第3表に示される電解条件下に
おいて実施し、下記第4表の如き電解成績を得
た。 かかる第3〜4表より明らかなように、Ca、
Mg、Al、C、O 不純物含有量に関して、実施
例3で得られたTb−Fe合金は、先の実施例1、
2と同様に、極めて少ない含有量となり、良好な
品質であることを認めた。 なお、比較例1は、酸化テルビウムを原料に用
いた場合であり、不純物のO含有量が0.05%と高
く、光磁気デイスク用には問題となる。また、陽
極効果の発生により、電解の継続が困難で、スラ
ツジの形成があり、好ましくない。 比較例2は、フツ化テルビウムの含有量が7〜
18%と低く、電解が不可能になり、テルビウム−
鉄合金が採取出来なかつた。
【表】
【表】
第1図は本発明を実施するための具体的な電解
システムを示す模式図であり、第2図は本発明を
実施するための電解槽の構造の一例を示す断面図
である。 2:電解槽、4:溶剤、6:原料供給装置、
8:黒鉛陽極、10:陰極、12:電力、14:
合金取出手段、16:保護ガス、18:廃ガス処
理装置、20:電解槽、22:下部槽、24:蓋
体、30,32:耐火断熱材層、34,36:耐
浴材層、38:ライニング材、40:陰極、4
2:黒鉛陽極、44:電解浴、46:陽極昇降機
構、48:陰極昇降機構、50:生成合金受器、
52:生成合金、54:原料供給装置、58:真
空吸引ノズル、60:生成合金吸引孔。
システムを示す模式図であり、第2図は本発明を
実施するための電解槽の構造の一例を示す断面図
である。 2:電解槽、4:溶剤、6:原料供給装置、
8:黒鉛陽極、10:陰極、12:電力、14:
合金取出手段、16:保護ガス、18:廃ガス処
理装置、20:電解槽、22:下部槽、24:蓋
体、30,32:耐火断熱材層、34,36:耐
浴材層、38:ライニング材、40:陰極、4
2:黒鉛陽極、44:電解浴、46:陽極昇降機
構、48:陰極昇降機構、50:生成合金受器、
52:生成合金、54:原料供給装置、58:真
空吸引ノズル、60:生成合金吸引孔。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 テルビウムと合金化し得る鉄またはコバルト
からなる固体の陰極と黒鉛陽極とを用いて、テレ
ビウム化合物を溶融塩電解浴中において電解還元
せしめ、生成するテルビウムを前記陰極上に析出
させると共に、該陰極を構成する金属と合金化せ
しめて、目的とするテルビウム合金を形成させる
方法にして、 前記テルビウム化合物としてフツ化テルビウム
を用い、電解還元操作の進行に応じて前記溶融塩
電解浴中に供給するようにすると共に、かかるフ
ツ化テルビウムを含む溶融塩電解浴が、実質的
に、20〜95重量%のフツ化テルビウム、5〜80重
量%のフツ化リチウム、0〜40重量%のフツ化バ
リウム及び0〜20重量%のフツ化カルシウムにて
構成されるように調整し、且つ陽極電流密度:
0.05〜10.0A/cm2、陰極電流密度:0.50〜80A/cm2
の条件下において、更に、前記陰極が鉄から構成
されるときは、溶融塩電解浴温度を860〜1000℃
として、また、前記陰極がコバルトから構成され
るときは、溶融塩電解浴温度を710〜1000℃とし
て、前記電解還元操作を進行せしめることによ
り、前記テルビウム合金を前記陰極上に液体状態
で生成せしめ、そして該液体状態のテルビウム合
金を、液滴として該陰極下方の電解浴中に開口部
を有する受器内に滴下せしめて、液層として溜
め、更にこの受器内の液層より、テルビウム合金
を液体状態で取り出すようにしたことを特徴とす
るテルビウム合金の製造方法。 2 前記フツ化テルビウムを含む溶融塩電解浴
が、実質的にフツ化テルビウムとフツ化リチウム
にて構成され、且つ該フツ化テルビウムが少なく
とも25重量%以上、該フツ化リチウムが少なくと
も15重量%以上、それぞれ存在するように調整せ
しめられる特許請求の範囲第1項記載の製造方
法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6793486A JPS62224692A (ja) | 1986-03-26 | 1986-03-26 | テルビウム合金の製造方法並びにその製造装置 |
| US07/025,272 US4783245A (en) | 1986-03-25 | 1987-03-12 | Process and apparatus for producing alloy containing terbium and/or gadolinium |
| AT87302468T ATE58400T1 (de) | 1986-03-25 | 1987-03-23 | Verfahren und vorrichtung zur herstellung einer terbium und/oder gadolinium enthaltenden legierung. |
| EP87302468A EP0242995B1 (en) | 1986-03-25 | 1987-03-23 | Process and apparatus for producing alloy containing terbium and/or gadolinium |
| DE8787302468T DE3766148D1 (de) | 1986-03-25 | 1987-03-23 | Verfahren und vorrichtung zur herstellung einer terbium und/oder gadolinium enthaltenden legierung. |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6793486A JPS62224692A (ja) | 1986-03-26 | 1986-03-26 | テルビウム合金の製造方法並びにその製造装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62224692A JPS62224692A (ja) | 1987-10-02 |
| JPH0569918B2 true JPH0569918B2 (ja) | 1993-10-04 |
Family
ID=13359253
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6793486A Granted JPS62224692A (ja) | 1986-03-25 | 1986-03-26 | テルビウム合金の製造方法並びにその製造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62224692A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5258103A (en) * | 1991-01-17 | 1993-11-02 | Mitsubishi Kasei Corporation | Process for producing terbium alloy or terbium metal |
| JP5504515B2 (ja) * | 2008-05-01 | 2014-05-28 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 希土類金属の回収方法 |
| CN103572329B (zh) * | 2012-07-31 | 2016-01-20 | 有研稀土新材料股份有限公司 | 一种熔融盐电解制备稀土金属合金的方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US3383294A (en) * | 1965-01-15 | 1968-05-14 | Wood Lyle Russell | Process for production of misch metal and apparatus therefor |
-
1986
- 1986-03-26 JP JP6793486A patent/JPS62224692A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62224692A (ja) | 1987-10-02 |
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