JPH0569861A - 自動車の前部構造 - Google Patents

自動車の前部構造

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JPH0569861A
JPH0569861A JP3231537A JP23153791A JPH0569861A JP H0569861 A JPH0569861 A JP H0569861A JP 3231537 A JP3231537 A JP 3231537A JP 23153791 A JP23153791 A JP 23153791A JP H0569861 A JPH0569861 A JP H0569861A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、自動車の前部構造において、所
定要求高さのバンパ位置を満足させた状態で、これとは
無関係に、ボンネツトラインを低く設定する事の出来る
と共に、空力特性の向上を図る事の出来ることを最も主
要な特徴とする。 【構成】 この発明に係わる自動車の前部構造は、傾斜
した上面を有して配設されたノーズパネル12と、この
ノーズパネル12の傾斜上面から上方に離間して配設さ
れたバンパー部材30とを具備し、このバンパー部材を
スポイラー機能を有するように形成した事を特徴として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、バンパー部材がノー
ズパネルに、これから上方に離間した状態で取り付けら
れた自動車の前部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、所謂スポーツカーの世界において
は、全体車高を低く抑え、車体前端を規定するノーズ部
を低位置に設定し、ボンネツトラインを低下させて、空
力特性を向上させようとする要求がある。この様なボン
ネツトラインを低下させる一態様として、例えば、実開
昭62−197483号公報に示されるように、車体上
面部の少なくともフロント部分にエア流導入用の凹部を
車体の前後方向にかけて形成すると共に、この凹部内の
前部位置に車体幅方向の整流板を設ける技術が知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エンジ
ンをミツドシツプタイプで搭載させたり、フロントエン
ジン及び補機類をコンパクトに構成して、如何にボンネ
ツトラインを低下させようとしても、図12に示すよう
に、ボンネツトaとフロントウインドウガラスbとの交
点で規定されるカウルポインとcと、所定要求高さ位置
に予め決定されているバンパ位置dとを結ぶラインe
が、下限となり、これよりもボンネツトラインを低く設
定する事は不可能であつた。尚、この図12において、
gはフロントバンパhが収納されるノーズパネルを示
し、iはエンジンを示し、そして、jは前輪を示してい
る。この発明は、上述した問題点に鑑みなされたもので
あり、この発明の目的は、フロントバンパーの取り付け
位置を所定要求高さ位置に満足させた状態で、これとは
無関係に、ボンネツトラインを低く設定する事の出来る
と共に、空力特性の向上を図る事の出来る自動車の前部
構造を提供することをである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決
し、目的を達成するため、この発明に係わる自動車の前
部構造は、傾斜した上面を有して配設されたノーズパネ
ルと、このノーズパネルの傾斜上面から上方に離間して
配設されたバンパー部材とを具備し、このバンパー部材
をスポイラー機能を有するように形成した事を特徴とし
ている。また、この発明に係わる自動車の前部構造にお
いて、前記ノーズパネル内には、ラジエータが略水平状
態で配設され、このラジエータには、前記ノーズパネル
の下方から取り入れられたエアーが導入される事を特徴
としている。
【0005】また、この発明に係わる自動車の前部構造
において、前記ノーズパネルの下面には、前記ラジエー
タの下方に位置して開口が形成され、この開口の後端縁
には、この開口を介して走行風を前記ラジエータに強制
的に導入させるための偏向部材が取り付けられている事
を特徴としている。また、この発明に係わる自動車の前
部構造において、前記バンパー部材は、その両端で前記
ノーズパネルに接合され、中央部において前記ノーズパ
ネルの上面から離間している事を特徴としている。
【0006】また、この発明に係わる自動車の前部構造
において、前記バンパー部材は内部を中空に形成され、
これの前記ノーズパネルの上面に対向する下面には、エ
アークリーナに連接される吸気通路の開口部及びエアー
コンデイシヨナーに連接されるフレツシユエアーダクト
の開口部の少なくとも一方が開口される事を特徴として
いる。また、この発明に係わる自動車の前部構造におい
て、前記ノーズパネルとバンパー部材とは、同一の外被
材で夫々の外面を規定されている事を特徴としている。
【0007】
【作用】以上の様に、この発明に係わる自動車の前部構
造は構成されているので、バンパー部材を所定要求高さ
位置に、ノーズパネルの傾斜した上面から上方に離間し
た状態で独立して保持する事により、この所定要求高さ
位置を満足すると共に、ノーズパネルの傾斜度を自由に
設定することにより、ノーズ部を低く設定して空力特性
を向上させることが出来る事になる。
【0008】
【実施例】以下に、この発明に係わる自動車の前部構造
の一実施例の構造を、添付図面の図1乃至図8を参照し
て詳細に説明する。先ず、この一実施例の自動車の前部
構造10は、図1に示すように、車体の前端を規定すべ
く車幅方向に沿つて延出するノーズパネル12と、この
ノーズパネル12の後端縁の中央部から後方に向けて一
体的に延出するボンネツト14と、このボンネツト14
の両側であつて、ノーズパネル12の後端縁の両側から
夫々後方に向けて一体的に延出する左右一対のフエイン
ダーパネル16,18とを備えて構成されている。尚、
このボンネツト14の後端縁は車幅方向に沿つて滑らか
に変化する曲線となるように延出しており、ここから後
方に向けてフロントウインドウガラス20が延出してい
る。即ち、このフロントウインドウガラス20とボンネ
ツト14との交差する線により、カウルポイントが規定
されている。
【0009】また、両フエインダーパネル16,18の
夫々の外側には、左右一対の前輪22が夫々収納される
タイヤハウス24が夫々形成されている。また、ボンネ
ツト14の左右の前端には、左右一対のヘツドランプ2
6,28が夫々取り付けられている。一方、ノーズパネ
ル12からボンネツト14を経てフロントウインドウガ
ラス20に至る中心線付近の上面は、図1において一点
鎖線Aで示すように、路面に対して小さめの鋭角で傾斜
する一枚の傾斜面を構成するように設定されている。
【0010】即ち、この一実施例においては、ノーズパ
ネル12の先端は、所定要求高さ位置に設定されたバン
パー高さよりも低い位置に設定され、このノーズパネル
12は、バンパーとしては機能しないようになされてい
る。このようにノーズパネル12の先端を、所定要求高
さ位置に設定されたバンパー高さとは無関係に、これよ
りも低く設定する事により、前部構造10を低ノーズ化
を図ることが出来ると共に、ボンネツトラインを低く抑
え、空力抵抗の低減化を達成して、空力特性の向上を図
ることが出来るものである。
【0011】上述したように、この一実施例において
は、ノーズパネル12はバンパー機能を有さない状態で
形成されており、図2に取り出して示すように、ノーズ
パネル12の上面中央部の上方に独立した状態でバンパ
ー部材30が配設されている。このバンパー部材30
は、ノーズパネル12の前端における延出曲線と上下に
略整合した状態で、延出する前端面を有するように形成
されており、その両端において、接合部32,34を夫
々介してノーズパネル12と一体的に接合されている。
即ち、この一実施例においては、ノーズパネル12とバ
ンパー部材30と左右の接合部32,34とは、同一の
外被材OPで被われた状態で、換言すれば、同一の外被
材OPで夫々の外面を規定された状態で形成されてい
る。そして、正面からこの前部構造10を見た場合、ノ
ーズパネル12の上面と、バンパー部材30の下面と、
左方の接合部32の右側面と、右方の接合部34の左側
面とに囲まれる空間により、走行風が吹き抜ける前部開
口38が規定されるものである。
【0012】詳細には、図3にノーズパネル12とバン
パー部材30とが接合部32,34を夫々介して接合さ
れる各端部の断面形状を示すように、車体の両側を車体
前後方向に沿つて夫々延出するフロントサイドフレーム
38の先端は、ノーズパネル12内で終端しており、各
フロントサイドフレーム38の先端部の上面には、バン
パーブラケツト40を各々介して、車幅方向に沿つて延
出するバンパーフレーム42の両端が各々固着されてい
る。また、この図3に示すように、外被材36はその両
端で、両フロントサイドフレーム38の先端を互いに連
結する状態で取り付けられたシユラウド44に、取り付
けブラケツト46を夫々介して取り付けられている。こ
こで、このノーズパネル12の上方に配設されたバンパ
ー部材30内のバンパーフレーム42の取り付け高さ
は、所定要求高さ位置に設定されている。
【0013】一方、図4にノーズパネル12とバンパー
部材30との中心軸線に沿う断面形状を示すように、バ
ンパー部材30はノーズパネル12の上面から所定距離
だけ離間した状態で上方に独立して配設されている。即
ち、これらノーズパネル12とバンパー部材30との間
には、走行風が吹き抜ける開口38が規定されている。
ここで、この図4から明らかなように、このバンパー部
材30の断面形状は、その車体前後方向に沿う上側の長
さが、下側の長さより短く設定された所の、所謂翼構造
を呈して形成されており、この翼構造に形成される事に
より、このバンパー部材30は所謂スポイラー機能を有
する事となる。
【0014】即ち、図5に示すように、この前部構造1
0を備えた自動車が前進走行する状態において、この自
動車には、相対的に前方から走行風が吹きつける事とな
る。そして、この走行風は、白抜き矢印で示すように、
車体前部に当たり、バンパー部材30の上側を吹き抜け
る風K1と、バンパー部材30とノーズパネル12との
間、即ち、前部開口36内を吹き抜ける風K2と、ノー
ズパネル12の下側を吹き抜ける風K3とに別れる事と
なる。ここで、周知の翼理論から、風の吹き抜け長さの
短い面から長い面に向けて、黒矢印で示すように、押し
下げ力DFが発生し、この結果、このスポイラーとして
機能するバンパー部材30を一体的に備えた車体の前部
構造10は、全体的に路面に対して押し付けられるよう
な力を受け、両前輪22における接地力が増し、走行安
定性が増す事となる。このように、ノーズパネル12の
上方に独立して配設されたバンパー部材30にスポイラ
ー機能を付与する事により、車両の走行安定性の向上に
基づく走行性能が改善される事になる。
【0015】また、図5に示すように、ノーズパネル1
2内の下部には、ラジエータ48が略水平に寝た状態で
配設され、これの上側には、電動フアン50が連接され
ている。そして、この電動フアン50の後方であつて、
ボンネツト14が開放される事により形成される開口を
介して上方から臨める位置に、エンジン52が搭載され
ている。尚、上述したノーズパネル12の下面を吹き抜
ける風K3を、このラジエータ48に導入させるように
するために、ノーズパネル12の下面には、下部開口5
4が形成されており、この一実施例においては、この下
部開口54を介しての走行風K3を強制的にラジエータ
48に導入させるために、この下部開口54の後側縁に
は、偏向板56がバツフル板として取り付けられてい
る。このように偏向板56を取り付ける事により、上述
したようにラジエータ48を略水平に寝かした状態で配
設したとしても、走行に際してこのラジエータ48に対
して十分な冷却用の空気が導入される事となる。
【0016】一方、再び図4に示すように、ノーズパネ
ル12の上方に独立した状態で配設されたバンパー部材
30内には、これの中を車幅方向に沿つて貫通した状態
で配設されたバンパーフレーム42の前後に夫々分けら
れた状態で、衝撃吸収用の合成樹脂製の発泡体58a,
58bが収納されている。ここで、これらの発泡体58
a,58bを収納するためにも、また、上述したよう
に、ノーズパネル12とバンパー部材30の夫々の外被
を外被材OPから一体的に規定させるために、その成形
加工技術上の要請からも、バンパー部材30の下面に
は、略全面に渡り開口60が形成されている。そして、
この開口60は、バンパー部材30の下面に着脱自在に
取り付けられた蓋体62により全面的に覆われている。
【0017】このようにバンパー部材30内に発泡体5
8a,58bを収納するための開口60を、これの下面
に形成する事により、この自動車の外観を観察する人間
の目から、この開口60を覆う蓋体62を隠すことが出
来、外観の見栄えを向上させることが出来る事になる。
また、この図4から明らかなように、ノーズパネル12
の後方端縁、即ち、これに対向するボンネツト14の前
端縁は、バンパー部材30の後方端縁の直下方位置で、
夫々終端するように設定されている。従つて、この前部
構造10を図1に示すように、前方から見た場合に、夫
々の終端は観察されずに、ノーズパネル12とボンネツ
ト14とは、あたかも、一体物として構成されているか
のように見える事となり、外観の見栄えを更に向上させ
ることが出来る事となる。
【0018】このように、この一実施例の前部構造10
においては、バンパー部材30を、ノーズパネル12か
ら独立させた状態で、これの上方に浮いた状態で取り付
けているので、所定要求高さ位置を満足させつつ、ボン
ネツトラインをバンパー取り付け位置とは無関係に低く
抑えることが出来、空力特性を向上させることが出来る
と共に、外観の見栄えを向上させることが出来る事とな
る。また、このノーズパネル12の上方に独立して配設
させたバンパー部材30にスポイラー機能を備えさせる
事により、走行時の車体前部の浮き上がりが抑制され、
走行安定性の向上が図られる事となる。
【0019】ここで、この一実施例におけるエンジンル
ーム内のエンジン52その他の搭載状態について、図6
乃至図8を参照して説明する。即ち、図6に示す様に、
このエンジンルーム内の略中央部には、エンジン52が
両フロントフレーム38に跨がった状態で搭載されてい
る。このエンジン52には、種々の補機類が取着されて
いるが、この一実施例においては、これら補機類は、エ
ンジン52を正面視した場合において、左右に振り分け
た状態でエンジン52に取着されている。換言すれば、
これら補機類は、エンジン52の上面には取着されず
に、ここから外れされた状態で取着されている。
【0020】一方、このエンジン52の上部には、吸気
系を構成するサージタンク64が配設され、このサージ
タンク64の前方には、図7に示す様に、両フロントサ
イドフレーム38を互いに連結するラテラルフレーム6
6よりも前方に張り出した状態で、エアークリーナ68
が配設されている。このエアークリーナ68とサージタ
ンク64とは、吸気導入管70を介して互いに連結され
ており、この吸気導入管70内の上流側には、吸入空気
量を測定するためのエアーフローメータ72が、また、
下流側には、吸入空気量を規制するためのスロツトルバ
ルブ74が夫々介設されている。
【0021】ここで、このエアークリーナ68の前面に
は、図6に示す様に、中央部に位置した状態で高速・高
負荷用の第1の吸入ダクト76が連接され、また、この
第1の吸入ダクト76の側方には、低速・低負荷用の第
2の吸入ダクト78が連接されている。そして、この第
1の吸入ダクト76は、車体前方にストレートに延出
し、ノーズパネル12の上面略中央部に形成されたフレ
ッシュエアー取り込み用の第1の開口80に連通してい
る。尚、この第1の開口80は、図7から明らかな様
に、丁度、バンパー部材30の直後下方に位置する様に
設定されており、このバンパー部材30により隠れた状
態で見えにくくなされている。一方、第2の吸入ダクト
78は、一旦側方に偏倚した状態で、ノーズパネル12
の上面側部に形成したフレッシュエアー取り込み用の第
2の開口82に連通している。
【0022】一方、上述したエアークリーナ68内に
は、図8に示す様に、吸気通路として第1及び第2の吸
入ダクト76,78を選択的に用いるための切り換え機
構84が配設されている。この切り換え機構84は、図
示するように、駆動源としての逆転駆動可能な駆動モー
タ86と、この駆動モータ86により第1及び第2の吸
入ダクト76,78の夫々の接続孔76a,78aを選
択的に閉塞するシャッタ部材88と、この駆動モータ8
6を低速・低負荷状態においては、シャッタ部材88が
第1の吸入ダクト76の接続孔76aを閉塞するよう
に、また、高速・高負荷状態においては、シャッタ部材
88が第2の吸入ダクト78の接続孔78aを閉塞する
ように駆動制御する制御装置とを備えて構成されてい
る。
【0023】この様にエンジンルーム内のエンジン52
等の搭載構造を構成する事により、即ち、補機類をエン
ジン52の左右に振り分けた状態で配設する事により、
エンジン52の上部を吸気通路が通るスペースとして、
詳細には、サージタンク64の配設スペースとして利用
することが出来、レイアウト性が向上する事となる。ま
た、ラテラルフレーム66の前方であつて、ラジエータ
48の前方の空いたスペースに、大きな配設スペースを
必要とするエアークリーナ68を配設することが出来、
同様に、レイアウト性が向上する事となる。
【0024】また、この様な搭載構造において、フレッ
シュエアーの取り込み構造を、低速・低負荷用と、高速
・高負荷用との2種類に分け、夫々に応じて吸気状態を
可変とする事により、吸気効率の向上を図ることが出来
る事となる。ここで、高速・高負荷用の第1の吸入ダク
ト76をストレートにフレッシュエアー取り込みようの
第1の開口80に連結するように構成したので、サスペ
ンシヨン装置におけるサスタワー付近のレイアウト効率
を向上させることが出来る事となる。
【0025】この発明は、上述した一実施例の構成に限
定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能である事は言うまでもない。例えば、上述
した一実施例においては、バンパー部材32内には、発
泡体58a,58bが車幅方向に沿つて全体に渡り配設
されるように説明したが、この発明は、このような構成
に限定されることなく、図9及び図10に第1の変形例
として示すように構成してもよい。以下に、この発明の
種々の変形例について以下に説明するが、上述した一実
施例の構成と同一部分には、同一符号を付してその説明
を省略する。
【0026】即ち、この第1の変形例においては、バン
パーフレーム42の後側には発泡体38bが配設されず
に、空間として残されている。一方、図9に示すよう
に、バンパー部材30の下面を形成する蓋部材62の中
央よりやや右寄り部分には、第3の開口90が形成され
ており、図10に示すように、蓋部材62の中央よりや
や左寄り部分には、第4の開口92が形成されている。
そして、図9に示すように、この空間内の中央より右側
部分には、第3の開口90に先端が連通され、後端がエ
アークリーナ68に接続される第2の吸入ダクト78が
延出された状態で配設されている。即ち、この第1の変
形例においては、この第3の開口90は低速・低負荷用
の吸気孔として機能している。一方、図10に示すよう
に、この空間内の中央より左側部分には、第4の開口9
2に先端が連通され、後端が図示しないエアーコンデイ
シヨナーに接続されるフレツシユエアーダクト94が配
設されている。即ち、この第1の変形例においては、こ
の第4の開口92は、エアーコンデイシヨナー用のフレ
ツシユエアー取り入れ孔として機能している。このよう
に、この第1の変形例においては、吸気孔やフレツシユ
エアー取り入れ孔等の開口を、ノーズパネル12やボン
ネツト14に形成することなく、外観上見えにくいバン
パー部材30の下面を規定する蓋部材62に形成する事
により、外観の見栄えを向上させることが出来る事にな
る。
【0027】また、上述した一実施例においては、第3
及び第4の開口90,92をバンパー部材30の下面を
規定する蓋部材62に形成するように説明したが、この
発明は、このような構成に限定されることなく、例え
ば、図11に第2の変形例として示すように構成しても
よい。即ち、この第2の変形例においては、バンパー部
材30の直下方に位置するノーズパネル12の部分に、
上述した一実施例と同様に第1及び第2の開口80,8
2を形成し、エアーコンデイシヨナー用の第4の開口9
2のみをバンパー部材30の蓋部材62に形成するよう
に構成されている。尚、図11には、図面の都合上、第
2の開口82が示されていない。このように、第2の変
形例においては、外観上、バンパー部材30に隠れて見
えにくいノーズパネル12上の部位やバンパー部材30
の下面に、吸気孔やフレツシユエアー取り入れ孔等の開
口を形成する事により、外観の見栄えを向上させること
が出来る事になる。
【0028】
【発明の効果】以上詳述した様に、この発明に係わる自
動車の前部構造は、傾斜した上面を有して配設されたノ
ーズパネルと、このノーズパネルの傾斜上面から上方に
離間して配設されたバンパー部材とを具備し、このバン
パー部材をスポイラー機能を有するように形成した事を
特徴としている。また、この発明に係わる自動車の前部
構造において、前記ノーズパネル内には、ラジエータが
略水平状態で配設され、このラジエータには、前記ノー
ズパネルの下方から取り入れられたエアーが導入される
事を特徴としている。また、この発明に係わる自動車の
前部構造において、前記ノーズパネルの下面には、前記
ラジエータの下方に位置して開口が形成され、この開口
の後端縁には、この開口を介して走行風を前記ラジエー
タに強制的に導入させるための偏向部材が取り付けられ
ている事を特徴としている。
【0029】また、この発明に係わる自動車の前部構造
において、前記バンパー部材は、その両端で前記ノーズ
パネルに接合され、中央部において前記ノーズパネルの
上面から離間している事を特徴としている。また、この
発明に係わる自動車の前部構造において、前記バンパー
部材は内部を中空に形成され、これの前記ノーズパネル
の上面に対向する下面には、エアークリーナに連接され
る吸気通路の開口部及びエアーコンデイシヨナーに連接
されるフレツシユエアーダクトの開口部の少なくとも一
方が開口される事を特徴としている。
【0030】また、この発明に係わる自動車の前部構造
において、前記ノーズパネルとバンパー部材とは、同一
の外被材で夫々の外面を規定されている事を特徴として
いる。従つて、この発明によれば、フロントバンパーの
取り付け位置を所定要求高さ位置に満足させた状態で、
これとは無関係に、ボンネツトラインを低く設定する事
の出来ると共に、空力特性の向上を図る事の出来る自動
車の前部構造が提供される事となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる自動車の前部構造の一実施例
の構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1に示す前部構造の要部を取り出して示す斜
視図である。
【図3】図2に示す前部構造の要部を、BーB線に沿つ
て切断した状態で示す縦断面図である。
【図4】図2に示す前部構造の要部を、CーC線に沿つ
て切断した状態で示す縦断面図である。
【図5】図1に示す前部構造に走行風が吹きつける際
の、この走行風の分割状態、及び、ノーズパネル内の機
器の配設状態を示す縦断面図である。
【図6】エンジンルーム内のエンジン等の配設状態を概
略的に示す平面図である。
【図7】図6に示すエンジンルーム内の配設状態を概略
的に示す側断面図である。
【図8】エアークリーナ内における切り換え機構の構成
を取り出して示す断面図である。
【図9】図1に示す一実施例の前部構造の第1の変形例
の構成を、バンパー部材を中央より右寄りの部位で切断
した状態で示す縦断面図である。
【図10】図1に示す一実施例の前部構造の第1の変形
例の構成を、バンパー部材を中央より左寄りの部位で切
断した状態で示す縦断面図である。
【図11】図1に示す一実施例の前部構造の第2の変形
例の構成を、バンパー部材を中央より左寄りの部位で切
断した状態で示す縦断面図である。
【図12】従来の問題点を説明するための自動車の前部
構造を概略的に示す側面図である。
【符号の説明】 10 前部構造、 12 ノーズパネル、 14 ボンネツト、 16;18 フエインダーパネル、 20 フロントウインドウガラス、 22 前輪、 24 タイヤハウス、 26;28 ヘツドランプ、 30 バンパー部材、 32;34 接合部、 36 前部開口、 38 フロントサイドフレーム、 40 バンパーブラケツト、 42 バンパーフレーム、 44 シユラウド、 46 取り付けブラケツト、 48 ラジエータ、 50 電動フアン、 52 エンジン、 54 下部開口、 56 偏向板、 58a;58b 発泡体、 60 開口、 62 蓋体、 64 サージタンク、 66 ラテラルフレーム、 68 エアークリーナ、 70 吸気導入管、 72 エアーフローメータ、 74 スロツトルバルブ、 76 高速・高負荷用の吸入ダクト、 76a 開口、 78 低速・低負荷用の吸入ダクト、 78a 開口、 80 第1の開口、 82 第2の開口、 84 切り換え機構、 86 駆動モータ、 88 シャッタ部材、 90 第3の開口、 92 第4の開口、 94 フレツシユエアーダクトである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾斜した上面を有して配設されたノーズ
    パネルと、 このノーズパネルの傾斜上面から上方に離間して配設さ
    れたバンパー部材とを具備し、 このバンパー部材をスポイラー機能を有するように形成
    した事を特徴とする自動車の前部構造。
  2. 【請求項2】 前記ノーズパネル内には、ラジエータが
    略水平状態で配設され、このラジエータには、前記ノー
    ズパネルの下方から取り入れられたエアーが導入される
    事を特徴とする請求項1に記載の自動車の前部構造。
  3. 【請求項3】 前記ノーズパネルの下面には、前記ラジ
    エータの下方に位置して開口が形成され、この開口の後
    端縁には、この開口を介して走行風を前記ラジエータに
    強制的に導入させるための偏向部材が取り付けられてい
    る事を特徴とする請求項2に記載の自動車の前部構造。
  4. 【請求項4】 前記バンパー部材は、その両端で前記ノ
    ーズパネルに接合され、中央部において前記ノーズパネ
    ルの上面から離間している事を特徴とする請求項1に記
    載の自動車の前部構造。
  5. 【請求項5】 前記バンパー部材は内部を中空に形成さ
    れ、これの前記ノーズパネルの上面に対向する下面に
    は、エアークリーナに連接される吸気通路の開口部及び
    エアーコンデイシヨナーに連接されるフレツシユエアー
    ダクトの開口部の少なくとも一方が開口される事を特徴
    とする請求項4に記載の自動車の前部構造。
  6. 【請求項6】 前記ノーズパネルとバンパー部材とは、
    同一の外被材で夫々の外面を規定されている事を特徴と
    する請求項1に記載の自動車の前部構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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