JPH056979U - テレビジヨンカメラの撮像管保持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、耐振、耐衝撃性の向上を図ったテ
レビジョンカメラの撮像管保持機構の実現を目的とす
る。 【構成】 撮像管ホルダを構成する金属円筒スリーブの
撮像管フェースプレート及びターゲットリングより所定
距離離れた位置にテーパ状の溝を設け、この溝に対応し
たテーパ状の弾性ゴムリングを撮像管の所定位置に挿入
し、これを正面より押えるリングを具備したヘッドキャ
ップで固定することによりガラス管壁にスラスト及びラ
ジアル方向の力を与え、後部は従来の固定リングで固定
する構造とすることにより、外部よりの振動、衝撃をテ
ーパ状の弾性ゴムリングにより減衰させ、撮像管の性能
及び寿命を大幅に向上させることが可能となった。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は撮像管方式のテレビジョンカメラにおける撮像管の保持機構の改良に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

撮像管方式のテレビジョンカメラにおいては、撮像管の走査電子ビームの集束 偏向といったビーム制御に必要な磁界を発生する各種電磁コイルを内蔵し、かつ 撮像管を保持動作させる機能を有するホルダが設けられている。図２に従来の撮 像管保持機構の一例を示す。 ホルダ２の形状は円筒状になっており、その中心軸上に撮像管１が収納され、こ の撮像管１を取り巻くように偏向コイル３を初めとして撮像管１のビーム制御用 の電磁コイル４が設けられている。

【０００３】 撮像管１は、前部をターゲット（光導電面）５への光（光学像）入射口６が設 けられたヘッドキャップ７でフェースプレート（光電面）８またはターゲットリ ング９面を押え、撮像管１が前方に抜け出るのを防ぎ、後部は撮像管１の外形よ りわずかな隙間を持ち、テーパ状の弾性ゴム１２を有した固定ネジリング１３を ねじ込むことにより、撮像管１のガラス管壁に対しスラスト及びラジアル方向の 力を与え、撮像管１を保持している。

【０００４】 図３に、テレビジョンカメラのカメラヘッド１４内部に図２に示した撮像管１ を保持したホルダ２を装着した状態を示す。尚、撮像管１のホルダ２への装着精 度は中心軸に対し高精度（μオーダ）を必要とする。 図３において、カメラへッド１４のフロントパネル１５の正面にはズームレンズ １６が取りつけられ、フロントパネル１５の背面にはズームレンズ１６を通して 得られる光学像を赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の３原色光に分離する色分解プ リズム１７と、色分解プリズム１７への不要な光の入射を遮断するプリズムケー ス１８がとりつけられている。 このプリズムケース１８には色分解プリズム１７の３原色光の射出面に対応して ３つの開口部が設けられており、その各々に撮像管１を収納したホルダ２が装着 されている。

【０００５】

【考案を解決しよとする課題】

従来技術では、テレビジョンカメラの運用中に図３で示すカメラヘッド１４や ズームレンズ１６に振動や衝撃が加えられた場合、カメラヘツド１４のフロント パネル１５からプリズムケース１８を経て図２に示すホルダ２に伝わり、特に撮 像管１のターゲット５に近いフエースプレート８及びターゲットリング９よりタ ーゲット５に伝播され、内部電極に機械的な歪や断線を起こし、画像性能、特性 に劣化を生じるという問題があった。 本考案はこれらの欠点を除去し、耐振、耐衝撃性の向上を図ったテレビジョン カメラの撮像管保持機構の実現を目的とする。

【０００６】

【課題を解決する手段および作用】

本考案は上記の目的を達成するため、撮像管ホルダに挿入される撮像管のガラ ス管壁に対しわずかな隙間を有した該ホルダを構成する円筒スリーブの前部にテ ーパ状の溝を設け、この溝に対応したテーパ状の弾性材からなるリング状部材を 上記撮像管の所定位置に挿入し、上記ホルダに実装された撮像管用ヘッドキャッ プに上記テーパ状の弾性材を押すリング等の部材を設け、該ヘッドキャップを上 記ホルダの円筒スリーブに固定する際に上記弾性材が加圧されることにより、上 記撮像管のガラス管壁を上記弾性材が押えて上記撮像管を保持固定する構造とす ることによりガラス管壁にスラスト及びラジアル方向の力を与え、後部は従来の 固定リングで固定する構造としたもので、これにより外部よりの振動、衝撃をテ ーパ状の弾性ゴムリングにより減衰させ、撮像管の性能及び寿命を大幅に向上さ せることが可能となった。

【０００７】

【実施例】 以下、本考案の一実施例を図１を用いて説明する。 ホルダ２は、撮像管１のガラス外壁１９のとの間にわずかな隙間を有した円筒ス リーブ２０の前部にテーパ状の溝２１を設け、このテーパ溝２１に対応したテー パ状の弾性ゴムリング２２が挿入されている。 このテーパ弾性ゴムリング２２の内径は、撮像管１のガラス外壁１９より多少小 さく、ゴムの弾性力によりラジアル方向の力を持つ。 また、撮像管１のターゲット５への光入射口６が設けられたヘッドキャップ２３ には、前記テーパ弾性ゴムリング２２を正面より押えるゴム押えリング２４が設 けられている。

【０００８】 一方、撮像管１の後部は、従来の構造と同じで円筒スリーブ２０の後にテーパ 状の溝１０が有り、固定リング１３側のテーパ弾性ゴム１２が挿入されて固定ネ ジリング１３で締める構造になつている。したがつて、撮像管１をホルダ２に装 着する場合は、まず撮像管１をホルダ２の円筒スリーブ２０の前部に有るテーパ 弾性ゴムリング２２に挿入する。

【０００９】 次に、撮像管１のターゲット５への光入射口６に合わせて、ヘッドキャップ２ ３を円筒スリーブ２０にネジ止めする。そして、撮像管１の後部のソケット２５ を接続し、固定ネジリング１３を廻すことにより撮像管１を簡単に装着させるこ とができる。このときの撮像管１への締付け力は、前部ではヘッドキャップ２３ のゴム押えリング２４がテーパ弾性ゴムリング２２の正面を押し、円筒スリーブ ２０のテーパ溝２１によって、撮像管１のガラス管外壁１９にスラスト方向、及 びラジアル方向の力が働く。 また、後部は固定ネジリング１３を円筒スリーブ２０に設けられたネジ穴２６に 入れて廻すと、固定ネジリング１３に取り付けられたテーパ弾性ゴム１２が前記 テーパ溝１０に差し込まれて、前部と同様に撮像管１のガラス管壁１９にスラス ト方向及びラジアル方向に力が働く。よって、撮像管１をホルダ２に保持するこ とができる。

【００１０】 以上のことにより、テレビジョンカメラの運用中に図３で示すカメラヘッド１ ４やズームレンズ１６に振動や衝撃が加えられた場合は、カメラヘッド１４のフ ロントパネル１５からプリズムケース１８を経て、ホルダ２に伝わるが、図１に 示した実施例によれば、ホルダ２の円筒スリーブ２０より、撮像管１を保持して いるターゲット５から離れた位置に有るテーパ弾性ゴムリング２２及び後部のテ ーパ弾性ゴム１２により、振動や衝撃を大きく減衰させることができる。 従って、振動や衝撃が撮像管１のターゲット５に伝播されにくくなり、内部電 極に機械的な歪や断線を起こし画像性能や特性劣化、及び動作不良などが生じに くくなり、その結果テレビジョンカメラの耐振、耐衝撃性を向上させることがで きる。 尚、図１に示した実施例においては、テーパ弾性材としてテーパ弾性ゴムリング ２２を用いたが、耐振性、耐衝撃性を有する他の材料を用いてもよい。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によればテレビジョンカメラにおいて、外部からの振動、衝撃による撮 像管の画像性能や特性劣化及び動作不良などの不具合を防止する事が出きるので 、テレビジョンカメラとしての信頼を著しく向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による撮像管の保持機構の一実施例を示
す構造図。

【図２】従来の撮像管の保持機構の一例を示す構造図。

【図３】撮像管をカメラヘッドに装着した状態を示した
図である。

【符号の説明】

１：撮像管、２：撮像管ホルダ、５：ターゲット、８：
フェースプレート、９：ターゲットリング、１２テーパ
状の弾性ゴム、１３：固定ネジリング、１９：ガラス管
外壁、２０：円筒スリーブ、２１：テーパ状の溝、２
２：テーパ状の弾性ゴムリング、２３：ヘッドキャッ
プ、２４：ゴム押えリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 テレビジョンカメラの撮像管を保持する
   撮像管ホルダ（以下ホルダ）において、該ホルダに挿入
   される撮像管のガラス管壁に対しわずかな隙間を有した
   該ホルダを構成する円筒スリーブの前部にテーパ状の溝
   を設け、この溝に対応したテーパ状の弾性材からなるリ
   ング状部材を上記撮像管の所定位置に挿入し、上記ホル
   ダに実装された撮像管用ヘッドキャップに上記テーパ状
   の弾性材を押すリング等の部材を設け、該ヘッドキャッ
   プを上記ホルダの円筒スリーブに固定する際に上記弾性
   材が加圧されることにより、上記撮像管のガラス管壁を
   上記弾性材が押えて上記撮像管を保持固定する構造とし
   たことを特徴とするテレビジョンカメラ用撮像管保持装
   置。