JPH0569019A - 伸び率制御方法及び装置 - Google Patents

伸び率制御方法及び装置

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JPH0569019A
JPH0569019A JP3231876A JP23187691A JPH0569019A JP H0569019 A JPH0569019 A JP H0569019A JP 3231876 A JP3231876 A JP 3231876A JP 23187691 A JP23187691 A JP 23187691A JP H0569019 A JPH0569019 A JP H0569019A
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貴史 伊藤
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哲 服部
Katsutaka Murakami
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Yoshihiro Uekane
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スキンパスミルの伸び率制御を高応答・高精
度化する。 【構成】 伸び率を検出する伸び率計29と、該伸び率
計の出力と設定された伸び率の偏差の値に応じて圧下伸
び率制御ゲインと速度伸び率制御ゲインを設定するファ
ジィ推論手段30と、前記圧下伸び率制御ゲインに基づ
いてスキンパスミルの圧延荷重制御手段56を制御する
圧下伸び率制御手段31と、前記速度伸び率制御ゲイン
に基づいてスキンパスミルの速度制御手段36,37を
制御する速度伸び率制御手段32とを含んでなる調質圧
延機の伸び率制御装置。 【効果】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続焼鈍設備(CA
L)等の調質圧延機(スキンパスミル)における伸び率
制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に伸び率は、伸び率=(スキンパス
出側速度−スキンパス入側速度)÷(スキンパス入側速
度)で定義される。
【0003】従来の伸び率制御装置は、伸び率実績値を
伸び率設定値と等しくなるように、スキンパスミルの圧
延荷重あるいは、スキンパスミルの入側張力(又は出側
張力)を操作し、スキンパス入側速度とスキンパス出側
速度を変更していた。具体的な制御方法は、伸び率偏差
を入力とし、ブライダルロールの速度制御信号や圧延荷
重の制御信号を出力とする比例−積分(proportional+
integral)制御である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、圧延
荷重あるいは圧延材に加わる張力を操作する事で、伸び
率を一定にする。しかし、圧延荷重を操作したとき生じ
る張力変動や、張力を操作したとき生じる圧延荷重の変
動、すなわち圧延荷重と張力の干渉については、配慮さ
れておらず、通板速度から定常速度への加速時、圧延荷
重を連続して制御できないことがある。更に、圧延荷重
や張力を操作してスキンパス入側速度や出側速度を制御
するために、実際にスキンパス入側速度と出側速度に変
化が生じるまで時間がかかり、伸び率の収束が遅い。こ
のようなことは製品表面品質の低下と歩留悪化の原因と
なるまた、張力を操作することによって伸び率を制御
し、この張力を操作することに伴う圧延荷重の変動を圧
下制御によって抑制しようとしても、張力を操作するこ
とに伴う圧延荷重の変動量を予測することが困難であ
り、したがって圧下制御による圧延荷重の変動抑制は困
難であった。
【0005】本発明の目的は、スキンパスミルにおける
伸び率制御の高精度・高応答化を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、伸び率を検
出する伸び率計と、該伸び率計の出力と設定された伸び
率の偏差の値に応じて圧下伸び率制御ゲインと速度伸び
率制御ゲインを設定するファジィ推論手段と、前記圧下
伸び率制御ゲインに基づいてスキンパスミルの圧延荷重
制御手段を制御する圧下伸び率制御手段と、前記速度伸
び率制御ゲインに基づいてスキンパスミルの速度制御手
段を制御する速度伸び率制御手段とを含んでなる調質圧
延機の伸び率制御装置により達成される。
【0007】上記課題はまた、入力される圧延材速度信
号に基づいて伸び率演算を行なう伸び率計と、伸び率を
設定する伸び率設定手段と、ファジィ推論により圧下伸
び率制御ゲインと速度伸び率制御ゲインを算出・出力す
る伸び率・張力制御装置と、入力される速度伸び率制御
ゲインに基づいて圧延材の速度を直接変化させて伸び率
を所定の値に制御する速度伸び率制御手段と、入力され
る圧下伸び率制御信号に基づいて前記圧延材に加わる圧
延荷重を制御する圧下伸び率制御手段とを含んで構成さ
れている調質圧延機の伸び率制御装置により達成され
る。
【0008】上記の課題はまた、圧延材を調質圧延する
調質圧延機の速度制御手段及び圧延荷重制御手段を制御
して圧延材の伸び率を制御する調質圧延機の伸び率制御
装置を、伸び率を設定する伸び率設定手段と、入力され
る圧延材速度信号に基づいて実際伸び率を算出する伸び
率計と、設定された前記伸び率と算出された実際伸び率
の差を伸び率偏差として出力する減算手段と、ファジィ
推論により圧下伸び率制御ゲインと速度伸び率制御ゲイ
ンを算出する伸び率・張力制御装置と、前記伸び率偏差
と前記圧下伸び率制御ゲインとから圧下伸び率制御信号
を生成して前記圧延荷重制御手段に出力する圧下伸び率
制御手段と、前記伸び率偏差と前記速度伸び率制御ゲイ
ンとから速度伸び率制御信号を生成して前記速度制御手
段に出力する速度伸び率制御手段とを含んで構成するこ
とによっても達成される。
【0009】上記の課題はまた、伸び率・張力制御装置
が、圧延材の伸びの状態、圧延荷重の状態、入側張力の
状態を前提条件(if条件)とし、圧下伸び率制御ゲイ
ンと速度伸び率制御ゲインを後段条件(then条件)
とするルールを格納している請求項3に記載の調質圧延
機の伸び率制御装置似よっても達成される。
【0010】上記の課題はさらに、圧延材を調質圧延す
る調質圧延機の速度制御手段及び圧延荷重制御手段を制
御して圧延材の伸び率を制御する調質圧延機の伸び率制
御方法を、伸び率設定手段によって伸び率を設定し、入
力される圧延材速度信号に基づいて実際伸び率を算出
し、設定された前記伸び率と算出された実際伸び率の差
を伸び率偏差として出力し、すくなくとも圧延材の伸び
の状態、圧延荷重の状態、入側張力の状態を前提条件
(if条件)とし、圧下伸び率制御ゲインと速度伸び率
制御ゲインを後段条件(then条件)とするルールを
用いたファジィ推論により圧下伸び率制御ゲインと速度
伸び率制御ゲインを算出し、前記伸び率偏差と前記圧下
伸び率制御ゲインとから圧下伸び率制御信号を生成して
前記圧延荷重制御手段に出力し、前記伸び率偏差と前記
速度伸び率制御ゲインとから速度伸び率制御信号を生成
して前記速度制御手段に出力する手順を含んで構成する
ことによっても達成される。
【0011】
【作用】伸び率計は、スキンパス入側速度・スキンパス
出側速度(各PLCのカウンター数)を取り込み、伸び
率演算を行なう。CRTまたはP/Cからの伸び率設定
と伸び率計で演算した伸び率の偏差は、圧下伸び率制御
ゲインと速度伸び率制御ゲインが掛けられ、それぞれ圧
下伸び率制御手段、速度伸び率制御手段に送られる。
【0012】圧下伸び率制御手段では、圧下伸び率制御
ゲインの掛けられた伸び率偏差を0にすることを目的と
した制御が行なわれる。
【0013】速度伸び率制御手段では、速度伸び率制御
ゲインの掛けられた伸び率偏差を0にすることを目的と
した制御が行われる。
【0014】伸び率・張力協調制御装置は、圧延材の伸
びの状態と張力の状態、圧延荷重の状態に基づくファジ
ィ推論を行って圧延荷重と速度の制御ゲイン(圧下伸び
率制御ゲインと速度伸び率制御ゲイン)を決定する。
【0015】なお、圧下伸び率制御ゲインと速度伸び率
制御ゲインの和を1とする。
【0016】例えば、圧延材が伸び不足(伸び率実績値
<伸び率設定値)であるならば、圧延荷重あるいは、ス
キンパス入側張力を大きくし、スキンパス入側・出側速
度の偏差を大きくすることで、伸び率を大きくする。
【0017】ここで、圧延荷重が設定値よりも小さく、
スキンパス入側張力が設定値よりも大きいならば、速度
を上げることで、張力も上がり、張力リミットに近づく
という操作を避け、圧延荷重を上げることで、伸び率を
設定値に近づける。すなわち圧下伸び率制御ゲインを
「Big(大)」とし、速度伸び率制御ゲインを小さく
(あるいは0)とする。
【0018】
【実施例】以下、本発明のー実施例を図1〜図4を用い
て説明する。
【0019】図2は、連続焼鈍設備(CAL)の概略図
で、ペイオフリールPORから繰り出された圧延材は、
テンションレベラT/L,入側ルーバーを経て中央セク
ション19の加熱炉に入り、出側ルーバー,スキンパス
ミル21,ノッチャー,トリマーを経てテンションリー
ルTRに巻き取られる。スキンパスミル21は、出側セク
ション20に位置し、製品の表面加工を行なう設備で、そ
の目的には、表面粗度を向上させ、光沢を出す、縦じわ
を防止する、形状を整えるの3つがあり、伸び率制御に
より制御される。
【0020】なお、伸び率は、先に述べたように、伸び
率=(スキンパス出側速度−スキンパス入側速度)÷
(スキンパス入側速度)で定義される。
【0021】図3は、本発明の実施例である伸び率制御
装置がスキンパスミルに適用された例を示している。ス
キンパスミル21の入側と出側には、それぞれ入側ブラ
イドルロール39と出側ブライドルロール41が配置さ
れ、各ブライドルロールにはスキンパスの入側速度及び
出側速度を検出するセンサ22,23が設けられてい
る。センサ22,23には伸び率計29が接続され、該
伸び率計29にはスキンパスミル制御装置2が接続され
ている。入側ブライドルロール39とスキンパスミル2
1と出側ブライドルロール41には、それぞれの速度を
制御する入側ASR(Automatic Speed Regulator)
35,スキンパスASR36,出側ASR37がそれぞ
れ対応して接続され、速度制御手段である入側ASR3
5,スキンパスASR36及び出側ASR37の入力側
には速度制御装置1が接続されている。スキンパスミル
21には圧延荷重を測定する荷重計が設けられ、該荷重
計の出力側はスキンパスミル21の圧延荷重制御手段で
ある油圧圧下装置56入力側の減算器55に接続されて
いる。前記スキンパスミル制御装置2の出力側には、前
記入側ASR35,出側ASR37の入力側及び前記減
算器55の入力側が接続されている。スキンパスミル2
1と入側ASR35の間、スキンパスミル21と出側A
SR37の間には圧延材の張力を検出するTM51,5
2が配置され、その出力側は前記速度制御装置1に接続
されている。前記スキンパスミル制御装置2にはまた、
圧延ラインのトラッキング処理等を行なうプロコン(プ
ロセスコントローラー)25と、CRT26が接続され
ている。該プロコン25とCRT26はまた、伸び率設
定手段でもある。
【0022】速度制御装置1は、速度基準38と、入り
側ATR(Automatic Tention Regulator)と、出側
ATRとを含んで構成されており、速度基準38の出力
側が前記入側ASR35に、入側ATRの出力側が前記
スキンパスASR36の入力側に、入側ATRの入力側
が前記TM51の出力側に、出側ATRの出力側が前記
出側ASR37に、出側ATRの入力側が前記TM52
に、それぞれ接続されている。
【0023】スキンパスミル制御装置2は、設定伸び率
記憶部53と、該設定伸び率記憶部53及び前記伸び率
計29に接続された減算手段である減算器54と、該減
算器54の出力側にそれぞれ乗算器31A,32Aを介
して接続された圧下伸び率制御手段である圧下伸び率制
御装置31及び速度伸び率制御手段である速度伸び率制御
装置32と、出力側を前記乗算器31A,32Aの入力側
に接続されファジィ推論を行う伸び率・張力強調制御装
置30とを含んで構成されている。設定伸び率記憶部5
3がプロコン25及びCRT26に接続され、圧下伸び
率制御装置31の出力側が前記減算器55の入力側に、速
度伸び率制御装置32の出力側がスキンパスASR36の
入力側及び出側ASRの入力側に、それぞれ接続されて
いる。また、図3には記載されていないが、伸び率・張
力強調制御装置30には、圧延材の伸びの状態(伸び率
実績値が伸び率設定値よりも大か小か)、圧延荷重の状
態(圧延荷重実績値が圧延荷重設定値よりも大か小
か)、入側張力の状態(入側張力実績値が入側張力設定
値よりも大か小か)が入力される構成となっている。
【0024】上記構成の装置の動作を以下に説明する。
圧延が開始されると、センサ22,23で検出された圧
延材のスキンパスミル入側速度とスキンパスミル出側速
度は伸び率計29に取り込まれる。伸び率計29は、上式
を使って伸び率実績値24を算出し、算出結果をスキンパ
スミル制御装置2の減算器54に入力する。また、スキ
ンパスミル制御装置2の設定伸び率記憶部53には、あ
らかじめプロコン25やライトペンを備えたCRT26より
伸び率設定値27が与えられており、減算器54で、伸び
率計29から入力された伸び率実績値24と前記伸び率設
定値27の偏差(伸び率偏差)28が計算される。
【0025】伸び率・張力協調制御装置30は、圧延材の
伸びの状態(伸び率実績値が伸び率設定値よりも大か小
か)、圧延荷重の状態(圧延荷重実績値が圧延荷重設定
値よりも大か小か)、入側張力の状態(入側張力実績値
が入側張力設定値よりも大か小か)に応じた圧下伸び制
御ゲイン4の大きさをファジィ推論するルールを備え、
これらのルールと、入力される圧延材の伸びの状態、圧
延荷重の状態、入側張力の状態にしたがって圧下伸び率
制御ゲイン34の大きさと速度伸び率制御ゲイン33の大き
さをファジィ推論により決定する。
【0026】伸び率偏差28と伸び率・張力協調制御装置
30でファジィ推論によって決定された速度伸び率制御ゲ
イン33と圧下伸び率制御ゲイン34の積が、乗算器31
A,32Aで算出され、算出結果が圧下伸び率制御装置
31及び速度伸び率制御装置32に出力される。圧下伸び率
制御装置31は、入力された前記積を制御入力としてスキ
ンパスミルの圧延荷重を比例−積分制御する圧下伸び率
制御信号を油圧圧下装置56に減算器55を介して入力
し、圧延荷重を制御する。速度伸び率制御装置32は入力
された前記積を制御入力としてスキンパスASR36と
出側ASR37の速度を比例−積分制御する速度伸び率
制御信号を出力し、速度制御を行う。
【0027】図4を参照して、速度伸び率制御の問題点
を説明する。速度伸び率制御は、伸び率が速度比である
ことから、直接、速度を制御し高応答を得ようというも
のである。ところが、スキンパスASR36には、速度基
準が与えられており、速度制御でスキンパスASR36と
スキンパス出側ASR37を操作することで、入側ブライ
ドルロール39とスキンパスミル21との間に速度偏差が
生じ、圧延材の張力が変動する。この張力変動が大きい
と、圧延材にしわが発生したり、表面光沢が悪くなった
り、場合によっては板切れを起こすこともある。
【0028】この張力変動を防ぐため、制御できる張力
に制限を設ける方法がある。しかし、張力制限範囲内で
伸び率制御を行なうと、制御中、張力が限界値になった
とき、速度を操作することができなくなる。
【0029】この問題の対応策として設けられたのが、
圧下制御(圧延荷重制御)により、速度制御中の張力変
動を抑える伸び率・張力協調制御装置30である。伸び率
・張力協調制御は、伸び率制御のモデルが不確定である
ことから、ファジィ推論を用いている。
【0030】図1を用いて、伸び率・張力協調制御装置
30を説明する。この伸び率・張力協調制御装置の目的
は、速度制御1を行いながら圧下制御2を行い、伸び率
を設定値に制御することである。
【0031】ファジィ推論ルール3は、圧延材の伸びの
状態(伸び率実績値が伸び率設定値よりも大か小か)、
圧延荷重の状態(圧延荷重実績値が圧延荷重設定値より
も大か小か)、入側張力の状態(入側張力実績値が入側
張力設定値よりも大か小か)に応じた圧下伸び率制御ゲ
イン33の大きさを推論するルールを備え、これらのル
ールと、入力される圧延材の伸びの状態、圧延荷重の状
態、入側張力の状態にしたがって圧下伸び率制御ゲイン
34の大きさと速度伸び率制御ゲイン33の大きさを決定す
る。なお、先に述べたように、圧下伸び率制御ゲインと
速度伸び率制御ゲインの和が1になるように両者の値が
決定される。
【0032】例えば、圧延材が伸び過ぎの時、伸び率を
一定にするには、圧延荷重、あるいは入側張力を下げ、
圧延材がスキンパスミルを通過し易くする必要がある。
こうすると、スキンパス出側速度とスキンパス入側速度
の偏差が小さくなり、伸び率が小さくなる。
【0033】圧延材が伸び過ぎで、圧延荷重実績値が圧
延荷重設定値よりも大きく、入側張力実績値が入側張力
設定値よりも大きいときは、圧延荷重、入側張力を同時
に下げる。すなわち、圧延荷重と入側張力を積極的に操
作したいので、圧下伸び率制御ゲイン33を「Middle
(中)」とし、速度伸び率制御ゲインとほぼ等しくする
(例:圧下伸び率制御ゲイン 0.5 速度伸び率制御
ゲイン 0.5)。
【0034】圧延材が伸び過ぎで、圧延荷重実績値が圧
延荷重設定値よりも小さく、入側張力実績値が入側張力
設定値よりも大きいとき、圧延荷重を下げる操作だけを
行なうと設定値との偏差が更に大きくなり、入側張力が
圧延材に大きく作用し、張力で板破断し易くなる。そこ
で、圧延荷重だけを操作することは避け、入側張力を小
さくする操作、つまり入側速度を大とする指令を出す。
すなわち、圧延荷重よりも入側張力を積極的に操作した
いので、圧下伸び率制御ゲイン33を「Small(小)」
とし、速度伸び率制御ゲインを大きくする(例:圧下伸
び率制御ゲイン0.2 速度伸び率制御ゲイン 0.
8)。
【0035】圧延材が伸び過ぎで、圧延荷重実績値が圧
延荷重設定値よりも大きく、入側張力実績値が入側張力
設定値よりも小さいとき、入側張力を下げると設定値と
の偏差が更に大きくなり、圧延荷重が圧延材に大きく作
用し、圧下力で板破断し易くなる。そこで、入側張力だ
けを操作することは避け、圧延荷重を小さくする操作を
行なう。すなわち、入側張力よりも圧延荷重を積極的に
操作したいので、圧下伸び率制御ゲイン33を「Big
(大)」とし、速度伸び率制御ゲインを小さくする
(例:圧下伸び率制御ゲイン 0.8 速度伸び率制御
ゲイン 0.2)。
【0036】圧延材が伸び不足のとき、伸び率を一定に
制御するには、圧延荷重、あるいは入側張力を上げ、圧
延材がスキンパスミルを通過しにくくする必要がある。
つまり、スキンパス出側速度23とスキンパス入側速度22
の偏差が大きくなり、伸び率が大きくなる。
【0037】圧延材が伸び不足で、圧延荷重実績値が圧
延荷重設定値よりも小さく、入側張力実績値が入側張力
設定値よりも小さいときは、圧延荷重、入側張力を同時
に上げる。すなわち、圧延荷重と入側張力を積極的に操
作したいので、圧下伸び率制御ゲイン33を「Middle
(中)」とし、速度伸び率制御ゲインとほぼ等しくする
(例:圧下伸び率制御ゲイン 0.5 速度伸び率制御
ゲイン 0.5)。
【0038】圧延材が伸び不足で、圧延荷重実績値が圧
延荷重設定値よりも小さく、入側張力実績値が入側張力
設定値よりも大きいとき、入側張力を上げると設定値と
の偏差が更に大きくなり張力リミットに近ずくことにな
る。すなわち、張力過多で圧延材が破断し易くなる。そ
こで、入側張力だけを操作することは避け、圧延荷重を
大きくする操作を行なう。すなわち、入側張力よりも圧
延荷重を積極的に操作したいので、圧下伸び率制御ゲイ
ンを「Big(大)」とし、速度伸び率制御ゲインを小さ
くする(例:圧下伸び率制御ゲイン 0.8 速度伸び
率制御ゲイン0.2)。
【0039】圧延材が伸び不足で、圧延荷重実績値が圧
延荷重設定値よりも大きく、入側張力実績値が入側張力
設定値よりも小さいとき、圧延荷重を上げると設定値と
の偏差が更に大きくなり、荷重リミット(圧延機の荷重
限界)に近ずくことになる。すなわち、圧延荷重過多で
圧延材が破断し易くなる。そこで、圧延荷重だけを操作
することは避け、入側張力を大きくする操作を行なう。
すなわち、圧延荷重よりも入側張力を積極的に操作した
いので、圧下伸び率制御ゲインを「Small(小)」と
し、速度伸び率制御ゲインを大きくする(例:圧下伸び
率制御ゲイン 0.2 速度伸び率制御ゲイン 0.
8)。
【0040】図5で、ファジィの推論ルール3の考え方
を説明する。伸び率実績値は、伸び率設定値よりも大き
い、等しい、小さいのいずれかであり、大きいときは、
圧延材は伸び過ぎ42、小さいときは、伸び不足43であ
る。圧延材が伸び過ぎ42のときは、圧延荷重あるいは入
側張力を下げることで、スキンパス入側速度とスキンパ
ス出側速度の偏差を小さくする。その結果、伸び率実績
値は下がり、伸び率設定値に近ずく。圧延材が伸び不足
43のときは、圧延荷重あるいは入側張力を上げること
で、スキンパス入側速度とスキンパス出側速度の偏差を
大きくする。その結果、伸び率実績値は上がり、伸び率
設定値に近ずく。
【0041】図1に記載されたファジィ推論ルール3で
は、入側張力,圧延荷重及び伸び率が設定値よりも大き
いか小さいかの二つの区分で圧下伸び率制御ゲインの値
が設定されているが、この区分の数を増やすことによ
り、さらにきめこまかな制御を行うことができる。更
に、きめこまかに区分された推論ルール3を実行するた
めに、入側張力6、圧延荷重7、伸び率8のメンバーシッ
プ関数9が定義され、伸び率・張力協調制御装置30に格
納されている。
【0042】メンバーシップ関数9の横軸は、TM51
から入力される入側張力6、荷重計から入力される圧延
荷重7、伸び率計29から入力される伸び率8の各実績値
であり、縦軸にとった確信度は入側張力6、圧延荷重7、
伸び率8の実績値がそれぞれ設定値と等しいときを0、
上下限値となったときを1とするn次関数(本例では一
次関数)である。0から1までの確信度は、設定値より
も実績値が大きい場合と設定値よりも実績値が小さい場
合それぞれについて、推論ルールの区分の数に対応して
区分されており、入側張力6、圧延荷重7、伸び率8の実
績値に対応する確信度が確信度区分のどの区分に該当す
るかが判定される。入側張力、圧延荷重、伸び率それぞ
れの該当区分が判定されると、判定された区分に対応す
る推論ルールが参照され、圧下伸び率制御ゲイン及び速
度伸び率制御ゲインが出力される。
【0043】図7は、入側張力、圧延荷重、伸び率の実
績値に対応する確信度が複数の確信度区分に区分された
場合の推論ルールとの対応の例を示している。図のαg1
1〜αg68の値は制御熟練者の知識と経験によって設定さ
れる。
【0044】図6を用いて、ファジィによる伸び率・張
力協調制御装置の効果を説明する。伸び率・張力協調制
御装置では、スキンパスミルの圧延荷重あるいはスキン
パスミルの速度を操作することで、伸び率実績値44 47
を設定値に近づけ、一定にするだけでなく、圧延荷重実
績値あるいは、張力実績値の状態によって、操作量(圧
延荷重、速度)を調節するため、圧延荷重実績値45 4
8、張力実績値46 49を設定値に近づけることができる。
【0045】圧延荷重と入側張力のいずれを積極的に操
作するかは、実績値と設定値の偏差を小さくすることが
できる方を選ぶ。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、伸び率制御のための速
度制御を行うに際し、該速度制御にともなって発生する
圧延荷重の変動を抑制するために必要な圧下制御ゲイン
をファジィ推論して圧下制御を同時に行い、速度制御に
よって発生する圧延荷重の変動を抑制するようにしたの
で、伸び率制御にあたって、速度制御の欠点である張力
変動を招くことなく、伸び率制御の高応答化が可能とな
り、圧延加速時の製品の高品質化と歩留向上という効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する説明図である。
【図2】本発明が適用されるプラントの一例である連続
焼鈍設備の概略図である。
【図3】本発明の実施例の要部構成を示すブロック図で
ある。
【図4】スキンパスミルの速度制御の説明図である。
【図5】ファジィの推論ルールの説明図である。
【図6】ファジィの推論ルールの説明図である。
【図7】メンバーシップ関数とファジィ推論ルールの関
連の説明図である。
【符号の説明】
1 速度制御装置 2 スキンパスミル制御装置 3 ファジィ推論ルール 21 スキンパスミル 22,23 センサ 25 伸び率設定手段(プロセスコントローラ) 26 伸び率設定手段(CRT) 29 伸び率計 30 伸び率・張力協調制御装置(ファジィ推論手段) 31 圧下伸び率制御手段 32 速度伸び率制御手段 33 圧下伸び率制御ゲイン 34 速度伸び率制御ゲイン 36 速度制御手段(スキンパスASR) 37 速度制御手段(出側ASR) 38 速度基準 39 入側ブライドルロール 41 出側ブライドルロール 51,52 張力計 54,55 減算手段 56 圧延荷重制御手段(油圧圧下装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上金 良博 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸び率を検出する伸び率計と、該伸び率
    計の出力と設定された伸び率の偏差の値に応じて圧下伸
    び率制御ゲインと速度伸び率制御ゲインを設定するファ
    ジィ推論手段と、前記圧下伸び率制御ゲインに基づいて
    スキンパスミルの圧延荷重制御手段を制御する圧下伸び
    率制御手段と、前記速度伸び率制御ゲインに基づいてス
    キンパスミルの速度制御手段を制御する速度伸び率制御
    手段とを含んでなる調質圧延機の伸び率制御装置。
  2. 【請求項2】 入力される速度伸び率制御信号に基づい
    て圧延材の速度を直接変化させて伸び率を所定の値に制
    御する速度伸び率制御手段と、入力される圧下伸び率制
    御信号に基づいて前記圧延材に加わる圧延荷重を制御す
    る圧下伸び率制御手段と、ファジィ推論により圧下伸び
    率制御ゲインと速度伸び率制御ゲインを算出し、前記圧
    下伸び率制御手段及び前記速度伸び率制御手段に出力す
    る伸び率・張力制御装置と、入力される圧延材速度信号
    に基づいて伸び率演算を行なう伸び率計と、伸び率を設
    定する伸び率設定手段とを含んで構成されている調質圧
    延機の伸び率制御装置。
  3. 【請求項3】 圧延材を調質圧延する調質圧延機の速度
    制御手段及び圧延荷重制御手段を制御して圧延材の伸び
    率を制御する調質圧延機の伸び率制御装置において、伸
    び率を設定する伸び率設定手段と、入力される圧延材速
    度信号に基づいて実際伸び率を算出する伸び率計と、設
    定された前記伸び率と算出された実際伸び率の差を伸び
    率偏差として出力する減算手段と、ファジィ推論により
    圧下伸び率制御ゲインと速度伸び率制御ゲインを算出す
    る伸び率・張力制御装置と、前記伸び率偏差と前記圧下
    伸び率制御ゲインとから圧下伸び率制御信号を生成して
    前記圧延荷重制御手段に出力する圧下伸び率制御手段
    と、前記伸び率偏差と前記速度伸び率制御ゲインとから
    速度伸び率制御信号を生成して前記速度制御手段に出力
    する速度伸び率制御手段とを含んでなることを特徴とす
    る調質圧延機の伸び率制御装置。
  4. 【請求項4】 伸び率・張力制御装置は、圧延材の伸び
    の状態、圧延荷重の状態、入側張力の状態を前提条件
    (if条件)とし、圧下伸び率制御ゲインと速度伸び率
    制御ゲインを後段条件(then条件)とするルールを
    格納していることを特徴とする請求項3に記載の調質圧
    延機の伸び率制御装置。
  5. 【請求項5】 圧延材を調質圧延する調質圧延機の速度
    制御手段及び圧延荷重制御手段を制御して圧延材の伸び
    率を制御する調質圧延機の伸び率制御方法において、伸
    び率設定手段によって伸び率を設定し、入力される圧延
    材速度信号に基づいて実際伸び率を算出し、設定された
    前記伸び率と算出された実際伸び率の差を伸び率偏差と
    して出力し、すくなくとも圧延材の伸びの状態、圧延荷
    重の状態、入側張力の状態を前提条件(if条件)と
    し、圧下伸び率制御ゲインと速度伸び率制御ゲインを後
    段条件(then条件)とするルールを用いたファジィ
    推論により圧下伸び率制御ゲインと速度伸び率制御ゲイ
    ンを算出し、前記伸び率偏差と前記圧下伸び率制御ゲイ
    ンとから圧下伸び率制御信号を生成して前記圧延荷重制
    御手段に出力し、前記伸び率偏差と前記速度伸び率制御
    ゲインとから速度伸び率制御信号を生成して前記速度制
    御手段に出力する手順を含んでなることを特徴とする調
    質圧延機の伸び率制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19933239B4 (de) * 1999-07-15 2005-04-07 Siemens Ag Verfahren und Einrichtung zum Walzen eines Metallbandes mittels eines Dressiergerüstes
KR100880575B1 (ko) * 2002-08-29 2009-01-30 재단법인 포항산업과학연구원 조질압연기에서 일정 연신율 확보를 위한 압연하중설정방법 및 그 장치
CN102527741A (zh) * 2010-12-30 2012-07-04 鞍钢集团自动化公司 平整分卷线延伸率控制方法
JP2017131921A (ja) * 2016-01-27 2017-08-03 Jfeスチール株式会社 調質圧延機の制御装置及び制御方法

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