JPH05688B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は放射線画像情報を蓄積記録している蓄
積性螢光体シートに励起光を照射することによ
り、放射線画像情報を蓄積性螢光体シートから輝
尽発光せしめ、得られた輝尽発光光を光検出器に
よつて光電気的に読み取る放射線画像情報読取方
法に関するものである。

ある種の螢光体に放射線（Ｘ線、α線、β線、
γ線、紫外線等）を照射すると、この放射線エネ
ルギーの一部が螢光体中に蓄積され、この螢光体
に可視光等の励起光を照射すると、蓄積されたエ
ネルギーに応じて螢光体が輝尽発光を示すことが
知られており、このような性質を示す螢光体は蓄
積性螢光体と呼ばれる。

この蓄積性螢光体を利用して、人体等の放射線
画像情報を一旦シート上に設けられた蓄積性螢光
体に記録し、この螢光体シートをレーザ光等の励
起光で走査して輝尽発光光を生ぜしめ、得られた
輝尽発光光を光電的に読み出して画像信号を得、
この画像信号に基づき写真感光材料等の記録材
料、CRT等に可視像として出力させる放射線画
像記録読取方法が本出願人のよりすでに提案され
ている。（特開昭55−12429号、同56−11395号な
ど。） この方法は、従来の銀塩写真を用いる放射線写
真システムと比較して極めて広い放射線露出域に
わたつて画像を記録しうるという極めて実用的な
利点を有している。すなわち、蓄積性螢光体にお
いては、放射線露出光量に対して蓄積後に励起に
よつて輝尽発光する発光光の光量が極めて広い範
囲にわたつて比例することが認められており、従
つて種々の撮影条件により放射線露光量がかなり
大幅に変動しても前記発光光の光量を読取ゲイン
を適当な値に設定して光電変換手段により読み取
つて電気信号に変換し、この電気信号を用いて写
真感光材料等の記録材料、CRT等の表示装置に
可視像として出力させることによつて放射線露光
量の変動に影響されない放射線画像を得ることが
できる。

またこのシステムによれば、蓄積性螢光体に蓄
積記録された放射線画像情報を電気信号に変換し
た後に適当な信号処理を施し、この電気信号を用
いて写真感光材料等の記録材料、CRT等の表示
装置に可視像として出力させることによつて観察
読影適性（診断適性）の優れた放射線画像を得る
ことができるというきわめて大きな効果も得るこ
とができる。

このように蓄積性螢光体を使用する放射線画像
システムにおいては、読取ゲインを適当な値に設
定して輝尽発光光を光電変換し、可視像として出
力することができるので、放射線源の管電圧又は
MAS値の変動による放射線露光量の変動、蓄積
性螢光体の感度のバラツキ、光検出器の感度のバ
ラツキ、被写体の条件による露光量の変化、或い
は被写体によつて放射線透過率が異なる等の原因
により蓄積性螢光体に蓄積される蓄積エネルギー
が異なつても、更には放射線の被ばく量を低減さ
せても、これらの因子の変動により影響を受けな
い放射線画像を得ることが可能となるし、また輝
尽発光光を一旦電気信号に変換せしめ、この電気
信号に適当な信号処理を施すことにより、胸、心
臓などの診断部位に適した放射線画像を得ること
ができ、観察読影適性を向上させることが可能と
なる。

しかしながら、このように撮影条件の変動によ
る影響をなくし、或いは観察読影適性の優れた放
射線画像を得るためには、蓄積性螢光体シートに
蓄積記録した放射線画像情報の記録状態、或いは
胸部、腹部などの被写体の部位、単純、造影など
の撮影方法等によつて決定される記録パターン
（以下、両者を総称する場合には、単に「蓄積記
録情報」という。）を観察読影のために可視像の
出力に先立つて把握し、この把握した蓄積記録情
報に基いて読取ゲインを適当な値に調節し、或い
は適当な信号処理を施すことが必要不可欠であ
る。

また、記録パターンのコントラストに応じて分
解能が最適化されるように収録スケールフアクタ
ーを決定することが、観察読影適性のすぐれた放
射線画像を得るために要求される。

このように可視像の出力に先立つて放射線画像
情報の蓄積記録媒体を把握する方法として、特開
昭55−50180号に開示された方法が知られている。
この方法は蓄積性螢光体シートに放射線を照射し
た際に、蓄積性螢光体シートから発する「瞬時発
光光」の光量が蓄積性螢光体に蓄積記録されるエ
ネルギー蓄積量に比例するという知見に基き、こ
の瞬時発光光を検出することによつて放射線画像
情報の蓄積記録情報を把握し、この情報に基いて
適当な信号処理を施し、観察読影適性に優れた放
射線画像を得ようとするものである。この方法に
よれば、読取ゲインを適当な値に調節し、或いは
収録スケールフアクターを適当に決定し、或いは
適当な信号処理を施すことが可能となるから、撮
影条件の変動による影響をなくし、或いは観察読
影適性の優れた放射線画像を得ることができる
が、放射線照射部と放射線画像情報読取部とは位
置的に離れているのが通常であるので、その間に
信号伝送系を構成しなければならず、装置的に複
雑にならざるを得ず、コスト上昇を避けることが
できないという欠点があつた。

また特開昭55−116340号に開示されるように、
モニター用螢光体シートを蓄積性螢光体シートの
近傍に設け、放射線画像情報記録時にこのモニタ
ー用螢光体シートが発する発光光を光検出器で検
出して蓄積性螢光体に蓄積記録されている放射線
画像情報の記録状態或いは記録パターンを推測す
る方法も考えられるが、この方法は、特開昭55−
50180号に開示される方法の欠点に加えて、蓄積
性螢光体それ自体を検出手段として用いているの
ではないから、蓄積性螢光体に蓄積記録されてい
る画像情報の蓄積記録情報を間接的に推測すると
いうにとどまり、こういて得られた情報に対する
信頼性が低いという欠点があつた。

従つて、本発明者らが蓄積性螢光体に蓄積記録
されている放射線画像情報の蓄積記録情報を観察
読影のための可視像を得る読取り操作に先立つて
簡易にかつ精度良く検出し、この情報に基づいて
診断性能の優れた放射線画像を再生しうるために
鋭意研究を重ねた結果、観察読影のための可視像
を得る読取り操作（以下、「本読み」という。）の
際に照射すべき励起光のエネルギーよりも低いエ
ネルギーの励起光を用いて、前記本読みに先立つ
て予め蓄積性螢光体に蓄積記録されている放射線
画像情報の蓄積記録情報を把握するための読取り
操作（以下、「先読み」という。）をおこない、放
射線画像情報の蓄積記録情報を把握し、しかる後
に本読みをおこなつて、前記先読み情報に基づい
て読取りゲインの調節、或いは収録スケールフア
クターの決定（以下、読取ゲイン、収録スケール
フアクターを合わせて「読取り条件」という。）、
或いは適当な画像処理条件を決定して信号処理を
施したところ、撮影条件の変動による影響のな
い、或いは観察読影適性に優れた放射線画像が得
られることを見い出した。蓄積性螢光体として現
在最も感度が高いと考えられるものを選択した場
合でも、励起光照射によつて蓄積性螢光体より発
せられる輝尽発光光の光量はきわめて微弱であ
り、少しでも多くの光量を光検出器によつて検出
すべきことがこれまでこのシステムにおける必須
の要件と考えられていた（特開昭55−12429号、
同55−48674号、同55−87970号など）ことに照ら
すと、本読み前に先読みをおこない蓄積性螢光体
に蓄積記録されている放射線エネルギーを故意に
散逸せしめることは非常識以外の何物でもなく、
前記知見はきわめて驚くべきことである。

本発明者等は、前記知見に基づいて、特願昭56
−165111号、同56−165112号、同56−165113号、
同56−165114号、同56−165115号において、観察
読影のための可視像を得る本読みに先立つて、前
記本読みにおいて用いられる励起光のエネルギー
よりも低いエネルギーの励起光を用いて蓄積性螢
光体シートに蓄積記録されている放射線画像情報
を読み取る先読みをおこなう放射線画像情報読取
方法及びそれを実施するための装置を提案した。

ここで、励起光のエネルギーとは、蓄積性螢光
体シートの単位面積当りに受ける励起光の有効エ
ネルギーを言う。

また、先読みの際に蓄積性螢光体に照射すべき
励起光のエネルギーは、本読みの際の励起光のエ
ネルギーよりも低いものであれば足りる。先読み
の励起光エネルギーと本読みのそれとの比が１に
近ければ近い程本読みの際に残存蓄積している放
射線エネルギー量は少なくなるが、この比が１未
満であれば、読取りゲインの値を適当に調節する
ことにより観察読影適性のある放射線画像の得ら
れることが判明している。しかし、観察読影適性
の優れた放射線画像を得るためには、先読みによ
つて蓄積性螢光体に蓄積記録されている放射線画
像情報の蓄積記録情報が読取り条件或いは最適な
画像処理条件の選択に使用するに十分な程度に把
握しうる限り、換言すれば蓄積性螢光体から発す
る輝尽発光光を上述な意味において十分に検出し
うる限り、先読みと本読みの励起光のエネルギー
の比は小である程望ましく、50％以下、好ましく
は10％以下、更に好ましくは３％以下が望まし
い。この比の下限値は、先読みの輝尽発光光の検
出系での精度によつて決定される。

上記方法、及び装置において、先読みにおける
励起光のエネルギーを本読みのエネルギーより低
くする方法としては、レーザ光源の出力を小とす
る方法、レーザ光のビーム径を大とする方法、レ
ーザ光の走査速度を大とする方法、蓄積性螢光体
シートの移送速度を大とする方法など、公知の方
法を使用することができる。

上記方法及び装置によれば、蓄積性螢光体に蓄
積記録されている放射画像情報の記録状態を予め
把握することができるので、格別に広いダイナミ
ツクレンジを有する読取系を使用しなくとも、こ
の記録情報に基いて読取りゲインを適当に調節す
ることにより撮影条件が変動してもつねに観察読
影適性のすぐれた放射線画像を得ることが可能と
なる。

また上記方法及び装置によれば、蓄積性螢光体
に蓄積記録されている放射線画像情報の記録パタ
ーンを予め把握することができるので、その記録
パターンに応じた信号処理を読取り後の電気信号
に対して施すことにより、観察読影適性に優れた
放射線画像を得ることが可能となる。

更に、上記方法及び装置によれば、蓄積性螢光
体に蓄積記録されている放射線画像情報の記録パ
ターンを予め把握することができるので、その記
録パターンの存しない部分については本読みを省
略することができ、読取り時間を短縮することが
可能となる。

上記方法及び装置は、かかる多大な効果を奏す
るものであるが、先読みの励起光のエネルギーは
本読みの励起光のエネルギーよりも小である必要
があり、このため例えば励起光の照射をレーザ光
の走査による行なう場合は、本読みの場合と比較
してレーザ光源の出力を小とする、レーザ光のビ
ーム径を大とする、レーザ光の走査速度を大とす
るなどの手段を用いて、先読みを行なう必要があ
る。このように先読みと本読みの励起光照射条件
は異なるものであるので先読みを実施するために
は例えば読取装置に相異なつた励起光照射条件で
読み取りを行なうことのできる２つの読取ステー
ジを設けるか、あるいは励起照射条件を調整する
調整手段を設ける必要がある。しかしながら、前
者の場合にはほぼ同様の読取手段が２つ設けられ
ることになり装置が大型かつ複雑化する。後者の
場合にも技術的に高度な調整手段が要求され装置
が複雑かつ高価なものになることは否めない。ま
た、レーザ光の走査速度を上昇せしめるのには限
度がある。先読みによつて得られた放射線画像情
報を処理して読取りゲインの調節、あるいは収録
スケールフアクターの決定を行なうものにもかな
りの時間を要する等の理由により先読みを行なう
場合においては読取時間は大幅に増加したものと
なる。このような読取時間の増加は以下の様な場
合に特に問題となる。特願昭57−84436号および
同57−84437号には蓄積性螢光体シートに放射線
画像を蓄積記録する画像記録部、蓄積性螢光体シ
ートに蓄積記録された放射線画像を読み取る画像
読取部、読取後に蓄積性螢光体シートに残存蓄積
する放射線エネルギーを消去する消去手段を一体
化して一つの装置にまとめ蓄積性螢光体シートを
循環再使用可能にした方法および装置（以下、
「ビルトインタイプのシステム」という。）が開示
されているが、このようなビルトインタイプのシ
ステムにあつては撮影間隔は最も時間のかかるス
テツプ、即ち読取時間によつて決定されるが、こ
のようなビルトインタイプのシステムにおいて先
読みを行なうと先読みに要する時間がそのまま直
接撮影間隔の延長をもたらす。このような撮影間
隔の延長は集団検診の場合のように短い撮影間隔
で患者の撮影を行なうことが必要である場合は特
に問題となる。

本発明の目的は簡易な装置で高速に蓄積性螢光
体シートに蓄積記録されている放射線画像情報を
把握する先読みを行なうことのできる放射線画像
情報読取方法を提供することにある。

本発明の第１の放射線画像情報読取方法は、放
射線画像情報の蓄積記録されている蓄積性螢光体
シートに励起光を照射することにより、前記蓄積
性性螢光体シートに蓄積記録されている放射線画
像情報を揮尽発光せしめ、得られた輝尽発光光を
光電的に読み取る放射線画像情報読取方法におい
て、観察読影のための可視像を得る本読みに先立
つて、前記蓄積性螢光体シート全面にわたつて励
起光を一様に同時に照射し、これにより蓄積性螢
光体シート全面から発せられる輝尽発光光の光量
を検出して前記放射線画像情報を検出する先読み
を行なうことを特徴とする。

本発明の第２の放射線画像情報読取方法は、放
射線画像情報の蓄積記録されている蓄積性螢光体
シートに励起光を照射することにより、前記蓄積
性性螢光体シートに蓄積記録されている放射線画
像情報を揮尽発光せしめ、得られた輝尽発光光を
光電的に読み取る放射線画像情報読取方法におい
て、観察読影のための可視像を得る本読み先立つ
て、前記蓄積性螢光体シートに、励起光をシート
の全幅にわたつてスリツト状に同時に照射し、こ
のスリツト状の照射部分を前記シートの幅と直角
の方向へシートに対して相対的に移動せしめ、こ
のときシートから発せられる輝尽発光光の光量を
検出して前記放射線画像情報を検出する先読みを
行なうことを特徴とする。

本発明によると極めて簡易な方法で高速に蓄積
性螢光体シートに蓄積記録されている放射線画像
情報を本読みに先立つて把握する先読みを行なう
ことができる。

以下、添付図面に基づいて本発明の実施態様に
ついて詳細に説明を加える。

第１図は、本発明の第１の放射線画像情報読取
方法を実施する一つの好ましいＸ線画像情報読取
装置の概略図である。

第１図において、１は先読み用読取部、２は本
読み用読取部をそれぞれ示している。

Ｘ線画像情報が蓄積記録された蓄積性螢光体シ
ート１０１は読取装置へ送られ、放射線画像の読
取りが行なわれるが、まず先読み用読取部１へ送
られ先読みが行なわれる。

先読み用読取部１においては、光源１０２（例
えばキセノンランプ等）から発せられた励起光を
含む光は輝尽発光光の波長領域をカツトするフイ
ルター１０３を通過した後、蓄積性螢光体シート
１０１上を全面にわたつて一様に同時に照射す
る。このように励起光が照射されると、蓄積性螢
光体シート１０１は蓄積記録されているＸ線エネ
ルギーに比例する光量の輝尽発光光を発し、この
発光光は拡散板１０４を通してフオトマル等の光
検出器１０５に入射する。光検出器１０５の受光
面には輝尽発光光の波長領域の光のみを透過し、
励起光の波長領域の光をカツトするフイルター１
０６が貼着されており、輝尽発光光のみを検出し
うるようになつている。検出器１０５は蓄積性螢
光体シート１０１全面から発した輝尽発光光を光
量として検出する。ここで検出するのは具体的に
は蓄積性螢光体シート１０１に蓄積記録された放
射線画像情報の平均的記録レベルである。光検出
器１０５の出力は増幅器１０７で増幅され、増幅
器１０７から出力された信号は本読み用読取部２
の制御回路２１４に入力される。制御回路２１４
は得られた平均的記録レベルから増幅率設定値ａ
を直ちに算出する。先読みを完了した蓄積性螢光
体シート１０１は本読み用読取部２へ移送され
る。

本読み用読取部２においては、レーザ光源２０
１から発せられたレーザ光２０２はこのレーザ光
２０２はビーム・エクスパンダー２０３によりビ
ーム径の大きさが厳密に調整され、ガルバノミラ
ー等の光偏光器２０４によつて平面反射鏡２０５
を介して蓄積性螢光体シート１０１上に偏向せし
められて入射する。光偏向器２０４と平面反射鏡
２０５との間にはfθレンズ２０６が配され、螢光
体シート１０１上をレーザ光２０２が均一なビー
ム径を有して等速走査されるようになつている。
螢光体シート１０１は矢印２０７の方向に移送せ
しめられて副走査がなされ、その結果螢光体シー
ト１０１の全面にわたつてレーザ光が照射せしめ
られる。かようにレーザ光２０２が照射せしめら
れると、蓄積性螢光体シート１０１は蓄積記録さ
れているＸ線エネルギーに比例する光量の輝尽発
光光を発し、この発光光は導光性シート２０８に
入射する。この導光性シート２０８はその入射面
は直線状をなし、蓄積性螢光体１０１上のレーザ
光の走査線に対向する如く隣接して配置され、射
出面は円環状をなし、フオトマル等の光検出器２
０９の受光面に密着せしめられている。この導光
性シート２０８は、アクリル系樹脂等の透明熱可
塑性樹脂シートを加工してつくられたもので、入
射面より入射した光がその内部を全反射しつつ射
出面へ伝達されるよう構成さてれており、蓄積性
螢光体シート１０１からの輝尽発光光はこの導光
性シート２０８内を導びかれ、射出面から射出し
て光検出器２０９によつて受光される。導光性シ
ートの好ましい形状、材質等は特開昭55−87970
号、同56−11397号公報等に開示されている。

光検出器２０９の受光面には、輝尽発光光の波
長域の光のみを通過し、励起光の波長域の光をカ
ツトするフイルターが貼着されており、輝尽発光
光のみを検出しうるようになつている。光検出器
２０９により検出された輝尽発光は電気信号に変
換され、増幅率設定値ａによつて感度設定された
増幅器２１０により適性レベルの電気信号に増幅
された後、Ａ／Ｄ変換器２１１に入力される。
Ａ／Ｄ変換器２１１では予め被写体の絵柄によつ
て選んだ適当な収録スケールフアクタ設定値ｂに
より信号変動幅に適したスケールフアクタでデジ
タル信号に変換され、信号処理回路２１２に入手
される。信号処理回路２１２では観察読影適性の
優れたＸ線画像が得られるように信号処理が施さ
れ、写真感光材料等の記録材料、CRT等の表示
装置に可視像として出力される。本実施態様にお
いては、蓄積性螢光体シート全面から発せられる
輝尽発光光の光量を検出しているので、短時間に
蓄積性螢光体シートに蓄積記録されている放射線
画像情報の平均値を求めることができ、これによ
り出力画像全体の平均濃度を安定にすることがで
きる。

第２図は、本発明の第２の放射線画像情報読取
方法を実施する他の好ましいＸ線画像情報読取装
置の概略図である。

本実施態様においては、先読み用読取部１は蓄
積性螢光体シート１０１の全幅をカバーするスリ
ツト状開口を有する遮光板１０８の下方を蓄積性
螢光体シート１０１が移送せしめられるようにな
つている。スリツト状開口に入射面が隣接するよ
うにして導光性シート１１０が配置されている。
この導光性シート１１０の射出端には光検出器１
０５が密着せしめられている。また遮光板１０８
のスリツト状開口部には蓄積性螢光体シートに励
起光照射するための光源１０２が設けられてい
る。

本実施例においてはＸ線画像情報が蓄積記録さ
れた蓄積性螢光体シート１０１は以下の様にして
先読みが行なわれる。

先読み用読取部１においては、光源１０２から
発せられた励起光は輝尽発光光の波長領域をカツ
トするフイルター１０３を通過した後、遮光板１
０８のスリツト開口を通して蓄積性螢光体シート
１０１をこのシートの全幅にわたつてスリツト状
に同時に照射する。この励起光の照射の際には、
蓄積性螢光体シートはシートの幅と直角の方向即
ち矢印１０９方向へ移送され蓄積性螢光体シート
１０１全面にわたつて励起光の照射がなされるよ
うになつている。励起光の照射を受けることによ
り発した輝尽発光光は導光性シート１１０の入射
面から入射し、内部を全反射しつつ射出面へ伝達
され、光検出器１０５によつて受光される。

光検出器１０５の受光面には、輝尽発光光の波
長領域の光のみを通過し、励起光の波長領域の光
をカツトするフイルターが貼着されており、輝尽
発光光のみを検出しうるようになつている。この
光検出器１０５により検出された信号は順次増幅
器１０７により増幅され、しかる後制御回路２１
４に入力される。制御回路２１４は得られた蓄積
性螢光体シートの各部の平均的記録レベル（スリ
ツト状開口単位の平均的記録レベル）に基づいて
増幅率設定値ａを算出する。先読みが終了した蓄
積性螢光体シート１０１は第１実施態様と同様に
して本読みがなされ、蓄積性螢光体シートに蓄積
記録されている放射線画像情報は観察読影のため
の可視像に変換される。なお本実施態様において
は、本読み時の収録スケールフアクター設定値ｂ
は、第１の実施態様のように予め適当な値を設定
しておいてもよいが、スリツト開口単位の平均的
記録レベルのバラツキにより画像（蓄積性螢光体
シート）ごとに変化させるようにすることもでき
る。

また本実施態様においては、スリツト状開口を
有する遮光板を用いて蓄積性螢光体シート上にス
リツト状に勃起光を照射せしめたが、光源１０２
から発した励起光を光学手段によりスリツト状に
集光せしめたものを蓄積性螢光体シート上に照射
せしめたものであつてもよい。また蓄積性螢光体
シートを移動せしめるのではなくスリツト状の励
起光を移動せしめることにより、蓄積性螢光体シ
ート全面にわたつて励起光を照射せしめてもよい
ことはいうまでもない。

本実施態様においても短時間に蓄積性螢光体シ
ートに蓄積されている放射線画像情報の平均値を
求めることができ、これにより出力画像全体の平
均濃度を安定にすることができる。

なお、読取りゲインの調節は上記実施態様にお
いて説明されたような光検出器の増幅器の増幅率
を変化させるようにしたものの他、光検出器とし
てフオトマルを使用した場合はフオトマルに印加
する電圧を変化することにより直接光検出器のゲ
インを変えるようにしてもよい。

以上詳細に説明したように本発明によると、励
起光を一様に蓄積性螢光体シート全面にわたつて
同時に照射しシート全面から発せられる輝尽発光
光を検出するか、スリツト状の励起光をシートに
対して相対的に移動させてシート全面を走査しこ
の時シートから発せられる輝尽発光光を検出する
ことにより先読みを行なつているので、読取り時
間の短縮および読取装置の小型簡略化を達成する
ことができ実用上の利益を際めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ本発明の第１お
よび第２実施態様を示す概略図である。 １……先読み用読取部、２……本読み用読取
部、１０１……蓄積性螢光体シート、１０２……
光源、１０５，２０９……光検出器、１０７……
増幅器、１０８……遮光板、１１０，２０８……
導光性シート、２０１……レーザ光源、２０４…
…光偏向器、２１４……制御回路、２１０……増
幅器、２１１……Ａ／Ｄ変換器、２１２……信号
処理回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 放射線画像情報の蓄積記録されている蓄積性
   螢光体シートに励起光を照射することにより、前
   記蓄積性螢光体シートに蓄積記録されている放射
   線画像情報を輝尽発光せしめ、得られた輝尽発光
   光を光電的に読み取る放射線画像情報読取方法に
   おいて、観察読影のための可視像を得る本読みに
   先立ち、前記蓄積性螢光体シート全面にわたつて
   励起光を一様に同時照射し、これにより蓄積性螢
   光体シート全面から発せられる輝尽発光光の光量
   を検出して前記放射線画像情報を検出する先読み
   を行なうことを特徴とする放射線画像情報読取方
   法。 ２ 放射線画像情報の蓄積記録されている蓄積性
   螢光体シートに励起光を照射することにより、前
   記蓄積性螢光体シートに蓄積記録されている放射
   線画像情報を輝尽発光せしめ、得られた輝尽発光
   光を光電的に読み取る放射線画像情報読取方法に
   おいて、観察読影のための可視像を得る本読みに
   先立ち、前記蓄積性螢光体シートに、励起光をシ
   ートの全幅にわたつてスリツト状に同時照射し、
   このスリツト状の照射部分を前記シートの幅と直
   角の方向へシートに対して相対的に移動せしめ、
   このときシートから発せられる輝尽発光光の光量
   を検出して前記放射線画像情報を検出する先読み
   を行なうことを特徴とする放射線画像情報読取方
   法。