JPH0568207U - 移植機における苗搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、並列に張設された搬送ベルトによ
り苗を搬送するもので、搬送ベルトを張設する搬送軸、
プーリー及び搬送軸を支承する支持部材を簡単に組み付
けることができると共にプーリーを搬送軸に確実に装着
することが可能な移植機における搬送装置を提供せんと
するものである。 【構成】 苗を植付部に向けて搬送する搬送部を、前後
の搬送軸にそれぞれ複数のプーリーを取付け、対をなす
各プーリに搬送ベルトをそれぞれ張設して苗を搬送する
ように構成し、前記搬送ベルトの間に仕切板を介装した
移植機において、少なくとも一方の前記搬送軸に、複数
のプーリーを回転しないようにり取付けると共に間隔を
おいて複数の支持部材を回転自在に装着し、前記仕切板
に上方が開口したガイド溝を設け、前記支持部材をフレ
ームに搬送軸が上記ガイド溝に嵌合した状態で着脱可能
に装着した移植機における苗搬送装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、藺草又は稲の成苗等、作物の苗を植付ける移植機の搬送装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、苗を植付部に向けて搬送する搬送部を、前後の搬送軸にそれぞれ複数の プーリーを取付け、対をなす各プーリーに搬送ベルトをそれぞれ張設して苗を搬 送するように構成し、前記搬送ベルトの間に仕切板又は仕切枠を介装した移植機 は既に知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記既知の移植機における苗搬送装置は、搬送軸及びプーリーを組み付ける時 、搬送軸を外側端の支持部材の孔に位置合わせして搬送軸を嵌装し、相隣る仕切 板間に配設すべきプーリーを搬送軸に嵌装してねじ止めし、次いで順次他の組の 支持部材とプーリーとを搬送軸に位置合わせ嵌装すると共にプーリーをねじ止め していたので、その組付けが極めて面倒であると共にプーリーの止着が不確実で あった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、苗を植付部に向けて搬送する搬送部を、前後の搬送軸にそれぞれ複 数のプーリーを取付け、対をなす各プーリーに搬送ベルトをそれぞれ張設して苗 を搬送するように構成し、前記搬送ベルトの間に仕切板を介装した移植機におい て、少なくとも一方の前記搬送軸に、複数のプーリーを回転しないように取付け ると共に間隔をおいて複数の支持部材を回転自在に装着し、前記仕切板に上方が 開口したガイド溝を設け、前記支持部材をフレームに搬送軸が上記ガイド溝に嵌 合した状態で着脱可能に装着することにより前述の課題を解決した。

【０００５】

【作用】

苗を搬送ベルトに供給すると該搬送ベルトは植付部に向けて搬送し、植付部に 搬送された苗は植付体により圃場に植付けられる。そして、前記搬送ベルトを張 設するプーリー、それを取付ける搬送軸及びその支持部材を植付装置のフレーム に組付ける前に、予めプーリー及び支持部材を搬送軸に取付けて組物となし、こ の状態で仕切板のガイド溝の上部開口部から挿入して下部の折曲部に挿入して位 置決めしてフレームに取付けるので、組み立て時間を大幅に短縮すことができる と共に他の部材が障害にならない状態でプーリーを搬送軸にねじ止めなどにより 強固にかつ確実に取付けることができる。

【０００６】

【実施例】

本考案を図面に示す藺草移植機について説明すると、牽引車は、前輪１，１及 び後輪２，２を有する機体の前部に、エンジン３、その両側の補助苗台４，４、 ステアリングハンドル５を設け、該ステアリングハンドル５の後部に側部ガード ６が配設された運転席７を配設してなり、その後部には、トップリンク８と左右 のロアリンク９，９を介して植付装置１０を昇降可能に装着してある。

【０００７】 前記植付装置１０は、帯状にした苗を横倒し状にして搬送する株元側挟持搬送 体１１及び茎先側挟持搬送体１２を複数組並列に張設した第１搬送部１３と、一 対の搬送ベルト１５により茎の中間部を受継して挟持搬送しながら起立させる複 数組の挟持搬送体からなる第２搬送部１６と、搬送されて起立した苗を１株分づ つに株分けする複数の切断部１７と、上下回動しながら株分けされた苗を挟持し て圃場に植付ける複数の植付体１８とにより構成されている。

【０００８】 そして、第１搬送部１３の株元側挟持搬送体１１及び茎先側挟持搬送体１２の 下部搬送手段は同一に構成されており、その搬送ベルト１９は、株元用と茎先用 の２本を一対として複数組からなり、その内周面には台形状の突条を有し、駆動 軸２０に間隔をおいて取付けた周溝付の駆動プーリー２１・・及び従動軸２２に 間隔をおいて取付けた周溝付の従動プーリー２３・・に張設されており、前記駆 動軸２０及び従動軸２２は組をなす駆動プーリー２１，２１、従動プーリー２３ ，２３の間をフレームに取付けられた仕切板２７・・にて仕切り、前記搬送ベル ト１９の搬送作用側の下面は、中間に前記突条が嵌合する溝を有していて側部が 仕切板２７に装着されたガイド板３１によりそれぞれ別々に支持され、相隣る仕 切板２７，２７間で組をなすガイド板３１，３１の間には、連結プレート３２を 嵌合した状態でその下面に固定した下向きコ字状の板３１’側部の折曲部を重合 してボルトにて着脱可能に装着するか、又は、ガイド板３１の内側部に板厚分だ け低い段差部３１ａを設け、連結プレート３２は両側縁が段部に当接する幅にす ると共にその下面の一側寄りにＬ型板３４を熔接し、このＬ型板３４の垂下部と ガイド板の側部の垂下部とをボルトにより締着すると、螺着部が上記例の半分で すみ組み立てが容易になると共にガイド板３１，３１及び連結プレート３２の上 面は一連の平面からなる搬送デッキに形成される。

【０００９】 また、この移植機は６条植型であって、前記駆動軸２０及び従動軸２２は左右 に分割され、主フレーム３５に立設した複数のブラケット３６・・をパイプフレ ーム３０にて連結し、それらのブラケット３６・・に前記駆動軸２０，２０を支 承し、前記従動軸２２は仕切板２７・・に穿設したＬ字状のガイド溝４３に遊嵌 した状態で支持部材３８にて支承し、この支持部材３８の基部を上方のＬ型フレ ーム３７に進退調節可能にボルト４７で螺着すると共に、その後面をＬ型フレー ム３７の立上部に螺合したベルト張り用の調節ボルト４６により受け止められて いるが、その組み立てに当たっては、一方の搬送軸となる従動軸２２に、支持部 材３８、従動プーリー２３、突起付きゴムローラ２５及び従動プーリー２３を１ 組とし、これを複数組嵌装して各突起付きゴムローラ２５及び従動プーリー２３ ，２３をねじにより従動軸２２に止着することにより組物を構成し、この状態で 従動軸２２を前記ガイド溝４３にその上方の開口部から嵌合すると共に下方の折 曲部に押し込み、ボルト４７・・によりＬ型フレーム３７に移動調節が許容され る程度に緩く取付け、ベルト張りボルト２７ａをねじ込んで搬送ベルト１９を適 切な張力となし最後にもう一度前記ボルト４７を確りと締めつける。更に、前記 搬送ベルト１９・・の上面にそれぞれ対設した押えベルト３３・・の下部側をプ ーリー３９・・に掛け、その押え駆動軸４０，４０を、上記ブラケット３６・・ に支承されていて前記駆動軸２０により歯車を介して逆向きに同速回転駆動し、 上部を巻き掛けたプーリー４１・・の軸４２，４２は、前記押え駆動軸４０を中 心として上下回動する枠体に支承されている。

【００１０】 前記第２搬送部１６は、前記駆動軸２０及び押え駆動軸４０の前記連結プレー ト３２と対応する部位に取付けられたプーリー４８，４９・・と、主フレーム３ ５の下端部のデッキ５０上の縦軸５１・・に取付けられた上下方向のプーリー５ ２・・とに９０度捩じった状態で張設した一対の挟持ベルト５２ａ，５２ａによ り構成されていて上部にはテーパー状の規制ロール５３，５３により押圧して捻 じれを強制しながら両方の挟持ベルト５２ａ，５２ａを圧接している。

【００１１】 前記切断部１７は、左右のガイドローラ５５，５５と、図示してないが茎の長 さ方向と平行な面内で往復回動する受刃及びその板面に重合するように往復回動 するＶ字状の切断刃と、ガイド杆５６，５７とからなり、根部を切断部１７によ り切断された苗は植付体１８により圃場に植付けられる。

【００１２】 また、第１搬送部１３の送込側には、各搬送部毎に苗箱５８・・を着脱自在に 支持する受枠６０・・を設けてあり、該受枠６０は主フレーム３５の上端から垂 下した左右一対の側部受杆６１と、主フレーム３５から前方へ突出した平面視で コ字状をなす下部受杆６２と、側部受杆６１，６１の下端部を連結した底受杆６ ３と、下部受杆６２の後部寄りを連結した後受杆６５とで構成されており、６４ は図示のように下降回動した支持姿勢と上方へ回動した退避姿勢とになるスタン ドである。

【００１３】 次に伝動装置について説明すると、牽引車のＰＴＯ軸により自在継ぎ手を介し て伝動ケース６７の入力軸６８を駆動すると、その一方の出力軸６９は各植付ケ ース７０を介して前記植付体１８・・を駆動し、他方の出力軸７１はベベルケー ス７２を介して一方では前記切断部１７を駆動し、他方では異径スプロケットを 選択するクラッチからなる変速装置７４を介してカウンタ軸７５を駆動し、この カウンタ軸７５は左右の条止めクラッチ７６，７６を介して前記駆動軸２０，２ ０を駆動する。

【００１４】 而して、つずら折れ状に折り畳んだ帯状苗を収容した前記苗箱５８を各受枠６ ０にセットし、上記帯状苗の一端を引き出して第１搬送部１３の始端に供給する と、搬送ベルト１９・・と押えベルト３３・・が根元寄りと茎先部を挟み込み、 その中間部は周面に多数の突条を有するゴムローラ２５・・により掻き込まれて 横倒し姿勢にて斜め後方下方へ搬送される。その際、対をなすガイド板３１，３ １の間は連結プレート３２により塞がれて一連の平面に形成されているので、搬 送される苗の根や茎が搬送ベルト１９とガイド板３１との間に挟み込まれたり、 ガイド板３１，３１の間から垂れ下がったりすることがなく、整然と搬送するこ とができ、また、左右のガイド板３１，３１は連結プレート３２により間隔を一 定に保持されているので、左右の仕切板２７，２７の間隔が狭くなることがなく 、それにより苗箱の着脱を容易に着脱することができ、搬送ベルト１９を交換す る時、又は分解して整備する時等には、押えベルト３３をその下部を中心として 上方へ回動すると共に連結プレート３２を取り外し、支持部材３８・・をボルト ４７・・を抜き取ると共に調節ボルト２７ａを後退させると、従動軸２２をガイ ド溝４３から抜き出すことができる。また、搬送終端に到達すると第２搬送部１ ６の挟持ベルト５４，５４に受け継がれて搬送されている間に横倒し姿勢の苗が 起立姿勢に変換され、その搬送終端から送り出されると分割されると共に植付け られる。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、苗を植付部に向けて搬送する搬送部を、前後の搬送軸にそれぞれ複 数のプーリーを取付け、対をなす各プーリに搬送ベルトをそれぞれ張設して苗を 搬送するように構成し、前記搬送ベルトの間に仕切板２７を介装した移植機にお いて、少なくとも一方の前記搬送軸に、複数のプーリーを回転しないように取付 けると共に間隔をおいて複数の支持部材３８を回転自在に装着し、前記仕切板２ ７に上方が開口したガイド溝４３を設け、前記支持部材３８をフレームに搬送軸 が上記ガイド溝４３に嵌合した状態で着脱可能に装着したので、搬送軸を支持部 材４３に孔に挿通する作業、プーリーを搬送軸に嵌装して固定する作業を植付装 置外で予め迅速かつ確実に行うことができ、この状態で仕切板２７のガイド溝４ ３に上方の開口部から嵌装することにより搬送軸、プーリー及び支持部材３８を 一挙に所定位置に配置し、支持部材３８をフレームに取付けることが可能で、そ れらの組付けを短時間にかつ容易に行うことができ、しかも、プーリーを搬送軸 に確実にかつ強固に止着することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】移植機の側面図である。

【図２】同上平面図である。

【図３】植付装置の斜視図である。

【図４】第１搬送部の側面図である。

【図５】搬送部及び植付部の展開平面図である。

【図６】要部の断面図である。

【図７】伝動系統図である。

【図８】植付装置の側面図である。

【符号の説明】

１０ 植付装置 １３ 第１搬送部 １６ 第２搬送部 １９ 搬送ベルト ２０ 駆動軸 ２１ 駆動プーリー ２２ 従動軸 ２３ 従動プーリー ２７ 仕切板 ３０ 駆動軸 ３１ ガイド板 ３２ 連結プレート ３３ 押えベルト ４３ ガイド溝 ５８ 苗箱

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 苗を植付部に向けて搬送する搬送部を、
   前後の搬送軸にそれぞれ複数のプーリーを取付け、対を
   なす各プーリーに搬送ベルト１９をそれぞれ張設して苗
   を搬送するように構成し、前記搬送ベルト１９の間に仕
   切板２７を介装した移植機において、少なくとも一方の
   前記搬送軸に、複数のプーリーを回転しないように取付
   けると共に間隔をおいて複数の支持部材３８・・を回転
   自在に装着し、前記仕切板２７に上方が開口したガイド
   溝４３を設け、前記支持部材３８をフレームに搬送軸が
   上記ガイド溝４３に嵌合した状態で着脱可能に装着した
   ことを特徴とする移植機における苗搬送装置。