JPH0567867U - ピストンの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、トップリングの浮上りを防止し、
オイル消費を低減できるピストンの構造を提供すること
を目的とする。 【構成】 センカドリング溝の上側のセカンドランドの
一部に複数の孔を形成し、セカンドリング溝の底部にこ
の孔と連通するリング状のガス溜室を設けている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、内燃機関のピストン、詳細にはピストンのリング溝の構造に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

内燃機関のオイル消費を低減するため、図２のようにピストン５のセカンドラ ンドボリューム部２のガス圧が大きいことに起因するトップリング１の浮上りを 防止するため、セカンドランドボリュームを増加する技術は知られている。そし て、従来はセカンドランドボリュームを増やすため、セカンドリング３の位置を 、例えば図２のＡの位置に下げる技術は公知である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この方法によるとセカンドランドボリューム部２とサードラン ドボリューム部３ａのガス圧のバランスが大きく変化し、そのためセカンドリン グが浮上る。また、作動中の当りが適正になるようにピストンの上部は外径が円 錐状に形成され熱膨脹に対応しているが、リングの位置を変えるとその当りが変 化する。それらのためトップリングの浮上りは防止できてもオイル消費が低減し ないという問題があった。

【０００４】 したがって、本考案はトップリングの浮上りを防止し、オイル消費を低減でき るピストンの構造を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、ピストンのセカンドリング溝の上側のセカンドランドの一部 に複数の孔を形成し、そしてセカンドリング溝の半径方向内方にその孔と連通す るリング状のガス溜室を設けている。

【０００６】

【作用効果の説明】

上記のように構成されたピストンの構造によれば、トップリング溝とトップリ ングの合い口隙間を通して洩れてきたガスは、ガス溜室によりトップリングへの 一時的な圧力が貯えられる。リング溝の上側とピストンリングとランドとの接触 面積が保てると共に、ピストンリングおよびリング溝の部分が摩耗するのを防止 できる。

【０００７】

【実施例】

以下、図面を参照して、本考案の実施例を説明する。

【０００８】 また、図において相対応する部分には、理解を容易にするため、同じ符号を付 して説明する。

【０００９】 図１において、図示しないシリンダブロックにはシリンダライナ４が嵌入され 、そのライナ４の内側にはピストン５が上下方向に摺動自在に遊合されている。 そして、ピストン５に設けられたトップリング溝６にはトップリング１が遊合さ れている。また、セカンドリング溝７の底部Ｂにはリング状に形成されたガス溜 室８が設けられ、ピストンの外径に通じるドリル加工された複数のガス通路９、 ９が形成されている。

【００１０】 したがって、ピストン５のトップランド１０とライナ４との隙間からトップリ ング１の図示しない合い口隙間を通ってセカンドランドボリューム部２に入って きたガスは、通路９、９を経てガス溜室８に入る。ガス溜室８の容量は、セカン ドランドボリューム（セカンドランドとライナの隙間は１０ミクロン程度）に比 し充分に大きいのでこの部の圧力は大きくならずトップリング１が浮上ることは ない。

【００１１】 また、リング溝７の上側とリング３との接触面積も保たれるので摩耗等の問題 も生じない。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、トップリングが浮上るこ となく、ピストンの外径とライナとの当りをも良好に保たれるので、オイル消費 を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す側面図。

【図２】従来の技術を例示する側面図。

【符号の説明】

１・・・ピストン ２・・・セカンドランドボリューム部 ３・・・セカンドリング ３ａ・・・サードランドボリューム部 ４・・・シリンダライナ ５・・・ピストン ６・・・トップリング溝 ７・・・セカンドリング溝 ８・・・ガス溜室 ９・・・ガス通路 １０・・・トップランド

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ピストンのセカンドリング溝の上側のセ
   カンドランドの一部に複数の孔を形成し、そしてセカン
   ドリング溝の半径方向内方にその孔と連通するリング状
   のガス溜室を設けたことを特徴とするピストンの構造。