JPH0567853U

JPH0567853U - 遊星歯車減速機

Info

Publication number: JPH0567853U
Application number: JP724192U
Authority: JP
Inventors: 雄治春田
Original assignee: 帝人製機株式会社
Priority date: 1992-02-21
Filing date: 1992-02-21
Publication date: 1993-09-10

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、小型、高減速比で、しかも減速比
の設定値を容易に変更可能な遊星歯車減速機を提供する
ことを目的とする。【構成】第１サンギヤ22と、サンギヤ22に噛合する遊
星ギヤと、該遊星ギヤを支持する所定腕長さの第１キャ
リア26と、前記遊星ギヤに噛合する第１内歯歯車25を有
する減速機ケース21と、を備えた遊星歯車減速機におい
て、前記遊星ギヤが、サンギヤ22に噛合する第１遊星ギ
ヤ23と該第１遊星ギヤ23よりピッチ円半径が小さく前記
内歯歯車25に噛合する第２ギヤ24とから構成されるとと
もに、前記サンギヤ22が油圧モータの出力軸に係脱可能
かつ回転方向一体に結合され、前記第１ギヤ23および第
２ギヤ24が、回転方向一体に結合しかつ互いに軸方向に
係脱可能であるように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、遊星歯車減速機に関し、詳しくは小型、高減速比で、しかも減速比の設定値を容易に変更可能な遊星歯車減速機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、モータ出力軸等の回転軸に連結されたサンギヤの周りに複数の遊星ギヤを等間隔に配置し、これら遊星ギヤを減速機ケース内に形成された内歯に噛合させた遊星歯車減速機が知られている。この種の遊星歯車減速機においては、複数の遊星ギヤが所定腕長さのキャリアに回転自在に支持されることにより、遊星ギヤとサンギヤの軸間距離、並びに、遊星ギヤ同士の間隔が一定に保たれている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の遊星歯車減速機にあっては、腕長さ一定のキャリアに支持された遊星ギヤが、減速機ケースの内歯に直接噛合する構成であったため、減速比の設定値を変更するためにはサンギヤ、遊星ギヤ、キャリアおよび減速機ケースを全て交換しなければならず、各種要求仕様に応えるためにはこれらの部品を減速比の設定値毎に製作し組み付ける必要があった。このため、遊星歯車減速機の組立作業や部品の管理が面倒になるとともに、コスト高になっていた。

【０００４】また、減速機ケースの内壁部に前記遊星ギヤに噛合する内歯を形成する必要から減速機ケースの外径が大きくなり、小型化の障害になっていた。本考案は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、小型、高減速比で、しかも減速比の設定値を容易に変更可能な遊星歯車減速機を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的達成のため、本考案は、サンギヤと、サンギヤに噛合する遊星ギヤと、遊星ギヤを支持する所定腕長さのキャリアと、遊星ギヤに噛合する内歯を有する減速機ケースと、を備えた遊星歯車減速機において、前記遊星ギヤが、前記サンギヤに噛合する第１ギヤと該第１ギヤよりピッチ円半径が小さく前記内歯に噛合する第２ギヤとから構成されるとともに、前記サンギヤが他の回転軸に係脱可能かつ回転方向一体に結合され、前記第１ギヤおよび第２ギヤが、回転方向一体に結合しかつ互いに軸方向に係脱可能であることを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

本考案では、サンギヤに噛合する第１ギヤと該第１ギヤよりピッチ円半径が小さく減速機ケースの内歯に噛合する第２ギヤとから遊星ギヤが構成されるとともに、サンギヤが他の回転軸に係脱可能かつ回転方向一体に結合される。したがって、第１ギヤとサンギヤを変更することで、遊星歯車減速機の減速比の設定を変更でき、各種要求仕様に容易に対応可能となる。また、第１ギヤと第２ギヤを係脱可能に結合させることで、両ギヤの歯切り加工を容易にできる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案を図面に基づいて説明する。図１、図２は本考案に係る遊星歯車減速機の一実施例を示す図であり、本考案を減速機付油圧モータに適用した例を示している。両図において、10は例えば斜板式ピストンモータからなる油圧モータであり、 20は油圧モータ10の回転を減速する多段の遊星歯車減速機である。

【０００８】油圧モータ10は、図示しない機械本体あるいは車体等に固定されるモータケース11（支持体）を有しており、このモータケース11には互いに逆向きに対向する一対のアンギュラ玉軸受15、16を介して減速機ケース21が回転自在に取り付けられている。なお、この油圧モータ10は公知のものであり、その内部の詳細構成についての説明は省略する。

【０００９】多段遊星歯車減速機20は、前後２組の減速歯車組20Ａ、20Ｂとこれらを収納する前記減速機ケース21とを具備しており、前方側の減速歯車組20Ａは、油圧モータ10の出力軸12に連動する第１サンギヤ22（サンギヤ）と、第１サンギヤ22の周りに複数個（本実施例では３つ）配置されて第１サンギヤ22に噛合する第１遊星ギヤ23（第１ギヤ）と、第１遊星ギヤ23の内周部にスプライン結合したスプライン部24ａを有する第２遊星ギヤ24（第２ギヤ）と、第２遊星ギヤ24に噛合するよう減速機ケース21の内壁部に形成された第１内歯歯車25と、第２遊星ギヤ24の内周部に挿入されたピン部26ａを有し第１遊星ギヤ23および第２遊星ギヤ24の各対を等間隔に支持した所定腕長さの第１キャリア26（キャリア）とを有している。また、後方側の減速歯車組20Ｂは、第１キャリア26とスプライン結合した第２サンギヤ27と、第２サンギヤ27の周りに複数個配置された第３遊星ギヤ28と、減速機ケース21の内壁部に形成され第３遊星ギヤ28に噛合する第２内歯歯車29と、第３遊星ギヤ28を等間隔に支持して各複数のボルト31、32により油圧モータ10のモータケース11に固定された第２キャリア30とを有している。

【００１０】ここで、前方側の減速歯車組20Ａの第１サンギヤ22は、油圧モータ10の出力軸 12にカップリング13を介してスプライン結合されている。即ち、第１サンギ22と油圧モータ10出力軸12は回転方向一体で、かつ、互いに軸方向に係脱可能に結合されている。また、同遊星歯車組20Ａの第１遊星ギヤ23および第２遊星ギヤ24も互いにスプライン結合しているから、回転方向一体で、かつ、軸方向に係脱可能に結合されている。この場合、第２遊星ギヤ24のスプライン部24ａはその歯部24 ｂより小径であり、例えば歯部24ｂの歯面の放射内方側を軸方向一方側（図中左側）に延長することでそのスプライン歯が形成されている。そして、第１遊星ギヤ23は第２遊星ギヤ24のスプライン部24に嵌着された止め輪24ｃと歯部24ｂとに挟まれており、これにより第１遊星ギヤ23および第２遊星ギヤ24の軸方向における相対的な位置決めがなされている。さらに、第２遊星ギヤ24は、第１遊星ギヤ 23よりピッチ円半径が小さくなっており、減速機ケース21の内周面（後述する本体胴部21ｂの内周面）より放射内方側で第１内歯歯車25に噛合している。この第１内歯歯車25は減速機ケース21の前端部21ａに一体形成されており、その前端部 21ａが本体胴部21ｂにボルト結合されることで、有底円筒状の減速機ケース21が構成されている。

【００１１】なお、図１、図２において、40は減速機ケース21とモータケース11の間に介装された公知のフローティングシール手段であり、51、52は第２遊星ギヤ24と第１キャリア26のピン部26ａとの間に介装された軸受である。このような構成を有する本実施例においては、前方側の遊星歯車組20Ａを構成する第１遊星ギヤ23と第２遊星ギヤ24とが、回転方向一体でかつ互いに軸方向に係脱可能に結合されるとともに、第１遊星ギヤ23に噛合する第１サンギヤ22が、油圧モータ10の出力軸12に係脱可能でかつ回転方向一体に結合されているから、第１遊星ギヤ23および第１サンギヤ22を他の歯数比の組み合せに変更することによって遊星歯車減速機20の減速比の設定を容易に変更することができ、各種減速比の要求仕様に容易に対応することができる。また、第１遊星ギヤ23と第２遊星ギヤ24を係脱可能に結合させることで、一部品について複数種の歯切り加工をする必要がなく形状も簡単になるから、両ギヤ23、24の歯切り加工が容易になり、これらの部品加工コストが低減される。さらに、第１遊星ギヤ23が直接減速機ケース21側の内歯に噛合せず、それよりも放射内方において第２遊星ギヤ24が第１内歯歯車25に噛合する構成であるため、減速機ケース21の小径化が可能になる。特に、本実施例の減速機ケース21のようにその前端部21ａを底部として本体胴部 21ｂにボルト結合する場合、結合用ボルト21ｃのボルト孔の加工部をあまり肉厚にする必要がなく小径化に有利であるとともに、本体胴部21ｂ内の第２内歯歯車 29の歯切り加工もし易くなる。

【００１２】

【考案の効果】

本考案によれば、サンギヤに噛合する第１ギヤと第１ギヤよりピッチ円半径が小さく減速機ケースの内歯に噛合する第２ギヤとから遊星ギヤを構成するとともに、サンギヤを他の回転軸に係脱可能かつ回転方向一体に結合させているので、第１ギヤとサンギヤを変更して遊星歯車減速機の減速比の設定を容易に変更することができ、多様な要求仕様に容易に対応することができる。また、第１ギヤと第２ギヤを係脱可能に結合させているので、両ギヤの歯切り加工をきわめて容易にすることができ、部品コストを低減させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る遊星歯車減速機の一実施例を示す
その全体の断面図である。

【図２】その要部拡大断面図である。

【符号の説明】

10 油圧モータ 20 多段遊星歯車減速機 20Ａ、20Ｂ減速歯車組 21 減速機ケース 22 第１サンギヤ（サンギヤ） 23 第１遊星ギヤ（第１ギヤ） 24 第２遊星ギヤ（第２ギヤ） 25 第１内歯歯車（内歯） 26 第１キャリア（キャリア）

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】サンギヤ(22)と、サンギヤ(22)に噛合する
遊星ギヤと、遊星ギヤを支持する所定腕長さのキャリア
(26)と、遊星ギヤに噛合する内歯(25)を有する減速機ケ
ース(21)と、を備えた遊星歯車減速機において、前記遊星ギヤ(23、24)が、前記サンギヤ(22)に噛合する
第１ギヤ(23)と該第１ギヤ(23)よりピッチ円半径が小さ
く前記内歯(25)に噛合する第２ギヤ(24)とから構成され
るとともに、前記サンギヤ(22)が他の回転軸(12)に係脱可能かつ回転
方向一体に結合され、前記第１ギヤ(23)および第２ギヤ
(24)が、回転方向一体に結合しかつ互いに軸方向に係脱
可能であることを特徴とする遊星歯車減速機。