JPH056741A - シヤドウマスク、シヤドウマスク焼付け用原版およびその製造方法 - Google Patents

シヤドウマスク、シヤドウマスク焼付け用原版およびその製造方法

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JPH056741A
JPH056741A JP3305189A JP30518991A JPH056741A JP H056741 A JPH056741 A JP H056741A JP 3305189 A JP3305189 A JP 3305189A JP 30518991 A JP30518991 A JP 30518991A JP H056741 A JPH056741 A JP H056741A
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康久 大竹
Seiji Sago
誠司 佐合
Yasushi Kiyokuki
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ほぼ矩形状開孔を有するシャドウマスクにお
いて、垂直軸とほぼ平行な長手軸を有する複数の開孔30
を垂直軸と平行に並べてなる垂直列を水平軸方向に所定
のピッチで複数並列に配列し、垂直軸上の開孔以外の開
孔について、垂直軸から離間した一対の外側隅部36から
水平軸方向外方へ膨出した一対の膨出部37を垂直軸から
離間した開孔ほど徐々に膨出量が大きくなるように形成
した。また、そのシャドウマスクの製造に用いられるシ
ャドウマスク焼付け用原版の大孔パターンおよび小孔パ
ターンを矩形状の主パターンと、この主パターンの隅部
から外方に突出した矩形状の突出パターンとを有するも
のとした。 【効果】 カラー受像管の輝度およびホワイトユニフォ
ーミティの劣化をなくすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管のシャ
ドウマスクに係り、特に輝度およびホワイトユニフォー
ミティに優れたほぼ矩形状の開孔を有するシャドウマス
ク、このシャドウマスクの製造に用いられるシャドウマ
スク焼付け用原版およびこの原版の製造方法にに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管は、第17図に示す
ように、球面状のパネル1 およびこのパネル1 に一体に
接合された漏斗状のファンネル2からなる外囲器を有
し、そのパネル1 の内面に3色蛍光体層からなる蛍光体
スクリーン3 が形成され、この蛍光体スクリーン3 の内
側に、蛍光体スクリーン3 と対向して所定パターンに配
列された多数の開孔を有するシャドウマスク4 が配置さ
れている。そして、ファンネル2 のネック部5 内に配置
された電子銃6 から放出される3電子ビーム7 をファン
ネル2 の外側に装着された偏向ヨーク8 の発生する磁界
により偏向し、その3電子ビーム7 をシャドウマスク4
により3色蛍光体層の所望の位置に正しくランディング
するように選別して、上記蛍光体スクリーン3 を水平、
垂直走査することにより、この蛍光体スクリーン3 上に
カラー画像を表示する構造に形成されている。
【0003】上記のようなシャドウマスク4 の開孔形状
としては、従来より円形の開孔にしたものと矩形の開孔
にしたものとが知られている。その円形の開孔を有する
シャドウマスク(円形孔シャドウマスク)は、主として
ディスプレー管に用いられ、一方、矩形の開孔を有すシ
ャドウマスク(矩形孔シャドウマスク)は、主として家
庭用テレビなどの民生用に用いられている。
【0004】従来その矩形孔シャドウマスクの開孔は、
図18に示すように、四隅部に丸みをもつたほぼ矩形状
に形成されている。そしてこの開孔10は、その長手軸が
シャドウマスクの中心を通る垂直軸方向と一致するよう
に形成され、特にその垂直軸方向には、狭幅のブリッジ
部11を介して複数配置され、その垂直軸方向の複数の開
孔からなる垂直列を水平軸方向に所定ピッチで複数列並
列配置されたパターンに配置されている。
【0005】なお、このようなシャドウマスクについて
は、これと対向する蛍光体スクリーンの3色蛍光体層
は、垂直軸方向に延在するストライプ状の3色蛍光体層
で構成されている。
【0006】従来、上述したパターンに配列された開孔
を有するシャドウマスクは、フォトエッチング法により
製造されている。すなわち、マスク素材板の両面に感光
剤を塗布して感光剤被膜を形成し、この両面の感光剤被
膜に、形成しようとする開孔に対応するパターンの形成
された一対のシャドウマスク焼付け用原版を密着して焼
付け(露光)、現像して、この一対のシャドウマスク焼
付け用原版のパターンに対応するレジストパターンを形
成する。その後、このレジストパターンの形成されたマ
スク素材板を両面からエッチングすることにより製造さ
れる。
【0007】この方法により製造されるシャドウマスク
の開孔は、感光剤被膜にパターンを焼付ける一対のシャ
ドウマスク焼付け用原版のパターンを四隅部に丸みのな
い正確な矩形としても、製造されるシャドウマスクの開
孔は、焼付け現像後のだれやエッチング速度の相違など
により、図18に示したように、マスク素材板の一方の
面に四隅部に丸みをもつたほぼ矩形状の大孔13が形成さ
れ、他方の面にこの大孔13に連通して四隅部に丸みをも
つたほぼ矩形状の小孔14が形成され、これら大孔13と小
孔14とが連通する境界部に内側に張出した張出部15が形
成される。開孔10の寸法は、この張出部15により規定さ
れ、四隅部に丸みをもつたほぼ矩形状となる。
【0008】通常シャドウマスク4 は、上記小孔14を電
子銃側とし、大孔13を蛍光体スクリーン側としてパネル
内側に配置される。そのため、図19に示すように、蛍
光体スクリーン中央部の3色蛍光体層をランディングす
る電子ビーム7 は、破線で示すようにシャドウマスクの
中央部の開孔10をほぼ垂直に通過して蛍光体スクリーン
に達する。しかし蛍光体スクリーンの周辺部の3色蛍光
体層をランディングする電子ビーム7 は、大きく偏向さ
れ、実線で示すように開孔10を斜めに横切って蛍光体ス
クリーンに達するようになる。このように電子ビーム7
が開孔10を斜めに横切ると、その一部は、大孔13の開口
縁部(蛍光体スクリーン側の開口縁部)あるいは開孔10
の内壁に衝突して蛍光体スクリーンに到達せず、開孔10
の形状に対応して形成される3色蛍光体層上の発光領域
は、矩形とならず、欠けができ、輝度やホワイトユニフ
ォーミティが劣化する。また開孔10の内壁に衝突して反
射した電子ビームが他色蛍光体層を発光させて、色純度
やコントラストの劣化させるという問題がある。
【0009】特に大孔13と小孔14との境界部に張出部15
をもつ形状の開孔10では、焼付け現像後のレジストのだ
れやエッチング速度の相違などにより、四隅部の丸みの
大きさが変化し、かつその開孔10の短辺部16と長辺部17
(図18参照)とで張出部15のシャドウマスクの板厚方
向の位置が異なるようになる。通常この張出部15の位置
は、短辺部の張出部が長辺部の張出部よりも蛍光体スク
リーン側(大孔13の開口縁側)となり、図20に示す展
開図で線18で示したように、一般的には短辺部と長辺部
との境界部である四隅部近傍にこれら張出部による段差
部ができる。つまり開孔10の四隅部には、長辺部の張出
部よりも蛍光体スクリーン側に位置する張出部が形成さ
れる。したがってこのような張出部をもつ開孔10を電子
ビームが斜めに横切ると、図21に開孔10とともに示す
ように、電子ビームは、開孔10の四隅部のうち、シャド
ウマスクの周辺部に近い外側の隅部でより大きく遮蔽さ
れ、3色蛍光体層上の発光領域20に大きな欠け21がで
き、輝度やホワイトユニフォーミティなどの劣化をいち
じるしくする。
【0010】このような問題は、特にパネルの曲率半径
を大きくして平面に近づけたフラットスクエア管の場合
に生じやすい。すなわち、一般にシャドウマスクの曲率
半径は、パネルの曲率半径が大きくなると、それに対応
して大きくなる。このように曲率半径が大きくなると、
シャドウマスクは、機械的強度が低下するため、その機
械的強度の低下を防止するためにシャドウマスクの板厚
を厚くする必要がある。したがって、このようなフラッ
トスクエア管のシャドウマスクについては、通常のカラ
ー受像管と同じ偏向角で偏向しても、電子ビームは、シ
ャドウマスクの開孔をより斜めに横切ることとなる。そ
のため、電子ビームは、開孔の蛍光体スクリーン側の開
口縁部や開孔内壁に衝突しやすくなり、輝度やホワイト
ユニフォーミティなどの劣化をより一段とちじるしくす
る。
【0011】上記開孔10を斜めに横切る電子ビーム7 の
衝突に基づく発光領域20の欠け21を防止するために、従
来よりシャドウマスク中央部では、図22に示すよう
に、大孔13と小孔14の中心軸を一致させて開孔10を大孔
13の中心に形成し、水平軸方向の周辺部に近づくにした
がって、図23に示すように、小孔14に対して大孔13を
外側にずらし、また対角軸方向には、周辺部に近づくに
したがって、図24に示すように、小孔14に対して大孔
13を対角軸方向の外側にずらしたオフセンター形シャド
ウマスクが知られている。
【0012】しかし上記のように小孔14に対する大孔13
のずれ量を大きくすると、開孔形状が歪む。特に通常の
カラー受像管のパネルにくらべて曲率半径を大きくして
平面化したフラットスクエア管では、そのパネルに対応
してシャドウマスクの曲率半径も大きくなり、カラー受
像管の大形化とともにその機械的強度が大幅に低下する
ため、板厚の厚いシャドウマスクが使用される。その結
果、このようなシャドウマスクでは、図25に板厚t1
の通常のシャドウマスクに対して板厚t2 として示すよ
うに、通常のシャドウマスクでは衝突しない開孔を斜め
に横切る電子ビーム7 も衝突するようになる。また上記
斜めに横切る電子ビーム7 の経路方向から見える開孔の
幅が狭くなり、蛍光体層上の発光領域が小さくなって輝
度低下をおこす。このような電子ビーム7 の不所望な衝
突および輝度低下をなくすためには、開孔10に対する大
孔13のずれ量ΔWを大きくすればよいが、大孔13のずれ
量ΔWを大きくすると、張出部15の高さ位置が開孔10の
左右で異なりすぎて、開孔10の形状が一層歪むという問
題がおこる。
【0013】上記ほぼ矩形状開孔をもつシャドウマスク
の問題点を解決する手段として、特公昭63−4933
6号公報には、図26に示すように、開孔10の四隅部の
丸みを軽減するために、大孔13および小孔14の四隅部を
外方に突出させて糸巻状としたシャドウマスクが示され
ている。特に同公報に記載の実施例には、開孔10の幅方
向における大孔13と小孔14との寸法差と、開孔10の長さ
方向における大孔13と小孔14との寸法差とを等しくした
ものが示されている。
【0014】しかし、このようなシャドウマスクにおい
て、開孔10の幅方向の大孔13での電子ビーム7 の遮蔽を
防止するためには、大孔13の開口縁(蛍光体スクリーン
側開口縁)でのブリッジ部15の幅寸法wH を大きくしな
ければならず、結果として張出部12での実質的なブリッ
ジ部11の幅寸法wB が大きくなり、輝度低下をまねく。
逆にブリッジ部11の実質的な幅寸法wB を小さくするた
めには、大孔13の開口縁でのブリッジ部11の幅寸法wH
を小さくしなければならず、その結果、大孔13の開口縁
部または張出部15での電子ビーム7 の遮蔽が大きくな
り、輝度およびホワイトユニフォーミティの劣化をまね
くこととなる。また、このようなシャドウマスクにおい
て、図27に示すように、開孔10の幅方向における大孔
13と小孔14との寸法差が開孔10の長さ方向における大孔
13と小孔14との寸法差より大きい一般的なシャドウマス
クと類似の構造にすると、前記したように短辺部16と長
辺部17との境界部である四隅部に、短辺部16の張出部15
と長辺部17の張出部15とで形成されるきわめて大きな段
差部ができる(図15参照)。この場合、開孔10の形状
は、真上から見て矩形であっても、この開孔10を斜めに
横切る電子ビーム7 は、開孔10の隅部のうち、シャドウ
マスク外周部方向の外側の隅部の段差部で遮蔽され、3
色蛍光体層上の発光領域に欠けができ、結果として輝度
やホワイトユニフォーミティなどの劣化をまねく。
【0015】また、特開平1−175148号公報に
は、図28に示すように、大孔13の隅部を外側に膨出さ
せて、開孔10の隅部での電子ビームの遮蔽を防止するよ
うにしたシャドウマスクが示されている。しかし、この
ようなシャドウマスクは、上記特公昭63−49336
号公報のシャドウマスクと大孔13の形状が異なるのみ
で、基本的には図26に示したシャドウマスと同じであ
り、同様の問題を生ずる。また、実開昭50−1225
53号公報には、開孔の短辺中央部を内側に膨出させ
て、拡散による電子ビームの端部の丸み(蛍光体層上の
発光領域の隅部の欠け)を消し、電子ビームの形状を矩
形にすようにしたシャドウマスが示されている。しか
し、このようなシャドウマスクの場合、大孔および小孔
の各開口縁に所定の幅寸法のブリッジ部を残存させて、
所定の開孔を形成しようとすると、ブリッジ部の幅寸法
がいちじるしく太くなり、輝度低下をまねく。逆にその
輝度低下を防止しようとすると、ブリッジ部の幅寸法が
いちじるしく細くなり、そのブリッジ部を介して配列さ
れた複数個の開孔からなる垂直列方向の機械的強度が低
下する。そのため、シャドウマスを所定形状にプレス成
形するときに、局部的な伸びや変形が発生して、所望の
シャドウマスが得られなくなる。
【0016】さらに、特開平1−320738号公報に
は、図29に示すように、大孔13をほぼ矩形状とし、シ
ャドウマスクの外周部に近い小孔の外側の隅部を外方に
膨出させて、開孔10の外側の隅部を外方に膨出させるこ
とにより、上記開孔10を斜めに横切る電子ビームの大孔
13の開口縁部や開孔内壁での衝突を防止して、3色蛍光
体層上の発光領域の欠けを防止しようとしたシャドウマ
スクが示されている。さらにこのような開孔10を形成す
るシャドウマスク焼付け用原版のパターンとして、特開
平2−86027号公報には、図30に示すように、小
孔に対応するパターンを多重露光により、矩形の主パタ
ーン23と矩形の補助パターン24とで構成したものが示さ
れている。
【0017】このようなシャドウマスクは、発光領域の
欠けによるホワイトユニフォーミティの劣化について
は、かなり改善できるが、開孔10の隅部の丸みを小さく
することができず、結果として輝度を十分に改善するこ
とができない。また電子ビームのランディング余裕度が
小さい蛍光体スクリーンの周辺部で、上記開孔10の膨出
部分を通過する電子ビームが他色蛍光体層をランディン
グして、色純度を低下させやすい。
【0018】さらにまた、特開平2−40840号公報
には、図31に示すように、小孔14の四隅部を外方に膨
出させるとともに、小孔14の短辺部26の内壁を傾斜させ
ることにより、開孔10の四隅部の丸みを小さくするよう
にしたシャドウマスクが示されている。しかし、このよ
うなシャドウマスクは、開孔10の短辺部27が円弧状とな
って直線性部が失われる。その結果、開孔面積が減少
し、十分な輝度が得られなくなる。また大孔13が通常の
ほぼ矩形状開孔の場合と同じであるため、開孔10の四隅
部を外方に膨出させにくいなどの問題がある。
【0019】また、特開昭55−159545号公報に
は、図32(a)に示すように、開孔10の四隅部を外方
に膨出させるため、同(b)に示すように、シャドウマ
スク焼付け用原版のパターンをI字状にしたものが示さ
れている。このような原版を用いて形成されるシャドウ
マスクの開孔10は、外側隅部が外側に膨出することによ
り、開孔10を斜めに横切る電子ビームの衝突に基づくホ
ワイトユニフォーミティの劣化については、ある程度改
善できる。しかし大孔をほぼ矩形状として、小孔の隅部
を外側に膨出させて開孔10を形成するため、開孔10の四
隅部の丸みを小さくすることができず、輝度の低下を十
分に改善することができない。
【0020】さらに、特開昭56−156636号公報
には、開孔の四隅部の丸みを小さくするため、図33に
示すように、シャドウマスク焼付け用原版のパターン28
を数十ミクロン鋭角に突出した突出部29をもつ形状した
ものが示されている。このような原版を用いて形成され
るシャドウマスクの開孔は、四隅部の丸みが小さい矩形
状とするすることはできる。しかし開孔を斜めに横切る
電子ビームが衝突しやすい外側隅部に膨出が形成されな
い。そのため、この開孔では、発光領域の欠けを防止す
ることができず、ホワイトユニフォーミティの劣化がお
こる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ほぼ矩
形状の開孔を有し、この矩形状の開孔の長手軸がシャド
ウマスクの中心を通る垂直軸方向と一致するように形成
され、特に垂直軸方向には、狭幅のブリッジ部を介して
複数配置され、その垂直軸方向の複数の開孔からなる垂
直列を水平軸方向に所定ピッチで複数列並列配置された
矩形状開孔を有するシャドウマスクは、その開孔を通っ
て3色蛍光体層をランディングする電子ビームが偏向の
増大にともなって開孔を斜めに横切るため、開孔を通る
電子ビームの一部が蛍光体スクリーン側開孔縁や開孔内
壁に衝突して蛍光体スクリーンに到達せず、発光領域に
欠けができ、輝度やホワイトユニフォーミティを劣化さ
せる。また開孔内壁に衝突して反射した電子ビームが他
色蛍光体層を発光させ、色純度やコントラストの劣化さ
せるなどの問題がある。
【0022】このような問題を解決するため、特公昭6
3−49336号公報、特開平1−175148号公
報、実開昭50−122553号公報、特開平1−32
0738号公報、特開平2−40840号公報などに
は、矩形状の開孔の隅部を外方に膨出させたシャドウマ
スクが示されている。また特開平2−86027号公
報、特開昭55−159545号公報、特開昭56−1
56636号公報などには、その隅部が外方に膨出した
矩形状の開孔を製造するためのシャドウマスク焼付け用
原版が示されている。
【0023】しかし、上記矩形状の開孔の隅部を外方に
膨出させたシャドウマスクおよびシャドウマスク焼付け
用原版を用いて製造されるシャドウマスクは、いずれも
輝度、ホワイトユニフォーミティなどをある程度改善で
きるが、十分に改善することができないという問題があ
る。
【0024】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、電子ビームが偏向の増大にともなってシャ
ドウマスクのほぼ矩形状の開孔を斜めに横切るために、
その電子ビームの一部が開孔の蛍光体スクリーン側の開
口縁部や開孔内壁に衝突し、蛍光体スクリーンに到達し
ないために生ずる輝度やホワイトユニフォーミティの劣
化を防止するシャドウマスク、シャドウマスク焼付け用
原版およびこのシャドウマスク焼付け用原版の製造方法
を得ることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】ほぼ矩形状に形成され、
中心を通る垂直軸および中心を通る水平軸を有し、所定
のパターンに配列された多数のほぼ矩形状開孔を有する
シャドウマスクにおいて、その開孔の各々が垂直軸とほ
ぼ平行な長手軸を有し、これら開孔が複数の開孔を垂直
軸と平行に並べてなる垂直列を水平軸方向に所定のピッ
チで複数並んで形成されるように配列し、各垂直列内の
隣合う開孔をブリッジ部により垂直方向に離間し、垂直
軸上の開孔以外の開孔が垂直軸から離間した一対の外側
隅部と、垂直軸側に位置した一対の内側隅部と、その外
側隅部からそれぞれ水平軸方向外方へ膨出した一対の膨
出部とを有し、この膨出部が垂直軸から離間した開孔ほ
ど徐々に膨出量が大きくなるように形成した。
【0026】また、上記シャドウマスクにおいて、各開
孔はブリッジ部により規定された両端縁を有し、この両
端縁が水平軸方向に延び、この両端縁が開孔の中心部に
おける水平軸方向の幅よりも長い直線状とした。
【0027】また、ほぼ矩形状に形成され、中心を通る
垂直軸および中心を通る水平軸を有し、所定のパターン
に配列された多数のほぼ矩形状開孔を有するシャドウマ
スクにおいて、その開孔の各々が垂直軸とほぼ平行な長
手軸を有し、これら開孔が複数の開孔を垂直軸と平行に
並べてなる垂直列を水平軸方向に所定のピッチで複数並
んで形成されるように配列し、各垂直列内の隣合う開孔
をブリッジ部により垂直軸方向に離間し、垂直軸上の各
開孔が四隅部から水平軸方向外方へ膨出した膨出部を有
して上下左右対称形状に形成され、垂直軸上の開孔以外
の開孔が垂直軸から離間した一対の外側隅部と、垂直軸
側に位置した一対の内側隅部と、外側隅部からそれぞれ
水平軸方向外方へ膨出した一対の第1の膨出部と、内側
隅部からそれぞれ水平軸方向外方へ膨出した一対の第2
の膨出部とを有し、第1の膨出部を垂直軸から離間した
開孔ほど徐々に膨出量が大きくなるように形成し、第2
の膨出部を垂直軸から離間した開孔ほど徐々に膨出量が
小さくなるように形成した。
【0028】さらに、複数のほぼ矩形状の開孔がブリッ
ジ部により垂直軸方向に離間して並べられてなる垂直列
が、水平軸方向に所定のピッチで複数並んで形成されて
なるシャドウマスクであり、その複数の各開孔がシャド
ウマスクの一方の面に開口した大孔とシャドウマスクの
他方の面に開口した小孔とを有するシャドウマスクの製
造に用いられるマスク素材板の表面に大孔および小孔に
対応するパターンを焼付けるためのシャドウマスク焼付
け用原版において、その大孔に対応する多数の大孔パタ
ーンを有し、マスク素材板の一方の面に対設される大孔
原版と、小孔に対応する多数の小孔パターンを有し、マ
スク素材板の他方の面に対設される小孔原版とからな
り、その大孔パターンおよび小孔パターンがそれぞれ矩
形状の主パターンと、この主パターンの隅部から外方に
突出した矩形状の突出パターンとを有するものとした。
【0029】さらにまた、座標位置に応じて平面形状の
異なるほぼ矩形状の複数の開孔を有し、この複数の各開
孔がシャドウマスクの一方の面に開口した大孔とシャド
ウマスクの他方の面に開口した小孔とを有するシャドウ
マスクの製造に用いられるマスク素材板のの表面に大孔
および小孔に対応するパターンを焼付けるためのシャド
ウマスク焼付け用原版であり、その大孔パターンおよび
小孔パターンがそれぞれ矩形状の主パターンと、この主
パターンの隅部から外方に突出した矩形状の突出パター
ンとを有するシャドウマスク焼付け用原版の製造方法に
おいて、ネガ原版に矩形状の主パターンを露光する工程
と、この主パターンの隅部に外方に突出した矩形状の突
出パターンを多重露光して主パターンに合成する工程と
を備え、かつこの合成する工程がネガ原版の座標位置に
応じて突出パターンの幅、突出長さ、突出角度および主
パターンに対する突出位置を変化させる工程を含むよう
にした。
【0030】
【作用】上記のように、垂直軸上の開孔以外の開孔の垂
直軸から離間した一対の外側隅部に水平軸方向の外方へ
膨出した一対の膨出部を設け、その膨出部を垂直軸から
離間した開孔ほど徐々に大きくなるようにすると、偏向
の増大にともなって開孔を斜めに横切る電子ビームの経
路方向から開孔を眺めたときの開孔の形状をほぼ正しい
矩形状とすることができる。それにより、従来開孔を斜
めに横切る電子ビームの一部が蛍光体スクリーン側開口
縁部や開孔内壁に衝突して蛍光体スクリーンに到達しな
いために生じた蛍光体層上の発光領域の欠けをなくすこ
とができ、従来の矩形孔シャドウマスクの輝度およびホ
ワイトユニフォーミティの劣化をなくすことができる。
【0031】特に開孔の水平軸方向に延びる両端縁が開
孔の中心部における水平軸方向の幅よりも長い直線状と
したシャドウマスクについては、偏向の増大にともなっ
て開孔を斜めに横切る電子ビームの経路方向から開孔を
眺めたときの開孔形状をより正しい所望の矩形状とする
ことができる。
【0032】また、垂直軸上の開孔を四隅部から水平軸
方向外方へ膨出した膨出部を有する上下左右対称形状と
し、垂直軸上の開孔以外の開孔の垂直軸から離間した一
対の外側隅部に水平軸方向の外方へ膨出した一対の第1
の膨出部を設け、垂直軸側に位置した一対の内側隅部に
水平軸方向の外方へ膨出した一対の第2の膨出部を設
け、その第1の膨出部の膨出量を垂直軸から離間した開
孔ほど大きくし、第2の膨出部の膨出量を垂直軸から離
間した開孔ほど徐々に小さくすると、偏向の増大にとも
なって開孔を斜めに横切る電子ビームの経路方向から眺
めたときの開孔形状をほぼ正しい矩形状として、従来開
孔を斜めに横切る電子ビームの一部が蛍光体スクリーン
側開口縁部や開孔内壁に衝突して蛍光体スクリーンに到
達しないために生じた蛍光体層上の発光領域の欠けをな
くすことができ、従来の矩形孔シャドウマスクの輝度お
よびホワイトユニフォーミティの劣化をなくすことがで
きる。しかも蛍光体スクリーンの中央部は周辺部にくら
べて蛍光体層に対する電子ビームのランディング余裕度
が大きいので、垂直軸上の開孔を四隅部が左右に膨出し
た上下左右対称形状としたことにより、色ずれを生ずる
ことなく蛍光体スクリーンの中央部の輝度を向上させる
ことができる。
【0033】さらに、シャドウマスク焼付け用原版にお
いて、その大孔パターンおよび小孔パターンを矩形状の
主パターンとその主パターンの隅部から外方に突出した
矩形状の突出パターンとで構成すると、シャドウマスク
の開孔の隅部を所望量膨出させることができ、このシャ
ドウマスクを成形してカラー受像管に組込むことによ
り、蛍光体スクリーンの全域にわたり発光領域を欠けの
ないほぼ矩形状とすることができる。
【0034】さらにまた、矩形主パターンとこの主パタ
ーンの隅部から外方に矩形状に突出する突出パターンと
を多重露光により合成すると、容易に所要形状のパター
ンとすることができる。
【0035】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0036】図4にその一実施例である矩形孔シャドウ
マスクの開孔の配列パターンを示す。このシャドウマス
クは、正面から見た場合に矩形状に形成され、シャドウ
マスクの中心を通る垂直軸(Y軸)および水平軸(X
軸)を有している。このシャドウマスクは、ほぼ矩形状
開孔30を多数有し、これら開孔30の長手軸がシャドウマ
スクの垂直軸方向と一致するように形成されている。ま
た開孔30は、シャドウマスクの垂直軸に狭幅のブリッジ
部31を介して複数配置され、その垂直軸方向の開孔の垂
直列32がシャドウマスクの水平軸方向に所定ピッチで複
数列並列配置されたパターンに形成されている。
【0037】このシャドウマスクの開孔30は、フォトエ
ッチング法により形成され、カラー受像管に組込んだと
き、蛍光体スクリーンと対向する面に開口した大孔と、
反対の電子銃側の面に開口した小孔とを有し、その大孔
と小孔とが合致した境界部に開孔30の寸法、形状を規定
する内側に張出した張出部をもつ形状に形成されてい
る。
【0038】上記開孔30の平面形状は、シャドウマスク
上の座標位置により異なる。図1に示すように、x=0
のシャドウマスク中心を通る垂直軸およびその近傍の開
孔30については、大孔34の四隅部36L および小孔35の四
隅部36S がほぼ同一量左右外方に膨出している。それに
ともなって開孔30の四隅部36も左右外方に膨出し、左右
外方に膨出したほぼ同一量の膨出部37を有する上下左右
対称の形状に形成されている。
【0039】また、シャドウマスクの水平軸上では、図
2に示すように、x=0のシャドウマスクの中心から外
周部に近づくにしたがつて、大孔34のシャドウマスク外
周部側の2つの隅部36L および小孔35のシャドウマスク
外周部側の2つの隅部36S 、すなわち外側の各隅部36L
,36S の左右外方への膨出量が増大している。それに
ともなって開孔30は、外側の隅部36に左右外方にほぼ同
一大きさ膨出した上下一対の膨出部37を有し、これら膨
出部37がシャドウマスクの外周部に近い開孔30ほど、膨
出量が大きくなるように形成されている。また大孔34お
よび小孔35のシャドウマスク中心側の2つの隅部36L ,
36S 、すなわち内側の隅部36L ,36S の膨出量は、シャ
ドウマスクの外周部に近い開孔30ほど、次第に小さくし
てなるように形成され、シャドウマスクの中心と外周部
との中間の位置において、膨出量がほぼゼロとなるよう
に形成されている。したがってシャドウマスクの中心か
ら離間した外周部の開孔30は、その内側の隅部36の膨出
をなくした上下対称左右非対称の形状に形成されてい
る。
【0040】さらに、中間軸上たとえば対角軸(D軸)
(図4参照)上では、図3に示すように、x=0のシャ
ドウマスクの中心から外周部に近い開孔30ほど、大孔34
および小孔35の外側の隅部36L ,36S のうち、シャドウ
マスクの中心から遠い側、すなわちシャドウマスクの垂
直軸から遠い外側の隅部36La,36Lb,36Sa,36Sbのう
ち、水平軸から遠い外側の隅部36La,36Saがシャドウマ
スクの水平軸に近い外側の隅部36Lb,36Sbより外方に大
きく膨出している。それにともなって開孔30の外側の隅
部36のうち、シャドウマスクの中心から遠い外側の隅部
36は、近い外側の隅部36より外方に大きく膨出してお
り、開孔30の外側隅部には、上下一対の膨出部37が形成
されている。また大孔34および小孔35のシャドウマスク
の中心側の隅部36L ,36S 、すなわち内側の隅部36L ,
36S の膨出量は、シャドウマスクの垂直軸から離間した
開孔30ほど次第に小さくしてなり、最終的にゼロとなっ
ている。したがってシャドウマスクの中心から離間した
対角軸上の外周部の開孔30は、内側の隅部36の膨出をな
くした上下左右非対称の形状に形成されている。
【0041】このようにこのシャドウマスクの開孔30
は、シャドウマスクの中心から水平軸方向に離間して位
置する開孔30ほど、外側の2つの隅部の膨出量が増大
し、さらにウマスクの水平軸から垂直軸方向に離間して
位置する開孔30ほど、水平軸側の外側の隅部に比較して
水平軸から離間している側の隅部の膨出量が増大するよ
うに形成されている。
【0042】このシャドウマスクの座標位置により形状
の異なる開孔30の分布は、水平軸および垂直軸に関して
対称であり、水平軸および垂直軸により区分された4つ
の領域で同じ分布となっている。
【0043】なお、上記各開孔30の形状、特にその膨出
部37の大きさは、カラー受像管の品種、大きさ、シャド
ウマスクの板厚、開孔30の大きさなどにより異なる。し
かし、概してその膨出部37の膨出量(膨出長さ)は、開
孔30の中心における幅寸法(水平軸方向の長さ)の30%
以下にするとよい。
【0044】また、図2(a)に示したように膨出部37
は、開孔30のブリッジ31に隣接した側縁のうち、その直
線部の幅Dが開孔30の中心部の幅dとほぼ同じかまたは
それよりも大きくなるように形成されている。そのた
め、開孔30の隅部36が丸くなっているにもかかわらず、
十分な輝度が得られるようになっている。
【0045】上記のように開孔30を形成することによ
り、従来のシャドウマスクにくらべて、シャドウマスク
の中央部に対応する蛍光体スクリーンの中央部における
輝度を向上させることができる。同時に蛍光体スクリー
ンの外周部の発光領域の欠けをほぼ完全になくして、従
来蛍光体スクリーンの外周部に発生した発光領域の欠け
に基づく輝度およびホワイトユニフォーミティの劣化を
十分に改善することができる。
【0046】すなわち、通常矩形開孔を有するシャドウ
マスクが組込まれるカラー受像管の蛍光体スクリーン
は、上記シャドウマスクの開孔列に対応して垂直軸方向
に延在するストライプ状の3色蛍光体層で構成されるた
め、3色蛍光体層に対する電子ビームのランディングず
れは、画面全域にわたり、垂直軸方向にはほとんど問題
とならない。しかし水平方向のランディングずれは大き
な問題となる。しかし、通常蛍光体スクリーンの中央部
における水平軸方向のランディング余裕度は十分に大き
くなっているので、上記のようにシャドウマスクの中央
部における開孔30の四隅部36に左右外方に膨出した膨出
部37を設けて、発光領域が広くなるようにしても、他色
蛍光体層をランディングすることにより生ずる色ずれを
防止することができる。
【0047】一方、蛍光体スクリーンの水平軸方向の外
周部については、偏向にともなって電子ビームは、シャ
ドウマスクの水平軸方向の周辺部の開孔30を斜めに横切
って蛍光体層をランディングし、その電子ビームの傾斜
角が偏向の増大にともなって増大する。この蛍光体スク
リーンの水平軸方向の外周部の蛍光体層をランディング
する電子ビームが通過するシャドウマスクの水平軸方向
の周辺部の開孔30は、図3(a)に示したように外側に
隅部36に膨出部37が形成されて、上下対称左右非対称と
なっている。つまりこの開孔30は、図5(a)および
(b)に示すように、正面から見た場合は、上下対称左
右非対称であるが、この開孔30を電子ビームの経路方向
から眺めると、シャドウマスクの外周部側である外側に
形成された膨出部は見えなくなり、開孔30の隅部36が見
掛け上、鋭角化して丸みが小さくなる。また図1(c)
および(d)に示したように大孔34と小孔35とが合致し
た境界部に形成される張出部39のシャドウマスク板厚方
向の位置が開孔30の長辺部と短辺部とで異なり、開孔30
の四隅部近傍に長辺部と短辺部の張出部39による段差部
ができる。そのため、図5(a)および(b)からわか
るように、電子ビームの経路方向から見た場合、小孔の
内壁40は、張出部により波打って見えるようになるが、
電子ビームの経路方向からの開孔30の形状は、小孔の開
口縁41により規制されるようになる。その結果、蛍光体
層上の発光領域43を欠けがなくかつ四隅部の丸みの小さ
い矩形に近づけることができる。
【0048】また、水平軸からシャドウマスクの垂直軸
方向の外周部側に離間して位置する開孔30については、
上記のように大孔34と小孔35との境界部に形成される張
出部の位置が長辺部と短辺部とで異なり、開孔の四隅部
にそれらの段差部ができる。しかしこの開孔30を図3に
示したように上下対称左右非対称形状にすることによ
り、この開孔30を電子ビームの経路方向から眺めたと
き、シャドウマスクの外周部側である外側に形成された
膨出部37は見えず、かつ張出部の開孔隅部での段差の影
響をなくして、隅部が見掛け上鋭角化して丸みが小さく
なる。一方、開孔30の内側は、張出部の開孔隅部での段
差のために、図2に示した上下対称左右非対称の開孔30
と同様に小孔35の内壁が波打って見えるようになるが、
電子ビームの経路方向からの開孔形状は、小孔の開口縁
により規制されるようになる。その結果、蛍光体層上の
発光領域を欠けがなくかつ四隅部の丸みの小さい矩形に
近づけることができる。
【0049】これに対し、もしシャドウマスクの水平軸
上および中間軸上の開孔を図1に示した垂直軸上および
その近傍の開孔30と同様に四隅部に外方に膨出した膨出
部をもつ上下左右対称形状に形成したと仮定すると、こ
の場合、図6に示すように、この開孔30a を斜めに横切
る電子ビームの経路方向から眺めた場合、外側の膨出部
は見えなくなり、シャドウマスクの水平軸上および中間
軸上の開孔同様に問題はない。しかし開孔30a の内側の
膨出部37が現れ、開孔30a が顕著に変形して見えるよう
になる。その結果、蛍光体スクリーン上の発光領域43も
膨出部44をもつ形に変形し、その膨出部44が他色蛍光体
層を発光させて色ずれを生じ、ホワイトユニフォーミテ
ィを劣化させる。また、3色蛍光体層間にストライプ状
光吸収層を有する蛍光体スクリーンに対しては、その光
吸収層を直線状に形成することができなくなり、外観む
らを生ずるなどの問題が発生する。
【0050】したがって上記のように構成されたシャド
ウマスクによれば、座標位置により開孔30の形状、特に
膨出部37の膨出量を変化させることにより、従来発生し
た画面外周部での発光領域の欠けをなくして、輝度やホ
ワイトユニフォーミティの劣化を防止でき、かつ画面中
央部の輝度を色ずれを生ずることなく高めることができ
る。したがって、この例のシャドウマスクは、通常のカ
ラー受像管の矩形孔シャドウマスクは勿論、この通常の
カラー受像管のシャドウマスクにくらべて板厚が厚くか
つ曲率半径が大きく、同じ偏向角でもより斜めに開孔を
横切るフラットスクエア管のシャドウマスクに適用し
て、大きな効果が得られる。
【0051】上記構成のシャドウマスクの開孔30は、フ
ォトエッチング法により形成される。すなわち、マスク
素材板の両面に感光剤を塗布して感光剤被膜を形成し、
この両面の感光剤被膜に、形成しようとする開孔に対応
するパターンの形成された一対のシャドウマスク焼付け
用原版を密着して、その原版のパターンを焼付け(露
光)、現像して、この一対のシャドウマスク焼付け用原
版のパターンに対応したマスク素材板の露出部をもつレ
ジストパターンを形成する。その後、このレジストパタ
ーンの形成されたマスク素材板を両面からエッチングす
ることにより形成される。
【0052】つぎに、上記シャドウマスク焼付け用原版
およびその製造方法について説明する。
【0053】図7(a)および(b)に示すように、シ
ャドウマスク焼付け用原版は、マスク素材の一方の面に
小孔を形成するための小孔用原版46a と、マスク素材の
他方の面に大孔を形成するための大孔用原版46b とから
なる。この一対の小孔用および大孔用原版46a ,46b
は、それぞれ矩形開孔を有するシャドウマスクのほぼ矩
形状の開孔に対応する後述する小孔パターン47a および
大孔用パターン47b を有し、これらパターン47a ,47b
がそれぞれ原版46a ,46b の垂直軸方向(Y軸方向)に
狭幅のブリッジ部48a ,48b を介して複数配列され、こ
の垂直軸方向の配列が水平軸方向(X軸方向)に所定ピ
ッチ複数列配列されている。
【0054】上記小孔パターン47a は、図8(a)に示
すように、矩形主パターン50a と、この主パターン50a
の四隅部に矩形状に突出形成された突出パターン51a1,
51a2,51a3,4514とにより構成されている。同様に大孔
用パターン47b は、同(b)に示すように、矩形主パタ
ーン50b と、この主パターン50b の四隅部に矩形状に突
出形成された突出パターン51b1,51b2,51b3,51b4とに
より構成されている。これら突出パターン51a1,51a2,
51a3,51a4および51b1,51b2,51b3,51b4は、幅、突出
長さ、突出角度、突出位置が規制される。すなわち、図
9(a)ないし(d)に小孔および大孔パターンの主パ
ターンを50、突出パターンを51として示すように、突出
パターン51の幅Wについては、小孔および大孔パターン
とも、10μm以下では、マスク素材に塗布形成される感
光剤被膜、たとえば牛乳カゼインと重クロム酸塩からな
る感光剤被膜の解像度の不足から所定形状の突出パター
ン51が形成されず、所要の開孔が得られない。また 100
μm 以上では、開孔の隅部の丸みが大きくなりすぎ、矩
形に近い発光領域が得られなくなる。そのため、突出パ
ターン51の幅Wは、 10μm ≦W≦100μm 好ましくは 20μm ≦W≦80μm の範囲に設定される。
【0055】また、突出長さについては、小孔および大
孔パターンとも、マスク素材の板厚をTとするとき、垂
直軸方向の突出長さLy が0.5T以上になると、所望
のエッチング時間内における板厚方向のエッチング量が
突出パターン51の先端部および主パターン50近傍の部分
に比較して、突出パターン51の中間部では少なく、小孔
および大孔の隅部を膨出させることはできるものの、開
孔の隅部を膨出させることができなくなる。そのため、
垂直軸方向の突出長Ly は、 0≦Ly ≦0.5T 好ましくは 0.1T≦Ly ≦0.4T の範囲に設定される。なお、水平軸方向の突出長さLX
は、垂直軸方向の突出長さLy が決まれば、必然的に決
まる。
【0056】また、突出角度については、原版の水平軸
となす角度θが90°以上になると、開孔の隅部の膨出
方向が目的とする方向から外れ、かつ開孔の隅部の丸み
が大きくなりすぎ、蛍光体スクリーン上に矩形に近い発
光領域が得られなくなる。そのため、突出角度θは、 0°≦θ≦90° 好ましくは 10°≦θ≦80° の範囲に設定される。
【0057】さらに、突出位置については、矩形主パタ
ーン50の幅をHとし、矩形主パターン50の長辺52から突
出パターン51の中心軸が主パターン50側の短辺54と交わ
る点までの距離をPとするとき、Pが(1/2)H以上
になると、突出パターン51が主パターン44の内側に入り
すぎて、所定形状の開孔が得られなくなるため、 0≦P≦(1/2)H 好ましくは 0≦P≦(3/8)H の範囲に設定される。
【0058】上記ような決定される小孔および大孔パタ
ーンとして、図8には、突出パターン51a1,51a2,51a
3,51a4および51b1,51b2,51b3,51b4を主パターン50a
,50b の水平軸(X軸)に関してして上下対称、垂直
軸(Y軸)に関して左右非対称に配置したものを示し
た。しかし前述したシャドウマスクの開孔の形成に使用
されるシャドウマスク焼付け用原版では、各主パターン
50a ,50b に対して、その突出パターン51a1,51a2,51
a3,51a4および51b1,51b2,51b3,51b4を上下左右対
称、上下対称左右非対称、上下左右非対称に配置したパ
ターンで構成され、それらがシャドウマスク焼付け用原
版の水平軸および垂直軸により4分割された各領域ごと
に最適の分布で配置され、かつその分布がシャドウマス
ク焼付け用原版の水平軸および垂直軸に関して対称とな
っている。
【0059】すなわちこのシャドウマスク焼付け用原版
の一例では、小孔パターンおよび大孔パターンは、シャ
ドウマスク焼付け用原版の中心を通る垂直軸上およびそ
の近傍では、主パターンの四隅部から上下左右対称に突
出した突出パターンを有している。そして原版の中心か
ら水平軸に沿って外周部に近づくにしたがって、偏向の
増大にともなってシャドウマスクの開孔を斜めに横切る
電子ビームの衝突に基づく蛍光体スクリーン上の発光領
域の欠けを防止するため、外側の突出パターンを内側の
突出パターンよりも大きく突出させた上下対称左右非対
称となっている。
【0060】また、シャドウマスク焼付け用原版の中間
軸上、たとえば対角軸上に位置するパターンについて
は、原版の中心より遠い外側の突出パターンを原版の中
心に近い内側の突出パターンよりも大きく突出させた上
下対称左右非対称となっている。
【0061】具体例として、25インチ形カラー受像管
のシャドウマスク焼付け用原版について示すと、この原
版では、小孔用原版の矩形主パターンは、長さが0.8
7mm、幅が原版の中央部で0.11mm、原版の水平軸方
向の外周部で0.15mmに形成されている。一方、大孔
用原版の矩形主パターンは、長さが0.75mm、幅が原
版の中央部で0.33mm、原版の水平軸方向の外周部で
0.525mmに形成されている。そしてその各主パター
ンの四隅部に表1に示す突出パターンが形成されてい
る。
【0062】
【表1】
【0063】なお、表1において、位置を示すC、V、
H、Dは、それぞれシャドウマスク焼付け用原版の中
心、垂直軸端部、水平軸端部、対角軸端部を表してい
る。
【0064】図10は、小孔パターン47a と大孔パター
ン47b とを正しく重ね合せた場合のシャドウマスク焼付
け用原版の中心、垂直軸端部、水平軸端部、対角軸端部
のそれぞれ位置における小孔パターン47a と大孔パター
ン47b との重なり状態を示したものである。
【0065】このようなシャドウマスク焼付け用原版
は、矩形パターンを作画可能な描画機(たとえば米国ガ
ーバー社製フォトプロッター)を用いて描画される。す
なわち、小孔用原版については、図11に示すように製
造される。まず同(a)に示すように、ネガ原版に長さ
sL 、幅sw の矩形主パターン50a を露光する。つぎに
同(b)に示すように、その主パターン50a の第1隅部
に幅sw1の突出パターン51a1が主パターン50a の長さ方
向にsb1、幅方向にsa1突出するように水平軸に対して
角度sk1で露光する。ついで同(c)に示すように、主
パターン50a の第2隅部に幅sw2の突出パターン51a2が
主パターン50a の長さ方向にsb2、幅方向にsa2突出す
るように水平軸に対して角度sk2で露光する。ついで同
(d)に示すように、主パターン50a の第3隅部に幅s
w3の突出パターン51a3が主パターン50a の長さ方向にs
b3、幅方向にsa3突出するように水平軸に対して角度s
k3で露光する。さらに同(e)に示すように、主パター
ン50a の第4隅部に幅sw4の突出パターン51a4が主パタ
ーン50a の長さ方向にsb4、幅方向にsa4突出するよう
に水平軸に対して角度sk4で露光する。これにより1個
の小孔パターンの潜像が形成される。この主パターン50
a およびこの主パターン50a に対する突出パターン51a
1,51a2,51a3,51a4の露光を、ネガ原版全域にわたり
繰返しおこなったのち、現像することにより所要の小孔
用原版が製造される。
【0066】また、大孔用原版についても同様の方法に
より製造される。すなわち、図12(a)に示すよう
に、まずネガ原版に長さLL 、幅Lw の矩形主パターン
50b を露光する。つぎに同(b)に示すように、その主
パターン50b の第1隅部に幅Lw1の突出パターン51b1が
主パターン50b の長さ方向にLb1、幅方向にLa1突出す
るように水平軸に対して角度Lk1で露光する。ついで同
(c)に示すように、主パターン50b の第2隅部に幅L
w2の突出パターン51b2が主パターン50b の長さ方向にL
b2、幅方向にLa2突出するように水平軸に対して角度L
k2で露光する。ついで同(d)に示すように、主パター
ン50b の第3隅部に幅Lw3の突出パターン51b3が主パタ
ーン50b の長さ方向にLb3、幅方向にLa3突出するよう
に水平軸に対して角度Lk3で露光する。さらに同(e)
に示すように、主パターン50b の第4隅部に幅Lw4の突
出パターン51b4が主パターン50b の長さ方向にLb4、幅
方向にLa4突出するように水平軸に対して角度Lk4で露
光する。このような主パターン50b の露光およびこの主
パターン50b に対する突出パターン51a1,51b2,51b3,
51b4の露光を、ネガ原版全域にわたり繰返しおこなった
のち、現像することにより所要の大孔用原版が製造され
る。
【0067】以上のように製造されたシャドウマスク焼
付け用原版を用いると、図1ないし図4に示したように
シャドウマスクの座標位置に応じて膨出部37の膨出量が
異なるシャドウマスクを製造することができる。
【0068】また、上記シャドウマスク焼付け用原版の
製造方法によれば、所要のシャドウマスク焼付け用原版
を容易に製造することができる。
【0069】つぎに、他の実施例について説明する。
【0070】シャドウマスクについて、前記実施例で
は、シャドウマスクの垂直軸上およびその近傍に位置す
る開孔を、その四隅部に膨出部を有する構成としたが、
図13に示すように、大孔34、小孔35および開孔30を四
隅部に膨出部をもたない矩形状としてもよい。このよう
な開孔30を形成する場合も、シャドウマスク焼付け用原
版については、形成される開孔30の四隅部が丸くならな
いように大孔パターンおよび小孔パターンは、主パター
ンの四隅部から突出した突出パターンを有するものが用
いられる。
【0071】また、前記実施例では、水平軸から離間し
た開孔ほど、外側の隅部のうち、水平軸から離間した一
方の隅部を水平軸に近い他方の隅部よりも、膨出量の多
い上下左右非対称形状とした。しかしカラー受像管の品
種によっては、水平軸からの距離を考慮せず、シャドウ
マスクの中心から水平軸方向の距離のみを考慮して、開
孔の隅部の膨出量を変化させるようにしてもよい。すな
わちシャドウマスクの水平軸を横切る垂直列のすべての
開孔の形状を水平軸方向に並列する各垂直列の水平軸上
の開孔の形状と同じ形状としてよい。
【0072】また、前記実施例では、大孔の短辺および
長辺の中央部分を直線状として、隅部を膨出したシャド
ウマスクについて述べたが、この大孔の形状としては、
図14に示すように、その短辺53の中央部分を開孔30方
向に膨出させた形状としてもよい。また図15に示すよ
うに、短辺53の中央部分を開孔30方向に膨出させるとと
もに、開孔30の膨出部37形成側に対応する長辺54の中央
部分を開孔30方向に膨出させた形状としてもよい。
【0073】さらに、シャドウマスク焼付け用原版につ
いては、前記実施例では、1個の主パターンの四隅部に
突出パターンを合成して所要の小孔および大孔パターン
の潜像を形成し、これを繰返すことにより小孔および大
孔原版を製造した。しかしシャドウマスク焼付け用原版
の製造方法としては、図16(a)に示すように、あら
かじめすべての主パターン50a ,50b を露光し、つぎに
同(b)に示すように、そのすべての主パターン50a ,
50bの第1隅部に突出パターン51a1あるいは51b1(図示
せず)を露光する。ついで同(c)ないし同(d)に示
すように、順次その主パターン50a ,50b の第2ないし
第4隅部に突出パターン51a2〜51a4、あるいは51b2〜51
b4(図示せず)を露光する方法でも製造することができ
る。
【0074】さらに、前記実施例では、小孔原版と大孔
原版とをマスク素材に正しく重ね合せたとき、シャドウ
マスクの中心から垂直軸方向および水平軸方向の外周部
に離間するにしたがって、小孔に対して大孔が外側にず
れたオフセンター形のシャドウマスクの製造するための
シャドウマスク焼付け用原版について説明したが、この
発明は、すべての小孔パターンと大孔パターンとが完全
に同軸となる一対のシャドウマスク焼付け用原版にも適
用することができる。
【0075】
【発明の効果】所定のパターンに配列された多数のほぼ
矩形状開孔を有するシャドウマスクにおいて、シャドウ
マスクの座標位置に応じてその開孔形状、特にその水平
軸方向外方へ膨出した膨出部の膨出量を水平軸方向にシ
ャドウマスクの中心から外周部に離間するほど、開孔の
外側の膨出部の膨出量を大きくすると、偏向の増大にと
もなって開孔を斜めに横切る電子ビームの経路方向から
開孔を眺めたときの開孔形状を正しいほぼ矩形状とする
ことができ、それにより従来開孔を斜めに横切る電子ビ
ームの一部が蛍光体スクリーン側開口縁部や開孔内壁に
衝突して蛍光体スクリーンに到達しないために生じた蛍
光体層上の発光領域の欠けをなくすことができ、従来の
矩形孔シャドウマスクの輝度およびホワイトユニフォー
ミティの劣化をなくすことができる。
【0076】特に開孔の水平軸方向に延びる両端縁が開
孔の中心部における水平方向の幅よりも長い直線状とし
たシャドウマスクについては、偏向の増大にともなって
開孔を斜めに横切る電子ビームの経路方向から開孔を眺
めたときの開孔形状をより正しい所望の矩形状とするこ
とができる。それにより蛍光体層上の発光領域の形状を
より良好にして、輝度およびホワイトユニフォーミティ
を一層向上させることができる。
【0077】また、シャドウマスクの中心を通る垂直軸
上の開孔を四隅部から水平軸方向外方へ膨出した膨出部
を有する上下左右対称形状とし、垂直軸上の開孔以外の
開孔の垂直軸から離間した一対の外側隅部から水平軸方
向外方へ膨出した一対の第1の膨出部の膨出量を垂直軸
から離間した開孔ほど大きくし、垂直軸側に位置した一
対の内側隅部に水平軸方向外方へ膨出した一対の第2の
膨出部の膨出量を垂直軸から離間した開孔ほど徐々に小
さくすると、偏向の増大にともなって開孔を斜めに横切
る電子ビームの経路方向から開孔を眺めたときの開孔形
状を正しいほぼ矩形状として、従来開孔を斜めに横切る
電子ビームの一部が蛍光体スクリーン側開口縁部や開孔
内壁に衝突して蛍光体スクリーンに到達しないために生
じた蛍光体層上の発光領域の欠けをなくすことができ、
従来の矩形開孔を有するシャドウマスクの輝度およびホ
ワイトユニフォーミティの劣化をなくすことができる。
しかも蛍光体スクリーン中央部は周辺部にくらべて蛍光
体層に対する電子ビームのランディング余裕度が大きく
なり、色ずれを生ずることなく蛍光体スクリーン中央部
の輝度を向上させることができる。
【0078】さらに、シャドウマスク焼付け用原版にお
いて、その大孔パターンおよび小孔パターンを矩形状の
主パターンとその主パターンの隅部から外方に突出した
矩形状の突出パターンとで構成すると、シャドウマスク
の開孔の隅部を所望量膨出させることができ、このシャ
ドウマスクを成形してカラー受像管に組込むことによ
り、蛍光体スクリーンの全域にわたり発光領域を欠けの
ないほぼ矩形状とすることができる。
【0079】さらにまた、矩形主パターンとこの主パタ
ーンの隅部から外方に矩形状に突出する突出パターンと
を多重露光により合成して形成すると、容易に所要形状
のパターンとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の一実施例に係るシャド
ウマスクの垂直軸上の大孔の形状を示す平面図、図1
(b)は垂直軸上の小孔の形状を示す平面図、図1
(c)はその図1(a)における大孔のC−C断面図、
図1(d)は図1(a)における大孔のD−D断面図で
ある。
【図2】図2(a)は同じくこの発明の一実施例に係る
シャドウマスクの水平軸上の大孔の形状を示す平面図、
図2(b)はシャドウマスクの水平軸上の小孔の形状を
示す平面図である。
【図3】図3(a)は同じくこの発明の一実施例に係る
シャドウマスクの対角軸上の大孔の形状を示す平面図、
図3(b)はシャドウマスクの対角軸上の小孔の形状を
示す平面図である。
【図4】矩形孔シャドウマスクのほぼ矩形状開孔の配列
パターンを示す図である。
【図5】図5(a)および(b)はそれぞれ水平軸方向
の周辺部の開孔をこの開孔を斜めに横切る電子ビームの
経路方向上から眺めたときの開孔の形状と蛍光体層上の
発光領域との関係を説明するための図である。
【図6】四隅部に膨出部をもつ開孔を斜めに横切る電子
ビームの経路方向から眺めたときの開孔形状と蛍光体層
上の発光領域との関係を説明するための図である。
【図7】図7(a)はこの発明の一実施例に係るシャド
ウマスク焼付け用原版の小孔用原版の小孔パターンの配
列を示す図、図7(b)はシャドウマスク焼付け用原版
の大孔用原版の大孔パターンの配列を示す図である。
【図8】図8(a)はこの発明の一実施例に係るシャド
ウマスク焼付け用原版の小孔パターンの形状を示す図、
図8(b)はシャドウマスク焼付け用原版の大孔パター
ンの形状を示す図である。
【図9】図9(a)ないし(d)はそれぞれ小孔パター
ンおよび大孔パターンの突出パターンの幅、突出長さ、
突出角度および主パターンに対する突出位置を説明する
ための図である。
【図10】図10(a)はシャドウマスク焼付け用原版
の中心において小孔パターンと大孔パターンとを合致さ
せた状態を示す図、図10(b)はシャドウマスク焼付
け用原版の垂直軸端部における小孔パターンと大孔パタ
ーンとを合致させた状態を示す図、図10(c)はシャ
ドウマスク焼付け用原版の水平軸端部における小孔パタ
ーンと大孔パターンとを合致させた状態を示す図、図1
0(d)はシャドウマスク焼付け用原版の対角軸端部に
おける小孔パターンと大孔パターンとを合致させた状態
を示す図である。
【図11】図11(a)ないし(e)はそれぞれシャド
ウマスク焼付け用原版の小孔パターンの形成方法を説明
するための図である。
【図12】図12(a)ないし(e)はそれぞれシャド
ウマスク焼付け用原版の大孔ターンの形成方法を説明す
るための図である。
【図13】図13(a)はこの発明の他の実施例に係る
異なるシャドウマスク焼付け用原版を説明するために示
した四隅部に膨出部をもたないシャドウマスクの開孔の
大孔を示す平面図、図13(b)は四隅部に膨出部をも
たないシャドウマスクの開孔の小孔を示す平面図であ
る。
【図14】この発明の他の実施例に係る異なるシャドウ
マスクの開孔を示す平面図である。
【図15】この発明の他の実施例に係るさらに異なるシ
ャドウマスクの開孔を示す平面図である。
【図16】図16(a)ないし(e)はそれぞれこの発
明の他の実施例に係るシャドウマスク焼付け用原版の小
孔パターンおよび大孔パターンの他の形成方法を説明す
るための図である。
【図17】カラー受像管の全体の構成を示す図である。
【図18】図18(a)は従来のカラー受像管のシャド
ウマスクのほぼ矩形状の開孔を示す平面図、図18
(b)は図18(a)における開孔のB−B断面図、図
18(c)は図18(a)における開孔のC−C断面図
である。
【図19】図18に示した従来の開孔とこの開孔を斜め
に横切る電子ビームとの関係を説明するための図であ
る。
【図20】従来のシャドウマスクのほぼ矩形状の開孔の
大孔と小孔との境界部に形成される張出部を説明するた
めの展開図である。
【図21】従来のシャドウマスクのほぼ矩形状の開孔と
この開孔を斜めに横切る電子ビームにより蛍光体層上に
形成される発光領域との関係を説明するための図であ
る。
【図22】図22(a)は従来のオフセンター形シャド
ウマスクの中央部の開孔形状を示す平面図、図22
(b)はそのB−B断面図である。
【図23】図23(a)は従来のオフセンター形シャド
ウマスクの水平軸方向の外周部の開孔を示す平面図、図
23(b)はそのB−B断面図である。
【図24】図24(a)は従来のオフセンター形シャド
ウマスクの対角軸方向の外周部の開孔を示す平面図、図
24(b)はそのB−B断面図、図24(e)はそのC
−C断面図である。
【図25】従来のフラットスクエア管用シャドウマスク
の開孔とこの開孔を斜めに横切る電子ビームとの関係を
説明するための図である。
【図26】図26(a)は従来のシャドウマスクのほぼ
矩形状の開孔の問題点を解決するために改良されたシャ
ドウマスクの開孔を示す平面図、図26(b)は図26
(a)における開孔のB−B断面図、図26(c)は図
26(a)における開孔のC−C断面図である。
【図27】図27(a)は図26に示したシャドウマス
クの問題点を解決するためのほぼ矩形状の開孔の平面
図、図27(b)は図27(a)におけるB−B断面
図、図27(c)は図27(a)におけるC−C断面図
である。
【図28】図28(a)および(b)はそれぞれ従来の
シャドウマスクのほぼ矩形状の開孔の問題点を解決する
ために改良されたシャドウマスクの開孔を示す平面図で
ある。
【図29】図29は従来のシャドウマスクのほぼ矩形状
の開孔の問題点を解決するために改良された異なるシャ
ドウマスクの開孔を示す平面図である。
【図30】従来のシャドウマスクのほぼ矩形状の開孔の
問題点を解決するために改良されたシャドウマスクの開
孔を形成するシャドウマスク焼付け用原版のパターンを
示す図である。
【図31】従来のシャドウマスクのほぼ矩形状の開孔の
問題点を解決するために改良されたさらに異なるシャド
ウマスクの開孔を示す平面図である。
【図32】図32(a)は従来のシャドウマスクのほぼ
矩形状の開孔の問題点を解決するために改良されたさら
に異なる他のシャドウマスクの開孔形状を示す図、図3
2(b)はその開孔を形成するシャドウマスク焼付け用
原版のパターンを示す図である。
【図33】従来のシャドウマスクのほぼ矩形状の開孔の
問題点を解決するために改良されたさらに異さらに他の
シャドウマスク焼付け用原版のパターンを示す図であ
る。
【符号の説明】
30…開孔 31…ブリッジ 32…垂直列 34…大孔 35…小孔 36…隅部 36L …大孔の四隅部 36S …小孔の四隅部 37…膨出部 39…張出部 46a …小孔用原版 46b …大孔用原版 47a …小孔パターン 47b …大孔パターン 50a ,50b …矩形主パターン 51a1,50a2,51a3,50a4…突出パターン 51b1,50b2,51b3,50b4…突出パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平2−320427 (32)優先日 平2(1990)11月22日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ矩形状に形成され、中心を通る垂直
    軸および中心を通る水平軸を有し、所定のパターンに配
    列された多数のほぼ矩形状開孔を有するシャドウマスク
    において、上記開孔の各々は上記垂直軸とほぼ平行な長
    手軸を有し、これら開孔は複数の開孔を上記垂直軸と平
    行に並べてなる垂直列が上記水平軸方向に所定のピッチ
    で複数並んで形成されるように配列され、各垂直列内の
    隣合う開孔がブリッジ部により垂直軸方向に離間され、
    上記垂直軸上の開孔以外の開孔が上記垂直軸から離間し
    た一対の外側隅部と、上記垂直軸側に位置した一対の内
    側隅部と、上記外側隅部からそれぞれ水平軸方向外方へ
    膨出した一対の膨出部とを有し、この膨出部が上記垂直
    軸から離間した開孔ほど徐々に膨出量が大きくなるよう
    に形成されていることを特徴とするシャドウマスク。
  2. 【請求項2】 各開孔はブリッジ部により規定された両
    端縁を有し、この両端縁が水平軸方向に延び、この両端
    縁が開孔の中心部における水平軸方向の幅よりも長い直
    線状となっていることを特徴とする請求項1記載のシャ
    ドウマスク。
  3. 【請求項3】 ほぼ矩形状に形成され、中心を通る垂直
    軸および中心を通る水平軸を有し、所定のパターンに配
    列された多数のほぼ矩形状開孔を有するシャドウマスク
    において、上記開孔の各々は上記垂直軸とほぼ平行な長
    手軸を有し、これら開孔は複数の開孔を上記垂直軸と平
    行に並べてなる垂直列が上記水平軸方向に所定のピッチ
    で複数並んで形成されるように配列され、各垂直列内の
    隣合う開孔がブリッジ部により垂直軸方向に離間され、
    上記垂直軸上の各開孔が四隅部から水平軸方向外方へ膨
    出した膨出部を有して上下左右対称形状に形成され、上
    記垂直軸上の開孔以外の開孔が上記垂直軸から離間した
    一対の外側隅部と、上記垂直軸側に位置した一対の内側
    隅部と、上記外側隅部からそれぞれ水平軸方向外方へ膨
    出した一対の第1の膨出部と、上記内側隅部からそれぞ
    れ水平軸方向外方へ膨出した一対の第2の膨出部とを有
    し、上記第1の膨出部が上記垂直軸から離間した開孔ほ
    ど徐々に膨出量が大きくなるように形成され、上記第2
    の膨出部が上記垂直軸から離間した開孔ほど徐々に膨出
    量が小さくなるように形成されていることを特徴とする
    シャドウマスク。
  4. 【請求項4】 複数のほぼ矩形状の開孔がブリッジ部に
    より垂直軸方向に離間して並べられてなる垂直列が、水
    平軸方向に所定のピッチで複数並んで形成されてなるシ
    ャドウマスクであり、上記複数の各開孔がシャドウマス
    クの一方の面に開口した大孔とシャドウマスクの他方の
    面に開口した小孔とを有するシャドウマスクの製造に用
    いられるマスク素材板の表面に上記大孔および小孔に対
    応するパターンを焼付けるためのシャドウマスク焼付け
    用原版において、上記大孔に対応する多数の大孔パター
    ンを有し、上記マスク素材板の一方の面に対設される大
    孔原版と、上記小孔に対応する多数の小孔パターンを有
    し、上記マスク素材板の他方の面に対設される小孔原版
    とからなり、上記大孔パターンおよび小孔パターンがそ
    れぞれ矩形状の主パターンと、この主パターンの隅部か
    ら外方に突出した矩形状の突出パターンとを有すること
    を特徴とするシャドウマスク焼付け用原版。
  5. 【請求項5】 座標位置に応じて平面形状の異なるほぼ
    矩形状の複数の開孔を有し、この複数の各開孔がシャド
    ウマスクの一方の面に開口した大孔とシャドウマスクの
    他方の面に開口した小孔とを有するシャドウマスクの製
    造に用いられるマスク素材板の表面に上記大孔および小
    孔に対応するパターンを焼付けるためのシャドウマスク
    焼付け用原版であり、上記大孔パターンおよび小孔パタ
    ーンがそれぞれ矩形状の主パターンと、この主パターン
    の隅部から外方に突出した矩形状の突出パターンとを有
    するシャドウマスク焼付け用原版の製造方法において、
    ネガ原版に上記矩形状の主パターンを露光する工程と、
    この主パターンの隅部に外方に突出した矩形状の突出パ
    ターンを多重露光して上記主パターンに合成する工程と
    を備え、かつこの合成する工程が上記ネガ原版の座標位
    置に応じて上記突出パターンの幅、突出長さ、突出角度
    および上記主パターンに対する突出位置を変化させる工
    程を含むことを特徴とするシャドウマスク焼付け用原版
    の製造方法。
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