JPH0567353A

JPH0567353A - 光情報記録媒体

Info

Publication number: JPH0567353A
Application number: JP3138533A
Authority: JP
Inventors: Tatsuya Tomura; 辰也戸村; Noboru Sasa; 登笹
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 1991-04-08
Filing date: 1991-04-08
Publication date: 1993-03-19

Abstract

(57)【要約】【目的】記録層厚が均一でかつ基板変化のない情報記
録媒体を提供すること。【構成】基板上に直接又は下引き層を介して有機色素
を主成分とする記録層を設け、さらに必要に応じて保護
層を設けてなる光情報記録媒体において前記記録層又は
下引き層の少なくとも一方に下記一般式（１）で表わさ
れる化合物【化１】

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光情報記録媒体に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】これまで、光情報記録媒体として基板上
に低融点金属または低融点金属と誘導体とからなる記録
層を設けたものなどが提案されているがこれらは保存性
が悪い。分解能が低い、記録密度が低い、製造条件が難
しくコスト高になるなどの欠点を有する。そこで、最近
になって記録層として金属薄膜に代えて有機色素薄膜を
使用することが提案されている。この有機色素薄膜は融
点、分解温度が低く、熱伝導率も低いので高感度、高密
度化の可能性があること、また膜形成がコーティングに
より可能なため量産性が高く、低コスト化が期待できる
などの利点がある。

【０００３】従来、前記有機色素被膜として、シアニン
色素やメロシアニン色素等のポリメチン色素を主成分と
する被膜を用いることは知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
有機色素を主成分とする記録層を有する情報記録媒体を
得るために、インジェクション工法で形成されたプラス
チック基板〔例えば、ポリカーボネート（ＰＣ）やポリ
メチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）〕上にコーティング
法により記録層を形成することは知られている。この場
合、有機色素のコーティング用溶媒としては、基板の耐
溶剤性との関連で、通常、アルコール系又は水系の溶媒
が用いられる。しかし、このようなアルコール系や水系
の溶媒を用いてインジェクション基板にコーティングを
行うと、基板が溶媒をはじくための良好な色素膜を得る
ことができない。そこでこのはじきの問題を避けるため
に、アルコール系溶媒に少量のハロゲン系溶媒やケトン
系溶媒等を加えてコーティングを行うと、記録層として
の適する色素膜は得られるものの、基板の膨潤が起り、
信号レベルの変化が生じるという問題が残る。

【０００５】そこで、本発明は、プラスチックを基板と
する情報記録媒体に見られる前記問題を解決し、記録膜
厚が均一でかつ基板変化のない情報記録媒体を提供する
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、主にプラスチ
ック基板を用いる光学情報記録媒体に於ける記録層又は
下引き層中あるいは両方に下記一般式（１）で示す化合
物を含有させることにより達成される。

【０００７】

【化３】

【０００８】本発明の光情報記録媒体には、基本的には
プラスチック基板上に前記一般式（１）から選ばれる少
なくとも１種の化合物を記録層に含有させることにより
構成されるが、必要に応じて基板と記録層との間に下引
き層をあるいは記録層の上に保護層を設けることができ
る。また、このようにして構成された一対の記録媒体を
記録層を内側にして他の基板と空間を介して密封したエ
アーサンドイッチ構造にしてもよくあるいは保護層を介
して接着した密着サンドイッチ（貼合せ構造）にしても
よい。保護層は、記録層上にあってもよいし、記録層と
反対側の基板表面にあってもよい。

【０００９】次に、本発明の光情報記録媒体を構成する
材料および各層の必要特性について具体的に説明する。

【００１０】（１）基板基板の必要特性としては基板側より記録再生を行う場合
のみ使用レーザー光に対して透明でなければならず、記
録側から行う場合は透明である必要はない。基板材料と
しては、プラスチック、例えばポリエステル、アクリル
樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどを用いることができ
る。

【００１１】なお、基板の表面にはアドレス信号などの
プレフォーマットや案内溝のプレグループが形成されて
いてもよい。

【００１２】（２）記録層記録層はレーザ光の照射により何らかの光学的変化を生
じさせその変化により情報を記録できるもので、その主
成分が有機色素からなり、さらに、記録層の安定性向上
のために、前記一般式（１）の中から選ばれる少なくと
も１種のエステル化合物を含有する。

【００１３】このエステル化合物の含有割合は、ポリメ
チン系色素に対して、０．０１〜１０重量％、好ましく
は０．１〜３重量％である。このエステル化合物を記録
層中に含有させるには、このものをポリメチン系色素と
同一の溶媒に混合してポリメチン系色素と同一の溶媒に
混合し、同時にコーティングしてもよいし先に前記ポリ
エステル系化合物を薄膜（厚さ：１０Å−１０００Å、
好ましくは２０Å−２００Å）をコーティングし、その
上にポリメチリン系色素をコーティングしてもよい。

【００１４】ポリメチン系色素には、シアニン色素、メ
ロシアニン色素、クロコニウム色素、ピリリウム色素等
が包含され、その具体例としては、例えば、特開昭５８
−１９４５９５号公報等に記載されている。

【００１５】ポリメチン系色素及び前記エステル化合物
を基板上にコーティングするために用いる溶媒として
は、アルコール系溶媒が用いられ、このようなアルコー
ル溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等の炭素数１〜６の低級アルコールや、
それらの混合物が挙げられる。

【００１６】本発明における記録層には、記録特性及び
安定性向上のために、必要に応じ、他の染料、例えば
（＋）フタロシアニン系、テトラヒドロコリン系、ジオ
キサジン系、トリフェノチアジン系、フェナンスレン
系、アントラキノン系、キサンチン系、トリフェニルメ
タン系、トリフェニルアミン系、アズレン系染料や、金
属又は金属化合物、例えば、Ｉｎ，Ｓｎ，Ｔｅ，Ｂｉ，
Ａｌ，Ｓｅ，ＴｅＯ₂，ＳｎＯ，Ａｇ，Ｃｄ，Ｚｎ等を
分散含有させてもよく、また積層してもよい。記録層に
は、その他、高分子材料、保存安定剤（金属錯体、フェ
ノール系化合物）、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤等を
含有させることができる。記録層の膜厚は１００Å〜１
０μｍ、好ましくは２００〜２０００Åである。記録層
の形成方法としては、溶剤塗工法、例えば、浸漬コーテ
ィング、スプレーコーティング、スピンナーコーティン
グ、ブレードコーティング、ローラコーティング、カー
テンコーティング等を用いることができる。

【００１７】（３）下引き層下引き層は（ａ）接着性の向上、（ｂ）水又はガスなど
のバリヤー、（ｃ）記録層の保存安定性の向上及び
（ｄ）反射率の向上、（ｅ）溶剤からの基板の保護、
（ｆ）プレグループの形成などを目的として使用され
る。（ａ）の目的に対しては高分子材料例えばアイオノ
マー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、
天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子
物質及びシランカップリング剤などを用いることがで
き、（ｂ）及び（ｃ）の目的に対しては上記高分子材料
以外に無機化合物例えば、ＢｉＯ₂，ＭｇＦ₂，ＳｉＯ，
ＴｉＯ₂，ＺｎＯ，ＴｉＮ，ＳｉＮなど、金属または半
金属例えばＺｎ，Ｃｕ，Ｓ，Ｎｉ，Ｃｒ，Ｇｅ，Ｓｅ，
ｄｕ，Ａｇ，Ａｌなどを用いることができる。また、
（ｄ）の目的に対しては金属、例えば、Ａｌ，Ａｇ等
や、金属光沢を有する有機薄膜、例えば、メチン染料、
キサンテン系染料等を用いることができ（ｅ）及び
（ｆ）の目的に対しては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹
脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。

【００１８】（４）保護層保護層は、（ａ）記録層をその傷、ホコリ、汚れ等から
保護する、（ｂ）記録層の保存安定性の向上、（ｃ）反
射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に
対しては、前記下引層に示した材料を用いることができ
る。

【００１９】本発明において、前記下引き層及び保護層
には、記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃
剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有さ
せることができる。さらに、下引き層や保護層に対して
も、本発明による前記化合物を含有させることもでき
る。

【００２０】

【実施例】

実施例１メタノールに下記の（Ｉ）の化合物を０．７重量％溶解
し、さらに(II)の化合物を（Ｉ）に対し、０．１重量％
加え混合し、ポリカーボネート基板（１３０φ）にスピ
ンコートして記録層を設けた。

【００２１】

【化４】

【００２２】

【化５】

【００２３】実施例２メタノール／ＩＤＡ／ブタノール（重量比７／２／
１）の混合溶剤に下記の（III)の化合物を０．５重量％
溶解し、さらに下記に示した（IV）を(III) に対し、
０．２重量％混合し、ＰＭＭＡ基板（１３０φ）にスピ
ンコートし記録層を設けた。

【００２４】

【化６】

【００２５】

【化７】

【００２６】実施例３メタノールに下記（Ｖ）の化合物を０．００１重量％溶
解しポリカーボネート基板（１３０φ）にスピンコート
し、その上にさらに実施例１で用いた（Ｉ）の色素をメ
タノールに０．８重量％溶解し、スピンコートし記録層
を設けた。

【００２７】比較例１メタノールに実施例１で用いた化合物（Ｉ）を０．７重
量％溶解し、ポリカーボネート基板にスピンコートし
た。

【００２８】比較例２メタノール／ＩＰＡ／ブタノール（重量比７／２／１）
に実施例２で用いた化合物（III)を０．５重量％溶解し
ＰＭＭＡ基板（１３０φ）にスピンコートした。

【００２９】比較例３メタノール／１，２ジクロロエタン（重量比１／１）に
実施例２で用いた化合物（III)を０．５重量％溶解し、
ＰＭＭＡ基板（１３０φ）にスピンコートした。

【００３０】実施例１〜３のいずれも目視観察では塗布
膜は均一となったが比較例１，２では全面にわたって基
板が溶剤をはじき、さらに局部的に結晶化が起り記録膜
としては、不適当となり比較例３では基板が溶解してし
まった。

【００３１】また実施例１〜３の膜均一性を見るため、
内外周の反射率の差をみたがいずれも±３％以内のばら
つきしか認められなかった。

【００３２】

【発明の効果】本発明による情報記録媒体は、記録層を
形成する有機色素膜の均一性にすぐれるとももに基板の
膨潤もなく信号レベルの変化は生じない。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】基板上に直接又は下引き層を介して有機
色素を主成分とする記録層を設け、さらに必要に応じて
保護層を設けてなる光情報記録媒体において前記記録層
又は下引き層の少なくとも一方に下記一般式（１）で表
わされる化合物【化１】を含有することを特徴とする光情報記録媒体。
【請求項２】下記一般式（１）を含む膜の上にさらに
有機色素層を設けたことを特徴とする請求項１記載の光
情報記録媒体。【化２】