JP3102922B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体

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JP3102922B2 JP03228025A JP22802591A JP3102922B2 JP 3102922 B2 JP3102922 B2 JP 3102922B2 JP 03228025 A JP03228025 A JP 03228025A JP 22802591 A JP22802591 A JP 22802591A JP 3102922 B2 JP3102922 B2 JP 3102922B2
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辰也 戸村
勉 佐藤
薫 寺村
登 笹
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光情報記録媒体、具体
的に言えば、光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、光情報記録媒体として基板上
に低融点金属又は低融点金属と誘導体とからなる記録層
を設けたものなどが提案されているが、これらは保存性
が悪い、分解能が低い、記録密度が低い、製造条件が難
しくコスト高になるなどの欠点を有する。そこで、最近
になって記録層として金属薄膜に代えて、有機色素薄膜
を使用することが提案されている。この有機色素薄膜
は、融点、分解温度が低く、熱伝導率も低いので高感
度、高密度化の可能性があること、また膜形成がコーテ
ィングにより可能なため、量産性が高く、低コスト化が
期待できるなどの利点がある。
【0003】従来、前記有機色素被膜として、シアニン
色素やメロシアニン色素等の有機色素を主成分とする被
膜を用いることは知られている。
【0004】ところで、このような有機色素を主成分と
する記録層を有する情報記録媒体を得るために、インジ
ェクション工法で形成されたプラスチック基板(例え
ば、ポリカーボネート(PC)やポリメチルメタクリレート
(PMMA))上にコーティング法により記録層を形成するこ
とは知られている。この場合、有機色素のコーティング
用溶媒としては、基板の耐溶剤性との関連で、通常、ア
ルコール系又は水系の溶媒が用いられる。しかし、この
ようなアルコール系や水系の溶媒を用いてインジェクシ
ョン基板にコーティングを行うと、基板が溶媒をはじく
ために良好な色素膜を得ることができない。そこでこの
はじきの問題を避けるために、アルコール系溶媒に少量
のハロゲン系溶媒やケトン系溶媒等を加えてコーティン
グを行うと、記録層として適する色素膜は得られるもの
の、基板の膨潤が起こり、信号レベルの変化が生じると
いう問題が残る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、プ
ラスチックを基板とする情報記録媒体に見られる前記問
題を解決し、記録層厚が均一でかつ基板変化のない情報
記録媒体を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は、特許請求の範囲に記載のとおりの光
情報記録媒体である。これを具体的に説明すると、記録
層又は下引き層あるいは両方の層に一般式Iで表される
化合物を含有している光情報記録媒体である。 一般式I R−CO−N(CH3)−CH2COOX (但し、Rは水素またはアルキル基、Xは水素またはナ
トリウムである。)上記化合物を記録層または下引き層
に含有することによって前記課題が解決できる理由は次
のように考えられる。
【0007】上記化合物は界面活性剤であって、これが
基板の表面物性を変化させ、記録層との密着性が向上す
る。更に、基板がアルコ−ル等の溶剤を部分的にはじく
現象がなくなるので、記録層が均一に形成される。
【0008】本発明の光情報記録媒体は、基本的にはプ
ラスチック基板上に前記一般式(I)から選ばれる少なく
とも1種の化合物を記録層に含有させることにより構成
されるが、必要に応じて基板と記録層との間に下引き層
をあるいは記録層の上に保護層を設けることができる。
また、このようにして構成された一対の記録媒体を記録
層を内側にして他の基板と空間を介して密封したエアー
サンドイッチ構造にしてもよくあるいは保護層を介して
接着した密着サンドイッチ(貼合せ構造)にしてもよ
い。保護層は、記録層上にあってもよいし、記録層と反
対側の基板表面にあってもよい。
【0009】次に、本発明の光情報記録媒体を構成する
材料および各層の必要特性について具体的に説明する。
【0010】(1) 基板 基板の必要特性としては、基板側より記録再生を行う場
合のみ使用レーザー光に対して透明でなければならず、
記録側から行う場合は透明である必要はない。基板材料
としては、プラスチック、例えばポリエステル、アクリ
ル樹脂、ポリアミド、ポリオレフィン樹脂、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどを用いることがで
きる。
【0011】なお、基板の表面には、アドレス信号など
のプレフォーマットや案内溝のプレグループが形成され
ていてもよい。
【0012】(2) 記録層 記録層はレーザー光の照射により何らかの光学的変化を
生じさせ、その変化により情報を記録できるもので、そ
の三成分が有機色素からなり、さらに、記録層の安定性
向上のために前記一般式(I)の中から選ばれる少なくと
も1種のエステル化合物を含有するこのエステル化合物
の含有割合は、ポリメチン系色素に対して、0.01〜10重
量%、好ましくは0.1〜3重量%である、このエステル化
合物を記録層中に含有させるには、このものをポリメチ
ン系色素と同一の溶媒に混合し、同時にコーティングし
てもよいし、先に前記ポリエステル系化合物を薄膜(厚
さ:10Å〜1000Å、好ましくは20Å〜200Å)をコーテ
ィングし、その上にポリメチン系色素をコーティングし
てもよい。
【0013】ポリメチン系色素には、シアニン色素、メ
ロシアニン色素、クロコニウム色素、ピリリウム色素等
が包含され、その具体例としては、例えば特開昭58−19
4595号公報等に記載されている。
【0014】ポリメチン系色素及び前記エステル化合物
を基板上にコーティングするために用いる溶媒として
は、アルコール系溶媒が用いられ、このようなアルコー
ル溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等の炭素数 1〜6 の低級アルコールや、
それらの混合物が挙げられる。
【0015】本発明における記録層には、記録特性及び
安定性向上のために、必要に応じ、他の染料、例えばフ
タロシアニン系、テトラヒドロコリン系、ジオキサジン
系、トリフェノチアジン系、フェナンスレン系、アント
ラキノン系、キサンチン系、トリフェニルメタン系、ト
リフェニルアミン系、アズレン系染料や、金属又は金属
化合物、例えば、In、Sn、Te、Bi、Al、Se、TeO2、Sn
O、Ag、Cd、Zn等を分散含有させてもよく、また積層し
てもよい。記録層には、その他、高分子材料、保存安定
剤(金属錯体、フェノール系化合物)、分散剤、難燃
剤、滑剤、可塑剤等を含有させることができる。記録層
の膜厚は100Å〜10μm、好ましくは 200〜2000Åであ
る。記録層の形成方法としては、溶剤塗工法、例えば、
浸漬コーティング、スプレーコーティング、スピンナー
コーティング、ブレードコーティング、ローラコーティ
ング、カーテンコーティング等を用いることができる。
【0016】(3) 下引き層 下引き層は、(a)接着性の向上、(b)水又はガスなどのバ
リヤー、(c)記録層の保存安定性の向上及び(d)反射率の
向上、(e)溶剤からの基板の保護、(f)プレグルーブの形
成などを目的として使用される。(a) の目的に対して
は、高分子材料例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹
脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコー
ン、液状ゴムなどの種々の高分子物質及びシランカップ
リング剤などを用いることができ、(b)及び(C)の目的に
対しては上記高分子材料以外に無機化合物例えば、Bi
O2、MgF3、SiO、TiO2、ZnO、TiN、SiNなど、金属又は半
金属例えばZn、Cu、S、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Alな
どを用いることができる。また、(d)の目的に対して
は、金属、例えば、Al、Ag等や金属光沢を有する有機薄
膜、例えば、メチン染料、キサンテン系染料等を用いる
ことができ、(e)及び(f)の目的に対しては、紫外線硬化
樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができ
る。
【0017】(4) 保護層 保護層は、(a)記録層をその傷、ホコリ、汚れ等から保
護する、(b)記録層の保存安定性の向上、(c)反射率の向
上等を目的として使用される。これらの目的に対して
は、前記下引き層に示した材料を用いることができる。
【0018】本発明において、前記下引き層及び保護層
には、記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃
剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有さ
せることができる。さらに、下引き層や保護層に対して
も、本発明による前記化合物を含有させることもでき
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
を具体的に説明する。なお、実施例に記載の各成分の量
は重量基準である。
【0020】実施例1 メタノールに下記の(I)なる化合物を0.75%溶解し、さ
らに(II)の化合物を (I)に対し、0.1%加え混合し、ポ
リカーボネート基板(φ130)にスピンコートして記録層
を設けた。
【0021】
【化1】
【0022】実施例2 メタノール/IPA/1-ブタノール(重量比 7/2/1)の混合
溶剤に下記の(III)の化合物を0.5%溶解し、さらに下記
に示した(IV)を(III)に対し、0.15%混合しPMMA基板(φ
130)にスピンコートし記録層を設けた。
【0023】
【化2】
【0024】実施例3 メタノールに上記(IV)の化合物を0.001%溶解し、ポリ
カーボネート基板(φ130)にスピンコートし、その上に
さらに実施例1で示した、(I)の色素をメタノールに0.8
%溶解し、これをスピンコートして記録層を設けた。
【0025】比較例1 メタノールに実施例1で示した化合物(I)を0.7%溶解
し、ポリカーボネート基板(φ130)にスピンコートし
た。
【0026】比較例2 メタノール/IPA/1-ブタノール(重量比 7/2/1)に実施
例2で示した化合物(III)を0.5%溶解し、PMMA基板(φ1
30)にスピンコートした。
【0027】比較例3 メタノール/1,2-ジクロロエタン(重量比 1/1)に実施
例2で示した化合物(III)を0.5%溶解し、PMMA基板(φ1
30)にスピンコートした。
【0028】<結果>実施例1、2、3のいずれも目視
観察では塗布膜は均一となったが、比較例1、2では全
面にわたって基板が溶剤をはじき、さらに局部的に結晶
化が起こり、記録膜としては不適当となり、比較例3で
は基板が溶解してしまった。
【0029】また、実施例1、2、3の膜均一性を見る
ため、内中外周の反射率の差をみたが、いずれも±3%
以内のばらつきしか認められなかった。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による光情
報記録媒体は記録層を形成する有機色素膜の均一性に優
れるとともに基板の膨潤もなく信号品質に優れた記録媒
体が提供可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹 登 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコ−内 (56)参考文献 特開 昭63−256490(JP,A) 特開 昭63−72765(JP,A) 特開 昭61−176678(JP,A) 特開 昭60−105592(JP,A) 米国特許5114798(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24 511 C09D 201/00 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、直接又は下引き層を介して、
    有機色素を主成分とする記録層を有する光情報記録媒体
    において、少なくとも前記記録層または下引き層の何れ
    かに下記一般式Iで表される化合物を含有していること
    を特徴とする光情報記録媒体。 一般式I R−CO−N(CH3)−CH2COOX (但し、Rは水素またはアルキル基、Xは水素またはナ
    トリウムである。)
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