JPH0567088U - プリント板上の部分遮蔽ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プリント板上に構成された回路の一部分を、
プリント板を挟み両側にて電磁遮蔽するプリント板上の
部分遮蔽ケースに関し、内部が点検容易、実装スペース
の削減無く、しかも生産性の良い部分遮蔽ケースを提供
することを目的とする。 【構成】 プリント板１の部品搭載面側の所定部分を囲
む遮蔽壁２を連ね、プリント板１に貫設した固定孔３に
差込み、裏面の孔縁の接地パターン４と半田付けして立
設固定する固定爪５を一方の端縁に突設したケース枠６
と、ケース枠６の他の端縁部に着脱自在に固定し開放面
を覆い遮蔽する上カバー７と、ケース枠６の枠形と略同
形で、プリント板１の他の面側を覆い遮蔽し、固定され
た固定爪３の先部に差込み挟持固定する、折り返し形状
の挟持固定部８を対応位置に形成した下カバー９とから
成るように構成したり、更に、挟持固定部８の折り返し
先端が填まる係合孔55を、固定爪５の先部所定位置に設
けるように構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はプリント板上に構成された回路の一部分を、プリント板を挟み両側に て電磁遮蔽するプリント板上の部分遮蔽ケースに関する。

【０００２】 プリント板実装の電子装置は、部品の著しい小形化と共に著しく高密度実装と なり、小形になって来ている。 又、電子装置の高性能化とコストダウンにより、電子回路があらゆる機器に使 用されるようになり、電子回路装置から発する電磁波を所定値以下に抑える電磁 波障害対策を講じなければならなくなって来ている。

【０００３】 従って、回路の遮蔽は益々強化しなければならない傾向にあり、これを小形化 、廉価化を阻害せずに実現することが要望されている。

【０００４】

【従来の技術】

図３に従来の一例の部分遮蔽ケース、図４に従来の他の例の部分遮蔽ケースを 示す。

【０００５】 回路の遮蔽は、遮蔽ケースに回路を収納した回路モジュールとし、これをプリ ント板上に実装する方法があるが、回路を分割して製造するのでその分工数を要 したり、接続箇所が増えたり、小形化に問題があるが、遮蔽特性は最良が得られ るので、特製優先装置にはよく用いられる。

【０００６】 しかし、一般の装置では、プリント板に一括して回路構成を行い、必要な部分 を遮蔽ケースにて覆う方法が良くとられている。 この方法の従来の一例の部分遮蔽ケースは図３に示す如くである。

【０００７】 プリント板19の所定部分を遮蔽する遮蔽ケースは、ケース枠69と上カバー79と 下カバー99とから成り、ケース枠69は、所定回路部分を囲む四角形の枠形に薄鋼 板を成形し、上縁部に凹部を形成するスリット27が複数個設けてあり、下縁に固 定爪59が複数個突設され、プリント板19の所定位置に穿設した固定孔39に差込み 、裏面の孔縁の接地パターン４と半田付けして立設固定される。

【０００８】 上カバー79は、ケース枠69の上開放面を覆うように冠設され、上記スリット27 の対応位置に凸部を係合させて固定する係合爪77が突設してある。 下カバー99は、ケース枠69の枠形と同形にプリント板19の配線面側を遮蔽し、 周縁部に同様の固定爪59を複数個突設しており、プリント板19の対応位置に穿設 した固定孔39に裏面側から差込み表面側の孔縁の接地パターン４と半田付けして 固定される。

【０００９】 これにより、プリント板19の必要部分のみをプリント板19を挟んで両側から遮 蔽している。 又、従来の他の例の部分遮蔽ケースは図４に示す如くであり、下カバー98の固 定法が、固定爪59の半田付け固定ではなく、代わりにねじ座97を突設し、これを プリント板18にねじ止め固定し、表面の接地パターン４に導通させている。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、 従来の一例の遮蔽ケースでは、下カバー99がプリント板19に半田付け固定さ れるので、配線パターン面の検査、試験、調整等が不可能な構造である。 これは従来の他の例により、下カバー98をねじ止めするので可能となるが、 着脱に工数を要し、又、プリント板18に固定用のねじ座を必要とし、しかも複数 個となるので、その分、部品の実装や配線が削減され実装スペースが減る。 等の問題点があった。

【００１１】 本考案は、かかる問題点に鑑みて、内部が点検容易、実装スペースの削減無く 、しかも生産性の良い部分遮蔽ケースを提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

上記目的は、図１及び図２に示す如く、 プリント板上に構成された回路の一部分を、プリント板を挟み両側にて電磁遮 蔽する部分遮蔽ケースであって、プリント板１の部品搭載面側の所定部分を囲む 遮蔽壁２を連ね、プリント板１に貫設した固定孔３に差込み、裏面の孔縁の接地 パターン４と半田付けして立設固定する固定爪５を一方の端縁に突設したケース 枠６と、ケース枠６の他の端縁部に着脱自在に固定し、開放面を覆い遮蔽する上 カバー７と、ケース枠６の枠形と略同形で、プリント板１の他の面側を覆い遮蔽 し、固定された固定爪３の先部に差込みこれを弾性的に挟持して固定する、折り 返し形状の挟持固定部８を固定爪５の対応位置に形成した下カバー９とから成る 、本考案のプリント板上の部分遮蔽ケースにより達成される。

【００１３】 更に、前記挟持固定部８の折り返し先端が填まり抜け止めとなる係合孔55を、 固定爪５の先部所定位置に設けた、前記プリント板上の部分遮蔽ケースによって も適えられる。

【００１４】

【作用】

即ち、下カバー９は、挟持固定部８により固定された上カバー７の固定爪５の 先部を挟持して固定されるので、弾性的挟持のため着脱自在となり、プリント板 １の裏面側の配線面を容易に点検、試験、調整等を行うことができる。

【００１５】 又、下カバー９は、固定爪５の先部に取付けるだけであり、プリント板１に取 付けスペースを要しないので、何ら実装スペースを削減することは無い。 更に、挟持固定部８は、凸片部を折り返し形状としたものでプレス加工にて容 易に一体成形可能であり、生産性は良くコストダウンも可能である。

【００１６】 尚、挟持固定部８の折り返し先端が固定爪５の先部の係合孔55に填まることに より、下カバー９の固定を更に強固にすることができる。 かくして、本考案により、内部が点検容易、実装スペースの削減無く、しかも 生産性の良い部分遮蔽ケースを提供することが可能となる。

【００１７】

【実施例】

以下図面に示す実施例によって本考案を具体的に説明する。全図を通し同一符 号は同一対象物を示す。図１に本考案の一実施例の構成斜視図、図２に同側断面 図を示す。

【００１８】 本実施例は一般的なプリント板実装の回路パッケージにおいて、その一部分の 回路のみを電磁的に部分遮蔽したもので、図１に示すような構成である。 プリント板１の部品搭載面側の所定部分を囲む遮蔽壁２を連ねたケース枠６と 、ケース枠６の上開放面を覆う上カバー７と、プリント板１の裏面側を遮蔽する 下カバー９とから構成される。

【００１９】 ケース枠６は、厚 0.4mm薄鋼板の遮蔽壁２を連ねた５×７×高１cmの四角形枠 で、上縁部には上カバー７を固定するための短いスリット27が所定に配設してあ り、下縁にはプリント板１に固定する固定爪５が枠形状が変形しないように所定 配置に一体に突設してあり、その固定爪５は幅５×長７mmの四角形で先部に 2.5 ×0.8 mmの係合孔55があけてある。

【００２０】 プリント板１は厚 1.6mmのガラスエポキシ樹脂基材の多層プリント配線板で、 遮蔽部のケース枠６の固定爪５の対応位置に 5.5×0.8 mmの角形の固定孔３が貫 設してあり、部品搭載面の裏面の配線面の孔縁には、半田付け固定するための、 接地回路に導通した接地パターン４が設けてある。

【００２１】 上カバー７は、厚 0.3mm薄鋼板の周縁を縁曲げしケース枠６に冠設するカバー で、更にケース枠６のスリット27の対応位置に係合爪77が突設してある。 下カバー９は、厚 0.3mm薄鋼板の周縁を縁曲げしケース枠６の固定爪５に内接 するカバーで、更にその固定爪５の対応位置に挟持固定部８を一体に設けてある 。この挟持固定部８は、幅10×長３で更に長さの先端に幅２×長 0.5mmが出張っ た凸形形状であり、基部に 0.8×６mmの長角形の挿入孔85が設けられ、外側に厚 1.5mmに基部から角形に折り返し、先端は縁に強く押し当たるように折曲形成し てある。

【００２２】 組立は、図２に示す如く、ケース枠６の固定爪５をプリント板１の固定孔３に 根本まで差込み、裏面の孔縁の接地パターン４と半田付けしてケース枠６を立設 固定する。

【００２３】 次に、上カバー７の装着は、ケース枠６の上縁に被せれば、係合爪77の凸部が 遮蔽壁２のスリット27に填まり、上カバー７が係止固定される。 下カバー９の装着は、プリント板１の裏面側にて固着された固定爪３に内接す るように位置させると、各挟持固定部８が固定爪５に対向しており、夫々を押し 付けることにより、その挿入孔85に固定爪５の先部が挿入されて行き、折り返し 押し当たり部分を押し開き強く挟持されると共に、折り返し先端が固定爪５の係 合孔55に押し入り抜け止めを成し、下カバー９が確実に取付けられ、挟持により 固定爪５に導通して接地される。

【００２４】 上カバー７の取外しは、強く引っ張れば係合爪77の係合が解けて容易に外れる 。又、下カバー９は、挟持固定部８をこじって、その折り返し先端を固定爪５の 係合孔55から引上げて係合を解きながら、引っ張ることにより取外しできる。

【００２５】 上記実施例は一例を示したもので、各部の形状、寸法、材料は上記のものに限 定するものではない。 ケース枠６の枠形状は遮蔽形状に見合った生産性の良い形状であれば良く、円 形、凸形、Ｌ字形等でも差支えない。

【００２６】 挟持固定部８の折り返しも、角形でなくＵ字形でも良く、又、外側折り返しで なく内側折り返しでも差支えなく、但しこの場合は折り返し先端の係合孔55への 係止は無くしないと取外し不可能となるので注意。

【００２７】 上カバー７の固定は凹凸の係合であるが、スリット27でなく円孔や凹形状部で も差支えない。

【００２８】

【考案の効果】

以上の如く、本考案の部分遮蔽ケースにより、上下カバー7,9 が取外せるので 内部が点検容易であり、プリント板１にはケース枠６を固定するスペースのみを 要し、下カバー９の取付けに実装スペースを削減することは無く、しかもケース は略従来例のものと同程度の部品で済み且つ下カバー９の取付けは極めて簡単と なり、生産性の良い部分遮蔽ケースが得られ、実用的効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例の構成斜視図

【図２】 本考案の一実施例の側断面図

【図３】 従来の一例の部分遮蔽ケース

【図４】 従来の他の例の部分遮蔽ケース

【符号の説明】

1,18,19 プリント板 ２ 遮蔽壁 3,
39 固定孔 ４ 接地パターン 5,59 固定爪 6,
69 ケース枠 7,79 上カバー ８ 挟持固定部 9,
98,99 下カバー 27 スリット 55 係合孔 77
係合爪 85 挿入孔 97 ねじ座

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 箕輪 佳明 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリント板上に構成された回路の一部分
   を、プリント板を挟み両側にて電磁遮蔽する部分遮蔽ケ
   ースであって、 プリント板(1) の部品搭載面側の所定部分を囲む遮蔽壁
   (2) を連ね、該プリント板(1) に貫設した固定孔(3) に
   差込み、裏面の孔縁の接地パターン(4) と半田付けして
   立設固定する固定爪(5) を一方の端縁に突設したケース
   枠(6) と、 該ケース枠(6) の他の端縁部に着脱自在に固定し、開放
   面を覆い遮蔽する上カバー(7) と、 該ケース枠(6) の枠形と略同形で、該プリント板(1) の
   他の面側を覆い遮蔽し、固定された該固定爪(3) の先部
   に差込みこれを弾性的に挟持して固定する、折り返し形
   状の挟持固定部(8) を該固定爪(5) の対応位置に形成し
   た下カバー(9)とから成ることを特徴とするプリント板
   上の部分遮蔽ケース。
2. 【請求項２】 挟持固定部(8) の折り返し先端が填まり
   抜け止めとなる係合孔(55)を、固定爪(5) の先部所定位
   置に設けたことを特徴とする、請求項１記載のプリント
   板上の部分遮蔽ケース。