JPH0566925B2

JPH0566925B2 -

Info

Publication number: JPH0566925B2
Application number: JP60239680A
Authority: JP
Inventors: Hiroaki Konishi; Hiroshi Mizutani; Akira Niwa; Tomonori Katada; Kazutomi Hasegawa
Original assignee: Nonogawa Shoji Ltd
Current assignee: Nonogawa Shoji Ltd
Priority date: 1985-10-25
Filing date: 1985-10-25
Publication date: 1993-09-22
Also published as: JPS6299318A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、養毛剤に関し、更に詳しくは女貞子
（によていし、じよていし、Ligusti Fructus）の
抽出物（抽出成分）を有効成分として含有するこ
とを特徴とする養毛剤に関する。従来より、各種の薬効剤を配合した養毛剤が知
られており、その作用としては、頭皮の血行促
進、毛母細胞の活性化、頭皮の脂質の分泌抑制等
を促すものであり、毛髪の栄養成分であるアミノ
酸やビタミン類を配合した例が多い。これらの薬
効剤の例として、ビタミンＥ、パントテン酸など
のビタミン類、メチオニン、セリンなどのアミノ
酸類、サリチル酸、レゾルシン、ヒノキチオール
などの殺菌剤、エチニルエストラジオールなどの
ホルモン類、アセチルコリン誘導体などの血管拡
張剤、セフアランチンなどの皮膚機能亢進剤等が
挙げられる。これらの薬効剤を配合した養毛剤
は、フケ、カユミ、抜毛などの予防および改善に
有効で、発毛や育毛を促すとされているが、いま
だ満足すべきものがないのが現状である。一方、養毛剤として使用される物質としては、
優れた養毛効果を有するとともに、比較的長期間
にわたり連用することから、特に安全性の高いこ
とが要求される。本発明者らは、さらに優れた発毛・育毛効果を
呈する物質を鋭意探索研究した結果、生薬として
知られている女貞子の各種溶媒による抽出物（抽
出成分）をヒトまたは動物の皮膚に塗布すると、
極めて顕著な発毛および毛成長促進効果を有する
ことを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、女貞子の抽出物を含有する
ことを特徴とする養毛剤に関するものである。本発明で用いる女貞子は、モクセイ科のネズミ
モチ（Ligustrum japonicum Thunb.）およびト
ウネズミモチ（L.lucidum Aiton）の果実をい
い、漢方で強壮強精薬として用いられている。成
分は果実からマンニツト、ウルソール酸、オレア
ノール酸およびアセチルオレアノール酸が見いだ
され、また種子から、ノナコサノール、β−シト
ステロール、ルペオールなどの成分が見いだされ
ている。本発明で用いる女貞子の抽出物は、市販の女貞
子を細かく粉砕した後、例えば、メタノール、エ
タノール、水等の水溶性の溶媒や、酢酸エチル、
ｎ−ヘキサン、クロロホルム等の有機溶媒の各単
独か、あるいはそれらの混合物で抽出したもので
ある。女貞子の抽出物は乾燥物として、養毛剤の
組成物（処方成分）の全重量に対して通常0.01〜
15重量％、好ましくは、0.1〜５重量％配合する
のが適当である。配合量が0.01重量％以下では充
分な効果が得られないし、また、15重量％を超え
る量では効果の増強がないので不経済である。抽出操作（抽出温度）は、冷温、室温、高温の
いずれの場合でもよい。養毛剤等の基材に配合す
る場合、女貞子抽出物は、乾燥状態のものを用い
るか、または抽出液そのものを用いてもよい。本発明の女貞子抽出物は、液状またはペースト
状を呈し、人体に対し安全で皮膚刺激がなく、女
貞子抽出物を白色ワセリンに１および５重量％分
散した試料を、ドレイズの方法に準じ、動物皮膚
刺激試験を行い、また、ヒトに対してフインチヤ
ンバーとスカンポールテープの組合せで48時間閉
塞貼布試験を行つた結果、いずれのスコアーも０
であり、皮膚刺激のないことを確認した。本発明の養毛剤は、常法に従つて、種々の化粧
料、医薬品等の基材とともに、ヘアーローシヨ
ン、ヘアークリーム、ヘアートニツク、チンキ
剤、ローシヨン剤、軟膏剤等の形で用いることが
できる。本発明において、女貞子の抽出物を単独で用い
てもよいが、例えば、生薬として知られている羌
活、遠志、セネガ、菟糸子、および桑寄生の抽出
物と併用すると、女貞子抽出物と同程度もしく
は、やや良好な養毛効果が得られた。これらの生
薬の抽出物は、女貞子の抽出物と１種以上の組合
せで用いることができる。以下、実施例を示しつつ本発明の養毛剤の有効
性について説明する。なお、本発明の内容は、こ
れらに限定されるものではない。実施例に示し部
とは重量部を、％とは重量％を示す。実施例１女貞子（市販品）100ｇを細かく粉砕した後、
エタノール400mlに浸し、２時間後加熱還流した
後、減圧過する。残渣をさらに400mlのエタノ
ールで加熱抽出した後、減圧過する。液を合
わせ、減圧下で濃縮乾燥し、女貞子エタノール抽
出物（収量10〜15ｇ）を得る。得られた抽出物５
ｇをエタノール95ｇ中に溶解して本発明の養毛剤
の養毛試験試料とした。同様な方法により、ｎ−
ヘキサン抽出物、エーテル抽出物、50％エタノー
ル抽出物、水抽出物などの試験試料を調製した。試験例１実施動物としてICRマウス（雄、６週齢、平均
体重26ｇ）を用い、背部から両側腹部全体をバリ
カンにて刈毛した。翌日より本発明の抽出液を被
験部皮膚に毎日朝夕２回、一匹当たり0.1mlを塗
布した。動物は一群６匹とし、実験動物の右側腹
部に試料、左側腹部に対照としてエタノールを塗
布した。発毛状態の判定は、肉眼判定の評価点を
比較することにより行つた。発毛効果は、表１に
示すような判定規準で判定し、６匹の平均値を指
標として評価した。

【表】実験開始後、20日目および30日目に、表１に示
す判定規準により肉眼判定し、一匹当りの平均評
価点を求めた。これらの実験結果をまとめて表２
に示す。

【表】表２の結果から明らかなように、本発明の女貞
子の各溶媒による抽出物の発毛効果は著しく、本
発明の女貞子抽出物の発毛剤としての有効性が認
められた。試験例２背部から両側腹部全体をバリカンにて刈毛した
後、脱毛クリームを用いて除毛したICRマウス
（雄、４週齢、平均体重20ｇ）を用いて養毛効果
の評価を行つた。試験例１と同様に本発明の女貞
子の抽出液をマウスの被験部皮膚に毎日朝夕２
回、一匹当たり0.1mlを塗布した。動物は一群を
６匹とし、右側腹部に試料、左側腹部に対照とし
てエタノールを塗布した。女貞子のエタノール抽
出物を塗布した場合を例に、２，４，７、および
10日目に脱毛部位から発生した新生毛をサンプリ
ングし、体毛長を測定した結果を図１に示す。体
毛長の測定は田中らの方法（J.Medicinal Plant
Research，Supplement，P84，1980）に従つて
行つた。すなわち、実体顕微鏡にてサンプリング
した任意の20本の毛を測定した。測定した20本の
中から最も長いものから順に５本を選び出し、そ
の平均値を求め、そのマウスの体毛長とした。図
１に示すように、対照群（エタノール塗布群）に
対し、女貞子抽出物を塗布した群は、有意に毛成
長促進効果を示した。実施例３ヘアートニツク 95％エタノール 60.0部女貞子エタノール抽出物 2.0 グリセリン 2.0 精製水 36.0 〔製法〕成分〜を充分攪拌混合し、過
後、容器に詰め製品とする。実施例４ヘアークリームステアリン酸 4.0部セチルアルコール 3.0 ステアリルアルコール 1.0 流動パラフイン 6.5 ワセリン 10.0 ソルビタンモノステアレート 1.5 ポリオキシエチレン（25）モノステアレート
3.0 女貞子エタノール抽出物 1.0 グリセリン 5.0 水酸化カリウム 0.2 防腐剤適量精製水 64.9 〔製法〕成分〜および成分〜をそれぞ
れ70〜75℃に加温溶解した後、成分〜に
成分〜を加えて乳化し、30℃まで冷却し
製品とする。実施例５ヘアーローシヨンステアリン酸 5.0部セチルアルコール 5.0 流動パラフイン 2.0 グリセリンモノステアレート 1.3 ソルビタンモノオレート 1.5 ポリオキシエチレン（10）ソルビタンモノオ
レート 0.8 女貞子エーテル抽出物 1.0 グリセリン 6.0 防腐剤適量精製水 77.4 〔製法〕実施例４と同様に行い、製品を得る。実施例６軟膏剤精製ラノリン 5.0部サラシミツロウ 5.0 女貞子抽出物 2.0 ワセリン 88.0 〔製法〕各成分を加熱溶解して混合した後、冷
却し製品とする。

【図面の簡単な説明】

図１は、本発明の養毛剤の成分である女貞子抽
出物と対照のエタノールを塗布した場合の毛長と
試験日数の関係を示す図面である。

Claims

【特許請求の範囲】

１女貞子の抽出物を含有していることを特徴と
する養毛剤。