JPH0566391A - 液晶包含微小カプセルの製造方法、そのカプセルを用いた表示体及びその製造方法 - Google Patents

液晶包含微小カプセルの製造方法、そのカプセルを用いた表示体及びその製造方法

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JPH0566391A
JPH0566391A JP3782892A JP3782892A JPH0566391A JP H0566391 A JPH0566391 A JP H0566391A JP 3782892 A JP3782892 A JP 3782892A JP 3782892 A JP3782892 A JP 3782892A JP H0566391 A JPH0566391 A JP H0566391A
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resin
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crystal material
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JP3782892A
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English (en)
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Hiroshi Ogawa
洋 小川
Namiyuki Tashiro
南征 田代
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶包含カプセルの高分子薄膜より成る液晶
表示体の製造方法に於て今までになく効率的で簡易な方
法にて粒径を1ミクロン前後に制御でき、安価で高性能
で、界面活性剤等を使用しない為液晶材料の耐久性が向
上したカプセルの製造方法及びそれを用いた液晶表示体
を提供する。 【構成】 水に対し自己分散能を有する樹脂、液晶材
料、及び溶剤を含む有機相を水と接触させることにより
得られる微小カプセル溶液を基板に塗布又は挟み込むこ
とによって液晶表示体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶材料を包含する微
小カプセルの製造方法、そのカプセルから成る調光層あ
るいは色調を変化させる層(以下、調色層とする)を有
する液晶表示体及びその製造方法に関するもので、本発
明の液晶表示体は、視野の遮断、開放及び明かり、もし
くは照明光の透過制限、遮断、透過及び色調を電気的あ
るいは熱的に操作し得るものであって、建物の窓やショ
ーウィンドウで視野遮断のスクリーンや、採光コントロ
ールのカーテンに利用されるとともに、文字や図形を表
示し、高速応答性をもって電気的又は熱的にその表示を
切り換えることによって、広告や案内用装飾表示板さら
には明るい画面を必要とするOA機器のディスプレイや
プロジェクション用デバイスとして利用される。
【0002】
【従来の技術】液晶表示体は、従来、ネマチック液晶を
使用したTN型やSTN型のものが実用化されている。
また、強誘電性液晶を利用したものも提案されている。
これらは偏光板を要するものであり、また配向処理を要
するものでもある。一方また、それらを要さず、明るく
コントラストの良い、大型で廉価な液晶表示体を製造す
る方法として、液晶のカプセル化により、ポリマー中に
液晶滴を分散させ、そのポリマーをフィルム化する方法
が知られている。ここでカプセル化物質としては、ゼラ
チン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール等が用いら
れ、微小カプセル化の方法としては乳化剤を用いたもの
で、そのカプセルの粒径は2〜25ミクロンと大きなもの
であった。(特表昭58−501631号公報、USP4,435,04
7号明細書、特表昭61−501345号公報、特開昭62−48789
号公報)。
【0003】又、それらと同様な方法が特開平1−9792
1号公報、特開平1−267524号公報、特開平2−81024号
公報に報告されている。上記明細書で開示された技術に
おいては、ポリビニルアルコールでカプセル化された液
晶分子は、それが薄層中で正の誘電率異方性を有するも
のであれば、電界の存在下でその液晶分子が電界の方向
に配列し、液晶の常光屈折率noとポリマーの屈折率np
が等しいときには、透明性を発現する。電界が除かれる
と、液晶分子はランダム配列に戻り、液晶滴の屈折率が
oよりずれるため、液晶滴はその境界面で光を散乱
し、光の透過率を遮断するので、薄層体は白濁する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記方法
では、乳化剤とポリマー及び液晶材料の混合物を水中に
懸濁させる為にコロイドミル、ホモジナイザー等機械的
手段により強力な攪拌混合を必要とするものであり大き
なエネルギーを必要とするものであり、又生成するカプ
セルの粒径も2ミクロン以上と大きいものが通常であり
(色調変化を利用する場合等にあっては2ミクロン以上
が好ましい)、それ以上に小さくしようとする場合、大
量の乳化剤を用いなければならず、液晶の純度が下がり
実用的な液晶表示体として不適当なものであった。
【0005】即ち、乳化剤が液晶中に導電性物質として
取り込まれそのために液晶の性能や寿命の低下をきた
し、また、ポリビニールアルコールのような吸湿性の大
きなポリマーを用いるために高湿雰囲気中に長時間放置
されると電気抵抗は減少し、液晶動作に必要な電界強度
を大きくしたり液晶の寿命を短くしてしまう。又、粒径
も光の吸収波長と比べ、大きすぎるため充分な光散乱性
を得ることは困難であった。また、前記の様なカプセル
壁材は耐候性の面からも充分なものとは言えなかった。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、上記問
題点を改善し、容易に、信頼性の高い、光散乱性の大き
い、大面積化可能な液晶表示体の調光層等に用いる液晶
を包含する微小カプセルの製造方法及びそのカプセルを
用いた液晶表示体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、(1)水に対し自己分散能を有する樹脂、
液晶材料及び有機溶剤を含有する混合体を有機相とし、
上記有機相を水と接触させることを特徴とする液晶材料
を包含する微小カプセル(以下、本発明の微小カプセル
という。)の製造方法、(2)電極層を有する少なくと
も一方が透明な2枚の基板間に本発明の微小カプセルか
ら成る調光層を有することを特徴とする液晶表示体及び
(3)電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基
板の内の一方の基板上に、本発明の微小カプセルの懸濁
液を流延塗布、乾燥した後、他方の基板を重ね合わせる
ことを特徴とする前記(2)記載の液晶表示体の製造方
法を提供する。
【0008】更に、(4)液晶材料がコレステリック液
晶又はカイラルネマチック液晶である本発明の微小カプ
セルを有し、電気的又は熱的操作によって変色する表示
体を提供する。
【0009】上記(1)の製造方法は、液晶材料の微小
マイクロカプセルを、乳化剤等の補助材料を用いずに、
従って液晶材料の性能を損なうことなく、しかも強力な
攪拌機構を用いずに、簡単に得られるという斬新な方法
である。
【0010】即ち、第1の発明は、水に対して自己分散
能を有する樹脂(以下、自己分散性樹脂という。)と疎
水性である液晶材料との混合体を有機相とし、該有機相
中に水を投入し、又は、水中に該有機相を投入して自己
分散させることにより該液晶材料を芯材とする一方、該
自己分散性樹脂類を壁材とする粒子径が1ミクロン前後
は勿論、種々の水準にコントロールされた粒径での液晶
の微粒子カプセルを瞬時に形成せしめるという、極めて
有用な製造方法を提供するものである。
【0011】以下に、第1の発明の特に好ましい方法を
具体的に説明する。即ち、上記の芯材となる液晶材料
を、自己分散性樹脂及び溶剤に溶解させる第1工程、第
1工程で得られた溶液を水中に分散させる第2工程、自
己分散性樹脂の希釈に用いた有機溶剤類を蒸留除去せし
める第3工程、そして、粉末状カプセルが必要な場合に
は、スプレードライ装置などにより水分を除去せしめ
て、目的とする粉末状カプセルを得る第4工程という一
連のプロセスが、第1の発明におけるマイクロカプセル
化の概略である。
【0012】ここで使用される自己分散性樹脂は、既に
カプセル膜として充分なレベルの分子量、通常3,000〜1
00,000、好ましくは、5,000〜30,000の範囲内の数平均
分子量を有するものであり、有機溶剤で溶解され希釈さ
れた溶液の形で用いられる。
【0013】第1工程に用いられる有機溶剤としては、
特に限定されるものではなく、自己分散性樹脂及び液晶
材料を溶解し得るものであれば良いが、後の溶剤除去操
作のことを考慮し、アセトンやメチルエチルケトンの如
きケトン系;酢酸エチルの如きエステル系;ベンゼンの
如き芳香族炭化水素系等の各種用いることができるが、
アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ベンゼン
の如き低沸点の溶剤が好ましい。
【0014】第2工程は、自己分散性樹脂、液晶材料及
び有機溶剤を含有する有機連続相を水に自己分散させて
不連続相化(マイクロカプセル化)せしめる工程であ
る。これに対して、従来の一般的方法では、カプセル芯
材である液晶材料を水相に分散させているところに自己
分散性樹脂含有有機相を分散させるものであり、カプセ
ル径は大きくなり、しかも、カプセル化されないままの
芯材も多くなる欠陥があった。
【0015】第1の発明の方法では、水との接触におい
て適度の攪拌を充分に行うことによって瞬時に目的とす
るカプセルが形成される。この段階において、通常の方
法に於ける高速攪拌を行っても、さほどカプセル粒径は
変化しないので、第1の発明は、高速攪拌の必要性がな
い簡便な手法であることが理解できる。
【0016】第3工程は減圧蒸留法等の公知の方法を適
用できる。第4工程はスプレイドライ法等を用いること
ができる。粉末状カプセル体を得る場合にあっては言う
までもなく、壁材と成る自己分散性樹脂としては、カプ
セル同志が融着しないようにガラス転移点の高い樹脂を
使用すべきである。そのような樹脂としては、ガラス転
移点が50℃以上であるビニル系樹脂が好ましいが、その
中でも耐候性の観点からアクリル系樹脂が特に好まし
い。
【0017】又、カプセル壁の耐湿性、耐溶剤性や耐久
性等の特性を一層向上せしめるために、予め、使用する
自己分散性樹脂自体に、グリシジル基、イソシアネート
基、水酸基、α、βーエチレン性不飽和二重結合(ビニ
ル基)の如き反応性活性基をペンダントとして含ませて
おくことにより、カプセルの形成時又は形成後に於てペ
ンダントを反応させ、カプセル壁用樹脂の分子量の増大
や、架橋ゲル化させることも可能である。それによって
液晶材料の耐久性が向上することは明らかである。
【0018】ところで、従来のカプセル化手法のプロセ
スというものは、機械的手法であると、化学的手法であ
ると、いずれの手法にあっても、まず、粗カプセル単位
粒子の形成化工程(壁材用の素原料を含有する場合もあ
る。)と、次いで、カプセル壁の形成化工程との二つの
工程から成るものであり、しかも、それぞれの工程が独
立した別々の工程として実行されていた。
【0019】これに対し、第1の発明の方法は、上記し
た両工程が、区分され或いは区別されることなく、全く
同時に、かつ、瞬時に進行するという点だけをとって見
ても、第1の発明の方法が、従来技術とは全く異なる、
新規にして有用なる手法であるかを伺い知れるものであ
る。こうした従来に類例を見ない、全く斬新な手法であ
るということが、第1の発明の特徴の一つであること
は、前述した通りである。
【0020】第1の発明の方法においては、液晶材料の
種類や濃度に応じて、自己分散性樹脂の自己分散能(自
己分散安定性)を調整する必要がある。具体的には、樹
脂に結合している親水性基の種類、量及び樹脂構造中で
の該親水基の結合部位(結合位置)などを変化させ適宜
調整することができる。
【0021】自己分散性樹脂としては、親水基として水
酸基、オキサゾリン基、シクロカーボネート基、エーテ
ル結合、燐酸エステル基、カルボキシル基、スルホン酸
基又はアミノ基、あるいはそれらの中性塩基などを有す
るビニル系、エステル系、エポキシ系、アミド系、繊維
素系又はウレタン系などの各種樹脂が挙げられる。
【0022】自己分散性樹脂類のイオン成分による液晶
の耐久性低下を防止する目的で、酸又は塩基性の親水基
をカプセル化の前後に於て中和しておくことが望まし
い。液晶包含微小カプセルを液晶表示体に仕上げる方法
は種々ある。例えば、電気的操作によって表示を行なう
表示体にあっては、 (1)前記第4工程で得られた粉末状微小カプセルを、
該カプセル壁材が溶解しないような、モノマー、プレポ
リマー、重合開始剤及び必要に応じて溶剤類を含有する
溶液に分散させ、その溶液を電極付基板上に塗布し、光
又は熱により重合させ、必要に応じ乾燥させ、電極付基
板をラミネートすることによる方法。 (2)同様の粉末状微小カプセルを、該カプセル壁材が
溶解しない、ポリマーと溶剤の溶液に懸濁させた懸濁液
を同様に塗布乾燥する事による方法をあげることができ
る。
【0023】しかしながら、工程の簡便さからは、前記
第3工程の懸濁液をそのまま電極付基板上に流延塗布
し、乾燥した後、他方の基板をラミネートする方法が優
れている。この方法に於いては、塗布乾燥後に塗膜形成
できることや基板との密着性があるように、カプセル壁
材のガラス転移点等を考慮して乾燥温度やポリマー種を
選択する必要がある。
【0024】一方、上記方法に於てガラス転移点が乾燥
温度より高く塗膜性が悪い、又は、基板密着性が悪い場
合には、別途ガラス転移点の低い自己分散性樹脂等を用
いて作成された微小粒状樹脂分散懸濁液等と前記液晶包
含微小カプセル懸濁液を適宜な比率で混合した懸濁液を
流延塗布して用いることもできる。
【0025】熱的操作による色調変化を利用した表示体
は、同様にして仕上げることができるが、色調変化を強
調するために、表示体に背景色を設けることが好まし
く、例えば、黒色のフイルム、ガラスあるいは紙等の基
板上に上記の本発明の微小カプセルを含有する組成物を
塗布あるいは印刷してもよく、また、透明な支持体上に
塗布、印刷されたものを黒色の基板上に重ねてもよい。
【0026】本発明で使用する液晶材料は、単一の液晶
性化合物であることを要しないのは勿論であり、2種以
上の液晶化合物や液晶化合物以外の物質を含んだ混合物
であってもよく、通常、この技術分野で液晶材料と認め
られているものであればよく、そのうちの正の誘電異方
性を有するものが好ましい。用いられる液晶としては、
ネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液
晶が好ましく、ネマチック液晶が特に好ましい。その性
能を改善するために、コレステリック液晶、キラルネマ
チック液晶、キラルスメクチック液晶やキラル化合物や
2色性色素等が適宜含まれていてもよい。
【0027】コレステリック液晶又はカイラルネマチッ
ク液晶を用いる場合はその螺旋ピッチを調整する事によ
る応答性の改善のみならず、温度による色調変化を利用
して、通常の温度表示用あるいは装飾表示用等の目的に
使用することができる。このような目的に使用する場合
には、色調変化を強調するために、本発明の微小カプセ
ルの粒径は2ミクロン以上が好ましい。
【0028】本発明で使用する液晶材料は、以下に示し
た化合物群から選ばれた一種以上の化合物からなる配合
組成物が好ましく、液晶材料の特性、即ち、等方性液体
と液晶の相転移温度、融点、粘度、屈折率異方性(Δ
n)、誘電率異方性(Δε)、自己分散性樹脂との溶解
性等を考慮し適宜選択、配合して用いることができる。
【0029】液晶材料としては、例えば、4−置換安息
香酸4′−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキ
サンカルボン酸4′−置換フェニルエステル、4−置換
シクロヘキサンカルボン酸4′−置換ビフェニルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)
安息香酸4′−置換フェニルエステル、4−(4−置換
シクロヘキシル)安息香酸4′−置換フェニルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4′−置
換シクロヘキシルエステル、4−置換4′−置換ビフェ
ニル、4−置換フェニル−4′−置換シクロヘキサン、
4−置換4′−置換ターフェニル、4−置換ビフェニル
4′−置換シクロヘキサン、2−(4−置換フェニル)
−5−置換ピリミジンなどを挙げることができる。
【0030】液晶材料と自己分散性樹脂の比率は、重量
比で20:80〜80:20の範囲が好ましく、40:60〜70:30
の範囲が特に好ましい。液晶材料が多すぎるとカプセル
に包含しない液晶材料が多くなる、或いは、カプセルが
形成しなくなり表示体としての性能が得られなくなる傾
向にあり、又、液晶材料が少なすぎる場合は、壁部分の
比率が増大するために駆動電圧が高くなりすぎる傾向に
あり、好ましくない。
【0031】液晶材料に2色性色素を配合することによ
ってコントラストやカラー表示による視認性の改善、更
に黒色素を用いることによって光シャッター機能を付加
することができ、用途が拡大する。そのような2色性色
素としては液晶用途の2色性色素であれば用いることが
できる。例えば、アントラキノン系、アゾ系、キノフタ
ロン系、ペリレン系、クマリン系、チオインジゴ系、メ
ロシアニン系、スチリル系、オキソノール系等の2色性
色素があげられる。また、目的に応じ上記色素を適宜配
合して用いることができる。
【0032】2色性色素の市販品としては、例えば、三
井東圧染料社製の「SI−497」(青色素)、「M−
137」(青色素)、「SI−426」(赤色素)、
「S−416」(黒色素)、「S−344」(黒色
素)、日本化薬社製の「LCD−118」(青色素)、
「LCD−208」(赤色素)、「LCD−465」
(黒色素)、住友化学社製の「CLD−506」(青色
素)等が挙げられる。
【0033】基板は、堅固な材料、例えば、ガラス、金
属等であっても良く、柔軟性を有する材料、例えば、プ
ラスチックフィルムの如きものであっても良く、熱的操
作によって表示を行なう表示体にあっては、これらに加
えて紙の如きものであっても良い。
【0034】電気的操作によって表示を行なう表示体の
基板は、2枚が対向して適当な間隔を隔て得るものであ
る。また、その少なくとも一方は、透明性を有し、その
2枚の間に挟持される調光層を外界から視覚させるもの
でなければならない。但し、完全な透明性を必須とする
ものではない。もし、この液晶表示体が、その一方の側
から他方の側へ通過する光に対して作用させるために使
用される場合は、2枚の基板は共に適宜な透明性が与え
られる。この基板には、目的に応じて透明、不透明の適
宜な電極が、その全面又は部分的に配置されても良い。
【0035】特に大型の表示体を製造するにあたって
は、基板としてはプラスチックフイルムが好適である。
即ち、透明電極付プラスチックフイルム上に第3工程で
得られた液晶を包含する微小カプセルの懸濁液をドクタ
ーブレード等を用いて一定の厚さに流延塗布し、乾燥し
た後に、ロールコータ等を用いて電極付プラスチックフ
イルムをラミネートする事により大型液晶表示体を製造
することができる。
【0036】熱的操作によって表示を行なう表示体の場
合には、1枚の基板上に調色層を設けてもよく、2枚の
基板間に調色層を有するものであってもよく、また、調
色層を形成した後、基板を剥離することによって得られ
る調色層のみから成る表示体であってもよい。
【0037】表示体の調光層又は調色層の厚みは、5〜
50μmの範囲が好ましく、10〜25μmの範囲が特に好ま
しい。
【0038】
【実施例】以下、本発明を参考例、実施例及び比較例に
より更に具体的に説明する。しかしながら、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。
【0039】以下の実施例において「部」及び「%」は
各々『重量部』及び『重量%』を表わす。又、評価特性
の各々は、以下の記号及び内容を意味する。 (1)T0=白濁度;印加電圧0の時の光透過率(%) (2)T100=透明度;印加電圧を増加させていき光透過率
がほとんど増加しなくなった時の光透過率(%) (3)V10=しきい値;T0を0%、T100を100%としたと
き光透過率が10%となる印加電圧(Vrms ) (4)V90=飽和電圧;同上光透過率が90%となる印加電
圧(Vrms) (5)CR=コントラスト=T100/T0 (参考例1)(自己分散性樹脂類の調製例) スチレン200部、メチルメタクレート176部、メタクリル
酸24部及び「パーブチル O」[日本油脂(株)製のte
rt-ブチルパーオキシオクトエート]8部の混合液を調
製した。
【0040】次いで、この混合液の60部及びメチルエチ
ルケトン400部をフラスコに仕込み、窒素雰囲気中で攪
拌しながら、75℃に昇温させた後、同温度で30分間保持
しながら、残余の混合液を1.5時間に亘って滴下し、滴
下終了後も、同温度で12時間反応を続行させて、溶液の
酸価が20であるビニル系樹脂の溶液が得られた。
【0041】この樹脂溶液の不揮発分は50%で、かつ、
25℃におけるガードナー・ホルツ粘度(以下同様)はW
であった。 以下、これを樹脂(A−1)と略記する。 (参考例2)(同上) スチレン162.3部、ブチルメタクレート125.2部、メタク
リル酸13.5部、「パーブチル O」6部及びメチルエチ
ルケトン24部の混合溶液を調製した。
【0042】別の反応器にメチルエチルケトン200部を
仕込み、窒素雰囲気中で80℃に加熱し、同温度に保ちな
がら、先の混合溶液を2時間かけて滴下し反応させた。
更に4回の亙って1時間毎に「パーブチルO」0.5部及
びメチルエチルケトン5部から成る溶液を添加し、その
後、同温度で5時間反応させて、溶液の酸価が15である
ビニル系樹脂の溶液が得られた。
【0043】この樹脂の溶液の不揮発分は57%で、粘度
はWであった。以下、これを樹脂(A−2)と略記す
る。 (参考例3)(同上) 「ユニセーフ PT−200」[日本油脂(株)製のポ
リテトラメチレングリコール;数平均分子量=約2,00
0]293部及びイソホロンジイソシアネート77部をフラス
コに仕込み、窒素雰囲気下に攪拌しながら120℃まで昇
温させ、同温度で30分間保持した。この混合物中にオク
テン酸錫0.05部を投入し、1時間後に80℃に降温し、メ
チルエチルケトン210部及びジメチロールプロピオン酸2
0部を投入し、75℃で5時間反応させたところ、粘度の
増加も、イソシアネート基の含有率の減少も認められな
くなり、溶液の酸価が13、イソシアネート基含有率が、
0.9%の分子末端にイソシアネート基を有するポリウレ
タン樹脂が得られた。
【0044】この樹脂溶液の不揮発分は65%であり、か
つ、粘度はWであった。以下、これを樹脂(A−3)と
略記する。 (参考例4)(同上) ネオペンチルグリコール416部及びジメチルイソフタル
酸ソジウムスルホネート268部をフラスコに仕込み、窒
素気流下に、210℃まで昇温させ、メタノールを除去し
ながら、8時間反応させて、変性ジオール中間体を得
た。
【0045】別のフラスコに、トルエンジイソシアネー
ト35部及びメチルエチルケトン250部を仕込み、窒素気
流下に65℃に昇温させて保持し、発熱に注意しながら、
「ユニセーフ PT−200」200部を徐々に投入し
た。
【0046】この投入完了後、30分後に、オクテン酸錫
の0.02部を投入し、その1時間後に、更に、先の変性ジ
オール中間体の10.8部を投入し、70℃で4時間反応させ
て、溶液のイソシアネート基含有率が0.8%であり、分
子末端にイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂の
溶液が得られた。
【0047】この樹脂溶液の不揮発分は50%で、かつ、
粘度はPであった。以下、これを樹脂(A−4)と略記
する。 (実施例1)樹脂(A−1)15g及び液晶材料「RO−
571」(ロシュ社製ネマチック液晶組成物)14gをメ
チルエチルケトン10g中に均一に溶解した有機相を調製
した。
【0048】別に、攪拌羽付きの攪拌装置で攪拌され、
蒸留水40gにトリエチルアミン0.6gを溶解させた水溶液
中に、有機相を徐々に投入した。次いで、70℃に加温し
ながらアスピレータ−で、メチルエチルケトンを減圧蒸
留により除去することによって、水中に安定に分散した
目的の微小カプセルが得られた。
【0049】この微小カプセルは、光学顕微鏡(倍率6
00倍)による観察(以下同様)の結果、球状であるこ
とが確認され、アメリカ国コールター(COULTER)社製
の「Model N−4」を用いて平均粒子径(以下同様)
を測定したところ、1.2μmであった。
【0050】上記カプセル懸濁液を10cm四方の透明電極
付ガラス板上に、乾燥後の膜厚が20μmとなるよう流延
塗布した後、50℃で60分間乾燥させた。透明電極付PE
Tフイルムを乾燥した膜に接するようにラミネートし液
晶表示体を得た。
【0051】この液晶表示体の印加電圧と光透過率の関
係を測定したところ、30Vrms以下で動作しコントラス
トも高い液晶表示体が得られた。 T0=4.1%、T100=75.4%、CR=18.4、V10=8.3V
rms、V90=28.1Vrms (実施例2)樹脂(A−1)12g及び後述の液晶組成物
(A)12gをメチルエチルケトン5g中に均一に溶解した
有機相を調製した。
【0052】実施例1において、この有機相を使用し、
蒸留水24gにトリエチルアミン0.5gを溶解させた水溶液
を用いた以外は、実施例1と同様にして、水中に分散し
た球状カプセルを得た。
【0053】この球状カプセルの平均粒子径は、0.9μ
mであった。実施例1と同様にして液晶表示体を作成
し、印加電圧と光透過率の関係を測定したところ、以下
のデータが得られた。
【0054】T0=3.1%、T100=75.2%、CR=24.
3、V10=7.4Vrms、V90=21.8Vrms なお、液晶組成物(A)は以下の組成からなり、以下の
特性を有するものである。
【0055】組成
【0056】
【化1】 (実施例3)樹脂(A−2)12g及び液晶組成物(A)1
0gをメチルエチルケトン5g中に均一に溶解した有機相
を調製した。
【0057】実施例1において、この有機相を使用し、
蒸留水24gにトリエチルアミン0.4gを溶解させた水溶液
を用いた以外は、実施例1と同様にして、水中に分散し
た球状カプセルを得た。
【0058】この球状カプセルの平均粒子径は、1.1μ
mであった。実施例1と同様にして液晶表示体を作成
し、印加電圧と光透過率の関係を測定したところ、以下
のデータが得られた。
【0059】T0=3.8%、T100=76.1%、CR=20.
0、V10=10.6Vrms、V90=30.6Vrms (実施例4)樹脂(A−3)12g及び液晶材料「RO−
571」5gをメチルエチルケトン5g中に均一に溶解し
た有機相を調製した。
【0060】実施例1において、この有機相を使用し、
蒸留水24gにトリエチルアミン0.3gを溶解させた水溶液
を用いた以外は、実施例1と同様にして、水中に分散し
た球状カプセルを得た。
【0061】この球状カプセルの平均粒子径は、0.9μ
mであった。実施例1と同様にして液晶表示体を作成
し、印加電圧と光透過率の関係を測定したところ、以下
のデータが得られた。
【0062】T0=4.1%、T100=78.2%、CR=19.
1、V10=15.4Vrms、V90=43.8Vrms (実施例5)実施例1において、トリエチルアミンに代
えて、エチレンジアミン0.07g及びジエチレントリアミ
ン0.03gを用いた以外は、実施例1と同様にして、水中
に分散した球状カプセルを得た。
【0063】この球状カプセルの平均粒子径は、1.1μ
mであった。本例は、カプセル壁材として使用したイソ
シアネート末端ウレタン樹脂に対して、エチレンジアミ
ンを鎖伸張反応させる一方で、ジエチレントリアミンを
用いて架橋ゲル化せしめることにより、一層の高分子量
化と、特性の向上化とを図ったものである。
【0064】実施例1と同様にして液晶表示体を作成
し、このものの印加電圧と光透過率の関係を測定したと
ころ、以下のデータが得られた。 T0=5.1%、T100=79.2%、CR=15.5、V10=11.3
rms、V90=39.5Vrms (実施例6)樹脂(A−4)30g及び液晶組成物(A)1
5gをメチルエチルケトン10g中に均一に溶解した有機相
を調製した。
【0065】実施例1において、この有機相を使用し、
蒸留水60gにエチレンジアミン0.12g及びジエチレントリ
アミン0.06gを溶解させた水溶液を用いた以外は、実施
例1と同様にして、水中に分散した球状カプセルを得
た。
【0066】この球状カプセルの平均粒子径は、1.2μ
mであった。実施例1と同様にして液晶表示体を作成
し、印加電圧と光透過率の関係を測定したところ、以下
のデータが得られた。
【0067】T0=5.6%、T100=75.4%、CR=13.
5、V10=13.3Vrms、V90=38.5Vrms (実施例7)樹脂(A−2)26.84g、BDH Limi
ted社製サーモクロミック液晶「TM74A」1.83
g、「TM75A」4.29g、「TM74B」2.75g及び
「TM75B」6.45gから成る液晶材料及びトリエチル
アミン0.25gを、メチルエチルケトン11.4g及びイソプロ
ピルアルコール25.0gから成る有機溶媒中に均一に溶解
した有機相を調製した。
【0068】この有機相を攪拌しながら、蒸留水100gを
徐々に投入して粒子を形成させた後、エバポレーターを
用いてメチルエチルケトン及びイソプロピルアルコール
及び水の一部を留去することによって、水中に安定に分
散した球状カプセルを得た。
【0069】この球状カプセルの平均粒子径は、7μm
であった。上記カプセル懸濁液を黒色に印刷されたプラ
スチックフイルム上に塗布し、これを乾燥させて微小カ
プセルを有する表示体を得た。
【0070】この表示体は、約22℃前後で赤系から青
系に連続的、且つ可逆的に色調変化を呈した。
【0071】
【発明の効果】本発明の方法によって得られる液晶包含
微小カプセルは界面活性剤等の補助材料を使用せずに、
短時間で、かつ容易に製造できるものであり、それによ
って得られる液晶表示体は製造コストが安価にできる。
また、液晶材料に界面活性剤等の不純物を含まないこ
と、不溶性の樹脂を用い、かつ、耐湿性の樹脂の選択も
可能なことにより、耐久性の優れた液晶表示体ができ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に対し自己分散能を有する樹脂、液晶
    材料及び有機溶剤を含有する混合体を有機相とし、上記
    有機相を水と接触させることを特徴とする液晶材料を包
    含する微小カプセルの製造方法。
  2. 【請求項2】 水に対し自己分散能を有する樹脂が反応
    性活性基を有する請求項1記載の液晶材料を包含する微
    小カプセルの製造方法。
  3. 【請求項3】 電極層を有する少なくとも一方が透明な
    2枚の基板間に請求項1又は2記載の液晶材料を包含す
    る微小カプセルから成る調光層を有することを特徴とす
    る液晶表示体。
  4. 【請求項4】 電極層を有する少なくとも一方が透明な
    2枚の基板の内の一方の基板上に、請求項1又は2記載
    の液晶材料を包含する微小カプセルの懸濁液を流延塗
    布、乾燥した後、他方の基板を重ね合わせることを特徴
    とする請求項3記載の液晶表示体の製造方法。
  5. 【請求項5】 液晶材料がコレステリック液晶又はカイ
    ラルネマチック液晶である請求項1又は2記載の液晶材
    料を包含する微小カプセルを有し、電気的又は熱的操作
    によって変色する表示体。
  6. 【請求項6】 水に対し自己分散能を有する樹脂がアク
    リル系樹脂である請求項3及び5記載の表示体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8310626B2 (en) 2007-11-28 2012-11-13 Nippon Sheet Glass Company, Limited Liquid crystal light control device and method for producing the same comprising a step of emulsion polymerization of monomers of a liquid crystal resin composite

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