JPH05657A - 車両のスリツプ制御装置 - Google Patents
車両のスリツプ制御装置Info
- Publication number
- JPH05657A JPH05657A JP18041191A JP18041191A JPH05657A JP H05657 A JPH05657 A JP H05657A JP 18041191 A JP18041191 A JP 18041191A JP 18041191 A JP18041191 A JP 18041191A JP H05657 A JPH05657 A JP H05657A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- target value
- slip
- control
- brake
- vehicle speed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Regulating Braking Force (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ブレ−キ制御による車体振動等のフィ−リン
グの悪化防止と、ブレ−キ制御による駆動輪のスリップ
防止とを共に満足させる。 【構成】 駆動輪1FL、1FRの実際のスリップ値が
エンジン用目標値STEとなるようにフィ−ドバック制
御するエンジン制御手段と、上記実際のスリップ値がブ
レ−キ用目標値STBとなるようにフィ−ドバック制御
するブレ−キ制御手段とを備える。STBからSTEを
差引いた偏差すなわちSTBをSTEで徐した値が、車
速が大きくなるほど大きくされる。好ましくは、上記偏
差は、車速が大きくなるにつれて連続可変的に大きくさ
れる。また、STEは車速の変化によっては変化せず、
STBのみを車速の変化に対応して変化させるのが好ま
しい。さらに、STBを常にSTEよりも大きい値とし
て設定するのが好ましい。
グの悪化防止と、ブレ−キ制御による駆動輪のスリップ
防止とを共に満足させる。 【構成】 駆動輪1FL、1FRの実際のスリップ値が
エンジン用目標値STEとなるようにフィ−ドバック制
御するエンジン制御手段と、上記実際のスリップ値がブ
レ−キ用目標値STBとなるようにフィ−ドバック制御
するブレ−キ制御手段とを備える。STBからSTEを
差引いた偏差すなわちSTBをSTEで徐した値が、車
速が大きくなるほど大きくされる。好ましくは、上記偏
差は、車速が大きくなるにつれて連続可変的に大きくさ
れる。また、STEは車速の変化によっては変化せず、
STBのみを車速の変化に対応して変化させるのが好ま
しい。さらに、STBを常にSTEよりも大きい値とし
て設定するのが好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動輪の路面に対する
スリップが過大になるのを防止する車両のスリップ制御
装置に関するものである。
スリップが過大になるのを防止する車両のスリップ制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】車両の加速時等に駆動輪の路面に対するス
リップが過大になるのを防止して、加速性や車両安定性
を満足させるようにしたスリップ制御装置(トラクショ
ン制御装置)が種々提案されている。
リップが過大になるのを防止して、加速性や車両安定性
を満足させるようにしたスリップ制御装置(トラクショ
ン制御装置)が種々提案されている。
【0003】上記スリップ制御は、駆動輪への付与トル
クを低減することにより行なわれ、このため駆動輪へブ
レ−キ力を与えるブレ−キ制御や、エンジンの発生トル
ク(出力)を低下させるエンジン制御が行なわれる。こ
のブレ−キ制御およびエンジン制御の場合共に、駆動輪
の路面に対する実際のスリップ値が所定の目標値となる
ようにフィ−ドバック制御されるのが一般的である。
クを低減することにより行なわれ、このため駆動輪へブ
レ−キ力を与えるブレ−キ制御や、エンジンの発生トル
ク(出力)を低下させるエンジン制御が行なわれる。こ
のブレ−キ制御およびエンジン制御の場合共に、駆動輪
の路面に対する実際のスリップ値が所定の目標値となる
ようにフィ−ドバック制御されるのが一般的である。
【0004】スリップ制御を、ブレ−キ制御とエンジン
制御との両方で行なうものとして特開昭63−1666
49号公報があり、この公報には、、駆動輪のスリップ
値が小さいときはエンジン制御のみを行ない、駆動輪の
スリップ値が大きくなったときに、エンジン制御とブレ
−キ制御との両方の制御を行なうものが開示されてい
る。
制御との両方で行なうものとして特開昭63−1666
49号公報があり、この公報には、、駆動輪のスリップ
値が小さいときはエンジン制御のみを行ない、駆動輪の
スリップ値が大きくなったときに、エンジン制御とブレ
−キ制御との両方の制御を行なうものが開示されてい
る。
【0005】ところで、ブレ−キ制御を行なう場合、応
答性や左右駆動輪のスリップ制御を個々独立して行なえ
るという利点を有する反面、車体振動等のフィ−リング
の面で好ましくなく、特にこのようなフィ−リングの悪
化は高車速時において顕著となる。このため、低車速時
でのみブレ−キ制御を行ない、高車速時にはブレ−キ制
御を中止するものが既に実用化されている。
答性や左右駆動輪のスリップ制御を個々独立して行なえ
るという利点を有する反面、車体振動等のフィ−リング
の面で好ましくなく、特にこのようなフィ−リングの悪
化は高車速時において顕著となる。このため、低車速時
でのみブレ−キ制御を行ない、高車速時にはブレ−キ制
御を中止するものが既に実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、ブレ−
キ制御を低車速時でのみ行なう場合は、フィ−リングの
点では満足するも、高車速時において、例えば左右片側
の駆動輪のみに大きなスリップを生じたときに、このス
リップをすみやかに収束させることがむずかしくなる。
キ制御を低車速時でのみ行なう場合は、フィ−リングの
点では満足するも、高車速時において、例えば左右片側
の駆動輪のみに大きなスリップを生じたときに、このス
リップをすみやかに収束させることがむずかしくなる。
【0007】したがって、本発明の目的は、スリップ制
御をエンジン制御とブレ−キ制御との両方で行なうもの
を前提として、ブレ−キ制御によるフィ−リング上の悪
影響を防止しつつ駆動輪のスリップをも十分に防止し得
るようにした車両のスリップ制御装置を提供することを
目的とする。
御をエンジン制御とブレ−キ制御との両方で行なうもの
を前提として、ブレ−キ制御によるフィ−リング上の悪
影響を防止しつつ駆動輪のスリップをも十分に防止し得
るようにした車両のスリップ制御装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【発明の構成】上記目的を達成するため、本発明にあっ
ては、次のような構成としてある。すなわち、エンジン
の発生トルクを調整するトルク調整手段と、駆動輪への
ブレ−キ力を調整するブレ−キ調整手段と、駆動輪の路
面に対するスリップ値を検出するスリップ検出手段と、
前記スリップ検出手段で検出されるスリップ値が第1目
標値となるように前記トルク調整手段を制御するエンジ
ン制御手段と、駆動輪の路面に対するスリップ値が前記
第1目標値よりも大きく設定された第2目標値となるよ
うに前記ブレ−キ調整手段を制御するブレ−キ制御手段
と、車速を検出する車速検出手段と、前記車速検出手段
で検出される車速が大きくなるほど、前記第2目標値か
ら第1目標値を差引いた偏差が大きくなるようにする目
標値変更手段と、を備えた構成としてある。
ては、次のような構成としてある。すなわち、エンジン
の発生トルクを調整するトルク調整手段と、駆動輪への
ブレ−キ力を調整するブレ−キ調整手段と、駆動輪の路
面に対するスリップ値を検出するスリップ検出手段と、
前記スリップ検出手段で検出されるスリップ値が第1目
標値となるように前記トルク調整手段を制御するエンジ
ン制御手段と、駆動輪の路面に対するスリップ値が前記
第1目標値よりも大きく設定された第2目標値となるよ
うに前記ブレ−キ調整手段を制御するブレ−キ制御手段
と、車速を検出する車速検出手段と、前記車速検出手段
で検出される車速が大きくなるほど、前記第2目標値か
ら第1目標値を差引いた偏差が大きくなるようにする目
標値変更手段と、を備えた構成としてある。
【0009】
【発明の効果】ブレ−キ制御用の第2目標値からエンジ
ン制御用の第1目標値を差引いた偏差が、車速が大きく
なるほど大きくなるということは、つまるところ、車速
が大きくなるほどエンジン制御による制御割合が増大す
ること、すなわち車速が大きくなるほどブレ−キ制御の
制御割合が低減することになる。したがって、車速が大
きくなっていくときに、ブレ−キ制御の制御割合が減少
していくので、フィ−リングの悪化を防止しつつ、この
ブレ−キ制御を利用した駆動輪のスリップを防止するこ
とができる。特に、本発明では、高車速時において左右
片側の駆動輪のみが大きなスリップを生じた場合に効果
的となる。
ン制御用の第1目標値を差引いた偏差が、車速が大きく
なるほど大きくなるということは、つまるところ、車速
が大きくなるほどエンジン制御による制御割合が増大す
ること、すなわち車速が大きくなるほどブレ−キ制御の
制御割合が低減することになる。したがって、車速が大
きくなっていくときに、ブレ−キ制御の制御割合が減少
していくので、フィ−リングの悪化を防止しつつ、この
ブレ−キ制御を利用した駆動輪のスリップを防止するこ
とができる。特に、本発明では、高車速時において左右
片側の駆動輪のみが大きなスリップを生じた場合に効果
的となる。
【0010】両目標値の偏差を変更するには、第1目標
値と第2目標値との少なくとも一方を変化させることに
より達成し得るが、好ましくは、車速の変化に応じては
ブレ−キ制御用の第2目標値のみを変更し、エンジン制
御用の第1目標値は車速の変化によっては変更しないよ
うにするのが、特にフィ−リングの悪化防止の上で好ま
しい。勿論、車速の変化に応じて上記偏差を連続可変的
に変更することが好ましいものとなる。
値と第2目標値との少なくとも一方を変化させることに
より達成し得るが、好ましくは、車速の変化に応じては
ブレ−キ制御用の第2目標値のみを変更し、エンジン制
御用の第1目標値は車速の変化によっては変更しないよ
うにするのが、特にフィ−リングの悪化防止の上で好ま
しい。勿論、車速の変化に応じて上記偏差を連続可変的
に変更することが好ましいものとなる。
【0011】第2目標値が第1目標値よりも常に大きい
値として設定しておくのが、常にエンジン制御を支配的
としたスリップ制御を行なう上で好ましいものとなる。
なお、上記偏差を、車速が大きくなるほど大きくすると
いうことは、換言すれば、第1目標値に対する第2目標
値の比が車速が大きくなるほど大きくなるということと
同じである。
値として設定しておくのが、常にエンジン制御を支配的
としたスリップ制御を行なう上で好ましいものとなる。
なお、上記偏差を、車速が大きくなるほど大きくすると
いうことは、換言すれば、第1目標値に対する第2目標
値の比が車速が大きくなるほど大きくなるということと
同じである。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例を添付した図面に基づい
て説明する。図1において、1FLは左前輪、1FRは
右前輪、1RLは左後輪、1RRは右後輪である。車体
前部にはエンジン2が横置きに塔載され、該エンジン2
での発生トルクは、クラッチ3、変速機4、差動ギア5
に伝達された後、左ドライブシャフト6Lを介して左前
輪1FLに、また右ドライブシャフト6Rを介して右前
輪1FRに伝達される。このように、車両は、前輪1F
L、1FRが駆動輪とされ、後輪1RL、1RRが従動
輪とされた前輪駆動車とされている。
て説明する。図1において、1FLは左前輪、1FRは
右前輪、1RLは左後輪、1RRは右後輪である。車体
前部にはエンジン2が横置きに塔載され、該エンジン2
での発生トルクは、クラッチ3、変速機4、差動ギア5
に伝達された後、左ドライブシャフト6Lを介して左前
輪1FLに、また右ドライブシャフト6Rを介して右前
輪1FRに伝達される。このように、車両は、前輪1F
L、1FRが駆動輪とされ、後輪1RL、1RRが従動
輪とされた前輪駆動車とされている。
【0013】各車輪に装備されたブレ−キ7FR〜7R
Rは、油圧式とされたディスクブレ−キとされている。
また、ブレ−キ液圧発生源としてのマスタシリンダ8
は、2つの吐出口8a、8bを有するタンデム型とされ
ている。このマスタシリンダ8の一方の吐出口8aから
伸びるブレ−キ配管13は、途中で2本に分岐されて、
分岐配管13Fが左前輪用ブレ−キ7FL(のキャリパ
内に装備されたホイ−ルシリンダ)に接続され、分岐配
管13Rが右後輪用ブレ−キ7RRに接続されている。
マスタシリンダ8の他方の吐出口8bから伸びる分岐配
管14も2本に分岐されて、分岐配管14Fが右前輪用
ブレ−キ7FRに接続され、分岐配管14Rが左後輪用
ブレ−キ7RLに接続されている。
Rは、油圧式とされたディスクブレ−キとされている。
また、ブレ−キ液圧発生源としてのマスタシリンダ8
は、2つの吐出口8a、8bを有するタンデム型とされ
ている。このマスタシリンダ8の一方の吐出口8aから
伸びるブレ−キ配管13は、途中で2本に分岐されて、
分岐配管13Fが左前輪用ブレ−キ7FL(のキャリパ
内に装備されたホイ−ルシリンダ)に接続され、分岐配
管13Rが右後輪用ブレ−キ7RRに接続されている。
マスタシリンダ8の他方の吐出口8bから伸びる分岐配
管14も2本に分岐されて、分岐配管14Fが右前輪用
ブレ−キ7FRに接続され、分岐配管14Rが左後輪用
ブレ−キ7RLに接続されている。
【0014】前輪用すなわち駆動輪用の分岐配管13
F、14Fには、電磁式の液圧調整弁15Lあるいは1
5Rが接続され、後輪用の分岐配管13R、14Rに
は、電磁式の開閉弁16Lあるいは16Rが接続されて
いる。液圧調整弁15L、15Rは、ブレ−キ7FL、
7FRへのマスタシリンダ8からのブレ−キ液圧供給
と、該ブレ−キ7FL、7FRのブレ−キ液圧を配管2
1L、21Rを介してリザ−バタンク22L、22Rへ
解放する態様とを切換える。リザ−バタンク21Lのブ
レ−キ液は、ポンプ23Lによって、逆止弁24Lが接
続された配管25Lを介して配管13に戻され、同様
に、リザ−バタンク22Rのブレ−キ液は、ポンプ23
Rによって、逆止弁24Rが接続された配管25Rを介
して配管14に戻される。
F、14Fには、電磁式の液圧調整弁15Lあるいは1
5Rが接続され、後輪用の分岐配管13R、14Rに
は、電磁式の開閉弁16Lあるいは16Rが接続されて
いる。液圧調整弁15L、15Rは、ブレ−キ7FL、
7FRへのマスタシリンダ8からのブレ−キ液圧供給
と、該ブレ−キ7FL、7FRのブレ−キ液圧を配管2
1L、21Rを介してリザ−バタンク22L、22Rへ
解放する態様とを切換える。リザ−バタンク21Lのブ
レ−キ液は、ポンプ23Lによって、逆止弁24Lが接
続された配管25Lを介して配管13に戻され、同様
に、リザ−バタンク22Rのブレ−キ液は、ポンプ23
Rによって、逆止弁24Rが接続された配管25Rを介
して配管14に戻される。
【0015】ブレ−キペダル12に対する踏込み力は、
倍力装置すなわちブレ−キブ−スタ11を介してマスタ
シリンダ8に伝達される。このブ−スタ11は、基本的
には既知の真空倍力装置と同じであるが、スリップ制御
の際には後述するように、ブレ−キペダルの踏込み操作
が行なわれていなくても倍力作用を行なうように構成さ
れている。
倍力装置すなわちブレ−キブ−スタ11を介してマスタ
シリンダ8に伝達される。このブ−スタ11は、基本的
には既知の真空倍力装置と同じであるが、スリップ制御
の際には後述するように、ブレ−キペダルの踏込み操作
が行なわれていなくても倍力作用を行なうように構成さ
れている。
【0016】ブ−スタ11は、車体およびマスタシリン
ダ8に固定されたケ−ス31を有し、該ケ−ス31内
が、ダイヤフラム32とこれに固定されたバルブボディ
33とによって、第1室34と第2室35とに画成され
ている。第1室34には常に負圧(例えばエンジン2の
吸気負圧)が供給されており、ブレ−キペダルが踏込み
操作されていないときは第2室35が第1室34と連通
されて、ブ−スタ11の作動が停止された状態とされ
る。そして、ブレ−キペダル12を踏込み操作すると、
第2室35に大気圧が供給され、これによりダイヤフラ
ム32がバルブボディ33と共に前方へ変位して倍力機
能が行なわれる。
ダ8に固定されたケ−ス31を有し、該ケ−ス31内
が、ダイヤフラム32とこれに固定されたバルブボディ
33とによって、第1室34と第2室35とに画成され
ている。第1室34には常に負圧(例えばエンジン2の
吸気負圧)が供給されており、ブレ−キペダルが踏込み
操作されていないときは第2室35が第1室34と連通
されて、ブ−スタ11の作動が停止された状態とされ
る。そして、ブレ−キペダル12を踏込み操作すると、
第2室35に大気圧が供給され、これによりダイヤフラ
ム32がバルブボディ33と共に前方へ変位して倍力機
能が行なわれる。
【0017】第2室35に対する負圧供給と大気圧供給
との切換えは、基本的には、バルブボディ33内に装備
された弁装置によってなされる。このバルブボディ33
部分を図2に基づいて説明する。
との切換えは、基本的には、バルブボディ33内に装備
された弁装置によってなされる。このバルブボディ33
部分を図2に基づいて説明する。
【0018】先ず、バルブボディ33は、ダイヤフラム
32に固定されるパワ−ピストン41を有し、このパワ
−ピストン41に形成された凹部41a内には、リアク
ションディスク42と出力軸43の基端部とが嵌合され
ている。この出力軸43は、マスタシリンダ8の入力軸
となるものである。また、ブレ−キペダル12に連結さ
れた入力軸44の先端部には、バルブボディ33内にお
いて、バルブプランジャ45が取付けられている。この
バルブプランジャ45の後方には、真空弁46が配設さ
れている。
32に固定されるパワ−ピストン41を有し、このパワ
−ピストン41に形成された凹部41a内には、リアク
ションディスク42と出力軸43の基端部とが嵌合され
ている。この出力軸43は、マスタシリンダ8の入力軸
となるものである。また、ブレ−キペダル12に連結さ
れた入力軸44の先端部には、バルブボディ33内にお
いて、バルブプランジャ45が取付けられている。この
バルブプランジャ45の後方には、真空弁46が配設さ
れている。
【0019】パワ−ピストン41には圧力導入通路50
が形成されており、該圧力導入通路50は常時、前記バ
ルブプランジャ45の周囲に形成される空間Xに連通さ
れている。この空間Xは、常に第2室35と連通されて
いる。そして、圧力導入通路50の空間X側への開口端
部に、前記真空弁46が離着座される弁座47が形成さ
れている。また、真空弁46は、バルブプランジャ45
の後端に形成された弁座45aに対しても離着座され
る。
が形成されており、該圧力導入通路50は常時、前記バ
ルブプランジャ45の周囲に形成される空間Xに連通さ
れている。この空間Xは、常に第2室35と連通されて
いる。そして、圧力導入通路50の空間X側への開口端
部に、前記真空弁46が離着座される弁座47が形成さ
れている。また、真空弁46は、バルブプランジャ45
の後端に形成された弁座45aに対しても離着座され
る。
【0020】以上のような構成において、いま、圧力導
入通路50に負圧が導入されている場合を想定する。こ
の状態で、ブレ−キペダル12が踏込み操作されていな
いときは、図2の状態で、スプリング48、49の付勢
力によって真空弁46が弁座45aに着座するも、弁座
47とは離間されている。したがって、圧力導入通路5
0からの負圧は、空間Xを介して第2室35に導入さ
れ、倍力作用は行なわれない。
入通路50に負圧が導入されている場合を想定する。こ
の状態で、ブレ−キペダル12が踏込み操作されていな
いときは、図2の状態で、スプリング48、49の付勢
力によって真空弁46が弁座45aに着座するも、弁座
47とは離間されている。したがって、圧力導入通路5
0からの負圧は、空間Xを介して第2室35に導入さ
れ、倍力作用は行なわれない。
【0021】ブレ−キペダル12を踏込み操作すると、
入力軸44したがってバルブプランジャ45が前方動
(図中左方動)される。この前方動の際、真空弁46
は、先ず弁座47に着座して空間Xと圧力導入通路50
との連通を遮断し、その後真空弁46に対して弁座45
aが離間される。この真空弁46と弁座45aとが離間
することにより、バルブボディ33の後方からの大気圧
が空間Xに導入されて、第2室35が大気圧となる。こ
れにより、ダイヤフラム32がバルブボディ33と共に
前方へ変位し、この結果出力軸43が前方動して倍力作
用が行なわれる。マスタシリンダ8からのブレ−キ反力
は、リアクションディスク42を介して、バルブプラン
ジャ45したがってブレ−キペダル12に伝達される。
ブレ−キペダル12の踏込み操作力が解放されると、リ
タ−ンスプリング36(図1参照)により図2の状態へ
復帰して、次の倍力作用に備えることになる。
入力軸44したがってバルブプランジャ45が前方動
(図中左方動)される。この前方動の際、真空弁46
は、先ず弁座47に着座して空間Xと圧力導入通路50
との連通を遮断し、その後真空弁46に対して弁座45
aが離間される。この真空弁46と弁座45aとが離間
することにより、バルブボディ33の後方からの大気圧
が空間Xに導入されて、第2室35が大気圧となる。こ
れにより、ダイヤフラム32がバルブボディ33と共に
前方へ変位し、この結果出力軸43が前方動して倍力作
用が行なわれる。マスタシリンダ8からのブレ−キ反力
は、リアクションディスク42を介して、バルブプラン
ジャ45したがってブレ−キペダル12に伝達される。
ブレ−キペダル12の踏込み操作力が解放されると、リ
タ−ンスプリング36(図1参照)により図2の状態へ
復帰して、次の倍力作用に備えることになる。
【0022】以上説明した部分は、既知の真空倍力装置
と同じであるが、本実施例では、スリップ制御のため
に、圧力導入通路50に対して、第1室34の負圧を導
入させる状態と大気圧を導入させる状態とに切換えるよ
うにしている。すなわち、第1室34と圧力導入通路5
0とが配管37を介して接続され、該配管37に3方電
磁切換弁38(図1参照)が接続されている。この切換
弁38は、消磁時に圧力導入通路50を第1室34に連
通させ、励磁時に圧力導入通路50に大気圧を導入させ
る。この切換弁38が励磁されて圧力導入通路50に大
気圧が導入されると、前記空間Xしたがって第2室35
は、ブレ−キペダル12の踏込み操作が行なわれていな
くても大気圧となり、この結果倍力作用を行なってマス
タシリンダ8にブレ−キ液圧を発生させることになる。
と同じであるが、本実施例では、スリップ制御のため
に、圧力導入通路50に対して、第1室34の負圧を導
入させる状態と大気圧を導入させる状態とに切換えるよ
うにしている。すなわち、第1室34と圧力導入通路5
0とが配管37を介して接続され、該配管37に3方電
磁切換弁38(図1参照)が接続されている。この切換
弁38は、消磁時に圧力導入通路50を第1室34に連
通させ、励磁時に圧力導入通路50に大気圧を導入させ
る。この切換弁38が励磁されて圧力導入通路50に大
気圧が導入されると、前記空間Xしたがって第2室35
は、ブレ−キペダル12の踏込み操作が行なわれていな
くても大気圧となり、この結果倍力作用を行なってマス
タシリンダ8にブレ−キ液圧を発生させることになる。
【0023】図3は、制御系を簡略的に示すものであ
り、同図中Uは、マイクロコンピュ−タを利用して構成
された制御ユニットである、この制御ユニットUには、
センサあるいはスイッチS1〜S9からの信号が入力さ
れる。センサS1〜S4は、各車輪1FL〜1RRの回
転速度を検出するものである。スイッチS5はアクセル
ペダル10が全閉となったときにオンとされるアクセル
スイッチである。スイッチS6、S7はそれぞれブレ−
キペダル12が踏込み操作されたときに作動されるもの
で、例えば一方のスイッチは常開型とされ、他方は常閉
型とされる。センサS8は、アクセル開度を検出するも
のである。センサS9は、ハンドル舵角を検出するもの
である。
り、同図中Uは、マイクロコンピュ−タを利用して構成
された制御ユニットである、この制御ユニットUには、
センサあるいはスイッチS1〜S9からの信号が入力さ
れる。センサS1〜S4は、各車輪1FL〜1RRの回
転速度を検出するものである。スイッチS5はアクセル
ペダル10が全閉となったときにオンとされるアクセル
スイッチである。スイッチS6、S7はそれぞれブレ−
キペダル12が踏込み操作されたときに作動されるもの
で、例えば一方のスイッチは常開型とされ、他方は常閉
型とされる。センサS8は、アクセル開度を検出するも
のである。センサS9は、ハンドル舵角を検出するもの
である。
【0024】また、制御ユニットUからは、図3に示す
各機器類に出力されるが、符号9は、エンジン2の発生
トルクを調整するトルク調整手段である。なお、トルク
調整手段9は、例えば吸入空気量調整することにより、
あるいは燃料カット気筒数と点火時期調整との組み合わ
せにより、発生トルク調整を行なうものである。
各機器類に出力されるが、符号9は、エンジン2の発生
トルクを調整するトルク調整手段である。なお、トルク
調整手段9は、例えば吸入空気量調整することにより、
あるいは燃料カット気筒数と点火時期調整との組み合わ
せにより、発生トルク調整を行なうものである。
【0025】次に、スリップ制御の概要について、図4
をも参照しつつ説明する。なお、図4では、左駆動輪1
FLにはスリップが生じてなくて、右駆動輪1FRに大
きなスリップが生じた場合を例に示してある。
をも参照しつつ説明する。なお、図4では、左駆動輪1
FLにはスリップが生じてなくて、右駆動輪1FRに大
きなスリップが生じた場合を例に示してある。
【0026】エンジン制御
先ず、エンジン制御の開始は、左右前輪1FL、1FR
の各スリップ値のうち、大きい方のスリップ値が所定の
開始しきい値以上となった時点で開始される(図4のt
1時点)。エンジン制御は、実際のスリップ値がエンジ
ン用目標値(第1目標値)STEとなるように、トルク
調整手段9をフィ−ドバック制御することにより行なわ
れる。エンジン制御の中止は、アクセルが全閉になった
とき、あるいは実際のスリップ値が制御継続用しきい値
SC(第1目標値よりも小)となった時間が所定時間以
上継続したとき(図4のt6〜t7)に行なわれる。
の各スリップ値のうち、大きい方のスリップ値が所定の
開始しきい値以上となった時点で開始される(図4のt
1時点)。エンジン制御は、実際のスリップ値がエンジ
ン用目標値(第1目標値)STEとなるように、トルク
調整手段9をフィ−ドバック制御することにより行なわ
れる。エンジン制御の中止は、アクセルが全閉になった
とき、あるいは実際のスリップ値が制御継続用しきい値
SC(第1目標値よりも小)となった時間が所定時間以
上継続したとき(図4のt6〜t7)に行なわれる。
【0027】ブレ−キ制御
ブレ−キ制御の開始は、次の条件の全てを満足したとき
とされる。第1の開始条件は、エンジン制御中であるこ
とである。第2の開始条件は、左右駆動輪1FL、1F
Rの実際のスリップ値の差が所定値以上となったことで
ある(図4のt2)。第3の開始条件は、車速が所定の
第1車速V1以下であることである。第4の開始条件
は、後述する所定の遅延時間を経過したことである。
とされる。第1の開始条件は、エンジン制御中であるこ
とである。第2の開始条件は、左右駆動輪1FL、1F
Rの実際のスリップ値の差が所定値以上となったことで
ある(図4のt2)。第3の開始条件は、車速が所定の
第1車速V1以下であることである。第4の開始条件
は、後述する所定の遅延時間を経過したことである。
【0028】このブレ−キ制御の開始に先立ち、応答遅
れを見込んで、エンジン制御の開始と同時に切換弁38
が励磁されて、ブ−スタ11が倍力作用状態とされると
共に、液圧調整弁15L、15Rはリリ−フ位置に、ま
た開閉弁16L、16Rは閉とされる。そして、切換弁
38を励磁した後、実際のスリップ値が所定の減速度を
示すようになると(所定の減速度を示すまでの時間が前
記遅延時間とされ、図4ではt2〜t3の間)、ブレ−
キ制御が開始される。
れを見込んで、エンジン制御の開始と同時に切換弁38
が励磁されて、ブ−スタ11が倍力作用状態とされると
共に、液圧調整弁15L、15Rはリリ−フ位置に、ま
た開閉弁16L、16Rは閉とされる。そして、切換弁
38を励磁した後、実際のスリップ値が所定の減速度を
示すようになると(所定の減速度を示すまでの時間が前
記遅延時間とされ、図4ではt2〜t3の間)、ブレ−
キ制御が開始される。
【0029】ブレ−キ制御は、左右駆動輪1FL、1F
Rについて個々独立して、それぞれ実際のスリップ値が
ブレ−キ用目標値(第2目標値)STB(>STE)と
なるように、液圧調整弁15L、15Rをフィ−ドバッ
ク制御することにより行なわれる(デュ−ティ制御)。
Rについて個々独立して、それぞれ実際のスリップ値が
ブレ−キ用目標値(第2目標値)STB(>STE)と
なるように、液圧調整弁15L、15Rをフィ−ドバッ
ク制御することにより行なわれる(デュ−ティ制御)。
【0030】ブレ−キ制御の中止は、次のいずれか1つ
の条件を満足したときに行なわれる。第1の中止条件
は、エンジン制御が中止されたときである。第2の中止
条件は、車速が所定の第2車速V2(V2>V1)以上
の高車速となったときである。第3の中止条件は、左右
の液圧調整弁15L、15Rに対する制御信号が、いず
れも減圧を示しかつ所定時間(実施例では500mse
c)継続したときである(図4のt4〜t5)。
の条件を満足したときに行なわれる。第1の中止条件
は、エンジン制御が中止されたときである。第2の中止
条件は、車速が所定の第2車速V2(V2>V1)以上
の高車速となったときである。第3の中止条件は、左右
の液圧調整弁15L、15Rに対する制御信号が、いず
れも減圧を示しかつ所定時間(実施例では500mse
c)継続したときである(図4のt4〜t5)。
【0031】第4の中止条件は、左右のブレ−キ7F
L、7FRのブレ−キ液圧が共に零となったときであ
る。第5の中止条件は、ブレ−キペダル12が踏込み操
作されたことが、スイッチS6、S7のいずれか一方で
検出されたときである(スイッチS6、S7によりブレ
−キペダル12が踏込み操作されていることが検出され
たときは、ブレ−キ制御の開始が禁止される)。
L、7FRのブレ−キ液圧が共に零となったときであ
る。第5の中止条件は、ブレ−キペダル12が踏込み操
作されたことが、スイッチS6、S7のいずれか一方で
検出されたときである(スイッチS6、S7によりブレ
−キペダル12が踏込み操作されていることが検出され
たときは、ブレ−キ制御の開始が禁止される)。
【0032】ブレ−キ制御中止の際は、エンジン制御が
行なわれている限り切換弁38は作動されており、液圧
調整弁15L、15Rはリリ−フ位置にあり、開閉弁1
6L、16Rは閉状態とされる(ブレ−キ制御開始まで
の待機状態と同じ状態)。そして、エンジン制御が中止
された時点あるいはブレ−キペダル12が踏込み操作さ
れた時点で、切換弁38が消磁される。
行なわれている限り切換弁38は作動されており、液圧
調整弁15L、15Rはリリ−フ位置にあり、開閉弁1
6L、16Rは閉状態とされる(ブレ−キ制御開始まで
の待機状態と同じ状態)。そして、エンジン制御が中止
された時点あるいはブレ−キペダル12が踏込み操作さ
れた時点で、切換弁38が消磁される。
【0033】次に、第5図以下のフロ−チャ−トを参照
しつつ本発明の制御例について説明するが、以下の説明
でPはステップを示す。図5は、全体の流れを示すもの
で、先ずP1において各センサ等からの信号が入力され
た後、P2において、左右駆動輪1FL、1FRの各回
転速度WSRLとWSRRとを平均することにより、車
速VSが算出される。
しつつ本発明の制御例について説明するが、以下の説明
でPはステップを示す。図5は、全体の流れを示すもの
で、先ずP1において各センサ等からの信号が入力され
た後、P2において、左右駆動輪1FL、1FRの各回
転速度WSRLとWSRRとを平均することにより、車
速VSが算出される。
【0034】P3では、後述のようにして、エンジン制
御用の第1目標値STEと、ブレ−キ制御用の第2目標
値STBが決定される(STB>STE)。P4では、
左駆動輪1FLのスリップ値SFLが、その回転速度W
SFLから車速VSを差し引くことにより算出され、同
様に、右駆動輪1FRのスリップ値SFRが、その回転
速度WSFRから車速VSを差し引くことにより算出さ
れる。
御用の第1目標値STEと、ブレ−キ制御用の第2目標
値STBが決定される(STB>STE)。P4では、
左駆動輪1FLのスリップ値SFLが、その回転速度W
SFLから車速VSを差し引くことにより算出され、同
様に、右駆動輪1FRのスリップ値SFRが、その回転
速度WSFRから車速VSを差し引くことにより算出さ
れる。
【0035】P5〜P7の処理では、左右駆動輪のスリ
ップ値SFL、SFRのうち、いずれか大きい方のスリ
ップ値が、エンジン制御用のスリップ値SAとして設定
される。P8では、現在スリップフラグが1であるか否
かが判別されるが、このスリップフラグは、1のときが
スリップ制御中(少なくともエンジン制御中)であるこ
とを意味する。P8の判別でNOのときは、P9におい
て後述するエンジン制御の開始判定がなされた後、P1
0において後述する終了判定がなされる。
ップ値SFL、SFRのうち、いずれか大きい方のスリ
ップ値が、エンジン制御用のスリップ値SAとして設定
される。P8では、現在スリップフラグが1であるか否
かが判別されるが、このスリップフラグは、1のときが
スリップ制御中(少なくともエンジン制御中)であるこ
とを意味する。P8の判別でNOのときは、P9におい
て後述するエンジン制御の開始判定がなされた後、P1
0において後述する終了判定がなされる。
【0036】P8の判別でYESのときは、P11にお
いて、エンジン制御が行なわれた後、P12において、
ブレ−キフラグが1であるか否かが判別される、このブ
レ−キフラグは、1のときがブレ−キ制御中であること
を意味する。P12の判別でNOのときは、P13にお
いて後述するブレ−キ開始判定が行なわれた後、P10
へ移行する。また、P12の判別でYESのときは、P
14においてブレ−キ制御が行なわれた後、P10へ移
行する。
いて、エンジン制御が行なわれた後、P12において、
ブレ−キフラグが1であるか否かが判別される、このブ
レ−キフラグは、1のときがブレ−キ制御中であること
を意味する。P12の判別でNOのときは、P13にお
いて後述するブレ−キ開始判定が行なわれた後、P10
へ移行する。また、P12の判別でYESのときは、P
14においてブレ−キ制御が行なわれた後、P10へ移
行する。
【0037】図6は、図5のP9の内容を示す。先ず、
P21において、エンジン用の実際のスリップ値SA
が、所定の開始しきい値を示す所定値以上であるか否か
が判別される。P21の判別でNOのときは、スリップ
制御が不用なときであるので、そのままP1へリタ−ン
される。P21の判別でYESのときは、P22におい
て、スリップフラグが1にセットされ、P23において
エンジン制御が開始され、P24においてブレ−キ制御
開始の準備がなされる。このP24での準備は、具体的
には、切換弁38を励磁してマスタシリンダ8にブレ−
キ液圧を発生させておくことと、液圧調整弁15L、1
5Rをリリ−フ位置とすることと、開閉弁16L、16
Rを閉とすることである。
P21において、エンジン用の実際のスリップ値SA
が、所定の開始しきい値を示す所定値以上であるか否か
が判別される。P21の判別でNOのときは、スリップ
制御が不用なときであるので、そのままP1へリタ−ン
される。P21の判別でYESのときは、P22におい
て、スリップフラグが1にセットされ、P23において
エンジン制御が開始され、P24においてブレ−キ制御
開始の準備がなされる。このP24での準備は、具体的
には、切換弁38を励磁してマスタシリンダ8にブレ−
キ液圧を発生させておくことと、液圧調整弁15L、1
5Rをリリ−フ位置とすることと、開閉弁16L、16
Rを閉とすることである。
【0038】図7は、図5のP13の内容を示す。先
ず、P31において、車速VSが第1車速V1以下であ
るか否かが判別される。このP31の判別でYESのと
きは、P32において、左右駆動輪1FLと1FRとの
各回転速度差DNLが算出された後、P33において、
この差DNLが所定値以上であるか否かが判別される。
このP33の判別でYESのときは、P34において、
上記差が生じてから所定の遅延時間が経過したか否かが
判別される(図4のt2〜t3)。このP34の判別で
YESのときは、P35においてブレ−キフラグが1に
セットされた後、P36において、液圧調整弁15L、
15Rを制御することによるブレ−キ制御が開始され
る。名P31、P33、P34のいずれかの判別でNO
のときは、そのままま終了する。
ず、P31において、車速VSが第1車速V1以下であ
るか否かが判別される。このP31の判別でYESのと
きは、P32において、左右駆動輪1FLと1FRとの
各回転速度差DNLが算出された後、P33において、
この差DNLが所定値以上であるか否かが判別される。
このP33の判別でYESのときは、P34において、
上記差が生じてから所定の遅延時間が経過したか否かが
判別される(図4のt2〜t3)。このP34の判別で
YESのときは、P35においてブレ−キフラグが1に
セットされた後、P36において、液圧調整弁15L、
15Rを制御することによるブレ−キ制御が開始され
る。名P31、P33、P34のいずれかの判別でNO
のときは、そのままま終了する。
【0039】図8は、図5のP10の内容を示す。先
ず、P41において、アクセルが全閉であるか否かが判
別される。このP41の判別でYESのときは、P42
において、スリップ制御すなわちエンジン制御およびブ
レ−キ制御を共に中止した後、P43において各フラグ
が0にリセットされる。
ず、P41において、アクセルが全閉であるか否かが判
別される。このP41の判別でYESのときは、P42
において、スリップ制御すなわちエンジン制御およびブ
レ−キ制御を共に中止した後、P43において各フラグ
が0にリセットされる。
【0040】P41の判別でNOのときは、P45にお
いて、エンジン制御用の実際のスリップ値SAが終了し
きい値SC以下であるか否かが判別される。このP45
の判別でYESのときは、P46において、SAが終了
しきい値SC以下である状態が1000msec継続し
ているか否かが判別される。このP46の判別でYES
のときは、P42に移行して、スリップ制御が中止され
る。
いて、エンジン制御用の実際のスリップ値SAが終了し
きい値SC以下であるか否かが判別される。このP45
の判別でYESのときは、P46において、SAが終了
しきい値SC以下である状態が1000msec継続し
ているか否かが判別される。このP46の判別でYES
のときは、P42に移行して、スリップ制御が中止され
る。
【0041】P45あるいはP46の判別でNOのとき
は、P47において、車速VSが、第2車速V2以上で
あるか否かが判別される、このP47の判別でYESの
ときは、P48において、再スリップ発生防止のために
ブレ−キ液圧を徐々に低下させつつブレ−キ制御を中止
させた後、P49においてブレ−キフラグが0にリセッ
トされる。なお、ブレ−キ制御の徐々なる中止は、液圧
調整弁15L、15Rへの所定時間毎の減圧信号を当該
所定時間毎に低減させることにより行なわれるが、1回
当りの減圧度合が大きくなり過ぎないように制限が加え
られる。
は、P47において、車速VSが、第2車速V2以上で
あるか否かが判別される、このP47の判別でYESの
ときは、P48において、再スリップ発生防止のために
ブレ−キ液圧を徐々に低下させつつブレ−キ制御を中止
させた後、P49においてブレ−キフラグが0にリセッ
トされる。なお、ブレ−キ制御の徐々なる中止は、液圧
調整弁15L、15Rへの所定時間毎の減圧信号を当該
所定時間毎に低減させることにより行なわれるが、1回
当りの減圧度合が大きくなり過ぎないように制限が加え
られる。
【0042】P47の判別でNOのときは、P50にお
いて、左右駆動輪用ブレ−キ7FL、7FRのブレ−キ
液圧が共に0になったか否かが判別される。このP50
の判別でYESのときは、P51においてブレ−キ制御
を中止した後、P49に移行する。なお、ブレ−キ液圧
の推定は、既に提案されている種々の手法により間接的
に知り得るが、直接ブレ−キ液圧を検出するセンサを利
用することもできる。
いて、左右駆動輪用ブレ−キ7FL、7FRのブレ−キ
液圧が共に0になったか否かが判別される。このP50
の判別でYESのときは、P51においてブレ−キ制御
を中止した後、P49に移行する。なお、ブレ−キ液圧
の推定は、既に提案されている種々の手法により間接的
に知り得るが、直接ブレ−キ液圧を検出するセンサを利
用することもできる。
【0043】P50の判別でNOのときは、P52にお
いて、液圧調整弁15L、15Rへの制御信号が、共に
減圧を示すものであるか否かが判別される、このP52
の判別でYESのときは、上記減圧信号が共に0である
状態が500msec継続したか否かが判別される。こ
のP53の判別でYESのときは、P51においてブレ
−キ制御が中止される。P52あるいはP53の判別で
NOのときは、そのまま終了される(エンジン制御およ
びブレ−キ制御の継続)。
いて、液圧調整弁15L、15Rへの制御信号が、共に
減圧を示すものであるか否かが判別される、このP52
の判別でYESのときは、上記減圧信号が共に0である
状態が500msec継続したか否かが判別される。こ
のP53の判別でYESのときは、P51においてブレ
−キ制御が中止される。P52あるいはP53の判別で
NOのときは、そのまま終了される(エンジン制御およ
びブレ−キ制御の継続)。
【0044】図9は、図5のP3の内容を示す。先ず、
P61において、車速VSと当該車速VSを微分するこ
とにより得られた車体加速度とに基づいて、路面μが推
定される。次いで、P62において、図10に示すマッ
プを参照して、推定された路面μに対応したエンジン制
御用の基本目標値STEOとブレ−キ制御用の基本目標
値STBOとが決定される(STEO<STBO)。
P61において、車速VSと当該車速VSを微分するこ
とにより得られた車体加速度とに基づいて、路面μが推
定される。次いで、P62において、図10に示すマッ
プを参照して、推定された路面μに対応したエンジン制
御用の基本目標値STEOとブレ−キ制御用の基本目標
値STBOとが決定される(STEO<STBO)。
【0045】P63〜P65では、順次、車速VSに基
づく補正係数K1、アクセル開度に基づく補正係数K
2、ハンドル舵角に基づく補正係数K3が、図11〜図
13に示すマップを参照しつつ決定される。車速VSに
基づく補正係数K1は、車速VSが大きくなるほど大き
くなるように、連続可変的に設定される。
づく補正係数K1、アクセル開度に基づく補正係数K
2、ハンドル舵角に基づく補正係数K3が、図11〜図
13に示すマップを参照しつつ決定される。車速VSに
基づく補正係数K1は、車速VSが大きくなるほど大き
くなるように、連続可変的に設定される。
【0046】P66では、エンジン制御用の基本目標値
STEOに対して補正係数K2とK3とを乗算すること
により、最終目標値STEが決定される。次いで、P6
7において、ブレ−キ制御用の基本目標値STBOに対
して補正係数K1とK2とK3とを乗算することによ
り、最終目標値STBが決定される。
STEOに対して補正係数K2とK3とを乗算すること
により、最終目標値STEが決定される。次いで、P6
7において、ブレ−キ制御用の基本目標値STBOに対
して補正係数K1とK2とK3とを乗算することによ
り、最終目標値STBが決定される。
【0047】このように、エンジン制御用の目標値ST
Bは、車速に基づく補正が行なわれていないので、車速
の変化によっては変化されないものとなる。これに対し
て、ブレ−キ制御用の目標値STBは、車速に応じた補
正が行なわれて、車速が大きくなるほど連続可変的に大
きくされる。図4では、時間の経過と共に車速が増大し
ていく場合を例にしており、この図4に、STBからS
TEを差引いた偏差が車速増大と共に大きくなる様子が
示されている。
Bは、車速に基づく補正が行なわれていないので、車速
の変化によっては変化されないものとなる。これに対し
て、ブレ−キ制御用の目標値STBは、車速に応じた補
正が行なわれて、車速が大きくなるほど連続可変的に大
きくされる。図4では、時間の経過と共に車速が増大し
ていく場合を例にしており、この図4に、STBからS
TEを差引いた偏差が車速増大と共に大きくなる様子が
示されている。
【0048】ここで、ブレ−キスイッチS6あるいはS
7のいずれか一方で、ブレ−キペダル12が踏込み操作
されたことが検出されると、前記フロ−チャ−トに対す
る割込み処理によって、ブレ−キ制御が強制的に中止さ
れる。
7のいずれか一方で、ブレ−キペダル12が踏込み操作
されたことが検出されると、前記フロ−チャ−トに対す
る割込み処理によって、ブレ−キ制御が強制的に中止さ
れる。
【0049】以上実施例について説明したが、スリップ
値の算出は、駆動輪と従動輪との差ではなく、比とし
て、例えば駆動輪速/従動輪速として、あるいは(駆動
輪速−従動輪速)/従動輪速として示すこともできる。
また、ブレ−キ制御用のブレ−キ液圧は、ブ−スタ11
を利用することなく別途専用のポンプによって発生させ
るようにしてもよい。さらに、ブレ−キ用目標値STB
をエンジン制御用目標値STEよりも常に小さい値とし
て設定しおくことも可能であり、また、ある車速以上と
なったときに、STBがSTEより小さい状態から大き
い状態へと変化するように設定することもできる。
値の算出は、駆動輪と従動輪との差ではなく、比とし
て、例えば駆動輪速/従動輪速として、あるいは(駆動
輪速−従動輪速)/従動輪速として示すこともできる。
また、ブレ−キ制御用のブレ−キ液圧は、ブ−スタ11
を利用することなく別途専用のポンプによって発生させ
るようにしてもよい。さらに、ブレ−キ用目標値STB
をエンジン制御用目標値STEよりも常に小さい値とし
て設定しおくことも可能であり、また、ある車速以上と
なったときに、STBがSTEより小さい状態から大き
い状態へと変化するように設定することもできる。
【図1】図1は本発明が適用された車両の一例を示す全
体系統図。
体系統図。
【図2】図2はブレ−キブ−スタの要部を示す断面図。
【図3】図3は制御ユニットに対する入力上記出力関係
を示す図。
を示す図。
【図4】図4は本発明の制御例を図式的に示すタイムチ
ャ−ト。
ャ−ト。
【図5】図5は本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図6】図6は本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図7】図7は本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図8】図8は本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図9】図9は本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図10】図10は路面μに応じた基本目標値の設定例
を示す図。
を示す図。
【図11】図11は車速に応じた目標値の補正係数を示
す図。
す図。
【図12】図12はアクセル開度に応じた目標値の補正
係数を示す図。
係数を示す図。
【図13】図13はハンドル舵角に応じた目標値の補正
係数を示す図。
係数を示す図。
1FL、1FR 前輪(駆動輪)
1RL、1RR 後輪(従動輪)
2 エンジン
7FL〜7RR ブレ−キ
8 マスタシリンダ
9 トルク調整手段
11 ブレ−キブ−スタ(倍力装置)
12 ブレ−キペダル
15L、15R 液圧調整弁
16L、16R 開閉弁
38 切換弁(負圧供給、大気圧供給切換)
U 制御ユニット
S1〜S4 車輪速センサ
Claims (4)
- 【請求項1】エンジンの発生トルクを調整するトルク調
整手段と、駆動輪へのブレ−キ力を調整するブレ−キ調
整手段と、駆動輪の路面に対するスリップ値を検出する
スリップ検出手段と、前記スリップ検出手段で検出され
るスリップ値が第1目標値となるように前記トルク調整
手段を制御するエンジン制御手段と、駆動輪の路面に対
するスリップ値が第2目標値となるように前記ブレ−キ
調整手段を制御するブレ−キ制御手段と、車速を検出す
る車速検出手段と、前記車速検出手段で検出される車速
が大きくなるほど、前記第2目標値から第1目標値を差
引いた偏差が大きくなるようにする目標値変更手段と、
を備えていることを特徴とする車両のスリップ制御装置 - 【請求項2】請求項1において、前記目標値変更手段
が、前記第1目標値と第2目標値のうち該第2目標値の
みを、車速が大きくなるほど大きくなるように変更する
もの。 - 【請求項3】請求項1において、前記偏差が、車速の変
化に応じて連続可変的に変化されるもの。 - 【請求項4】請求項2において、第2目標値が、第1目
標値よりも常に大きい値として設定されているもの。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18041191A JPH05657A (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | 車両のスリツプ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18041191A JPH05657A (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | 車両のスリツプ制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05657A true JPH05657A (ja) | 1993-01-08 |
Family
ID=16082785
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18041191A Pending JPH05657A (ja) | 1991-06-25 | 1991-06-25 | 車両のスリツプ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05657A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11333579B2 (en) | 2018-02-21 | 2022-05-17 | Mitsubishi Heavy Industries Machinery Systems, Ltd. | Rim change device, tire test device, and rim replacement method |
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1991
- 1991-06-25 JP JP18041191A patent/JPH05657A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11333579B2 (en) | 2018-02-21 | 2022-05-17 | Mitsubishi Heavy Industries Machinery Systems, Ltd. | Rim change device, tire test device, and rim replacement method |
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