JPH0565669A - 亜鉛系メツキ鋼板のクロメート処理方法 - Google Patents
亜鉛系メツキ鋼板のクロメート処理方法Info
- Publication number
- JPH0565669A JPH0565669A JP22404391A JP22404391A JPH0565669A JP H0565669 A JPH0565669 A JP H0565669A JP 22404391 A JP22404391 A JP 22404391A JP 22404391 A JP22404391 A JP 22404391A JP H0565669 A JPH0565669 A JP H0565669A
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- JP
- Japan
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- steel sheet
- zinc
- chromate
- chromate treatment
- acid
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- Pending
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- Coating With Molten Metal (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】クロム付着量が少なくても優れた耐食性を示す
とともに、耐黒変性にも優れた亜鉛系メッキ鋼板を提供
する。 【構成】亜鉛系メッキ鋼板のクロメート処理の前段にお
いて、アルカリまたは酸を用いて前記亜鉛系メッキ表層
の溶解処理を行う。
とともに、耐黒変性にも優れた亜鉛系メッキ鋼板を提供
する。 【構成】亜鉛系メッキ鋼板のクロメート処理の前段にお
いて、アルカリまたは酸を用いて前記亜鉛系メッキ表層
の溶解処理を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛系メッキ鋼板の表
面に、薄膜であっても優れた耐食性および耐黒変性を示
すクロメート被膜を形成するための表面処理方法に関す
る。
面に、薄膜であっても優れた耐食性および耐黒変性を示
すクロメート被膜を形成するための表面処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】通常、亜鉛系メッキ鋼板は、亜鉛メッキ
そのままでは亜鉛自体の耐食性に乏しく、大気中に放置
した場合、短時間で亜鉛の耐食生成物である白錆が発生
する。
そのままでは亜鉛自体の耐食性に乏しく、大気中に放置
した場合、短時間で亜鉛の耐食生成物である白錆が発生
する。
【0003】そのため、この白錆の発生を抑制し、続い
て生ずる腐食反応過程を遅らせる目的で亜鉛表面にクロ
ム酸またはクロム酸クロミウムを主成分とする化成被膜
を生成させるクロメート処理が施されている。前記クロ
メート処理は、反応型クロメート処理、電解クロメート
処理および塗布型クロメート処理の3種類に大別される
が、前記塗布型クロメート処理が近年の高い耐食性の要
望に答えるものとして注目されており、この方法に関す
る技術改善が最も盛んに行われている。
て生ずる腐食反応過程を遅らせる目的で亜鉛表面にクロ
ム酸またはクロム酸クロミウムを主成分とする化成被膜
を生成させるクロメート処理が施されている。前記クロ
メート処理は、反応型クロメート処理、電解クロメート
処理および塗布型クロメート処理の3種類に大別される
が、前記塗布型クロメート処理が近年の高い耐食性の要
望に答えるものとして注目されており、この方法に関す
る技術改善が最も盛んに行われている。
【0004】前記塗布型クロメート処理とは、一般にク
ロムを主成分とする組成の水溶液に、エッチング剤およ
び造膜助剤としてSO4 2- 、PO4 3- 、NO3 - 、F-
等を添加してなる処理液を塗布し、これを乾燥する鋼材
処理方法である。近年の塗布型クロメート処理方法にお
ける改良方法としては、たとえば特開昭60−1307
9号公報において開示されるクロメート処理液にSiO
2 を添加する方法や、特開昭59−35685号公報に
おいて開示されるクロメート処理液にSiO2 およびシ
ラン化合物を添加する方法などが挙げられる。
ロムを主成分とする組成の水溶液に、エッチング剤およ
び造膜助剤としてSO4 2- 、PO4 3- 、NO3 - 、F-
等を添加してなる処理液を塗布し、これを乾燥する鋼材
処理方法である。近年の塗布型クロメート処理方法にお
ける改良方法としては、たとえば特開昭60−1307
9号公報において開示されるクロメート処理液にSiO
2 を添加する方法や、特開昭59−35685号公報に
おいて開示されるクロメート処理液にSiO2 およびシ
ラン化合物を添加する方法などが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、主にOA機器、
複写機、音響機器等の製造分野では塗装工程の省略等に
よるコストダウンが図られるようになり、これに伴い亜
鉛メッキまたは亜鉛系合金メッキ鋼材の耐食性(耐白錆
性)および美観性に対する要望が一段と高くなってきて
いる。
複写機、音響機器等の製造分野では塗装工程の省略等に
よるコストダウンが図られるようになり、これに伴い亜
鉛メッキまたは亜鉛系合金メッキ鋼材の耐食性(耐白錆
性)および美観性に対する要望が一段と高くなってきて
いる。
【0006】前記耐食性の指標となる基準に、JIS
Z−2371に規定される塩水噴霧テスト(SST)な
どがあるが、OA機器等の製造メーカー側からの耐食性
の要望を満たすためには、前記塩水噴霧テストにおいて
200hrでの白錆発生率が5%未満となる程度の耐食
性が必要とされる。しかしながら、前述したクロム酸と
SO4 2- 、PO4 3- 、NO3 - 、F- 等との単純組成の
水溶液系を用いる場合のクロメート処理により、前記塩
水噴霧テストにおいて200hrでの白錆発生率が5%
未満の高い耐食性を得るためにはクロム付着量として約
100mg/m2 以上必要となり、これだけのクロム高付着
量となると、クロムによる着色が著しくなり、鋼材の外
観が極めて悪くなるなどの問題がある。また、SiO2
またはSiO2 とシラン化合物を添加したクロメート処
理液を使用する場合でも、約30mg/m2 以上のクロム付
着量が必要となり、この場合でもクロムによる若干の着
色が避けられない。
Z−2371に規定される塩水噴霧テスト(SST)な
どがあるが、OA機器等の製造メーカー側からの耐食性
の要望を満たすためには、前記塩水噴霧テストにおいて
200hrでの白錆発生率が5%未満となる程度の耐食
性が必要とされる。しかしながら、前述したクロム酸と
SO4 2- 、PO4 3- 、NO3 - 、F- 等との単純組成の
水溶液系を用いる場合のクロメート処理により、前記塩
水噴霧テストにおいて200hrでの白錆発生率が5%
未満の高い耐食性を得るためにはクロム付着量として約
100mg/m2 以上必要となり、これだけのクロム高付着
量となると、クロムによる着色が著しくなり、鋼材の外
観が極めて悪くなるなどの問題がある。また、SiO2
またはSiO2 とシラン化合物を添加したクロメート処
理液を使用する場合でも、約30mg/m2 以上のクロム付
着量が必要となり、この場合でもクロムによる若干の着
色が避けられない。
【0007】また、特に溶融亜鉛メッキ鋼板の製造にお
いては、鋼板−亜鉛メッキの密着性を良好にするために
亜鉛浴に少量のAlを添加したり、スパングルを作るた
めにPbなどの元素をメッキ浴中に添加しているが、こ
れらの添加元素がメッキ被膜形成時にメッキ表面に局部
的に濃化するために均一なクロメート被膜が形成されに
くいとともに、黒変が起こる場合があった。
いては、鋼板−亜鉛メッキの密着性を良好にするために
亜鉛浴に少量のAlを添加したり、スパングルを作るた
めにPbなどの元素をメッキ浴中に添加しているが、こ
れらの添加元素がメッキ被膜形成時にメッキ表面に局部
的に濃化するために均一なクロメート被膜が形成されに
くいとともに、黒変が起こる場合があった。
【0008】そこで、本発明の主たる目的は、クロム付
着量の増量による着色を防止し少ないCr付着量であっ
ても優れた耐食性を示すとともに、優れた耐黒変性を示
すクロメート被膜の生成方法を提供するものである。
着量の増量による着色を防止し少ないCr付着量であっ
ても優れた耐食性を示すとともに、優れた耐黒変性を示
すクロメート被膜の生成方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題は、亜鉛系メッ
キ鋼板のクロメート処理の前段において、アルカリまた
は酸を用いて前記亜鉛系メッキ表層の溶解処理を行うこ
とで解決できる。特に、前記溶解処理時間を3sec 以上
とすれば、たとえば塩水噴霧テストにおいて200hr
での白錆発生率が5%未満となるような高い耐食性を得
ることができる。
キ鋼板のクロメート処理の前段において、アルカリまた
は酸を用いて前記亜鉛系メッキ表層の溶解処理を行うこ
とで解決できる。特に、前記溶解処理時間を3sec 以上
とすれば、たとえば塩水噴霧テストにおいて200hr
での白錆発生率が5%未満となるような高い耐食性を得
ることができる。
【0010】
【作用】一般的に、クロメート処理により高い耐食性を
得ようとする程、厚いクロメート被膜を必要とすること
が知られている。しかし、本発明者の知見によれば、ク
ロメート被膜の生成反応において、亜鉛系メッキ鋼板の
亜鉛表面の酸化物層がクロメート液との反応を阻害して
いるとともに、特にAlまたはPbなどが添加される場
合には、メッキ被膜形成時にメッキ表面にこれらの元素
が局部的に濃化するために、均一で連続した良好なクロ
メート被膜が形成されずらくなり、高い耐食性を得よう
とした場合に、結果的に厚膜のクロメート膜を必要とす
ることが判明した。
得ようとする程、厚いクロメート被膜を必要とすること
が知られている。しかし、本発明者の知見によれば、ク
ロメート被膜の生成反応において、亜鉛系メッキ鋼板の
亜鉛表面の酸化物層がクロメート液との反応を阻害して
いるとともに、特にAlまたはPbなどが添加される場
合には、メッキ被膜形成時にメッキ表面にこれらの元素
が局部的に濃化するために、均一で連続した良好なクロ
メート被膜が形成されずらくなり、高い耐食性を得よう
とした場合に、結果的に厚膜のクロメート膜を必要とす
ることが判明した。
【0011】したがって、本発明においては、クロメー
ト処理の前段において、アルカリまたは酸を用いて前記
亜鉛系メッキ表層の溶解処理を行い、メッキ最表層の酸
化層およびAl、Pbなどの不純物濃化層を溶解した後
にクロメート処理を行うようにしている。その結果、反
応型クロメートでは、処理液中のCr等とメッキ層のZ
nとの化学反応が均一に行われるようになり、また塗布
型クロメートでは、エッチング剤などによる鋼板表面へ
のエッチングが均一に行われるため、均一でかつ鋼板と
密着性の良いクロメート被膜が連続的に形成されるよう
になるため、Cr付着量を少なくしても優れた耐食性を
示すようになる。また、前記溶解処理により、亜鉛系メ
ッキ表層のAl、Pb濃化層が除去されるため黒変も起
こりにくくなる。
ト処理の前段において、アルカリまたは酸を用いて前記
亜鉛系メッキ表層の溶解処理を行い、メッキ最表層の酸
化層およびAl、Pbなどの不純物濃化層を溶解した後
にクロメート処理を行うようにしている。その結果、反
応型クロメートでは、処理液中のCr等とメッキ層のZ
nとの化学反応が均一に行われるようになり、また塗布
型クロメートでは、エッチング剤などによる鋼板表面へ
のエッチングが均一に行われるため、均一でかつ鋼板と
密着性の良いクロメート被膜が連続的に形成されるよう
になるため、Cr付着量を少なくしても優れた耐食性を
示すようになる。また、前記溶解処理により、亜鉛系メ
ッキ表層のAl、Pb濃化層が除去されるため黒変も起
こりにくくなる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳説する。本
発明法に係る亜鉛系メッキ鋼板の製造においては、図1
のフロー図に示されるように、電気メッキまたは溶融亜
鉛メッキあるいは亜鉛−Al合金メッキなどの亜鉛系メ
ッキ処理後のクロメート処理の前段に、前処理としてア
ルカリまたは酸により亜鉛系メッキ表面の溶解処理を行
う。前記前処理に使用されるアルカリとしては、たとえ
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化リチウムおよび水酸化マグネシウムなどを用
いることができる。また、酸としては塩酸、硫酸、硝酸
およびリン酸などを用いることができる。前記前処理液
のメッキ表面への適用方法については、浸漬、スプレー
方式、またはロールコート方式などによることができ
る。
発明法に係る亜鉛系メッキ鋼板の製造においては、図1
のフロー図に示されるように、電気メッキまたは溶融亜
鉛メッキあるいは亜鉛−Al合金メッキなどの亜鉛系メ
ッキ処理後のクロメート処理の前段に、前処理としてア
ルカリまたは酸により亜鉛系メッキ表面の溶解処理を行
う。前記前処理に使用されるアルカリとしては、たとえ
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化リチウムおよび水酸化マグネシウムなどを用
いることができる。また、酸としては塩酸、硫酸、硝酸
およびリン酸などを用いることができる。前記前処理液
のメッキ表面への適用方法については、浸漬、スプレー
方式、またはロールコート方式などによることができ
る。
【0013】次いで、水洗い後、通常の例に従ってクロ
メート処理を行う。クロメート液の塗布に際しては、ク
ロメート液の種類、膜厚などに応じてナチュラルコー
タ、リバースコータなどのロールコータ方式が採用され
る。前者ナチュラルコータは、薄膜塗布の場合に適し、
後者のリバースコータは均一膜を得るのに適している。
メート処理を行う。クロメート液の塗布に際しては、ク
ロメート液の種類、膜厚などに応じてナチュラルコー
タ、リバースコータなどのロールコータ方式が採用され
る。前者ナチュラルコータは、薄膜塗布の場合に適し、
後者のリバースコータは均一膜を得るのに適している。
【0014】前記リバースコート法は、図2に示される
ように、ピックアップロール4によってクロメート液用
パン5から掬い取られたクロメート液Aをコーティング
ロール3により、バックアップロール2により保持され
るストリップ1上に転写するものである。なお、クロメ
ート液のメッキ表面への適用方法は、前記ロールコート
塗布に代えてスプレー方式によることでもよい。
ように、ピックアップロール4によってクロメート液用
パン5から掬い取られたクロメート液Aをコーティング
ロール3により、バックアップロール2により保持され
るストリップ1上に転写するものである。なお、クロメ
ート液のメッキ表面への適用方法は、前記ロールコート
塗布に代えてスプレー方式によることでもよい。
【0015】クロメート処理された亜鉛系メッキ鋼板
は、その後乾燥炉などを経て乾燥された後、塗油後巻き
取られる。前記乾燥工程においては、急激な乾燥を行う
と、クロメート被膜が脱水され、または被膜中の可溶性
6価クロム酸化物が不溶性となり、被膜に亀裂を生じさ
せ、さらい粉末化し脱落するようになるため、乾燥に際
しては少なくとも150℃前後以下の温度で乾燥するの
がよい。
は、その後乾燥炉などを経て乾燥された後、塗油後巻き
取られる。前記乾燥工程においては、急激な乾燥を行う
と、クロメート被膜が脱水され、または被膜中の可溶性
6価クロム酸化物が不溶性となり、被膜に亀裂を生じさ
せ、さらい粉末化し脱落するようになるため、乾燥に際
しては少なくとも150℃前後以下の温度で乾燥するの
がよい。
【0016】通常、溶融亜鉛メッキの場合には、メッキ
浴中にメッキ層中のFe−Zn合金層の抑制のために少
量のAlが添加されるとともに、メッキ層の凝固の際に
スパングルを生成する目的でPbが添加される。この場
合の本発明法が好適に適用される範囲は、亜鉛メッキ被
膜中のAl濃度は0.01〜4%の範囲であることが望
ましい。Al濃度が0.01%未満の場合には、メッキ
最表面に濃化するAlが少ないため効果が少なく、4%
を超えると前記前処理ではAlを除去しきれない。ま
た、合金化処理を施した溶融鉄−亜鉛合金メッキ鋼板の
場合には、亜鉛メッキ被膜中のFe濃度は5〜20%の
範囲であることが望ましい。Fe濃度が5%未満の場合
には、塗装後耐食性が不良となり、20%を超える場合
にはパウダリング性が不良となる。
浴中にメッキ層中のFe−Zn合金層の抑制のために少
量のAlが添加されるとともに、メッキ層の凝固の際に
スパングルを生成する目的でPbが添加される。この場
合の本発明法が好適に適用される範囲は、亜鉛メッキ被
膜中のAl濃度は0.01〜4%の範囲であることが望
ましい。Al濃度が0.01%未満の場合には、メッキ
最表面に濃化するAlが少ないため効果が少なく、4%
を超えると前記前処理ではAlを除去しきれない。ま
た、合金化処理を施した溶融鉄−亜鉛合金メッキ鋼板の
場合には、亜鉛メッキ被膜中のFe濃度は5〜20%の
範囲であることが望ましい。Fe濃度が5%未満の場合
には、塗装後耐食性が不良となり、20%を超える場合
にはパウダリング性が不良となる。
【0017】以下、本発明の効果を実施例により明らか
にする。 〔実施例1〕板厚1.2mmの鋼板に亜鉛付着量120g/
m2の溶融亜鉛メッキを施した亜鉛−鉄合金メッキ鋼板を
55℃の12%NaOH水溶液でメッキ表層の溶解のた
めに浸漬処理(前処理)を行った後、表1に示される塗
布型クロメート液を図2に示されるリバースコートによ
り塗布し乾燥炉で70°の温度で乾燥させた。試験は、
前記12%NaOH水溶液への浸漬時間(これを表中
で、前処理時間という)を種々変化させるとともに、C
r付着量を18〜25mg/m2 の範囲で変化させて、塩水
噴霧試験(SST)における5%の白錆発生に要した時
間(これを表中で、SST白錆発生時間という)を調査
した。なお、比較のために、前処理を行わない場合につ
いても同様の試験を行った。以上の結果を表2に示す。
にする。 〔実施例1〕板厚1.2mmの鋼板に亜鉛付着量120g/
m2の溶融亜鉛メッキを施した亜鉛−鉄合金メッキ鋼板を
55℃の12%NaOH水溶液でメッキ表層の溶解のた
めに浸漬処理(前処理)を行った後、表1に示される塗
布型クロメート液を図2に示されるリバースコートによ
り塗布し乾燥炉で70°の温度で乾燥させた。試験は、
前記12%NaOH水溶液への浸漬時間(これを表中
で、前処理時間という)を種々変化させるとともに、C
r付着量を18〜25mg/m2 の範囲で変化させて、塩水
噴霧試験(SST)における5%の白錆発生に要した時
間(これを表中で、SST白錆発生時間という)を調査
した。なお、比較のために、前処理を行わない場合につ
いても同様の試験を行った。以上の結果を表2に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】表2より、本発明例におけるクロメート処
理の場合には、前処理を行わない従来例と比べて、著し
くSST白錆発生時間が延び、耐食性が向上しているこ
とが判明される。前処理時間と耐食性との関係では、前
処理時間1sec とするケース4の場合には、効果が小さ
いが、前処理時間3sec としたケース3の場合には飛躍
的にSST白錆発生時間が長くなっているため、前記前
処理時間は3sec 以上とするのがよい。また、前処理時
間を3sec とすることによりSSTにおける5%白錆発
生時間が200hrを超え、OA機器類等に使用されるメ
ッキ鋼板の要求耐食性能を満足するものとなっている。
しかし、前処理時間を12sec と長くしたケース2の場
合には、ケース1の前処理時間5sec と比べて、逆にS
ST白錆発生時間が短くなっており、好ましくは10se
c 以内とするのがよい。また、Cr付着量が18〜25
mg/m2であっても充分に優れた耐食性を示すようにな
り、Crによる着色を無くすことができるようになっ
た。
理の場合には、前処理を行わない従来例と比べて、著し
くSST白錆発生時間が延び、耐食性が向上しているこ
とが判明される。前処理時間と耐食性との関係では、前
処理時間1sec とするケース4の場合には、効果が小さ
いが、前処理時間3sec としたケース3の場合には飛躍
的にSST白錆発生時間が長くなっているため、前記前
処理時間は3sec 以上とするのがよい。また、前処理時
間を3sec とすることによりSSTにおける5%白錆発
生時間が200hrを超え、OA機器類等に使用されるメ
ッキ鋼板の要求耐食性能を満足するものとなっている。
しかし、前処理時間を12sec と長くしたケース2の場
合には、ケース1の前処理時間5sec と比べて、逆にS
ST白錆発生時間が短くなっており、好ましくは10se
c 以内とするのがよい。また、Cr付着量が18〜25
mg/m2であっても充分に優れた耐食性を示すようにな
り、Crによる着色を無くすことができるようになっ
た。
【0021】〔実施例2〕本実施例2においては、板厚
1.6mmの鋼板をPb添加の亜鉛浴に浸漬して得られた
亜鉛メッキ付着量120g/m2のノーマルスパングルの亜
鉛メッキ鋼板を、30℃の10%HCl水溶液に浸漬
(前処理)した後、表3に示される反応型クロメート液
を図2に示されるリバースコート法により塗布し、水洗
い後乾燥炉で乾燥させた。前記亜鉛メッキ鋼板に対して
実施例1と同様の試験を行うとともに、耐黒変性につい
ても調査した。その結果を表4に示す。なお、表中、耐
黒変性の欄において、◎;黒変せず、○;極薄く灰色
化、△;黒変30未満、×;黒変30%以上として表示
した。
1.6mmの鋼板をPb添加の亜鉛浴に浸漬して得られた
亜鉛メッキ付着量120g/m2のノーマルスパングルの亜
鉛メッキ鋼板を、30℃の10%HCl水溶液に浸漬
(前処理)した後、表3に示される反応型クロメート液
を図2に示されるリバースコート法により塗布し、水洗
い後乾燥炉で乾燥させた。前記亜鉛メッキ鋼板に対して
実施例1と同様の試験を行うとともに、耐黒変性につい
ても調査した。その結果を表4に示す。なお、表中、耐
黒変性の欄において、◎;黒変せず、○;極薄く灰色
化、△;黒変30未満、×;黒変30%以上として表示
した。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】表4より、本発明例におけるクロメート処
理の場合も、前処理を行わない従来例に比べて、著しく
SST白錆発生時間が延び、耐食性が向上することが判
明される。また、前処理時間については、実施例1と同
様に3sec 以上の場合に優れた耐食性を示しており、ま
たケース2で前処理時間を10sec とした場合でも、ケ
ース1の前処理時間5sec と同等の耐食性であるため、
好ましくは10sec 以内とするのがよい。また、耐黒変
性についても、本発明例の場合には、従来例に較べて向
上していることが判明されるが、前処理時間1sec で
は、効果が小さいため、好ましくは3sec 以上とするの
がよい。
理の場合も、前処理を行わない従来例に比べて、著しく
SST白錆発生時間が延び、耐食性が向上することが判
明される。また、前処理時間については、実施例1と同
様に3sec 以上の場合に優れた耐食性を示しており、ま
たケース2で前処理時間を10sec とした場合でも、ケ
ース1の前処理時間5sec と同等の耐食性であるため、
好ましくは10sec 以内とするのがよい。また、耐黒変
性についても、本発明例の場合には、従来例に較べて向
上していることが判明されるが、前処理時間1sec で
は、効果が小さいため、好ましくは3sec 以上とするの
がよい。
【0025】〔実施例3〕以下、実施例3〜10では、
前処理液の酸、アルカリ濃度、温度範囲を特定するため
に試験を行った。先ず、本実施例3では、溶融亜鉛−鉄
合金メッキ鋼板(メッキ付着量;120g/m2、板厚;
1.2mm)を12%Ca(OH)2 水溶液55℃で浸漬
処理を行い、表1に示される塗布型クロメート処理液を
ロールコート法により塗布しPMT70℃で乾燥を行っ
た。その結果を表5に示す。
前処理液の酸、アルカリ濃度、温度範囲を特定するため
に試験を行った。先ず、本実施例3では、溶融亜鉛−鉄
合金メッキ鋼板(メッキ付着量;120g/m2、板厚;
1.2mm)を12%Ca(OH)2 水溶液55℃で浸漬
処理を行い、表1に示される塗布型クロメート処理液を
ロールコート法により塗布しPMT70℃で乾燥を行っ
た。その結果を表5に示す。
【0026】
【表5】
【0027】〔実施例4〕溶融亜鉛メッキ鋼板(メッキ
付着量;120g/m2、板厚;1.6mm、ノーマルスパン
グル)を10%HNO3 水溶液30℃で浸漬処理を行
い、表3に示される反応型クロメート処理液をロールコ
ート法により塗布し、水洗いをし乾燥させた。その結果
を表6に示す。
付着量;120g/m2、板厚;1.6mm、ノーマルスパン
グル)を10%HNO3 水溶液30℃で浸漬処理を行
い、表3に示される反応型クロメート処理液をロールコ
ート法により塗布し、水洗いをし乾燥させた。その結果
を表6に示す。
【0028】
【表6】
【0029】〔実施例5〕溶融亜鉛−鉄合金メッキ鋼板
(メッキ付着量;120g/m2、板厚;1.2mm)を3%
NaOH水溶液55℃で浸漬処理を行い、表1に示され
る塗布型クロメート処理液をロールコート法により塗布
しPMT70℃で乾燥を行った。その結果を表7に示
す。
(メッキ付着量;120g/m2、板厚;1.2mm)を3%
NaOH水溶液55℃で浸漬処理を行い、表1に示され
る塗布型クロメート処理液をロールコート法により塗布
しPMT70℃で乾燥を行った。その結果を表7に示
す。
【0030】
【表7】
【0031】〔実施例6〕溶融亜鉛メッキ鋼板(メッキ
付着量;120g/m2、板厚;1.6mm、ノーマルスパン
グル)を3%NaOH水溶液25℃で浸漬処理を行い、
表3に示される反応型クロメート処理液をロールコート
法により塗布し、水洗いをし乾燥させた。
付着量;120g/m2、板厚;1.6mm、ノーマルスパン
グル)を3%NaOH水溶液25℃で浸漬処理を行い、
表3に示される反応型クロメート処理液をロールコート
法により塗布し、水洗いをし乾燥させた。
【0032】その結果を表8に示す。
【0033】
【表8】
【0034】〔実施例7〕溶融亜鉛−鉄合金メッキ鋼板
(メッキ付着量;120g/m2、板厚;1.2mm)を30
%NaOH水溶液55℃で浸漬処理を行い、表1に示さ
れる塗布型クロメート処理液をロールコート法により塗
布しPMT70℃で乾燥を行った。その結果を表9に示
す。
(メッキ付着量;120g/m2、板厚;1.2mm)を30
%NaOH水溶液55℃で浸漬処理を行い、表1に示さ
れる塗布型クロメート処理液をロールコート法により塗
布しPMT70℃で乾燥を行った。その結果を表9に示
す。
【0035】
【表9】
【0036】〔実施例8〕溶融亜鉛メッキ鋼板(メッキ
付着量;120g/m2、板厚;1.6mm、ノーマルスパン
グル)を30%NaOH水溶液70℃で浸漬処理を行
い、表3に示される反応型クロメート処理液をロールコ
ート法により塗布し、水洗いをし乾燥させた。その結果
を表10に示す。
付着量;120g/m2、板厚;1.6mm、ノーマルスパン
グル)を30%NaOH水溶液70℃で浸漬処理を行
い、表3に示される反応型クロメート処理液をロールコ
ート法により塗布し、水洗いをし乾燥させた。その結果
を表10に示す。
【0037】
【表10】
【0038】〔実施例9〕溶融亜鉛−鉄合金メッキ鋼板
(メッキ付着量;120g/m2、板厚;1.2mm)を1%
HCl水溶液25℃で浸漬処理を行い、表1に示される
塗布型クロメート処理液をロールコート法により塗布し
PMT70℃で乾燥を行った。その結果を表11に示
す。
(メッキ付着量;120g/m2、板厚;1.2mm)を1%
HCl水溶液25℃で浸漬処理を行い、表1に示される
塗布型クロメート処理液をロールコート法により塗布し
PMT70℃で乾燥を行った。その結果を表11に示
す。
【0039】
【表11】
【0040】〔実施例10〕溶融亜鉛メッキ鋼板(メッ
キ付着量;120g/m2、板厚;1.6mm、ノーマルスパ
ングル)を20%NaOH水溶液70℃で浸漬処理を行
い、表3に示される反応型クロメート処理液をロールコ
ート法により塗布し、水洗いをし乾燥させた。その結果
を表12に示す。
キ付着量;120g/m2、板厚;1.6mm、ノーマルスパ
ングル)を20%NaOH水溶液70℃で浸漬処理を行
い、表3に示される反応型クロメート処理液をロールコ
ート法により塗布し、水洗いをし乾燥させた。その結果
を表12に示す。
【0041】
【表12】
【0042】〔まとめ〕実施例1〜実施例10の試験結
果より、前処理液が酸の場合には、実施例2、4、9、
10より、酸濃度;0.5〜20%、温度;25〜50
℃の範囲とするのがよい。また、前処理液がアルカリの
場合には、実施例1、3、5、6、7、8より、アルカ
リ濃度;1〜20%、温度;25〜70℃の範囲とする
のがよい。さらに、処理時間については、好ましくは3
sec 以上とするのがよい。
果より、前処理液が酸の場合には、実施例2、4、9、
10より、酸濃度;0.5〜20%、温度;25〜50
℃の範囲とするのがよい。また、前処理液がアルカリの
場合には、実施例1、3、5、6、7、8より、アルカ
リ濃度;1〜20%、温度;25〜70℃の範囲とする
のがよい。さらに、処理時間については、好ましくは3
sec 以上とするのがよい。
【0043】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、ク
ロム付着量が少なくても優れた耐食性を示すようになる
ため、クロムによる着色がなくなり外観的に優れたもの
となるとともに、耐黒変性においても優れた特性を示す
ため、OA機器、複写機、音響機器などの美観も要求さ
れる部位への使用に好適な亜鉛系メッキ鋼板を得ること
ができる。
ロム付着量が少なくても優れた耐食性を示すようになる
ため、クロムによる着色がなくなり外観的に優れたもの
となるとともに、耐黒変性においても優れた特性を示す
ため、OA機器、複写機、音響機器などの美観も要求さ
れる部位への使用に好適な亜鉛系メッキ鋼板を得ること
ができる。
【図1】本発明クロメート法に係る亜鉛系メッキ鋼板製
造のフロー図である。
造のフロー図である。
【図2】クロメート液のリバースコート塗布の概要図で
ある。
ある。
1…ストリップ、2…バックアップロール、3…コーテ
ィングロール、4…ピックアップロール
ィングロール、4…ピックアップロール
Claims (4)
- 【請求項1】亜鉛系メッキ鋼板のクロメート処理の前段
において、アルカリまたは酸を用いて前記亜鉛系メッキ
表層の溶解処理を行うことを特徴とする亜鉛系メッキ鋼
板のクロメート処理方法。 - 【請求項2】アルカリまたは酸を用いた溶解処理時間
が、3sec 以上である請求項1記載のクロメート処理方
法。 - 【請求項3】亜鉛メッキ被膜中のAl濃度が0.01〜
4%である亜鉛系メッキ鋼板を対象とする請求項1記載
のクロメート処理方法。 - 【請求項4】亜鉛メッキ被膜中のFe濃度が5〜20%
の溶融鉄−亜鉛合金メッキ鋼板を対象とする請求項1記
載のクロメート処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22404391A JPH0565669A (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 亜鉛系メツキ鋼板のクロメート処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22404391A JPH0565669A (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 亜鉛系メツキ鋼板のクロメート処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0565669A true JPH0565669A (ja) | 1993-03-19 |
Family
ID=16807704
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22404391A Pending JPH0565669A (ja) | 1991-09-04 | 1991-09-04 | 亜鉛系メツキ鋼板のクロメート処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0565669A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114807812A (zh) * | 2022-04-24 | 2022-07-29 | 上海聚丰热镀锌有限公司 | 一种金属镀件的热浸镀锌工艺 |
-
1991
- 1991-09-04 JP JP22404391A patent/JPH0565669A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114807812A (zh) * | 2022-04-24 | 2022-07-29 | 上海聚丰热镀锌有限公司 | 一种金属镀件的热浸镀锌工艺 |
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