JPH0565657A - 無電解ニツケルめつき皮膜の製造方法 - Google Patents

無電解ニツケルめつき皮膜の製造方法

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JPH0565657A
JPH0565657A JP25412791A JP25412791A JPH0565657A JP H0565657 A JPH0565657 A JP H0565657A JP 25412791 A JP25412791 A JP 25412791A JP 25412791 A JP25412791 A JP 25412791A JP H0565657 A JPH0565657 A JP H0565657A
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acid
film
zincate
etching
solution
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JP25412791A
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Tatsumi Komatsu
立美 小松
Shingo Hagiwara
伸吾 萩原
Eiichi Ishida
栄一 石田
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Kawasaki Kasei Chemicals Ltd
Original Assignee
Kawasaki Kasei Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無電解ニッケルめっきにより生成するニッケ
ル合金めっき皮膜上のノジュール(突起)を減少させ、
さらには数μm径のノジュールを実質上有しないニッケ
ル合金めっき皮膜を得る。 【構成】 アルミニウムサブストレートを脱脂し、硫酸
と硝酸とからなる酸水溶液でエッチングし、次いで第1
ジンケート皮膜を形成し、この第1ジンケート皮膜を剥
離し、第2ジンケート皮膜を形成した後、無電解ニッケ
ルめっきする。さらに、上記の第1ジンケート皮膜を剥
離する工程において、界面活性剤を含む酸水溶液を使用
し、第1ジンケート皮膜を剥離することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムサブスト
レートへの無電解ニッケルめっき法に関し、さらには薄
膜磁気ハードディスクの下地基板用非磁性無電解ニッケ
ル合金皮膜を形成するための無電解ニッケルめっき皮膜
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜磁気ハードディスクの下地基板に
は、生産性、加工性、非欠陥性、耐熱非磁性特性など優
れた特性を有する無電解ニッケル合金めっき皮膜をアル
ミニウムサブストレート上に成膜した基板が使われてい
る。アルミニウムサブストレートへの無電解ニッケルめ
っき法としては、一般にアルミニウムサブストレートを
脱脂する第1工程、エッチングする第2工程、第1ジン
ケート皮膜を形成する第3工程、第1ジンケート皮膜を
剥離する第4工程及び緻密な第2ジンケート皮膜を形成
する第5工程からなる前処理を行った後、無電解ニッケ
ルめっきを行う方法が行われている。従来公知の方法の
エッチング法としては、硫酸又は硫酸と燐酸との混酸と
からなる水溶液で処理する方法が行われ、一方第1ジン
ケート皮膜を剥離する工程では高濃度の硝酸水溶液で処
理する方法が行われている。
【0003】このようにして得られた下地基板を使用し
て薄膜磁気ハードディスクを製造するが、薄膜磁気ハー
ドディスクでは現在ヘッド浮上高さが0.2μmと極め
て低く、突起物との接触によってヘッドクラッシュの要
因となるため、下地基板のニッケル合金めっき皮膜は数
μmの湿式鏡面研磨仕上げを行い、表面の平滑性を保証
しており、この加工費がハードディスクの価格上昇の一
因となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】薄膜磁気ハードディス
クの信号エラー、ヘッドクラッシュ等の要因の一つとし
て下地基板のニッケル合金めっき皮膜の欠陥がある。こ
れらの欠陥としては、ニッケル合金めっき皮膜のノジュ
ール(突起)とピット(ピンホール)の2種類があり、
この中のピットの除去についてはめっき処理装置の環境
を清浄にし、めっき前処理液及び水洗水の清浄化、めっ
き液の精密濾過並びにめっき浴の安定化を図ることが最
重点であり、これらの管理を十分に行うことにより数μ
m以上のピットの発生抑制が可能である。
【0005】薄膜磁気ハードディスクの下地皮膜とし
て、アルミニウムサブストレート上に従来公知の方法と
しての二段ジンケート法による前処理及び無電解ニッケ
ルめっき処方によりニッケル合金めっき皮膜を成膜する
と、得られるめっき皮膜には表面に10μm以上、最高
径20μm程度のノジュールが多発する。このうち、小
ノジュールについては公知の湿式鏡面研磨により容易に
除去できるが、10μm以上のノジュールについては除
去され難く、平面平滑性を保証するためには数μmの湿
式研磨が必要となる。研磨が不十分の場合、下地基板の
ニッケル合金皮膜上になだらかなノジュールが残り、磁
気ヘッドクラッシュの原因ともなる。
【0006】本発明の第一の目的は、このような無電解
ニッケルめっきにより生成するニッケル合金めっき皮膜
上のノジュールを減少させること及びノジュール径を縮
小させることであり、特に湿式鏡面研磨後のノジュール
に由来する薄膜磁気ハードディスクの欠陥を除去するた
めの無電解ニッケルめっき法を提供することにある。ハ
ードディスクの平面精度は実質的に下地基板のニッケル
合金めっき皮膜の平面精度に由来することが多いので、
下地ニッケル合金皮膜の欠陥を補うためめっき品の湿式
鏡面研磨を行っているが、一方このためにディスク表面
へのヘッドの吸着現象が発生し、その現象を防止する改
善が必要となり、鏡面を再度適切な粗度に加工(テキス
チャ処理)している。従って、下地基板のニッケル合金
めっき皮膜に数μm以上のノジュールがなくなれば、特
に湿式鏡面研磨する工程が不必要になるか、又は簡易な
研磨で済むことになる。
【0007】本発明の第二の目的は、第一の目的からさ
らに進めて、特に自動化が困難な湿式鏡面研磨工程を省
き、必要ならば簡易な研磨を行ってもよいが、直接テキ
スチャ処理を実施することができる実質的にノジュール
のない、いわゆるノジュールレスのニッケル合金めっき
皮膜を得るための無電解ニッケルめっき皮膜の製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】アルミニウムサブストレ
ートへの無電解ニッケルめっきの前処理法は、脱脂、エ
ッチング、必要ならば活性化、第1ジンケート、ジンケ
ート剥離、第2ジンケートの6工程から成り立ってい
る。前処理条件と生成するニッケル合金めっき皮膜の皮
膜性状について検討した結果、ノジュールはエッチング
を強化することにより発生を抑制できることが分かった
が、一方この過度のエッチングはニッケル合金めっき皮
膜の平面平滑性を著しく阻害することが分かった。さら
に、従来エッチング法として公知の硫酸及び硫酸ー燐酸
系のエッチング液を使用する方法では、生成するニッケ
ル合金皮膜が荒れ皮膜欠陥を生ずるため、この方法によ
るノジュールの除去は期待できないことが分かった。一
方、硝酸を使用するエッチング処理ではノジュールの除
去効果に限界があることが分かった。そこで、さらに硫
酸系エッチング液について検討を加えた結果、硫酸に硝
酸を共存させることにより生成するニッケル合金めっき
皮膜の荒れを抑え、実質的に10μm以上のノジュール
が除去されることを見出した。
【0009】さらに検討を進めて、上記前処理法におい
て、例えば濃硫酸30容量%と61重量%硝酸10容量
%から調製した水溶液を酸エッチング液として使用して
処理した後、常法に従い第1ジンケート処理を行い、次
いで新規に開発した燐酸0.1モル/L(Lはリットル
を示す。以下同じ)とドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム1.0g/Lからなる水溶液をジンケート剥離液
として使用して処理した後、第2ジンケート処理を行う
ことによって実質上10μmのノジュールを除去しうる
ことを見出し本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明は、第1には、アルミニウム
サブストレートを脱脂する第1工程、エッチングする第
2工程、第1ジンケート皮膜を形成する第3工程、第1
ジンケート皮膜を剥離する第4工程及び緻密な第2ジン
ケート皮膜を形成する第5工程からなる前処理を行った
後、無電解ニッケルめっきを行うことにより、ニッケル
合金めっき皮膜を製造する方法において、上記の第2工
程におけるエッチング処理を、硫酸と硝酸とからなる酸
水溶液を酸エッチング液として使用して行うことを特徴
とする無電解ニッケルめっき皮膜の製造方法であり、第
2には、アルミニウムサブストレートを脱脂する第1工
程、エッチングする第2工程、第1ジンケート皮膜を形
成する第3工程、第1ジンケート皮膜を剥離する第4工
程及び緻密な第2ジンケート皮膜を形成する第5工程か
らなる前処理を行った後、無電解ニッケルめっきを行う
ことにより、ニッケル合金めっき皮膜を製造する方法に
おいて、上記の第2工程におけるエッチング処理を、硫
酸と硝酸とからなる酸水溶液を酸エッチング液として使
用して行うこと及び第1ジンケート皮膜を剥離する第4
工程を、界面活性剤と酸とを含む水溶液を酸剥離液とし
て使用して行うことを特徴とする無電解ニッケルめっき
皮膜の製造方法に存する。
【0011】先ず、本発明の第1について説明する。本
発明の方法におけるアルミニウムサブストレートのエッ
チング処理を行う第2工程において使用される酸エッチ
ング液としては、硫酸と硝酸とからなる酸水溶液を使用
するが、好ましくは濃硫酸(98重量%)として換算し
て15〜35容量%の硫酸及び61重量%硝酸として換
算して5〜30容量%の硝酸及び残りの水から調製され
た酸水溶液(濃度に換算すると、硫酸266〜621g
/L及び硝酸42〜253g/Lの組成になる。)であ
り、さらに好ましくは濃硫酸として換算して20〜30
容量%の硫酸及び61重量%硝酸として換算して7〜2
0容量%の硝酸及び残りの水から調製された酸水溶液
(濃度に換算すると、硫酸355〜533g/L及び硝
酸59〜168g/Lの組成になる。)である。勿論、
酸水溶液を調製するに当り、上記の硫酸と硝酸の組成範
囲に入るなら、必要ならば濃硫酸及び濃硝酸(61重量
%)以外の濃度のものを使用することもできる。硫酸の
量が少ないと脱ノジュール効果を失い、多いと欠陥が多
発する。一方、硝酸の量については適切な濃度範囲があ
り、この濃度範囲以外になると、少なくても多くてもニ
ッケル合金めっき皮膜に欠陥が発生する。
【0012】エッチングの処理条件についは、処理温度
は40〜70℃、好ましくは50〜65℃であり、処理
時間はエッチング液の組成及び処理温度により一義的に
は決まらないが、通常3〜10分、好ましくは5〜8分
から選ばれる。本発明における第1工程の脱脂の方法
は、従来公知の方法に従い非エッチングのアルカリ脱脂
液を用いて実施する。例えば、アルミニウムサブストレ
ートを炭酸ナトリウム5〜25g/L、燐酸ナトリウム
5〜20g/L及び界面活性剤0.1〜2g/Lからな
る水溶液により、60℃、5分で処理する。又、必要な
らばアルカリ脱脂を行った後、公知の非エッチングの酸
脱脂処理を行うこともできる。
【0013】本発明において第2工程では、従来公知の
硝酸系活性化液を用いて活性化処理をエッチング処理の
次に続けて実施してもよいが、省略することができる。
本発明における第3工程の第1ジンケート皮膜を形成す
る工程は、従来公知の市販の酸化亜鉛苛性アルカリ水溶
液と微量のジンケート皮膜改質剤とからなるジンケート
液を用いて実施できる。例えば、水酸化ナトリウム50
〜120g/L、酸化亜鉛5〜20g/L、ロッシェル
塩10〜50g/L、塩化第二鉄2〜5g/Lを含む水
溶液が使用され、この処理は一般に20〜30℃、30
〜60秒で実施される。
【0014】本発明の請求項1乃至3における第4工程
のジンケート剥離工程は、従来公知の方法が使用され
る。例えばこの処理は濃硝酸(約61%)の50容量%
及び水の50容量%からなるジンケート剥離液を使用し
て、25〜30℃、10〜15秒で実施される。本発明
の請求項1乃至3における第5工程の第2ジンケート皮
膜を形成する工程は、第1ジンケート皮膜を形成する工
程と同様のジンケート液を使用して実施することができ
る。
【0015】本発明の請求項4乃至10の第2の方法で
は、第4工程の第1ジンケートを剥離する工程以外は前
述した本発明の第1と同様の条件が適用される。本発明
の請求項4乃至10の第2の方法における第4工程の第
1ジンケートを剥離する工程は、次の方法で実施する。
このジンケートを剥離するには界面活性剤と希薄な酸を
含む水溶液が酸剥離液として使用される。この酸剥離液
に使用される酸の条件としては、その作業性からジンケ
ート皮膜を20分以内で剥離できる酸強度の酸であれば
よく、酸剥離液としては希薄な酸が使用される。
【0016】本発明に使用される酸としては、例えば硫
酸、硝酸等の無機の強酸;燐酸等の無機の弱酸;蓚酸、
マレイン酸のような脂肪族カルボン酸等の有機酸が挙げ
られる。これらの酸は混合しても使用することができ
る。作業性、緩衝性等を考慮すると、燐酸等の無機の弱
酸、有機酸類が好ましい。これらの酸剥離液の酸の濃度
は、好ましくは0.1〜3.0モル/L、さらに好まし
くは0.1〜2.0モル/Lから選ばれ、水酸化カリウ
ム等のアルカリを用いてpH調整してもよい。酸の濃度
が低いとジンケートの剥離効果が失われ、濃度が高いと
界面活性剤が溶解性を失う。
【0017】この酸剥離液に使用する界面活性剤として
は、好ましくはアニオン界面活性剤が使用され、例えば
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキ
ルフェニルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル硫酸ナトリウムのようなポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル硫酸ナトリウムのようなポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等が挙げられる。
【0018】この界面活性剤の使用量は、100〜1
5,000ppm(溶液に対する重量として、以下同
じ)、好ましくは200〜3,000ppmから選ばれ
る。本発明における無電解ニッケルめっき工程に使用さ
れるめっき液は、従来公知の無電解ニッケルめっき液で
あればよい。このめっき液としては、通常は、以下の成
分が使用される。ニッケルイオンとしては、硫酸ニッケ
ル塩又は塩化ニッケル塩等のめっき処理工程において影
響を与えない塩の形で使用され、2〜10g/Lの濃度
である。錯化剤としては、特に限定しないが、一般には
リンゴ酸、乳酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカル
ボン酸の7〜50g/Lが使用される。錯化剤の他にp
H緩衝剤として例えば酢酸、安息香酸等の脂肪族又は芳
香族モノカルボン酸、コハク酸、フタル酸等の脂肪族又
は芳香族ジカルボン酸の3〜25g/Lが使用される。
還元剤としては次亜燐酸ナトリウム等の次亜燐酸塩の1
5〜30g/Lが使用される。その他浴安定剤としては
例えばめっき液中に金属イオンとして約1ppm程度の
微量の鉛塩等の重金属化合物又は有機の安定剤が使用さ
れる。
【0019】第1ジンケートを剥離する条件としては、
処理温度は10〜60℃、好ましくは10〜40℃が挙
げられ、その処理時間は酸の種類、酸剥離の処理温度に
より変動し一義的には決まらないが、一般的には10秒
〜10分、好ましくは20秒〜5分が挙げられる。
【0020】
【作用】無電解ニッケルめっき法では、皮膜の密着性を
得るため、前処理としてエッチング処理を行うが、従来
の方法ではエッチング処理後生成するニッケル合金めっ
き皮膜の皮膜性状の改善を目的として活性化されたアル
ミニウム表面を高濃度の硝酸を使用して改質処理してい
る。
【0021】本発明の方法はその機構は未だ明確ではな
いが、硫酸水溶液中に硝酸を添加することでエッチング
処理時の水素発生を抑え、一方アルミニウムサブストレ
ートの組成的又は機械的な欠陥による孔蝕を抑えて皮膜
の荒れを阻止し、同時に画期的なノジュール除去効果が
期待できるものであって、従来公知の方法とは原理的に
異なる硫酸ー硝酸系エッチング液を使用するエッチング
法であり、生成するニッケル合金皮膜から実質的に10
μm以上のノジュールを除去することができる。
【0022】さらに、上記のエッチング処理した後得ら
れた第1ジンケート皮膜をアニオン界面活性剤を含む希
薄な強酸又は弱酸の酸水溶液からなる新規な酸剥離液を
用いて処理し、以下公知の方法に従い第2ジンケート処
理することにより実質的に10μmのノジュールの生成
を抑制することができた。
【0023】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。 「実施例1」市販の3.5インチアルミニウムサブスト
レート(GR)を、公知のアルカリ脱脂液(組成は、炭
酸ナトリウム、燐酸ナトリウム及び界面活性剤からなる
水溶液)で60℃、5分間処理した後、濃硫酸30容量
%、濃硝酸(61重量%)10容量%及び水60容量%
からなる酸エッチング液を使用して、60℃、5分間エ
ッチング処理した。引き続き市販のジンケート液(主な
る組成は、水酸化ナトリウム、酸化亜鉛、ロッシェル塩
及び塩化鉄の水溶液)で28℃、30秒間処理した後、
濃硝酸(61重量%)50容量%及び水50容量%から
なる酸剥離液を使用して25℃、10秒間処理し、上記
と同様なジンケート液を使用して28℃で45秒間第2
ジンケート処理を行った。次いで、下記に示す従来公知
のリンゴ酸ーコハク酸系無電解ニッケルめっき液を用
い、85℃、2.5時間、無電解ニッケルめっき処理を
行う。
【0024】生成するニッケル合金(ニッケルー燐合金
系)めっき皮膜の皮膜性状を微分干渉顕微鏡を用いて観
察した結果、10μm径のノジュールは4コ/mm2
なった。又、この処理によるピットの発生は認められな
かった。 無電解ニッケルめっき液組成 硫酸ニッケル 0.095モル/L 次亜燐酸ナトリウム 0.285モル/L リンゴ酸 0.339モル/L コハク酸 0.120モル/L 鉛イオン(Pb2+)濃度 1.0 ppm pH 4.70 「実施例2」エッチング液の組成として、表1に記載し
たような濃硫酸20〜30容量%(硫酸355〜533
g/L)及び濃硝酸(61重量%)7〜20容量%(硝
酸59〜168g/L)からなる酸エッチング液を使用
し、60℃、5〜10分間エッチング処理した以外は全
て実施例1と同様の方法に従い、無電解ニッケルめっき
処理を行い、生成するニッケル合金めっき皮膜を検討し
た。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】「実施例3」無電解ニッケルめっき液とし
て、下記に示すような公知の乳酸ーリンゴ酸、酒石酸ー
クエン酸等のヒドロキシカルボン酸系のめっき液を使用
した以外は、全て実施例1と同様の方法に従い表2の結
果を得た。又、このめっき処理によるピットの発生は認
められなかった。 (1) 乳酸ーリンゴ酸系無電解ニッケルめっき液 硫酸ニッケル 0.10 モル/L 乳酸 0.53 モル/L リンゴ酸 0.10 モル/L コハク酸 0.03 モル/L 次亜燐酸ナトリウム 0.47 モル/L 鉛イオン(Pb2+)濃度 1.0 ppm pH 4.80 処理温度 90℃ (2) 酒石酸ークエン酸系無電解ニッケルめっき液 硫酸ニッケル 0.10 モル/L 硫酸アンモニウム 0.45 モル/L 酒石酸 0.60 モル/L クエン酸 0.10 モル/L 次亜燐酸ナトリウム 0.15 モル/L 鉛イオン(Pb2+)濃度 1.0 ppm pH 4.80 処理温度 90℃
【0027】
【表2】
【0028】「比較例1」実施例1において、酸エッチ
ング液として、市販の硫酸ー燐酸系エッチング液(硫酸
30重量%及び燐酸5重量%の水溶液)を使用して、6
0℃、2分間でエッチングを実施し、又はエッチングを
省略した以外は、実施例1と同様に実施して表3の結果
を得た。
【0029】
【表3】
【0030】「実施例4」市販の3.5インチアルミニ
ウムサブストレートを、公知のアルカリ脱脂液(組成
は、炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム及び界面活性剤か
らなる水溶液)で60℃、5分間処理した後、濃硫酸3
0容量%、濃硝酸(61重量%)10容量%及び水60
容量%からなる酸エッチング液を使用して、60℃、5
分間エッチング処理した。引き続き市販のジンケート液
(主なる組成は、水酸化ナトリウム、酸化亜鉛、ロッシ
ェル塩及び塩化第2鉄からなる水溶液)で28℃、30
秒間処理した後、燐酸0.1モル/L及びドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム1000ppmの水溶液から
なる酸剥離液を使用して28℃、2分間処理して、第1
ジンケート皮膜を剥離し、次に上記と同様なジンケート
液を使用して28℃で45秒間ジンケート処理を行っ
た。次いで、下記に示すリンゴ酸ーコハク酸系無電解ニ
ッケルめっき液を用いて、下記のめっき条件で膜厚18
μmのニッケル合金めっき皮膜を形成し、得られた皮膜
のノジュール数を微分干渉顕微鏡を用いて測定した。そ
の結果、従来公知の方法で実施した場合に比べて、最大
ノジュール径は10μmと縮小し、10μm径のノジュ
ール数は0.8コ/mm2 と大幅に減少した。なおこの
処理において、皮膜荒れによる欠陥は観られなかった。
【0031】初期無電解ニッケルめっき液組成 硫酸ニッケル 0.095モル/L 次亜燐酸ナトリウム 0.285モル/L リンゴ酸 0.332モル/L コハク酸 0.120モル/L 鉛イオン(Pb2+)濃度 1.0 ppm めっき条件 めっき浴の初期pH 4.7 浴温度 90℃ 「実施例5」表4に示した酸剥離液の組成及び酸剥離の
処理条件以外は、全て実施例4と同様の方法に従い無電
解ニッケルめっき処理を行い、生成したニッケル合金皮
膜のノジュール数を微分干渉顕微鏡を用いて測定した。
【0032】酸剥離液における酸濃度が0.1〜1.0
モル/L、界面活性剤濃度が200〜3,000ppm
の範囲において、浴温度10〜40℃にて処理すること
により、ニッケル合金皮膜のノジュール最大径は10μ
mと縮小し、10μm径のノジュール数は1コ/mm2
以下となった。
【0033】
【表4】
【0034】「実施例6」無電解ニッケルめっき液組成
として下記組成のめっき液を使用し、下記のめっき処理
条件で実施した以外は、実施例4と同様の方法に従い無
電解ニッケルめっき処理を行い、生成したニッケル合金
皮膜の皮膜性状を観察した。その結果、ニッケル合金皮
膜のノジュールの最大径は10μmと縮小し、10μm
径のノジュール数は0.8コ/mm2 以下となった。
【0035】初期無電解ニッケルめっき液組成 硫酸ニッケル 0.10 モル/L 乳酸 0.53 モル/L リンゴ酸 0.10 モル/L コハク酸 0.03 モル/L 次亜燐酸ナトリウム 0.47 モル/L 鉛イオン(Pb2+)濃度 1.0 ppm めっき条件 めっき浴の初期pH 4.8 浴温度 90℃ 「実施例7」酸剥離液の酸成分として有機酸を使用し、
表5の使用条件で実施した以外は全て実施例4と同様の
方法に従い無電解ニッケルめっき処理を行い、生成した
ニッケル合金皮膜の皮膜性状を観察した。
【0036】その結果を表5に示したが、ニッケル合金
皮膜のノジュールの最大径は10μmと縮小し、10μ
m径のノジュール数は0.9コ/mm2 以下となった。
【0037】
【表5】
【0038】
【発明の効果】アルミニウムサブストレートの無電解ニ
ッケルめっき法において、先ずエッチング液として硫酸
ー硝酸の混合水溶液を使用し前処理法を実施して無電解
ニッケルめっきをすることにより、得られたニッケル合
金皮膜に実質的に10μm以上のノジュールを除去しう
ることが可能になった。さらに、上記前処理法の第1ジ
ンケート皮膜を剥離する工程において、酸剥離液として
界面活性剤と酸とからなる水溶液を使用することにより
10μmのノジュールの生成をも実質上抑制することが
できる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムサブストレートを脱脂する
    第1工程、エッチングする第2工程、第1ジンケート皮
    膜を形成する第3工程、第1ジンケート皮膜を剥離する
    第4工程及び緻密な第2ジンケート皮膜を形成する第5
    工程からなる前処理を行った後、無電解ニッケルめっき
    を行うことにより、ニッケル合金めっき皮膜を製造する
    方法において、上記の第2工程におけるエッチング処理
    を、硫酸と硝酸とからなる酸水溶液を酸エッチング液と
    して使用して行うことを特徴とする無電解ニッケルめっ
    き皮膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸エッチング液が、濃硫酸として換算し
    て15〜35容量%の硫酸及び61重量%硝酸として換
    算して5〜30容量%の硝酸から調製された酸水溶液で
    ある請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 酸エッチング液が、濃硫酸として換算し
    て20〜30容量%の硫酸及び61重量%硝酸として換
    算して7〜20容量%の硝酸から調製された酸水溶液で
    ある請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウムサブストレートを脱脂する
    第1工程、エッチングする第2工程、第1ジンケート皮
    膜を形成する第3工程、第1ジンケート皮膜を剥離する
    第4工程及び緻密な第2ジンケート皮膜を形成する第5
    工程からなる前処理を行った後、無電解ニッケルめっき
    を行うことにより、ニッケル合金皮膜を製造する方法に
    おいて、上記の第2工程におけるエッチング処理を、硫
    酸と硝酸とからなる酸水溶液を酸エッチング液として使
    用して行うこと及び第1ジンケート皮膜を剥離する第4
    工程を、界面活性剤と酸を含む水溶液を酸剥離液として
    使用して行うことを特徴とする無電解ニッケルめっき皮
    膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸エッチング液が、濃硫酸として換算し
    て15〜35容量%の硫酸及び61重量%硝酸として換
    算して5〜30容量%の硝酸から調製された酸水溶液で
    ある請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 酸エッチング液が、濃硫酸として換算し
    て20〜30容量%の硫酸及び61重量%硝酸として換
    算して7〜20容量%の硝酸から調製された酸水溶液で
    ある請求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 第4工程の酸剥離液に使用する酸の水溶
    液が、無機又は有機酸の希薄水溶液である請求項4記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 第4工程の酸剥離液中の酸の濃度が0.
    1〜3.0モル/Lである請求項4記載の方法。
  9. 【請求項9】 第4工程の酸剥離液に使用される界面活
    性剤が、アニオン界面活性剤である請求項4記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 第4工程の酸剥離液中の界面活性剤の
    濃度が、100〜15,000ppmである請求項4記
    載の方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030049255A (ko) * 2001-12-14 2003-06-25 이병오 우산대의 도금방법
US9139915B2 (en) 2007-01-12 2015-09-22 C. Uyemura & Co., Ltd. Solution for removing aluminum oxide film and method for surface treatment of aluminum or aluminum alloy
US9567686B2 (en) 2010-06-23 2017-02-14 C. Uyemura & Co., Ltd. Aluminum oxide film remover and method for surface treatment of aluminum or aluminum alloy
KR20200113461A (ko) * 2019-03-25 2020-10-07 주식회사 엠엠에스 저비중 전도성 분말 제조방법 및 저비중 전도성 분말

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