JPH0565599B2 - - Google Patents
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- JPH0565599B2 JPH0565599B2 JP61164128A JP16412886A JPH0565599B2 JP H0565599 B2 JPH0565599 B2 JP H0565599B2 JP 61164128 A JP61164128 A JP 61164128A JP 16412886 A JP16412886 A JP 16412886A JP H0565599 B2 JPH0565599 B2 JP H0565599B2
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Description
産業上の利用分野
この発明は、溶接部を有するアルミニウム合金
製のケツトルの製造方法に関し、より具体的に
は、溶接部における陽極酸化処理後の黒色発色を
防止して全体をクリーム色となしたアルミニウム
合金製ケツトルの製造方法に関する。 なおこの明細書において、「溶接」の語は例え
ばアセチレンを用いたガス溶接や、アーク溶接等
の溶融溶接の意味において用い、ろう接は含まな
いものとする。 従来の技術 アルミニウム合金製ケツトルは、一般に、図1
に示すように、展伸材を筒状に曲げ加工し継目を
溶接することにより注ぎ口を形成する口金2を製
作し、さらにこの口金2をケツトル本体1に接合
することにより製作されている。 ところでFeを含有せしめたアルミニウム合金
材に陽極酸化処理を施すと、該アルミニウム合金
材の表面に光沢の良いクリーム色の酸化皮膜が生
成され、合金材の表面が美麗な外観を呈するもの
となることが従来より知られている。 しかるに、これを上記のようなケツトルに適用
し、本体及び口金の材料としてFeを含有せしめ
たAl−Fe系合金を用いるとともに、陽極酸化処
理を施して表面にクリーム色の酸化皮膜を生成せ
しめる場合には、次のような欠点を派生するもの
であることが判明した。 発明が解決しようとする課題 即ち、この場合には陽極酸化後に口金継目の溶
接部3が局部的に黒く発色したものとなつて製品
表面の色調が均一にならず、却つて外観体裁を損
い商品の品質を低下させるという欠点があつた。
もつとも、口金の継目の溶接を内側から行うこと
により、黒色発色部を外表面に現出させないよう
にすることも考えられるが、口金の形状や作業性
の面から実際上内側から溶接を行うことは困難で
あり、外側から溶接せざるを得ず、黒色発色部を
口金の外表面に出さないようにすることは現実に
は無理であつた。 この発明はかかる事情に鑑みてなされたもので
あつて、Al−Fe系合金製ケツトルにおいて、口
金溶接部の黒色発色を防止し溶接部を含む表面全
体を均一にクリーム色となしうる均色皮膜形成処
理方法の提供を目的とするものである。 課題を解決するための手段 上記目的において、発明者は種々実験と研究を
重ねた結果、溶接後陽極酸化処理前に、所定の加
熱条件で熱処理を施すことにより、口金の溶接部
の黒色発所を防止しうることを見出し、かかる知
見に基いてこの発明を完成したものである。 すなわちこの発明は、ケツトル本体1及び口金
2の材料として、Fe:0.2〜3.0wt%を含有し、さ
らに必要に応じてSi:0.2wt%以下及び/または
Ca:0.0005〜0.03wt%を含有し、残部アルミニウ
ム及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を
用い、該合金の展伸材を筒状に曲げ加工して継目
を溶接することにより、口金2を製作する工程
と、製作した口金2に550〜650℃で10分〜10時間
の熱処理を施す工程と、熱処理後、前記口金2を
ケツトル本体1にろう接する工程と、ろう接後、
本体と口金とを陽極酸化処理する工程とを含むこ
とを特徴とする均色皮膜を有するアルミニウム合
金製ケツトルの製造方法を要旨とするものであ
る。 まず、ケツトル本体1及び口金2を構成するア
ルミニウム合金材の組成及びその限定理由につい
て説明すれば次のとおりである。 Feは、陽極酸化処理によつて溶接品表面にク
リーム色の酸化皮膜を生成せしめるための前提と
なる必須成分である。而してその含有量が0.2wt
%未満では該皮膜の生成に不十分であり、逆に
3.0wt%を超えると良好な光沢が得られないのみ
ならず皮膜の耐食性が劣化する。望ましいFeの
含有量は1.5wt%程度である。 上記必須成分としてのFeの他に、この発明で
は、任意成分としてSi:0.2wt%以下、Ca:
0.0005〜0.03wt%のいずれか一方または両方の含
有が許容される。SiおよびCaは、ともにAl3Feの
生成の促進、安定化に寄与し、色むらのない陽極
酸化皮膜を生成させるのに有効に作用するが、Si
が0.2wt%を超えて含有され、あるいはまたCaの
含有量が0.0005wt%未満あるいは0.03wt%を超え
る場合には上記の効果が得られない。望ましいSi
の含有範囲は0.03〜0.15wt%であり、また望まし
いCaの含有範囲は0.003〜0.01wt%である。 なお上記組成のアルミニウム合金材の製造に関
して付記すれば、一般的には合金鋳塊に熱間圧
延、冷間圧延等を施すことにより行うが、プレス
加工等による成形加工を施されるものの場合には
合金結晶の方向性を揃えて成形性を良くするため
に、熱間圧延後、あるいは冷間圧延途中に中間焼
鈍を施すのが望ましい。 次に、ケツトルの製造工程について説明する
と、まず、上記のような組成を有するAl−Fe系
合金からなる展伸材を筒状に曲げ加工し、さらに
その継目を溶接することにより口金2を製作す
る。溶接は従来と同一のものであり、例えば口金
と同一組成の溶加材を用いるアセチレンガス溶接
やアーク溶接等によつて行う。 次に、上記口金2に550〜650℃で10分〜10時間
の熱処理を施すものとする。この熱処理は、陽極
酸化処理後における口金継目の溶接部3の黒色発
色の現出を防止して表面全体を均一なクリーム色
にするために施すものである。ここで加熱温度が
550℃未満、加熱時間が10分未満である場合には、
溶接部における黒色発色の防止効果に乏しい。逆
に加熱温度が650℃を超えると合金が溶融する虞
れがあり、また加熱時間が10時間を超える処理を
行つても、上記効果の格別の増大がなく、むしろ
生産性を悪化せしめるとともに無駄なエネルギ消
費がなされるというような欠点を派生する。従つ
て熱処理は上記の加熱温度範囲、時間範囲に限定
される。特に好適には600〜630℃で1〜6時間の
範囲とするのが良い。この熱処理を施すことによ
り、陽極酸化処理後の溶接部表面に黒色発色部が
生じなくなる理由は、溶接時に溶接部において
Al6Feに変化した合金中のAl−Fe系金属間化合
物が、この加熱により安定なAl3Feに変態される
ためと考えられる。 ところで、上記の熱処理は、口金2をケツトル
本体1に接合したのち、ケツトル本体1、口金2
を含むケツトル全体に対して実施することも考え
られるが、前述のとおり、この発明においては口
金2単体に対して熱処理を行うものである。この
理由は次のとおりである。即ち、熱処理により被
熱処理品は軟化するため、ケツトル全体を熱処理
するとケツトル本体1も軟化し、強度、剛性に劣
るものとなつて品質上問題となる。また、これを
防止するためには、熱処理後、製品に別工程で硬
化処理を実施しなければならず、作業工程の増加
を招きひいてはコストアツプとなる。かつまた、
口金単体はケツトル全体に較べて体積も小さく熱
容量も小さいため、熱処理設備が小さくて済み、
熱処理温度に達するまでの昇温時間も短い。そこ
で、本発明では、口金2のみを熱処理すること
で、ケツトル本体の強度、剛性をそのまま維持
し、硬化処理工程の追加実施を不要とするととも
に、熱処理に要する総時間の短縮、投入エネルギ
ーの減少を図つたものである。 上記熱処理を実施したのち、口金2をケツトル
本体1にセツトし、本体の内部側からろう接を行
い、両者を接合する。しかるのち、本体1及び口
金2に陽極酸化処理を施して表面にクリーム色の
酸化皮膜を生成せしめる。而して、口金は熱処理
を実施しているから、この陽極酸化処理により溶
接部3を含む口金2及び本体1の全体が均一なク
リーム色となり、溶接部の黒色発色が防止され
る。かかる陽極酸化処理は既知の常法に従つて行
うものであり、一般的には電解液として硫酸液を
用いて行う。さらにはまた陽極酸化処理前に要す
ればバフ研磨等を施しても良い。 発明の効果 この発明は上述の次第で、口金の溶接後陽極酸
化処理前に、口金に所定の加熱条件で熱処理を施
すものとしたから、後述の実施例の参酌によつて
も明らかなように、該加熱によつて、従来陽極酸
化処理後に生じていた口金継目の溶接部の黒色発
色をなくすことができ、ケツトル全体を均一なク
リーム色とすることができる。従つて、外観色調
に優れた見栄えの良いケツトルの提供が可能とな
る。 また、溶接跡の熱処理はケツトル本体に接合す
る前の口金単体の段階で実施し、ケツトル全体に
実施するものではないから、ケツトル本体の軟化
を生じる危険はなく、しかもケツトル本体が軟化
した場合のその後の硬化処理も必要ないため、簡
易な工程で強度、剛性に優れたケツトルを提供し
得る。 さらにまた、口金単体に熱処理を行うことは、
ケツトル全体に熱処理を行う場合に較べて被熱処
理物が小さく熱容量が小さいため、熱処理設備が
小さくて済むとともに熱処理温度に達するまでの
昇温時間も短く、従つて熱処理に要する総時間を
短縮でき、投入エネルギーを減少することができ
るという利点をももたらす。 実施例 次にこの発明の実施例を説明する。
製のケツトルの製造方法に関し、より具体的に
は、溶接部における陽極酸化処理後の黒色発色を
防止して全体をクリーム色となしたアルミニウム
合金製ケツトルの製造方法に関する。 なおこの明細書において、「溶接」の語は例え
ばアセチレンを用いたガス溶接や、アーク溶接等
の溶融溶接の意味において用い、ろう接は含まな
いものとする。 従来の技術 アルミニウム合金製ケツトルは、一般に、図1
に示すように、展伸材を筒状に曲げ加工し継目を
溶接することにより注ぎ口を形成する口金2を製
作し、さらにこの口金2をケツトル本体1に接合
することにより製作されている。 ところでFeを含有せしめたアルミニウム合金
材に陽極酸化処理を施すと、該アルミニウム合金
材の表面に光沢の良いクリーム色の酸化皮膜が生
成され、合金材の表面が美麗な外観を呈するもの
となることが従来より知られている。 しかるに、これを上記のようなケツトルに適用
し、本体及び口金の材料としてFeを含有せしめ
たAl−Fe系合金を用いるとともに、陽極酸化処
理を施して表面にクリーム色の酸化皮膜を生成せ
しめる場合には、次のような欠点を派生するもの
であることが判明した。 発明が解決しようとする課題 即ち、この場合には陽極酸化後に口金継目の溶
接部3が局部的に黒く発色したものとなつて製品
表面の色調が均一にならず、却つて外観体裁を損
い商品の品質を低下させるという欠点があつた。
もつとも、口金の継目の溶接を内側から行うこと
により、黒色発色部を外表面に現出させないよう
にすることも考えられるが、口金の形状や作業性
の面から実際上内側から溶接を行うことは困難で
あり、外側から溶接せざるを得ず、黒色発色部を
口金の外表面に出さないようにすることは現実に
は無理であつた。 この発明はかかる事情に鑑みてなされたもので
あつて、Al−Fe系合金製ケツトルにおいて、口
金溶接部の黒色発色を防止し溶接部を含む表面全
体を均一にクリーム色となしうる均色皮膜形成処
理方法の提供を目的とするものである。 課題を解決するための手段 上記目的において、発明者は種々実験と研究を
重ねた結果、溶接後陽極酸化処理前に、所定の加
熱条件で熱処理を施すことにより、口金の溶接部
の黒色発所を防止しうることを見出し、かかる知
見に基いてこの発明を完成したものである。 すなわちこの発明は、ケツトル本体1及び口金
2の材料として、Fe:0.2〜3.0wt%を含有し、さ
らに必要に応じてSi:0.2wt%以下及び/または
Ca:0.0005〜0.03wt%を含有し、残部アルミニウ
ム及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を
用い、該合金の展伸材を筒状に曲げ加工して継目
を溶接することにより、口金2を製作する工程
と、製作した口金2に550〜650℃で10分〜10時間
の熱処理を施す工程と、熱処理後、前記口金2を
ケツトル本体1にろう接する工程と、ろう接後、
本体と口金とを陽極酸化処理する工程とを含むこ
とを特徴とする均色皮膜を有するアルミニウム合
金製ケツトルの製造方法を要旨とするものであ
る。 まず、ケツトル本体1及び口金2を構成するア
ルミニウム合金材の組成及びその限定理由につい
て説明すれば次のとおりである。 Feは、陽極酸化処理によつて溶接品表面にク
リーム色の酸化皮膜を生成せしめるための前提と
なる必須成分である。而してその含有量が0.2wt
%未満では該皮膜の生成に不十分であり、逆に
3.0wt%を超えると良好な光沢が得られないのみ
ならず皮膜の耐食性が劣化する。望ましいFeの
含有量は1.5wt%程度である。 上記必須成分としてのFeの他に、この発明で
は、任意成分としてSi:0.2wt%以下、Ca:
0.0005〜0.03wt%のいずれか一方または両方の含
有が許容される。SiおよびCaは、ともにAl3Feの
生成の促進、安定化に寄与し、色むらのない陽極
酸化皮膜を生成させるのに有効に作用するが、Si
が0.2wt%を超えて含有され、あるいはまたCaの
含有量が0.0005wt%未満あるいは0.03wt%を超え
る場合には上記の効果が得られない。望ましいSi
の含有範囲は0.03〜0.15wt%であり、また望まし
いCaの含有範囲は0.003〜0.01wt%である。 なお上記組成のアルミニウム合金材の製造に関
して付記すれば、一般的には合金鋳塊に熱間圧
延、冷間圧延等を施すことにより行うが、プレス
加工等による成形加工を施されるものの場合には
合金結晶の方向性を揃えて成形性を良くするため
に、熱間圧延後、あるいは冷間圧延途中に中間焼
鈍を施すのが望ましい。 次に、ケツトルの製造工程について説明する
と、まず、上記のような組成を有するAl−Fe系
合金からなる展伸材を筒状に曲げ加工し、さらに
その継目を溶接することにより口金2を製作す
る。溶接は従来と同一のものであり、例えば口金
と同一組成の溶加材を用いるアセチレンガス溶接
やアーク溶接等によつて行う。 次に、上記口金2に550〜650℃で10分〜10時間
の熱処理を施すものとする。この熱処理は、陽極
酸化処理後における口金継目の溶接部3の黒色発
色の現出を防止して表面全体を均一なクリーム色
にするために施すものである。ここで加熱温度が
550℃未満、加熱時間が10分未満である場合には、
溶接部における黒色発色の防止効果に乏しい。逆
に加熱温度が650℃を超えると合金が溶融する虞
れがあり、また加熱時間が10時間を超える処理を
行つても、上記効果の格別の増大がなく、むしろ
生産性を悪化せしめるとともに無駄なエネルギ消
費がなされるというような欠点を派生する。従つ
て熱処理は上記の加熱温度範囲、時間範囲に限定
される。特に好適には600〜630℃で1〜6時間の
範囲とするのが良い。この熱処理を施すことによ
り、陽極酸化処理後の溶接部表面に黒色発色部が
生じなくなる理由は、溶接時に溶接部において
Al6Feに変化した合金中のAl−Fe系金属間化合
物が、この加熱により安定なAl3Feに変態される
ためと考えられる。 ところで、上記の熱処理は、口金2をケツトル
本体1に接合したのち、ケツトル本体1、口金2
を含むケツトル全体に対して実施することも考え
られるが、前述のとおり、この発明においては口
金2単体に対して熱処理を行うものである。この
理由は次のとおりである。即ち、熱処理により被
熱処理品は軟化するため、ケツトル全体を熱処理
するとケツトル本体1も軟化し、強度、剛性に劣
るものとなつて品質上問題となる。また、これを
防止するためには、熱処理後、製品に別工程で硬
化処理を実施しなければならず、作業工程の増加
を招きひいてはコストアツプとなる。かつまた、
口金単体はケツトル全体に較べて体積も小さく熱
容量も小さいため、熱処理設備が小さくて済み、
熱処理温度に達するまでの昇温時間も短い。そこ
で、本発明では、口金2のみを熱処理すること
で、ケツトル本体の強度、剛性をそのまま維持
し、硬化処理工程の追加実施を不要とするととも
に、熱処理に要する総時間の短縮、投入エネルギ
ーの減少を図つたものである。 上記熱処理を実施したのち、口金2をケツトル
本体1にセツトし、本体の内部側からろう接を行
い、両者を接合する。しかるのち、本体1及び口
金2に陽極酸化処理を施して表面にクリーム色の
酸化皮膜を生成せしめる。而して、口金は熱処理
を実施しているから、この陽極酸化処理により溶
接部3を含む口金2及び本体1の全体が均一なク
リーム色となり、溶接部の黒色発色が防止され
る。かかる陽極酸化処理は既知の常法に従つて行
うものであり、一般的には電解液として硫酸液を
用いて行う。さらにはまた陽極酸化処理前に要す
ればバフ研磨等を施しても良い。 発明の効果 この発明は上述の次第で、口金の溶接後陽極酸
化処理前に、口金に所定の加熱条件で熱処理を施
すものとしたから、後述の実施例の参酌によつて
も明らかなように、該加熱によつて、従来陽極酸
化処理後に生じていた口金継目の溶接部の黒色発
色をなくすことができ、ケツトル全体を均一なク
リーム色とすることができる。従つて、外観色調
に優れた見栄えの良いケツトルの提供が可能とな
る。 また、溶接跡の熱処理はケツトル本体に接合す
る前の口金単体の段階で実施し、ケツトル全体に
実施するものではないから、ケツトル本体の軟化
を生じる危険はなく、しかもケツトル本体が軟化
した場合のその後の硬化処理も必要ないため、簡
易な工程で強度、剛性に優れたケツトルを提供し
得る。 さらにまた、口金単体に熱処理を行うことは、
ケツトル全体に熱処理を行う場合に較べて被熱処
理物が小さく熱容量が小さいため、熱処理設備が
小さくて済むとともに熱処理温度に達するまでの
昇温時間も短く、従つて熱処理に要する総時間を
短縮でき、投入エネルギーを減少することができ
るという利点をももたらす。 実施例 次にこの発明の実施例を説明する。
【表】
第1表に示す組成のA、B2種類のアルミニウ
ム合金を用い、以下の要領で図面に示すようなケ
ツトルを複数個製作した。まず口金1及び本体2
の素材として、上記合金鋳塊を厚さ6.8mmに熱間
圧延した直後に370℃×1時間の中間焼鈍を施し、
次いで厚さ1.0mmに冷間圧延したのち、250℃×2
時間加熱してH24に調質したものを用いた。その
後この材料を所定寸法に裁断して筒状に曲げ加工
を施したのち、継目を溶接して口金1を製作し
た。溶接はアセチレン溶接により行い、また各合
金組成と同一組成のアルミニウム合金からなる溶
接棒を用いて行つた。 そしてこれらの口金を第2表に示す各種の条件
で加熱処理したのち、所定形状に別途成形した本
体2の接合用開口部にそれぞれセツトして、本体
の内部側からろう接を行い本体と口金とを接合し
た。ろう接は10wt%Zn−5%Siからなるろう材
を用いて行つた。なお試料No.11及び12の口金につ
いては加熱処理を施すことなく本体に接合した。 こうして製作した複数個のケツトルを供試品と
して、液温20±2℃の10vol%硫酸水溶液中で電
流密度1.1A/dm2の電流を通じ60分間の陽極酸
化処理を施した。酸化皮膜厚さは18μmであつ
た。 そして上記により得られた各ケツトルの外表面
の状態、特に溶接部3の表面状態を観察した。そ
の結果を第2表に併せて示す。
ム合金を用い、以下の要領で図面に示すようなケ
ツトルを複数個製作した。まず口金1及び本体2
の素材として、上記合金鋳塊を厚さ6.8mmに熱間
圧延した直後に370℃×1時間の中間焼鈍を施し、
次いで厚さ1.0mmに冷間圧延したのち、250℃×2
時間加熱してH24に調質したものを用いた。その
後この材料を所定寸法に裁断して筒状に曲げ加工
を施したのち、継目を溶接して口金1を製作し
た。溶接はアセチレン溶接により行い、また各合
金組成と同一組成のアルミニウム合金からなる溶
接棒を用いて行つた。 そしてこれらの口金を第2表に示す各種の条件
で加熱処理したのち、所定形状に別途成形した本
体2の接合用開口部にそれぞれセツトして、本体
の内部側からろう接を行い本体と口金とを接合し
た。ろう接は10wt%Zn−5%Siからなるろう材
を用いて行つた。なお試料No.11及び12の口金につ
いては加熱処理を施すことなく本体に接合した。 こうして製作した複数個のケツトルを供試品と
して、液温20±2℃の10vol%硫酸水溶液中で電
流密度1.1A/dm2の電流を通じ60分間の陽極酸
化処理を施した。酸化皮膜厚さは18μmであつ
た。 そして上記により得られた各ケツトルの外表面
の状態、特に溶接部3の表面状態を観察した。そ
の結果を第2表に併せて示す。
【表】
第2表に示す結果から明らかなように、本発明
によれば陽極酸化後における溶接部の黒色発色を
なすことができ、溶接部を含むケツトルの表面全
体をクリーム色となしうることを確認しえた。
によれば陽極酸化後における溶接部の黒色発色を
なすことができ、溶接部を含むケツトルの表面全
体をクリーム色となしうることを確認しえた。
第1図はケツトルの一例を示す斜視図である。
1……口金、2……本体、3……溶接部。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ケツトル本体1及び口金2の材料として、
Fe:0.2〜3.0wt%を含有し、さらに必要に応じて
Si:0.2wt%以下及び/またはCa:0.0005〜
0.03wt%を含有し、残部アルミニウム及び不可避
不純物からなるアルミニウム合金を用い、 該合金の展伸材を筒状に曲げ加工して継目を溶
接することにより、口金2を製作する工程と、 製作した口金2に550〜650℃で10分〜10時間の
熱処理を施す工程と、 熱処理後、前記口金2をケツトル本体1にろう
接する工程と、 ろう接後、本体と口金とを陽極酸化処理する工
程とを含むことを特徴とする均色皮膜を有するア
ルミニウム合金製ケツトルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16412886A JPS6320500A (ja) | 1986-07-11 | 1986-07-11 | アルミニウム合金製溶接品の均色皮膜形成処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16412886A JPS6320500A (ja) | 1986-07-11 | 1986-07-11 | アルミニウム合金製溶接品の均色皮膜形成処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6320500A JPS6320500A (ja) | 1988-01-28 |
JPH0565599B2 true JPH0565599B2 (ja) | 1993-09-20 |
Family
ID=15787281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16412886A Granted JPS6320500A (ja) | 1986-07-11 | 1986-07-11 | アルミニウム合金製溶接品の均色皮膜形成処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6320500A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0716374B2 (ja) * | 1987-01-16 | 1995-03-01 | 株式会社ニチロ | 揚げ物のパウダリング用組成物 |
JPH01230755A (ja) * | 1988-03-10 | 1989-09-14 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 深絞り性に優れた乳白色陽極酸化発色性器物用アルミニウム合金板の製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5347067A (en) * | 1976-10-12 | 1978-04-27 | Iida Kousaku | Liouid filtrating system |
JPS60103197A (ja) * | 1983-11-09 | 1985-06-07 | Nippon Light Metal Co Ltd | パステル調の色調を帯びたアルミニウム展伸加工品の製造方法 |
-
1986
- 1986-07-11 JP JP16412886A patent/JPS6320500A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5347067A (en) * | 1976-10-12 | 1978-04-27 | Iida Kousaku | Liouid filtrating system |
JPS60103197A (ja) * | 1983-11-09 | 1985-06-07 | Nippon Light Metal Co Ltd | パステル調の色調を帯びたアルミニウム展伸加工品の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6320500A (ja) | 1988-01-28 |
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