JPH0565431A - 水生生物の付着防止用塗料 - Google Patents

水生生物の付着防止用塗料

Info

Publication number
JPH0565431A
JPH0565431A JP30574991A JP30574991A JPH0565431A JP H0565431 A JPH0565431 A JP H0565431A JP 30574991 A JP30574991 A JP 30574991A JP 30574991 A JP30574991 A JP 30574991A JP H0565431 A JPH0565431 A JP H0565431A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyvinyl alcohol
paint
adhesion
degree
aquatic organisms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30574991A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Sogyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Sogyo Co Ltd filed Critical Suzuki Sogyo Co Ltd
Priority to JP30574991A priority Critical patent/JPH0565431A/ja
Priority to TW081102336A priority patent/TW200522B/zh
Priority to EP92302732A priority patent/EP0506470B1/en
Priority to DE69204334T priority patent/DE69204334T2/de
Priority to KR1019920005087A priority patent/KR100229699B1/ko
Priority to AT92302732T priority patent/ATE127139T1/de
Priority to CA002064287A priority patent/CA2064287A1/en
Publication of JPH0565431A publication Critical patent/JPH0565431A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明はポリビニルアルコールのケン化度と重
合度を調整することで水生生物の忌避作用をなす金属イ
オンの海水への溶出を制御できるようにした水生生物の
付着防止塗料に関するものであって、イオン化傾向の異
なる二種以上の金属粉とポリビニルアルコールとが塗料
成分中に含まれて成る塗料において、ポリビニルアルコ
ールはケン化度が98.5mol%で重合度が1000
以下またはケン化度が78.5〜81.5mol%で重
合度が1500以上であることを特徴とする。 【効果】テストの結果、ポリビニルアルコールのケン化
度と重合度の調整により本発明に係る水生生物の付着防
止塗料による水生生物の忌避効果のライフを調整できる
ことが認められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は船底、港湾施設、生簀等
にフジツボ、イガイ等の水生生物が付着することを防止
するための塗料に関する。
【0002】
【発明の背景】船舶や各種港湾施設、あるいは漁網、生
簀等の魚獲施設等、海水に曝されているものには、フジ
ツボ、イガイ等が付着生棲し、これら施設等の機能低下
や耐久性の劣化をもたらしている。このため従来から船
底に塗布してこれら水生生物の付着を防止する塗料が開
発されている。しかしながらそれらによる水生生物の防
除効果は必ずしも満足のゆくものが得られておらず、加
えてこれらの塗料の多くは錫化合物を含有していること
から、これらが溶出拡散することによる周辺の海域や海
棲生物の汚染も指摘されている。本出願人はこのような
実情の中、既に幾種類かの物質を塗料成分中に含ませる
ことにより、それぞれの塗料について忌避効果のあるこ
とを確認しているが、これら塗料の忌避効果のライフに
ついては未だ課題が残されていた。
【0003】
【開発を試みた技術的事項】本発明はこのような背景に
鑑みなされたものであって、ポリビニルアルコールのケ
ン化度と重合度を調整することで金属イオンの海水への
溶出を制御できるようにした新規な塗料の開発を試みた
ものである。
【0004】
【発明の構成】
【目的達成の手段】即ち本出願に係る第一の発明たる水
生生物の付着防止用塗料は、イオン化傾向の異なる二種
以上の金属粉とポリビニルアルコールとが塗料成分中に
含まれて成る塗料において、前記ポリビニルアルコール
はケン化度が98.5mol%以上で、重合度が100
0以下であることを特徴として成るものである。
【0005】また本出願に係る第二の発明たる水生生物
の付着防止用塗料は、イオン化傾向の異なる二種以上の
金属粉とポリビニルアルコールとが塗料成分中に含まれ
て成る塗料において、前記ポリビニルアルコールはケン
化度が78.5〜81.5mol%で、重合度が150
0以上であることを特徴として成るものである。
【0006】更に本出願に係る第三の発明たる水生生物
の付着防止用塗料は、前記要件に加えて前記イオン化傾
向の異なる二種以上の金属粉は銅と銀であることを特徴
として成るものである。
【0007】更にまた本出願に係る第四の発明たる水生
生物の付着防止塗料は、前記要件に加えて前記イオン化
傾向の異なる二種以上の金属粉とポリビニルアルコール
とは、ともに独立して塗料中に存在することを特徴とし
て成るものである。
【0008】更にまた本出願に係る第五の発明たる水生
生物の付着防止塗料は、前記要件に加えて前記イオン化
傾向の異なる二種以上の金属粉は、各々前記ポリビニル
アルコールに被包されて塗料中に存在することを特徴と
して成るものである。
【0009】更にまた本出願に係る第六の発明たる水生
生物の付着防止塗料は、前記要件に加えて前記イオン化
傾向の異なる二種以上の金属粉は、前記ポリビニルアル
コールに一緒に被包されて塗料中に存在することを特徴
として成るものである。
【0010】更にまた本出願に係る第七の発明たる水生
生物の付着防止塗料は、銅粉とカーボンブラックとポリ
ビニルアルコールとが塗料成分中に含まれて成る塗料に
おいて、前記ポリビニルアルコールはケン化度が98.
5mol%以上で、重合度が1000以下であることを
特徴として成るものである。
【0011】更にまた本出願に係る第八の発明たる水生
生物の付着防止塗料は、銅粉とカーボンブラックとポリ
ビニルアルコールとが塗料成分中に含まれて成る塗料に
おいて、前記ポリビニルアルコールはケン化度が78.
5〜81.5mol%で、重合度が1500以上である
ことを特徴として成るものである。
【0012】更にまた本出願に係る第九の発明たる水生
生物の付着防止塗料は、前記要件に加えて前記銅粉とカ
ーボンブラックとポリビニルアルコールとは、ともに独
立して塗料中に存在することを特徴として成るものであ
る。
【0013】更にまた本出願に係る第十の発明たる水生
生物の付着防止塗料は、前記要件に加えて前記銅粉とカ
ーボンブラックとは、各々前記ポリビニルアルコールに
被包されて塗料中に存在することを特徴として成るもの
である。
【0014】更にまた本出願に係る第十一の発明たる水
生生物の付着防止塗料は、前記要件に加えて前記銅粉と
カーボンブラックとは、前記ポリビニルアルコールに一
緒に被包されて塗料中に存在することを特徴として成る
ものである。
【0015】以下本発明を具体的に説明する。まず本発
明中、イオン化傾向の異なる二種以上の金属粉とは、下
記に示すイオン化列中から任意の二種以上の金属を選択
し、これらを粉状にしたものである。 Li>Cs>K>Ba>Sr>Ca>Na>Mg>Be
>Al>Mn>Zn>Cr>Fe>Cd>Co>Ni>
Sn>Pb>(H)>Sb>Cu>Hg>Ag>Pt>
Au このような組合せのうち、水生生物の付着防止効果と経
済性とを考慮して最も好ましい金属の組合せは銅と銀で
ある。尚、イオン化傾向の異なる二種以上の金属粉が電
解質中で混在することで電池が形成され、局部的な電流
を生ずるものである。この点については作用の項で具体
的に説明する。尚、上記イオン化列に記載されていない
金属であってもよい。
【0016】またこのような二種金属間での局部的な電
流を得るためには、必ずしも金属同士の組合せである必
要はなく、金属と導電性を有する非金属との組合せであ
ってもよい。このような組合せのうち、水生生物の付着
防止効果と経済性とを考慮して最も好ましい組合せは銅
粉とカーボンブラックである。
【0017】次にポリビニルアルコールであるが、この
ものが塗料中に含まれる場合には、海水を吸収してゲル
化し、二種以上の金属間または銅粉とカーボンブラック
との間で電子eの移動を可能とすると共に、ポリビニ
ルアルコール自体のぬめりによる水生生物の付着防止作
用をもなす。尚、これらの点については発明の作用の項
で詳しく述べる。ポリビニルアルコールは、重合度とケ
ン化度とを容易に調整することができ、これらの調整に
より付着防止効果のライフを調節することができる。
【0018】表1は、現在市販され入手しやすい製品の
うち、重合度とケン化度の組み合わせによってポリビニ
ルアルコールの種々のグレードを具えた日本合成化学株
式会社製のゴーセノールを重合度とケン化度との組み合
わせによってマトリックスにしたものであり、表中重合
度の表示Lは重合度1000以下、Mは重合度1000
〜1500及びHは重合度1500以上を意味し、また
表中ケン化度の表示Kは部分ケン化型(78.5〜8
1.5mol%)、Aは部分ケン化型(86.5〜8
9.0mol%)、Gは完全ケン化型(98.4〜9
7.7mol%)及びNは完全ケン化型(99.0〜1
00mol%)をそれぞれ意味する。
【0019】
【表1】
【0020】水生生物の付着防止効果のライフと製造上
の問題点を考慮した場合、表1において本発明に適用す
るのに最も適当なポリビニルアルコールは、重合度L
(重合度1000以下)、ケン化度N(99.0〜10
0mol%)の位置であり、また増粘し粉末化しにくい
という製造上の問題点はあるが、重合度H(重合度15
00以上)、ケン化度K(78.5〜81.5mol
%)の位置が次いで適当なものである。即ちケン化度が
大きく、重合度が小さいか、またはケン化度が小さく、
重合度が大きいポリビニルアルコールが本発明に適用す
る上で好ましい。
【0021】尚表1において、重合度L、ケン化度Kを
中心とする左上隅周辺の領域におけるポリビニルアルコ
ールは、水に溶け易いため付着防止効果が長続きせず、
また重合度H、ケン化度Nを中心とする右下隅周辺の領
域におけるポリビニルアルコールは、大変に水に溶けに
くく且つ粉末化も困難という欠点がある。
【0022】次に本発明たる水生生物の付着防止用塗料
におけるポリビニルアルコールと金属粉との関係につい
て説明し、その製造法について簡単に説明する。付着防
止塗料1は図1に示すように種々の形態をとることがで
きるものである。即ちまず図1(a)(b)に示すもの
は銅粉2と銀粉3もしくはカーボンブラック4とが、ポ
リビニルアルコール5の粒と独立して存在するものであ
り、また図1(c)(d)に示すものは銅粉2と銀粉3
もしくはカーボンブラック4とが、各々ポリビニルアル
コール5で被われているものであり、更には図1(e)
(f)に示すものは銅粉2と銀粉3または銅粉2とカー
ボンブラック4とが一緒になってポリビニルアルコール
5で被われているものである。
【0023】以下各形態の付着防止塗料の製造法につい
て銅と銀との組み合わせ(図1(a)(c)(e))を
例にとって説明する。尚、銅と銀との組合せ以外のイオ
ン化傾向の異なる二種以上の金属の組合せや、銅とカー
ボンブラックとの組合せの場合も製造法は原則として同
様である。まず図1(a)に示す形態の付着防止塗料
は、銅粉2と銀粉3とをそれぞれ別のポリビニルアルコ
ール5の水溶液に分散させる。その後、銅粉2と銀粉3
とをそれぞれ取り出し、これを加熱乾燥することにより
銅粉2と銀粉3の表面がそれぞれポリビニルアルコール
5で覆われた粒体を作成し、この粒体を塗料中に分散さ
せることで図1(a)に示す形態の付着防止塗料1が得
られる。
【0024】尚、ポリビニルアルコール5中に銅粉2と
銀粉3とを混入したものをそのまま塗料中に混合分散し
て付着防止塗料1としてもよい。因みにこのような方法
を採る場合には、銅粉2、銀粉3がそれぞれポリビニル
アルコール5で被われた粒体とポリビニルアルコール5
のみから成る粒体とが混合されて存在することになる。
【0025】更にまた図1(c)に示す形態の付着防止
塗料1は、銅粉2と銀粉3とを一緒にポリビニルアルコ
ール5に分散させるか、あらかじめ銅粉2と銀粉3とを
混合しておき、このものをポリビニルアルコール5に分
散させる。そしてポリビニルアルコール5中から、銅粉
2と銀粉3とがポリビニルアルコール5に一緒に被包さ
れた粒体を取り出し、これを加熱乾燥した粒体を塗料中
に分散させることで図1(c)に示す形態の付着防止塗
料1が得られる。尚以上の製造において、銅粉2と銀粉
3とをポリビニルアルコール5中に混合分散させる時に
は、ポーセレインボールミル、遠心式グラインドミル等
の適宜の分散装置を用いて行なう。
【0026】尚、以上の製法は研究室レベルでの方法で
あるが、銅粉と銀粉とを吸水性樹脂に担持させるまでの
段階で量産向きの製法としては、例えば銅粉と銀粉とを
吸水性樹脂に分散させた混合液を、ノズルから凍結室内
へ噴霧して瞬間凍結させ、この粒体を真空乾燥するいわ
ばフリーズドライ的製法がある。
【0027】また同様に量産方法として機械的表面改質
の方法が適用できる。即ち、例えば銅粉と銀粉と吸水性
樹脂とを、同一の処理室内の気相中で分散させながら、
衝撃力を主体とする機械的熱的エネルギーをこれらに与
え、吸水性樹脂に銅粉と銀粉とが突き刺さるように埋設
ないし固着させる。因みにこの種の処理方法としてはサ
ンドブラスト等の手法を適用できる他、特開昭62−8
3029号、特開昭62−262737号及び特開昭6
2−298443号等に記載されている方法を採り得
る。またこのような処理機械としては、株式会社奈良機
械製作所の奈良ハイブリダイゼーションシステムや株式
会社ホソカワミクロンのAngmill等がある。
【0028】
【発明の作用】本発明では付着防止塗料を例えば船底等
に塗装し、この塗装面が海水と接触した場合、金属イオ
ンの溶出促進による忌避効果、発生電流による忌避効
果、海水成分の変性による忌避効果及びポリビニルアル
コールのセルフクリーニング効果が相乗的に作用して水
生生物の忌避作用を発揮する。またポリビニルアルコー
ルのケン化度と重合度との調整により付着防止効果のラ
イフを調節することができる。以下これら各作用効果に
ついて具体的に説明する。
【0029】〈金属イオンの溶出促進による忌避効果〉
金属は電解質溶液中では金属イオンとして一部溶出し、
Me⇔Men++neの平衡を保っている。しかし同
じ電解質溶液中に、この金属よりもイオン化傾向が小さ
い金属やカーボンブラックが存在すると、このものが当
該金属から放出される電子eを受け取り、そこで海水
中の塩素イオン等に電子を与えて塩素ガスを発生する等
の一連の反応が進行するため、Me⇔Men++ne
の平衡がくずれて右方向への進行が促進される。従って
電解質溶液となる海水中への金属イオンの溶出が促進さ
れて、当該金属イオンが持続的に供給されることにより
この金属イオンにより水生生物の持続的な忌避効果が発
揮される。
【0030】特に当該金属が銅である場合には、銀やカ
ーボンブラック等の存在によりCu⇔Cu2++2e
の反応が右方向へ進行して銅イオンによる水生生物の忌
避効果が持続的に発揮されることになる。
【0031】尚、前記図1(c)(d)に示す形態の付
着防止塗料では、銅粉と、銀粉もしくはカーボンブラッ
クとが、それぞれポリビニルアルコールに被われている
から、電子の移動は、銅粉と銀粉もしくはカーボンブラ
ックとが出合う確率に支配される。その一方、図1
(e)(f)に示す形態の付着防止塗料では、銅と銅よ
りもイオン化傾向が小さい金属またはカーボンブラック
とがポリビニルアルコールに一緒に被われているから、
ポリビニルアルコールが海水を吸収すれば直ちに電子が
移動して銅イオンの溶出促進が比較的容易になされるも
のである。因みに図1(e)(f)では銅粉2と銀粉3
とは互いに離して記載されているが、銅粉2と銀粉3と
が接触していても構わない。尚、このように接触した形
態の一例として例えば銅と銀との合金を使用してもよ
い。
【0032】〈発生電流による忌避効果〉上述したよう
に銅イオンの溶出が促進される状況下では、銅のイオン
化に伴って放出された電子が銅よりもイオン化傾向の小
さい金属(例えば銀)側へ移動し、そこで海水中の塩素
イオン等に電子を与えて塩素等が発生する。このような
作用は一種の電池作用であり、イオン化傾向の異なる二
種以上の金属の間では、電流が流れていることになる。
この電流が水生生物の忌避作用をなす。また陽極となる
イオン化傾向の小さい金属の側で発生する塩素等も水生
生物の忌避作用をなす。
【0033】尚、本効果においても前記金属イオンの溶
出促進による忌避効果同様、電流の発生はそれぞれ図1
(c)(d)に示す形態の付着防止塗料では、銅粉と銀
粉とが出合う確立に支配され、一方図1(e)(f)に
示す形態の付着防止塗料では、銅粉と銀粉とは一緒にな
っているからポリビニルアルコールが海水を吸収すれば
直ちに電子が移動して電流が発生することになる。
【0034】〈海水成分の変性による忌避効果〉先に述
べたように発生する電流は海水成分を電気分解等で変性
させる。また陽極となるイオン化傾向の小さい方の金属
側で発生する塩素等も海水成分に溶出することで周辺の
海水組成が変化する。このような海水環境の変化により
水生生物が生理現象を営むのに不都合となり、その結果
水生生物を忌避することができる。
【0035】〈ポリビニルアルコールのセルフクリーニ
ング効果〉ポリビニルアルコールが海水を吸収すると、
その表面にぬめりを生じ、水生生物がそのぬめりのため
物理的に付着が困難となる。また前記図1(c)〜
(f)に示す形態の付着防止塗料では、ポリビニルアル
コールが次第に自己研磨されていくことで銅イオンの溶
出速度が抑制されて徐々に海水中に拡散し、忌避効果の
持続性を図ることができる。
【0036】更にポリビニルアルコールのケン化度を9
8.5mol%以上又は78.5〜81.5mol%と
し、これに対応して重合度を1000以下又は1500
以上とすれば、忌避効果の持続性を維持でき、しかも付
着防止塗料の製造を行ないやすい。
【0037】
【実施例】イオン化傾向の異なる金属として三井金属鉱
業株式会社製造の銅粉(MF−D平均粒径13μ)
と、福田金属箔粉工業株式会社製の銀粉シルコートAg
c−Bを適用し、カーボンブラックは、大日本インキ化
学工業株式会社製のドナカーボを適用した。またポリビ
ニルアルコールは、日本合成化学株式会社製のゴーセノ
ールKH−17(ケン化度K、重合度H)、同社製のゴ
ーセノールNL−05(ケン化度N、重合度L)をそれ
ぞれ用いた。尚、塗料はアクリル樹脂を使用した。
【0038】〈実施例1〉銅粉1部と銀粉1部とゴーセ
ノールKH−17の粒体10部とを混合し、これをアク
リル樹脂30部に混合分散させて実施例1の付着防止塗
料とする。
【0039】〈実施例2〉銅粉1部と銀粉1部とゴーセ
ノールNL−05の粒体10部とを混合し、これをアク
リル樹脂30部に混合分散させて実施例2の付着防止塗
料とする。
【0040】〈実施例3〉ゴーセノールKH−17の1
0%水溶液を二つ用意し、この水溶液各々9部に対して
銅粉1部と銀粉1部とを別々に混入し、これを攪拌しな
がら乾燥させたものを各々コーヒーミルとボールミルと
で粉砕する。このようにして粉砕したものをそれぞれふ
るい分けして粒径を100μ以下とし、両者から10部
づつとってアクリル樹脂30部に混合分散させて実施例
3の付着防止塗料とする。
【0041】〈実施例4〉ゴーセノールNL−05の1
0%水溶液を二つ用意し、この水溶液各々9部に対して
銅粉1部と銀粉1部とを別々に混入し、これを攪拌しな
がら乾燥させたものを各々コーヒーミルとボールミルと
で粉砕する。このようにして粉砕したものをふるい分け
して粒径を100μ以下とし、両者から10部づつとっ
てアクリル樹脂30部に混合分散させて実施例4の付着
防止塗料とする。
【0042】〈実施例5〉ゴーセノールKH−17の1
0%水溶液を一つ用意し、この水溶液18部に対して銅
粉1部と銀粉1部とを一緒に混入し、これを攪拌しなが
ら乾燥させたものをコーヒーミルとボールミルとで粉砕
する。このようにして粉砕したものをふるい分けして粒
径を100μ以下とし、このものを20部とってアクリ
ル樹脂30部に混合分散させて実施例5の付着防止塗料
とする。
【0043】〈実施例6〉ゴーセノールNL−05の1
0%水溶液を一つ用意し、この水溶液18部に対して銅
粉1部と銀粉1部とを一緒に混入し、これを攪拌しなが
ら乾燥させたものをコーヒーミルとボールミルとで粉砕
する。このようにして粉砕したものをふるい分けして粒
径を100μ以下とし、このものを20部とってアクリ
ル樹脂30部に混合分散させて実施例6の付着防止塗料
とする。
【0044】〈実施例7〉銅粉1部とカーボンブラック
1部とゴーセノールKH−17の粒体10部とを混合
し、これをアクリル樹脂30部に混合分散させて実施例
7の付着防止塗料とする。
【0045】〈実施例8〉銅粉1部とカーボンブラック
1部とゴーセノールNL−05の粒体10部とを混合
し、これをアクリル樹脂30部に混合分散させて実施例
8の付着防止塗料とする。
【0046】〈実施例9〉ゴーセノールKH−17の1
0%水溶液を二つ用意し、この水溶液各々9部に対して
銅粉1部とカーボンブラック1部とを別々に混入し、こ
れを攪拌しながら乾燥させたものを各々コーヒーミルと
ボールミルとで粉砕する。このようにして粉砕したもの
をそれぞれふるい分けして粒径を100μ以下とし、両
者から10部づつとってアクリル樹脂30部に混合分散
させて実施例9の付着防止塗料とする。
【0047】〈実施例10〉ゴーセノールNL−05の
10%水溶液を二つ用意し、この水溶液各々9部に対し
て銅粉1部とカーボンブラック1部とを別々に混入し、
これを攪拌しながら乾燥させたものを各々コーヒーミル
とボールミルとで粉砕する。このようにして粉砕したも
のをふるい分けして粒径を100μ以下とし、両者から
10部づつとってアクリル樹脂30部に混合分散させて
実施例10の付着防止塗料とする。
【0048】〈実施例11〉ゴーセノールKH−17の
10%水溶液を一つ用意し、この水溶液18部に対して
銅粉1部とカーボンブラック1部とを一緒に混入し、こ
れを攪拌しながら乾燥させたものをコーヒーミルとボー
ルミルとで粉砕する。このようにして粉砕したものをふ
るい分けして粒径を100μ以下とし、このものを20
部とってアクリル樹脂30部に混合分散させて実施例1
1の付着防止塗料とする。
【0049】〈実施例12〉ゴーセノールNL−05の
10%水溶液を一つ用意し、この水溶液18部に対して
銅粉1部とカーボンブラック1部とを一緒に混入し、こ
れを攪拌しながら乾燥させたものをコーヒーミルとボー
ルミルとで粉砕する。このようにして粉砕したものをふ
るい分けして粒径を100μ以下とし、このものを20
部とってアクリル樹脂30部に混合分散させて実施例1
2の付着防止塗料とする。
【0050】
【発明の効果】本発明は以上述べたような構成を有する
ものであり、各実施例の付着防止塗料を使用した海洋テ
ストで次のような効果が確認された。尚、海洋テストは
各実施例の付着防止塗料をテストプレートに塗布したも
のを一定期間海中に沈めておき、水生生物、特に藻の付
着状況を観察するものである。その結果は表2のとおり
である。尚、水生生物には藻以外にもムラサキイガイな
ど貝類等の水生動物がいるが、これら水生動物は藻の胞
子が船底等に付着することを契機として繁殖するため、
藻がテストプレートに付着している場合には胞子が付着
しやすく従って貝類が繁殖しやすく、逆に藻が付着しに
くい場合には胞子が付着せず貝類等が繁殖しにくいこと
が判断できる。
【0051】
【表2】
【0052】表2によれば通常のアクリル樹脂を塗装し
たブランクとの比較において、実施例1〜12のいずれ
も藻の付着する時期が遅く、ポリビニルアルコールのケ
ン化度と重合度の調整により本発明に係る水生生物の付
着防止塗料による水生生物の忌避効果のライフを調整で
きることが認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水生生物の付着防止塗料の種々の実施
例を示す骨格的説明図である。
【符号の説明】
1 付着防止塗料 2 銅粉 3 銀粉 4 カーボンブラック 5 ポリビニルアルコール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09C 3/10 PBW 6904−4J PBX 6904−4J

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン化傾向の異なる二種以上の金属粉
    とポリビニルアルコールとが塗料成分中に含まれて成る
    塗料において、前記ポリビニルアルコールはケン化度が
    98.5mol%以上で、重合度が1000以下である
    ことを特徴とする水生生物の付着防止用塗料。
  2. 【請求項2】 イオン化傾向の異なる二種以上の金属粉
    とポリビニルアルコールとが塗料成分中に含まれて成る
    塗料において、前記ポリビニルアルコールはケン化度が
    78.5〜81.5mol%で、重合度が1500以上
    であることを特徴とする水生生物の付着防止用塗料。
  3. 【請求項3】 前記イオン化傾向の異なる二種以上の金
    属粉は銅と銀であることを特徴とする請求項1または2
    記載の水生生物の付着防止用塗料。
  4. 【請求項4】 前記イオン化傾向の異なる二種以上の金
    属粉とポリビニルアルコールとは、ともに独立して塗料
    中に存在することを特徴とする請求項1、2または3記
    載の水生生物の付着防止用塗料。
  5. 【請求項5】 前記イオン化傾向の異なる二種以上の金
    属粉は、各々前記ポリビニルアルコールに被包されて塗
    料中に存在することを特徴とする請求項1、2または3
    記載の水生生物の付着防止用塗料。
  6. 【請求項6】 前記イオン化傾向の異なる二種以上の金
    属粉は、前記ポリビニルアルコールに一緒に被包されて
    塗料中に存在することを特徴とする請求項1、2または
    3記載の水生生物の付着防止用塗料。
  7. 【請求項7】 銅粉とカーボンブラックとポリビニルア
    ルコールとが塗料成分中に含まれて成る塗料において、
    前記ポリビニルアルコールはケン化度が98.5mol
    %以上で、重合度が1000以下であることを特徴とす
    る水生生物の付着防止用塗料。
  8. 【請求項8】 銅粉とカーボンブラックとポリビニルア
    ルコールとが塗料成分中に含まれて成る塗料において、
    前記ポリビニルアルコールはケン化度が78.5〜8
    1.5mol%で、重合度が1500以上であることを
    特徴とする水生生物の付着防止用塗料。
  9. 【請求項9】 前記銅粉とカーボンブラックとポリビニ
    ルアルコールとは、ともに独立して塗料中に存在するこ
    とを特徴とする請求項7または8記載の水生生物の付着
    防止用塗料。
  10. 【請求項10】 前記銅粉とカーボンブラックとは、各
    々前記ポリビニルアルコールに被包されて塗料中に存在
    することを特徴とする請求項7または8記載の水生生物
    の付着防止用塗料。
  11. 【請求項11】 前記銅粉とカーボンブラックとは、前
    記ポリビニルアルコールに一緒に被包されて塗料中に存
    在することを特徴とする請求項7または8記載の水生生
    物の付着防止用塗料。
JP30574991A 1991-03-27 1991-09-06 水生生物の付着防止用塗料 Pending JPH0565431A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30574991A JPH0565431A (ja) 1991-09-06 1991-09-06 水生生物の付着防止用塗料
TW081102336A TW200522B (ja) 1991-03-27 1992-03-26
EP92302732A EP0506470B1 (en) 1991-03-27 1992-03-27 Aquatic organism blocking material
DE69204334T DE69204334T2 (de) 1991-03-27 1992-03-27 Material zur Verhütung des Anhaftens von Wasserorganismen.
KR1019920005087A KR100229699B1 (ko) 1991-03-27 1992-03-27 수생생물의 부착방지재료
AT92302732T ATE127139T1 (de) 1991-03-27 1992-03-27 Material zur verhütung des anhaftens von wasserorganismen.
CA002064287A CA2064287A1 (en) 1991-03-27 1992-03-27 Aquatic organism blocking material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30574991A JPH0565431A (ja) 1991-09-06 1991-09-06 水生生物の付着防止用塗料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0565431A true JPH0565431A (ja) 1993-03-19

Family

ID=17948886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30574991A Pending JPH0565431A (ja) 1991-03-27 1991-09-06 水生生物の付着防止用塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0565431A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018012381A1 (ja) * 2016-07-11 2018-01-18 株式会社クラレ 水生生物忌避用塗料組成物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018012381A1 (ja) * 2016-07-11 2018-01-18 株式会社クラレ 水生生物忌避用塗料組成物
JPWO2018012381A1 (ja) * 2016-07-11 2019-05-16 株式会社クラレ 水生生物忌避用塗料組成物
US10829661B2 (en) 2016-07-11 2020-11-10 Kuraray Co., Ltd. Aquatic organism repellent paint composition

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5049382A (en) Coating and composition containing lipid microstructure toxin dispensers
CN1694931A (zh) 防污涂料组合物
JPH0565431A (ja) 水生生物の付着防止用塗料
JPH0565435A (ja) 水生生物の付着防止用顔料
JPH0565432A (ja) 水生生物の付着防止材料
JP3160681B2 (ja) 水生生物及び微生物の忌避成形品
JPH0570716A (ja) 水生生物の付着防止塗料
JPH03179063A (ja) 水性防藻,防黴,防汚塗料組成物
JPH04325571A (ja) 水生生物の付着防止材料
JPH0571074A (ja) 水生生物の付着防止繊維並びにその使用方法
JP3951372B2 (ja) シート状水中生物付着防止性汚濁防止膜
US2583545A (en) Antifouling marine paint
JP6726146B2 (ja) 赤潮駆除剤及びこれを用いた赤潮駆除方法
WO1992007037A1 (en) Anti-fouling composition
JPH04298574A (ja) 水生生物の付着防止材料
JPS58201862A (ja) 防汚材料
JPS6116954A (ja) 導電性アクリル系ポリマ−粒状物
JPS60188478A (ja) 防汚塗料組成物
JPS58183762A (ja) 船底防汚塗料
JPH02171129A (ja) 漁網の防汚方法
JP3686320B2 (ja) コンクリート構造物表面の改質方法
TW200522B (ja)
JPS5823608A (ja) 海水動物付着防除剤
JPH0713209B2 (ja) 漁網防汚用組成物
JPS6153206A (ja) 水中生物付着防止剤