JPH0565432A - 水生生物の付着防止材料 - Google Patents

水生生物の付着防止材料

Info

Publication number
JPH0565432A
JPH0565432A JP30575391A JP30575391A JPH0565432A JP H0565432 A JPH0565432 A JP H0565432A JP 30575391 A JP30575391 A JP 30575391A JP 30575391 A JP30575391 A JP 30575391A JP H0565432 A JPH0565432 A JP H0565432A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
water
substance
adhesion
absorbent resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30575391A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Sogyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Sogyo Co Ltd filed Critical Suzuki Sogyo Co Ltd
Priority to JP30575391A priority Critical patent/JPH0565432A/ja
Priority to EP92302732A priority patent/EP0506470B1/en
Priority to DE69204334T priority patent/DE69204334T2/de
Priority to KR1019920005087A priority patent/KR100229699B1/ko
Priority to AT92302732T priority patent/ATE127139T1/de
Priority to CA002064287A priority patent/CA2064287A1/en
Publication of JPH0565432A publication Critical patent/JPH0565432A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は水生生物に化学的、電気的、物理的及
び生理的な複合した忌避作用を及ぼすことを目的として
なされた水生生物の付着防止材料に関するものであっ
て、銅と、銅よりも電子受容性が大きい物質とが吸水性
樹脂とともに塗料成分中に含有されて成ることを特徴と
する。 【効果】テストの結果、顕著な水生生物の付着防止効果
が確認された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は船底、港湾施設、生簀等
へのフジツボ、イガイ等の水生生物の付着を防止する材
料に関するものである。
【0002】
【発明の背景】船舶や各種港湾施設、あるいは漁網、生
簀等の魚獲施設等、海水に曝されているものには、フジ
ツボ、イガイ等が付着生棲し、これら施設等の機能低下
や耐久性の劣化をもたらしている。このため従来から船
底に塗布してこれら水生生物の付着を防止する塗料が開
発されている。しかしながらそれらによる水生生物の防
除効果は必ずしも満足のゆくものが得られておらず、加
えてこれらの塗料の多くは錫化合物を含有していること
から、これらが溶出拡散することによる周辺の海域や海
棲生物の汚染も指摘されている。本出願人はこのような
実情の中、既に幾種類かの塗料の開発を行なっており、
それぞれの塗料について異なる作用により忌避効果のあ
ることを確認している。
【0003】
【開発を試みた技術的事項】本発明はこのような背景に
鑑みなされたものであって、化学的、電気的、物理的、
生理的な忌避作用を併せ有する新規な水生生物の付着防
止材料の開発を試みたものである。
【0004】
【発明の構成】
【目的達成の手段】即ち本出願に係る第一の発明たる水
生生物の付着防止材料は、銅と、銅よりも電子受容性が
大きい物質とが吸水性樹脂とともに塗料成分中に含有さ
れて成ることを特徴として成るものである。
【0005】また本出願に係る第二の発明たる水生生物
の付着防止材料は、前記要件に加えて前記銅よりも電子
受容性が大きい物質は銀であることを特徴として成るも
のである。
【0006】更に本出願に係る第三の発明たる水生生物
の付着防止材料は、前記要件に加えて前記銅よりも電子
受容性が大きい物質はカーボンブラックであることを特
徴として成るものである。
【0007】更に本出願に係る第四の発明たる水生生物
の付着防止材料は、前記要件に加えて前記銅と、前記銅
よりも電子受容性が大きい物質とが、それぞれ異なる吸
水性樹脂の粒体に担持されていることを特徴として成る
ものである。
【0008】更に本出願に係る第五の発明たる水生生物
の付着防止材料は、前記要件に加えて前記銅と、前記銅
よりも電子受容性が大きい物質とが、同一の吸水性樹脂
の粒体に担持されていることを特徴として成るものであ
る。
【0009】更に本出願に係る第六の発明たる水生生物
の付着防止材料は、前記要件に加えて前記吸水性樹脂は
ポリビニルアルコールであることを特徴として成るもの
である。これら発明によって前記目的を達成しようとす
るものである。
【0010】以下本発明を具体的に説明する。まず本発
明に使用する銅よりも電子受容性が大きい物質とは、イ
オン化列において銅よりも下位に位置する水銀、銀、白
金及び金が該当する他、カーボンブラックなどの非金属
であってもよい。また吸水性樹脂としてはポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸ソーダ、メチルセルローズ、
カルボキシメチルセルローズ、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド、ゼラチ
ン、ニカワ、カゼイン、ポリペプタイド、デンプン、セ
ルローズ、デキストリン、アルブミン、ダイズタンパ
ク、アラビアゴム、トラガントゴム、フノリ、寒天、ア
ルギン酸ソーダ等の水溶性樹脂が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。尚、この他にも酢酸ビニル
−アクリル酸メチル共重合体ケン化物、ビニルアルコー
ル−アクリル酸塩共重合体、アクリル酸−アクリル酸エ
ステル共重合体、ポリアクリロニトリル系ケン化物、で
んぷん−アクリロニトリルグラフト共重合体またはでん
ぷん−アクリル酸共重合体等の高吸収性樹脂を適用して
もよい。
【0011】因みに吸水性樹脂の作用としては、銅と銅
よりも電子受容性が大きい物質とを担持した状態で海水
を吸収してゲル化し、銅と銅よりも電子受容性が大きい
物質との間で電子eの移動を可能とすると共に、吸水
性樹脂自体のぬめりによる水生生物の付着防止作用をも
なすものである。尚、これらの点については発明の作用
の項で詳しく述べる。
【0012】次に本発明たる水生生物の付着防止材料の
構成並びにその製造法について説明する。まず銅などを
含ませる塗料は、通常の船底防汚用の塗料のものと同じ
構成のものを適用できる。即ち樹脂成分、体質顔料、着
色顔料、可塑剤、添加剤などを必要に応じて適宜の割合
で混合したものである。ここで樹脂成分としては、例え
ば塩化ゴム、塩化ビニル、塩化ビニル・プロピオン酸ビ
ニル、塩素化ポリオレフィン、アクリル樹脂、スチレン
・ブタジエン、ロジン、ロジンエステル、ロジン石鹸等
があり、また体質顔料としては炭酸カルシウム、タル
ク、珪石粉、硫酸バリウム、クレー等がある。更に着色
顔料としては、チタン白、弁柄、可塑剤としてはジオク
チルフタレート、トリクレジルホスヘート、塩化パラヒ
ン、添加剤としては沈殿防止剤、垂下防止剤、レベリン
グ剤等がそれぞれ挙げられる。
【0013】本発明の水生生物の付着防止材料の構成
は、図1に示すように三つの形態に分類することができ
る。即ちまず図1(a)に示すものは、銅粉Cuと、銅
よりも電子受容性が大きい物質、例えば銀粉Agと、吸
水性樹脂Uとが塗料成分中に別々の粒体として塗料成分
R中に含有されて成るものである。また図1(b)に示
すものは、銅粉Cuと、銅よりも電子受容性が大きい物
質、例えば銀粉Agとが、ともにそれぞれ異なる吸水性
樹脂Uの粒体B、Bに担持された状態で塗料成分R
中に含有されて成るものである。更に図1(c)に示す
ものは、銅粉Cuと、銅よりも電子受容性が大きい物
質、例えば銀粉Agとが、同一の吸水性樹脂Uの粒体B
に担持された状態で塗料成分R中に含有されて成るもの
である。尚、これら各形態の有する作用については後述
する。
【0014】次に各形態の付着防止材料の製造法につい
て、銅と銀との組合せを例にとって説明する。尚、銀の
代りにカーボンブラック等を適用した場合にも製造法は
原則として同様である。まず図1(a)に示す形態の付
着防止材料は、銅粉Cuと銀粉Ag、それに吸水性樹脂
Uの粉末をそれぞれ別々に塗料成分中に混入して作成す
る。また図1(b)に示す形態の付着防止材料は、銅粉
Cuと銀粉Agとをそれぞれ別の吸水性樹脂の水溶液に
分散させ、その後、銅粉Cuと銀粉Agとをそれぞれ取
り出して、これを加熱乾燥することにより銅粉Cuと銀
粉Agの表面がそれぞれ吸水性樹脂Uで覆われた粒体を
作成し、この粒体を塗料成分中に混合分散させて作成す
る。尚、吸水性樹脂中に銅粉Cuと銀粉Agとを混入
し、この状態でそのまま塗料成分に混合分散する方法を
採っても構わない。因みにこのような方法を採る場合に
は、銅粉Cuと銀粉Agとの表面が吸水性樹脂で覆われ
た粒体と吸水性樹脂のみから成る粒体とが混合されて存
在することになる。
【0015】更にまた図1(c)に示す形態の付着防止
材料は、銅粉Cuと銀粉Agとを一緒に一つの吸水性樹
脂の水溶液に分散させるか、あらかじめ銅粉Cuと銀粉
Agとを混合しておき、このものを吸水性樹脂の水溶液
に分散させる。そして吸水性樹脂溶液中から吸水性樹脂
に銅粉Cuと銀粉Agとが共に担持された粒体を取り出
し、これを塗料成分中に混合分散させて作成する。尚以
上の製造において、銅粉Cuと銀粉Agとを吸水性樹脂
中に混合分散させる時には、ポーセレインボールミル、
遠心式グラインドミル等の適宜の分散装置を用いて行な
う。
【0016】尚、以上の製法は研究室レベルでの方法で
あるが、量産向きの製法としては、例えば銅と、銅より
も電子受容性が大きい化学物質とをポリビニルアルコー
ルに分散させた混合液を、ノズルから凍結室内へ噴霧し
て瞬間凍結させ、この粒体を真空乾燥するいわばフリー
ズドライ的製法がある。
【0017】また同様に量産方法として機械的表面改質
の方法が適用できる。即ち、銅と銅よりも電子受容性が
大きい化学物質と吸水性樹脂とを、同一の処理室内の気
相中で分散させながら、衝撃力を主体とする機械的熱的
エネルギーをこれらに与え、吸水性樹脂に銅と銅よりも
電子受容性が大きい化学物質とが突き刺さるように埋設
ないし固着させる。因みにこの種の処理方法としてはサ
ンドブラスト等の手法を適用できる他、特開昭62−8
3029号、特開昭62−262737号及び特開昭6
2−298443号等に記載されている方法を採り得
る。またこのような処理機械としては、株式会社奈良機
械製作所の奈良ハイブリダイゼーションシステムや株式
会社ホソカワミクロンのAngmill等がある。
【0018】
【発明の作用】本発明では塗料中の吸水性樹脂が海水を
吸収して膨潤することにより、前記図1(a)(b)
(c)にそれぞれ示す各形態の付着防止材料において、
銅イオンの溶出促進による忌避効果、発生電流による忌
避効果、吸水性樹脂のセルフクリーニング効果及び海水
成分の変性による忌避効果が相乗的に作用して水生生物
の忌避作用を発揮する。以下これら各作用効果について
具体的に説明する。
【0019】〈銅イオンの溶出促進による忌避効果〉 を保っている。しかし同じ電解質溶液中に、銅よりもイ
オン化傾向が小さかったり、銅よりも電子受容性が大き
い物質が存在すると、このものが銅から放出される電子
受け取り、そこで海水中の塩素イオン等に電子を与
えて塩素ガスを発 方向への進行が促進される。従って電解質溶液中の銅イ
オンの溶出が促進されて、銅イオンが持続的に供給され
ることにより水生生物の持続的な忌避効果が発揮され
る。
【0020】尚、前記図1(b)に示す形態の付着防止
材料では、銅と、銅よりも電子受容性が大きい物質と
が、それぞれ異なる吸水性樹脂の粒体に担持されている
から、電子の移動は銅を担持した粒体と、銅よりも電子
受容性が大きい物質を担持した粒体とが出合う確率に支
配される。その一方、図1(c)に示す形態の付着防止
材料では、銅と、銅よりも電子受容性が大きい物質と
が、同じ吸水性樹脂の粒体に担持されているから、吸水
性樹脂が海水を吸収すれば直ちに電子が移動して銅イオ
ンの溶出促進がなされるものである。因みに図1(c)
では銅粉Cuと銀粉Agとは互いに離して記載されてい
るが、銅粉Cuと銀粉Agとが接触していても構わな
い。尚、このように接触した形態の一例として例えば銅
と銀との合金を使用してもよい。
【0021】〈発生電流による忌避効果〉上述したよう
に銅イオンの溶出が促進される状況下では、銅のイオン
化に伴って放出された電子が銅よりも電子受容性が大き
い物質側へ移動し、そこで海水中の塩素イオン等に電子
を与えて塩素等が発生する。このような作用は一種の電
池作用であり、銅と銅よりも電子受容性が大きい物質と
の間には、電流が流れていることになる。この電流が水
生生物の忌避作用をなす。また陽極となる銅よりも電子
受容性が大きい物質側で発生する塩素等も水生生物の忌
避作用をなす。尚、本効果においても前記銅イオンの溶
出促進による忌避効果同様、電流の発生はそれぞれ図1
(b)に示す形態の付着防止材料では、銅を担持した粒
体と銅よりも電子受容性が大きい物質を担持した粒体と
が出合う確立に支配され、一方図1(c)に示す形態の
付着防止材料では、吸水性樹脂が海水を吸収すれば直ち
に電子が移動して電流が発生することになる。
【0022】〈吸水性樹脂のセルフクリーニング効果〉
吸水性樹脂が海水を吸収するとその表面にぬめりを生
じ、水生生物がそのぬめりのため物理的に付着が困難と
なる。また前記図1(b)又は図1(c)に示す形態の
付着防止材料では、吸水性樹脂が次第に自己研磨されて
いくことで銅イオンの溶出速度が抑制されて徐々に海水
中に拡散し、忌避効果の持続性を図ることができる。
【0023】また吸水性樹脂としてポリビニルアルコー
ルを適用する場合には、ポリビニルアルコールはその重
合度やケン化度を調整することで、冷水に対する溶解
性、水溶液粘度、耐溶剤性、被膜強度等の設計が自由に
行ない易いという利点があるから、溶解性の調整により
溶出速度や自己研磨速度を自由に調整でき、また粘度の
調整により塗料調整時の作業性や忌避剤との相性の調整
を容易に行なうことができる。更に耐溶剤性や被膜強度
の調整により塗料溶剤との相性や付着防止材料の塗膜強
度の調整を容易に行なうことができる。尚、前記図1
(a)(b)(c)に示す形態のいずれの付着防止材料
においてもこのような効果は発揮されるものであるが、
特に図1(a)のものでは吸水性樹脂の量を多くするこ
とにより本効果の依存度を高めることができる。
【0024】〈海水成分の変性による忌避効果〉先に述
べたように発生する電流は海水成分を電気分解等で変性
させる。また陽極となる銅よりも電子受容性が大きい物
質側で発生する塩素等も海水成分に溶出することで周辺
の海水組成が変化する。このような海水環境の変化によ
り水生生物が生理現象を営むのに不都合となり、その結
果水生生物を忌避することができる。
【0025】
【実施例】図1(a)に示す形態のものを製造する時に
は、吸水性樹脂として日本合成化学株式会社製の粉末状
のポリビニルアルコールたるゴーセノールGM14を用
い、一方図1(b)(c)に示す形態のものを製造する
時には吸水性樹脂として同ゴーセノールGM−14水溶
液を用いた。また銅粉として三井金属鉱業株式会社製造
の銅粉(MF−D平均粒径13μ)を用い、銅よりも
電子受容性が大きい物質として福田金属箔粉工業株式会
社製の銀粉(シルコートAgc−B)及び大日本インキ
化学工業株式会社製のカーボンブラックであるドナカー
ボを適用した。また塗料成分としてアクリル樹脂を使用
した。
【0026】〈実施例1〉粉末状のゴーセノールGM1
4を10部と、銅粉を1部、銀粉を1部をアクリル樹脂
30部に混合分散させて図1(a)に示す形態の水生生
物の付着防止材料とした。
【0027】〈実施例2〉ゴーセノールGM−14の1
0%水溶液を二つ用意し、一方の水溶液9部に対して銅
粉1部を混入し、他方の水溶液9部に対して銀粉1部を
混入し、これらをそれぞれ攪拌しながら乾燥させたもの
をコーヒーミルとボールミルとで粉砕する。このように
して粉砕したものを各々ふるい分けして粒径を100μ
以下とし、両者から10部づつをとってアクリル樹脂3
0部に混合分散させて図1(b)に示す形態の水生生物
の付着防止材料とした。
【0028】〈実施例3〉ゴーセノールGM−14の1
0%水溶液を用意し、この水溶液18部に対して銅粉1
部とカーボンブラック1部とを混入し、これらをそれぞ
れ攪拌しながら乾燥させたものをコーヒーミルとボール
ミルとで粉砕する。このようにして粉砕したものを各々
ふるい分けして粒径を100μ以下とし、このものを2
0部とってアクリル樹脂30部に混合分散させて図1
(b)に示す形態の水生生物の付着防止材料とした。
【0029】〈実施例4〉ゴーセノールGM−14の1
0%水溶液を用意し、この水溶液18部に対して銅粉1
部と銀粉1部とを混入し、これらをそれぞれ攪拌しなが
ら乾燥させたものをコーヒーミルとボールミルとで粉砕
する。このようにして粉砕したものを各々ふるい分けし
て粒径を100μ以下とし、このものを20部とってア
クリル樹脂30部に混合分散させて図1(b)に示す形
態の水生生物の付着防止材料とした。
【0030】〈実施例5〉ゴーセノールGM−14より
も重合度の大きなゴーセノールKH−17の10%水溶
液を用意し、この水溶液18部に対して銅粉1部と銀粉
1部とを混入し、これらをそれぞれ攪拌しながら乾燥さ
せたものをコーヒーミルとボールミルとで粉砕する。こ
のようにして粉砕したものを各々ふるい分けして粒径を
100μ以下とし、このものを20部とってアクリル樹
脂30部に混合分散させて図1(b)に示す形態の水生
生物の付着防止材料とした。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上述べたような構成を有する
ものであり、次のような効果が確認された。まず効果確
認のためのテスト手法であるプレートテスト、ビーカー
テスト、藻付着テスト及び海洋テストについて説明す
る。
【0032】プレートテストは図2に示すように適宜寸
法のポリエステル系F.R.P.基板1上に、本発明た
る水生生物の付着防止材料Tを直径5cmの円状に塗布
し、そのほぼ中央に殼長3cmのムラサキイガイAを水
平に固定し、このムラサキイガイからの足糸aの付着の
様子をみるものである。尚、ムラサキイガイはフジツボ
と並んで付着試験に使用される代表的水生生物であり、
海洋構築物に付着し易いこと等の理由でこの生物を実験
に採用した。そしてムラサキイガイAを固定する具体的
手法は、付着防止材料Tが塗布された中央部に1、2m
mの厚さのゴム片を介在させてムラサキイガイを瞬間接
着剤等で固着し、一週間ほど海水槽中に置いてその足糸
の着床状況を観察する。
【0033】またビーカーテストは図3に示すように内
周面及び内底面に付着防止材料Tを塗布したビーカーV
内に海水を入れ、ビーカー底部にムラサキイガイAをお
いて、その足糸の着床状況を観察するものである。この
テストはプレートテストと併せていわばダブルチェック
の意味で行なうものであって、特にムラサキイガイを固
定しないことでムラサキイガイの自由度を増し、より実
際に近い環境下での着床状況を観察することに意義があ
る。
【0034】更に藻付着テストは図4に示すように15
×100×1.5mmのFRP製のプレートPに付着防
止材料Tを塗布し、これを海水を入れたフラスコF中に
藻Sとともに一カ月以上沈めておき、プレートPへの藻
の付着状況を観察するテストである。尚、藻の付着状況
をテストする意義は、船底に付着する貝類等は胞子が船
底に付着することを契機として繁殖するが、藻が船底に
付着している場合には胞子が付着しやすく、逆に藻が付
着しにくい場合には胞子が付着せず貝類等が繁殖しにく
いことから、藻の付着状況をみれば水生生物の忌避効果
が判定できるからである。
【0035】更にまた海洋テストはテストプレートに付
着防止材料を塗布したものを一カ月以上海中に沈めてお
き、水生生物の付着状況を観察するものである。プレー
トテストはサンプル数を6、ビーカーテストはサンプル
数を4、また藻付着テストサンプル数を2としてテスト
を行なった。その結果は表1のとおりである。
【0036】
【表1】
【0037】これによればプレートテスト、ビーカーテ
ストのいずれにおいても、各実施例において付着防止材
料の塗布部への足糸の付着は見られなかった。また藻付
着テストでは、実施例1〜4においてスライム状の付着
物が認められたものの、この程度では船底に付着する貝
類等の胞子が船底に付着する程ではなく、また実施例5
では藻の付着は全く認められなかった。尚、1カ月の海
洋テストでは、実施例1〜5で一部藻の付着が認められ
たが、プレートテスト及びビーカーテストの結果を併せ
て総合的に判断すれば、本発明に係る水生生物の付着防
止材料は水生生物の忌避効果があることが顕著に認めら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明たる水生生物の付着防止材料の種々の実
施例を示す骨格的説明図である。
【図2】本発明たる水生生物の付着防止材料の試験方法
であるプレートテストを示す斜視図である。
【図3】本発明たる水生生物の付着防止材料の試験方法
であるビーカーテストを示す斜視図である。
【図4】本発明たる水生生物の付着防止材料の試験方法
である藻付着テストを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ポリエステル系F.R.P.基板 A ムラサキイガイ a 足糸 Ag 銀粉 B 粒体 B 粒体 B 粒体 Cu 銅粉 F フラスコ P プレート R 塗料成分 S 藻 T 付着防止材料 U 吸水性樹脂 V ビーカー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09C 3/10 PBW 6904−4J PBX 6904−4J

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅と、銅よりも電子受容性が大きい物質
    とが吸水性樹脂とともに塗料成分中に含有されて成るこ
    とを特徴とする水生生物の付着防止材料。
  2. 【請求項2】 前記銅よりも電子受容性が大きい物質は
    銀であることを特徴とする請求項1記載の水生生物の付
    着防止材料。
  3. 【請求項3】 前記銅よりも電子受容性が大きい物質は
    カーボンブラックであることを特徴とする請求項1記載
    の水生生物の付着防止材料。
  4. 【請求項4】 前記銅と、前記銅よりも電子受容性が大
    きい物質とが、それぞれ異なる吸水性樹脂の粒体に担持
    されていることを特徴とする請求項1、2または3記載
    の水生生物の付着防止材料。
  5. 【請求項5】 前記銅と、前記銅よりも電子受容性が大
    きい物質とが、同一の吸水性樹脂の粒体に担持されてい
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の水生生
    物の付着防止材料。
  6. 【請求項6】 前記吸水性樹脂はポリビニルアルコール
    であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5
    記載の水生生物の付着防止材料。
JP30575391A 1991-03-27 1991-09-06 水生生物の付着防止材料 Pending JPH0565432A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30575391A JPH0565432A (ja) 1991-09-06 1991-09-06 水生生物の付着防止材料
EP92302732A EP0506470B1 (en) 1991-03-27 1992-03-27 Aquatic organism blocking material
DE69204334T DE69204334T2 (de) 1991-03-27 1992-03-27 Material zur Verhütung des Anhaftens von Wasserorganismen.
KR1019920005087A KR100229699B1 (ko) 1991-03-27 1992-03-27 수생생물의 부착방지재료
AT92302732T ATE127139T1 (de) 1991-03-27 1992-03-27 Material zur verhütung des anhaftens von wasserorganismen.
CA002064287A CA2064287A1 (en) 1991-03-27 1992-03-27 Aquatic organism blocking material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30575391A JPH0565432A (ja) 1991-09-06 1991-09-06 水生生物の付着防止材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0565432A true JPH0565432A (ja) 1993-03-19

Family

ID=17948936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30575391A Pending JPH0565432A (ja) 1991-03-27 1991-09-06 水生生物の付着防止材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0565432A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09291232A (ja) * 1996-04-24 1997-11-11 Suzuki Sogyo Co Ltd 水生生物の付着防止材料
JP2008137959A (ja) * 2006-12-04 2008-06-19 National Agriculture & Food Research Organization スクミリンゴガイ用忌避材及びスクミリンゴガイの忌避方法
JP2013521365A (ja) * 2010-03-02 2013-06-10 フィバック エイピーエス 防汚組成物用の担持ゲル粒子

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09291232A (ja) * 1996-04-24 1997-11-11 Suzuki Sogyo Co Ltd 水生生物の付着防止材料
JP2008137959A (ja) * 2006-12-04 2008-06-19 National Agriculture & Food Research Organization スクミリンゴガイ用忌避材及びスクミリンゴガイの忌避方法
JP2013521365A (ja) * 2010-03-02 2013-06-10 フィバック エイピーエス 防汚組成物用の担持ゲル粒子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5049382A (en) Coating and composition containing lipid microstructure toxin dispensers
JP5031133B2 (ja) 防汚塗料組成物、防汚塗膜、該防汚塗膜で被覆された船舶または水中構造物、並びに船舶外板または水中構造物の防汚方法
JPH0565432A (ja) 水生生物の付着防止材料
JPH0768467B2 (ja) 防汚塗料
JPH04337369A (ja) 水生生物の付着防止材料並びにその製造方法
JPH1060317A (ja) 非溶出型防汚方法及び非溶出型防汚塗料組成物
JPH04325571A (ja) 水生生物の付着防止材料
JPH0565435A (ja) 水生生物の付着防止用顔料
JP3160681B2 (ja) 水生生物及び微生物の忌避成形品
JPH0565431A (ja) 水生生物の付着防止用塗料
KR100229699B1 (ko) 수생생물의 부착방지재료
JP3951372B2 (ja) シート状水中生物付着防止性汚濁防止膜
JPH0570716A (ja) 水生生物の付着防止塗料
JPH04298574A (ja) 水生生物の付着防止材料
JP3330345B2 (ja) 防汚性塗料組成物
JP2857932B2 (ja) 防汚塗料組成物
JP4743677B2 (ja) 水中有害生物防除材
JPH0571074A (ja) 水生生物の付着防止繊維並びにその使用方法
JPS60188478A (ja) 防汚塗料組成物
JP2857934B2 (ja) 防汚塗料組成物
JPS60215076A (ja) 防汚塗料組成物
WO1992007037A1 (en) Anti-fouling composition
JP2857933B2 (ja) 防汚塗料組成物
JPS58183762A (ja) 船底防汚塗料
JPH07150076A (ja) 防汚性コーティング材