JPH0565420A - 生物分解性樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents
生物分解性樹脂組成物およびその成形体Info
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- JPH0565420A JPH0565420A JP22705591A JP22705591A JPH0565420A JP H0565420 A JPH0565420 A JP H0565420A JP 22705591 A JP22705591 A JP 22705591A JP 22705591 A JP22705591 A JP 22705591A JP H0565420 A JPH0565420 A JP H0565420A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 樹脂本来の性能を維持しつつ、生物分解性の
向上した樹脂組成物および成形体を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂に、(A)澱粉および/または
澱粉の変性物、(B)酸化した油、ならびに(C)金属
塩を配合してなる。
向上した樹脂組成物および成形体を提供する。 【構成】 熱可塑性樹脂に、(A)澱粉および/または
澱粉の変性物、(B)酸化した油、ならびに(C)金属
塩を配合してなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生物分解性の樹脂組成
物およびその樹脂組成物から得られた成形体に関する。
物およびその樹脂組成物から得られた成形体に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来よ
り、土中に埋めたり、投棄したときに、生物によって分
解される種々の生物分解性樹脂組成物や成形体が知られ
ている。
り、土中に埋めたり、投棄したときに、生物によって分
解される種々の生物分解性樹脂組成物や成形体が知られ
ている。
【0003】例えば、特公昭52−42187号、特公
昭60−41089号、特公昭52−21530号に
は、実際に土中に埋めたり、投棄されたときに生物分解
性を示すように、澱粉を配合した樹脂組成物が示されて
いる。しかしながら、単に澱粉を樹脂に配合するだけで
は、樹脂が本来有している性質が大幅に低下して実用に
耐えられなくなったり、澱粉のみが生物によって分解さ
れ、樹脂部分はそのまま分解されずに残ってしまうなど
の問題があった。さらには、微生物活動の活発な土を選
択して土中埋設処理を1年間行ない、分子構造等の変化
を含めた状態変化の追跡を行なったところ、重量変化で
丁度1%前後と極めて遅い劣化分解挙動を示した。
昭60−41089号、特公昭52−21530号に
は、実際に土中に埋めたり、投棄されたときに生物分解
性を示すように、澱粉を配合した樹脂組成物が示されて
いる。しかしながら、単に澱粉を樹脂に配合するだけで
は、樹脂が本来有している性質が大幅に低下して実用に
耐えられなくなったり、澱粉のみが生物によって分解さ
れ、樹脂部分はそのまま分解されずに残ってしまうなど
の問題があった。さらには、微生物活動の活発な土を選
択して土中埋設処理を1年間行ない、分子構造等の変化
を含めた状態変化の追跡を行なったところ、重量変化で
丁度1%前後と極めて遅い劣化分解挙動を示した。
【0004】そこで、我々はより速い劣化分解促進率を
示す樹脂の開発を進めるために、従来より存在する澱粉
等添加ブレンド型プラスチックの劣化分解メカニズム解
析を行ない、劣化分解に寄与するいくつかの要因を発見
し、その要因を強化することにより、ついに従来の数倍
の劣化分解の促進率を示す樹脂の開発に成功した。
示す樹脂の開発を進めるために、従来より存在する澱粉
等添加ブレンド型プラスチックの劣化分解メカニズム解
析を行ない、劣化分解に寄与するいくつかの要因を発見
し、その要因を強化することにより、ついに従来の数倍
の劣化分解の促進率を示す樹脂の開発に成功した。
【0005】すなわち、本発明の課題は、上記の問題を
解消し得て、樹脂本来の性能を維持しつつ、生物分解性
が向上した樹脂組成物および成形体を提供する処にあ
る。
解消し得て、樹脂本来の性能を維持しつつ、生物分解性
が向上した樹脂組成物および成形体を提供する処にあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の生物分解性樹脂
組成物は、熱可塑性樹脂に、(A)澱粉および/または
澱粉の変性物、(B)酸化した油、ならびに(C)金属
塩を配合してなる。
組成物は、熱可塑性樹脂に、(A)澱粉および/または
澱粉の変性物、(B)酸化した油、ならびに(C)金属
塩を配合してなる。
【0007】本発明に使用される熱可塑性樹脂として
は、一般的な熱可塑性樹脂が該当し、特に制限されるも
のではない。例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンの単
独重合体もしくは相互共重合体またはこれらのα−オレ
フィンと他のコモノマーとの共重合体からなるポリオレ
フィン系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ABS樹脂;ポリ
塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン−ビニル共重合
体樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエステル系樹
脂;ポリアミド系樹脂;ポリフェニレンオキサイド系樹
脂;ポリビニルアルコール系樹脂(エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物);ポリウレタン系樹脂;ポリエー
テル系樹脂;天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−プ
ロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体ゴム等のゴム類およびこれらの混合物等が挙げ
られる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂やポリ
スチレン系樹脂等の使用が好ましい。
は、一般的な熱可塑性樹脂が該当し、特に制限されるも
のではない。例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンの単
独重合体もしくは相互共重合体またはこれらのα−オレ
フィンと他のコモノマーとの共重合体からなるポリオレ
フィン系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ABS樹脂;ポリ
塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン−ビニル共重合
体樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエステル系樹
脂;ポリアミド系樹脂;ポリフェニレンオキサイド系樹
脂;ポリビニルアルコール系樹脂(エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物);ポリウレタン系樹脂;ポリエー
テル系樹脂;天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−プ
ロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体ゴム等のゴム類およびこれらの混合物等が挙げ
られる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂やポリ
スチレン系樹脂等の使用が好ましい。
【0008】本発明における(A)成分の澱粉または澱
粉の変性物としては、米、とうもろこし、馬鈴薯、甘
藷、小麦等から得られる澱粉、またはその澱粉にスチレ
ン等の重合性モノマーをグラフトしたもの、シリコン等
を被覆したもの、もしくは澱粉を主成分としてラクトー
ス、グルコース等の糖類、糖蜜、カゼイン等の生物が好
んで摂取する有機物質で修飾されたものが例示される。
粉の変性物としては、米、とうもろこし、馬鈴薯、甘
藷、小麦等から得られる澱粉、またはその澱粉にスチレ
ン等の重合性モノマーをグラフトしたもの、シリコン等
を被覆したもの、もしくは澱粉を主成分としてラクトー
ス、グルコース等の糖類、糖蜜、カゼイン等の生物が好
んで摂取する有機物質で修飾されたものが例示される。
【0009】澱粉および/または澱粉の変性物の配合量
は、熱可塑性樹脂に対して5〜70重量%、好ましくは
7〜20重量%である。澱粉および/または澱粉の変性
物の配合量が5重量%以上であれば、増量するほど生物
分解性は増大する。しかしながら、70重量%を超える
と、樹脂の物性低下が著しく大きくなり実用的でない。
は、熱可塑性樹脂に対して5〜70重量%、好ましくは
7〜20重量%である。澱粉および/または澱粉の変性
物の配合量が5重量%以上であれば、増量するほど生物
分解性は増大する。しかしながら、70重量%を超える
と、樹脂の物性低下が著しく大きくなり実用的でない。
【0010】本発明における(B)成分の酸化した油と
しては、動物油や植物油を酸化させたもの等が挙げられ
るが、植物油を煮沸等によって酸化させたものが好まし
い。煮沸処理する時間は特に限定されないが、5時間以
上処理するのが好ましい。好ましい植物油としては、ナ
タネ油、コーン油、ヒマワリ油、ベニバナ油等が例示さ
れる。これらの植物油を酸化させたものを用いることに
より、樹脂組成物の酸化開始温度が低下し、生物分解性
が促進される。
しては、動物油や植物油を酸化させたもの等が挙げられ
るが、植物油を煮沸等によって酸化させたものが好まし
い。煮沸処理する時間は特に限定されないが、5時間以
上処理するのが好ましい。好ましい植物油としては、ナ
タネ油、コーン油、ヒマワリ油、ベニバナ油等が例示さ
れる。これらの植物油を酸化させたものを用いることに
より、樹脂組成物の酸化開始温度が低下し、生物分解性
が促進される。
【0011】酸化した油の配合量は、熱可塑性樹脂に対
して0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%
である。酸化した油の配合量が0.1重量%以上であれ
ば、増量するほど生物分解性は増大する。しかしなが
ら、10重量%を超えると、樹脂の物性低下が著しく大
きくなり実用的でない。
して0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%
である。酸化した油の配合量が0.1重量%以上であれ
ば、増量するほど生物分解性は増大する。しかしなが
ら、10重量%を超えると、樹脂の物性低下が著しく大
きくなり実用的でない。
【0012】本発明における(C)成分の金属塩として
は、無機酸の金属塩や高級脂肪酸の金属塩等が例示され
る。無機酸としては、硫酸、塩酸、炭酸等が好ましく、
高級脂肪酸としては、炭素数10〜30の飽和脂肪酸や
不飽和脂肪酸が好ましい。金属としては、鉄、アルミニ
ウム等が好ましい。これらの金属塩は、それぞれ単独で
用いても、2種以上を併用してもよいが、無機酸の金属
塩と高級脂肪酸の金属塩とを併用すると、生物分解性が
著しく向上する。
は、無機酸の金属塩や高級脂肪酸の金属塩等が例示され
る。無機酸としては、硫酸、塩酸、炭酸等が好ましく、
高級脂肪酸としては、炭素数10〜30の飽和脂肪酸や
不飽和脂肪酸が好ましい。金属としては、鉄、アルミニ
ウム等が好ましい。これらの金属塩は、それぞれ単独で
用いても、2種以上を併用してもよいが、無機酸の金属
塩と高級脂肪酸の金属塩とを併用すると、生物分解性が
著しく向上する。
【0013】金属塩の配合量は、熱可塑性樹脂に対して
0.1〜30重量%、好ましくは0.3〜10重量%で
ある。金属塩の配合量が0.1重量%以上であれば、増
量するほど生物分解性は増大する。しかしながら、30
重量%を超えると、樹脂の物性低下が著しく大きくなり
実用的でない。
0.1〜30重量%、好ましくは0.3〜10重量%で
ある。金属塩の配合量が0.1重量%以上であれば、増
量するほど生物分解性は増大する。しかしながら、30
重量%を超えると、樹脂の物性低下が著しく大きくなり
実用的でない。
【0014】本発明の樹脂組成物を得るための混練装置
としては、開放型のミキシングロール、非開放型のバン
バリーミキサー、ニーダー、一軸押出機、二軸押出機等
の従来公知のものを使用することができる。
としては、開放型のミキシングロール、非開放型のバン
バリーミキサー、ニーダー、一軸押出機、二軸押出機等
の従来公知のものを使用することができる。
【0015】本発明の樹脂組成物からなる成形体とは、
特に限定されるものではなく、マスターバッチ、押出成
形、射出成形、インフレーション成形、カレンダー成
形、吹込成形、回転成形等で成形される成形体全てを包
含する。
特に限定されるものではなく、マスターバッチ、押出成
形、射出成形、インフレーション成形、カレンダー成
形、吹込成形、回転成形等で成形される成形体全てを包
含する。
【0016】これらは、例えば、フィルム、シート、テ
ープ、ヤーン、ひも、ネット等の包装用資材、土木、水
産等の産業用資材、ショッピングバッグ、ゴミ袋、軽重
包装袋、おむつ用フィルム、農業用マルチフィルム、清
涼飲料水用キャリヤー、土のう袋、養生シート、植生ネ
ット、食品容器、食器、バケツ等の容器、玩具、医療機
器等に好適に使用される。
ープ、ヤーン、ひも、ネット等の包装用資材、土木、水
産等の産業用資材、ショッピングバッグ、ゴミ袋、軽重
包装袋、おむつ用フィルム、農業用マルチフィルム、清
涼飲料水用キャリヤー、土のう袋、養生シート、植生ネ
ット、食品容器、食器、バケツ等の容器、玩具、医療機
器等に好適に使用される。
【0017】本発明においては、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲において、ゴム類、可塑剤、滑剤、紫外線吸収
剤、他の酸化防止剤、発泡剤、架橋剤、帯電防止剤、防
曇剤、難燃剤、着色剤、充填剤等の添加剤を配合でき
る。
ない範囲において、ゴム類、可塑剤、滑剤、紫外線吸収
剤、他の酸化防止剤、発泡剤、架橋剤、帯電防止剤、防
曇剤、難燃剤、着色剤、充填剤等の添加剤を配合でき
る。
【0018】
【実施例】以下、実施例および比較例を掲げ本発明を詳
細に説明するが、本発明はこのような実施例のみに限定
されるものではない。
細に説明するが、本発明はこのような実施例のみに限定
されるものではない。
【0019】実施例1 低密度ポリエチレン(日本石油化学(株)製、F−3
1)に、とうもろこし澱粉45重量%、300℃で12
時間煮沸して酸化させたナタネ油6重量%、および硫酸
アルミニウム5重量%を配合し、ヘンシルミキサーを用
いてドライブレンドにより混合した。この混合物を押出
機によって溶融混合し、高濃度マスターバッチペレット
を得た。
1)に、とうもろこし澱粉45重量%、300℃で12
時間煮沸して酸化させたナタネ油6重量%、および硫酸
アルミニウム5重量%を配合し、ヘンシルミキサーを用
いてドライブレンドにより混合した。この混合物を押出
機によって溶融混合し、高濃度マスターバッチペレット
を得た。
【0020】このマスターバッチペレットを、無添加の
低密度ポリエチレン(日本石油化学(株)製、F−3
1)に20重量%配合してドライ混合した後、スクリュ
ー径40mmφの押出機を使用して、インフレーション
成形方法により、厚さ50μmのフィルムを作製した。
このフィルムから試験片を形成した。
低密度ポリエチレン(日本石油化学(株)製、F−3
1)に20重量%配合してドライ混合した後、スクリュ
ー径40mmφの押出機を使用して、インフレーション
成形方法により、厚さ50μmのフィルムを作製した。
このフィルムから試験片を形成した。
【0021】試験片中の各成分の配合量は、とうもろこ
し澱粉9重量%、酸化ナタネ油1.2重量%、硫酸アル
ミニウム1重量%であった。
し澱粉9重量%、酸化ナタネ油1.2重量%、硫酸アル
ミニウム1重量%であった。
【0022】実施例2 硫酸アルミニウムの代わりにステアリン酸鉄5重量%を
配合してマスターバッチペレットを形成したこと以外は
実施例1と同様にして、試験片を得た。
配合してマスターバッチペレットを形成したこと以外は
実施例1と同様にして、試験片を得た。
【0023】実施例3 金属塩として硫酸アルミニウム5重量%およびステアリ
ン酸鉄5重量%を配合してマスターバッチペレットを形
成したこと以外は実施例1と同様にして、試験片を得
た。
ン酸鉄5重量%を配合してマスターバッチペレットを形
成したこと以外は実施例1と同様にして、試験片を得
た。
【0024】比較例1 低密度ポリエチレンにとうもろこし澱粉のみを配合した
こと以外は実施例1と同様にして、試験片を得た。
こと以外は実施例1と同様にして、試験片を得た。
【0025】以上のようにして得られた試験片につい
て、以下のようにして、水分吸着性、酸化開始温度、生
物分解の程度(強力残率、重量変化、顕微鏡FT−IR
(フーリエ変換赤外分光光度計)によるC=O基の測
定、目視)を測定した。
て、以下のようにして、水分吸着性、酸化開始温度、生
物分解の程度(強力残率、重量変化、顕微鏡FT−IR
(フーリエ変換赤外分光光度計)によるC=O基の測
定、目視)を測定した。
【0026】(1)水分吸着性 試験片を純水中またはpH3の水中に24時間浸漬した
後に引き上げ、試験片表面の水分を拭き取って重量の増
加分を重量%で表わした。結果を表1に示す。
後に引き上げ、試験片表面の水分を拭き取って重量の増
加分を重量%で表わした。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、本発明の実施例
(特に実施例3)の成形体は水分吸着性が大きい。この
ことは微生物の活動がより活発に行なわれるであろうこ
とを示唆している。
(特に実施例3)の成形体は水分吸着性が大きい。この
ことは微生物の活動がより活発に行なわれるであろうこ
とを示唆している。
【0029】本来のポリマー、特に無極性ポリマーの場
合の水分吸着性は低密度ポリエチレンで0.1%程度で
あり、これでは微生物は活動しにくい。そこで、微生物
の活動をより促進させるために、水分吸着性を付与する
ことが重要である。
合の水分吸着性は低密度ポリエチレンで0.1%程度で
あり、これでは微生物は活動しにくい。そこで、微生物
の活動をより促進させるために、水分吸着性を付与する
ことが重要である。
【0030】(2)酸化開始温度 下記の条件でDSC(示差走査熱量計)により測定し
た。
た。
【0031】測定機:メトラー社製 TA−4000,
DSC−25 昇温速度:10℃/min 雰囲気:80ml/min Air中 結果を表2に示す。
DSC−25 昇温速度:10℃/min 雰囲気:80ml/min Air中 結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】酸化開始温度は、有機材料の酸化を急激に
生ぜしめる温度のことをいうが、この酸化開始温度が低
ければ低いほど寿命が短くなる傾向にあることが知られ
ている。表2から明らかなように、本発明の実施例(特
に実施例3)の成形体は非常に酸化劣化し易い状態にあ
る。
生ぜしめる温度のことをいうが、この酸化開始温度が低
ければ低いほど寿命が短くなる傾向にあることが知られ
ている。表2から明らかなように、本発明の実施例(特
に実施例3)の成形体は非常に酸化劣化し易い状態にあ
る。
【0034】(3)生物分解の程度 試験片を屋外の堆肥中に6週間埋設し、生物分解の程度
について経時変化を調べた。試験片は、堆肥中に深さ約
10〜20cmになるように埋めて水を与えた。その
後、試験期間中、水は自然条件に合わせ雨のみとした。
について経時変化を調べた。試験片は、堆肥中に深さ約
10〜20cmになるように埋めて水を与えた。その
後、試験期間中、水は自然条件に合わせ雨のみとした。
【0035】生物分解の目安となる項目として、強力
残率、重量変化、顕微鏡FT−IR(フーリエ変換
赤外分光光度計)によるC=O基の測定、および目視
について測定または観察した。
残率、重量変化、顕微鏡FT−IR(フーリエ変換
赤外分光光度計)によるC=O基の測定、および目視
について測定または観察した。
【0036】 強力残率 試験片をJIS3号ダンベルとし、ロードセル式引張試
験機(容量2kgf)を用いて、引張速度100mm/
min、つかみ間隔60mm、標線距離20mmの条件
で引張試験を行なって引張強力を測定し、堆肥中に埋め
る前の試験片の測定値を100としてその残率(強力残
率、%)を求めた。結果を図1に示す。この値が小さく
なるほど試験片は劣化している。
験機(容量2kgf)を用いて、引張速度100mm/
min、つかみ間隔60mm、標線距離20mmの条件
で引張試験を行なって引張強力を測定し、堆肥中に埋め
る前の試験片の測定値を100としてその残率(強力残
率、%)を求めた。結果を図1に示す。この値が小さく
なるほど試験片は劣化している。
【0037】図1から明らかなように、本発明の実施例
(特に実施例3)の成形体は強力残率の低下が著しく劣
化のスピードが大きい。
(特に実施例3)の成形体は強力残率の低下が著しく劣
化のスピードが大きい。
【0038】 重量変化 堆肥中に埋める前の試験片の重量測定値を100として
その変化(増減、%)を求めた。結果を図2に示す。
その変化(増減、%)を求めた。結果を図2に示す。
【0039】図2から明らかなように、実施例3の成形
体は重量の減少が著しい。なお、埋めてから2〜3週間
までの重量の増加は、成形体が水分を含んだためであ
る。
体は重量の減少が著しい。なお、埋めてから2〜3週間
までの重量の増加は、成形体が水分を含んだためであ
る。
【0040】 顕微鏡FT−IRによるC=O基の測定 バイオラッド社製のDIGILAB FTS−60およ
びDIGILAB UMA−300Aを用いて、酸化劣
化により増加すると考えられる1710cm-1付近のC
=O基の吸光度を測定した。結果を図3に示す。
びDIGILAB UMA−300Aを用いて、酸化劣
化により増加すると考えられる1710cm-1付近のC
=O基の吸光度を測定した。結果を図3に示す。
【0041】図3から明らかなように、本発明の実施例
(特に実施例3)の成形体はC=O基の吸光度の増加が
著しい。
(特に実施例3)の成形体はC=O基の吸光度の増加が
著しい。
【0042】C=O量は劣化の目安であるが、微生物は
分解酵素により材料の崩壊を起こすのであるから、生物
分解と同時に劣化も生じており、C=Oの増加はそれだ
け微生物の活動が活発であることの目安となる。このこ
とは、微生物により分解されて開いた孔に近いほどC=
O量が多いということによっても裏付けられる。
分解酵素により材料の崩壊を起こすのであるから、生物
分解と同時に劣化も生じており、C=Oの増加はそれだ
け微生物の活動が活発であることの目安となる。このこ
とは、微生物により分解されて開いた孔に近いほどC=
O量が多いということによっても裏付けられる。
【0043】 目視 6週間後に試験片を堆肥中から取り出して、その表面状
態および崩壊状況を観察した。
態および崩壊状況を観察した。
【0044】比較例1は埋める前と比べて変化がなかっ
た。実施例1および2は、わずかに空孔の存在が認めら
れた。実施例3は、直径約1〜2mmの空孔が多数有
り、全体に白色がかっていた。
た。実施例1および2は、わずかに空孔の存在が認めら
れた。実施例3は、直径約1〜2mmの空孔が多数有
り、全体に白色がかっていた。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の樹脂組成物およ
び成形体は、樹脂本来の性能を維持しつつ生物分解性が
著しく向上しているので、多方面にわたってきわめて実
用価値の高いものである。
び成形体は、樹脂本来の性能を維持しつつ生物分解性が
著しく向上しているので、多方面にわたってきわめて実
用価値の高いものである。
【図1】試験片の強力残率の経時変化を示す線図であ
る。
る。
【図2】試験片の重量の経時変化を示す線図である。
【図3】試験片のC=O基の顕微鏡FT−IRによる吸
光度の経時変化を示す線図である。
光度の経時変化を示す線図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂に、(A)澱粉および/ま
たは澱粉の変性物、(B)酸化した油、ならびに(C)
金属塩、を配合してなる生物分解性樹脂組成物。 - 【請求項2】 金属塩が無機酸の金属塩であることを特
徴とする請求項1記載の生物分解性樹脂組成物。 - 【請求項3】 金属塩が高級脂肪酸の金属塩であること
を特徴とする請求項1記載の生物分解性樹脂組成物。 - 【請求項4】 金属塩として無機酸の金属塩と高級脂肪
酸の金属塩を併用することを特徴とする請求項1記載の
生物分解性樹脂組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の生
物分解性樹脂組成物を成形させて得た成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22705591A JP2587333B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 生物分解性樹脂組成物およびその成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22705591A JP2587333B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 生物分解性樹脂組成物およびその成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0565420A true JPH0565420A (ja) | 1993-03-19 |
JP2587333B2 JP2587333B2 (ja) | 1997-03-05 |
Family
ID=16854824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22705591A Expired - Fee Related JP2587333B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 生物分解性樹脂組成物およびその成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2587333B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08300518A (ja) * | 1995-04-28 | 1996-11-19 | Miyagawa Konpou Unyu Kk | 段ボールカッティング装置のアンローダー装置 |
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- 1991-09-06 JP JP22705591A patent/JP2587333B2/ja not_active Expired - Fee Related
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